JPH06105694B2 - ボロンの固相拡散方法 - Google Patents
ボロンの固相拡散方法Info
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- JPH06105694B2 JPH06105694B2 JP62202216A JP20221687A JPH06105694B2 JP H06105694 B2 JPH06105694 B2 JP H06105694B2 JP 62202216 A JP62202216 A JP 62202216A JP 20221687 A JP20221687 A JP 20221687A JP H06105694 B2 JPH06105694 B2 JP H06105694B2
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- boron
- phase diffusion
- solid
- semiconductor substrate
- diffusion
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシリコン等の半導体基板にボロンを不純物とし
て拡散させる固相拡散方法に関する。
て拡散させる固相拡散方法に関する。
半導体技術の中でも不純物拡散技術はとり分けその歴史
も古く、種々な拡散方法が提案されて来た。この中でも
実用化が進んでいるものとして、イオン注入法,気相拡
散法および固相拡散法を挙げることができる。
も古く、種々な拡散方法が提案されて来た。この中でも
実用化が進んでいるものとして、イオン注入法,気相拡
散法および固相拡散法を挙げることができる。
この中でもイオン注入法は最近では非常に広く利用され
るに至っており、不純物を半導体基板に均一にかつ制御
性よくドーピングできる方法として確固たる地位を占め
るようになった。周知のように、この方法は所望の不純
物をイオンの形で発生させた上で高電圧下で加速して半
導体基板に注入するものであるが、その不純物の打ち込
み深さが浅くかつそのままでは不純物がドーパントとし
ての充分な活性を有しないので、注入後に高温の熱処理
によって不純物を活性化するとともに必要に応じて浅く
打ち込まれた不純物を半導体基板内に深く拡散させる。
るに至っており、不純物を半導体基板に均一にかつ制御
性よくドーピングできる方法として確固たる地位を占め
るようになった。周知のように、この方法は所望の不純
物をイオンの形で発生させた上で高電圧下で加速して半
導体基板に注入するものであるが、その不純物の打ち込
み深さが浅くかつそのままでは不純物がドーパントとし
ての充分な活性を有しないので、注入後に高温の熱処理
によって不純物を活性化するとともに必要に応じて浅く
打ち込まれた不純物を半導体基板内に深く拡散させる。
気相拡散法は、よく知られているように高温の拡散炉に
所望の不純物をキャリアガスに乗せて流し、半導体基板
の表面で熱分解した不純物原子を基板の内部に拡散させ
るものである。
所望の不純物をキャリアガスに乗せて流し、半導体基板
の表面で熱分解した不純物原子を基板の内部に拡散させ
るものである。
固相拡散法と呼ばれる方法には大別して2種類があり、
その第1は塗布拡散法と通称されるもので、所望の不純
物を含む液状物を半導体基板の表面に塗布乾燥させた上
で、高温炉内で基板の表面に付着した不純物をその内部
に熱拡散させる方法であり、その第2は固相拡散源ない
しは不純物ソースを用いるもので、板状の固相拡散源と
半導体基板とを交互に密着させてあるいは狭い間隔を明
けて高温炉内に装入し、高温下で固相拡散源からの不純
物を半導体基板内に熱拡散させる方法である。
その第1は塗布拡散法と通称されるもので、所望の不純
物を含む液状物を半導体基板の表面に塗布乾燥させた上
で、高温炉内で基板の表面に付着した不純物をその内部
に熱拡散させる方法であり、その第2は固相拡散源ない
しは不純物ソースを用いるもので、板状の固相拡散源と
半導体基板とを交互に密着させてあるいは狭い間隔を明
けて高温炉内に装入し、高温下で固相拡散源からの不純
物を半導体基板内に熱拡散させる方法である。
ところが、例えば電力用半導体装置に要求されるような
高不純物濃度の深い拡散層を半導体基板内に作り込もう
とすると、上述のいずれの不純物拡散方法もそれぞれ問
