JPH06104871B2 - 繊維強化金属及びその製法 - Google Patents
繊維強化金属及びその製法Info
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- JPH06104871B2 JPH06104871B2 JP13929686A JP13929686A JPH06104871B2 JP H06104871 B2 JPH06104871 B2 JP H06104871B2 JP 13929686 A JP13929686 A JP 13929686A JP 13929686 A JP13929686 A JP 13929686A JP H06104871 B2 JPH06104871 B2 JP H06104871B2
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- Inorganic Fibers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、繊維強化金属及びその製法に関し、さらに詳
しくは連続繊維で強化したアルミニウム合金及びその製
法に関する。
しくは連続繊維で強化したアルミニウム合金及びその製
法に関する。
(従来の技術及びその問題点) 繊維強化金属(FRM)は強度や剛性が優れているため、
近年、各種機械部品や構造材として使用されている。中
でもアルミニウム合金母ざいをセラミック又は炭素等の
連続繊維で強化したFRMは軽く、剛性も高く、かつ高い
温度での強度が良好である。
近年、各種機械部品や構造材として使用されている。中
でもアルミニウム合金母ざいをセラミック又は炭素等の
連続繊維で強化したFRMは軽く、剛性も高く、かつ高い
温度での強度が良好である。
また、FRMの製法として例えば高圧凝固鋳造法等の鋳造
法を採用すると自動車部品、精密機械部品等の複雑な形
状の部品が容易に製造できる。
法を採用すると自動車部品、精密機械部品等の複雑な形
状の部品が容易に製造できる。
しかし、上記の強化繊維を使用して高圧凝固鋳造法によ
ってFRMを製造する場合、連続繊維が母材中に均一に分
散し難く、このため重量比で40〜60%の連続繊維を混入
する必要があるが、連続繊維を多量に混入すると、繊維
同志の接触が生じ複合則を満足する強度が得られない。
さらに、この繊維強化金属は連続繊維の長さ方向と直交
する方向の強度が小さいという解決すべき問題点を有し
ている。
ってFRMを製造する場合、連続繊維が母材中に均一に分
散し難く、このため重量比で40〜60%の連続繊維を混入
する必要があるが、連続繊維を多量に混入すると、繊維
同志の接触が生じ複合則を満足する強度が得られない。
さらに、この繊維強化金属は連続繊維の長さ方向と直交
する方向の強度が小さいという解決すべき問題点を有し
ている。
また、繊維と母材との適合性については、合金母材の組
成が重要であるが、提案されている強化用繊維と合金母
材との組合せでは、繊維強化金属の製造時に繊維が劣化
を起こし、所望の機械的特性を有する複合材が得られな
い。
成が重要であるが、提案されている強化用繊維と合金母
材との組合せでは、繊維強化金属の製造時に繊維が劣化
を起こし、所望の機械的特性を有する複合材が得られな
い。
(問題点を解決するための技術的手段) 本発明の目的は、FRM製造時に繊維の劣化を生ぜず、さ
らに母材中に針状微細結晶を晶出させることによって、
総合的に優れた機械的特性を有する繊維強化金属及びそ
の製法を提供することにある。
らに母材中に針状微細結晶を晶出させることによって、
総合的に優れた機械的特性を有する繊維強化金属及びそ
の製法を提供することにある。
本発明の繊維強化金属は、 (i)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質物質、
又は (ii)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの固溶体及び
/又はMC1−xの粒径が500Å以下の各結晶質超微粒
子、及び非晶質のSiO2とMO2からなる集合体、又は、 (iii)上記(i)の非晶質物質と上記(ii)の結晶質
超微粒子集合体の混合系、 (但し、上式中のMはTi又はZrを示し、xは0より大き
く1未満の数である。)からなる珪素、チタン又はジル
コニウム、炭素及び酸素からなる連続無機繊維と、重量
