JPH06100678A - ポリエステルの製造法 - Google Patents

ポリエステルの製造法

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JPH06100678A
JPH06100678A JP24784392A JP24784392A JPH06100678A JP H06100678 A JPH06100678 A JP H06100678A JP 24784392 A JP24784392 A JP 24784392A JP 24784392 A JP24784392 A JP 24784392A JP H06100678 A JPH06100678 A JP H06100678A
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glycol
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公博 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】色調及び熱安定性に優れ、且つ紡糸、延伸等の
成形性が良好で、紡糸口金異物の付着が極めて少ないポ
リエステルを製造する方法を提供する。 【構成】二官能性芳香族カルボン酸及び/又はそのエス
テル形成性誘導体を主とする二官能性カルボン酸成分
と、アルキレングリコールを主とするジオール成分とか
らなる二官能性カルボン酸のグリコールエステル及び/
又はその低重合体を、重縮合反応せしめてポリエステル
を製造するに際し、ポリリン酸化合物を前記二官能性カ
ルボン酸成分に対して5〜100ミリモル添加すると共
に、該ポリエステルと実質的に非反応性の有機スルホン
酸塩を該ポリエステルに対して0.001〜0.5重量
%添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステルの製造法に
関し、更に詳しくは、色調及び熱安定性に優れ、且つ紡
糸、延伸等の成形性が良好な、特に紡糸時に口金孔周辺
に堆積する異物が極めて少ないポリエステルの製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは多くの優れた特性を有しているため、種々の
用途、特に繊維、フイルムに広く利用されている。
【0003】かかるポリエステルは、通常テレフタル酸
とエチレングリコールとをエステル化反応せしめるか、
テレフタル酸ジアルキルとエチレングリコールとをエス
テル交換反応せしめるか、又はテレフタル酸とエチレン
オキサイドとを反応せしめるかして、テレフタル酸のエ
チレングリコールエステル及び/又はその低重合体を生
成せしめ、次いでこの生成物を減圧下加熱して所定の重
合度になるまで重縮合反応せしめることによって製造さ
れている。
【0004】このようにして得られたポリエステルは、
一般には、溶融状態で紡糸ノズル又はスリットから繊維
状又はフイルム状に押出し、次いで延伸して実用化され
る。
【0005】しかるに、上記重縮合反応は触媒を使用す
ることによってはじめて円滑に進行し、且つ商品価値の
あるポリエステルが得られるのであるが、これに使用す
る触媒の種類によって反応速度、得られるポリエステル
の品質が大きく左右される。
【0006】従来より、ポリエチレンテレフタレートの
重縮合触媒としては、三酸化アンチモンの如きアンチモ
ン化合物が優れた重縮合反応促進効果を有し、また比較
的色調の良好なポリエステルが得られる等の理由から、
最も広く使用されている。
【0007】又、艶消剤として、あるいはドレープ性を
高めるために、二酸化チタンを添加することも広く行わ
れている。
【0008】しかしながら、かかるポリエステルは、成
形性、特に長期間にわたる紡糸性に劣る欠点がある。即
ち、重合触媒としてアンチモン化合物を使用したり、二
酸化チタンを含有したポリマーを溶融紡糸する場合、紡
糸開始後時間を経ると、紡糸孔外周辺においてポリマー
流の曲がり現象(以下ベンディングと称す)が発生し、
紡糸、延伸時にラップが多発するようになり、遂には紡
糸自体が不能になる。このため、ベンディングが発生す
ると紡糸口金の交換が必要になり、生産が著しく阻害さ
れる。
【0009】かかる欠点を解消せんとして、従来より、
ポリマー流の紡糸口金よりの離形性を改善するため、シ
リコーンの如き離形剤の検討、紡糸口金の材質の検討、
紡糸孔の形状の検討等種々の方策が検討されている。し
かしながら、その効果はいずれも充分でなかった。
【0010】また、ポリエステルは通常一旦ペレットに
成形した後、乾燥・再溶融して紡糸されるが、この再溶
融時に熱分解して重合度が低下し易いため、糸の物性を
コントロールすることが困難であるばかりでなく、生産
効率も低下するといった問題点もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、
紡糸口金孔周辺の異物堆積が極めて少なく紡糸延伸性等
の成形性に優れ、実用生産上問題なく成形することがで
き、且つ色調及び熱安定生にすぐれたポリエステルの製
造法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべくポリエステルの溶融紡糸時におけるベンデ
ィングについて鋭意検討を加えた結果、紡糸開始後紡糸
孔周辺に付着堆積する異物(以下口金異物と称す)とベ
ンディングとの間に密接な関係があり、この口金異物の
付着堆積を抑制すれば、ベンディングも防止できること
を知った。
【0013】また、口金異物を分析したところ、重合触
