JPH0610986A - 位相変換型流体封入式防振装置 - Google Patents

位相変換型流体封入式防振装置

Info

Publication number
JPH0610986A
JPH0610986A JP18581792A JP18581792A JPH0610986A JP H0610986 A JPH0610986 A JP H0610986A JP 18581792 A JP18581792 A JP 18581792A JP 18581792 A JP18581792 A JP 18581792A JP H0610986 A JPH0610986 A JP H0610986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
permanent magnet
fluid
magnet
magnetic gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18581792A
Other languages
English (en)
Inventor
Rentaro Kato
錬太郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP18581792A priority Critical patent/JPH0610986A/ja
Publication of JPH0610986A publication Critical patent/JPH0610986A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体室の内圧を制御する振動部材に対して、
大きな駆動力を及ぼし得る電磁駆動手段を備えた位相変
換型流体封入式防振装置を提供すること。 【構成】 流体室34の壁部の一部を構成する振動部材
30の背後に永久磁石を配設せしめて、環状の磁気ギャ
ップ部72を有する磁路を形成すると共に、かかる磁気
ギャップ部72に可動コイル78を配設することによ
り、かかる可動コイル78に及ぼされる電磁力に基づい
て振動部材30を加振するようにした位相変換型流体封
入式防振装置において、前記永久磁石を、振動部材30
の背後に複数個(58,68)配設すると共に、ヨーク
部材56,60,70により、それら各永久磁石58,
68による磁路を、それぞれ、前記磁気ギャップ部72
を通過する経路をもって、互いに並列的に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に形成された流体室に内圧
を発生させて、振動入力時に流体室に惹起される内圧変
化の位相を変換することにより、防振特性を制御するよ
うにした位相変換型流体封入式防振装置に関するもので
ある。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車用エンジンマウントやサ
スペンション・ブッシュの如く、振動伝達系を構成する
部材間に介装される防振装置の一種として、それぞれ防
振連結乃至は支持される部材の各一方に取り付けられる
第一の取付金具と第二の取付金具とを、それら両金具間
に介装されたゴム弾性体にて弾性的に連結せしめてなる
構造の防振装置が知られている。また、近年では、より
高度な防振特性を実現するための一つの手法として、そ
のような防振装置に対して、内部に所定の非圧縮性流体
が封入されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめられる流
体室を設け、かかる流体室に惹起される内圧を制御せし
めて内圧変化の位相を変換せしめることにより、防振特
性を入力振動等に応じて切換制御するようにした位相変
換型流体封入式防振装置が、提案されている。
【0003】例えば、特開昭59−1828号公報や特
開昭59−1829号公報、実開平3−73741号公
報等には、流体室の壁部の一部を振動部材にて構成し、
この振動部材を電磁力にて加振することにより、流体室
の内圧を制御するようにした防振装置が、開示されてい
る。
【0004】しかしながら、これら公報等に開示されて
いる従来構造の位相変換型流体封入式防振装置にあって
は、何れも、永久磁石により形成される磁界内に配設さ
れたコイルによって、振動部材を駆動する電磁力が生ぜ
しめられるようになっているが、永久磁石によって形成
される磁路が、開磁路形態とされており、コイルが置か
れる領域の磁束密度を十分に確保することが極めて難し
く、振動部材に対して十分な駆動力を及ぼすことが困難
で、実用上、満足できる防振特性を得ることができなか
った。
【0005】そこで、本願出願人は、先に、特願平3−
339876号および特願平3−341929号におい
て、流体室の壁部の一部を構成する変位可能な振動部材
の背後に永久磁石を配設すると共に、該永久磁石にヨー
ク部材を接続せしめて、環状の磁気ギャップ部を有する
磁路を閉磁路形態をもって形成し、かかる磁気ギャップ
部に、振動部材に連結された可動コイルを変位可能に配
設せしめてなる構造の位相変換型流体封入式防振装置を
提案した。このような構造の防振装置においては、振動
