JPH0611230B2 - 新規組換え体プラスミド - Google Patents

新規組換え体プラスミド

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JPH0611230B2
JPH0611230B2 JP60129508A JP12950885A JPH0611230B2 JP H0611230 B2 JPH0611230 B2 JP H0611230B2 JP 60129508 A JP60129508 A JP 60129508A JP 12950885 A JP12950885 A JP 12950885A JP H0611230 B2 JPH0611230 B2 JP H0611230B2
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修一 石野
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和美 荒木
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    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、メソーの,ε−ジアミノピメリン酸の定量測
定、リジン生合成酵素としてリジンの発酵生産などに有
用なメソーα,ε−ジアミノピメリン酸脱水素酵素(EC
1.4.1.16以下DDHと略す)をコードする遺伝子(以下
DDH遺伝子という)を含む組換え体プラスミドおよび
該組換え体プラスミドを含む微生物によるDDHの製造
法に関する。該プラスミドは、DDH活性の増強された
Lーリジン生産菌の育種などにも利用される。
従来の技術 DDHは、コリネ型グルタミン酸生産菌類およびバチル
ス属細菌に存在することが知られている酵素であり、次
の反応を触媒する〔アグリカルチュラル・バイオロジカ
ル・ケミストリィ(Agricultural Biological Chemistr
y),48巻,2557頁,1984年参照〕。
メソーα,ε−ジアミノピメリン酸+NADP++H2O α−アミノ−ε−ケトピメリン酸+NADPH+NH4 + 従来、DDH遺伝子を組み込んだ組換え体プラスミドな
らびに該組換え体プラスミドを組み込んだ微生物による
DDHの製造については知られていない。
発明が解決しようとする問題点 本DDHは、メソーα,ε−ジアミノピメリン酸に特異
的に作用し、ジアミノピメリン酸の他の構造異性体には
作用しないのでメソーα,ε−ジアミノピメリン酸の酵
素的定量測定に利用されるが、従来知られている微生物
による酵素の生成量は微量であるので非常に高価となっ
ていた。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、コリネ型グルタミン酸生産菌またはバチ
ルス属細菌からDDH遺伝子を取り出し、これをプラス
ミドに組み込んで組換え体プラスミドを作製し、該プラ
スミドを微生物に導入して得られる形質転換体を培養す
ることにより著量のDDHを製造することができること
を見出し本発明を完成した。
発明の構成 本発明は、DDH遺伝子を含む組換え体プラスミド及び
該組換え体プラスミドを組み込んだ微生物によるDDH
の製造法を提供する。
コリネ型グルタミン酸生産菌において、DDHはL−リ
ジン生合成経路(第1表)上重要な酵素と考えられてい
る。
DDH遺伝子は、コリネ型グルタミン酸生産菌類はもし
くはバチルス属細菌の染色体DNAから得ることができ
る。これらの、DNAの供与菌は野性株であっても変異
株であってもよい。
DDH遺伝子は、供与菌からの染色体DNAの抽出、該
DNAの部分切断、特定プラスミドへの遺伝子DNA断
片の導入、該組換えプラスミドを用いるL−α−アミノ
−ε−ケトピメリン酸からメソーα,ε−ジアミノピメ
リン酸に至るリジン生合成酵素類(第1表の酵素A,
B,C,DまたはDDHのいずれか)またはそれらの組
合せの欠損に由来するメソーα,ε−ジアミノピメリン
酸要求性微生物変異株の形質転換、該要求性が相補され
た形質転換株の選択による工程でクローン化される。
本明細書において、コリネ型グルタミン酸生産菌とは、
コリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、ミクロ
バクテリウム属などに属する一群のグルタミン酸生産菌
をいう(「発酵と工業」第40巻,120頁,1982
年参照)。例えば、コリネバクテリウム・グルタミクム
ATCC 13032,コリネバクテリウム・アセトアシドフィラ
ムATCC 13870,ブレビバクテリウム・フラブムATCC 1406
7,ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタムATCC 138
69,ミクロバクテリウム・アンモニアフィルムATCC 1535
4およびそれらの誘導株をあげることができる。バチル
ス属細菌としては、バチルス・スフェリカスATCC 10208
が代表株としてあげられる。
