JPH0610590Y2 - ガス封入型自動開閉器キャビネット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はキャビネットの上部に設けたガス室内に三相
の開閉器を設けた、ガス封入型自動開閉器キャビネット
に関するものである。

（従来の技術） 従来このガス封入型自動開閉器キャビネットは、キャビ
ネットの上部に設けた密閉式のガス室内の上部に固定電
極、下部に可動電極を夫々設け、この可動電極を、ガス
室外部のリンク機構により動かして固定電極と接触せし
めるものである。そしてこの可動電極下部に設けたブッ
シングの下部をガス室下方に突出させ、このブッシング
下部に、キャビネットの下部から立ち上げたケーブルの
ケーブルヘッドを接続し、また上記固定電極の上部に設
けたブッシングの上部をガス室上方へ突出させ、このブ
ッシング上部に、他回路の開閉器又は断路器と接続する
モールド母線を接続している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらこの密閉式のガス室は内部に開閉器の固定
電極と可動電極とが縦方向に設けられているため縦長と
なり、ケーブルヘッドの接続はこの縦長のガス室下で行
っている。従ってキャビネット内のケーブルは短かくな
りケーブルのくせ取りや接続作業の作業性が悪い。

（問題点を解決するための手段） そこでこの考案はガス室の前面下部を切欠し、固定電極
及び可動電極をガス室後部へ設け、底板前部にケーブル
ヘッドを接続する構成とすることによりキャビネット内
でのケーブルの長さを長くでき、接続を容易にしたもの
である。

そしてこの考案の構成はキャビネット内上部に設けたガ
ス室内に三相の開閉器を設けた自動開閉器キャビネット
において、箱型のガス室の前面下部を内方へへこませて
底板前部及びこの底板前部から段部を介して下方に形成
した底板後部を夫々設け、このガス室内の上板後部下面
に上記開閉器の固定電極を設け、この固定電極と接触自
在な上記開閉器の可動電極下部の伸縮自在なパッファー
チャンバーを上記底板後部上に設け、上記底板前部に
は、導体を内蔵するブッシングを貫通させ、このブッシ
ングに、キャビネットの下部から立ち上げたケーブルの
ケーブルヘッドを接続し、さらにこのブッシングの上端
を上記固定電極と開放された状態の可動電極の位置との
中間に設け、内部導体と接続した可撓性導体を当該ブッ
シングの上端から導出させて上記可動電極に接続したも
のである。

（作用） 上記ブッシングとケーブルヘッドとは着脱でき、開閉器
キャビネットの下方からの立ち上りケーブルのくせ取り
等をキャビネット内で行ってから上記ブッシングへ上記
ケーブルヘッドを接続する。またガス室内の開閉器はガ
ス室外方からの操作により上記可動電極が動いて固定電
極に接触し、投入される。これにより固定電極、可動電
極、可撓性導体、ブッシング内の導体、ケーブルヘッド
及びケーブルへと回路がつながる。

（実施例） 以下この考案の実施例を図について説明する。第１図に
おいて１は開閉器キャビネット、２はキャビネット１の
前面扉、３はこのキャビネット１内の上部に設けた、Ｓ
Ｆ_６ガス等を密封したガス室で、このガス室３は前面下
部が内方へへこみ、底板前部３ａ及びこれと段部を介し
て一段低い底板後部３ｂが形成されている。４はこのガ
ス室３内後部に設けた開閉器、５はこの開閉器４の固定
電極で、この固定電極５はガス室３の後部の上板３ｃ下
面に固定されている。６はこの開閉器４の可動電極で、
この可動電極６は上記固定電極５の真下の底板後部３ｂ
に設けられている。７は上記ガス室３の底板前部３ａに
貫通固定したブッシングで、このブッシング７の導体８
と上記可動電極６とは偏組線９によって連絡されてい
る。10はキャビネット１の下部から立ち上がったケーブ
ル11の一端に設けたケーブルヘッドで、このケーブルヘ
ッド10は上記ブッシング７に接続されている。12は上記
固定電極５と接続されたモールド母線で、このモールド
母線12はガス室３の上に設けられている。13はガス室３
の後部内に設けたガイド柱、14はこのガイド柱13に摺動
自在に設けたガイドパイプで、このガイドパイプ14に上
記可動電極６が支持されている。

