JPH0610918Y2 - 電気炊飯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電気炊飯器に関し、詳しくは器体の肩部に、
基体蓋の内側に設けられる内蓋が接触する肩ヒータを設
けている電気炊飯器に関するものである。

（従来の技術） 上記のような肩ヒータは、炊飯後の御飯を保温するよう
な場合に用いられ、肩ヒータに接触する内蓋に熱を伝導
して保温温度程度に昇温させる。これによって、内蓋が
保温温度よりも下回って結露を生じ、結露水が保温中の
御飯の上に滴下するような不都合を解消しながら、御飯
をまわりから均一に保温できるようにするものである。

従来この肩ヒータを設けるのに、第７図に示すように、
シーズヒータａを金属製のチャンネル型ヒータリングｂ
の裏側に嵌め込んで、ヒータリングｂの部分的な切起こ
し片ｃの折曲げによって保持したものを用いている。こ
のシーズヒータａを裏側に保持しているヒータリングｂ
は、耐熱樹脂製の肩部材ｄのヒータ取付環状凹部ｅの内
周部と、この環状凹部ｅの外周部に無理嵌めした耐熱樹
脂製の肩リングｆとの間に挟持して固定するようにして
いる。

（考案が解決しようとする課題） しかし上記のようなヒータ取付構造では、大きな部材と
なる肩部材ｄも、肩リングｆ同様にヒータａの熱影響を
受け易いので、共に耐熱樹脂製とされ、コスト上昇の原
因となっている。また肩部材ｄを含め部品点数が４つと
多く、組立工数もその分増大するし、前記切起こし片ｃ
の複数箇所での折曲げ作業が要るので、これもコスト上
昇の原因となる。

そこで本考案は、肩ヒータの取付け構造を改良すること
により、前記従来のような問題を解消することができる
電気炊飯器を提供することを課題とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記のような課題を解決するために、器体の肩
部に肩ヒータを設けた電気炊飯器において、耐熱性樹脂
製の肩リングの上面に保護チューブで被覆した肩ヒータ
をこの肩ヒータの保護チューブの上面が露出するように
して取付け、この肩ヒータを取り付けた肩リングを器体
の肩部を形成する合成樹脂製の肩部材の上面に肩ヒータ
の前記露出部が上向きとなるようにして取付け、器体の
開口を開閉する器体蓋の内側に設けられる内蓋の外周縁
を前記肩ヒータの保護チューブの上面に直接接触させた
ことを特徴とする電気炊飯器。

（作用） 本考案の上記構成によれば、保護チューブで被覆された
肩ヒータを用い、この肩ヒータの保護チューブの上面
に、器体蓋の内側に設けられる内蓋の外周部を直接接触
させて簡単な構造にて熱伝導できるようにするのを、 肩ヒータを前記上面が露出するようにして耐熱性合成樹
脂製の肩リングに取付け、この肩リングを器体の肩部を
形成する合成樹脂製の肩部材の上面に前記肩ヒータの露
出部が上向きに露出するようにして取付けることにより
達成し、 肩リングおよび肩部材が合成樹脂製であることによる成
形性および弾性を利用して前記２つの取付けの構造およ
び作業を簡略化することができるし、組み立て上、前記
肩ヒータおよび肩リングを一物品として取り扱えるよう
に、組み立て手順を合理化し単純化させることができ、
しかも、肩リングによって肩ヒータから肩部材への熱影
響を防止することができる。

実施例 以下本考案の一実施例につき第１図〜第６図を参照して
説明する。

第１図に全体の断面を示すように、金属板製の外装ケー
ス１と金属製の内容器２とからなる器体３と、この器体
３に収容される金属製の炊飯鍋４と、器体３の後部にヒ
ンジピン５によって開閉可能に枢着された樹脂製の器体
蓋６とで構成されている。

器体３の内容器２の底部上面には、炊飯ヒータ７を埋設
された熱盤８が当てがわれ、ビス９によって取付られて
いる。この熱盤８上に炊飯鍋４を載置して加熱すること
により炊飯を行う。また熱盤８の中央穴11部にはセンタ
ーセンサ12が設けられ、熱盤８に載置される炊飯鍋４の
底部に図示しないバネにより圧着されるようにしてあ
り、炊飯鍋４の温度を感知する。内容器２の胴部外周面
には保温ヒータ13が添え付けられ、内容器２を介して炊
飯鍋４内の御飯を炊飯鍋４まわりから緩く加熱し保温す
る。外装ケース１と内容器２とは、相互の口部を樹脂製
の肩部材14によって連結され、内容器２の熱が外装ケー
ス１に伝導するのを抑制する。