コリネバクテリウム・グルタミクムATCC 21543〔本菌は
コリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13032(野性
株)から誘導されたホモセリン要求性、ロイシン要求
性、ペニシリン耐性、チアリジン耐性のリジン生産菌で
ある〕から得られるDDH遺伝子DNAは約5.3キロベ
ース(以下Kbという)、および2.7Kbの制限酵素EcoRI
DNA断片の連結物である(第1図参照)。
バチルス・スフェリカスATCC 10208から得られるDDH
遺伝子DNAは、約10.4Kbの制限酵素HindIIIDN
A断片である。該DNAは、制限酵素PstIにより3.9K
bと6.5Kbとに切断される(第2図参照)。
上述のDDH遺伝子DNAを得るための形質転換に用い
る受容菌は、上述のL−リジン生合成酵素類の欠損に起
因するメソーα,ε−ジアミノピメリン酸要求変異株で
ありかつ用いたベクターの複製に好適なものであればい
ずれの微生物であってもよい。本願発明においては、大
腸菌由来のベクターを用いているので、受容菌としては
それが複製可能な大腸菌K−12由来のメソーα,ε−
ジアミノピメリン酸要求変異株AT982〔本菌は、N
−サクシニル−α,ε−ジアミノピメリン酸アミノトラ
ンスフェラーゼ(以下SDATと略す)欠損変異株であ
る〕が用いられる。これらの受容菌は、使用する前に実
施例1に示した方法で制限酵素活性を低下せしめる変異
を施して用いれば好ましい結果が得られる。
これらの受容菌はDDH遺伝子DNAを有するベクター
を用いて形質転換された際にベクター上のDDH遺伝子
DNAの有する情報を発現する。特に、ベクターとして
マルチコピープラスミドを用いてDDH遺伝子DNAを
挿入する際には、該DNAが著しく増加し菌体中のDD
H活性が著しく増加する。このようにして得た形質転換
株の保有するDDH遺伝子DNAは、他の適当なベクタ
ーに再度組み換えて、例えばコリネ型グルタミン酸生産
菌に属する受容菌に導入することもできる。
再度の組換えに用いるベクターとしては、コリネ型グル
タミン酸生産菌において複製でき、DDH遺伝子DNA
を受容菌へ持ち込みその形質を転換することができるも
のであれば、いずれも用いられる。
例えば本発明者らの開発にかかるpCG1,pCG2,
pCG4,pCG11,pCE54,あるいはpCB1
01が好ましい。これらのベクターの調製法は特開昭57
-134500,特開昭57-183779,特開昭58-35197および特開昭
58-105999に記載されている。
これらのプラスミドは、これを保有するコリネ型グルタ
ミン酸生産菌(ブレビバクテリウム属あるいはコリネバ
クテリウム属)に属する微生物の細胞から、特開昭57-1
34500に記載した方法に従って単離することができる。
ベクタープラスミドにDDH遺伝子DNAを挿入するに
は、適当な制限酵素によりプラスミドを切断し、常法に
よりその中へ適当な遺伝子DNAを連結することによっ
て行うことができる。
DDH遺伝子DNAを有する組換えプラスミドをコリネ
型グルタミン酸生産菌に属する受容菌に取り込ませるに
は、特開昭57-186492および特開昭57-186489に記載の方
法すなわち、受容菌株のプロトプラスト化細胞を形質転
換する方法が利用される。
組換えプラスミドは、コリネ型グルタミン酸生産菌をス
ペクチノマイシン、ストレプトマイシン、カナマイシン
あるいはクロラムフェニコールなどの薬剤の耐性菌に形
質転換するので、DDH遺伝子DNAを挿入したプラス
ミドを含む形質転換株は、その薬剤耐性を試験すること
によって容易に同定することができる。
このようにして得たDDH遺伝子DNAを含む組換え体
プラスミドを導入した微生物は通常の培地に培養して、
DDHを培養物中に蓄積させることができる。
培地は炭素源、窒素源および無機イオン類さらに必要に
応じてビタミン類、アミノ酸類、有機酸類などの有機栄
養源の少量を含有する通常の培地が使用できる。
炭素源としてはグルコース、シュークロース、ラクトー
ス、でんぷん、でんぷん加水分解物、廃糖蜜などが利用
される。窒素源としてはガス状アンモニア、液状アンモ
ニア、アンモニウム化合物、尿素その他の含窒素化合物
を用いることができる。
微生物細胞中のDDH活性の検出は、アグリカルチュラ
ル・バイオロジカル・ケミストリィ(Agricultural Bio
logical Chemistry),48巻,2557〜2560頁,1984年に
記載の方法によって、メソーα,ε−ジアミノピメリン
酸を基質とし、NADPを補酵素とする反応系を用い
て、340nmの波長の変化を追跡する方法、あるいは
菌体抽出物をゲル電気泳動にかけた後、活性染色する方
法によって行うことができる。
培養は、pH5〜9、温度20〜40℃で1〜40時間通
気攪拌培養することによって行う。
培養物からのDDHの採取は、菌体破砕液を遠心分離、
透析後、DEAE−セファセル、セファデックスG−1
50などのカラムクロマトグラフィーを用いる常法によ
って行うことができる。
以下本発明の実施例を述べる。
実施例1.