部材に対して駆動力を及ぼす可動コイルの配設領域が、
閉磁路形態をもって形成された磁路上において、ヨーク
部材が対向位置せしめられた磁気ギャップ部として形成
されることから、かかる領域における磁束密度の向上と
均一化が図られ得て、振動部材に対する駆動力を有利に
且つ安定して得ることができるのである。
【0006】ところで、かくの如き前出願に係る位相変
換型流体封入式防振装置においては、永久磁石にて生ぜ
しめられる磁力をヨーク部材にて磁気ギャップ部に収束
させることにより、該磁気ギャップ部における磁束密度
を有利に得ることが可能ではあるが、かかる磁気ギャッ
プ部において大きな磁束密度を確保するためには、大き
な磁力を生ぜしめる永久磁石が必要とされることに変わ
りはない。それ故、振動部材に対して及ぼされる駆動力
を、より大きく且つ安定して得るためには、永久磁石に
よって生ぜしめられる磁力の増大を図る必要がある。
【0007】ところが、コスト的に有利なフェライト磁
石を用いて、磁力の増大を図ろうとすると、磁石が著し
く大型化してしまうことが避けられないために、防振装
置の設計上、スペース的に採用することが困難であると
いう問題があったのであり、一方、希土類磁石を採用す
れば、その優れた磁気特性により、小型で大きな磁力を
確保することは可能となるが、原料コストが高いため
に、実用化は難しかったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、永久磁石による大きな磁力をスペース的お
よびコスト的に有利に確保することができ、磁気ギャッ
プ部における磁束密度の更なる向上が図られ得て、振動
部材に対して大きな駆動力が及ぼされることにより、流
体室の内圧制御による防振特性の切換制御を、より有効
に且つ安定して行なうことのできる位相変換型流体封入
式防振装置を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、互いに所定距離を隔てて配
された第一の取付金具と第二の取付金具とを、それらの
間に介装されたゴム弾性体にて連結すると共に、内部に
所定の非圧縮性流体が封入されて振動入力時に内圧変動
が生ぜしめられる流体室を形成する一方、該流体室の壁
部の一部を変位可能な振動部材にて構成し、該振動部材
の背後に永久磁石を配設すると共に、該永久磁石にヨー
ク部材を接続せしめて環状の磁気ギャップ部を有する磁
路を形成し、かかる磁気ギャップ部に可動コイルを変位
可能に配設することにより、該可動コイルに及ぼされる
電磁力に基づいて前記振動部材を加振するようにした位
相変換型流体封入式防振装置において、前記永久磁石
を、前記振動部材の背後に複数個配設すると共に、前記
ヨーク部材により、それら各永久磁石による磁路を、そ
れぞれ、前記磁気ギャップ部を通過する経路をもって、
互いに並列的に形成したことにある。
【0010】また、本発明は、そのような位相変換型流
体封入式防振装置であって、前記複数個の永久磁石とし
て、フェライト磁石からなる第一の永久磁石と、該第一
の永久磁石よりも重量の小さい、希土類磁石からなる第
二の永久磁石とを、用いたものをも、その特徴とするも
のである。
【0011】
【作用・効果】すなわち、このような本発明に従う構造
とされた位相変換型流体封入式防振装置においては、複
数個の永久磁石の磁路が並列構造をもって形成されてお
り、磁気ギャップ部において、それらの永久磁石の磁力
の収束効果が発揮されて相加的な磁束密度が発現される
ことから、かかる磁気ギャップ部に配された可動コイ
ル、延いては振動部材に対して、大きな駆動力が及ぼさ
れ得るのである。
【0012】しかも、複数個の永久磁石を用いたことに
より、各永久磁石の小型化が図られ得るのであり、それ
によって、各永久磁石の配設位置や形状等に関する設計
上の自由度が大きく確保されることとなり、かかる永久
磁石の配設位置や形状等を、適宜、設定することによ
り、防振装置の著しい大型化が効果的に回避され得ると
共に、要求される防振装置のサイズや形状等の各種設計
条件に容易に対処することが可能となるのである。
【0013】それ故、本発明に係る位相変換型流体封入
式防振装置によれば、防振装置の形状やサイズ等の設計
自由度を十分に確保しつつ、振動部材に対して及ぼされ
る駆動力を極めて有利に得ることができるのであり、以
て、流体室の内圧制御により、目的とする防振特性を、
有効に且つ安定して得ることができるのである。
【0014】また、フェライト磁石からなる第一の永久
磁石と、希土類磁石からなる第二の永久磁石とを用いて
なる請求項2に記載の位相変換型流体封入式防振装置に
よれば、安価ではあるが磁気特性に劣るフェライト磁石
と、磁気特性には優れるが高価である希土類磁石とを、
それらの両特性が相補完されるようにして、使用するこ
とができるのであり、それによって、コスト上昇を抑え
つつ、前記磁気ギャップ部における磁束密度、延いては
振動部材に対して及ぼされる駆動力の向上効果を、より
一層効果的に得ることが可能となるのである。
【0015】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0016】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用エンジンマウントが示されている。かかる図
