JP2003120004A - 防虫藁畳床及びその製造方法 - Google Patents
防虫藁畳床及びその製造方法Info
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- JP2003120004A JP2003120004A JP2002223885A JP2002223885A JP2003120004A JP 2003120004 A JP2003120004 A JP 2003120004A JP 2002223885 A JP2002223885 A JP 2002223885A JP 2002223885 A JP2002223885 A JP 2002223885A JP 2003120004 A JP2003120004 A JP 2003120004A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 日本古来の建築材料である畳床の有する保温
性、吸湿・放湿性、審美性、クッション性等の長所を生
かしながら、畳床に安全で半永久的な防虫性能、防腐性
能を付与した防虫藁畳及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 畳床を構成する藁を、成形前の原料の段
階で、あるいは成形後の畳床の状態で、ホウ酸塩水溶液
を散布乾燥し、藁そのものに、ホウ酸換算で、0.1〜1
重量パーセントの拡散ホウ酸塩を含有させる。
性、吸湿・放湿性、審美性、クッション性等の長所を生
かしながら、畳床に安全で半永久的な防虫性能、防腐性
能を付与した防虫藁畳及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 畳床を構成する藁を、成形前の原料の段
階で、あるいは成形後の畳床の状態で、ホウ酸塩水溶液
を散布乾燥し、藁そのものに、ホウ酸換算で、0.1〜1
重量パーセントの拡散ホウ酸塩を含有させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防虫藁畳床及びその
製造方法に関するものである。詳しくは、藁畳床内部で
のダニ類の生息、繁殖を抑制するために、藁畳床を構成
する藁が拡散性ホウ酸塩を含有している防虫藁畳床、及
び、拡散性ホウ酸塩で藁畳床を構成する藁を処理する製
造方法に関する。
製造方法に関するものである。詳しくは、藁畳床内部で
のダニ類の生息、繁殖を抑制するために、藁畳床を構成
する藁が拡散性ホウ酸塩を含有している防虫藁畳床、及
び、拡散性ホウ酸塩で藁畳床を構成する藁を処理する製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】畳は、厚さ数センチの畳床に畳表と畳縁
を縫い込んだものである。藁畳床は日本の伝統的な建築
材料で、乾燥した藁を圧縮したものである。藁畳床は、
しばしばダニなどの害虫の温床になる。特に夏期など、
温度、湿度の条件が満たされると、チリダニやコナダニ
が大発生し、これらを捕食するツメダニが増える。住宅
構造が密閉化するにつれ、最近では冬季のダニの増殖も
問題になっている。チリダニ、コナダニの生体、死体、
糞は、アレルゲンとして喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎
等に関係し、ツメダニは刺咬症を起こす。
を縫い込んだものである。藁畳床は日本の伝統的な建築
材料で、乾燥した藁を圧縮したものである。藁畳床は、
しばしばダニなどの害虫の温床になる。特に夏期など、
温度、湿度の条件が満たされると、チリダニやコナダニ
が大発生し、これらを捕食するツメダニが増える。住宅
構造が密閉化するにつれ、最近では冬季のダニの増殖も
問題になっている。チリダニ、コナダニの生体、死体、
糞は、アレルゲンとして喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎
等に関係し、ツメダニは刺咬症を起こす。
【0003】藁畳床の長所を維持したまま、内部でのダ
ニ等の生息、繁殖を阻止するために、いろいろな方法が
提案、実行されている。最も広く普及している対策は、
畳床を形成する藁の一部又は全部を発泡プラスチック等
の新規材料で置き換える、いわゆる化学畳である。これ
によって畳床は軽量化され、内部での節足動物の生息、
繁殖を阻止できる。しかし、この方法では、畳本来の弾
力性や室内湿度の調節能力は失われ、また不要になった
化学畳の廃棄処理は、焼却すれば有毒ガスが発生し、地
中に埋めても腐敗しないので、問題である。
ニ等の生息、繁殖を阻止するために、いろいろな方法が
提案、実行されている。最も広く普及している対策は、
畳床を形成する藁の一部又は全部を発泡プラスチック等
の新規材料で置き換える、いわゆる化学畳である。これ
によって畳床は軽量化され、内部での節足動物の生息、
繁殖を阻止できる。しかし、この方法では、畳本来の弾
力性や室内湿度の調節能力は失われ、また不要になった
化学畳の廃棄処理は、焼却すれば有毒ガスが発生し、地
中に埋めても腐敗しないので、問題である。
【0004】藁畳床内部でのダニ等の生息、繁殖を阻止
する他の方法として、防虫紙、防虫シートがあげられ
る。これらの方法では、加熱乾燥によって内部の害虫や
卵を駆除した畳床を防虫紙や防虫シートで包み、その上
から畳表を縫いつける。防虫紙や防虫シートは、一般に
殺虫剤が塗布され、防虫効果が高められているが、反
面、これらの防虫剤の毒性が問題となっている。また、
