JPH0610476U - 畳 - Google Patents

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JPH0610476U
JPH0610476U JP055952U JP5595292U JPH0610476U JP H0610476 U JPH0610476 U JP H0610476U JP 055952 U JP055952 U JP 055952U JP 5595292 U JP5595292 U JP 5595292U JP H0610476 U JPH0610476 U JP H0610476U
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tatami
tatami mat
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acaricide
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JP055952U
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Inventor
克伸 福田
泰裕 大友
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樹木抽出成分利用技術研究組合
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防ダニ構造を有する畳の提供 【構成】 畳表2と、畳床1との間に、殺ダニ剤、例え
ばヒノキ精油などの殺ダニ剤の含浸された紙、不織布な
どの薄葉被装材4が介装された構成とし、更にこの薄葉
被装材4により畳床1の側面側と、この側面側に続く底
面側の一部又は全部を覆った構成とした畳。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はケナガコナダニなどのダニが畳表にあらわれないようにした畳の改 良、特に人体などの生体に悪影響をもたらすことのない防ダニ処理の施された畳 の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、住環境の変化、例えばマンションなどの密閉された居住空間が多くなり 、しかも冷暖房と加湿器などの併用によって通年に亘ってダニの増殖に適する条 件の整えられた居住空間が多くなる傾向を示している。 この結果、大量に発生したケナガコナダニなどのダニによる被害、例えば皮膚 に付着したダニによる痒み感、掻き傷などにともなう発疹、喘息のアルギゲンな どとしての種々の悪影響が居住者にもたらされる問題が頻発するにいたっている 。
【0003】 かゝるケナガコナダニなどの増殖は、居住空間の中でも畳床においてもっとも 典型的にあらわれ、高温、過湿の条件下での畳床内のダニの増殖はすさまじく、 僅かの日時の間に畳床全体にダニが蔓延し、畳表の面にまで多量のダニが這い出 すことが一般に認められている。
【0004】 かゝる点から畳に対し、ダニが生存し難い温域での加熱処理を施すことで、こ の畳に含まれているダニを死滅させたり、ダニが増殖し難い環境、例えば畳に充 分な通気を施すことによって畳を乾燥状態に維持することなどが試みられている 。 更に、シートなどで覆った畳床内を、例えば有機リン系殺ダニ剤などの殺ダニ 剤で処理することで、ダニの死滅をはかることが試みられている。 又、畳床をダニの通過を遮断する材料、例えばプラスチックシートなどで覆う ことによって、畳床内のダニが畳表の面にあらわれないようにすることが試みら れている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、畳に対する加熱処理によるダニの駆除では、駆除されたダニが 短期間に再増殖することから、比較的短かいサイクルで畳に対する加熱処理を施 す必要があり、日常の生活の場としての居住空間にある畳のダニ対策としては難 があった。
【0006】 また、畳床をダニの繁殖に適しない乾燥状態に維持するためには随時畳床を起 して風に当てるなどの処理を施す必要があり、日常の生活の場にある畳のダニ対 策としては前記の場合と同様に満足できる方法ではなかった。
【0007】 かゝる点から、ダニの繁殖床とされる畳床自体を、ダニの通過を遮断する材料 、例えばプラスチックフィルムなどで覆うことによって、畳床で増殖したダニが 畳表の面にあらわれることを物理的に遮断することが試みられているが、畳床の 底面側を迂回したダニが、畳床の側面から這い上がったり、畳べりの縫え穴など から這い出し、畳表の側で増殖することがあり、これまた畳のダニ対策としては 充分なものではなかった。
【0008】 さらに、畳床に殺ダニ剤、例えば有機リン系殺ダニ剤などを撒布、含浸などの 方法で含ませ、これによって畳床内のダニを駆除することが試みられているが、 かゝる畳床に対する撒布、含浸などによって含ませられる殺ダニ剤は量的に多く 、例えばパラチオンなどの毒性の強いものを使用せず、所謂低毒性有機リン殺ダ ニ剤などを用いた場合でも生体、特に乳幼児などに対し無視し難い悪影響をもた らす不都合があった。
【0009】 本考案は、かゝる従来の畳のダニ対策における不都合に鑑み、居住空間にある 生体、特に人間に何等の悪影響をもたらすことなく、しかも畳床で増殖したダニ が畳表に移動するのを効果的に防止すると共に、畳表側でのダニの増殖を効果的 に阻止する構成を有する畳の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かゝる目的を達成するものとして、本考案に係る畳では、畳表2と、畳床1と の間に、殺ダニ剤、例えばヒノキ精油などの殺ダニ剤の含浸された紙、不織布な どの薄葉被装材4が介装された構成とし、更にこの薄葉被装材4により畳床1の 側面側と、この側面側に続く底面側の一部又は全部を覆った構成としてある。 更に、請求項2の考案の畳では、畳表2と畳床1との間に介装された前記薄葉 被装材4によって畳床1の側面側と、この側面側に続く底面側の一部又は全部を 覆った畳であって、この畳表2と畳床1とに亘るように殺ダニ剤の含浸された畳 べり3を設けた構成としてある。
【0011】
【作用】
畳を構成する畳床1の上面側及び側面側と、この側面側に続く底面側の一部又 は全部を、殺ダニ剤の含浸された薄葉被装材4を用いて一連に覆ったことから、 畳床1の内部で増殖したダニは、この薄葉被装材4を通過して畳表2の側にあら われることがなく、又畳床1の側面側を迂回して畳表2の側にあらわれることが ない。 又、用いられる殺ダニ剤は薄葉被装材4に含浸される比較的僅かな量であり、 居住空間に存在する生体などに悪影響をもたらすことがない。 更に、畳床1の上面側及び側面側と、この側面側に続く底面側の一部又は全部 を、薄葉被装材4を用いて一連に覆っていることから、この薄葉被装材4に含浸 される殺ダニ剤は殺傷力の比較的弱いものを用いることができる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案に係るダニ対策の施された畳の典型的な一実施例を添付の図面に ついて詳細に説明する。 図1は本実施例に係る畳の部品を分離して示しており、図2は構成された畳を 断面で示している。 図3〜図5は、各実験例と比較例とに用いた畳の概略構成を断面で示している 。
【0013】 図示の実施例では、もっとも典型的な畳として、畳床1、畳表2、畳べり3と 、この畳表2及び畳床1との間に介在される紙、不織布などの所謂畳下用紙と称 される薄葉被装材4と、畳床1の底面1cを覆うシート5とで構成された畳べり 付きの所謂長帖を示している。
【0014】 先ず、畳床1は、典型的な藁床のほか、藁と木質状のボードあるいは藁と発泡 プラスチックボードなどの複合素材からなる畳床などと共に、一般に用いられて いる各種の素材、各種の構造からなる畳床のいずれであっても良い。 かゝる畳床1の底面に塩ビシートなどの主としてプラスチック製のシート5が 添装されており、このシート5の添装された畳床1の上面1aと、この上面に続 く夫々の側面1b、1b’、1b、1b’と、このシート5の周縁、即ち畳床1 の底面側の一部とを薄葉被装材4が覆ってある。 このようにシート5が畳床1に添装されている場合、このシート5の上面から 薄葉被装材4を用いて畳床1の底面1cの側を覆っても良く、又、薄葉被装材4 によって畳床1の底面1cの側を覆った後に、該畳床1の底面1cにシート5を 添装しても良い。 又、このようにシート5によって畳床1の下面を覆うことなく、該畳床1の側 面1bに続く底面1cの一部又は該底面1cの全部を該薄葉被装材4で覆った構 成としても良い。 更に、畳床1の各面、即ち、上面1a、側面1b、1b’、底面1cに対し、 シート材などを添装した後に、この添装シート材などの面から畳床1の各面側、 例えば上面側、側面側、底面側を前記薄葉被装材4を用いて一連に覆った構成と しても良い。 かゝる薄葉被装材4で覆われている畳床1の上面側に畳表2が設けられており 、しかも構成される畳の長さ方向に、この長さ方向にある畳の上面側の側縁部と 、該畳の側面側とを覆うように畳べり3、3が縫着されており、該畳べり3は畳 床1の幅方向にある側面1b’と長さ方向にある側面1bのなす隅部にまで延設 されている。