器体蓋６の内側には金属製の内蓋15が設けられ、炊飯鍋
４の開口を閉じるようにしている。器体蓋６は樹脂製の
中空構造とされており、中央部に蒸気抜き口16が設けら
れている。蒸気抜き口16の上部開口に多孔板17が取付ら
れている。内蓋15の中央にも蒸気抜き口18が設けられ、
この蒸気抜き口18の上側に樹脂製の加圧蒸気抜きパイプ
19が設けられている。この加圧蒸気抜きパイプ19はその
上端部の下向き環状段部19aが蒸気抜き口16の下部内周
に装着している環状シールパッキング22の内周突起22a
に弾性係合することにより前記蒸気抜き口16に着脱可能
に接続される。そして、加圧蒸気抜きパイプ19は調圧弁
21を内蔵しており、この調圧弁21と前記多孔板17との間
に炊飯鍋４内を所定の圧力に保ちながら蒸気を放出する
通路構造を形成している。

シールパッキング22は加圧蒸気抜きパイプ19の肩部19b
と圧着するシールリップ22bを有し、前記蒸気抜き口16
に加圧蒸気抜きパイプ19を挿入して器体蓋６に内蓋15を
装着した状態で、器体蓋６が閉じられて内蓋15が器体蓋
６に近づいたとき前記肩部19bへの圧着度をまして蒸気
抜き孔16と加圧蒸気抜きパイプ19との間を確固にシール
して蒸気やオネバの器体蓋６および内蓋15間への進入を
防止するとともに、内蓋15が炊飯鍋４に圧着し易くなる
ようにする。内蓋15の炊飯鍋４に圧着する部分には、シ
ールパッキング23が設けられている。器体蓋６には内蓋
15の炊飯鍋４に圧着する部分に対向する内蓋15押圧用の
シールパッキング24が設けられ、前記シールパッキング
22とともに、器体蓋６の内面に当てがった反射板25によ
って器体蓋６との間に挟持するようにしてある。シール
パッキング24は内蓋15を器体蓋６に対し下方に押圧して
炊飯鍋４に前記シール23の部分にて所定圧で圧着させ
る。

器体蓋６の前記ヒンジピン５による器体３後部への枢着
は、肩部材14の後部軸受31に対してなされ、器体蓋６は
前記枢着が行われる枢着基部6aとこの枢着基部6aに着脱
自在とする本体部6bとに分割され、枢着基部6aと本体部
6bとは枢着基部6aの側の板バネ32の係合突起32aと本体
部6bの突起6cとの弾性係合によって、結合状態に係止さ
れるようにしている。そしてこの弾性係合は両者の結合
を使用者に知らせるクリック音を発するし、両者を分離
する際の適度な抵抗となって不用意な分離を防止する。
枢着基部6aにはヒンジピン５のまわりに装着されたバネ
33が器体３との間に働かされ、器体蓋６を開き方向に付
勢するようになっている。

肩部材14における器体蓋６の前部である自由端部に対向
する部分に、器体３の内周に突出するように付勢された
ストッパ34が設けられている。これに対向して器体蓋６
の自由端部の側周面に係合凹部35が設けられ、器体蓋６
が閉じられるとこの係合凹部35が前記ストッパ34に係合
し、器体蓋６を閉じ状態に係止する。肩部材14には前記
ストッパ34の操作ボタン36が上向きの前部パネル37の一
部に露出するように設けられ、操作ボタン36が押し下げ
られると、ストッパ34を後退させて前記器体蓋６のロッ
クを解くので、器体蓋６は前記バネ33の付勢によって自
動的に開かれる。

肩部材14はポリプロピレンやABS樹脂等の汎用樹脂から
なるが、この肩部材14の上面部には第５図、第６図に示
すように、ナイロンやエンジニアリング樹脂等からなる
耐熱樹脂製の肩リング38を介して肩ヒータ39が設けられ
ている。肩部材14の肩ヒータ取付部は上向きの環状溝41
とされている。この環状溝41はその底部に放熱孔42を有
し、内外周の開口縁に突出量の小さいフランジ43を有し
ている。肩リング38はその内外周に前記フランジ43、43
に無理嵌め係合される係合凹部44が、フランジ455と爪4
6とによって形成され、肩リング38が前記環状溝41に上
方から押し嵌めることによって前記係合凹部44が前記フ
ランジ43に無理嵌め係合され、肩部材14に一体化され
る。