防虫剤は化学的に不安定のものが多く、およそ半年間で
効果が低下する。防虫シートの殺虫効果が無くなると、
ダニ等は畳表を縫いつけた針孔から畳床内に進入して、
生息、繁殖することになる。
する他の方法として、防虫紙、防虫シートがあげられ
る。これらの方法では、加熱乾燥によって内部の害虫や
卵を駆除した畳床を防虫紙や防虫シートで包み、その上
から畳表を縫いつける。防虫紙や防虫シートは、一般に
殺虫剤が塗布され、防虫効果が高められているが、反
面、これらの防虫剤の毒性が問題となっている。また、
防虫剤は化学的に不安定のものが多く、およそ半年間で
効果が低下する。防虫シートの殺虫効果が無くなると、
ダニ等は畳表を縫いつけた針孔から畳床内に進入して、
生息、繁殖することになる。
【0005】特公平2-13080号公報(ホウ素化合物含有
紙)には、セルロース繊維を主体とする繊維質物質と無
機物質からなる抄紙に、水難溶性または不溶性のホウ素
化合物粉末を少なくとも5重量パーセント含むホウ素化
合物含有紙が開示されている。しかしながら、このホウ
素化合物は拡散性ではないので、空気中の水分を吸った
藁、藺草やダニの餌等に殆ど拡散することがない。ホウ
酸塩の毒性は、害虫が直接接触すると効果が出るのでは
なくて、細胞レベルでの代謝阻害が原因とされており、
害虫がホウ素を含んだ食餌を体内に取りこむと効果を発
揮するものなので、この種のものを例えば畳の下に敷き
込んでも、ダニの増殖抑制効果は不充分である。
紙)には、セルロース繊維を主体とする繊維質物質と無
機物質からなる抄紙に、水難溶性または不溶性のホウ素
化合物粉末を少なくとも5重量パーセント含むホウ素化
合物含有紙が開示されている。しかしながら、このホウ
素化合物は拡散性ではないので、空気中の水分を吸った
藁、藺草やダニの餌等に殆ど拡散することがない。ホウ
酸塩の毒性は、害虫が直接接触すると効果が出るのでは
なくて、細胞レベルでの代謝阻害が原因とされており、
害虫がホウ素を含んだ食餌を体内に取りこむと効果を発
揮するものなので、この種のものを例えば畳の下に敷き
込んでも、ダニの増殖抑制効果は不充分である。
【0006】また、特開平5-339114号(殺虫シートの製
造方法)には、オルトホウ酸およびノニオン系バインダ
ーの混合溶液を40〜90℃に保持し、布または不織布に塗
布して乾燥し、ホウ素粒子を固着させる殺虫シートの製
造方法が開示されている。しかしながら、オルトホウ酸
は水に対する親和性が低く、空気中の水分を吸収して含
水率が高まった藁、藺草やダニの餌となるふけ、垢、食
物の屑等に拡散する傾向が小さいため、ダニの増殖抑制
効果が不充分である。また、水に難溶性で、常温(20
℃)では4.8重量パーセントしか溶解しない。またオル
トホウ酸は、局所的に集合して容易に白色の結晶を形成
するため、乾燥すると粉末となって飛散し易い欠点があ
る。
造方法)には、オルトホウ酸およびノニオン系バインダ
ーの混合溶液を40〜90℃に保持し、布または不織布に塗
布して乾燥し、ホウ素粒子を固着させる殺虫シートの製
造方法が開示されている。しかしながら、オルトホウ酸
は水に対する親和性が低く、空気中の水分を吸収して含
水率が高まった藁、藺草やダニの餌となるふけ、垢、食
物の屑等に拡散する傾向が小さいため、ダニの増殖抑制
効果が不充分である。また、水に難溶性で、常温(20
℃)では4.8重量パーセントしか溶解しない。またオル
トホウ酸は、局所的に集合して容易に白色の結晶を形成
するため、乾燥すると粉末となって飛散し易い欠点があ
る。
【0007】上記二つの公知例は、ホウ素化合物を用い
たものであり、有機殺虫剤と異なり、無臭で人体に対す
る毒性が少なく、しかも化学的に安定なため、加熱乾燥
しても安定した薬効を示す。しかしながら、何れも防虫
シートに関するものであり、畳床に直接含有させたもの
ではない。更に、これ等のホウ素化合物は拡散性でない
ので、ダニ増殖抑制効果は不充分である。
たものであり、有機殺虫剤と異なり、無臭で人体に対す
る毒性が少なく、しかも化学的に安定なため、加熱乾燥
しても安定した薬効を示す。しかしながら、何れも防虫
シートに関するものであり、畳床に直接含有させたもの
ではない。更に、これ等のホウ素化合物は拡散性でない
ので、ダニ増殖抑制効果は不充分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】畳は保温性、吸湿・放
湿性、審美性、クッション性等の理由で、日常的に住空
間で利用されているが、害虫の温床であることも事実で
ある。本発明の課題は、畳の長所を生かしながら、安全
でかつ経済的な方法で、半永久的な防虫性能を畳床の藁
に直接付与する方法を提供することである。
湿性、審美性、クッション性等の理由で、日常的に住空
間で利用されているが、害虫の温床であることも事実で
ある。本発明の課題は、畳の長所を生かしながら、安全
でかつ経済的な方法で、半永久的な防虫性能を畳床の藁
に直接付与する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、畳床の藁に直接拡散性ホウ酸塩を分散すると、藁
の力学的性質や吸湿・放湿性を変化することなく、安全
で半永久的な優れた防虫性能を付与できることを発見
し、本発明に到達した。
結果、畳床の藁に直接拡散性ホウ酸塩を分散すると、藁
の力学的性質や吸湿・放湿性を変化することなく、安全
で半永久的な優れた防虫性能を付与できることを発見
し、本発明に到達した。
【0010】即ち、本発明は、藁畳床を構成する藁が、