SDAT欠損変異と宿主特異的制
限欠損変異をあわせて持つ大腸菌K12亜株TM135
の造成: 大腸菌の宿主・ベクター系を用いてコリネバクテリウム
・グルタミクムおよびバチルス・スフェリカスのDDH
遺伝子DNAを容易にクローン化するために、宿主特異
的制限欠損変異(以下hsdR2と略す)とSDAT欠損変
異(以下dap D4と略す)とをあわせ持つクローニング用
宿主菌の造成を次のように行った。
制限欠損変異を有する大腸菌K12株WA802〔昭和60年
2月25日付で工業技術院微生物工業技術研究所(微工
研)にEscherichia coli K12 WA802 FERM BP-718として
寄託;F-metB1 hsd R2;ジャーナル・オブ・モレキュラ
ー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology),16
巻,118頁,1966年〕から25μg/mlのリファンピシ
ンに耐性となった自然突然変異株RF82を誘導した。
次に、RF82株とSDAT欠損変異株K12 AT982〔昭
和60年4月19日付で微工研にEscherichia coli K12 AT9
82 FERM BP-770として寄託;Hfr dap D4;ジャーナル・
オブ・バクテリオロジイ(Journal of Bacteriology),1
05巻,844頁,1971年〕とをジアミノピメリン酸50μ
g/mlを含むL培地〔バクトトリプトン(Difco社製)
1%、酵母エキス(大伍栄養社製)0.5%,食塩0.5
%,pH7にNaOHで中和〕中で37℃の温度条件下で
3時間静置培養した。
生理食塩水で2回遠心洗滌後、リファンピシン25μg
/ml、ジアミノピメリン酸50μg/mlを含むM9最小
寒天培地(グルコース2g、NH4Cl1g、Na2HPO4
6g、KH2PO4 3g、MgSO4・7H2O 0.1g、
CaCl2・2H2O15mg、チアミン・HCl 4mgおよ
び寒天15g、水1、pH7.2)に塗布し、37℃で5
日間培養後生育してくるコロニーの中からリファンピシ
ン耐性でメチオニン非要求性となった接合体を選択し
た。
このような接合体の中からジアミノピメリン酸要求性を
示しかつ制限欠損変異を有している株を選んだ。
制限欠損変異の有無は修飾機能の欠損した大腸菌ATCC 3
3525(r-,m-)上で増殖したλファージ〔大腸菌ATCC 1
0798(λファージ溶原菌)から調製〕の平板効率をもっ
て判定した。すなわち、WA802株と同等の平板効率
を示した株を制限欠損変異を有する接合体であるとし
た。
このようにして得られたジアミノピメリン酸要求性でか
つ制限欠損変異型の接合体の代表株がTM135(昭和
606月13日付で微工研にEscherichia coli TM135 FERM