題点を抱えており、必ずしも最上の方法といえるものが
見当たらない現状である。
高不純物濃度の深い拡散層を半導体基板内に作り込もう
とすると、上述のいずれの不純物拡散方法もそれぞれ問
題点を抱えており、必ずしも最上の方法といえるものが
見当たらない現状である。
イオン注入法では前述の熱処理によって高不純物濃度の
深い拡散を得るには、まずそれに必要な不純物量を半導
体基板の表面に打ち込んでやらなければならないが、そ
のために例えば1016原子/cm2程度以上の高ドーズ量で
不純物をイオン注入すると、半導体基板の表面領域の結
晶構造が著しく乱されて多数の結晶欠陥が発生してしま
い、以後の熱処理ないしは焼鈍処理によってもこの欠陥
を回復することができなくなる。このため、イオン注入
法によって20μm以上の深さの不純物拡散層を作り込む
ことは実際上は困難とされている。
深い拡散を得るには、まずそれに必要な不純物量を半導
体基板の表面に打ち込んでやらなければならないが、そ
のために例えば1016原子/cm2程度以上の高ドーズ量で
不純物をイオン注入すると、半導体基板の表面領域の結
晶構造が著しく乱されて多数の結晶欠陥が発生してしま
い、以後の熱処理ないしは焼鈍処理によってもこの欠陥
を回復することができなくなる。このため、イオン注入
法によって20μm以上の深さの不純物拡散層を作り込む
ことは実際上は困難とされている。
気相拡散法にはかかる結晶欠陥を発生させる問題がな
く、従来から高濃度で深い拡散層を得るために利用され
て来たが、拡散に高温かつ長時間を要する点のほか、こ
れにも若干の本質的な問題点がある。その一つは不純物
のドーピング濃度の基板面内における均一性が余り良好
でないことであり、もう一つは不純物のドーピング量に
基板間のばらつきが出やすいことである。いずれも拡散
炉の径方向や長手方向についてキャリアガス中に含有さ
れる不純物の濃度に勾配が出やすいことに起因するもの
で、不純物をキャリアガスに乗せて半導体基板に供給す
る気相拡散の原理に関係するのでそれを改善するのは容
易でない。
く、従来から高濃度で深い拡散層を得るために利用され
て来たが、拡散に高温かつ長時間を要する点のほか、こ
れにも若干の本質的な問題点がある。その一つは不純物
のドーピング濃度の基板面内における均一性が余り良好
でないことであり、もう一つは不純物のドーピング量に
基板間のばらつきが出やすいことである。いずれも拡散
炉の径方向や長手方向についてキャリアガス中に含有さ
れる不純物の濃度に勾配が出やすいことに起因するもの
で、不純物をキャリアガスに乗せて半導体基板に供給す
る気相拡散の原理に関係するのでそれを改善するのは容
易でない。
固相拡散法はかかる不純物の供給量における不均一の問
題が気相拡散法の場合より少ない利点を有しかつ拡散速
度も早いので、高濃度で深い拡散層を得るため従来から
広く利用されて来ている。しかし、その内の塗布拡散法
では不純物をあらかじめ基板に塗布、乾燥させてやらね
ばならないので、それだけ工程が増えかつ塗布量の管理
を厳密にしないと基板間にドーピング量のばらつきが出
やすい。もう一つさらに厄介なのは、不純物を液状で基
板に塗布する際に所望の不純物以外の物質ないしは元素
を基板面に付着させてしまう点であって、いわば汚染源
を基板とそれを納める拡散炉内に持ち込むことになり、
炉の汚染管理が厄介になるほか拡散終了後に基板からそ
の表面に残存する汚染性物質を注意深く取り除いてやら
なければならない。一方、固相拡散源を利用する固相拡
散法は、良好な固相拡散源が得られれば基板や炉に対す
る汚染問題が少ない利点がある。例えばボロン用の固相
拡散源としての窒化ボロンがこれに当たり、比較的再現
性よく不純物拡散ができるので適用例も多い。しかし、
この場合でも汚染問題が本質的になくなるわけではな
く、セラミック状の窒化ボロンには汚染性の物質ないし
はガスがかなり大量に吸蔵されているので、必ずその使
用開始に先立ち充分な洗條や長時間のいわゆる空焼きを
高温下で行なって汚染物質を極力除去してやらねばなら
ず、連続使用の場合でも炉に装入するつど事前に若干の
前処理を要するのが実状である。
題が気相拡散法の場合より少ない利点を有しかつ拡散速
度も早いので、高濃度で深い拡散層を得るため従来から
広く利用されて来ている。しかし、その内の塗布拡散法
では不純物をあらかじめ基板に塗布、乾燥させてやらね
ばならないので、それだけ工程が増えかつ塗布量の管理