において、10は第一の取付金具、12は第二の取付金
具であり、互いに所定距離を隔てて対向配置されている
と共に、それらの間に介装されたゴム弾性体14によっ
て、相互に連結されている。そして、かかるエンジンマ
ウントは、第一の取付金具10および第二の取付金具1
2が、車体側およびパワーユニット側の各一方に取り付
けられることにより、それらの間に介装され、パワーユ
ニットを車体に対して防振支持せしめるようになってい
る。また、そのような装着状態下、かかるエンジンマウ
ントには、主として、第一の取付金具10と第二の取付
金具12との対向方向(図1中、上下方向)に防振すべ
き振動が入力されることとなる。
【0017】より詳細には、前記第一の取付金具10
は、筒壁部にテーパが付された有底円筒形状を呈する底
金具16と、該底金具16に対して、その開口部を覆蓋
するように重ね合わされた円板形状を呈する蓋金具18
とにより、中空構造をもって形成されている。なお、蓋
金具18には、その中央部分に位置して、外方に突出す
る取付ボルト20が固設されており、この取付ボルト2
0によって、第一の取付金具10が、車体側またはパワ
ーユニット側に取り付けられるようになっている。
【0018】また、前記第二の取付金具12は、厚肉円
筒形状乃至は円環形状を呈しており、第一の取付金具1
0と略同軸上に所定距離を隔てて配設されている。な
お、図示はされていないが、この第二の取付金具12に
は、ブラケットが一体的に設けられており、かかるブラ
ケットによって、パワーユニット側または車体側に取り
付けられるようになっている。
【0019】更にまた、これら第一の取付金具10と第
二の取付金具12とを相互に連結するゴム弾性体14
は、全体として略円錐台形状を呈しており、その小径側
端面に対して第一の取付金具10を構成する底金具16
が、大径側端部外周面に第二の取付金具12が、それぞ
れ、加硫接着されている。更にまた、かかるゴム弾性体
14の内部には、第二の取付金具12の内孔を通じて、
大径側端面に開口するポケット部22が形成されてい
る。なお、図中、24は、ゴム弾性体14に加硫接着さ
れて、該ゴム弾性体14の座屈等を防止する拘束リング
である。
【0020】さらに、かくの如き一体加硫成形品に対し
て、中央部分に透孔26が設けられた厚肉の円環板形状
を呈する支持金具28が、第二の取付金具12の軸方向
外面に重ね合わされ、ボルト固定されている。また、こ
の支持金具28には、その透孔26内に、振動部材とし
ての円板形状の振動板30が配設されており、その外周
縁部が、円環状の支持ゴム32を介し、支持金具28の
透孔26の内周縁部に連結されている。即ち、それによ
って、振動板30が、支持金具28に対して、変位可能
に弾性支持されていると共に、支持金具28の透孔26
が、流体密に閉塞されているのである。
【0021】そして、この支持金具28が、一体加硫成
形品に対して組み付けられることにより、該一体加硫成
形品に形成された前記ポケット部22の開口部が流体密
に覆蓋されており、以て、その内部に、所定の非圧縮性
流体が封入されてなる受圧室34が形成されている。な
お、かかる非圧縮性流体としては、水やアルキレングリ
コール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が
用いられ、例えば、一体加硫成形品に対する支持金具2
8の組付けを、該流体中で行なうこと等により、受圧室
34へ封入されることとなる。
【0022】また、かかる受圧室34の内部には、中央
部分に通孔36が形成された略円環板状の仕切金具38
が収容されており、外周縁部を、第二の取付金具12と
支持金具28との間で挟持されることによって支持され
ている。即ち、この仕切金具38によって、受圧室34
が、第一の取付金具10側と支持金具28側とに仕切ら
れていると共に、それら両側部分が、該仕切金具38の
通孔36を通じて、相互に連通されているのである。
【0023】また一方、前記第一の取付金具10の内部
には、薄肉の可撓性ゴム膜40が収容されており、外周
縁部を、底金具16と蓋金具18との間で挟持されるこ
とにより、かかる第一の取付金具10の内部を流体密に
二分するように配設されている。それによって、可撓性
ゴム膜40と底金具16との間には、内部に所定の非圧
縮性流体が封入された容積可変の平衡室42が形成され
ている。なお、可撓性ゴム膜40を挟んで、該平衡室4
2と反対側に位置する空間は、可撓性ゴム膜40の変形
を許容する空気室44とされている。
【0024】更にまた、第一の取付金具10を構成する
底金具16の内周面には、該底金具16に対応した略有
底円筒形状を呈するオリフィス金具46が、重ね合わさ
れて配設されている。そして、このオリフィス金具46
の外周面に設けられた螺旋状の凹溝48が、底金具16
にて覆蓋されることにより、それらオリフィス金具46
と底金具16との間において、前記受圧室34を平衡室
42に連通するオリフィス通路50が、形成されてい
る。
【0025】それによって、かかるエンジンマウントに
おいては、第一の取付金具10と第二の取付金具12と