BP-814として寄託)である。
実施例2. コリネバクテリウム・グルタミクムのDDH遺伝子のク
ローン化 クローニングは大腸菌の宿主・ベクター系にて実施す
る。ベクターとして使用したpBR322プラスミドは
市販品(宝酒造社製)を用いた。供与体DNAたる染色
体DNAはコリネバクテリウム・グルタミクムATCC 215
43から特開昭58-126789実施例第1項に記載の方法に従
って単離した。
pBR322DNA 4μgおよびコリネバクテリウム
・グルタミクムATCC 21543の染色体DNA8μgを含む
制限酵素EcoRI用反応液(10mMトリス塩酸緩衝
液、7mM MgCl、100mMNaCl、pH7.5)1
20μに12単位のEcoRI(宝酒造社製)を添加
し、37℃の温度条件下で60分間反応後、65℃で1
0分間加温して反応を停止した。該反応消化物にT4リ
ガーゼ用反応液(660mMトリス塩酸緩衝液、66mM
MgCl、100mMジチオスレイトール、pH7.6)
30μ、5mM ATP 30μ、T4リガーゼ(宝
酒造社製)0.3単位および水120μを加え、12℃
で16時間反応させた。
このリガーゼ反応物を前述の大腸菌TM135株の形質
転換に供した。TM135株のコンピテントセルはダジ
ェルト(Dagert)らの方法〔ジーン(Gene)、第6巻,
23頁,1979年〕で調製した。
すなわち、ジアミノピメリン酸50μg/mlを補ったL
培地50mlにTM135株を植菌し、東京光電社製比色
計で660nmにおける吸光度(以下O.D.と略す)が0.
5になるまで37℃で培養した。培養液を氷水中で10
分間冷却後、菌体を遠心集菌し、冷却した0.1M塩化カ
ルシウム20mlに懸濁して、0℃にて20分間静置し
た。その後菌体を遠心集菌し、0.1M塩化カルシウム溶
液0.5mlに再懸濁し、0℃で18時間放置した。該菌液
400μに、前記リガーゼ反応物200μを添加
混合し、0℃に10分間置いてから37℃で5分間加温
した。次いで、ジアミノピメリン酸50μg/mlを含む
L培地9mlを添加し、37℃で2時間振盪培養した。生
理食塩水を用いて、2回遠心洗滌後、アンピシリン50
μg/mlを添加したM9最少寒天培地上に塗布し、37
℃で3日間培養した。出現したアンピシリン耐性でかつ
ジアミノピメリン酸非要求性の形質転換株につきアンピ
シリン50μg/mlを含むL寒天平板培地上で単集楽分離
を行った。
純化した形質転換株からアン(An)らの方法〔ジャーナ
ル・オブ・バクテリオロジイ(Journal of Bacteriolog
y),140巻,400頁,1979年〕によりプラスミドを単離し
た。このプラスミドを数種の制限酵素で消化した後、ア
ガロースゲル電気泳動で解析した結果、該プラスミドは
pBR 322の唯一のEcoRI切断部位に5.3Kbおよび2.
