JPH06109902A - 反射防止膜を有する光学部材 - Google Patents

反射防止膜を有する光学部材

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JPH06109902A
JPH06109902A JP4285300A JP28530092A JPH06109902A JP H06109902 A JPH06109902 A JP H06109902A JP 4285300 A JP4285300 A JP 4285300A JP 28530092 A JP28530092 A JP 28530092A JP H06109902 A JPH06109902 A JP H06109902A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い視感反射率を有し、さらに表面硬度が経
時的に低下しにくい反射防止膜を有する光学部材を提供
する。 【構成】 光学ガラス基板上に、反射防止膜を有する光
学部材であって、前記反射防止膜は、設計波長λ0 とし
たとき基板側から数えて順に、酸化ケイ素を主成分と
し、光学的膜厚が0.05λ0 〜0.12λ0 である第
1層と、酸化アルミニウムを主成分とし、光学的膜厚が
0.28λ0 〜0.35λ0 である第2層と、酸化ジル
コニウムおよび酸化チタンの混合物を主成分とし、光学
的膜厚が0.45λ0 〜0.55λ0 である第3層と、
フッ化マグネシウムを主成分とし、光学的膜厚が0.2
0λ0 〜0.30λ0 である第4層と、により形成され
ていることを特徴とする反射防止膜を有する光学部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡レンズ、カメラレ
ンズなどの光学レンズに好ましく用いられる反射防止膜
を有する光学部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光学ガラスの表面反射を低下
させるために光学ガラス基板上に反射防止膜を施こすこ
とはよく知られている。この反射防止膜はできる限り少
ない層構成で、できる限り低い視感反射率を有するもの
が基本的に好ましいとされている。その例として例えば
特開昭62−42101号公報には、光学ガラス基板上
に、基板側から数えて順に、二酸化ケイ素からなり、光
学的膜厚が約λ0 /4である第1層と、酸化アルミニウ
ムからなり、光学的膜厚が約λ0 /4である第2層と、
酸化チタンからなり光学的膜厚がλ0 /2である第3層
と、フッ化マグネシウムからなり、光学的膜厚がλ0
4(λ0 は設計波長である。)である第4層と、を積層
した反射防止膜を有する光学部材が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし特開昭62−4
2101号公報に開示されている光学部材は、経時的に
反射防止膜の表面硬度が低くなりやすく、光学部材の使
用とともに反射防止膜に傷が生じやすい問題を有してい
た。また前記光学部材の視感反射率は0.3%程度(理
論計算値)と、できる限り低い視感反射率を有する光学
部材が求められている状況下では決して満足のいくもの
ではなかった。本発明は上述した課題を解決するために
なされたもので、その目的は経時的にも高い表面硬度を
維持でき、さらに低視感反射率特性を有する光学部材を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した目的は、以下に
記す発明により達成された。その第1の発明は、光学ガ
ラス基板上に、反射防止膜を有する光学部材であって、
前記反射防止膜は、設計波長λ0 としたとき基板側から
数えて順に、酸化ケイ素を主成分とし、且つ層の光学的
膜厚が0.05λ0 〜0.12λ0 である第1層と、酸
化アルミニウムを主成分とし、且つ層の光学的膜厚が
0.28λ0 〜0.35λ0 である第2層と、酸化ジル
コニウムおよび酸化チタンの混合物を主成分とし、且つ
層の光学的膜厚が0.45λ0 〜0.55λ0 である第
3層と、フッ化マグネシウムを主成分とし、且つ層の光
学的膜厚が0.20λ0 〜0.30λ0 である第4層
と、により形成されていることを特徴とする反射防止膜
を有する光学部材によって達成された。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
は、反射防止膜に、酸化アルミニウムを主成分とする層
を設け、さらにこの層の光学的膜厚をできるだけ厚くす