比でニッケル0.5〜6%を含むアルミニウム合金母材と
からなり、該合金母材中に該合金の針状相を含むことを
特徴とするものである。
又は (ii)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの固溶体及び
/又はMC1−xの粒径が500Å以下の各結晶質超微粒
子、及び非晶質のSiO2とMO2からなる集合体、又は、 (iii)上記(i)の非晶質物質と上記(ii)の結晶質
超微粒子集合体の混合系、 (但し、上式中のMはTi又はZrを示し、xは0より大き
く1未満の数である。)からなる珪素、チタン又はジル
コニウム、炭素及び酸素からなる連続無機繊維と、重量
比でニッケル0.5〜6%を含むアルミニウム合金母材と
からなり、該合金母材中に該合金の針状相を含むことを
特徴とするものである。
本発明における連続無機繊維は、例えば、ヨ−ロッパ特
許第30145号明細書及び同第37209号明細書に記載の下記
方法に従って調製することができる。
許第30145号明細書及び同第37209号明細書に記載の下記
方法に従って調製することができる。
(1)数平均分子量が約500〜10000の主として式Si−
CH2の構造単位からなる主鎖骨格を有し、式中の珪素
原子は実質的に水素原子、低級アルキル基及びフェニル
基からなる群から選ばれたた側鎖基を2個有するポリカ
ルボシラン、及び (2)数平均分子量が約500〜10000の、メタロキサン結
合単位M−O(M:Ti又はZr)及びシロキサン結合単
位Si−Oからなる主鎖骨格を有し、かつメタロキサ
ン結合単位の全数体シロキサン結合単位の全数の比率が
30:1〜1:30の範囲内にあり、該シロキサン結合単位の珪
素原子の大部分が低級アルキル基及びフェニル基からな
る群から選ばれた側鎖基を1個又は2個有し、そして該
メタロキサン結合単位の金属原子の大部分が側鎖基とし
て低級アルキル基を1個又は2個有するポリメタロシロ
キサンを、 該ポリカルボシランのSi−CH2の構造単位の全数体
該ポリメタロシロキサンのM−O結合単位の全数の
比率が100:1〜1:100の範囲内となる量比で混合し、得ら
れた混合物を有機溶媒中で、かつ反応に対して不活性な
雰囲気下において加熱して、該ポリカルボシランの珪素
原子の少なくとも一部を、該ポリメタロシロキサンの珪
素原子及び/又は金属原子の少なくとも一部と酸素原子
を介して結合させることによって、架橋したポリカルボ
シラン部分とポリメタロシロキサン部分とからなる数平
均分子量が約1000〜50000の有機金属重合体を生成させ
る第1工程と、上記重合体の紡糸原液を造り紡糸する第
2工程と、該紡糸原繊維を張力あるいは無張力下で不融
化する第3工程と、不融化した前記紡糸繊維を真空中あ
るいは不活性ガス雰囲気中で800〜1800℃の範囲の温度
で焼成する第4工程から、実質的にSi、Ti又はZr、C及
びOからなる無機繊維を製造することができる。
CH2の構造単位からなる主鎖骨格を有し、式中の珪素
原子は実質的に水素原子、低級アルキル基及びフェニル
基からなる群から選ばれたた側鎖基を2個有するポリカ
ルボシラン、及び (2)数平均分子量が約500〜10000の、メタロキサン結
合単位M−O(M:Ti又はZr)及びシロキサン結合単
位Si−Oからなる主鎖骨格を有し、かつメタロキサ
ン結合単位の全数体シロキサン結合単位の全数の比率が
30:1〜1:30の範囲内にあり、該シロキサン結合単位の珪
素原子の大部分が低級アルキル基及びフェニル基からな
る群から選ばれた側鎖基を1個又は2個有し、そして該
メタロキサン結合単位の金属原子の大部分が側鎖基とし
て低級アルキル基を1個又は2個有するポリメタロシロ
キサンを、 該ポリカルボシランのSi−CH2の構造単位の全数体
該ポリメタロシロキサンのM−O結合単位の全数の
比率が100:1〜1:100の範囲内となる量比で混合し、得ら
れた混合物を有機溶媒中で、かつ反応に対して不活性な
雰囲気下において加熱して、該ポリカルボシランの珪素
原子の少なくとも一部を、該ポリメタロシロキサンの珪
素原子及び/又は金属原子の少なくとも一部と酸素原子
を介して結合させることによって、架橋したポリカルボ
シラン部分とポリメタロシロキサン部分とからなる数平
均分子量が約1000〜50000の有機金属重合体を生成させ
る第1工程と、上記重合体の紡糸原液を造り紡糸する第