の間への振動入力時に、受圧室34に対して内圧変動が
惹起されることとなり、以て、該受圧室34と平衡室4
2との間で、オリフィス通路50を通じての流体の流動
が生ぜしめられて、かかる流体の共振作用により、所定
の防振効果が発揮されるようになっているのである。
【0026】さらに、上述の如くして形成された受圧室
34の壁部の一部を構成する、支持金具28によって支
持された振動板30の背後には、電磁駆動手段52が配
設されており、支持金具28に対してボルト固定されて
いる。そして、この電磁駆動手段52によって、振動板
30が駆動され、加振されるようになっている。
【0027】より詳細には、かかる電磁駆動手段52
は、鉄等の強磁性材料にて形成された、開口周縁部に取
付フランジ部54を有する有底円筒形ケース状の第一の
ヨーク56を備えており、該第一のヨーク56内に、第
一の永久磁石58が収容されている。この第一の永久磁
石58は、厚肉の円板形状を呈しており、その一方の磁
極側端面である軸方向下面が、第一のヨーク56の底面
に当接して配置されている。
【0028】また、かかる第一の永久磁石58の他方の
磁極側端面である軸方向上面には、強磁性材料にて形成
された第二のヨーク60が、重ね合わされて配設されて
いる。この第二のヨーク60は、小径部62と大径部6
4からなる段付の円形短柱形状を呈しており、その大径
側端面において、第一の永久磁石58の軸方向上面に当
接せしめられて、小径部62が第一のヨーク56の開口
部側に向って突出する状態で配置されている。
【0029】更にまた、かかる第二のヨーク60の段差
面66上には、第二の永久磁石68が、重ね合わされて
配設されている。この第二の永久磁石68は、円環形状
を呈しており、その一方の磁極側端面である軸方向下面
が、第二のヨーク60の段差面66に当接して配置され
ている。また、そこにおいて、かかる第二のヨーク60
の段差面66に当接せしめられた第二の永久磁石68の
軸方向下面側の磁極は、第二のヨーク60の大径側端面
に当接せしめられた第一の永久磁石58の軸方向上面側
の磁極と同一の極性となるように設定されている。
【0030】さらに、上述の如く第一及び第二の永久磁
石58,68が収容配置された第一のヨーク56の開口
部には、強磁性材料にて形成された略円環板形状を呈す
る第三のヨーク70が配設されている。この第三のヨー
ク70は、外周縁部が第一のヨーク56の開口部内に嵌
め込まれて固定されていることにより、その外周縁部に
おいて第一のヨーク56に接続されていると共に、その
下面が、前記第二の永久磁石68の磁極側端面である軸
方向上面に対して、当接せしめられている。また、かか
る第三のヨーク70の内周面は、第二のヨーク60にお
ける小径部62の端部外周面に対して、所定距離を隔て
て対向位置せしめられている。なお、図中、71は、ア
ルミニウム等の非磁性材料にて形成されたスペーサであ
る。
【0031】そして、上述の如く組み合わされた第一の
ヨーク56,第二のヨーク60,第三のヨーク70によ
って、互いに協働して、第一の永久磁石58および第二
の永久磁石68による磁路が形成されているのである。
具体的には、第一,第二及び第三のヨーク56,60,
70によって第一の永久磁石58の磁路が、第二及び第
三のヨーク60,70によって第二の永久磁石68の磁
路が、それぞれ、閉磁路形態をもって形成されている。
【0032】また、ここにおいて、かくの如くして形成
された第一の永久磁石58の磁路と、第二の永久磁石6
8の磁路は、互いに並列的に構成されており、しかも、
それらの磁路は、何れも、第二のヨーク60と第三のヨ
ーク70との対向面間の間隙を含んで形成されている。
即ち、それによって、かかる第二のヨーク60と第三の
ヨーク70の間に、円環状の磁気ギャップ部72が形成
されているのであり、かかる磁気ギャップ部72におい
て、第一の永久磁石58の磁路と第二の永久磁石68の
磁路が合流せしめられているのである。
【0033】さらに、上記磁路を形成する第二のヨーク
60の軸方向外方には、合成樹脂等の非磁性材料にて形
成された取付部材74が、所定距離を隔てて配設されて
いる。この取付部材74は、全体として略逆カップ形状
を呈しており、その筒壁部76が、前記磁気ギャップ部
72内に挿入されて、軸方向に変位可能に位置せしめら
れている。
【0034】また、この取付部材74の筒壁部76の外
周面には、コイルが巻回されており、そこに可動コイル
78が形成されている。それによって、この可動コイル
78と取付部材74とが、磁気ギャップ部72内で、一
体的に変位可能とされているのである。
【0035】そして、このようにして形成された電磁駆
動手段52は、図示されている如く、第一のヨーク56
の取付フランジ部54が、支持金具28の外面に重ね合
わされて、ボルト固定されることにより、固設されてい
る。また、かかる電磁駆動手段52の取付部材74は、
その底部80が、振動板30の下面に重ね合わされてボ
ルト固定されている。
【0036】それによって、この電磁駆動手段52の可
動コイル78に交番電流を通電することにより、可動コ
イル78に対してフレミング左手の法則に従う電磁力