を厳密にしないと基板間にドーピング量のばらつきが出
やすい。もう一つさらに厄介なのは、不純物を液状で基
板に塗布する際に所望の不純物以外の物質ないしは元素
を基板面に付着させてしまう点であって、いわば汚染源
を基板とそれを納める拡散炉内に持ち込むことになり、
炉の汚染管理が厄介になるほか拡散終了後に基板からそ
の表面に残存する汚染性物質を注意深く取り除いてやら
なければならない。一方、固相拡散源を利用する固相拡
散法は、良好な固相拡散源が得られれば基板や炉に対す
る汚染問題が少ない利点がある。例えばボロン用の固相
拡散源としての窒化ボロンがこれに当たり、比較的再現
性よく不純物拡散ができるので適用例も多い。しかし、
この場合でも汚染問題が本質的になくなるわけではな
く、セラミック状の窒化ボロンには汚染性の物質ないし
はガスがかなり大量に吸蔵されているので、必ずその使
用開始に先立ち充分な洗條や長時間のいわゆる空焼きを
高温下で行なって汚染物質を極力除去してやらねばなら
ず、連続使用の場合でも炉に装入するつど事前に若干の
前処理を要するのが実状である。
本発明はかかる従来の問題点を解決して固相拡散法がも
つ利点を生かしながら、半導体基板や拡散炉に対する汚
染の危険が本質的になく、高い不純物濃度の深い拡散層
を半導体基板に作り込むに適するボロンの固相拡散方法
を得ることを目的とする。
つ利点を生かしながら、半導体基板や拡散炉に対する汚
染の危険が本質的になく、高い不純物濃度の深い拡散層
を半導体基板に作り込むに適するボロンの固相拡散方法
を得ることを目的とする。
上述の目的は本発明によれば、ボロンを拡散すべき半導
体基板と同一材料の半導体板の表面にプラズマCVD法に
より1022原子/cm3以上の濃度のボロン薄膜を形成して
固相拡源とし、前記固相拡散源のボロン薄膜面と半導体
基板面とを向かい合わせて拡散炉内で加熱し、前記半導
体基板にボロンを拡散することによって達成される。
体基板と同一材料の半導体板の表面にプラズマCVD法に
より1022原子/cm3以上の濃度のボロン薄膜を形成して
固相拡源とし、前記固相拡散源のボロン薄膜面と半導体
基板面とを向かい合わせて拡散炉内で加熱し、前記半導
体基板にボロンを拡散することによって達成される。
上記の構成からわかるように、本発明では固相拡散源と
してボロンを拡散すべき半導体基板と同材質の半導体板
例えば全く同じ半導体基板の表面にボロンの薄膜を形成
したものを用いる。従って、拡散炉には基板を構成する
半導体例えばシリコンとそれに拡散させるべきボロン以
外には炉ないしは基板に対する汚染物質が全く持ち込ま
れないので、汚染問題を本質的に解消することができ
る。固相拡散自体はこの従来と同様にボロンの固相拡散
源とボロンを拡散すべき半導体基板とを例えば交互に高
温炉内に装入配置することにより、固相拡散源からボロ
ンが半導体基板に導入されかつその内部に拡散されるの
で、固相拡散法がもつ高い拡散速度を利用しながら半導
体基板内に高ボロン濃度の深い拡散層を経済的な時間内
に作り込むことができる。
してボロンを拡散すべき半導体基板と同材質の半導体板
例えば全く同じ半導体基板の表面にボロンの薄膜を形成
したものを用いる。従って、拡散炉には基板を構成する
半導体例えばシリコンとそれに拡散させるべきボロン以
外には炉ないしは基板に対する汚染物質が全く持ち込ま
れないので、汚染問題を本質的に解消することができ
る。固相拡散自体はこの従来と同様にボロンの固相拡散
源とボロンを拡散すべき半導体基板とを例えば交互に高
温炉内に装入配置することにより、固相拡散源からボロ
ンが半導体基板に導入されかつその内部に拡散されるの
で、固相拡散法がもつ高い拡散速度を利用しながら半導
体基板内に高ボロン濃度の深い拡散層を経済的な時間内
に作り込むことができる。
次にいわばボロンソースとしてのボロンの薄膜を半導体
板に形成する手段としては、例えばCVD法とくにプラズ
マCVD法を利用することができる。ボロンソースとして
の半導体板は結晶欠陥が導入されても何ら問題はないか
ら、イオン注入法により高ドーズ量でボロンの薄膜ない
しは薄層を半導体板の表面領域に形成してもよいわけで
あるが、CVD法による方が格段に効率よく短時間内にボ
ロンの薄膜を形成することができる。プラズマCVD法を
用いたとき、ボロンは半導体板の表面に付着するという
よりは0.2μm以内のごく浅い層ではあるが半導体板の
表面領域内にも導入される。このボロンは半導体の結晶
格子に対していわゆる置換的に導入されるのではなく、
大部分は結晶格子に対して介挿的に導入されるので、高
温下の固相拡散時にはこの半導体板の表面領域から放出
されて拡散用のボロン源となる。従って、プラズマCVD
法で形成されたボロン源としての薄膜は厳密にはボロン
が高濃度で導入された薄層であって、それをボロン源と
して充分なボロンを供給できるようにするにはその表面
濃度を少なくとも1022〜1023原子/cm3以上にすること
が望ましい。かかるボロンの薄膜ないしは薄層は、ボロ
ン濃度がこのように高くてももちろん剥落するようなこ
とは全くなく、固相拡散に用いるに際しても半導体基板
と全く同じ簡単な前処理を経て使用に供することができ
る。このようなボロンの薄膜が形成された半導体板は1
時間以内のCVD処理によって調製することができ、場合
によって異なるがふつうは最低数回繰り返えして固相拡
散源として用いることができる。
板に形成する手段としては、例えばCVD法とくにプラズ
マCVD法を利用することができる。ボロンソースとして
の半導体板は結晶欠陥が導入されても何ら問題はないか
ら、イオン注入法により高ドーズ量でボロンの薄膜ない
しは薄層を半導体板の表面領域に形成してもよいわけで
あるが、CVD法による方が格段に効率よく短時間内にボ
ロンの薄膜を形成することができる。プラズマCVD法を
用いたとき、ボロンは半導体板の表面に付着するという
よりは0.2μm以内のごく浅い層ではあるが半導体板の
表面領域内にも導入される。このボロンは半導体の結晶
格子に対していわゆる置換的に導入されるのではなく、
大部分は結晶格子に対して介挿的に導入されるので、高
温下の固相拡散時にはこの半導体板の表面領域から放出
されて拡散用のボロン源となる。従って、プラズマCVD
法で形成されたボロン源としての薄膜は厳密にはボロン
が高濃度で導入された薄層であって、それをボロン源と
して充分なボロンを供給できるようにするにはその表面
濃度を少なくとも1022〜1023原子/cm3以上にすること
が望ましい。かかるボロンの薄膜ないしは薄層は、ボロ
ン濃度がこのように高くてももちろん剥落するようなこ
とは全くなく、固相拡散に用いるに際しても半導体基板
と全く同じ簡単な前処理を経て使用に供することができ
る。このようなボロンの薄膜が形成された半導体板は1
時間以内のCVD処理によって調製することができ、場合
によって異なるがふつうは最低数回繰り返えして固相拡
散源として用いることができる。
以下、図を参照しながら本発明の実施例を説明する。
第1図は高温炉の石英管1内で固相拡散がなされている
状態を要部を拡大して示すもので、図示のようにボロン
を拡散すべき半導体基板10とボロンソースとしての固相
拡散源20とは、通例のように石英のボート2に切られた
スリット3にそれぞれその下縁を差し込んだ状態で交互
に配列して石英管1内に装入されている。半導体基板10
は例えば数百μmの厚みの数インチの径をもつシリコン
の単結晶ウエハであって、ボロンを拡散すべきその鏡面
仕上された表面を固相拡散源20に向けるようにボート2
上にセットされる。固相拡散源20は半導体基板10と全く
同じ材質と径をもつシリコンの単結晶ウエハのこの例で
は一方の表面にボロンの薄膜21を0.2μm程度の厚みに
形成したもので、そのボロン薄膜側の半導体基板10のボ
ロン拡散層11を作り込むべき面に向けてボート2上にセ
ットされる。半導体基板10および固相拡散源20には、図
のようにボート2上にセットされる前にそれらの表面上
に付着しやすい有機物等を取り除くために、例えば過酸
化水素水とアンモニア水の混合浴中に数分間浸漬した
上、水洗,乾燥する程度の簡単な前処理が全く同じよう
に施され、それらをボート2上にセットした後に図示の
ように炉の石英管1の中に装入される。このように本発
明では固相拡散源20に半導体基板10を同材質の半導体板
を用いるので、これに対する前処理は半導体基板に対す
ると全く同じであってよい。なお、半導体基板10と固相
拡散源20とは原理上は互いに接触させた状態で固相拡散
を行なってもよいのであるが、ボロン拡散濃度の基板面
に対する均一性を挙げる上では、図示のように例えば1
〜3mm程度僅かに互いに離した状態で固相拡散を行なう
方がよい。
状態を要部を拡大して示すもので、図示のようにボロン
を拡散すべき半導体基板10とボロンソースとしての固相
拡散源20とは、通例のように石英のボート2に切られた
スリット3にそれぞれその下縁を差し込んだ状態で交互
に配列して石英管1内に装入されている。半導体基板10
は例えば数百μmの厚みの数インチの径をもつシリコン
の単結晶ウエハであって、ボロンを拡散すべきその鏡面
仕上された表面を固相拡散源20に向けるようにボート2
上にセットされる。固相拡散源20は半導体基板10と全く
同じ材質と径をもつシリコンの単結晶ウエハのこの例で
は一方の表面にボロンの薄膜21を0.2μm程度の厚みに
形成したもので、そのボロン薄膜側の半導体基板10のボ
ロン拡散層11を作り込むべき面に向けてボート2上にセ
ットされる。半導体基板10および固相拡散源20には、図
のようにボート2上にセットされる前にそれらの表面上
に付着しやすい有機物等を取り除くために、例えば過酸
化水素水とアンモニア水の混合浴中に数分間浸漬した
上、水洗,乾燥する程度の簡単な前処理が全く同じよう
に施され、それらをボート2上にセットした後に図示の
ように炉の石英管1の中に装入される。このように本発
明では固相拡散源20に半導体基板10を同材質の半導体板
を用いるので、これに対する前処理は半導体基板に対す
ると全く同じであってよい。なお、半導体基板10と固相
拡散源20とは原理上は互いに接触させた状態で固相拡散
を行なってもよいのであるが、ボロン拡散濃度の基板面
に対する均一性を挙げる上では、図示のように例えば1
〜3mm程度僅かに互いに離した状態で固相拡散を行なう
方がよい。
固相拡散は例えば1150℃で10時間程度掛けて行ない、そ
の間にボロンを半導体基板10内に高い濃度で20μm以上
の深さに拡散させる。この間石英管1内の温度分布をで
きるだけ均一化させるよう不活性ガス例えば窒素を図で
矢印Fで示すように僅かに石英管1内に流通させる。石
英管1内の圧力は常圧であってよい。
の間にボロンを半導体基板10内に高い濃度で20μm以上
の深さに拡散させる。この間石英管1内の温度分布をで
きるだけ均一化させるよう不活性ガス例えば窒素を図で
矢印Fで示すように僅かに石英管1内に流通させる。石
英管1内の圧力は常圧であってよい。
第2図に上述のようにして1150℃,10時間の固相拡散処
理を行なった半導体基板のボロンの拡散プロファイル例
を示す。ボロン濃度の測定は拡がり抵抗法により行なっ
た。図示のように半導体基板の表面のボロン濃度はほぼ
1020原子/cm3で25μmの深さで1017原子/cm3のボロン
濃度が得られている。このようにボロン濃度が高くかつ
深いp形の拡散層はサイリスタ等の電力用半導体装置や
集積回路における基板の接合分離用の分離拡散領域の作
り込みに有用である。基板面に対して一様にボロンを拡
散した場合の基板面内のばらつきは、拡散層の比抵抗で
測定して±5%以内と極めて良好であり、基板相互間の
ばらつきすなわち拡散の再現性も良好である。
理を行なった半導体基板のボロンの拡散プロファイル例
を示す。ボロン濃度の測定は拡がり抵抗法により行なっ
た。図示のように半導体基板の表面のボロン濃度はほぼ
1020原子/cm3で25μmの深さで1017原子/cm3のボロン
濃度が得られている。このようにボロン濃度が高くかつ
深いp形の拡散層はサイリスタ等の電力用半導体装置や
集積回路における基板の接合分離用の分離拡散領域の作
り込みに有用である。基板面に対して一様にボロンを拡
散した場合の基板面内のばらつきは、拡散層の比抵抗で
測定して±5%以内と極めて良好であり、基板相互間の
ばらつきすなわち拡散の再現性も良好である。
第3図はプラズマCVD法により固相拡散源20として半導
体板上にボロン薄膜21を形成する要領を示すものであ
る。プラズマCVD装置の反応槽31は密閉された真空容器
であり、その中に放電電極32,33が対向して設けられて
いて、直流電源34から数百V程度の放電電圧がこれらに
印加される。負側の放電電極32にはヒータ35が設けられ
ており、電源36から給電されて放電電極32を200℃前後
の比較的低温に保持する。排気装置37により排気調整弁
38を介して反応槽31の内部を所定圧力に減圧できるよう
になっている。反応槽31内でプラズマを発生させるふん
囲気ガスは例えば水素40であって、ボンベ41から減圧弁
42および流量調整器43を介して反応槽31に供給される。