拡散性ホウ酸塩をホウ酸換算で0.1重量パーセント以上
かつ1.0重量パーセント以下含有していることを特徴と
する防虫藁畳床である。
拡散性ホウ酸塩をホウ酸換算で0.1重量パーセント以上
かつ1.0重量パーセント以下含有していることを特徴と
する防虫藁畳床である。
【0011】本発明でいう藁畳床とは、稲藁パーセント
の畳床のほか、いわゆるワラサンドのように、部分的に
藁が使用されている畳床も含まれる。
の畳床のほか、いわゆるワラサンドのように、部分的に
藁が使用されている畳床も含まれる。
【0012】本発明でいう拡散性ホウ酸塩とは、八ホウ
酸ニナトリウム四水和物[Na2B8O13・4H2O](以下DO
Tという)又は、水溶液中でホウ酸とホウ砂を1:1〜
1:2で混合して生成するホウ素化合物である。この拡散
性ホウ酸塩であるDOTは、常温(20℃)で10重量パー
セント、温水にすると30重量パーセント以上の高濃度
の水溶液が可能である。また植物組織に対する拡散性に
すぐれ、乾燥しても粉末として飛散しにくい。特に、梅
雨期などの高湿度時には、動植物繊維や食物の含水率は
20重量パーセント近くまで上昇するが、拡散性ホウ酸
塩、特にDOTはこのような状態の組織中を、緩やかに拡
散する性質がある。
酸ニナトリウム四水和物[Na2B8O13・4H2O](以下DO
Tという)又は、水溶液中でホウ酸とホウ砂を1:1〜
1:2で混合して生成するホウ素化合物である。この拡散
性ホウ酸塩であるDOTは、常温(20℃)で10重量パー
セント、温水にすると30重量パーセント以上の高濃度
の水溶液が可能である。また植物組織に対する拡散性に
すぐれ、乾燥しても粉末として飛散しにくい。特に、梅
雨期などの高湿度時には、動植物繊維や食物の含水率は
20重量パーセント近くまで上昇するが、拡散性ホウ酸
塩、特にDOTはこのような状態の組織中を、緩やかに拡
散する性質がある。
【0013】毒性に関しては、従来より、木材保存と関
連して木材腐朽菌や昆虫に対しその毒性について多数の
報告が為されており、それを多量に食しない限り、人体
に対し無毒とされている所である。従って、本発明で
は、拡散性ホウ酸を畳の藁(畳表の内部)で、かつホウ
酸換算で1パーセント以内とするので、略完全に無毒、
無害として取り扱える。
連して木材腐朽菌や昆虫に対しその毒性について多数の
報告が為されており、それを多量に食しない限り、人体
に対し無毒とされている所である。従って、本発明で
は、拡散性ホウ酸を畳の藁(畳表の内部)で、かつホウ
酸換算で1パーセント以内とするので、略完全に無毒、
無害として取り扱える。
【0014】ホウ酸塩処理した畳床は防虫性と同時に防
腐性や難燃性も示す。藁畳床は、洪水等で水に浸かった
り、結露等で過度の湿気を含むと腐朽菌の繁殖により腐
朽する場合がある。本発明の畳床は、ホウ酸塩の作用で
腐朽菌が制御されるため、水に濡れても腐朽は起こら
ず、乾燥すれば再使用できる。和室に寝たきり御老人が
いると、寝たきりとなるため、どうしても老人性の悪臭
が発生し御老人本人にとっても、まことに好ましくない
が、藁畳床を構成する藁が、拡散性ホウ酸塩を適量含有
すると、バクテリア等の繁殖に伴う悪臭が改善されると
いう効果もある。また、藁は良く燃えるが、ホウ酸塩で
処理した藁は、燃え難くなるという効果もある。
腐性や難燃性も示す。藁畳床は、洪水等で水に浸かった
り、結露等で過度の湿気を含むと腐朽菌の繁殖により腐
朽する場合がある。本発明の畳床は、ホウ酸塩の作用で
腐朽菌が制御されるため、水に濡れても腐朽は起こら
ず、乾燥すれば再使用できる。和室に寝たきり御老人が
いると、寝たきりとなるため、どうしても老人性の悪臭
が発生し御老人本人にとっても、まことに好ましくない
が、藁畳床を構成する藁が、拡散性ホウ酸塩を適量含有
すると、バクテリア等の繁殖に伴う悪臭が改善されると
いう効果もある。また、藁は良く燃えるが、ホウ酸塩で
処理した藁は、燃え難くなるという効果もある。
【0015】ダニは好んで藁畳床中の藁に生息し、産卵
して、繁殖する。本発明は、藁畳床を構成する藁が、拡
散性ホウ酸塩をホウ酸換算で0.1重量パーセント以上か
つ1.0重量パーセント以下含有していることが重要であ
る。特に畳床を構成する藁に含有していることが重要で
ある。藁には微量な糖分が含まれているが、藁中の拡散
性ホウ酸塩はこの糖分にも拡散し、ダニは拡散性ホウ酸
塩が拡散した糖分を好んで食べて死ぬ。拡散性ホウ酸塩
を含有している物が藁ではなくて、他の繊維質シート・
木紛ボードや発泡スチロール等の場合、ダニは直接これ
らのものを食するわけではないので、ダニの増殖抑制効
果は不充分となる。また、藁に産卵した卵は、藁に含ま
れる拡散性ホウ酸塩が卵膜を通して卵内に浸透して孵化
しなくなる。
して、繁殖する。本発明は、藁畳床を構成する藁が、拡
散性ホウ酸塩をホウ酸換算で0.1重量パーセント以上か
つ1.0重量パーセント以下含有していることが重要であ
る。特に畳床を構成する藁に含有していることが重要で
ある。藁には微量な糖分が含まれているが、藁中の拡散
性ホウ酸塩はこの糖分にも拡散し、ダニは拡散性ホウ酸
塩が拡散した糖分を好んで食べて死ぬ。拡散性ホウ酸塩
を含有している物が藁ではなくて、他の繊維質シート・
木紛ボードや発泡スチロール等の場合、ダニは直接これ
らのものを食するわけではないので、ダニの増殖抑制効
果は不充分となる。また、藁に産卵した卵は、藁に含ま
れる拡散性ホウ酸塩が卵膜を通して卵内に浸透して孵化
しなくなる。
