JPH06105461A - 配電線事故点標定装置 - Google Patents

配電線事故点標定装置

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JPH06105461A
JPH06105461A JP25282292A JP25282292A JPH06105461A JP H06105461 A JPH06105461 A JP H06105461A JP 25282292 A JP25282292 A JP 25282292A JP 25282292 A JP25282292 A JP 25282292A JP H06105461 A JPH06105461 A JP H06105461A
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JP
Japan
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optical
accident
optical fiber
optical fibers
distribution line
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Withdrawn
Application number
JP25282292A
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English (en)
Inventor
Norio Abe
則雄 阿部
Tetsuharu Matsuo
徹治 松生
Keiji Hirata
啓二 平田
Hiroshi Sano
泰士 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で簡易な回路構成を備えかつ低消費電力
の配電線事故点標定装置を提供することを目的とする。 【構成】 配電線路において単位区間を構成する電柱
(1a、1b、1m、1x)に対しループを形成するよ
うに光ファイバ束(2)を配設する。光ファイバ束
(2)の始端および終端は子局(4)に結合される。電
柱のそれぞれに対応して、事故発生時に事故電流を検出
して光ファイバに対し曲げを与えるセンサ(3a、3
b、3m、3x)が設けられる。各センサが光ファイバ
束(2)内の光ファイバにおいて曲げを与える光ファイ
バは予め各センサに対して設定されている。子局4は、
光ファイバ束(2)へ一方方向に光信号を伝達し、この
光ファイバ束を介して到達した光信号のパターンを読取
る。この光信号パターンは、事故発生時における事故点
を標定する情報を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は配電線路における事故
点を標定するための装置に関し、特に、配電線路におけ
る地絡事故を検出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図20は、従来の地絡事故点標定装置の
構成を示す図である。図20において、電柱300a、
300b、…、300nが1つの単位区間として監視さ
れる。電柱300a、300b、…は、変圧器などを含
む柱上機器302a、302b、…と、この柱上機器3
02a、302bにおける地絡発生時に接地線を流れる
電流を検出するセンサ304a、304b、…を含む。
【0003】電柱300nには子局305が設けられて
おり、この単位区間における高電圧を供給/遮断するた
めの柱状開閉器303が設けられる。この柱上開閉器3
03を開閉することにより、この単位区間における高電
圧の供給/遮断が実現される。子局305は、各電柱3
00a、300b、…に対応して設けられたセンサ30
4a、304bと伝送路306を介して通信可能であ
り、また親局とも通信可能である。
【0004】図21は、図20に示すセンサおよび子局
の具体的構成を概略的に示す図である。図21におい
て、センサ304(センサ304a、304b、…を総
称的に示す)は、柱上機器302(柱上機器302a、
302b、…を総称的に示す)の接地線310を流れる
地絡電流を検出するための電流変流器312と、この電
流変流器312の出力に応答して地絡が発生したことを
検出する地絡検出回路314と、地絡を可視表示するた
めのステータスインジケータ316と、子局305から
与えられるパルス信号を検出するパルス検出回路318
を含む。ステータスインジケータ316は、たとえば磁
気保持型の回路で構成されており、セット入力Sに電流
が与えられた場合には、地絡表示を行ない、リセット入
力Rに信号が与えられた場合には無事故表示を行なう。
【0005】センサ304はさらに、このセンサ304
のアドレスおよび地絡情報を記憶するための不揮発性メ
モリ320と、地絡発生時に制御回路322の制御の下
に2周波のトーン信号を発生するトーン信号発生回路3
24と、このセンサに対する動作電源電圧を与える電源
326と、ローパスフィルタ328を含む。ローパスフ
ィルタ328は、トーン信号発生回路324から発生さ
れるトーン信号に対して電源326の入力インピーダン
スを高くし、電源326が発生する電圧がこのトーン信
号に応じて変動するのを防止する。
【0006】制御回路322は、地絡検出後のトーン信
号の送出、および子局との通信を行なうとともに、不揮
発性メモリ320へのアドレス情報および地絡情報の書
込などを実行する。
【0007】センサ304の外部には、アドレス(電柱
番号)設定器330が設けられる。アドレス(電柱番
号)設定器330は、このセンサ304を取付ける際
に、不揮発性メモリ320にこのアドレス情報を書込む
ために必要とされる。アドレス(電柱番号)設定器33
0に設定されたアドレスが制御回路322を介して不揮
発性メモリ320へ書込まれる。
【0008】子局305は、子局305の動作電源電圧
を供給する電源350と、子局304から発生されるト
ーン信号を受信するためのトーン信号受信回路352
と、トーン信号受信回路352がトーン信号を受信した
際に所定の波長のパルス信号を発生するパルス発生回路
354と、親局との通信およびパルス発生回路354か
らのパルス発生タイミングなどを制御するとともに、ト
ーン信号受信時に柱上開閉器を開状態に設定する制御回
路356を含む。この子局305はさらに、トーン信号
受信時およびパルス信号発生時に電源350からの発生