一方、ボロン源ガスは例えばジボラン50であって、同様
にボンベ51から減圧弁52および流量調整器53を介して反
応槽31に供給される。流量調整器43,53の流量設定は水
素40内のジボラン50の濃度が例えば1000ppmになるよう
になされる。
体板上にボロン薄膜21を形成する要領を示すものであ
る。プラズマCVD装置の反応槽31は密閉された真空容器
であり、その中に放電電極32,33が対向して設けられて
いて、直流電源34から数百V程度の放電電圧がこれらに
印加される。負側の放電電極32にはヒータ35が設けられ
ており、電源36から給電されて放電電極32を200℃前後
の比較的低温に保持する。排気装置37により排気調整弁
38を介して反応槽31の内部を所定圧力に減圧できるよう
になっている。反応槽31内でプラズマを発生させるふん
囲気ガスは例えば水素40であって、ボンベ41から減圧弁
42および流量調整器43を介して反応槽31に供給される。
一方、ボロン源ガスは例えばジボラン50であって、同様
にボンベ51から減圧弁52および流量調整器53を介して反
応槽31に供給される。流量調整器43,53の流量設定は水
素40内のジボラン50の濃度が例えば1000ppmになるよう
になされる。
固相拡散源20上にボロン薄膜21を形成するに当たって
は、まずヒータ35によって放電電極32の温度を所定値に
保っておいた上で、固相拡散源用に望ましくはボロンを
高濃度でドーピングしたp形の低抵抗の半導体板を放電
電極32上に載置する。ついで排気装置37により反応槽31
内を10-7Torr程度の高真空にして不要ガスを反応槽31か
ら充分排除した上で、排気調整弁38により排気速度を落
とすと同時に水素40とジボラン50とを反応槽31内に所定
流量で導入し、排気調整弁38を調整して反応槽31内の圧
力を数Torr程度の所定圧力に維持する。後は直流電源34
から所定の放電電圧を放電電極32,33間に印加すること
でよく、これによってグロー放電が両放電電極間に発生
してふん囲気ガスとしての水素がプラズマ化される。ふ
ん囲気ガス中に含有されているジボランはプラズマによ
り分離され、ボロンが単独であるいは水素と結合した形
でプラズマ内に存在する電界により放電電極32と同電位
にある固相拡散源20に向けて輸送され、その表面に導入
ないしは堆積される。
は、まずヒータ35によって放電電極32の温度を所定値に
保っておいた上で、固相拡散源用に望ましくはボロンを
高濃度でドーピングしたp形の低抵抗の半導体板を放電
電極32上に載置する。ついで排気装置37により反応槽31
内を10-7Torr程度の高真空にして不要ガスを反応槽31か
ら充分排除した上で、排気調整弁38により排気速度を落
とすと同時に水素40とジボラン50とを反応槽31内に所定
流量で導入し、排気調整弁38を調整して反応槽31内の圧
力を数Torr程度の所定圧力に維持する。後は直流電源34
から所定の放電電圧を放電電極32,33間に印加すること
でよく、これによってグロー放電が両放電電極間に発生
してふん囲気ガスとしての水素がプラズマ化される。ふ
ん囲気ガス中に含有されているジボランはプラズマによ
り分離され、ボロンが単独であるいは水素と結合した形
でプラズマ内に存在する電界により放電電極32と同電位
にある固相拡散源20に向けて輸送され、その表面に導入
ないしは堆積される。
実際のボロン薄膜の形成のためのプラズマCVDの条件例
としては、次のとおりである。
としては、次のとおりである。
固相拡散源温度: 200℃ 水素中のジボラン濃度: 1000ppm 反応槽内圧力: 2Torr 放電電圧: 560V(直流) 放電時間: 60分 以上の条件で、固相拡散源としての半導体板の表面には
およそ0.2μm厚みでボロンの薄膜が形成され、その表
面のボロン濃度としては1023原子/cm3以上の高濃度が
得られるので、上述の程度の不純物濃度および拡散深さ
の固相拡散に最低数回程度の繰り返えし使用が可能であ
る。
およそ0.2μm厚みでボロンの薄膜が形成され、その表
面のボロン濃度としては1023原子/cm3以上の高濃度が
得られるので、上述の程度の不純物濃度および拡散深さ
の固相拡散に最低数回程度の繰り返えし使用が可能であ
る。
以上説明したとおり本発明においては、ボロンの固相拡
散方法として、ボロンを拡散すべき半導体基板と同一材
料の半導体板の表面にプラズマCVD法により1022原子/c
m3以上の濃度のボロン薄膜を形成して固相拡散源とし、
前記固相拡散源のボロン薄膜面と半導体基板面とを向か
い合わせて拡散炉内で加熱し、前記半導体基板にボロン
を拡散するようにしたので、固相拡散炉内には半導体材
料とそれに拡散をすべきボロン以外に余分な物質が装入
されることがなく、炉および半導体基板を完全に汚染か
ら守りながらボロンを固相拡散できる。これにより、固
相拡散源を半導体基板に対すると同じごく簡単な前処理
だけで炉に装入することができ、炉の汚染に対する管理
も従来よりずっと楽になり、かつそのレベルを向上する
ことができる。本発明方法では固相拡散法が本来もつ利
点をそのまま生かして利用することができ、イオン注入
法のように結晶欠陥を半導体基板に導入するおそれな
く、かつ気相拡散法によるよりもボロン濃度の基板内お
よび基板間のばらつきを少なく管理しながらかつそれよ
りも短時間内に高ボロン濃度の深い拡散層を半導体基板
内に作り込むことができる。また、本発明の実施に必要
な半導体板の表面にボロン薄膜を形成した固相拡散源
は、実施例の記載からわかるように簡単な装置でかつ固
相拡散に要する時間よりもずっと短時間内に容易に調製
することができ、また同じ半導体板を用いて何回でもボ
ロン薄膜をその表面に形成することができる。
散方法として、ボロンを拡散すべき半導体基板と同一材
料の半導体板の表面にプラズマCVD法により1022原子/c
m3以上の濃度のボロン薄膜を形成して固相拡散源とし、
前記固相拡散源のボロン薄膜面と半導体基板面とを向か
い合わせて拡散炉内で加熱し、前記半導体基板にボロン
を拡散するようにしたので、固相拡散炉内には半導体材
料とそれに拡散をすべきボロン以外に余分な物質が装入
されることがなく、炉および半導体基板を完全に汚染か
ら守りながらボロンを固相拡散できる。これにより、固
相拡散源を半導体基板に対すると同じごく簡単な前処理
だけで炉に装入することができ、炉の汚染に対する管理
も従来よりずっと楽になり、かつそのレベルを向上する
ことができる。本発明方法では固相拡散法が本来もつ利
点をそのまま生かして利用することができ、イオン注入
法のように結晶欠陥を半導体基板に導入するおそれな
く、かつ気相拡散法によるよりもボロン濃度の基板内お
よび基板間のばらつきを少なく管理しながらかつそれよ
りも短時間内に高ボロン濃度の深い拡散層を半導体基板
内に作り込むことができる。また、本発明の実施に必要
な半導体板の表面にボロン薄膜を形成した固相拡散源
は、実施例の記載からわかるように簡単な装置でかつ固
相拡散に要する時間よりもずっと短時間内に容易に調製
することができ、また同じ半導体板を用いて何回でもボ
ロン薄膜をその表面に形成することができる。
以上の特長をもつ本発明方法は、前述のように電力用半
導体装置用の基板や集積回路装置用の基板内に強いp形
の深い半導体層を作り込むに適し、これら半導体装置の
基板のコストを下げかつその性能を向上する上で貢献す
ることが期待される。
導体装置用の基板や集積回路装置用の基板内に強いp形
の深い半導体層を作り込むに適し、これら半導体装置の
基板のコストを下げかつその性能を向上する上で貢献す
ることが期待される。
図はすべて本発明に関し、第1図は本発明によるボロン
の固相拡散方法の要領を例示する固相拡散炉の要部の拡
大断面図、第2図は本発明方法を実施した半導体基板の
ボロン濃度のプロファイルを例示する線図、第3図は本
発明基板の実施に用いられる固相拡散源の調製に適する
プラズマCVD装置の構成図である。図において、 1:固相拡散炉の石英管、2:半導体基板および固相拡散源
用ボート、3:ボートのスリット、10:ボロンが拡散され
る半導体基板、11:ボロン拡散層、20:固相拡散源、21:
ボロン薄膜、31:プラズマCVD装置の反応槽、32,33:放電
電極、34:放電用直流電源、35:固相拡散源半導体板加熱
用ヒータ、36:ヒータ用電源、37:排気装置、38:排気調
整弁、40:プラズマCVD用ふん囲気としての水素、41,51:
ボンベ、42,52:減圧弁、43,53:流量調整器、50:ボロン
源としてのジボラン、である。
の固相拡散方法の要領を例示する固相拡散炉の要部の拡
大断面図、第2図は本発明方法を実施した半導体基板の
ボロン濃度のプロファイルを例示する線図、第3図は本
発明基板の実施に用いられる固相拡散源の調製に適する
プラズマCVD装置の構成図である。図において、 1:固相拡散炉の石英管、2:半導体基板および固相拡散源
用ボート、3:ボートのスリット、10:ボロンが拡散され
る半導体基板、11:ボロン拡散層、20:固相拡散源、21:
ボロン薄膜、31:プラズマCVD装置の反応槽、32,33:放電
電極、34:放電用直流電源、35:固相拡散源半導体板加熱
用ヒータ、36:ヒータ用電源、37:排気装置、38:排気調
整弁、40:プラズマCVD用ふん囲気としての水素、41,51:
ボンベ、42,52:減圧弁、43,53:流量調整器、50:ボロン
源としてのジボラン、である。
Claims (1)
- 【請求項1】ボロンを拡散すべき半導体基板と同一材料
の半導体板の表面にプラズマCVD法により1022原子/cm3
以上の濃度のボロン薄膜を形成して固相拡散源とし、前
記固相拡散源のボロン薄膜面と半導体基板面とを向かい
合わせて拡散炉内で加熱し、前記半導体基板にボロンを
拡散することを特徴とするボロンの固相拡散方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62202216A JPH06105694B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-08-13 | ボロンの固相拡散方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62202216A JPH06105694B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-08-13 | ボロンの固相拡散方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6445118A JPS6445118A (en) | 1989-02-17 |
JPH06105694B2 true JPH06105694B2 (ja) | 1994-12-21 |
Family
ID=16453884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62202216A Expired - Lifetime JPH06105694B2 (ja) | 1987-08-13 | 1987-08-13 | ボロンの固相拡散方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06105694B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5635422A (en) * | 1992-03-02 | 1997-06-03 | Motorola, Inc. | Diffusing dopants into a semiconductor wafer |
JP2006310368A (ja) * | 2005-04-26 | 2006-11-09 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 太陽電池の製造方法及び太陽電池 |
JP4481869B2 (ja) * | 2005-04-26 | 2010-06-16 | 信越半導体株式会社 | 太陽電池の製造方法及び太陽電池並びに半導体装置の製造方法 |
CN104392910B (zh) * | 2013-09-06 | 2017-03-22 | 湖北台基半导体股份有限公司 | 一种缓冲层的扩散方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60138974A (ja) * | 1983-12-27 | 1985-07-23 | Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd | 絶縁ゲ−ト型電界効果トランジスタの製造方法 |
-
1987
- 1987-08-13 JP JP62202216A patent/JPH06105694B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6445118A (en) | 1989-02-17 |
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