JPH06102629B2 - 特発性自己免疫性溶血性貧血治療剤 - Google Patents
特発性自己免疫性溶血性貧血治療剤Info
- Publication number
- JPH06102629B2 JPH06102629B2 JP60185264A JP18526485A JPH06102629B2 JP H06102629 B2 JPH06102629 B2 JP H06102629B2 JP 60185264 A JP60185264 A JP 60185264A JP 18526485 A JP18526485 A JP 18526485A JP H06102629 B2 JPH06102629 B2 JP H06102629B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- globulin
- therapeutic agent
- human
- hemolytic anemia
- autoimmune hemolytic
- Prior art date
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- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ヒトγ−グロブリンを主成分とする特発性自
己免疫性溶血性貧血(以下、IAIHAという)治療剤に関
する。
己免疫性溶血性貧血(以下、IAIHAという)治療剤に関
する。
γ−グロブリンは免疫グロブリンの通称であり、IgG,Ig
A,IgM,IgD,IgEより成るが、中でもIgGの血中レベルは全
免疫グロブリンの70%以上を占め、細菌やウイルスに対
する幅広い抗体を含んでいる。人血漿より分画されたγ
−グロブリン製剤はこれまで世界各国で麻疹の予防およ
び治療、伝染性肝炎や輸血後黄疸の予防を始めとして、
各種重症感染症や低ならびに無ガンマグロブリン血症な
どの免疫不全症候群の治療に筋肉内または静脈内に投与
して効果が認められており、それはまた各種抗生物質と
の併用において効果の増強が報告されている。
A,IgM,IgD,IgEより成るが、中でもIgGの血中レベルは全
免疫グロブリンの70%以上を占め、細菌やウイルスに対
する幅広い抗体を含んでいる。人血漿より分画されたγ
−グロブリン製剤はこれまで世界各国で麻疹の予防およ
び治療、伝染性肝炎や輸血後黄疸の予防を始めとして、
各種重症感染症や低ならびに無ガンマグロブリン血症な
どの免疫不全症候群の治療に筋肉内または静脈内に投与
して効果が認められており、それはまた各種抗生物質と
の併用において効果の増強が報告されている。
最近、特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombo
cytopenic purupura,以下ITPという)の治療に非修飾型
の静注用ガンマグロブリンの大量投与が有効であること
が確認され臨床適用されている。このITPが抗血小坂自
己抗体によって引き起こされる疾患に対し、IAIHAは抗
赤血球自己抗体によって発症し、背後に同様の免疫異常
が存在すると考えられている。
cytopenic purupura,以下ITPという)の治療に非修飾型
の静注用ガンマグロブリンの大量投与が有効であること
が確認され臨床適用されている。このITPが抗血小坂自
己抗体によって引き起こされる疾患に対し、IAIHAは抗
赤血球自己抗体によって発症し、背後に同様の免疫異常
が存在すると考えられている。
本発明者は種々研究を重ねたところ、ヒトγ−グロブリ
ンをIAIHAに投与した場合に著しい治療効果を発揮する
ことを見出し、この新知見に基づいて本発明を完成し
た。
ンをIAIHAに投与した場合に著しい治療効果を発揮する
ことを見出し、この新知見に基づいて本発明を完成し
た。
従って、本発明は、新規IAIHA治療剤を提供することを
目的とする。
目的とする。
本発明は、ヒトγ−グロブリンを主成分とするIAIHA治
療剤に関する。
療剤に関する。
本発明にて用いられるヒトγ−グロブリンは、医薬品と
して用いられる程度に高度精製されたヒトγ−グロブリ
ンであれば特に限定されない。
して用いられる程度に高度精製されたヒトγ−グロブリ
ンであれば特に限定されない。
好ましくは、Fc部分を有するヒトγ−グロブリンであ
り、すなわちγ−グロブリンのFc部分を破壊しない方法
において、静脈投与可能としたヒトγ−グロブリンをい
う。
り、すなわちγ−グロブリンのFc部分を破壊しない方法
において、静脈投与可能としたヒトγ−グロブリンをい
う。
例えば、プラスミン処理注射用ガンマグロブリン製剤、
スルホ化注射用ガンマグロブリン製剤あるいはポリエチ
レングリコール分画処理注射用ガンマグロブリンが好適
に例示される。
スルホ化注射用ガンマグロブリン製剤あるいはポリエチ
レングリコール分画処理注射用ガンマグロブリンが好適
に例示される。
ポリエチレングリコール分画処理ガンマグロブリンの代
表的製法は次の通りである。
表的製法は次の通りである。
コーン氏の冷アルコール分画法で得られた分画II+III