【0016】藁畳床を構成する藁中の拡散性ホウ酸塩の
含有量がホウ酸換算で0.1重量パーセント未満になる
と、ダニの増殖抑制効果は不充分になるし、1.0重量パ
ーセントを越えると、ダニの増殖抑制効果は飽和し、拡
散性ホウ酸塩の使用量が増えてコスト高になる。
含有量がホウ酸換算で0.1重量パーセント未満になる
と、ダニの増殖抑制効果は不充分になるし、1.0重量パ
ーセントを越えると、ダニの増殖抑制効果は飽和し、拡
散性ホウ酸塩の使用量が増えてコスト高になる。
【0017】本発明の防虫藁畳床の製造方法は、あらか
じめ拡散性ホウ酸塩水溶液を、ホウ酸換算で平均0.1重
量パーセント以上かつ1.0重量パーセント以下含浸させ
た藁を用いて藁畳床を成形することを特徴とする防虫藁
畳床の製造方法である。
じめ拡散性ホウ酸塩水溶液を、ホウ酸換算で平均0.1重
量パーセント以上かつ1.0重量パーセント以下含浸させ
た藁を用いて藁畳床を成形することを特徴とする防虫藁
畳床の製造方法である。
【0018】畳床を成形する前の藁にホウ酸塩を含有さ
せるには、ホウ酸水溶液に藁を浸漬するか若しくはホウ
酸水溶液を藁に散布して含浸させた後、乾燥すればよ
い。藁の吸水限界に近い量の希薄溶液を含浸させたのち
熱風乾燥すれば、ホウ酸塩は藁に均一に分布する。しか
し、乾燥エネルギーを節減するためには、少量の濃厚溶
液を散布したのち自然乾燥する方が有利である。後者の
場合、散布直後の藁中でのホウ酸塩の分布はかなり不均
一であるが、畳床に成形後は時間の経過とともにホウ酸
塩が湿気を含む圧縮された畳床中を拡散し、実用的に差
し支えのない均一な分布が実現する。
せるには、ホウ酸水溶液に藁を浸漬するか若しくはホウ
酸水溶液を藁に散布して含浸させた後、乾燥すればよ
い。藁の吸水限界に近い量の希薄溶液を含浸させたのち
熱風乾燥すれば、ホウ酸塩は藁に均一に分布する。しか
し、乾燥エネルギーを節減するためには、少量の濃厚溶
液を散布したのち自然乾燥する方が有利である。後者の
場合、散布直後の藁中でのホウ酸塩の分布はかなり不均
一であるが、畳床に成形後は時間の経過とともにホウ酸
塩が湿気を含む圧縮された畳床中を拡散し、実用的に差
し支えのない均一な分布が実現する。
【0019】また本発明の防虫藁畳床の製造方法は、拡
散性ホウ酸塩水溶液を、あらかじめ成形した藁畳床にホ
ウ酸換算で0.1重量パーセント以上かつ1.0重量パーセン
ト以下含浸させることを特徴とする防虫藁畳床の製造方
法である。
散性ホウ酸塩水溶液を、あらかじめ成形した藁畳床にホ
ウ酸換算で0.1重量パーセント以上かつ1.0重量パーセン
ト以下含浸させることを特徴とする防虫藁畳床の製造方
法である。
【0020】あらかじめ成形した藁畳床にホウ酸塩を含
浸させるには、ホウ酸水溶液を成形済藁畳床に散布して
含浸させた後、乾燥すればよい。この場合、畳床の表面
と中心部ではホウ酸塩の分布は不均一であるが、前記の
あらかじめ拡散性ホウ酸塩を含浸させた藁を用いて藁畳
床を成形する場合と同様に時間の経過とともにホウ酸塩
が湿気を含む圧縮された畳床中を拡散し、実用的に差し
支えのない均一な分布が実現する。
浸させるには、ホウ酸水溶液を成形済藁畳床に散布して
含浸させた後、乾燥すればよい。この場合、畳床の表面
と中心部ではホウ酸塩の分布は不均一であるが、前記の
あらかじめ拡散性ホウ酸塩を含浸させた藁を用いて藁畳
床を成形する場合と同様に時間の経過とともにホウ酸塩
が湿気を含む圧縮された畳床中を拡散し、実用的に差し
支えのない均一な分布が実現する。
【0021】畳床を処理するホウ酸水溶液濃度は、ホウ
酸換算濃度で5重量パーセント以上にするのが好まし
い。ホウ酸換算濃度が5重量パーセント未満の場合、散
布や乾燥に時間がかかったり、乾燥エネルギーが増加し
て好ましくない。
酸換算濃度で5重量パーセント以上にするのが好まし
い。ホウ酸換算濃度が5重量パーセント未満の場合、散
布や乾燥に時間がかかったり、乾燥エネルギーが増加し
て好ましくない。
【0022】さらに、本発明の防虫藁畳床の製造方法
は、拡散性ホウ酸塩を加熱下、又は及び第3成分の存在
下で、ホウ酸換算濃度が13重量パーセント以上の高濃
度水溶液にした後、あらかじめ成形した藁畳床にホウ酸
換算で0.1重量パーセント以上かつ1.0重量パーセント以
下含浸させることを特徴とする防虫藁畳床の製造方法で
ある。
は、拡散性ホウ酸塩を加熱下、又は及び第3成分の存在
下で、ホウ酸換算濃度が13重量パーセント以上の高濃
度水溶液にした後、あらかじめ成形した藁畳床にホウ酸
換算で0.1重量パーセント以上かつ1.0重量パーセント以
下含浸させることを特徴とする防虫藁畳床の製造方法で
ある。
【0023】拡散性ホウ酸塩を、ホウ酸換算濃度で13
重量パーセント以上の高濃度水溶液にしたものを用いて
藁畳床を処理すると、含浸処理時間が短縮され、乾燥も
短時間の自然乾燥のみでよくなる。このような自然乾燥
では水分がかなり残っているが、高濃度なので防腐性が
優れており腐蝕することはない。逆に、藁畳床内部にホ
ウ酸が速く拡散して好ましいといえる。また、難燃性も
低濃度処理したものに比較して良好な傾向になる。
重量パーセント以上の高濃度水溶液にしたものを用いて
藁畳床を処理すると、含浸処理時間が短縮され、乾燥も
短時間の自然乾燥のみでよくなる。このような自然乾燥
では水分がかなり残っているが、高濃度なので防腐性が
優れており腐蝕することはない。逆に、藁畳床内部にホ
ウ酸が速く拡散して好ましいといえる。また、難燃性も
低濃度処理したものに比較して良好な傾向になる。