媒として使用したアンチモン及びポリマーの熱劣化物が
主成分であり、紡糸中にポリマー中のアンチモン化合物
が昇華して口金孔周辺に付着したり、紡糸中にポリマー
が熱分解して生じた劣化物が滲み出したりして、口金異
物として堆積することを知った。
【0014】これらの知見から、本発明者らは、口金面
異物の堆積を抑制するには、ポリエステル中のアンチモ
ンの昇華を抑制するとともに、ポリマーの熱安定性を向
上させて劣化物の生成を抑制することが重要と考え検討
を行い、先に、ポリエステル製造時に特定量のポリリン
酸化合物を添加することを提案した。
【0015】本発明者らは、更に検討をかさねた結果、
ポリエステル製造時に特定量のポリリン酸化合物を添加
すると共に、特定量の有機スルホン酸塩を添加して得ら
れるポリエステルは、口金面異物の生成が極めて少ない
ことを見い出し、本発明に到達した。
【0016】すなわち、本発明によれば、二官能性芳香
族カルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を主
とする二官能性カルボン酸成分と、アルキレングリコー
ルを主とするジオール成分とからなる二官能性カルボン
酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を、重
縮合反応せしめてポリエステルを製造するに際し、ポリ
リン酸化合物を前記二官能性カルボン酸成分に対して5
〜100ミリモル添加すると共に、該ポリエステルと実
質的に非反応性の有機スルホン酸塩を該ポリエステルに
対して0.001〜0.5重量%添加することを特徴と
するポリエステルの製造法が提供される。
【0017】本発明にかかるポリエステルは、二官能性
芳香族カルボン酸を主たる酸成分とし、アルキレングリ
コールを主たるジオール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。好ましく用いられる二官能性芳香族カル
ボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、βーヒドロキシエトキ
シ安息香酸、p−オキシ安息香酸等をあげることがで
き、また、アルキレングリコールとしては、例えば、エ
チレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール等をあげることができる。なかでも、
主たる酸成分がテレフタル酸であり、主たるグリコール
成分がエチレングリコールであるポリエチレンテレフタ
レート系ポリエステルが好ましい。
【0018】また、上述の「主たる」とは、二官能性芳
香族カルボン酸以外の二官能性カルボン酸成分及び/又
はアルキレングリコール以外のジオール成分を、全酸成
分に対して10モル%以下、好ましくは5モル%以下共
重合してもよいことを意味する。
【0019】ここで使用される二官能性カルボン酸とし
ては、例えばアジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸の如き脂肪族、脂環族の二官能性
カルボン酸をあげることができ、また、アルキレングリ
コール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘ
キサンー1,4―ジメタノール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールSの如き脂環
族、芳香族のジオール化合物及びポリオキシアルキレン
グリコールをあげることができる。
【0020】更に、本発明の効果が実質的に秦せられる
範囲内で、5―ナトリウムスルホイソフタル酸の如きス
ルホン酸塩基を有するイソフタル酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸の如きポリカルボン酸、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如きポ
リオールを共重合成分として用いてもよい。
【0021】かかるポリエステルは任意の方法によって
合成される。例えばポリエチレンテレフタレートについ
て説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコー
ルとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメ
チルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチ
レングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレ
フタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテ
レフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合
体を生成させる第一段階の反応と、第一段階の反応生成
物を重合触媒の存在下で減圧加熱して所望の重合度にな
るまで重縮合反応させる第二段階の反応によって製造さ
れる。
【0022】本発明において用いられるポリリン酸化合
物は、Hn+2 n 3n+1又はHn n 3n(n=2以
上)で表わされる縮合リン酸及びこれらの金属塩もしく
はアンモニウム塩が好ましく、具体的には、ピロリン
酸、トリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、
ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸アンモニウム、ピロ