【0015】 叙上の実施例に係る畳に用いられる薄葉被装材4は、例えばクラフト紙などの 各種の紙類、不織布などのように、シート状、フィルム状、紙状などの薄片の構 造を有し、しかもヒノキ精油などの殺ダニ剤の含浸される材質のものであればい かなるものであっても良く、従前の畳下用紙として機能するものであっても良い 。
【0016】 尚、図示例では、畳床1の底面1c側にあるシート5の周側まで一枚の薄葉被 装材4を用いて一連に包み込む構成としてあり、このシート5と、薄葉被装材4 とによって畳床1が完全に覆われる構成としている。 このように畳床1をシート5と薄葉被装材4とを用いて完全に覆い、しかも、 該シート5及び薄葉被装材4をダニの通過が物理的に遮断もしくは阻害される材 質とすることによって、畳床1内で増殖したダニの移動、特に畳表2に向けた這 い出し移動を直接的に防止又は抑止する構成としても良い。
【0017】 叙上で用いられる薄葉被装材4に殺ダニ剤を含浸させる。 尚本明細書で“殺ダニ剤”とは、有機リン系の殺ダニ剤などの市販されている 各種の殺ダニ剤、殺ダニ効果を有する精油、これらの精油から得られる殺ダニ剤 などを含む一般的に殺ダニ効果を有するものゝ総称である。 こゝで用いられる殺ダニ剤は、叙上実施例の畳床1が、その上面側と、側面側 と、この側面側に続く底面側の一部又は全部を薄葉被装材4によって覆った構成 としていることから、この薄葉被装材4に含浸される程度の比較的少ない量であ っても、畳床1内に増殖したダニが畳表2の側に移動するのを防止することがで きる。 又、このように、畳床1の上面側と、側面側と、この側面側に続く底面側の一 部又は全部が薄葉被装材4で覆われていることから、この薄葉被装材4に含浸さ れる殺ダニ剤は比較的ダニに対する殺傷力の弱い、例えばヒノキ精油などの殺ダ ニ効果を有する樹木抽出成分としての精油、及びこれらの精油から作り出される 殺ダニ剤を用いることができる。
【0018】 こゝで用いられる精油及びこの精油から得られる殺ダニ剤には、例えば殺ダニ 特性を有するα−カジノール、T−カジノールなどが含まれており、この精油か ら得られる殺ダニ剤として、例えばこの種のα−カジノール、T−カジノールと これらの誘導体であるジヒドローα−カジノール、ジヒドローT−カジノール類 を主成分とするものがある。
【0019】 こゝで用いられる殺ダニ剤としてのヒノキ精油は、ヒノキ生材の心材部と辺材 部とをチッパーを用いて粉砕し、常温水に浸漬し、充分に膨潤した状態で煮沸す ることによって発生する蒸気を冷却し、油相と水相とに分離して得られた精油を 、アセトンで処理可能な粘度にまで希釈し、スプレー、刷子塗り、ロール塗布な ど適宜の手法で前記薄葉被装材4に均一に塗布、含浸させて用いる。 この殺ダニ剤として用いられるヒノキ精油の典型的な薄葉被装材4に対する塗 布量を、例えば5g/m2 〜15g/m2 、より好ましくは10g/m2 とする ことによって、ダニの効果的な殺傷による通過遮断ないしは通過抑制機能をもつ 精油含浸状態の薄葉被装材4とすることができる。
【0020】 尚、用いられる殺ダニ剤としての精油は、殺ダニ効果を有する精油であればい かなる精油であっても良く、各種の樹木などの抽出成分としての精油として、例 えばヒノキ精油、ヒバ精油などの針葉樹から得られるものゝ他に広葉樹である、 例えば樟、ユーカリなどから得られる精油、更にシナモンなどの樹皮などから得 られる精油などを用いることができ、いずれも殺ダニ効果を有している。 又、用いられる殺ダニ剤としての精油は、水蒸気蒸留法、溶媒抽出法などのい ずれの方法で得られた精油であっても良い。
【0021】 前記実施例の畳表2は、典型的ない草を用いた備後表などと共に琉球表などの いずれの種類のものであっても良い。 又、用いられる畳べり3は、通例畳の長さ方向に沿って縫いつけられるもので あり、高宮べり、松井田べり、加賀べり、光輝べり、高麗べりなどのいずれのも のであっても良く、麻、もめん、絹などの織布、編布が用いられる。
【0022】 本実施例では、前記畳べり3に対し、前記薄葉被装材4と同様に殺ダニ剤を前 記と同様の方法で塗布、含浸させてある。 用いられる殺ダニ剤は、前記薄葉被装材4に用いられた殺ダニ剤と同種のもの であっても良く、前記殺ダニ剤と異った特性を有する殺ダニ剤であっても良い。 又、殺ダニ剤として用いられる精油の塗布量は、概ね5g/m2 〜15g/m 2 であり、10g/m2 とするのがより好ましい。