2工程と、該紡糸原繊維を張力あるいは無張力下で不融
化する第3工程と、不融化した前記紡糸繊維を真空中あ
るいは不活性ガス雰囲気中で800〜1800℃の範囲の温度
で焼成する第4工程から、実質的にSi、Ti又はZr、C及
びOからなる無機繊維を製造することができる。
また、別法として、 主として式 (但し、式中のRは水素原子、低級アルキル基又はフェ
ニル基を示す。) で表される主鎖骨格を有する数平均分子量が200〜10000
のポリカルボシラン、及び 式 MX4 (但し、式中のMはTi又はZrを示し、Xは炭素数1〜20
個を有するアルコキシ基、フェノキシ基又はアセチルア
セトキシ基を示す。) で表される有機金属化合物を、前記ポリカルボシランの
Si−CH2の構造単位の全数体前記有機金属化合藻の
M−Oの構造単位の全数の比率が2:1〜200:1の範囲
内となる量比に加え、反応に対して不活性な雰囲気中に
おいて加熱反応して、前記ポリカルボシランの珪素原子
の少なくとも一部を、前記有機金属化合物の金属原子と
酸素原子を介して結合させて、数平均分子量が約700〜1
00000の有機金属重合体を生成させる第1工程と、上記
有機金属重合体の紡糸原液を造り紡糸する第2工程と、
該紡糸繊維を張力あるいは無張力下で不融化する第3工
程と、不融化した前記紡糸繊維を真空中あるいは不活性
ガス雰囲気中で800〜1800℃の範囲の温度で焼成する第
4工程から、実質的にSi、Ti又はZr、C及びOからなる
無機繊維を製造することができる。
ニル基を示す。) で表される主鎖骨格を有する数平均分子量が200〜10000
のポリカルボシラン、及び 式 MX4 (但し、式中のMはTi又はZrを示し、Xは炭素数1〜20
個を有するアルコキシ基、フェノキシ基又はアセチルア
セトキシ基を示す。) で表される有機金属化合物を、前記ポリカルボシランの
Si−CH2の構造単位の全数体前記有機金属化合藻の
M−Oの構造単位の全数の比率が2:1〜200:1の範囲
内となる量比に加え、反応に対して不活性な雰囲気中に
おいて加熱反応して、前記ポリカルボシランの珪素原子
の少なくとも一部を、前記有機金属化合物の金属原子と
酸素原子を介して結合させて、数平均分子量が約700〜1
00000の有機金属重合体を生成させる第1工程と、上記
有機金属重合体の紡糸原液を造り紡糸する第2工程と、
該紡糸繊維を張力あるいは無張力下で不融化する第3工
程と、不融化した前記紡糸繊維を真空中あるいは不活性
ガス雰囲気中で800〜1800℃の範囲の温度で焼成する第
4工程から、実質的にSi、Ti又はZr、C及びOからなる
無機繊維を製造することができる。
連続無機繊維中の各元素の割合は Si:30〜60重量%、Ti又はZr:0.5〜35重量%、特に好ま
しくは1〜10重量%、C:25〜40重量%、O:0.01〜30重量
%である。
しくは1〜10重量%、C:25〜40重量%、O:0.01〜30重量
%である。
連続無機繊維は、繊維そのものを単軸方向、多軸方向に
引き揃えて使用する方法、あるいは平織、朱子織、模紗
織、綾織、袋織、からみ織、らせん織物、三次元織物等
の各種織物にして使用する方法、あるいはチョップドフ
ァイバーとして使用する方法等がある。
引き揃えて使用する方法、あるいは平織、朱子織、模紗
織、綾織、袋織、からみ織、らせん織物、三次元織物等
の各種織物にして使用する方法、あるいはチョップドフ
ァイバーとして使用する方法等がある。
本発明における合金母材は、アルミニウムにニッケルを
0.5〜6重量%、好ましくは2〜5重量%含む2元合
金、又はさらにマンガンを0.1〜2重量%含む3元合金
である。これらの合金を使用すると、凝固の際に0.5μ
以下の微細なウイスカ状の第2相が晶出し、高圧鋳造法
によればさらに効率よく前記ウイスカ状の第2相が晶出
する。
0.5〜6重量%、好ましくは2〜5重量%含む2元合
金、又はさらにマンガンを0.1〜2重量%含む3元合金
である。これらの合金を使用すると、凝固の際に0.5μ
以下の微細なウイスカ状の第2相が晶出し、高圧鋳造法
によればさらに効率よく前記ウイスカ状の第2相が晶出
する。
本発明の合金母材と連続繊維とを組み合わせることによ
り、晶出物が微細針状又はウイスカ状に連続繊維の間の
合金母材中に晶出する。従って、連続繊維同志の接触を
少なくし、さらに連続繊維を劣化させないため、高い強
度のFRMが得られる。
り、晶出物が微細針状又はウイスカ状に連続繊維の間の