のペースト1kgを0.6%塩化ナトリウム10に溶解させ、
IN−HClでpH3.8に調整し、4℃で60分間撹拌して酸処理
を行う。この溶液に平均分子量4,000のポリエチレング
リコールを500g添加し、溶解させつつIN−NaOHでpHを徐
々に上昇させ、最終的にはpH5.0に調整し、この値にな
ると直ちに遠心分離により沈澱を除いて澄明な上清を得
る。この上清に平均分子量4,000のポリエチレングリコ
ール700gを追加し、ゆるやかに撹拌しながらIN−NaOHで
pHで8.0に修正し、この条件下で沈澱してくる免疫グロ
ブリンを遠心分離により回収する。
のペースト1kgを0.6%塩化ナトリウム10に溶解させ、
IN−HClでpH3.8に調整し、4℃で60分間撹拌して酸処理
を行う。この溶液に平均分子量4,000のポリエチレング
リコールを500g添加し、溶解させつつIN−NaOHでpHを徐
々に上昇させ、最終的にはpH5.0に調整し、この値にな
ると直ちに遠心分離により沈澱を除いて澄明な上清を得
る。この上清に平均分子量4,000のポリエチレングリコ
ール700gを追加し、ゆるやかに撹拌しながらIN−NaOHで
pHで8.0に修正し、この条件下で沈澱してくる免疫グロ
ブリンを遠心分離により回収する。
高度精製されたガンマグロブリンは、例えば生理食塩溶
液または0.02M酢酸緩衝液に0.6%の塩化ナトリウム、2
%マンニットおよび1%アルブミンを加えた溶液に再溶
解せしめ、除菌濾過を行うことにより、臨床に使用でき
る静注用ガンマグロブリン製剤となしうる。但し、これ
は一例を述べたにすぎない。
液または0.02M酢酸緩衝液に0.6%の塩化ナトリウム、2
%マンニットおよび1%アルブミンを加えた溶液に再溶
解せしめ、除菌濾過を行うことにより、臨床に使用でき
る静注用ガンマグロブリン製剤となしうる。但し、これ
は一例を述べたにすぎない。
このようにして調製されるガンマグロブリンは、実質上
重合型ガンマグロブリンを含まず、抗補体活性は5%蛋
白質濃度で測定し20単位以下であり、IgGとしての純度
は7Sのピークが90%以上を示す。尚、本発明において、
IgGの純度はセルロースアセテート電気泳動法により求
め、抗補体価はカバットとマイヤーの方法〔エクスペリ
メンタル、イムノケミストリー,225,(1961)〕および
西岡、岡田の方法〔免疫の生化学,103,昭46(共立出
版)〕による。
重合型ガンマグロブリンを含まず、抗補体活性は5%蛋
白質濃度で測定し20単位以下であり、IgGとしての純度
は7Sのピークが90%以上を示す。尚、本発明において、
IgGの純度はセルロースアセテート電気泳動法により求
め、抗補体価はカバットとマイヤーの方法〔エクスペリ
メンタル、イムノケミストリー,225,(1961)〕および
西岡、岡田の方法〔免疫の生化学,103,昭46(共立出
版)〕による。
本発明からなる製剤は、例えば注射用蒸留水に好ましく
は蛋白質として10〜100mg/ml程度に溶解して点滴、静注
等にて投与することが好ましい。
は蛋白質として10〜100mg/ml程度に溶解して点滴、静注
等にて投与することが好ましい。
投与は、ヘモグロビン、赤血球数が減少し、顕著な溶血
性貧血が生じた場合に用い、ヘモグロビン、赤血球数が
一定状態になるまでその変動に応じて数回行ってもよ
い。
性貧血が生じた場合に用い、ヘモグロビン、赤血球数が
一定状態になるまでその変動に応じて数回行ってもよ
い。
投与対象は、IAIHA患者であれば特に限定されないが、
好適には、特発性IAIHA患者、慢性難治性またはステロ
イドの使用しにくいIAIHA患者が例示される。
好適には、特発性IAIHA患者、慢性難治性またはステロ
イドの使用しにくいIAIHA患者が例示される。
本発明におけるヒトγ−グロブリンの投与量は、体重、
症状、性別などによって変わりうるが、通常は、1回約
100〜5000mg(2〜100ml)/kg体重程度である。通常は
上記の量を1日1回、数日間投与する。
症状、性別などによって変わりうるが、通常は、1回約
100〜5000mg(2〜100ml)/kg体重程度である。通常は
上記の量を1日1回、数日間投与する。
ヒトγ−グロブリン製剤は、他の用途においてすでに臨
床に供されており、その毒性については格別問題はな
い。例えば、株式会社ミドリ十字のヴェノグロブリン
−Iは以下のデータを有する。
床に供されており、その毒性については格別問題はな
い。例えば、株式会社ミドリ十字のヴェノグロブリン
−Iは以下のデータを有する。
急性毒性試験(マウス、ラット)ならびに亜急性毒性試
験(ラット、2週間連日50〜200mg/kg/日、静注)を行
ったが、なんらの毒性を示すような異常所見はなかっ
た。
験(ラット、2週間連日50〜200mg/kg/日、静注)を行
ったが、なんらの毒性を示すような異常所見はなかっ
た。
IAIHA患者にヒトγ−グロブリンを投与した場合、ヘモ
グロビン、赤血球数が上昇し、顕著に症状の改善が認め
られる。
グロビン、赤血球数が上昇し、顕著に症状の改善が認め
られる。
また、有害な副作用は観察されなかった。
かくして、本発明からなるヒトγ−グロブリン製剤はIA