肩リング38は上面に肩ヒータ39を嵌め込む溝47が設けら
れ、この溝47の底部に放熱孔48が設けられている。前記
溝47は肩ヒータ39のほぼ全体を受け入れ可能な深さとさ
れるとともに、内側の周壁は肩ヒータ39よりも高く、そ
の溝側周面の上部に設けられた係合爪51に肩ヒータ39の
内周側を係合するようにして肩ヒータ39を前記溝47に無
理嵌めすることにより、肩ヒータ39を溝47内に確固に固
定することができる。

前記内蓋15は炊飯鍋４への圧着部からさらに外方に伸
び、前記肩ヒータ39の上面に圧接して熱伝導を受けるよ
うにしてある。そして保温時は、保温ヒータ13、肩ヒー
タ39が働かされるとともに、炊飯ヒータ７が低温使用さ
れるが、肩ヒータ39の熱は主として内蓋15に伝導される
ので、前記３つのヒータによって炊飯鍋４内の御飯をそ
のまわりからほぼ均一に加熱し保温する。

保温ヒータ１３および肩ヒータ３９は共にシーズヒータ
である。具体的には、ヒータ線１３ｄ、３９ｄを電気的
な絶縁を保って保護チューブ１３ｂ、３９ｂにより被覆
したものであり、市販されている。本実施例ではこれを
市販されているまま用いている。

肩ヒータ３９は、保護チューブ３９ｂが図５に示すよう
に横断面が半円形のもので、平面部が上向きとなりこれ
が内蓋１５の外周部と直接接触するように肩リング３８
から露出した上面３９ｃをなし、内蓋１５に効率よく熱
伝導できるようにしてある。この直接の熱伝導のため
に、肩リング３８は肩ヒータ３９の前記露出部が上向き
に露出するようにして肩部材１４に取付けてある。しか
し肩ヒータ39は外面に出るのでメッキや着色処理を行っ
てもよい。肩ヒータ39はまた給電回路との接続のため
に、端部39aが肩リング38の溝47の互いに近接している
端部に開設された孔48を通じて肩リング38の裏側に引き
出し、さらに肩部材14の環状溝41の底部に開口した図示
しない孔を通じて肩部材14の裏側へも引き出されてい
る。肩ヒータ39の端部39aには前記肩リング38の孔48と
の間をシールするシールブッシュ49が嵌め付けられ、前
記肩ヒータ39の裏側への引出し部から水等が器体３の内
部に侵入するようなことを防止するようにしている。

外装ケース１の下端には樹脂製の底部材51が無理嵌め状
態にて取付られている。底部材51の後半部は下向きの凹
部52が設けられ、この凹部52に電源コード格納ボックス
53が取付られ、図示しないコードリールを収容してい
る。底部材51の前半部には下向きの回路ボックス54が一
体形成され、電源回路基板55を収容している。底部材51
の下面全体は金属製の蓋板56によって閉じられている。

器体３の前記肩部材14に前部パネル37を有している前部
では、外装ケース１と内容器２との空間が他よりも大き
く設計されており、前部パネル37を操作面を形成するに
充分な広さを確保している。そしてこの前部パネル37裏
側の空間を利用して、各種機能の操作を行う樹脂製の操
作ボックス61を設けている。この操作ボックス61は各種
操作やこの操作の表示および操作に係わる動作の状態の
表示を行う電気部品や回路、さらに前記動作を制御する
マイクロコンピュータ等を搭載した操作基板62を収容す
るようにしてある。

これによって複雑な回路構成はこの操作ボックスに集約
され、器体３内での配線が簡略化するし、炊飯ヒータ７
からの熱影響が緩和され安全である。なお回路ボックス
54の天板54aの上面には金属製の遮熱板63が断熱空間64
をおいて取付られ、回路ボックス54内の電子部品等を炊
飯ヒータ７からの熱影響から守るようにしている。

操作ボックス61は、容器型の操作ボックス基体64と、こ
の操作ボックス基体64の開口部64aに嵌め付けられて開
口部64aを閉じる操作ボックス蓋65とからなる。操作ボ
ックス基体64は第３図に明瞭に示すように、開口部64a
の外周にフランジ64bを有するとともに、底部にリード
線引出し口64Cが設けられている。また操作ボックス基
体64の外周にはフランジ64bとこれに対向する爪64eとに
よって係合凹部64fが形成されている。そして前記肩部
材14の前部パネル37には前記操作ボックス基体64を受け
入れ可能な開口66が開設させている。この開口66に前記
操作ボックス基体64が上方より嵌め込まれ、前記フラン
ジ64bを開口66まわりの凹部67に嵌め合せた面一の状態
にて前記係合凹部64fを開口66の口縁に無理嵌めするこ
とにより操作ボックス基体64を肩部材14に固着してあ
る。