電圧の変動を防止するためのローパスフィルタ358を
含む。次に動作について説明する。
【0009】柱上機器302において地絡事故が発生し
た場合、接地線310に地絡電流が流れる。この接地線
310上の地絡電流は電流変流器312に電流を生じさ
せ、これにより地絡検出回路314は地絡が発生したこ
とを検出する。制御回路322は、地絡検出回路314
からの地絡検出信号に応答してトーン信号発生回路32
4を活性化させ、2周波のトーン信号を発生させる。こ
のトーン信号発生回路324からの2周波のトーン信号
は伝送線306を介して子局305へ伝達される。
【0010】制御回路322はさらに地絡検出信号に応
答して、ステータスインジケータ316のセット入力S
に電流を供給し、その表示色を反転させてその事故発生
指示状態を保持する。ステータスインジケータ316が
磁気保持型装置であり、セットS側の巻線に電流を流す
ことにより表示色が反転する。ステータスインジケータ
316は、この子局305から表示復帰コードが与えら
れたとき、制御回路322の制御の下にリセットR側巻
線に電流が供給され、その表示色が復帰される。
【0011】子局305においては、伝送線306を介
して伝達されるトーン信号を受信すると、トーン信号受
信回路352が受信信号を制御回路356へ与える。制
御回路356は、親局と通信を行ない、地絡事故発生を
知らせるとともに、柱上開閉器(図21には図示せず)
を開状態とし、事故点を高圧線路から切り離す。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の地絡事故標定に
用いられる地絡センサは、地絡を検出すると地絡検出信
号を送出し、また子局からの要求に応えて地絡点標定の
ためのアドレスを子局へ送出している。このため、地絡
センサには、通信機能を設ける必要があり、装置規模が
大きくなるという問題があった。
【0013】また、いつ発生するかわからない地絡電流
を検出するために、制御回路などの回路要素を常時作動
状態とする必要があり、また通信をも行なう必要があ
り、このため電源が必要とされ電力消費が大きいという
問題があった。
【0014】さらに、地絡センサの各々へは子局から動
作電源電圧が伝達されるため、子局における電源の規模
が大きくなるという問題もあった。
【0015】それゆえ、この発明の目的は、簡易な構成
で確実に配電線路の事故点を標定することのできる配電
線事故点標定装置を提供することである。
【0016】この発明の他の目的は、低消費電力の配電
線事故点標定装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係る配電線事
故点標定装置は、要約すれば、光ファイバの光伝送特性
を事故発生に応答して変化させることにより事故発生情
報および事故点標定情報を発生するものである。
【0018】請求項1に係る配電線事故点標定装置は、
配電線路の予め定められた区間においてこの配電線路に
沿って配設される複数の光ファイバと、この所定区間内
における配電線路に配設された複数の電柱のうちの所定
の電柱の各々に対応して設けられる複数のセンサ手段を
含む。センサ手段の各々は、対応の電柱に配設された接
地線を流れる電流を検出する電流検出手段と、この電流
検出手段の出力に応答して複数の光ファイバのうちの該
センサ手段に対して予め定められた所定の光ファイバの
光伝送損失を増大させる手段を含む。
【0019】請求項1に係る配電線事故点標定装置はさ
らに、複数の光ファイバの始端と隣接する他の区間から
の光ファイバの終端とが共に結合される子局を備える。
この子局は、光ファイバの始端に結合され、隣接する他
の区間からの複数の光ファイバ内を伝搬するように光信
号を発生する手段と、複数の光ファイバの終端各々に結
合され、各光ファイバを介して与えられる光信号に応答
して事故発生の有無および事故点標定情報を生成する手
段を含む。
【0020】伝送損失を増大させるための手段は、好ま
しくは光ファイバに曲げを与えるための手段または光の
伝送を遮断する光スイッチである。
【0021】請求項2に係る配電線事故点標定装置は、
配電線路の予め定められた区間内において実質的にルー
プをなすようにこの配電線路に沿って配設される第1お
よび第2の光ファイバと、この配電線路の所定区間内に
設けられた複数の電柱のうち所定の電柱に設けられる複
数のセンサ手段を含む。複数のセンサ手段の各々は、対
応の電柱に配設された接地線を流れる電流を検出するた
めの電流検出手段と、この電流検出手段の検出電流に応
答して第1および第2の光ファイバに振動態様の伝送損
失の変化を与える手段とを含む。
【0022】請求項2に係る配電線事故点標定装置はさ
らに、この配電線路の予め定められた区間内の所定地点
に設けられる子局を備える。この子局は、第1および第
2の光ファイバに、互いに反対方向に伝搬する光信号を
与える手段と、これらの第1および第2の光ファイバか
らの振動光信号の到達時間の差を検出する手段とを含
む。
【0023】
【作用】請求項1に係る配電線事故点標定装置において
は、子局から送信される光信号が事故発生時にはセンサ
手段により事故点標定情報で変調されて子局へ伝達され
る。子局は、この変調された光信号に含まれるパターン
を見ることにより事故発生の検知および事故点の標定を
行なうことができる。
【0024】請求項2に係る配電線事故点標定装置にお
いては、事故発生時にセンサ手段により検出電流で変調
された光信号が第1および第2の光ファイバを介して互
いに逆方向に子局へ伝達される。子局は、第1および第
2の光ファイバからの変調光信号の到達時間差を検出す
る。この到達時間差情報は事故点標定情報を含むととも
に変調光信号は事故発生指示情報を含む。
【0025】
【実施例】(実施例1)図1はこの発明の第1の実施例
である配電線事故点標定装置の全体の構成を概略的に示
す図である。図1において、配電線事故点標定装置は、
配電線路(配電線は図示せず)の所定区間内の予め定め
られた電柱1a、1b、…、1mに沿って配設される複
数の光ファイバからなる光ファイバ束2xを含む。電柱
1a、1b、…、1mの各々には、センサ3a、3b、
…、3mが設けられる。センサ3a〜3mの各々は、対
応の電柱1a〜1mの各々に配設される接地線(低電圧
線を接地するための接地線と共に高圧線の取付金具に配
設される接地線をも併わせて含む)5a、5b、…、5
mを流れる電流を検出する電流検出器30a、30b、
…、30mからの検出電流に応答して励磁され、光ファ
イバ束2x内の電柱1a〜1mの各々に割当てられた所
定の光ファイバに曲げを与える。センサ3a〜3mの構
成については後に説明する。電柱1aに対応してこの区
間LAを監視する子局4が設けられる。電柱1b、…、
1mが継電器を含まない柱上機器のみを備えており、電
柱1aには高電圧の供給を遮断するための継電器が設け
られていてもよい。子局4には、光ファイバ束2の始端
および隣接する他の区間の子局4xからの光ファイバ束
2xの終端が共に結合される。次に簡単に動作について
説明する。
【0026】隣接する他の区間の子局4xは、光ファイ
バ束2xの始端から光信号を光ファイバ束内の各光ファ
イバへ光信号を供給する。この光信号は一定の強度を備
えている。子局4はこの光ファイバ束2xの終端からの
光信号をモニタし、この光ファイバ束2x内の各光ファ
イバからの光信号が一定の強度を有しているか否かを判
別することにより区間LA内における事故発生の有無を
検出する。
【0027】今、電柱1bにおいて地絡事故が発生した
場合、接地線5bに地絡電流が流れる。この接地線5b
を流れる地絡電流は電流検出器30bにより検出され
る。センサ3bはこの電流検出器30bからの検出電流
に従って光ファイバ束2内の所定の光ファイバに曲げを
与える。光ファイバは「曲げ損失」という用語で知られ
ているように、曲げが与えられるとその光伝送損失が増
大する。センサ3bが曲げを与える光ファイバは予め定
められている。これにより光ファイバ束2x内の光ファ
イバにおいて所定の光ファイバの光信号がその伝送損失
の増大により子局4へ到達しなくなるか到達してもその
強度は極めて弱くなる。
【0028】子局4は、この光ファイバ束2xの終端か
らの光信号の強度を監視している。少なくとも1本の光
ファイバの光信号強度が所定値以下となると事故が発生
したと判別し、到達した光信号のパターンを検出する。
この検出された光信号パターンは事故点標定情報を含ん
でいる。各電柱に対応して曲げが与えられる光ファイバ
が予め定められているためである。これにより事故発生
の有無および事故点標定を同時に行なうことができる。
【0029】上述の構成によれば、センサ3a〜3m
は、電流検出器30a〜30mの検出電流に応答して励
磁されて光ファイバに曲げを与えている。各センサ3a
〜3mには電源、送信機能などは必要とされない。この
ため事故点標定のためのセンサの規模を大幅に縮小する
ことが可能となる。また、電源は、子局4において光信
号の送信および受信ならびに事故点標定動作のために必
要とされるだけであり、大幅に消費電力を低減すること
が可能となる。
【0030】子局4は、事故発生時にはその内蔵の送信
機能により親局へ事故発生の報知および事故点標定情報
を送出する。これにより親局では事故発生地点を識別す
ることができ、迅速に発生した事故に対処することがで
きる。次に各構成要素の構成および動作について説明す
る。
【0031】図2は、図1に示す子局の構成を概略的に
示す図である。図2において、子局4は、光信号を光フ
ァイバ束2内の光ファイバ各々へ送出するための光信号
送出器14を含む。光信号送出器14は、光信号を発生
する光信号発生器15と、この光信号発生器15からの
光信号を光ファイバ束2内の各光ファイバへ結合させる
分岐器(光カプラ)16を含む。光信号発生器15は、
電源17と、電源17からの電流に応答して光信号を発
生する発光ダイオード(LED)18を含む。この光信
号発生器15からの光信号強度は一定である。分岐器1
6は、この光信号発生器15からの光信号を分岐させて
光ファイバ束2内の各光ファイバへ光信号を供給する。
【0032】子局4はさらに、隣接した区間の子局4x
からの光ファイバ束2xの終端に結合されて各光ファイ
バから伝達された光信号を電気信号に変換するための光
/電気変換器(O/E変換器)11、…、11と、光/
電気変換器11、…、11の出力を受けて事故が発生し
たか否かを検出する事故発生検出器12と、事故発生検
出器12の出力に応答して活性化され、光/電気変換器
11からの電気信号を受けそのパターンを弁別すること
により事故点標定情報を生成する制御器13を含む。図
2においては、制御器13は、事故発生検出器12から
の出力に応答して柱上開閉器を開状態(遮断状態)に設
定する構成が示される。制御器13はさらにまた親局と
通信可能であり、事故発生検出器12からの事故発生検
出信号に応答して事故発生の報知および事故点標定情報
を送出する。
【0033】事故発生検出器12は、機能的にはAND
回路と等価な回路で構成され、光/電気変換器11、
…、11の出力が1つでも所定のレベル以下となったと
き(論理“0”となったときに)論理“0”の信号を出
力し、事故発生を知らせる。通常状態時においては、こ
の事故発生検出器12の出力は論理“1”である。光/
電気変換器11、…、11の出力はすべて所定のレベル
以上にあるためである。
【0034】図3は、図2に示す分岐器の構成を示す図
である。図3において、分岐器16は、1入力2出力の
2分岐光カプラ160a、160b、160c、160
d、160e、…、160fを含む。この光カプラ16
0a〜160fは複数段のツリー状に接続される。同一
構成すなわち1入力2出力の光カプラが用いられている
だけであり、容易に光ファイバ束2に含まれる光ファイ
バの数に合わせて分岐数を増加させることができ、この
配電線事故点標定装置の事故点観察区間を容易に拡張す
ることが可能となる。
【0035】図4は、図1に示すセンサの具体的構成を
示す図である。図4において、電流検出器30(電流検
出器30a〜30mを総称的に示す)は、接地線5を流
れる電流により誘起される磁界を検出するコア40と、
コア40に巻回され、このコア40に誘起された磁界に
より誘起される電流を生じさせるコイル42を含む。電
柱地絡(電柱と配電線との接触)が生じた場合には、こ
の配電線を流れる交流電流が接地線5へ地絡電流として
流れる。したがって地絡電流Iaは交流電流である。こ
の交流電流Iaによりコア40に交流磁界が誘起され
る。コイル42はコア40に誘起された交流磁界により
交流電流Ibを誘起させる。これにより、地絡などの事
故発生時にコイル42に電流が流れ、電流Ibを検出す
ることにより事故発生の有無を検出することができる。