7Kbの2つのEcoRI DNA断片が挿入された構造
を有していることがわかった。このプラスミドをpDD
3と命名した(第1図参照)。
pDD3を保有する大腸菌の培養菌体からの粗抽出液中
にはDDH活性があることが活性染色法で確認された。
プラスミド非保有株の粗酵素抽出液中にはDDH活性は
検出されなかった。このことから、pDD3プラスミド
上にはコリネバクテリウム・グルタミクム由来のDDH
遺伝子がクローン化されていることがわかる。
実施例3. バチルス・スフェリカスのDDH遺伝子のクローン化: 前記と同様、クローン化には大腸菌の宿主・ベクター系
を利用する。ベクターとしてはpBR322プラスミドを用い
る。供与体DNAとしてはバチルス・スフェリカスATCC
10208から斉藤−三浦(Saito−Miura)の方
法〔バイオキミカ・バイオフィジカ・アクタ(Biochimi
ca et Biophysica Acta),72巻,619頁,1963年〕によ
って調製した染色体DNAを用いる。
pBR322DNA 4μgおよびバチルス・スフェリカスAT
CC 10208の染色体DNA 8μgを含む制限酵素Hin
dIII用反応液(10mMトリス塩酸緩衝液、7mM MgC
,50mM NaCl,pH7.5)120μに12単
位のHindIII(宝酒造社製)を添加し、37℃で6
0分間反応後、65℃で10分間加温して反応を停止し
た。次に、該反応消化物に前項と同様の方法でT4リガ
ーゼを作用させた。
このリガーゼ反応物を用いて、TM135株の形質転換
を行った。形質転換および形質転換体の選択は前項と同
様の方法で行った。出現したアンピシリン耐性でかつジ
アミノピメリン酸非要求性の形質転換株につき50μg
/mlのアンピシリンを含むL寒天平板培地上で単集落分
離を行った。
純化した形質転換株の培地菌体から前記のアン(An)ら
の方法でプラスミドDNAを単離した。このプラスミド
DNAを制限酵素消化とアガロースゲル電気泳動により
解析した結果、同プラスミドはpBR322の唯一のHind
III制限酵素切断部位に約10KbのHindIIIDNA断
片が挿入された構造を有していることがわかった。この
プラスミドをpDD10と命名した(第2図参照)。
得られた形質転換株の菌体破砕粗酵素液中には、活性染
色法でDDH活性が検出され、pDD10プラスミド上
にバチルス・スフェリカス由来のDDH遺伝子が存在す
ることが確認された。
実施例4. プラスミドpDD8の作製: コリネバクテリウム・グルタミクム由来のクローン化D
DH遺伝子をコリネ型グルタミン酸生産菌中に保持せし
めるために、実施例2で作製したプラスミドpDD3
を、コリネバクテリウム・グルタミクムのベクタープラ
スミドpCG11と組み換え、シャトルプラスミドpD
D8を以下の工程で誘導した。
先ず、プラスミドpCG11を、それを保有する菌株
(コリネバクテリウム・グルタミクムATCC39022)から
特開昭57-134500実施例1 第1項に記載の方法に従っ
て単離した。pCG11およびpDD3プラスミドDN
Aを各々4μg含む制限酵素PstI用反応液〔20mM
トリス塩酸緩衝液、10mM MgCl,50mM(N
H4SO,0.01%ウシ血清アルブミン(シグマ社
製)、pH7.2〕120μにPstI制限酵素(宝酒造
社製)8単位をを添加し、37℃で60分間反応させ
た。これを、65℃で10分間加温して反応を停止させ
た後、T4リガーゼ用緩衝液30μ、5mM ATP
30μ、T4リガーゼ0.3単位およびH2O 120μ
を加え、12℃で16時間反応させた。次に、該リガ
ーゼ反応生成物を用いて、実施例2に示した方法で、T
M135株を形質転換した。すなわち、スペクチノマイ
シン100μg/mlを含むM9寒天平板培地上に出現し
た形質転換株の1株について、同一組成の寒天平板上で
単集落分離を行い、得られる純化株の培養菌体から前記
のアン(An)らの方法でプラスミドDNAを単離した。
該プラスミドDNAの構造を制限酵素切断とアガロース
ゲル電気泳動により調べた結果、該プラスミドはpDD
3プラスミド内のpBR322DNA部分上に存在するPst
I切断部位にpCG11プラスミドが挿入された構造を
有していた。該プラスミドをpDD8と命名した(第1
図参照)。
pDD8保有株においてもpDD3保有株と同様に、D
DHの産生があることが、活性染色法で確認された。
実施例5. pDD8プラスミドのコリネバクテリウム・グルタミク
ムへの導入: pDD8プラスミドを用いて、コリネバクテリウム・グ
ルタミクムのL−リジン生産菌ATCC 21543の形質転換を
行った。ATCC 21543の種培養液0.1mlをL−ホモセリン
50μg/mlとL−ロイシン 100μg/mlを含む1
0mlのSSM培地〔グルコース20g、(NH4)2SO4
10g、尿素3g、酵母エキス1g、KH2PO4 1g、
MgCl2・6H2O 0.4g、FeSO4・7H2O 10m
g,MnSO4・4〜6H2O 0.2mg、ZnSO4・7H2
0.9mg、CuSO.5H2O 0.4mg、Na2B4O7・1
0H2O 0.09mg、(NH4Mo7O24・4H2O 0.0
4mg、ビオチン 30μg、チアミン・HCl 1mg、
水1、pH7.2〕に接種し30℃で振盪培養した。O.D.
