JPH06103603B2 - 高周波用誘電体磁器組成物 - Google Patents
高周波用誘電体磁器組成物Info
- Publication number
- JPH06103603B2 JPH06103603B2 JP61101518A JP10151886A JPH06103603B2 JP H06103603 B2 JPH06103603 B2 JP H06103603B2 JP 61101518 A JP61101518 A JP 61101518A JP 10151886 A JP10151886 A JP 10151886A JP H06103603 B2 JPH06103603 B2 JP H06103603B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- high frequency
- dielectric ceramic
- porcelain
- composition
- ceramic composition
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高周波用誘電体磁器組成物、特に、マイクロ
波集積回路などのマイクロ波帯域で用いられる回路素子
用基板或いは誘電体共振器用支持台の材料として有用な
高周波用誘電体磁器組成物に関する。
波集積回路などのマイクロ波帯域で用いられる回路素子
用基板或いは誘電体共振器用支持台の材料として有用な
高周波用誘電体磁器組成物に関する。
従来の技術 マイクロ波集積回路をはじめとする高周波回路素子で
は、誘電体共振器磁器を支持台を介して基板に固定する
構造が採用される場合がある。例えば誘電体共振器制御
型マイクロ波発振器は第２図に示すように誘電体共振器
１を支持台２を介して磁器基板３に取付け、誘電体共振
器１の外部に漏れ出る電磁界Ｈを利用して磁器基板３に
設けたストリップライン４に結合させ、これらを金属ケ
ース５に収容させた構造を有している。この種の高周波
回路素子においては、共振器の電界が支持台を介して漏
れるのを制御することによって無負荷Ｑの高い共振系が
構成されることになるため、支持台には誘電率が低く誘
電損失（tanδ）が小さい材料を使用する必要があり、
従来は、例えば、フォルステライトなどで形成してい
た。一方、磁器基板については、従来主としてアルミナ
磁器が採用されていた。
は、誘電体共振器磁器を支持台を介して基板に固定する
構造が採用される場合がある。例えば誘電体共振器制御
型マイクロ波発振器は第２図に示すように誘電体共振器
１を支持台２を介して磁器基板３に取付け、誘電体共振
器１の外部に漏れ出る電磁界Ｈを利用して磁器基板３に
設けたストリップライン４に結合させ、これらを金属ケ
ース５に収容させた構造を有している。この種の高周波
回路素子においては、共振器の電界が支持台を介して漏
れるのを制御することによって無負荷Ｑの高い共振系が
構成されることになるため、支持台には誘電率が低く誘
電損失（tanδ）が小さい材料を使用する必要があり、
従来は、例えば、フォルステライトなどで形成してい
た。一方、磁器基板については、従来主としてアルミナ
磁器が採用されていた。
発明が解決しようとする問題点 フォルステライトはεｒが6.6程度で小さいものの、Ｑ
値は10GHzで3000程度であり、より高いＱ値の材料が求
められている。また磁器基板に主として使用されている
アルミナ磁器は、誘電率が約9.9〜9.5と比較的高く、抗
折強度は3000kg/cm2と高いが、高インピーダンスのスト
リップラインを形成しようとすると、ライン幅が小さく
なり過ぎて（通常、１μｍ以下）、断線が生じたり、相
対的なライン幅のバラツキが大きくなり、マイクロ波集
積回路の不良率が増大するという問題がある。
値は10GHzで3000程度であり、より高いＱ値の材料が求
められている。また磁器基板に主として使用されている
アルミナ磁器は、誘電率が約9.9〜9.5と比較的高く、抗
折強度は3000kg/cm2と高いが、高インピーダンスのスト
リップラインを形成しようとすると、ライン幅が小さく
なり過ぎて（通常、１μｍ以下）、断線が生じたり、相
対的なライン幅のバラツキが大きくなり、マイクロ波集
積回路の不良率が増大するという問題がある。
この種の磁器基板におけるストリップラインのインピー
ダンスは、基板の厚さが一定であれば、その誘電率及び
ストリップラインの幅にそれぞれ反比例するため、ライ
ン幅を小さくする代わりに、誘電率の低い基板材料を使
用することによってもインピーダンスを高めることがで
きるが、従来知られている定誘電率のフォルステライト
（比誘電率6.5）やステアタイト（比誘電率6.0）は、抗
折強度が1500kg/cm2以下とアルミナの約半分以下である
ため、信頼性に欠けるという問題があった。
ダンスは、基板の厚さが一定であれば、その誘電率及び
ストリップラインの幅にそれぞれ反比例するため、ライ
ン幅を小さくする代わりに、誘電率の低い基板材料を使
用することによってもインピーダンスを高めることがで
きるが、従来知られている定誘電率のフォルステライト
（比誘電率6.5）やステアタイト（比誘電率6.0）は、抗
折強度が1500kg/cm2以下とアルミナの約半分以下である
ため、信頼性に欠けるという問題があった。
本出願人は上記問題を解決する一手段として、一般式:x
MgO−yAl2O3−zSiO2（式中、x,y,zは各成分のモル百分
率を表しｘ＋ｙ＋ｚ＝100、55≦ｘ≦92、１≦ｙ≦15、
７≦ｚ≦44である）で表され且つ第１図において下記組