合金母材中に晶出する。従って、連続繊維同志の接触を
少なくし、さらに連続繊維を劣化させないため、高い強
度のFRMが得られる。
連続繊維と合金母材とを複合化させる方法としては、鋳
造法が好ましく、特に高圧凝固鋳造法を採用すると、短
い時間で凝固し、微細な針状晶析物が生成するので効果
的である。凝固時の圧力としては数百kg/cm2程度が使
用しやすい。また、凝固の際に連続繊維と直交する方向
から冷却することにより、微細針状の晶出物が連続繊維
間に該連続繊維に対して垂直な方向に絡まって晶出し、
これが連続繊維同志をつなぐ架橋の役割を果たすことに
よって優れた層間剪断強度を示す。
造法が好ましく、特に高圧凝固鋳造法を採用すると、短
い時間で凝固し、微細な針状晶析物が生成するので効果
的である。凝固時の圧力としては数百kg/cm2程度が使
用しやすい。また、凝固の際に連続繊維と直交する方向
から冷却することにより、微細針状の晶出物が連続繊維
間に該連続繊維に対して垂直な方向に絡まって晶出し、
これが連続繊維同志をつなぐ架橋の役割を果たすことに
よって優れた層間剪断強度を示す。
(実施例) 以下に実施例によって本発明を説明する。
連続無機繊維[I]の製法 ジメチルジクロロシランを金属ナトリウムで脱塩素縮合
して合成されるポリジメチルシラン100重量部に対しポ
リボロシロキサン3重量部を添加し、窒素中、350℃で
熱縮合して得られる、式Si−CH2のカルボシラン単
位から主としてなる主鎖骨格を有し、該カルボシラン単
位の珪素原子に水素原子及びメチル基を有しているポリ
カルボシランに、チタンアルコキシドを加えて、窒素
中、340℃で架橋重合することにより、カルボシラン単
位100部と式Ti−Oのチタノキサン10部とからなる
ポリチタノカルボシランを得た。このポリマーを溶融紡
糸し、空気中190℃で不融化処理し、さらに引き続いて
窒素中1300℃で焼成して、繊維径13μm、引張強度310k
g/mm2、引張弾性率16t/mm2の主として珪素、チタン、
炭素及び酸素からなるチタン元素含量3重量%の連続無
機繊維[I]を得た。この繊維はSi、Ti、C及びOから
なる非晶質物質と、β−SiCとTiCの固溶体及びTiC
1−x(0<x<1)の粒径が50Åの各結晶質超微粒子
及び非晶質のSiO2とTiO2からなる集合体との混合系から
なっていた。
して合成されるポリジメチルシラン100重量部に対しポ
リボロシロキサン3重量部を添加し、窒素中、350℃で
熱縮合して得られる、式Si−CH2のカルボシラン単
位から主としてなる主鎖骨格を有し、該カルボシラン単
位の珪素原子に水素原子及びメチル基を有しているポリ
カルボシランに、チタンアルコキシドを加えて、窒素
中、340℃で架橋重合することにより、カルボシラン単
位100部と式Ti−Oのチタノキサン10部とからなる
ポリチタノカルボシランを得た。このポリマーを溶融紡
糸し、空気中190℃で不融化処理し、さらに引き続いて
窒素中1300℃で焼成して、繊維径13μm、引張強度310k
g/mm2、引張弾性率16t/mm2の主として珪素、チタン、
炭素及び酸素からなるチタン元素含量3重量%の連続無
機繊維[I]を得た。この繊維はSi、Ti、C及びOから
なる非晶質物質と、β−SiCとTiCの固溶体及びTiC
1−x(0<x<1)の粒径が50Åの各結晶質超微粒子
及び非晶質のSiO2とTiO2からなる集合体との混合系から
なっていた。
連続無機繊維[II]の製法 上記と同様にして得られたポリカルボシラン80gにジル
コニウムエトキシド10gを添加した以外は全く同様の方
法により、ポリジルコノカルボシランを調製した。この
ポリマーをベンゼンに溶解して乾式紡糸し、空気中で17
0℃で不融化処理し、引き続いて窒素中1200℃で焼成し
て、繊維径10μ、引張強度350kg/mm2と、弾性率18t/mm
2の主として珪素ジルコニウム、炭素及び酸素からなる
ジルコニウム元素含量4.5重量%の非晶質連続無機繊維
[II]を得た。
コニウムエトキシド10gを添加した以外は全く同様の方
法により、ポリジルコノカルボシランを調製した。この
ポリマーをベンゼンに溶解して乾式紡糸し、空気中で17
0℃で不融化処理し、引き続いて窒素中1200℃で焼成し
て、繊維径10μ、引張強度350kg/mm2と、弾性率18t/mm
2の主として珪素ジルコニウム、炭素及び酸素からなる
ジルコニウム元素含量4.5重量%の非晶質連続無機繊維