が0.15になった時点で0.5単位/mlになるようにペニ
シリンGを添加した。さらに培養を続けO.D.が0.6にな
ったところで集菌し1mg/mlのリゾチームを含む2mlの
RCGP培地〔グルコース5g、カザミノ酸5g、酵母
エキス2.5g、K2HPO4 3.5g、KH2PO4 1.5g、
MgCl2・6H2O 0.41g、FeSO4・7H2O 10
mg,MnSO4・4〜6H2O 2mg、ZnSO4・7H2
0.9mg、(NH4Mo7O24・4H2O 0.04mg、ビオ
チン 30μg、チアミン・HCl 2mgコハク酸二ナ
トリウム135g、ポリビニルピロリドン(分子量10,0
00)30g、水1、pH7.2〕に懸濁し、30℃で14
時間緩やかに振盪して細胞をプロトプラスト化した。こ
のプロトプラスト菌液1mlを2,500×gで15分間遠
心分離し、得られるプロトプラストの沈澱をTSMC緩
衝液〔10mM MgGl、30mM CaCl、50mM
トリス塩酸緩衝液pH7.5)、400mM 蔗糖〕1mlに懸濁し
て遠心洗滌後TSMC緩衝液0.1mlに再懸濁した。この
懸濁液に、pDD8プラスミドDNA20μを混和
し、次いで20%(W/V)のポリエチレングリコール(PEG
と略す)6,000を含むTSMC緩衝液0.8mlを添加し
て混合した。3分後、これにRCGP培地2mlを添加
し、2.500×gで5分間遠心分離にかけてプロトプラ
ストを沈降させた。得られたプロトプラストの沈澱を1
mlのRCGP培地に懸濁し30℃で2時間緩やかに振盪
培養した。次いでこのプロトプラスト懸濁液0.1mlを、
スペクチノマイシン400μg/mlを含むRCGP寒天
培地(寒天1.4%を添加したRCGP培地)に塗布し、
30℃で6日間培養した。
得られたスペクチノマイシン耐性形質転換株RLC−9
から、特開昭57-134500、実施例1、第1項に記載の方
法に従ってプラスミドDNAを抽出した。単離したプラ
スミドは制限酵素で切断後アガロースゲル電気泳動で解
析した結果、形質転換に用いたpDD8と同じ構造をし
ていることが確認された(第1図参照)。さらに、ATCC
21543株にくらべて、pDD8を導入した株ではDDH
活性が著しく高いことがわかった(第2表)。
また、プラスミドpDD8保有菌の菌体破砕粗抽出液中
には、活性染色で、親株であるATCC 21543株のそれと同
一の挙動を示しかつ親株よりも著しく強いDDH活性を
認めた。
実施例6. 種菌として前述のプラスミドpDD8保有株RLC−9
を用い、種培地〔廃糖蜜(糖換算)5%、大豆粕分解物
(固形物換算)2%、コーン・スチープ・リカー1%、
KH2PO4 0.05%、K2HPO4 0.05%、MgSO4
7H2O 0.025%、FeSO4・7H2O 10μg/
、MnCl2・4〜6H2O 10μg/、尿素0.3
%、チアミン・HCl 100μg/、ビオチン50
μg/、L−ロイシン100μg/ml、スペクチノマ
イシン100μg/ml、pH7.2〕50mlを含む300ml
容三角フラスコに接種し、30℃、210rpmの振盪
条件下でロータリーシューカー上で24時間振盪培養し
た。得られた種培養液を集めて300mlとし、これを2.