(ローレンツ力)が発生し、それによって、かかる可動
コイル78が装着された取付部材74を介して、振動板
30に対して駆動力が及ぼされる。そして、かかる振動
板30が駆動されることにより、受圧室34の内圧が変
化せしめられることから、可動コイル78に対する通電
制御により、受圧室34の内圧を制御することができる
のであり、それによってマウントの防振特性を、適宜、
変更することが可能となるのである。
【0037】具体的には、上述の如きエンジンマウント
に対して、例えば、振動板30を、入力振動と同位相で
振動させて、受圧室34の内圧を積極的に発生せしめる
ことにより、減衰効果の向上を図ることができるのであ
り、また一方、振動板30を、入力振動と逆位相で振動
させて、受圧室34の内圧を吸収乃至は軽減せしめるこ
とにより、低動ばね効果を得ることができるのである。
なお、特に本実施例では、かかる振動板30の加振に伴
い、受圧室34内で、通孔36を通じての流体の流動が
生ぜしめられることから、かかる流体の流動作用による
防振効果をも、利用することが可能である。
【0038】そして、そこにおいて、かかるエンジンマ
ウントにあっては、その電磁駆動手段52に、二つの永
久磁石58,68が用いられており、それぞれの磁路が
閉磁路形態をもって、且つ並列的に形成されていると共
に、両磁路が磁気ギャップ部72において合流せしめら
れているところから、かかる磁気ギャップ部72におい
て、第一及び第二の永久磁石58,68の磁力の収束効
果が発揮されて相加的な磁束密度が発現され得るのであ
る。
【0039】従って、かかる磁気ギャップ部72に配さ
れた可動コイル78に対して、大きな電磁力が生ぜしめ
られ得て、振動板30に及ぼされる駆動力を有効に得る
ことができるのであり、以て、受圧室34の内圧制御に
よって発揮される目的とする防振特性を、有効に且つ安
定して得ることが可能となるのである。
【0040】しかも、かかるエンジンマウントにおいて
は、二つの永久磁石58,68を用いたことにより、単
一の永久磁石によって同程度の磁力を得ようとする場合
に比して、各永久磁石58,68の小型化が可能となる
ことから、第一及び第二の永久磁石58,68の配設位
置や形状等に関する設計上の自由度が大きく確保され得
るのであり、それによって、要求される防振装置のサイ
ズや形状等の各種条件にも、容易に対処することが可能
となるのである。
【0041】そして、特に、本実施例では、第一の永久
磁石58と第二の永久磁石68とを、同軸上に配置せし
めてなる配設形態を採用したことにより、各永久磁石5
8,68、延いては電磁駆動手段52の大径化を防止し
つつ、磁気ギャップ部72における磁束密度を有利に確
保することができるのである。
【0042】また、本実施例においては、第二の永久磁
石68が円環形状をもって形成されていることにより、
第一の永久磁石58よりも第二の永久磁石68の方が軽
量とされている。それ故、第一の永久磁石58として、
安価な永久磁石材料からなる磁石、例えばバリウムフェ
ライト磁石やストロンチウムフェライト磁石等のフェラ
イト磁石を用いる一方、第二の永久磁石68として、最
大磁気エネルギー積:(BH)maxが大きい永久磁石材料
からなる磁石、例えば希土類−コバルト磁石やNd−F
e−B磁石等の希土類磁石を用いることにより、フェラ
イト磁石等の安価な特性と希土類磁石等の優れた磁気特
性とが、相補完される状態で使用することが可能となる
のである。
【0043】すなわち、上述の如き構造とされた電磁駆
動手段52によれば、安価な永久磁石材料からなる磁石
と、優れた磁気特性を有する永久磁石材料からなる磁石
とを、組み合わせて使用することによって、永久磁石の
原料コスト上昇を抑えつつ、磁気ギャップ部72におけ
る磁束密度、延いては振動板30に対して及ぼされる駆
動力の向上効果を、より一層効果的に得ることが可能と
なるのである。
【0044】因みに、本発明者が検討したところ、(外
径:40mmφ×厚さ:20mm),重量:200grの希土
類(SmCo系)磁石を用いることによって得られる磁
気ギャップ部における磁束密度を、安価なフェライト磁
石のみによって得ようとすると磁石重量が720grにも
なるのに対し、本実施例の如く、(外径:60mmφ×厚
さ:10mm),重量:141grのフェライト磁石からな
る第一の永久磁石58と、(〔外径:60mmφ,内径:
42mmφ〕×厚さ:8mm),重量:92grの希土類(S
mCo系)磁石からなる第二の永久磁石68とを併せて
用いれば、上記希土類磁石のみを用いる場合に比して、
磁気ギャップ部72における磁束密度が約1.4倍とな
り、しかも、約半分のコストで済むことが、確認されて
いる。
【0045】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0046】例えば、前記実施例においては、受圧室3
4に対して、オリフィス通路50を通じて連通された平
衡室42が設けられていたが、そのようなオリフィス通
路や平衡室を備えていない防振装置に対しても、本発明
は、有利に適用され得るものである。
【0047】また、前記実施例では、二つの永久磁石5
8,68が用いられていたが、三つ以上の永久磁石を用