【0024】拡散性ホウ酸塩を、ホウ酸換算濃度で13
重量パーセント以上の高濃度水溶液にする方法として、
加熱下で水溶液にする方法、エチレングリコールやプロ
ピレングリコールと反応させる方法、アミンおよびグリ
コールと反応させる方法、カルボキシメチルセルロース
を使う方法、何らかの界面活性剤を使う方法等公知の手
法が採用される。
重量パーセント以上の高濃度水溶液にする方法として、
加熱下で水溶液にする方法、エチレングリコールやプロ
ピレングリコールと反応させる方法、アミンおよびグリ
コールと反応させる方法、カルボキシメチルセルロース
を使う方法、何らかの界面活性剤を使う方法等公知の手
法が採用される。
【0025】拡散性ホウ酸塩であるDOTは、第3成分
を添加しない状態で、常温(20℃)で10重量パーセン
ト、加熱下で30重量パーセント以上の高濃度の水溶液
が可能である。しかしながら、冷却すると析出すること
があるので、常温安定性を考慮すると、13〜 15重量パ
ーセントにするのが好ましい。
を添加しない状態で、常温(20℃)で10重量パーセン
ト、加熱下で30重量パーセント以上の高濃度の水溶液
が可能である。しかしながら、冷却すると析出すること
があるので、常温安定性を考慮すると、13〜 15重量パ
ーセントにするのが好ましい。
【0026】本発明では、藁畳床を成形した新しい畳床
にホウ酸塩水溶液を含浸する場合のみならず、ある期間
畳として使用された後、畳替えのため畳表を除去した畳
床も同じように処理できる。また、畳表をつけたままの
畳にホウ酸塩水溶液を散布することも可能であり有効で
あるが、畳床内部の汚れが滲み出て畳表を汚す可能性が
ある。
にホウ酸塩水溶液を含浸する場合のみならず、ある期間
畳として使用された後、畳替えのため畳表を除去した畳
床も同じように処理できる。また、畳表をつけたままの
畳にホウ酸塩水溶液を散布することも可能であり有効で
あるが、畳床内部の汚れが滲み出て畳表を汚す可能性が
ある。
【0027】以上の方法によりホウ酸塩処理した畳床中
のホウ酸塩は、畳表を介して人体と接触するが、皮膚を
通して人体内に入ることはない。またホウ酸塩はヒトを
含めた哺乳動物に対する毒性は極めて低い。また、一旦
体内に取り入れられても、必要以上のホウ酸塩は腎臓を
介して体外に排出される。このため、ホウ酸塩は、居住
空間で使用される畳床の防虫処理剤として理想的であ
る。
のホウ酸塩は、畳表を介して人体と接触するが、皮膚を
通して人体内に入ることはない。またホウ酸塩はヒトを
含めた哺乳動物に対する毒性は極めて低い。また、一旦
体内に取り入れられても、必要以上のホウ酸塩は腎臓を
介して体外に排出される。このため、ホウ酸塩は、居住
空間で使用される畳床の防虫処理剤として理想的であ
る。
【0028】本発明の防虫畳床を廃棄する場合、粉砕し
た畳床を水で抽出してホウ酸塩を完全に回収できる。ま
た、粉砕した藁を果樹園等のホウ素を必要とする土壌に
適度に散布すれば、ホウ酸塩は雨水で抽出されて土壌に
しみ込み、肥料として働き、藁は腐敗する。また、不要
の畳床を焼却する場合は、ホウ酸塩はガラス状個体とし
て灰に残り、抽出回収できる。焼却の際、ホウ酸塩に由
来する有害物は一切発生しない。
た畳床を水で抽出してホウ酸塩を完全に回収できる。ま
た、粉砕した藁を果樹園等のホウ素を必要とする土壌に
適度に散布すれば、ホウ酸塩は雨水で抽出されて土壌に
しみ込み、肥料として働き、藁は腐敗する。また、不要
の畳床を焼却する場合は、ホウ酸塩はガラス状個体とし
て灰に残り、抽出回収できる。焼却の際、ホウ酸塩に由
来する有害物は一切発生しない。
【0029】
【実施例】以上の方法により製造された防虫性畳、即ち
畳床中に拡散性ホウ酸塩を0.1重量パーセント以上かつ
1.0重量パーセント以下含有する畳の防虫効果を評価す
べく、以下本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限
定されるものではない。
畳床中に拡散性ホウ酸塩を0.1重量パーセント以上かつ
1.0重量パーセント以下含有する畳の防虫効果を評価す
べく、以下本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0030】まず、好ましい一例を示すと、DOTを4
0℃以上の加熱下で、ホウ酸換算約13重量パーセント
以上かつ15重量パーセント以下の水溶液にする。この高
濃度水溶液を自然冷却した後に、藁畳床の全表面に藁が
むき出しなっている畳床の少なくとも裏表両面に、ホウ
酸換算で藁の重量に対して平均0.1重量パーセント以上
かつ1.0重量パーセント以下の量を噴霧して含浸させ
る。含浸された藁畳床は外気に窓を開放した室内で、裏
表が空気に触れるようにして短時間(例えば5時間)自
然乾燥して使用する。短時間の自然乾燥では水分がかな
り残っているが、高濃度なので防腐性が優れており腐蝕
することはない。逆に、藁畳床内部にホウ酸が速く拡散
して好ましいといえる。難燃性も低濃度処理したものに
比較して良好な傾向になる。
0℃以上の加熱下で、ホウ酸換算約13重量パーセント
以上かつ15重量パーセント以下の水溶液にする。この高
濃度水溶液を自然冷却した後に、藁畳床の全表面に藁が
むき出しなっている畳床の少なくとも裏表両面に、ホウ
酸換算で藁の重量に対して平均0.1重量パーセント以上
かつ1.0重量パーセント以下の量を噴霧して含浸させ
る。含浸された藁畳床は外気に窓を開放した室内で、裏
表が空気に触れるようにして短時間(例えば5時間)自
然乾燥して使用する。短時間の自然乾燥では水分がかな
り残っているが、高濃度なので防腐性が優れており腐蝕
することはない。逆に、藁畳床内部にホウ酸が速く拡散
して好ましいといえる。難燃性も低濃度処理したものに
比較して良好な傾向になる。
【0031】[実施例1]次に、ダニ飼育実験用試験体
の調整による試験結果について示すと、市販の稲藁畳床
(厚さ55mm、幅880mm、長さ1760mm、重量34kg)1を、切
断機を用いて6等分し切断部を畳糸で縫って補強し、図
1に示す試験体をTi(T1〜T6)とした。ついですべ
ての試験体を60℃の熱風循環型乾燥機に入れ2週間乾燥
し、絶乾重量(W0)を測定した。
の調整による試験結果について示すと、市販の稲藁畳床
(厚さ55mm、幅880mm、長さ1760mm、重量34kg)1を、切
断機を用いて6等分し切断部を畳糸で縫って補強し、図
1に示す試験体をTi(T1〜T6)とした。ついですべ
ての試験体を60℃の熱風循環型乾燥機に入れ2週間乾燥
し、絶乾重量(W0)を測定した。
【0032】ついで試験体T1は水、試験体T2〜T6
は夫々濃度の異なるDOT水溶液に十分に浸漬してから
遠心脱水機で脱水し、夫々の重量(W1)を測定した
後、重量増加(W1−W0)とDOT溶液の濃度とから各
試験体についてDOTの添加量を計算した。ついで各試
験体は50℃の熱風循環型乾燥機で乾燥し、含水率が20〜
25%まで低下した時点で取り出し、ダニ飼育試験に供し
た。
は夫々濃度の異なるDOT水溶液に十分に浸漬してから
遠心脱水機で脱水し、夫々の重量(W1)を測定した
後、重量増加(W1−W0)とDOT溶液の濃度とから各
試験体についてDOTの添加量を計算した。ついで各試
験体は50℃の熱風循環型乾燥機で乾燥し、含水率が20〜
25%まで低下した時点で取り出し、ダニ飼育試験に供し
た。
【0033】ホウ酸塩処理の防虫効果を評価するため、
第2図に示した装置で、ダニ飼育実験を行った。プラス
チック製飼育箱2の底部にコンクリートブロック3を置
き、その上に厚さ10mmの合板4を水平においた。試験体
がDOT処理畳床の場合は、合板も全面に15%DOT水
溶液を2回散布し、乾燥した。ついで、合板4上に試験
体T1〜T6の畳床を置き、その上にダニの餌として皿
5に入れたマウス飼育用の粉末の餌6をおいた。飼育箱2
は湿度70〜80%、温度28℃にコントロールした飼育室に
保管した。飼育開始に際しては、餌皿をコナダニ飼育器
1日置いた後、ダニのたかった餌皿ごと飼育箱に移動
し、3ヶ月間ダニの繁殖状況を観察した。結果を表1に
示す。
第2図に示した装置で、ダニ飼育実験を行った。プラス
チック製飼育箱2の底部にコンクリートブロック3を置
き、その上に厚さ10mmの合板4を水平においた。試験体
がDOT処理畳床の場合は、合板も全面に15%DOT水
溶液を2回散布し、乾燥した。ついで、合板4上に試験
体T1〜T6の畳床を置き、その上にダニの餌として皿
5に入れたマウス飼育用の粉末の餌6をおいた。飼育箱2
は湿度70〜80%、温度28℃にコントロールした飼育室に
保管した。飼育開始に際しては、餌皿をコナダニ飼育器
1日置いた後、ダニのたかった餌皿ごと飼育箱に移動
し、3ヶ月間ダニの繁殖状況を観察した。結果を表1に
示す。
【0034】
【表1】
表1から明らかなように、藁の重量に対して、ホウ酸換
算で0.1%以上のDOTを添加した藁畳床では、ダニの
繁殖は制御される。理論的にはホウ酸塩(DOT)の添
加量の多いほど制御効果は高いと考えられるが、過度の
添加は畳床からのホウ酸塩粉末の発生等の原因となり、
またコスト的に不利になる。従って、適切な添加量は、
0.1〜1.0%BAEのものが好ましく、防ダニ,防虫効果
が高いと断定される。
算で0.1%以上のDOTを添加した藁畳床では、ダニの
繁殖は制御される。理論的にはホウ酸塩(DOT)の添
加量の多いほど制御効果は高いと考えられるが、過度の
添加は畳床からのホウ酸塩粉末の発生等の原因となり、
またコスト的に不利になる。従って、適切な添加量は、
0.1〜1.0%BAEのものが好ましく、防ダニ,防虫効果
が高いと断定される。
【0035】[実施例2]市販の稲藁畳床(厚さ55mm、
幅880mm、長さ1760mm、重量34kg、含水率20%)を、切
断機を用いて幅方向に2等分した。この一方を試験体と
し、5.0%DOT水溶液を表側に1リットル散布し、完
全に吸収されてから裏返しにして5.0%DOT水溶液を
1リットル散布した。ついで、試験体をビニールシート
で包み室温で保管した。
幅880mm、長さ1760mm、重量34kg、含水率20%)を、切
断機を用いて幅方向に2等分した。この一方を試験体と
し、5.0%DOT水溶液を表側に1リットル散布し、完
全に吸収されてから裏返しにして5.0%DOT水溶液を
1リットル散布した。ついで、試験体をビニールシート
で包み室温で保管した。
【0036】1日保管後、試験体を最初の切断面と平行
に、10cm離して切断し、切断面のクルクミン呈色反応を
行った。更に1日後、試験体を前回の切断面と平行に、
10cm離して切断し、切断面のクルクミン呈色反応を観察
した。同様の観察を続けたところ、4日間でほぼ中央ま
でホウ酸塩の拡散が見られた。
に、10cm離して切断し、切断面のクルクミン呈色反応を
行った。更に1日後、試験体を前回の切断面と平行に、
10cm離して切断し、切断面のクルクミン呈色反応を観察
した。同様の観察を続けたところ、4日間でほぼ中央ま
でホウ酸塩の拡散が見られた。
【0037】この時点で、残りの試験体から40cm×60cm
の畳床を切り出し、実施例1と同様の手順でダニの飼育
試験を行ったところ、ダニは3ヶ月以内に完全に死滅し
た。
の畳床を切り出し、実施例1と同様の手順でダニの飼育
試験を行ったところ、ダニは3ヶ月以内に完全に死滅し
た。
【0038】クルクミン呈色反応は、次記2液(A液及
びB液)を用いて行った)A液:500ccの三角フラスコ
にエタノールを半分ほど入れ、クルクミン0.6gを加えて
ホットスタラー上で暖めながら溶解する。透明な溶液に
なったら降ろし、アルコールを加えて500ccにする。B
液:塩酸100mlに30gのサリチル酸溶解する。これをエタ
ノールで希釈し、500mlとする。呈色反応では、観察す
べき表面にA液を軽くスプレーし、乾燥後B液をスプレ
ーする。0.2%以上のホウ酸塩が存在すれば、赤く呈色
する。
びB液)を用いて行った)A液:500ccの三角フラスコ
にエタノールを半分ほど入れ、クルクミン0.6gを加えて
ホットスタラー上で暖めながら溶解する。透明な溶液に
なったら降ろし、アルコールを加えて500ccにする。B
液:塩酸100mlに30gのサリチル酸溶解する。これをエタ
ノールで希釈し、500mlとする。呈色反応では、観察す
べき表面にA液を軽くスプレーし、乾燥後B液をスプレ
ーする。0.2%以上のホウ酸塩が存在すれば、赤く呈色
する。
【0039】[実施例3]市販の稲藁畳床(厚さ55mm、
幅880mm、長さ1760mm、重量34kg、含水率20%)を、実
施例2と同様に、切断機を用いて幅方向に2等分した。
この試験体とし、15.0%DOT水溶液を表側に150g散
布し、完全に吸収されてから裏返しにして15.0%DOT
水溶液を150g散布して、1枚は熱風乾燥機にて80℃
5時間乾燥後、他の1枚は窓を開放した室内に5時間放
置した後、畳表を縫いつけた。これにより畳全体とし
て、ホウ酸換算0.2重量%の拡散性ホウ酸塩を含有させ
ることができた。散布の時間も短縮できた。ダニ飼育実
験では、その後6月15日から1箇月間床に敷いた後、
試験体を最初の切断面に平行に、10cm離して切断して、
実施例2と同じ方法にて切断面のクルクミン呈色反応を
行った。その結果、熱風乾燥機で乾燥した試験体は、畳
の中央部までホウ酸塩の拡散していなかったが、室内に
5時間放置した試験体は、畳の中央部までホウ酸塩の拡
散が見られた。
幅880mm、長さ1760mm、重量34kg、含水率20%)を、実
施例2と同様に、切断機を用いて幅方向に2等分した。
この試験体とし、15.0%DOT水溶液を表側に150g散
布し、完全に吸収されてから裏返しにして15.0%DOT
水溶液を150g散布して、1枚は熱風乾燥機にて80℃
5時間乾燥後、他の1枚は窓を開放した室内に5時間放
置した後、畳表を縫いつけた。これにより畳全体とし
て、ホウ酸換算0.2重量%の拡散性ホウ酸塩を含有させ
ることができた。散布の時間も短縮できた。ダニ飼育実
験では、その後6月15日から1箇月間床に敷いた後、
試験体を最初の切断面に平行に、10cm離して切断して、
実施例2と同じ方法にて切断面のクルクミン呈色反応を
行った。その結果、熱風乾燥機で乾燥した試験体は、畳
の中央部までホウ酸塩の拡散していなかったが、室内に
5時間放置した試験体は、畳の中央部までホウ酸塩の拡
散が見られた。
【0040】
【発明の効果】本発明に係わる藁畳床では、これを構成
する藁にホウ酸塩が比較的均一に固着しているため、畳
床内に生息する害虫が摂食すると死に至る。また、畳床
内に産卵された卵も、ホウ酸塩の拡散浸透により孵化率
は低下し、結果として、該畳床を媒体とする害虫の繁殖
は困難である。また、ホウ酸塩の殺菌作用により、本発
明に係わる畳床は、水に濡れても腐朽しないし、難燃性
能もある。
する藁にホウ酸塩が比較的均一に固着しているため、畳
床内に生息する害虫が摂食すると死に至る。また、畳床
内に産卵された卵も、ホウ酸塩の拡散浸透により孵化率
は低下し、結果として、該畳床を媒体とする害虫の繁殖
は困難である。また、ホウ酸塩の殺菌作用により、本発
明に係わる畳床は、水に濡れても腐朽しないし、難燃性
能もある。
【0041】また、原料としての藁に拡散性ホウ酸塩を
予め含浸させておき、これを畳床に形成する製造方法に
よれば、農家から仕入れた藁に拡散性ホウ酸塩を暇なと
きに含浸させ、所要のときに通常手順で畳床に形成する
ので、含浸処理が効率的に行えると共に藁の長期保存性
も良い。
予め含浸させておき、これを畳床に形成する製造方法に
よれば、農家から仕入れた藁に拡散性ホウ酸塩を暇なと
きに含浸させ、所要のときに通常手順で畳床に形成する
ので、含浸処理が効率的に行えると共に藁の長期保存性
も良い。
【0042】さらに、藁を畳床に形成した後、これに拡
散性ホウ酸塩を含浸させる製造方法によれば、定形サイ
ズの畳床に対し含浸処理することになるので、量産に適
し、一層効率的に高級防ダニ性の畳を提供できるように
なる。
散性ホウ酸塩を含浸させる製造方法によれば、定形サイ
ズの畳床に対し含浸処理することになるので、量産に適
し、一層効率的に高級防ダニ性の畳を提供できるように
なる。
【0043】さらに、拡散性ホウ酸塩を、加熱下で、又
は及び第3成分の存在下で高濃度水溶液にして含浸処理
すれば、含浸処理時間が短縮され、乾燥も短時間の自然
乾燥のみでよくなる。このような自然乾燥では水分がか
なり残っているが、高濃度なので防腐性が優れており腐
蝕することはない。逆に、藁畳床内部にホウ酸が速く拡