7の上記と同一組成の種培地を含む5容ジャーファ
ーメンターに接種し、600rpmのの回転数、3/
minの通気条件、30℃の温度条件下で、アンモニア水
でpHを.0に維持しつつ24時間通気攪拌培養した。得
られた種培養液1.8を17の生育培地(グルコース
10%、硫安3%、KH2PO4 0.1%、MgSO4・7H2
O 0.04%、FeSO4・7H2O10mg/、MnCl2
・4〜6H2O 10μg/、ビオチン500μg/
、チアミン・HCl 200μg/、パントテン酸
カルシウム500μg/、ニコチン酸500μg/
、コーン・スチープ・リカー0.2%、L−ロイシン2
00μg/ml、L−スレオニン200μg/ml、L−メ
チオニン100μg/ml、スペクチノマイシン100μ
g/ml)を含む30容ジャーファーメンターに接種
し、400rpmの回転数、18/minの通気、30
℃の温度条件下でアンモニア水でpHを7.0に維持しつつ
30時間培養した。
得られた培養液を遠心分離して菌体を集め、0.85%の
食塩水で洗滌後再び遠心分離して集菌した。集めた菌体
のうち350g(湿菌体重量)を50mMのリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.4)に懸濁してダイナミル菌体摩砕機で
菌体を破砕し、7,000rpmの回転数で30分間遠心
分離した。得られた上澄にプロタミン3gを加え30分
間攪拌後同様に遠心分離した。得られた上澄に、60%
飽和になるように硫安を添加して塩析し、遠心分離をし
て沈澱を集め、これを50mMリン酸カリウム緩衝液(pH
7.4)450mlに溶解してこれを同じ組成の緩衝液に対
して透析した。透析残液に50mMのリン酸カリウム緩衝
液(pH7.4)を加えて1000mlとし、DEAE−セフ
ァセル(ファルマシア・ファイン・ケミカル社製)を充
填したカラム(2×42cm)に通して蛋白質を吸着させ
た後、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)を用い、
NaCl 0.15Mから0.5Mの塩濃度勾配により12
0ml/hrの溶出速度で溶出して、22mlずつの分画に集
めた。得られた分画のうちNo.55〜65にDDH活性
を認めたのでこれらを集めた。かくして得られた活性画
分を限外過して濃縮し、これをセファデックスG−1
50(ファルマシア・ファイン・ケミカル社製)を充填
したカラム(2×40cm)に通塔して蛋白質をこれに吸
着せしめた。次に、10%グリセリンを含む10mMリン
酸カリウム緩衝液(pH7.4)で30ml/hrの溶出速度で
溶出し、6mlずつの分画に集めた。得られた分画のう
ち、No.38〜41にDDH活性を認めたのでこれらを
集め、これを精製DDHとしてその酵素的性質を調べ
た。
その結果、得られたDDHは第3表に示すような酵素的
性質を示した。
本発明の効果 本発明の方法によって、DDHをコードする遺伝子を含
む組換えプラスミドを得ることができる。該プラスミド
を利用して例えばコリネ型グルタミン酸生産菌のDDH
活性を増強したり、大腸菌にDDH活性を与えたりする
ことができるので、安価に大量にDDHを製造すること
ができる。また、コリネ型グルタミン酸生産菌から誘導
されるL−リジン生産菌あるいはメソ−α,ε−ジアミ
ノピメリン酸生産菌でのDDH活性の増強にともなうL
−リジンあるいはメソ−α,ε−ジアミノピメリン酸の
生成収率の向上、生成速度の向上が期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図はプラスミドpDD8の造成工程を示す。 第2図はpDD10の造成工程を示す。 図中の記号は下記酵素の切断部位を示す。 P:PstI B:Bg1II E:EcoRI H:HindIII
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 15/53 C12R 1:07)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コリネバクテリウム属微生物の染色体DN
    Aに由来し、制限酵素Bg1IIによる二つの切断部位、
    制限酵素PstIおよび制限酵素EcoRIによる各々
    一つの切断部位を有し、両端に制限酵素EcoRI切断
    部位を有し、かつ約8.0Kbの大きさであるDNA断片ま
    たはバチルス属微生物の染色体DNAに由来し、制限酵
    素PstIによる切断部位を有し、両端に制限酵素Hi
    ndIII切断部位を有し、かつ約10.4Kbの大きさである
    DNA断片上に存在しており、メソーα,ε−ジアミノ
    ピメリン酸脱水素酵素をコードする遺伝子を含む組換え
    体プラスミド。
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