ることにより経時的な反射防止膜全体の表面硬度の低下
を押えることを見い出し、さらに少ない層構成で低い視
感反射率を得るために4層構成にして酸化ケイ素を主成
分とする層の光学的膜厚を調整することを考えて上述し
た反射防止膜を見い出した。尚、本発明における反射防
止膜は、λ0 /4−λ0 /4−λ0 /2−λ0 /4の4
層反射防止膜の光学的膜厚を変形させたものである。
【0006】基板から数えて第1層は、酸化ケイ素を主
成分とする層である。この第1層を酸化ケイ素を主成分
とする層にした理由は、低屈折率層と上述した第2層の
酸化アルミニウムを主成分とする層との良好な密着性を
得るためである。第1層を例えばフッ化マグネシウムを
主成分とする層にした場合には、光学的膜厚が厚くなっ
た第2層の酸化アルミニウムを主成分とする層との密着
性が不充分となるため好ましくない。また第1層の光学
的膜厚を0.05λ0 〜0.12λ0 にした理由は、良
好な低視感反射率と高い表面硬度を得るためである。第
1層の光学的膜厚が0.12λ0 を超える場合には充分
反射防止膜の表面硬度が得られにくく、また0.05λ
0 に満たない場合には良好な視感反射率が得られにくい
ので好ましくない。尚、実質的な第1層の屈折率の範囲
は1.44〜1.48である。
【0007】基板から数えて第2層は、酸化アルミニウ
ムを主成分とする層である。この第2層の光学的膜厚を
0.28λ0 〜0.35λ0 とすることにより良好な低
視感反射特性を有すると同時に、経時的に反射防止膜の
表面硬度が低下しにくいことを見い出した。光学的膜厚
が0.35λ0 を超える場合には良好な低視感反射特性
が得られにくく、また0.28λ0 に満たない場合は、
充分な反射防止膜の表面硬度が得られにくいので好まし
くない。尚、実質的な第2層の屈折率の範囲は1.60
〜1.65である。
【0008】基板から数えて第3層目は、酸化ジルコニ
ウムおよび酸化チタンの混合物を主成分とする層であ
る。この層を第3層とした理由は、酸化チタンの高い屈
折率特性を利用することにより、低視感反射率を有した
光学部材が得られるためと、後述する第2層の酸化アル
ミニウムを主成分とする層と良好な密着性を有するため
である。また酸化ジルコニウムおよび酸化チタンの混合
物を主成分とする層にした理由は、特開平3−1961
01号公報に開示されているように、酸化チタンに酸化
ジルコニウムを混合することによって、膜厚の厚さ方向
に屈折率が異なる特性を有する不均質膜の不均質性を調
整することが可能であり、さらに屈折率が2.05〜
2.15と高い屈折率を有するからである。酸化ジルコ
ニウムと酸化チタンとのモル組成比は、酸化ジルコニウ
ムが1に対して酸化チタンが0.15〜0.20が好ま
しく用いられる。尚、第3層の実質的な屈折率の範囲は
2.05〜2.15で、また実質的な光学的膜厚の範囲
は0.45λ0 〜0.55λ0である。
【0009】基板から数えて第4層目は、フッ化マグネ
シウムを主成分とする層である。この層を第4層とした
理由は、フッ化マグネシウムの低い屈折率特性を利用す
ることにより、低視感反射率を有した光学部材を得るこ
とができるためである。できるだけ低い視感反射率を得
るため第4層の実質的な屈折率の範囲は1.34〜1.
38で、λ0 /4−λ0 /4−λ0 /2−λ0 /4の膜
設計より第4層の実質的な光学的膜厚の範囲は0.20
λ0 〜0.30λ0 である。尚、本発明における反射防
止膜は真空蒸着法にて形成されることが好ましい。本発
明における反射防止膜の各々の層には上述した屈折率の
範囲を超えない程度で公知の蒸着物質を添加することが
できる。
【0010】本発明における光学ガラス基板は特に限定
されないが、屈折率が約1.5〜1.8の光学ガラス基
板が好ましく用いられる。また本発明における光学ガラ
ス基板と反射防止膜の第1層の間に酸化アルミニウム層
などからなる下地層を介在させてもよい。本発明の反射
防止膜を有する光学部材は、眼鏡レンズのほか、カメラ
用レンズ、自動車の窓ガラス、ワードプロセッサーのデ
ィスプレイに付設する光学フィルターなどに使用するこ
とが可能である。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例で得られた反射防止膜を有
する光学部材は、以下に示す試験方法により諸物性を測
定した。
【0012】(1)耐久性試験 得られた光学部材を3ケ月間屋外暴露して耐擦傷性試験
を行った。耐擦傷性試験はライオン両用ケシゴムNO.