散して好ましいといえる。また、難燃性も低濃度処理し
たものに比較して良好な傾向になる。
は及び第3成分の存在下で高濃度水溶液にして含浸処理
すれば、含浸処理時間が短縮され、乾燥も短時間の自然
乾燥のみでよくなる。このような自然乾燥では水分がか
なり残っているが、高濃度なので防腐性が優れており腐
蝕することはない。逆に、藁畳床内部にホウ酸が速く拡
散して好ましいといえる。また、難燃性も低濃度処理し
たものに比較して良好な傾向になる。
【図1】本発明の方法により処理すべく、稲藁畳床から
切りました6枚の試験体の平面図である。
切りました6枚の試験体の平面図である。
【図2】本発明の処理方法の効果を評価するためのダニ
飼育箱の断面図である。
飼育箱の断面図である。
1 稲藁畳床
2 飼育箱
3 コンクリートブロック
4 合板
5 皿
6 餌
T1〜T6 試験体
Claims (4)
- 【請求項1】 藁畳床を構成する藁そのものが、拡散性
ホウ酸塩をホウ酸換算で0.1重量パーセント以上かつ1.0
重量パーセント以下含有して成ることを特徴とする防虫
藁畳床。 - 【請求項2】 防虫藁畳床を製造するに際して、あらか
じめ拡散性ホウ酸塩水溶液を、ホウ酸換算で平均0.1重
量パーセント以上かつ1.0重量パーセント以下含浸させ
た藁を用いて藁畳床を成形することを特徴とする防虫藁
畳床の製造方法。 - 【請求項3】 防虫藁畳床を製造するに際して、拡散性
ホウ酸塩水溶液を、あらかじめ成形した藁畳床にホウ酸
換算で0.1重量パーセント以上かつ1.0重量パーセント以
下含浸させることを特徴とする防虫藁畳床の製造方法。 - 【請求項4】 防虫藁畳床を製造するに際して、拡散性
ホウ酸塩を加熱下で、又は及び第3成分の存在下で、ホ
ウ酸換算濃度が13重量パーセント以上の高濃度水溶液
にした後、あらかじめ成形した藁畳床にホウ酸換算で0.
1重量パーセント以上かつ1.0重量パーセント以下含浸さ
せることを特徴とする防虫藁畳床の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223885A JP2003120004A (ja) | 2001-07-31 | 2002-07-31 | 防虫藁畳床及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-266538 | 2001-07-31 | ||
JP2001266538 | 2001-07-31 | ||
JP2002223885A JP2003120004A (ja) | 2001-07-31 | 2002-07-31 | 防虫藁畳床及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003120004A true JP2003120004A (ja) | 2003-04-23 |
Family
ID=26621573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002223885A Pending JP2003120004A (ja) | 2001-07-31 | 2002-07-31 | 防虫藁畳床及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003120004A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005034604A (ja) * | 2003-06-24 | 2005-02-10 | Yamanaka Shoji Kk | 防虫詰物 |
JP2009281124A (ja) * | 2008-05-22 | 2009-12-03 | Eco-Project Co Ltd | 植物性屋根材 |
CN108432708A (zh) * | 2018-03-13 | 2018-08-24 | 甘肃农业大学 | 叶螨的人工饲养装置及其使用方法 |
-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002223885A patent/JP2003120004A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005034604A (ja) * | 2003-06-24 | 2005-02-10 | Yamanaka Shoji Kk | 防虫詰物 |
JP2009281124A (ja) * | 2008-05-22 | 2009-12-03 | Eco-Project Co Ltd | 植物性屋根材 |
CN108432708A (zh) * | 2018-03-13 | 2018-08-24 | 甘肃农业大学 | 叶螨的人工饲养装置及其使用方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050727 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071112 |
|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080108 |
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A02 | Decision of refusal |
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