成の点A,B,C,Dを頂点とする多角形ABCDで囲まれた範囲
内の組成を有する高周波用誘電体磁器組成物を既に提案
した（特願昭60−154726号）。
MgO−yAl2O3−zSiO2（式中、x,y,zは各成分のモル百分
率を表しｘ＋ｙ＋ｚ＝100、55≦ｘ≦92、１≦ｙ≦15、
７≦ｚ≦44である）で表され且つ第１図において下記組
成の点A,B,C,Dを頂点とする多角形ABCDで囲まれた範囲
内の組成を有する高周波用誘電体磁器組成物を既に提案
した（特願昭60−154726号）。
x y z A 55 1 44 B 55 15 30 C 78 15 7 D 92 1 7 この高周波用誘電体磁器組成物は、アルミナよりも比誘
電率が低く、かつ高いＱ値と高い抗折強度を有する優れ
たものであった。
電率が低く、かつ高いＱ値と高い抗折強度を有する優れ
たものであった。
本発明は上記磁器組成物をベースとし、更にその特性の
改善、特にＱ値の改善を図ることを目的とする。
改善、特にＱ値の改善を図ることを目的とする。
問題点を解決するための手段 かかる目的を達成するため、本発明の高周波用誘電体磁
器組成物は、 一般式:xMgO−yAl2O3−zSiO2（式中、x,y,zは各成分の
モル百分率を表しｘ＋ｙ＋ｚ＝100、55≦ｘ≦92、１≦
ｙ≦15、７≦ｚ≦44である）で表され且つ第１図におい
て下記組成の点A,B,C,Dを頂点とする多角形ABCDで囲ま
れた範囲内の組成を有する磁器組成物にLi2Oを0.1〜10.
0重量％添加したことを要旨とする。
器組成物は、 一般式:xMgO−yAl2O3−zSiO2（式中、x,y,zは各成分の
モル百分率を表しｘ＋ｙ＋ｚ＝100、55≦ｘ≦92、１≦
ｙ≦15、７≦ｚ≦44である）で表され且つ第１図におい
て下記組成の点A,B,C,Dを頂点とする多角形ABCDで囲ま
れた範囲内の組成を有する磁器組成物にLi2Oを0.1〜10.
0重量％添加したことを要旨とする。
x y z A 55 1 44 B 55 15 30 C 78 15 7 D 92 1 7 作用 本発明に係る高周波用磁器組成物を前記組成範囲に限定
したのは、次の理由による。即ち、主成分であるMgOの
モル百分率が55％未満では良好な焼結体が得られずＱ値
も低い。また92％を越えると、比誘電率が高くなるの
で、MgOは55〜92モル％の範囲とした。またAl2O3のモル
百分率を１〜15モル％としたのはAl2O3が１モル％未満
ではＱ値が低くなりすぎ、15モル％を越えると、比誘電
率が高くなると共に、Ｑ値が低下するので前記範囲とし
た。SiO2はそのモル百分率が７モル％未満ではεｒが大
きくなり、44モル％を越えるとＱ値が低くなるので前記
範囲とした。Li2Oは、その添加量が0.1重量％未満では
Ｑ値の改善効果が不充分となり、10重量％を越えると溶
融するので、0.1〜10重量％の範囲とした。
したのは、次の理由による。即ち、主成分であるMgOの
モル百分率が55％未満では良好な焼結体が得られずＱ値
も低い。また92％を越えると、比誘電率が高くなるの
で、MgOは55〜92モル％の範囲とした。またAl2O3のモル
百分率を１〜15モル％としたのはAl2O3が１モル％未満
ではＱ値が低くなりすぎ、15モル％を越えると、比誘電
率が高くなると共に、Ｑ値が低下するので前記範囲とし
た。SiO2はそのモル百分率が７モル％未満ではεｒが大
きくなり、44モル％を越えるとＱ値が低くなるので前記
範囲とした。Li2Oは、その添加量が0.1重量％未満では
Ｑ値の改善効果が不充分となり、10重量％を越えると溶
融するので、0.1〜10重量％の範囲とした。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
原料として、MgO、Al2O3、SiO2、LiCO3を用い、これら
を第１表に示す割合の磁器が得られるように秤量し、２
時間湿式混合した後、脱水、乾燥し、この混合物を1100
℃で２時間仮焼した後、粉砕した。得られた粉末に適量
のバインダを加えて造粒し、これを2000kg/cm2の圧力の
下で形成して直径18mm、厚さ7mmの成形体を得た。この
成形体を空気中、1400〜1550℃で３時間焼成して誘電体
磁器試料を得た。
を第１表に示す割合の磁器が得られるように秤量し、２
時間湿式混合した後、脱水、乾燥し、この混合物を1100
℃で２時間仮焼した後、粉砕した。得られた粉末に適量
のバインダを加えて造粒し、これを2000kg/cm2の圧力の
下で形成して直径18mm、厚さ7mmの成形体を得た。この
成形体を空気中、1400〜1550℃で３時間焼成して誘電体
磁器試料を得た。
各磁器試料の10GHzにおける誘電特性を誘電体共振器法
で測定すると共に、３点支持法により抗折強度を測定し
た。その結果を第１表に示す。
で測定すると共に、３点支持法により抗折強度を測定し
た。その結果を第１表に示す。
第１表中、＊印を付した試料は本発明の範囲外のもので
あり、他のものは本発明の範囲内のものである。この結
果から、本発明に係る高周波用誘電体磁器組成物は、比
誘電率（εｒ）が6.3〜8.4と低く、また抗折強度も2000
〜2500kg/cm2とアルミナに近い値を示すことが判る。し
かもＱ値が10GHzで4800〜21300と高く、特に試料番号６
と試料番号7,8とを比較すれば、Li2Oを添加することに
よるＱ値の改善効果が顕著であることが判る。
あり、他のものは本発明の範囲内のものである。この結
果から、本発明に係る高周波用誘電体磁器組成物は、比
誘電率（εｒ）が6.3〜8.4と低く、また抗折強度も2000