このコア40およびコイル42は、従来からCT(電流
変流器)として利用されているものと等価である。
【0036】センサ3は、コイル42を流れる交流電流
Ibを全波整流する全波整流回路44と、全波整流回路
44の出力を受けるコイル46と、コイル46内に挿入
されるコア48を含む。コア48の一方端は関連の光フ
ァイバ20に接触される。全波整流回路44はコイル4
2に流れる交流電流Ibを直流電流に整流する。コイル
46には直流電流Iが流れ、この電流Iに応じてコイル
46内に磁界Fが発生し、この磁界Fの磁力によりコア
48が図の上方向に移動する。これにより光ファイバ2
0に曲げが与えられ、この部分における光ファイバの伝
送損失が増大し、光信号の強度が大幅に減少する。
【0037】ここで、全波整流回路44が設けられてい
るのは以下の理由による。交流電流Ibをそのままコイ
ル46に流した場合、コイル46内には交流磁界が発生
し、これによりコア48が図の上下方向に振動する。し
たがって、光ファイバ20の伝送損失特性も振動するこ
とになり光ファイバ内を伝達される光信号は交流信号と
なる。このため、光信号パターンの検出が困難となる。
このため直流磁界Fをコイル46内に発生させ、光ファ
イバ20に常時一定の曲げを与えるために全波整流回路
44が設けられる。
【0038】図5はセンサと発生される光パターンとの
対応関係を示す図である。図5において、センサ3a
は、光ファイバ束2x内の光ファイバ20aの伝送損失
を事故発生時に増大させる。センサ3bは光ファイバ2
0bの伝送損失を事故発生時に増大させる。センサ3m
は事故発生時には光ファイバ20cおよび20dの伝送
損失を増大させる。センサ3a〜3xに対してそれぞれ
どの光ファイバの「曲げ損失」を増大させるかは予め設
定される。すなわち、どの光ファイバの「曲げ損失」を
増大させるかを決定することにより、各センサのアドレ
ス情報が設定される。
【0039】図6は、光ファイバに曲げを与えた場合の
光伝送特性を示す図である。図6(A)に示すように、
曲げが与えられない場合、光は極めて小さな伝送損失で
伝達される。この場合、光信号の論理レベルを“1”と
する。
【0040】図6(B)に示すように、事故発生時にお
いて図4に示すコア48が移動した場合、光ファイバ2
0には局所的に曲げが与えられ、この部分において「曲
げ損失」が発生し、光伝送損失が大きくなる。このとき
光ファイバ20を伝送される光信号を論理“0”に対応
させる。
【0041】子局4において、光ファイバ終端から伝達
される光信号を電気信号に変換した後、AND処理を行
なう。事故が発生していない場合には、光ファイバの出
力はすべて論理“1”である。事故が発生した場合に
は、その事故発生地点に対応する電柱に割当てられたア
ドレスに対応するパターン(“1”と“0”との組合せ
により得られるパターン)が与えられる。したがって、
この光信号パターンを見ることにより事故点を標定する
ことができる。子局から親局へ送出される事故点標定情
報はこの光信号パターンに対応する電気信号パターンが
そのまま送信されてもよく、またこの光信号パターンを
デコードし、さらに圧縮された形で事故点を標定する情
報に変換された後に親局へ伝達されてもよい。
【0042】図7は、センサすなわち電柱に割当てられ
るアドレスの割当ての一例を示す図である。図7におい
てS1〜S16は電柱すなわちセンサの位置を示す。a
〜fは、光ファイバ束2に含まれる光ファイバを示す。
図において“X”は曲げが与えられる部分である。
“0”は曲げが与えられない部分である。センサS1〜
S6は光ファイバa〜fを順次1つずつ曲げを与えてい
る。センサS7〜S12までは2箇所の光ファイバに曲
げを与える。センサS13〜S16は3箇所の光ファイ
バに曲げを与える。通常、16個のセンサに単純にアド
レスを割当てる場合、必要とされる光ファイバは4本
(24 =16)である。しかしながら、この図7に示す
アドレス割当てにおいては、光ファイバは6本用いられ
る。これは、配電線路における事故発生の特殊性に起因
する。通常、地絡が発生した場合、隣接する電柱におい
ても地絡電流が流れる可能性が生じる。このため隣接す
る3つのセンサが同時に動作し、発生するアドレスの組
合せが他のいずれのセンサに割当てられたアドレスとも
一致しないようにするために2本余分に光ファイバが利
用される。このアドレスの割当ては、できるだけ隣接す
る(パターンのビット配列において)光ファイバが同時
に論理“0”状態にならないように配設することにより
決定される。たとえば配電線事故点標定装置が30個の
センサを含む場合、通常8本の光ファイバが必要とされ
る。28 =256であり、かなりの余裕をもって各セン
サに対しアドレスを割当てることができる。この場合、
アドレス割当てはより容易となる。この場合、またどの
アドレスにも対応しない光信号パターンが検出された場
合、3つのアドレス情報に分割されるようにアドレスを
配置するのが好ましい。この観点からすれば、光ファイ
バにおけるアドレスを規則的に変化するように配置する
のが好ましい。図7においても7本の光ファイバを用い
れば最大2本の光ファイバに曲げを与えるように各セン
サにアドレスを割当てることができる。
【0043】図8は、光ファイバ束の構成およびセンサ
取付の形態を示す図である。図8(A)に示すように、
光ファイバ束2は、その外被内に複数の光ファイバ20
を含む。このような場合、図8(B)に示すように、所
定の位置(センサ取付位置)において光ファイバ束2x
の外被を除去し、光ファイバ20を露出させる。この露
出させた状態において同心円状に配置させられた光ファ
イバ20のうち所望の光ファイバ20に対してのみ、曲
げを与えるためのコア48を接触させる。図8(B)に
おいては光ファイバ20aに対してのみコア48を接触
させる状態が示される。この場合、残りの光ファイバ2
0がこの光ファイバ20aの曲げにより影響を受ける懸
念が生じるかもしれない。このため、光ファイバ20a
のみをその曲げ損失ができるだけ生じないように残りの
光ファイバ20から分離し(遮蔽板などを用いればよ
い)所望の光ファイバ20aのみがコア48の移動の影
響を受けるように構成する。
【0044】図9は、光ファイバに曲げを与えるための
コアの形態を示す図である。図9(a)において、コイ
ル46内に挿入されるコア48は載置台49に接触して
設けられる。コア48aの一方端は、その断面形状がコ
の字型部分と上方部分が三角形状の部分とを有する。こ
のコの字型部分に所望のコア20が配置される。この図
9に示す構造の場合、三角形状部分において不要な光フ
ァイバ20′はその三角形の斜辺部分により横方向にす
べるだけであり、曲げを受けることがなく、その平行方
向への移動による曲げ損失はごく僅かである。これによ
り不要な光ファイバ20′に曲げを与えることがなくな
り確実に事故点標定情報を生成することができる。
【0045】図9(b)に示すコア48bは、V字状溝
にされた一方端を備える。他方端は載置台49に接触さ
れる。このV字溝内に光ファイバ20が配置される。光
ファイバ20はその上方方向も逆V溝形状の蓋により固
定される。これにより図9(a)と同様、不要な光ファ
イバ20′に対する悪影響を防止することができ、所望
の光ファイバ20に対してのみ曲げを与えることができ
る。
【0046】図9(c)において、コア48cは、その
他方端が載置台49に接触されて保持される。コア48
cの他方端は3個の突出部51a、51bおよび51c
を含む。突出部51a、51bおよび51cの端部には
V字溝が形成され、このV字溝内に所望の光ファイバ2
0a、20bおよび20cが載置される。この図9
(c)に示すコア48cの場合、同時に3つの光ファイ
バに対し曲げを与えることができる。図9(a)または
(b)に示すコア48aまたは48bに示す形状と図9
(c)に示すコア48cの形状が組合せられてもよい。
【0047】上述のような構成を利用することにより、
所望の光ファイバに対してのみ確実に曲げを与えること
が可能となる。
【0048】先の実施例においては、センサは所望の光
ファイバに対し曲げを与えることにより「曲げ損失」を
増大させて光信号の伝送損失を増大させて光信号強度を
低下させている。この場合、微弱ではあるが光信号が伝
達される。完全に光信号を遮断することも可能である。
【0049】図10はセンサの他の構成例を示す図であ
る。図10に示すセンサは光スイッチを備える。光スイ
ッチからなるセンサは、スリーブ66外周に設けられる
永久磁石62および64を含む。永久磁石62および6
4はその極性が互いに逆方向となるように配置される。
すなわちそれぞれのN極およびS極が対向するように配
置される。
【0050】スリーブ66の永久磁石62および64に
対向する部分の内側にはソレノイドコイル69が設けら
れる。ソレノイドコイル69には、図4に示す電流検出
器30からのコイル42の検出電流が伝達される。ここ
で図10においては電流検出器をCTとして示してい
る。
【0051】スリーブ66の一方側に設けられたコネク
タ67aを介して送信側光ファイバ20eが挿入され
る。スリーブ66の他方側に設けられたコネクタ67b
には受信側光ファイバ20fが装着される。受信側光フ
ァイバ20fと送信側光ファイバ20eとはV字溝を有
する載置台68に配置される。送信側光ファイバ20e
には、そのソレノイドコイル69のほぼ中心部付近に磁
性体からなるパイプが装着される。次に動作について説
明する。
【0052】コイル42に電流が流れない場合、ソレノ
イドコイル69は励磁動作を行なわない。このとき、永
久磁石62および64の中立点に磁性体パイプ70が配
置され、送信側光ファイバ20eと受信側光ファイバ2
0fとはV字溝を有する載置台68上において互に対向
する位置に配設され、これにより光信号が確実に送信側
光ファイバ20eから受信側光ファイバ20fへ伝達さ
れる。
【0053】事故が発生しコイル42に電流が流れた場
合、ソレノイドコイル69に電流が流れ、このソレノイ
ドコイル69内に磁界が発生する。このソレノイド69
内に発生する磁界は永久磁石62および64の一方の磁
界を強める働きを備える。したがって磁性体パイプ70
がこのソレノイドコイル69内に誘起された磁界により
永久磁石62および64の一方側へ移動し、これにより
送信側光ファイバ20eはその位置が変更し、受信側光
ファイバ20fへは光信号が伝達されない。これにより
光信号を確実に遮断することができる。
【0054】コイル42へ伝達される事故電流は交流電
流である。このとき、磁性体パイプ70はその事故電流
の交流周波数に従って位置が変動する。このとき、確実
に光信号の伝達を禁止するためには、コイル42へは図
4に示すように全波整流器を通して直流電流を通す構成
とすれば確実に光信号の伝搬を禁止することができる。
【0055】図10に示す光スイッチの構成は単なる一
例であり、他の光スイッチの構成が利用されてもよい。
事故電流検出信号に応答して送信側光ファイバの位置が
切換えられればよく、1入力2出力の光スイッチにおい
て一方の出力のみを利用し、他方の出力に光ファイバを
接続しないでおく構成とすればよい。
【0056】(実施例2)図11は、この発明の他の実
施例である配電線事故点標定装置の全体の構成を示す図
である。図11において、この事故点標定装置は、電柱
101a〜101xに対してループを形成するように配
設される第1の光ファイバ102aおよび第2の光ファ
イバ102bを含む。この第1および第2の光ファイバ
102aおよび102bは電柱101aに対して設けら
れる子局104に接続される。子局104はこの第1お
よび第2の光ファイバ102aおよび102bに対し互
いに反対方向に伝搬する光信号L1およびL2を供給す
る。
【0057】この配電線事故点標定装置はさらに、電柱
101a、101b、…、101m、…、101xそれ
ぞれに対応して設けられ、対応の接地線105a、10
5b、…、105m、…、105xを流れる事故電流に
応答して振動光信号を生成するセンサ103a、103
b、…、103m、…、103xを備える。センサ10
3a〜103xの構成については後に詳細に説明する。
【0058】子局104は、この第1および第2の光フ
ァイバ102aおよび102bの光信号を監視し、振動
光信号が与えられたときその振動光信号の到達時間差を
算出する。算出された到達時間差情報は、その符号を含
めて事故発生地点を標定する情報を含む。次に動作につ
いて簡単に説明する。
【0059】今、電柱101bにおいて地絡事故が発生
した場合を考える。電柱101bに設けられた接地線1
05bに地絡電流が流れる。センサ103bは、この接
地線105bを流れる地絡電流に従って第1および第2
の光ファイバ102aおよび102bに振動光信号を与