[II]を得た。
実施例1 無機繊維[I]を150mmに切断し、体積率で50%になる
ように秤量して鋼製パイプに充填した。これを720℃の
窒素ガス雰囲気中で15分間予熱した後、250℃に加熱し
た型内に設置し、720℃のAl−5%Ni合金溶湯を注いで2
50℃のパンチにて500kg/cm2に加圧し凝固させた。これ
を試料Aとする。同様の方法でAl−2%Cu−2%Ni合金
母材と純Al母材のFRMも作成した。これらをそれぞれ試
料B及びCとする。
ように秤量して鋼製パイプに充填した。これを720℃の
窒素ガス雰囲気中で15分間予熱した後、250℃に加熱し
た型内に設置し、720℃のAl−5%Ni合金溶湯を注いで2
50℃のパンチにて500kg/cm2に加圧し凝固させた。これ
を試料Aとする。同様の方法でAl−2%Cu−2%Ni合金
母材と純Al母材のFRMも作成した。これらをそれぞれ試
料B及びCとする。
インゴット中より採取したFRM試料Aの断面を走査型電
子顕微鏡で観察した結果、繊維の間隙に微細なAl3Niウ
イスカが比較的均一に分布していた。また、これらのFR
Mを用いて2点曲げ試験とAE測定を行った。
子顕微鏡で観察した結果、繊維の間隙に微細なAl3Niウ
イスカが比較的均一に分布していた。また、これらのFR
Mを用いて2点曲げ試験とAE測定を行った。
曲げ強度は純AlFRM(試料C)の場合150kg/mm2を示す
が、破壊に至るまでのAEイベント数は著しく多かった。
また、Al−2%Cu−2%Ni合金FRM(試料B)ではAEイ
ベント数は試料Cに比して減少するものの曲げ強度は著
しく小さかった。これとは対照的に、Al−5%NiFRM
(試料A)の場合は、曲げ強度は140kg/mm2を示し、試
料Cのそれと遜色なく、またAEイベント数は著しく減少
し、微視的な破壊が減少したことを示している。
が、破壊に至るまでのAEイベント数は著しく多かった。
また、Al−2%Cu−2%Ni合金FRM(試料B)ではAEイ
ベント数は試料Cに比して減少するものの曲げ強度は著
しく小さかった。これとは対照的に、Al−5%NiFRM
(試料A)の場合は、曲げ強度は140kg/mm2を示し、試
料Cのそれと遜色なく、またAEイベント数は著しく減少
し、微視的な破壊が減少したことを示している。
実施例2 無機繊維[I]に代えて無機繊維[II]を使用した以外
は実施例1と同様の方法を繰り返して、Al−5%NiFRM
を製造した。
は実施例1と同様の方法を繰り返して、Al−5%NiFRM
を製造した。
このFRMは実施例1における試料Aと同様の内部組織及
び強度を有していた。
び強度を有していた。
(発明の効果) 本発明の繊維強化金属は、純アルミニウムを使用した場
合と同程度の強度を有し、かつ応力が加わった際に微視
的な破壊が純アルミニウムを使用した場合に比較して著
しく減少し、総合的に優れた特性を示す。
合と同程度の強度を有し、かつ応力が加わった際に微視
的な破壊が純アルミニウムを使用した場合に比較して著
しく減少し、総合的に優れた特性を示す。
また、本発明の製法によれば、高圧鋳造法で繊維強化金
属を製造するにあたり、連続繊維の長さ方向と直交する
方向から低温状態のパンチで加圧し、繊維の長さ方向に
対して直角方向に温度勾配を生ずるので、合金母材中に
該合金の針状相を繊維の長さ方向と直交する方向に晶出
させることができ、総合特性の優れた繊維強化金属を得
ることができる。
属を製造するにあたり、連続繊維の長さ方向と直交する
方向から低温状態のパンチで加圧し、繊維の長さ方向に
対して直角方向に温度勾配を生ずるので、合金母材中に
該合金の針状相を繊維の長さ方向と直交する方向に晶出
させることができ、総合特性の優れた繊維強化金属を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 敏弘 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 渋谷 昌樹 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 審査官 奥井 正樹 (56)参考文献 特開 昭60−224752(JP,A) 特開 昭62−124245(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】(i)Si、M、C及びOから実質的になる