操作ボックス蓋65は上面が操作面65dとなっているほ
か、操作ボックス基体64の内周に挿入される周壁65aを
有するとともに、操作ボックス基体64のフランジ64bの
上面に形成されている凹部64iに嵌まり合って面一状態
になるフランジ65bを有している。操作面65dには操作ボ
タン71や、表示用の窓72が設けられている。操作ボタン
71は第４図に示すように、樹脂バネ71aを介し連続する
ように操作ボックス蓋65に一体形成され、樹脂バネ71a
の弾性によって押し下げ操作可能でかつ操作解除によっ
て初期状態に復帰するようになっている。

操作ボックス蓋65の前記周壁65aの内周には、複数のリ
ブ65cによる係合凹部65eが形成されている。これによ
り、表示盤73やタクトスイッチ74、その他の電子部品や
電子炊飯器の操作、表示、動作の制御を行うマイクロコ
ンピュータ75等を搭載した操作基板76を、前記周壁65a
内に嵌め込んで前記係合凹部65aに無理嵌めすることに
よって、前記操作面65dと操作基板76とを適正な位置関
係にて一体化することができる。したがって、操作ボタ
ン71とそれに操作されるタクトスイッチ74、表示窓72と
表示盤73のそれぞれを適正な位置関係および距離に設定
することができる。

操作ボックス蓋65の操作面65dと操作ボックス基体64の
フランジ64bの上面とは面一であり、この面一の面に双
方の嵌め込み境界部77が露出している。この露出する嵌
め込み境界部77を含む操作面65dの範囲、具体的には操
作ボックス基体64のフランジ64bの露出面範囲までに樹
脂フィルムよりなる銘板シート78を貼り付けてある。こ
れにより操作面65dは統一した外観に装飾されるし、各
操作ボタン71や各種表示部に対応する表示や説明を施す
ことができる。

操作ボックス基体64の底部のリード線引出し口64cには
シール材79が充填され、係合部81a、81bどうしを無理嵌
めして取付たキャップ82が施されている。

前記銘板シート78は、肩部材14の上面にまで達するよう
に施してもよい。

（考案の効果） 本考案によれば、肩ヒータが保護チューブで被覆された
ものであることを利用して、この肩ヒータの上面から器
体蓋の内側に設けられる内蓋の外周部に、直接接触によ
り簡単な構造にて効率よく熱伝導させることができる。

特に本考案は、この直接の熱伝導を、肩ヒータの肩リン
グへの取付け、この肩リングの器体の肩部を形成する肩
部材への取付けの２つの取付け構造により達成するが、
肩リングおよび肩部材が合成樹脂製であることによる成
形性および弾性を利用して前記２つの取付けの構造およ
び作業を簡略化するし、組み立て上、前記肩ヒータおよ
び肩リングを一物品として取り扱えて、組み立て手順が
合理化し単純化するので、構造が簡単で組み立ての手順
がよく組み立て工数の少ないものとなり、安価に提供す
ることができる上、肩リングが耐熱性であることによっ
て肩ヒータから肩部材への熱影響を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電子炊飯器の断面図、
第２図は前部の外観の斜視図、第３図は操作ボックス取
付部の分解断面図、第４図は操作ボタンの斜視図、第５
図は肩ヒータ取付部の拡大断面図、第６図は肩ヒータ取
付部の一部の分解斜視図、第７図は従来の操作ボックス
取付構造を示す一部の断面図である。 １……外装ケース ２……内容器 ３……器体 １４……肩部材 ３８……肩リング ３９……肩ヒータ ３９ｂ……保護チューブ ３９ｃ……上面 ３９ｄ……ヒータ線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】器体の肩部に肩ヒータを設けた電気炊飯器
   において、 耐熱性樹脂製の肩リングの上面に保護チューブで被覆し
   た肩ヒータをこの肩ヒータの保護チューブの上面が露出
   するようにして取付け、この肩ヒータを取り付けた肩リ
   ングを器体の肩部を形成する合成樹脂製の肩部材の上面
   に肩ヒータの前記露出部が上向きに露出するようにして
   取付け、器体の開口を開閉する器体蓋の内側に設けられ
   る内蓋の外周縁を前記肩ヒータの保護チューブの上面に
   直接接触させたことを特徴とする電気炊飯器。