える。この振動光信号の発生方法は、後に詳細に説明す
るが、接地線105bを流れる電流を検出し、この検出
された事故電流に応答して光ファイバの伝送損失を変化
させる。子局104からは、第1および第2の光ファイ
バ102aおよび102bへ一定強度の光信号が与えら
れている。センサ103bにおいて、第1および第2の
光ファイバの伝送損失が事故電流に応じて変化させられ
たとき、この一定強度の光信号L1およびL2は事故電
流により変調された振動光信号となる。
【0060】子局104は、この第1および第2の光フ
ァイバ102aおよび102bからの振動光信号を検出
するとその両者の到達時間差を検出する。光ファイバ1
02aおよび102bの長さは予め測定することができ
る。したがってこの到達時間差を測定することにより事
故点を標定することができる。
【0061】図12に示すように、地点Bにおいて事故
が発生した場合を考える。地点Aに子局が設けられてい
る。地点Bから地点Aへの振動光信号が到達するのに要
する時間が時間Taであり、一方、地点Bから地点Cお
よびDを介して地点Aへ振動光信号が到達する時間を時
間Tbとする。光ファイバのループの長さは予め測定さ
れており、このループを周回するのに必要とされる時間
TaとTbとの和(Ta+Tb)は一定(K)である。
【0062】子局104においては、到達時間差(Tb
−Ta)が算出される。したがって、次式により事故地
点を標定することができる。
【0063】 Ta+Tb=K(一定) Ta−Tb=T(到達時間差) したがって、時間Taは、次式、 Ta=(T+K)/2 で与えられる。光信号の伝搬速度をcとすれば、地点A
から事故発生地点Bまでの距離SLは、 SL=c・Ta=c(T+K)/2 で与えられる。これにより、事故発生地点を標定するこ
とができる。
【0064】図11に示す構成において、センサ103
a〜103xにおいては事故発生情報を発生するために
必要とされる電源は設けられていない。単に接地線を流
れる事故電流に応じて光ファイバ102aおよび102
bを伝搬される光信号を事故電流で変調するだけであ
る。したがって、子局を除いて電源を必要としない低消
費電力の配電線事故点標定装置を得ることができる。
【0065】また、第1および第2の光ファイバ102
aおよび102bを逆方向に光信号を伝搬させ、この事
故発生時においては到達した振動光信号の到達時間差を
検出することにより時間差を検出しており、容易かつ確
実に事故点を標定することができる。次にこの発明の他
の実施例である配電線事故点標定装置の各要素の構成に
ついて説明する。
【0066】図13は、図11に示す子局の具体的構成
を示す図である。図13において、子局104は、第1
および第2の光ファイバ102aおよび102bへ、互
いに逆方向に伝搬する光信号を供給するための光信号発
生器200を含む。光信号発生器200は、電源202
と、この電源202からの電流に応答して一定強度の光
信号を発生する発光ダイオード(LED)204と、発
光ダイオード204からの光信号を分岐して第1および
第2の光ファイバ102aおよび102bへ供給する分
岐器206を含む。分岐器206は、1入力2出力の光
カプラである。なお、分岐器206を用いずに発光ダイ
オード(LED)を2個用いてもよい。
【0067】子局104は、さらに、第1および第2の
光ファイバを伝搬した光信号を電気信号に変換するため
の光/電気変換器(O/E変換器)208および210
と、光/電気変換器208および210からの電気信号
が所定のレベル以下になったか否かを検出するレベル検
出器212および214と、レベル検出器212および
214からのレベル検出信号に応答して活性化され、光
/電気変換器208および210からの電気信号が所定
のレベルを横切った(交差した)時点を検出する交差検
出器216および218を含む。レベル検出器212お
よび214は、光ファイバ102aおよび102bから
与えられた光信号が振動状態にあり、事故発生を示して
いるか否かを検出するために設けられる。交差検出器2
16および218は、レベル検出器212および214
のレベル検出に応答して活性化され、その振動光信号の
所定番目の信号の所定レベルの交差点を検出する。これ
により、ノイズなどによる誤動作を防止する。
【0068】この子局104はさらに、交差検出器21
6および218からの交差検出信号を受け、両者の時間
差を検出する時間差検出器220と、時間差検出器22
0からの時間差検出情報を受けて親局へ送信する通信装
置222を含む。通信装置222は、時間差検出器22
0からの時間差情報に従って事故点標定を行ない、この
標定された事故点情報を事故発生情報と共に親局へ送出
する構成が用いられてもよい。また、これに代えて、通
信装置222は、事故発生情報(子局アドレスを含む)
と共に単に時間差情報のみを親局へ送信する構成が利用
されてもよい。
【0069】時間差検出器220は、タイマを用いて構
成することができ、交差検出器216および218から
の一方の交差検出信号に応答してセットされて計時動作
を行ない、他方側からの交差検出信号に応答してリセッ
トされるタイマが用いられる。時間差において符号を検
出するためにはこのタイマを2つ利用し、一方のタイマ
は交差検出器216からの交差検出信号に応答して起動
され、他方のタイマが交差検出器218からの検出信号
により起動される構成が利用されてもよい。次に動作に
ついて説明する。
【0070】地絡事故のような事故が発生すると、接地
線に事故電流が流れ、その接地線に対応して設けられた
センサ内の光ファイバの伝送損失がこの事故電流により
変調を受ける。これにより、図14に示すように、光フ
ァイバ102aおよび102b内を伝搬する光信号は所
定のレベルVTを基準として振動する振動光信号とな
る。この図14に示す振動光信号は、図13に示す光/
電気変換器208および210により電気信号に変換さ
れる。
【0071】レベル検出器212および214はこの光
/電気変換器208および210からの電気信号が所定
のレベルVaよりも下がったときに事故が発生したと判
断し、事故発生を示す信号を交差検出器216および2
18へ与える。交差検出器216および218は、レベ
ル検出器212および214からのレベル検出信号(事
故発生情報)に応答して活性化され、所定のしきい値
(図15においてはしきい値Vaで示す)を横切る時点