【0023】 尚、こゝで用いられる薄葉被装材4及び畳べり3は、夫々長尺の状態で殺ダニ 剤を含浸させて用意し、これを畳の作成に際して畳サイズにカットしながら用い るのが好ましい。
【0024】 尚、前記の実施例、特に図示の畳では、畳べり3が畳床1の側面1bの側を略 全面に亘って覆う構成としてあるが、一般的な畳のように畳床1の側面1bの途 中まで垂設される構成のものであっても良い。 又、畳べり3の下側に畳紙(図示省略)を下地として用いてあっても良い。 更に、防主畳のように畳べりを設けない構造の畳であっても良い。
【0025】 本考案に係る畳は叙上の構成、特に畳床1と畳表2との間に、精油などの殺ダ ニ剤の含浸された紙、不織布などの薄葉被装材4を介在させ、しかも、この薄葉 被装材4を用いて畳床1の上面1aと側面1b、1b’、1b、1b’と、さら に底面1cの側の一部又は全部をも覆ったことにより、畳床1内で増殖したダニ が、この畳床1を覆った薄葉被装材4を通過する際に殺されることゝなり、畳床 1の上面はもとより、側面から這い出すこともなく、しかも畳表2の面、特に薄 葉被装材4と接する側でのダニの増殖がない。
【0026】 更に、畳床1をプラスチックシート5と、前記薄葉被装材4とによって完全に 覆い包み、しかも、こゝで用いられる薄葉被装材4をダニの通過できない材料で 構成した場合、畳床1で増殖したダニは、これらの薄葉被装材4とプラスチック シート5とによって完全に包み込まれることゝなり、前記殺ダニ剤の有する化学 的な効果と共にダニの通過、這い出しそのものが物理的に阻止される。
【0027】 更に、畳べり3に殺ダニ剤を含浸することによって縫い目などの穴から這い出 してくるダニを該畳べり3部分で殺し、あるいは畳べり3と畳表2との間でダニ が増殖するのを防止することができる。
【0028】 次いで本実施例に係る畳におけるダニの発生状況などについて他の構成の畳と 比較して以下の実験を行なった。 この実験に用いられた試験片Aは以下の方法で用意した。 先ず、図3に示すように、藁製の畳床1を15cm×15cm×6cmに切断 し、この試験片Aとなる畳床1’を界面活性剤の希釈洗剤水Kを張った容器Lに 用意したガラス製の台Mに、該畳床1’が洗剤水に触れないようにセットし、試 料となる畳床1’が洗剤水Kによって隔離された状況とする。 次いで、このセットした試料となる畳床1’に略3gのケナガコナダニを植え つけ、このケナガコナカダニの植えつけ面に畳表2’を固定し、これを温・湿度 条件を、25℃、90%RHとした実験室内に2週間放置して試験片Aを作成し た。
【0029】 比較例1 前記で用意され、しかも前記試験片Aの作成と同一の手法で洗剤水によって隔 離された状態にある試験片Aに対し、この試験片Aの畳床1’と畳表2’との間 に、ヒノキ精油を10g/m2 の割で含浸させたクラフト紙4’を図4のAに示 すように平置きの状態で介装した後、これを温・湿度条件を25℃、90%RH とした実験室内に放置し、7日後と14日後に、畳表2’の上面におけるダニの 数を観察した。 ダニの数の観察は、前記の畳表2’の面に、5cm×5cmの黒色の観察紙を 30分間添装し、この紙の表裏面に這い上がったダニの数をカウントして行なっ た。 この比較例でカウントされたダニの数は7日後で前記観察紙1枚当り25匹で あり、14日後で41匹であった。
【0030】 実験例1 前記で用意され、しかも前記の試験片Aの作成と同一の手法により洗剤水で隔 離された状態にある試験片Aに対し、この試験片Aの畳床1’と畳表2’との間 に、ヒノキ精油を10g/m2 の割で含浸させたクラフト紙4’を介装し、この 介装したクラフト紙4’の周側を用いて、畳床1’の側面と、この側面に続く下 面の一部とを図4のBに示すように覆った後、温・湿度条件を25℃、90%R Hとした実験室内に放置し、7日後と、14日後に、畳表2’の上面におけるダ ニの数を前記比較例1と同一の方法で観察した。 この実験例でカウントされたダニの数は7日後で前記観察紙1枚当り2匹であ り、14日後で6匹であった。
【0031】 実験例2 前記で用意され、しかも前記の試験片Aの作成と同一の手法により洗剤水で隔 離された状態にある試験片Aに対し、この試験片Aの畳床1’と畳表2’との間 に、ヒノキ精油を10g/m2 の割で含浸させたクラフト紙4’を介装し、さら に、この介装クラフト紙4’の周側を用いて畳床1’の側面と、この側面に続く 下面の一部とを図4のCに示すように覆った後、ヒノキ精油を10g/m2 の割 で含浸した畳べり3’を試験片Aの上面側と、側面側とに亘るように縫いつけ、 これを、温・湿度条件を25℃、90%RHとした実験室内に放置し、7日後と 14日後における畳表2’の上面のダニの数を前記比較例1と同一の方法で観察 した。 この実験例では、7日後、14日後のいずれの観察においてもダニは一匹も見 られなかった。