第２図及び第３図は上記ガス室３の拡大断面側面図及び
拡大断面背面図を示し、15は上記固定電極５を下端に設
けた導体16を内蔵したブッシングで、このブッシング15
は上記ガス室３の上板３ｃを貫通し、該箇所で固定され
ている。17は上記固定電極５を内蔵したカバーで、この
カバー17内の固定電極５は管体５ａの外周に間隔をあけ
て多数の接触片５ｂを管体５ａの軸方向に並べ、この管
体５ａの両端外方へ突出する接触片の両端外周にバネリ
ング５ｃを巻き回わしたものである。この固定電極５及
びカバー17は上記導体16端に揺動自在に支持されてい
る。18はその上部を除き、上記可動電極６外周をモール
ドしたエポキシ樹脂から成る可動電極体、19は可動電極
６上部が中心に位置するように可動電極体18の上端に設
けたテフロンから成る環状カバー、20はこの環状カバー
19内の可動電極６外周に設けたカップ状のガイド体で、
このガイド体20の上端縁と環状カバー19の内周との間隙
が小さくなっている。21は可動電極６の先端に設けたテ
フロンから成るガイド、22は上記可動電極体18の下に設
けたパッファーチャンバーで、このパッファーチャンバ
ー22はガス室３の底板後部３ｂ上に固定した、上端が開
口し、下端に内周縁を有する外側筒体23とこの外側筒体
23の内周に摺動自在に嵌まった上端に内周縁を有し、下
端が開口した内側筒体24から成り、この内側筒体24の内
周縁に沿ってこの内側筒体24の上端を被うゴム製の環状
被体25を有している。26は上記外側筒体23の下端の内周
縁と内側筒体24の上端の内周縁との間に設けたスプリン
グバネで、このバネ26により内側筒体26は常時上方へ付
勢され、上記環状被体25を可動電極体18の下面に圧接し
ている。27はこのパッファーチャンバー22の開口部たる
環状被体25の開口部に対向して可動電極体18の下面に設
けた凹溝、28はこの凹溝27から上記環状カバー19内の可
動電極体18の上端に達する通気孔、29はこの可動電極体
18の後部側面に設けた動作板で、この動作板29は水平に
伸び、三相の可動電極体18を支持固定し、第３図に示す
如く上記二つのガイド柱13に摺動自在に装着した二つの
ガイドパイプ14に両側を固定している。30はガス室３の
背板３ｄの上部に穿った孔31に中央部をはめて背板３ｄ
内側に当接固定した軸受体、32はこの軸受体30の中央孔
33を貫通したシャフト、34はこのシャフト32の軸受体30
側の一端に固定した鍔体、35はこの鍔体34の外周と上記
軸受体30の内周との間に設けたベアリング、36はこの鍔
体34に一端を固定した回動アームで、この回動アーム36
は断面コ字型を成している。37は一端をこの回動アーム
36の他端（自由端）に軸支し、他端を上記動作板29の軸
受38に軸支したリンク片で、これらのリンク片37、軸受
38、回動アーム36は上記二つのガイド柱13間に位置して
いる。39はこの回動アーム36と上記固定電極５との間に
介在させた隔壁である。

この実施例の場合、開閉器４の可動電極６を固定電極５
に接触せしめるには、このガス室３外方の適宜のリンク
機構によって上記シャフト32を第３図において時計方向
に回わすと、回動アーム36がこれと一体に回転し、リン
ク片37が第３図に示す二点鎖線の位置まで動作板29を引
き上げ、これにより三相の可動電極体18が上昇し、第４
図に示す如く各可動電極６が固定電極５の接触片５ｂに
接触する。これにより三相の開閉器４（うち二相につい
ては図示省略）が投入される。その際偏組線９は可撓性
を有するため可動電極６の動きに追随する。

（考案の効果） この考案は以上の構成であり、開閉器の入ったガス室の
前面下部を内方へへこませてこの底板前部にブッシング
を設け、開閉器の可動電極とブッシング内の導体とを可
撓性導体により電器的に接続し、上記底板前部下面から
突出する上記ブッシングにケーブルヘッドを接続してい
るため、キャビネットの下方から立ち上げたケーブルの
長さを長くでき、キャビネット内でのケーブルのくせ取
りやケーブルヘッドの上記ブッシングへの接続、取り外
し作業が容易である。その上このガス室の前面下部は開
閉器キャビネットの前面に面しているため、前面扉を開
けてケーブルヘッド等の前記ブッシングへの接続作業等
を行えばより作業スペースが拡くなり、作業し易くな
る。

さらに可撓性導体は、ブッシング上端の可撓性導体取り
付け位置を中心に、可動電極が移動するのに伴って回動
するので、ブッシングの必要最小限のガス絶縁沿面距離
と可撓性導体のブッシングへの取り付け位置が一致する
ようにガス室底板前部をへこませており、可撓性導体を
最小限に短くできる、とともに可撓性導体の回動にムリ
な曲げがなく、耐久性がある。

その上このガス室底板前部をへこますことによりガス室
の機械的強度を強化し、例えば短絡事故等による内圧上
昇時や、ブッシング取り付け時等にリブ効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図はこの考案の断面
側面図、第２図はこの考案のガス室の拡大断面側面図、
第３図はこの考案のガス室の背板を外した拡大背面図、
第４図はこの考案のガス室の開閉器を投入した状態の拡
大断面側面図である。 なお図中１は開閉器キャビネット、２は前面扉、３はガ
ス室、４は開閉器、５は固定電極、６は可動電極、７は
ブッシング、８は導体、９は偏組線、10はケーブルヘッ
ド、11はケーブルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャビネットの上部に設けたガス室内に三
   相の開閉器を設けた自動開閉器キャビネットにおいて、
   箱型のガス室の前面下部を内方へへこませて底板前部及
   びこの底板前部から段部を介して下方に形成した底板後
   部を夫々設け、このガス室内の上板後部下面に上記開閉
   器の固定電極を設け、この固定電極と接触自在な上記開
   閉器の可動電極下部の伸縮自在なパッファーチャンバー
   を上記底板後部上に設け、上記底板前部には、導体を内
   蔵するブッシングを貫通させ、このブッシングに、キャ
   ビネットの下部から立ち上げたケーブルのケーブルヘッ
   ドを接続し、さらにこのブッシングの上端を上記固定電
   極と開放された状態の可動電極の位置との中間に設け、
   内部導体と接続した可撓性導体を当該ブッシングの上端
   から導出させて上記可動電極に接続したことを特徴とす
   るガス封入型自動開閉器キャビネット。