IHA治療剤として有用であることが示唆される。
IHA治療剤として有用であることが示唆される。
以下に本発明からなる製剤の臨床例および実施例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
臨床例 (対象):症例は17才女性で、主訴は動悸、全身倦怠で
あり、既往歴、家族歴に特記すべきことはない。当該治
療約4年前にIAIHAと診断され、以後プレドニン投与を
行い、軽快、再発を繰り返したが、ステロイドによる骨
粗鬆症をおこし、ステロイド離脱を目的に入院した。こ
の時、月平均2単位の輸血を必要とした。
あり、既往歴、家族歴に特記すべきことはない。当該治
療約4年前にIAIHAと診断され、以後プレドニン投与を
行い、軽快、再発を繰り返したが、ステロイドによる骨
粗鬆症をおこし、ステロイド離脱を目的に入院した。こ
の時、月平均2単位の輸血を必要とした。
(方法):入院後、プレドニン投与量を減量し、エンド
キサンについては、従前と同量を投与続けたが、貧血が
さらに進行したため、400mg/kgの非修飾静注用ガンマグ
ロブリン(ヴェノグロブリン −I、ミドリ十字社製)
の投与を5日間行った。
キサンについては、従前と同量を投与続けたが、貧血が
さらに進行したため、400mg/kgの非修飾静注用ガンマグ
ロブリン(ヴェノグロブリン −I、ミドリ十字社製)
の投与を5日間行った。
(成績):γ−グロブリン投与15日目ごろより、有意に
Hb、RBCの上昇、LDH、IBの低下を認め、この間まったく
輸血を必要とせず、徐々に貧血は改善した。
Hb、RBCの上昇、LDH、IBの低下を認め、この間まったく
輸血を必要とせず、徐々に貧血は改善した。
実施例(静脈内注射剤) (1)ポリエチレングリコール処理 人由来γ−グロブリン人由来γ−グロブリン 5000mg (2)生理食塩水 100ml (1)を(2)に上記の重量割合で加えて撹拌し、完全
に溶解させる。この溶解液を孔径0.45μのメンブランフ
ィルターを用いて濾過した後、再び孔径0.20μのメンブ
ランフィルターを用いて除菌濾過を行う。濾過液を10ml
ずつ無菌的にバイアルに分注し、窒素ガスを充填した後
密封して静脈内注射剤とする。
に溶解させる。この溶解液を孔径0.45μのメンブランフ
ィルターを用いて濾過した後、再び孔径0.20μのメンブ
ランフィルターを用いて除菌濾過を行う。濾過液を10ml
ずつ無菌的にバイアルに分注し、窒素ガスを充填した後
密封して静脈内注射剤とする。
Claims (2)
- 【請求項1】ヒトγ−グロブリンを主成分とする特発性
自己免疫性溶血性貧血治療剤。 - 【請求項2】ヒトγ−グロブリンが非修飾型である特許
請求の範囲第1項記載の治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60185264A JPH06102629B2 (ja) | 1985-08-22 | 1985-08-22 | 特発性自己免疫性溶血性貧血治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60185264A JPH06102629B2 (ja) | 1985-08-22 | 1985-08-22 | 特発性自己免疫性溶血性貧血治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6245534A JPS6245534A (ja) | 1987-02-27 |
JPH06102629B2 true JPH06102629B2 (ja) | 1994-12-14 |
Family
ID=16167780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60185264A Expired - Lifetime JPH06102629B2 (ja) | 1985-08-22 | 1985-08-22 | 特発性自己免疫性溶血性貧血治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06102629B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58192830A (ja) * | 1982-05-04 | 1983-11-10 | Teijin Ltd | 血小板減少症治療剤 |
US4521405A (en) * | 1982-05-17 | 1985-06-04 | John McMichael | Methods and materials for treatment of disease states involving immunological factors |
-
1985
- 1985-08-22 JP JP60185264A patent/JPH06102629B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6245534A (ja) | 1987-02-27 |
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