【0032】 比較例2 前記で用意され、しかも前記の試験片Aの作成と同一の手法により洗剤水で隔 離された状態にある試験片Aを、図5のAに示すようにこのまゝの状態で、さら に温・湿度条件を25℃、90%RHとした実験室内に放置し、7日後、14日 後に、畳表2’の上面におけるダニの数を前記実験例1と同一の方法で観察した 。 この比較例でカウントされたダニの数は7日後で前記観察紙1枚当り624匹 であり、14日後で446匹であった。
【0033】 比較例3 前記で用意され、しかも前記の試験片Aの作成と同一の手法により洗剤水で隔 離された状態にある試験片Aに対し、この試験片Aの畳床1’と畳表2’との間 にクラフト紙4”(ヒノキ精油の含浸されていないクラフト紙)を介装し、この クラフト紙4”の周側を畳床1’の側面と、この側面に続く下面の一部とを図5 のBに示すように覆った後、温・湿度条件を25℃、90%RHとした実験室内 に放置し、7日後と14日後に、畳表2’の上面におけるダニの数を前記実験例 1と同一の方法で観察した。 この比較例でカウントされたダニの数は、7日後で前記観察紙1枚当り190 匹であり、14日後で87匹であった。
【0034】 前記各実験例及び比較例から殺ダニ剤としてのヒノキ精油の含浸されたクラフ ト紙を畳床と畳表との間に介装し、しかも畳床の側面と、この側面に続く底面の 一部とを該クラフト紙で覆った場合、畳表の面に這い出すダニの数の激減が確認 された。 更に、この殺ダニ剤としてのヒノキ精油の含浸されたクラフト紙を畳床と畳表 との間に介装し、しかも畳床の側面と、この側面に続く底面側の一部を該クラフ ト紙で覆うと共に、殺ダニ剤としてのヒノキ精油の含浸された畳べりを、構成さ れる畳の側縁部に縫着した場合、畳表の面に這い出すダニがほとんど皆無に近い ことが確認された。
【0035】
【考案の効果】
本考案に係る畳では、ヒノキ精油などの殺ダニ剤を含浸したクラフト紙などの 薄葉被装材4を畳床1と畳表2との間に介装し、しかも、この薄葉被装材4を用 いて該畳床1の側面と、この側面に続く底面の一部又は全部を一連に覆う構成と してあることから、畳床1で増殖したダニは該薄葉被装材4を通過して畳表2の 側に這い出す過程で該薄葉被装材4の含浸殺ダニ剤によって殺され、畳表2の側 に這い出すダニが激減又は皆無の状態とされる。 更に、このように畳床1を薄葉被装材4で覆うことによって、防ダニ畳の構成 に用いられる殺ダニ剤の量を少なくすることができると共に、人体などに薬害を もたらすことのない、例えば、ヒノキ精油などの殺ダニ剤を用いることができる 。 又、殺ダニ剤の含浸されている薄葉被装材4の接している畳表2の面でのダニ の増殖が該含浸殺ダニ剤によって効果的に防止される。 又、こゝで用いられる殺ダニ剤を、殺ダニ効果を有する精油及び、これらの精 油から得られる殺ダニ剤とすることによって、居住空間の環境汚損がなく、用い られる精油などの種別毎の特有の香気を居住空間にもたらし、快適な居住空間を 作り出すと共に居住者に対し薬害その他の不都合をもたらすことがなく、安全な 防ダニ処理の施された畳とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の典型的な一実施例に係る畳の部品分離
斜視図
【図2】同構成畳の一部省略した断面図
【図3】試験片Aの作成要領を示す断面図
【図4】比較例及び実験例に用いた畳の構成断面図
【図5】比較例として用いた畳の構成断面図
【符号の説明】
A 試験片 K 洗剤水 L 容器 M 台 1 畳床 2 畳表 3 畳べり 4 薄葉被装材 5 シート

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畳表と畳床との間に介装される殺ダニ剤
    の含浸された紙、不織布などの薄葉被装材により、該畳
    床の側面側と、この側面側に続く底面側の少なくとも一
    部とが覆われていることを特徴とする畳。
  2. 【請求項2】 畳を構成する畳べりに殺ダニ剤が含浸さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の畳。
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