を検出する。交差検出器216および218はこの誤動
作を防止するために電気信号の所定回数目の所定のしき
い値Vaをその低いレベルから高いレベルへと変化する
ときに交差する時点を検出する(図16においてはレベ
ル検出後の2回目の交差時点を検出している)。
【0072】交差検出器216および218がこの交差
時点を検出すると、交差時点検出信号を時間差検出器2
20へ与える。時間差検出器220はこの交差検出器2
16および218からの交差検出信号の時間差を検出す
る(符号を含めて)。時間差検出器220はこの求めた
時間差情報を通信装置222へ与える。通信装置222
はこの時間差情報またはこの時間差情報により求められ
た事故点標定情報を事故発生情報と共に親局へ送信す
る。次に、この事故発生時に光ファイバの伝送損失を事
故電流で変調するための構成について説明する。図16
はこの発明の他の実施例である配電線事故点標定装置に
用いられるセンサの構造を示す図である。図16におい
ては、図面の煩雑化を避けるために、2本の光ファイバ
のうち1本の光ファイバのみが示される。他の光ファイ
バも同様の構成とされる。図16において、センサは、
接地線105を中心として配置されるコア130を含
む。コア130はその一部分が切断されており、C字型
の形状を備える。コア130に対し光ファイバ102が
巻回される。このコア130には、通常、CTに利用さ
れるコアと同様の組成を備える材料が用いられる。次に
このセンサの動作について説明する。
【0073】図17はこの図16に示すセンサの動作原
理を図解する図である。接地線105に事故電流が流れ
ない場合には、コア130は、予め定められた形状の状
態を維持する。光ファイバ102は、このため最初に巻
回された状態を維持する。
【0074】接地線105に事故電流が流れるとコア1
30に磁界が誘起される。この接地線105により誘起
される磁界は交流磁界であるため、コア130に誘起さ
れる磁界の向きは時間的に変化する。これによりコア1
30の切断面は、図17(A)に示すようにその間のギ
ャップ距離が変動する。この切断面のギャップ間距離の
変動周期は、接地線105を流れる事故電流周波数とほ
ぼ同様である。このコア130の切断面におけるギャッ
プ間距離の変化に応じてこのコア130に巻回されてい
る光ファイバ102が曲げを受け、伝送損失が変化す
る。これにより振動光信号が生成される。この振動光信
号発生について図17(B)を参照してより具体的に説
明する。
【0075】今、コア130の切断面において接地線1
05による磁界(その方向を矢印で示す)が生じたと
き、コア130の切断面にN極およびS極が生じ、コア
130の切断面のギャップの距離が小さくなる。
【0076】接地線105により誘起された磁界の向き
が反転した瞬間、このコア130の切断面における磁界
が失われる。これにより、それまで強い磁界で小さくさ
れていたギャップの距離が磁界が失われたことにより慣
性により平衡状態からさらに大きなギャップ距離へと変
動する。この図17(B)に示すような状態が事故電流
の極性変化ごとに繰返されることになり、コア130の
切断面のギャップの距離が周期的に変動する。コア13
0のギャップ距離が周期的に変動することによりこのコ
ア130に巻回されている光ファイバ102へこの振動
が伝達され、光ファイバ102の曲げ損失が変動する。
この状態を図18に示す。
【0077】図18は、図16に示す線A−Aに沿った
コア130の断面とそのときの光ファイバ102の変化
を示す図である。図18に示すように、コア130の断
面は図の矢印で示すように左右方向に振動する。この振
動に応じてコア130に巻回されている光ファイバ10
2に対し曲げが与えられる。コア130の振動が光ファ
イバ102へ直接伝達されるためである。光ファイバは
この伝達された曲げに応じて損失特性が変化する。これ
によりセンサからは事故電流により変調された光信号が
発生される。
【0078】図16に示すようなセンサを用いることに
より、センサには電源は必要とされない。これにより低
消費電力の配電線事故点標定装置を実現することができ
る。
【0079】コア130の取付形態によっては風、地震
または車両などの振動の伝搬によりコア130が振動す
ることが考えられる。しかしながら風の場合にはコア1
30は同一平面内を移動するだけであり、コア130に
巻回された光ファイバ102における各部分はすべて同
一方向に移動するため光信号に振動波形は生じない。ま
た事故電流は通常高周波(60Hz程度)であり、この
周波数により通常の風と区別をつけることができる。ま
た、事故または車両に起因するコア130の振動は、図
16の上下方向であり、この場合においても光ファイバ
102のコア130に巻回された各部分は同一平面内を
平行に移動するため、光ファイバ102内を伝搬される
光信号に交流成分が生じることはない。
【0080】図19はコア130の取付形態の一例を示
す図である。図19において、コア130は、取付治具
150a、150b、および150cに対し絶縁性の取
付線152a、152bおよび152cによりそれぞれ
取付けられる。取付治具150a、150bおよび15
0cは、それぞれ図示しない電柱に設けられた固定治具
に結合される。取付線152a、152bおよび152
cは、可撓性を有しており、コア130の振動を妨げな
い材料が用いられる。取付線152a、152bおよび
152cに対して、バネが用いられてもよい。この図1
9に示すようにコア130を空中停止状態とすることに
より、確実に接地線105を流れる事故電流に応じてコ
ア130に振動を生じさせることができ、確実に事故電
流で変調された光信号を生成することができる。
【0081】なお、図19に示す取付形態においては、
コア130は3箇所で取付線152a、152bおよび
152cに結合されている。この取付位置はコア130
の円周方向に沿った3分割位置であるが、この取付位置
の数としては4箇所、6箇所等他の数が利用されてもよ
い。コア130の振動を妨げなければよい。
【0082】さらに図16に示すコア130の形態にお
いては、光ファイバ102のみが巻回されている。この
場合、コア130に対しコア130内に誘起される磁界
をさらに強めるために、通常のCTと同様の導電性コイ
ルを巻回し、これによりコア130における磁界の変化
応答を遅延させる構成が利用されてもよい。
【0083】
【発明の効果】以上のように、請求項1および2の発明
に従えば、配電線路の所定区間内の電柱に対し、事故発
生時には光ファイバの伝送損失を事故電流に応答して変
化させて事故発生情報を発生しているため、事故発生お
よび事故点標定情報を生成するためのセンサ回路に電源
を必要とせず、小規模かつ低消費電力の配電線事故点標
定装置を得ることが可能となる。
【0084】請求項1記載の発明に従えば、複数の光フ
ァイバを配設し、この複数の光ファイバのうち各電柱に
対応して予め定められた光ファイバの伝送損失を大きく
して光信号伝搬を抑制している。これにより事故発生地
点のアドレス情報を容易に発生することが可能となる。
【0085】請求項2記載の発明に従えば、ループ状に
配設された第1および第2の光ファイバ内を互いに反対
方向に光信号を伝搬させ、事故発生時この光信号を事故
電流で変調し、子局においてこの変調光信号の到達時間
差を検出している。これにより必要とされる光ファイバ
の数を低減することができ、簡易な回路構成で安価な配
電線事故点標定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である配電線事故点標定装
置の全体の構成を示す図である。
【図2】図1に示す子局の構成を示す図である。
【図3】図2に示す分岐器の構成の一例を示す図であ
る。
【図4】図1に示すセンサの具体的構成を示す図であ
る。
【図5】図1に示す事故点標定装置における各センサが
発生する事故点標定情報の割当てを例示する図である。
【図6】図1に示すセンサの動作原理を図解する図であ
る。
【図7】図1に示すセンサが16箇所設けられている際
の各センサに割当てられるアドレス情報の割当てを例示
する図である。
【図8】光ファイバをセンサにおいて変形させるための
構成を図解する図である。
【図9】図1に示すセンサそれぞれにおいて光ファイバ
に曲げを与えるための治具の構成を例示する図である。
【図10】図1に示すセンサの他の構成例を示す図であ
る。
【図11】この発明の他の実施例である配電線事故点標
定装置の全体の構成を示す図である。
【図12】図11に示す配電線事故点標定装置における
事故点標定の原理を図解する図である。
【図13】図11に示す子局の具体的構成を示す図であ
る。
【図14】図11に示す事故点標定装置における事故発
生時における光ファイバ内を伝搬する光信号を示す図で
ある。
【図15】事故発生時において子局へ到達する振動光信
号および図13に示す子局の動作原理を示す図である。
【図16】図11に示すセンサの構成の一例を示す図で
ある。
【図17】図16に示すセンサの動作原理を示す図であ
る。
【図18】図16に示すセンサによる振動光信号の発生
を説明するための図である。
【図19】図17に示すセンサの取付の形態の一例を示
す図である。
【図20】従来の配電線事故点標定装置の全体の構成を
示す図である。
【図21】図20に示す従来の配電線事故点標定装置の
センサおよび子局の具体的構成を示す図である。
【符号の説明】
1a、1b、1m、1x 電柱 2,2x 光ファイバ束 3a、3b、3m、3x センサ 4,4x 子局 5a、5b、5m、5x 接地線 20、20a、20′ 光ファイバ 30a、30b、30m、30x 電流検出器 40 コア 101a、101b、101m、101x 電柱 102a、102b 光ファイバ 103a、103b、103m、103x センサ 104 子局 105a、105b、105m、105x センサ 130 コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/08 H04L 12/42 (72)発明者 佐野 泰士 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電柱を含む配電線路の予め定めら
    れた区間における事故点を標定するための装置であっ
    て、 前記予め定められた区間内において前記配電線路に沿っ
    て配設される複数の光ファイバと、 前記複数の電柱のうちの所定の電柱の各々に対応して設
    けられる複数のセンサ手段を備え、前記センサ手段の各
    々は、対応の電柱に配設された接地線を流れる電流を検
    出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力に応答
    して前記複数の光ファイバのうちの該センサ手段に対し
    て予め定められた所定の光ファイバの伝送損失を増大さ
    せる手段とを含み、 前記配電線路の前記予め定められた区間内の所定地点に
    前記複数の光ファイバの始端と隣接する他の区間からの
    光ファイバの終端とが共に結合されるように設けられた
    子局を備え、前記子局は、前記複数の光ファイバの始端
    に結合され、前記複数の光ファイバの各々内を伝搬する
    ように光信号を供給する手段と、前記隣接する他の区間
    からの複数の光ファイバの終端に結合され、前記複数の
    光ファイバを介して与えられる光信号に応答して事故発
    生の有無の判別および事故点標定情報を生成する手段を
    含む、配電線路事故点標定装置。
  2. 【請求項2】 複数の電柱を含む配電線路の予め定めら
    れた区間内における事故点を標定するための装置であっ
    て、 前記予め定められた区間内において実質的にループをな
    すように前記配電線路に沿って配設される第1および第
    2の光ファイバ、および前記複数の電柱のうちの所定の
    電柱に設けられる複数のセンサ手段を備え、前記複数の
    センサ手段の各々は対応の電柱に配設された接地線を流
    れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段
    の検出電流に応答して前記第1および第2の光ファイバ
    に振動態様の伝送損失の変化を与える手段を含み、 前記予め定められた区間内の所定地点に設けられる子局
    を備え、前記子局は、前記第1および第2の光ファイバ
    に互いに反対方向に伝搬する光信号を与える手段と、前
    記第1および第2の光ファイバからの事故発生を示す振
    動光信号の到達時間差を検出する手段とを含む、配電線
    路事故点標定装置。
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