い、それぞれの磁路を並列的に形成することも可能であ
る。
【0048】しかも、それら永久磁石の具体的形状や配
設位置関係等は、要求される防振装置の形状やサイズ等
に応じて、適宜、変更されるべきものであって、前記実
施例のものに限定されるものでは、決してない。
【0049】さらに、それら永久磁石の磁路を形成する
ヨーク部の構造も、前記実施例のものに限定されるもの
でなく、永久磁石の数や配設位置等に応じて、適宜、変
更されるものである。
【0050】また、前記実施例では、ゴム弾性体14を
振動入力方向に挟んだ両側部分に、第一の取付金具10
と第二の取付金具12が、それぞれ対向位置して固着さ
れた、所謂非筒型のマウントタイプの防振装置に対し
て、本発明を適用したものの具体例を示したが、その
他、例えば、前記特願平3−341929号において明
らかにされている如く、互いに径方向に所定距離を隔て
て配された内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装
されたゴム弾性体にて連結せしめてなる、所謂筒型タイ
プの防振装置に対しても、本発明は、同様に適用され得
るものである。
【0051】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの具体例を示
したが、その他、自動車用ボデーマウントやデフマウン
ト、サスペンション・ブッシュ、或いは自動車以外の各
種装置における防振装置に対しても、同様に、適用され
得ることは、勿論である。
【0052】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の範囲内に含まれるもの
であることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面図である。
【符号の簡単な説明】
10 第一の取付金具 12 第二の取付金具 14 ゴム弾性体 28 支持金具 30 振動板 32 支持ゴム 34 受圧室 42 平衡室 50 オリフィス通路 52 電磁駆動手段 56 第一のヨーク 58 第一の永久磁石 60 第二のヨーク 68 第二の永久磁石 70 第三のヨーク 72 磁気ギャップ 74 取付部材 78 可動コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
    取付金具と第二の取付金具とを、それらの間に介装され
    たゴム弾性体にて連結すると共に、内部に所定の非圧縮
    性流体が封入されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめら
    れる流体室を形成する一方、該流体室の壁部の一部を変
    位可能な振動部材にて構成し、該振動部材の背後に永久
    磁石を配設すると共に、該永久磁石にヨーク部材を接続
    せしめて環状の磁気ギャップ部を有する磁路を形成し、
    かかる磁気ギャップ部に可動コイルを変位可能に配設す
    ることにより、該可動コイルに及ぼされる電磁力に基づ
    いて前記振動部材を加振するようにした位相変換型流体
    封入式防振装置において、 前記永久磁石を、前記振動部材の背後に複数個配設する
    と共に、前記ヨーク部材により、それら各永久磁石によ
    る磁路を、それぞれ、前記磁気ギャップ部を通過する経
    路をもって、互いに並列的に形成したことを特徴とする
    位相変換型流体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 前記複数個の永久磁石として、フェライ
    ト磁石からなる第一の永久磁石と、該第一の永久磁石よ
    りも重量の小さい、希土類磁石からなる第二の永久磁石
    とを、用いたことを特徴とする請求項1に記載の位相変
    換型流体封入式防振装置。
JP18581792A 1992-06-19 1992-06-19 位相変換型流体封入式防振装置 Pending JPH0610986A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18581792A JPH0610986A (ja) 1992-06-19 1992-06-19 位相変換型流体封入式防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18581792A JPH0610986A (ja) 1992-06-19 1992-06-19 位相変換型流体封入式防振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0610986A true JPH0610986A (ja) 1994-01-21

Family