〜2500kg/cm2とアルミナに近い値を示すことが判る。し
かもＱ値が10GHzで4800〜21300と高く、特に試料番号６
と試料番号7,8とを比較すれば、Li2Oを添加することに
よるＱ値の改善効果が顕著であることが判る。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、Li2O
添加によるＱ値の改善が顕著で、極めて高いＱ値とアル
ミナに近い抗折強度を有し、且つフォルステライトやス
テアタイトに匹敵する低誘電率を有する磁器が得られ、
従って、高インピーダンスのマイクロ波集積回路など高
周波回路素子を信頼性を損なうことなく製造することが
できるなど、優れた効果が得られる。
添加によるＱ値の改善が顕著で、極めて高いＱ値とアル
ミナに近い抗折強度を有し、且つフォルステライトやス
テアタイトに匹敵する低誘電率を有する磁器が得られ、
従って、高インピーダンスのマイクロ波集積回路など高
周波回路素子を信頼性を損なうことなく製造することが
できるなど、優れた効果が得られる。
第１図は本発明に係る高周波用誘電体磁器組成物の組成
範囲を示す三元組成図、第２図は高周波用回路素子の一
例を示す誘電体共振制御型マイクロ波発振器の概略断面
図である。 １…誘電体共振器、２…支持台、 ３…磁器基板、４…ストリップライン、 ５…金属ケース。
範囲を示す三元組成図、第２図は高周波用回路素子の一
例を示す誘電体共振制御型マイクロ波発振器の概略断面
図である。 １…誘電体共振器、２…支持台、 ３…磁器基板、４…ストリップライン、 ５…金属ケース。
Claims (1)
- 【請求項１】一般式:xMgO−yAl2O3−zSiO2（式中、x,y,
zは各成分のモル百分率を表しｘ＋ｙ＋ｚ＝100、55≦ｘ
≦92、１≦ｙ≦15、７≦ｚ≦44である）で表され且つ第
１図において下記組成の点A,B,C,Dを頂点とする多角形A
BCDで囲まれた範囲内の組成を有する磁器組成物にLi2O
を0.1〜10.0重量％添加したことを特徴とする高周波用
誘電体磁器組成物。 x y z A 55 1 44 B 55 15 30 C 78 15 7 D 92 1 7
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61101518A JPH06103603B2 (ja) | 1986-04-30 | 1986-04-30 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
| DE19863623152 DE3623152A1 (de) | 1985-07-13 | 1986-07-10 | Dielektrische keramische zusammensetzung fuer hohe frequenzen |
| FR868610230A FR2584708B1 (fr) | 1985-07-13 | 1986-07-11 | Composition de ceramique dielectrique pour hautes frequences |
| US07/025,508 US4792537A (en) | 1985-07-13 | 1987-03-13 | Dielectric ceramic composition for high frequencies |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61101518A JPH06103603B2 (ja) | 1986-04-30 | 1986-04-30 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63259905A JPS63259905A (ja) | 1988-10-27 |
| JPH06103603B2 true JPH06103603B2 (ja) | 1994-12-14 |
Family
ID=14302738
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61101518A Expired - Lifetime JPH06103603B2 (ja) | 1985-07-13 | 1986-04-30 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06103603B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5923049A (ja) * | 1982-07-27 | 1984-02-06 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 排ガスタ−ボ発電機の出力自動制御装置 |
| JPS5946900A (ja) * | 1982-09-10 | 1984-03-16 | 株式会社荏原製作所 | 放射性廃棄物の焼却法 |
| JPS6144757A (ja) * | 1984-08-08 | 1986-03-04 | 太陽誘電株式会社 | アルミナ磁器組成物 |
-
1986
- 1986-04-30 JP JP61101518A patent/JPH06103603B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63259905A (ja) | 1988-10-27 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |