JPH0610798Y2 - 自動洗浄脱水機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はカット野菜をはじめとする各種の食料品の洗浄
とその後の脱水とを連続して自動的に行わせることがで
きる自動洗浄脱水機に関するものである。

（従来の技術） 野菜類の自動洗浄機としては、例えば本考案者の出願に
かかる実開平1-140292号公報および実開平1-140293号公
報により、洗浄物を移送するメッシュ状のコンベヤの上
下に多数の洗浄ノズルを対向させて設けた形式のものが
知られている。

ところがこのような従来の野菜類の自動洗浄機は洗浄後
の脱水を行うことができないため、特にカット野菜のよ
うな水分を含み易い洗浄物を扱う場合には、洗浄終了後
に遠心式脱水機等を利用して脱水を行う必要があり、移
替えなどに多くの手数を必要としていた。

またカット野菜等はメッシュ状のコンベヤに突き刺さり
易いために、上記の野菜類の自動洗浄機においても回転
式の掻き落とし装置を設けているが、コンベヤ面から突
出した部分のみを切断してしまい、完全な除去を行いに
くいという欠点があった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記した従来の問題点を解決して、カット野菜
をはじめとする各種の食品類の洗浄とその後の脱水とを
連続的に行うことができ、またコンベヤに突き刺さった
洗浄物を完全に除去することができる自動洗浄脱水機を
提供するために完成されたものである。

（課題を解決るための手段） 上記の課題を解決するための本考案は、洗浄物を移送す
るコンベヤの上流部分に多数の洗浄ノズルを設置して洗
浄部を形成するとともに、コンベヤの後端部付近の上下
両側にはスリット状の開口部から洗浄物に対して圧縮空
気を噴出する複数のノズルを、角度および高さを調節自
在として設置し、さらにコンベヤの反転部分の内側には
コンベヤに向かって圧縮空気を噴出するノズルを設けた
ことを特徴とするものである。

以下に本考案を図示の実施例によって更に詳細に説明す
る。

（実施例） 第１図は本考案の実施例の全体図であり、(1)は洗浄物
を移送するためのメッシュ状のコンベヤ、(2)はその上
流部分に形成された洗浄部である。この洗浄部(2)はコ
ンベヤ(1)の上下に多数の洗浄ノズル(3)、(4)を対向さ
せて設けたもので、下部のタンク(5)内の洗浄水がこれ
らの洗浄ノズル(3)、(4)からカット野菜などの洗浄物に
向かって噴射され、洗浄を行う。

(6)、(7)はコンベヤ(1)の後端部付近にコンベヤ(1)を挟
んで上下両側に設けられた複数のノズルである。各ノズ
ル(6)、(7)は第２図に示されるように先端に細長いスリ
ット状の開口部を持つもので、その横幅は第３図に示さ
れるようにコンベヤ(1)の幅とほぼ等しく形成されてい
る。これらのノズル(6)、(7)はその角度および高さを調
節自在に支持具(8)に取り付けられている。そして図示
されないコンプレッサーからパイプ(9)を通じて供給さ
れる圧縮空気をスリット状の開口部から噴出し、コンベ
ヤ(1)上のカット野菜などの洗浄物に付着している水分
を吹き飛ばす。なお実施例ではコンベヤ(1)の左右両側
にもノズル(10)が対向させて設けてあり、横方向からも
圧縮空気を噴出する。これはカット野菜に対してはあま
り効果はないが、カンのような立体的な洗浄物の側面の
水分を除去するために効果的である。

(11)はスプロケット(12)によりコンベヤ(1)が反転する
部分の内側に固定されたノズルである。このノズル(11)
も前記のノズル(6)、(7)と同様の形状のものであり、そ
の開口部からコンベヤ(1)に向かって内側から外向きに
圧縮空気を噴出し、コンベヤ(1)に突き刺さっているカ
ット野菜などの洗浄物を吹き飛ばすためのものである。
なお(13)はコンベヤ(1)の反転部の下側に設けられた回
転式の掻き落とし装置である。

（作用） このように構成された本考案の自動洗浄脱水機は、従来
と同様にメッシュ状のコンベヤ(1)上に洗浄物を乗せて
洗浄部(2)を通過させ、その間にコンベヤ(1)の上下に設
けられた多数の洗浄ノズル(3)、(4)から洗浄物に向けて
上下両面から洗浄水を噴射して洗浄を行わせる。

このようにして洗浄を終えた洗浄物がコンベヤ(1)の後
端部付近に達すると、コンベヤ(1)を挟んで上下両側に
設けられた複数のノズル(6)、(7)のスリット状に開口部
から圧縮空気が洗浄物に向けて強く吹きつけられ、洗浄
物の表面に付着している水分が除去される。このとき、
ノズル(6)、(7)の角度やコンベヤ(1)からの距離等を調
節することにより、洗浄物の種類に応じて適切な吹きつ
け条件を選択することができる。また洗浄物は上下から
同時に圧縮空気を吹きつけられるので、コンベヤ(1)上
から吹き飛ばされてしまうことがない。

このようにして水分を除去された洗浄物はコンベヤ(1)
の終端部分で取り出されるが、コンベヤ(1)のメッシュ
に突き刺さったままの洗浄物はコンベヤ(1)の反転部分
の内側に固定されたノズル(11)により吹き飛ばされて回
収され、またそれでもなお除去されなかった洗浄物は回
転式の掻き落とし装置(13)により更に除去されることと
なる。

（考案の効果） 以上に説明したように、本考案の自動洗浄脱水機によれ
ば、洗浄部において洗浄された洗浄物に対してコンベヤ
の後端部付近の上下両側に設けられたスリット状の開口
部を持つ複数のノズルから圧縮空気を吹きつけることに
より十分に水分を除去することができ、従来のように遠
心式の脱水機により脱水を行う必要をなくすることがで
きる。また本考案の自動洗浄脱水機によれば、コンベヤ
の反転部分の内側に設けたノズルによりコンベヤに向か
って圧縮空気を噴出し、コンベヤに突き刺さった洗浄物
を吹き飛ばすことができる。また脱水用のノズルの高さ
や角度、空気圧等を調整すれば、カット野菜のみならず
各種の洗浄物の洗浄、脱水に使用することができる。よ
って本考案は従来の問題を解消した自動洗浄脱水機とし
て、その実用的価値はきわめて大きいものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面図、第２図
は要部の一部切欠正面図、第３図は要部の一部切欠左側
面図である。 (1)：コンベヤ、(2)：洗浄部、(3)、(4)：洗浄ノズル、
(6)、(7)：脱水用のノズル、(11)：ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄物を移送するコンベヤ(1)の上流部分
   に多数の洗浄ノズル(3)、(4)を設置して洗浄部(2)を形
   成するとともに、コンベヤ(1)の後端部付近の上下両側
   にはスリット状の開口部から洗浄物に対して圧縮空気を
   噴出する複数のノズル(6)、(7)を、角度および高さを調
   節自在として設置し、さらにコンベヤ(1)の反転部分の
   内側にはコンベヤ(1)に向かって圧縮空気を噴出するノ
   ズル(11)を設けたことを特徴とする自動洗浄脱水機。