非晶質物質、又は (ii)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCとの固溶体及
び/又はMC1−xの粒径が500Å以下の各結晶質超微粒
子、及び非晶質のSiO2とMO2からなる集合体、又は (iii)上記(i)の非晶質物質と上記(ii)の結晶質
超微粒子集合体の混合系、(但し、上式中のMはTi又は
Zrを示し、xは0より大きく1未満の数である。)から
なる珪素、チタン又はジルコニウム、炭素及び酸素から
なる連続無機繊維と、重量比でニッケル0.5〜6%を含
むアルミニウム合金母材とからなり、該合金母材中に該
合金の針状相を含むことを特徴とする繊維強化金属。 - 【請求項2】アルミニウム合金母材が、重量比でニッケ
ル0.5〜6%及びマンガン0.1〜2%を含むことを特徴と
する特許請求の範囲第1項に記載の繊維強化金属。 - 【請求項3】連続繊維と合金母材とを複合化させるにあ
たり、高圧凝固鋳造法を用いたことを特徴とする特許請
求の範囲第1項に記載の繊維強化金属。 - 【請求項4】(i)Si、M、C及びOから実質的になる
非晶質物質、又は (ii)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCとの固溶体及
び/又はMC1−xの粒径が500Å以下の各結晶質超微粒
子、及び非晶質のSiO2とMO2からなる集合体、又は (iii)上記(i)の非晶質物質と上記(ii)の結晶質
超微粒子集合体の混合系、(但し、上式中のMはTi又は
Zrを示し、xは0より大きく1未満の数である。)から
なる珪素、チタン又はジルコニウム、炭素及び酸素から
なる連続無機繊維と、重量比でニッケル0.5〜6%を含
むアルミニウム合金母材とを複合化させるにあたり、凝
固させる際に該連続繊維の長さ方向と直交する方向から
冷却して、該合金母材中に針状相を該連続繊維の長さ方
向と直交する方向に晶出させることを特徴とする繊維強
化金属の製法。 - 【請求項5】アルミニウム合金母材が、重量比でニッケ
ル0.5〜6%及びマンガン0.1〜2%を含むことを特徴と
する特許請求の範囲第4項に記載の繊維強化金属の製
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13929686A JPH06104871B2 (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 繊維強化金属及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13929686A JPH06104871B2 (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 繊維強化金属及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62297425A JPS62297425A (ja) | 1987-12-24 |
JPH06104871B2 true JPH06104871B2 (ja) | 1994-12-21 |
Family
ID=15241974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13929686A Expired - Lifetime JPH06104871B2 (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 繊維強化金属及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH06104871B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01252741A (ja) * | 1988-04-01 | 1989-10-09 | Ube Ind Ltd | 繊維強化複合材料 |
-
1986
- 1986-06-17 JP JP13929686A patent/JPH06104871B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS62297425A (ja) | 1987-12-24 |
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