510〔ライオン(株)製〕の鉛筆面のケシゴムにより
表面を付加加重2000gで50回(往復)こすった
後、以下のように判定することにより行った。 A:ほとんど傷がつかない B:少し傷がつく C:多く傷がつく
【0013】(2)密着性試験 JIS−Z−1522に従いゴバン目を10×10個作
りセロファン粘着テープにより剥離試験を3回行い、残
ったゴバン目を数えた。
【0014】(3)視感反射率(片面) 日立製作所製U3410型自記分光光度計を用い、視感
反射率を求めた。
【0015】実施例1 屈折率1.6のガラスレンズ基板としてLHI−II
(ホーヤ株式会社製)を用意し、このガラスレンズ基板
を300℃に加熱し、前記ガラスレンズ基板上に真空蒸
着法(真空度:1×10-5Torr)により酸化アルミ
ニウムからなる下地層〔屈折率1.63、膜厚0.02
λ0 (λ0 は500nmである。以下、同様)〕を形成
した。次に、前記下地層の上に酸化ケイ素からなる第1
層〔屈折率1.47、膜厚0.08λ0 〕を、この第1
層の上に酸化アルミニウムからなる第2層〔屈折率1.
63、膜厚0.30λ0 〕を、この第2層の上に酸化ジ
ルコニウムおよび酸化チタンからなる第3層〔屈折率
2.13、膜厚0.50λ0 〕を、この第3層の上にフ
ッ化マグネシウムからなる第4層〔屈折率1.38、膜
厚0.25λ0 〕を順次積層して反射防止膜を有する光
学部材を作製した。尚、上述した第1層から第4層は下
地層と同様に真空蒸着法にて形成した。その評価結果を
表1に示す。表1に示されるように、本実施例の光学部
材は、その視感反射率は0.1%と低く、密着性および
耐久性は良好であった。
【0016】実施例2 実施例1で用いたガラスレンズ基板の代わりに、屈折率
1.7のガラスレンズ基板〔LHI(ホーヤ株式会社
製)〕を、また実施例1で作製した下地層を作製しなか
った以外は、すべて実施例1と同様にして反射防止膜を
有する光学部材を作製した。その評価結果を表1に示
す。表1に示すように実施例2の光学部材は実施例1の
光学部材と同様に、良好な耐久性、密着性および低視感
反射率を有していた。
【0017】比較例1 本発明の比較として特開昭62−42101号公報に開
示された反射防止膜を有する光学部材の例を挙げる。第
1層の膜厚を0.25λ0 、第2層の膜厚を0.25λ
0 (λ0 は500nmである)にした以外は、実施例1
と同様にして反射防止膜を有する光学部材を作製した。
その結果を表1に示す。表1に示すように視感反射率が
0.3%で実施例1の光学部材の視感反射率と比べて劣
り、さらに耐久性も良好なものではなかった。
【0018】比較例2 第1層の構成物質をフッ化マグネシウム(膜厚0.25
λ0 )、第2層の構成物質を酸化アルミニウム(膜厚
0.25λ0 )にした以外は、実施例2と同様にして反
射防止膜を有する光学部材を作製した。その結果を表1
に示す。表1に示すように視感反射率が0.3%で実施
例1の光学部材の視感反射率と比べて劣り、さらに密着
性も良好なものではなった。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によって4層と少ない層数で低視
感反射特性を有し、表面硬度が経時的に低下しにくい反
射防止膜を有する光学部材を提供することができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ガラス基板上に、反射防止膜を有す
    る光学部材であって、 前記反射防止膜は、設計波長をλ0 としたとき基板側か
    ら数えて順に、 酸化ケイ素を主成分とし、且つ層の光学的膜厚が0.0
    5λ0 〜0.12λ0である第1層と、 酸化アルミニウムを主成分とし、且つ層の光学的膜厚が
    0.28λ0 〜0.35λ0 である第2層と、 酸化ジルコニウムおよび酸化チタンの混合物を主成分と
    し、且つ層の光学的膜厚が0.45λ0 〜0.55λ0
    である第3層と、 フッ化マグネシウムを主成分とし、且つ層の光学的膜厚
    が0.20λ0 〜0.30λ0 である第4層と、 により形成されていることを特徴とする反射防止膜を有
    する光学部材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007271860A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Nidek Co Ltd 反射防止膜付透明基板
JP5527482B2 (ja) * 2011-04-28 2014-06-18 旭硝子株式会社 反射防止積層体
CN107703567A (zh) * 2017-11-06 2018-02-16 广东弘景光电科技股份有限公司 高硬度减反射镀膜镜片

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CN107703567B (zh) * 2017-11-06 2024-05-03 广东弘景光电科技股份有限公司 高硬度减反射镀膜镜片

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