ID=16177403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18581792A Pending JPH0610986A (ja) 1992-06-19 1992-06-19 位相変換型流体封入式防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0610986A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0945643A2 (en) * 1998-03-04 1999-09-29 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled active vibration damping device including oscillating member oscillated by actuator controlled with pulse signal
KR100952776B1 (ko) * 2008-07-25 2010-04-14 현대자동차주식회사 엔진 마운트 장치
CN102022473A (zh) * 2010-12-20 2011-04-20 北京航空航天大学 一种超宽频可调式电磁阻尼隔振装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0945643A2 (en) * 1998-03-04 1999-09-29 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled active vibration damping device including oscillating member oscillated by actuator controlled with pulse signal
EP0945643A3 (en) * 1998-03-04 1999-12-08 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled active vibration damping device including oscillating member oscillated by actuator controlled with pulse signal
US6315277B1 (en) 1998-03-04 2001-11-13 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled active vibration damping device including oscillating member oscillated by actuator controlled with pulse signal
KR100952776B1 (ko) * 2008-07-25 2010-04-14 현대자동차주식회사 엔진 마운트 장치
CN102022473A (zh) * 2010-12-20 2011-04-20 北京航空航天大学 一种超宽频可调式电磁阻尼隔振装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002106633A (ja) 防振用アクチュエータおよびそれを用いた能動型防振装置
JPH11247919A (ja) 流体封入式能動型防振装置
JPH11351322A (ja) 能動的防振用加振器
JP2538468B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH05164181A (ja) 流体封入式防振装置
JP2510915B2 (ja) 流体封入式筒型防振装置
JPH1030676A (ja) 制振器
JPH09280304A (ja) 流体封入式マウント装置
JPH0610986A (ja) 位相変換型流体封入式防振装置
JP2618784B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2510914B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP3873618B2 (ja) 能動型防振用加振器およびそれを用いた能動型防振装置
JP3198608B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JP3132172B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2510916B2 (ja) 流体封入式防振装置の製作方法
JPH1047426A (ja) 流体封入式マウント装置
JPH11125303A (ja) 位相変換型液体封入式防振装置
JPH06109057A (ja) 流体封入式マウント装置
JP2827844B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JPH06200974A (ja) 流体封入式防振装置
JP3116558B2 (ja) 位相変換型流体封入式防振装置
JP3132174B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2865519B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH0642575A (ja) 流体封入式防振装置
JP5033082B2 (ja) 能動型液封入式防振装置