リン酸カリウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸チ
タン、ピロリン酸水素カリウム、ピロリン酸水素ナトリ
ウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸マンガン、
メタリン酸アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリ
ン酸カルシウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸マ
ンガン等をあげることができる。かかるポリリン酸化合
物は、1種のみを単独で用いても、2種以上を併用して
もよい。
【0023】本発明においては、上記ポリリン酸化合物
と共に、有機スルホン酸塩を添加することが必要であ
る。本発明で用いられる有機スルホン酸塩としては、前
記芳香族ポリエステルと非反応性の有機スルホン酸塩、
例えば有機スルホン酸金属塩及び有機スルホン酸第4級
ホスホニウム塩がすべて使用できるが、なかでも好まし
いものとして下記一般式(I)〜(IV)で表わされる化
合物をあげることができる。
【0024】
【化2】 RSO3 M (I) RSO3 PR1 2 3 4 (II) R5 O(R6 O)n (CH2 p SO3 M (III ) R5 O(R6 O)n (CH2 p SO3 PR1 2 3 4 (IV) 上記式中、Rは炭素原子数3〜30のアルキル基又は炭
素原子数7〜40のアリール基若しくはアルキルアリー
ル基、Mはアルカリ金属を示す。Rがアルキル基のとき
はアルキル基は直鎖状であってもまたは分枝した側鎖を
有していてもよい。Mはアルカリ金属を示すが、なかで
もLi、Na、Kが好ましい。R1 、R 2 、R3 及びR
4 はアルキル基又はアリール基で、なかでも低級アルキ
ル基、フェニル基又はベンジル基が好ましい。R5 は一
価の炭化水素基を示し、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基又はアルキルアリール基が好ましい。R
6 はアルキレン基であり、通常2〜4のアルキレン基が
好ましい。具体的にはエチレン基、プロピレン基、テト
ラメチレン基が例示される。また、2種以上の混合、例
えばエチレン基とプロピレン基とをもった共重合体であ
ってもよい。なかでもエチレン基であるのが特に好まし
い。nは重合度を示す正の整数であり、1〜100の範
囲が好ましく、なかでも2〜30の範囲が特に好まし
い。pは2〜4の整数である。
【0025】上記式(I)で表わされる化合物の好まし
い具体例としては、ステアリルスルホン酸ナトリウム、
オクチルスルホン酸ナトリウム、炭素原子数の平均が1
4であるアルキルスルホン酸ナトリウム混合物、t―ブ
チルベンゼンスルホン酸リチウム、ジブチルベンゼンス
ルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム(ハード型、ソフト型、ドデシルベンゼン
スルホン酸カリウム(ハード型、ソフト型)、ジブチル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレン
スルホン酸リチウム、オクチルベンゼンスルホン酸リチ
ウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ジオクチ
ルベンゼンスルホン酸リチウム、ブチルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸カリ
ウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オク
チルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、ジドデシルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム等をあげることができる。
【0026】上記式(II)で表わされる化合物の好まし
い具体例としては、炭素原子数の平均が14であるアル
キルスルホン酸テトラブチルホスホニウム、炭素原子数
の平均が14であるアルキルスルホン酸テトラフェニル
ホスホニウム、炭素原子数の平均が14であるアルキル
スルホン酸ブチルトリフェニルホスホニウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム(ハード
型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフ
ェニルホスホニウム(ハード型、ソフト型)、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム
(ハード型、ソフト型)などをあげることができる。
【0027】上記式(III )で表わされる化合物の好ま
しい具体例としては、
【0028】
【化3】C8 17O(CH2 CH2 O)7 CH2 CH2
CH2 SO3 Na(又はLi) CH3 O(CH2 CH2 O)9 CH2 CH2 CH2 SO
3 Na(又はLi) C1633O(CH2 CH2 O)23CH2 CH2 CH2
3 Na(又はLi) C1837O(CH2 CH2 O)23CH2 CH2 CH2
3 Na(又はLi) C1633O(CH2 CH2 O)30CH2 CH2 CH2
3 Na(又はLi) C1225O(CH2 CH2 O)10CH2 CH2 CH2
3 Na(又はLi) CH3 O(CH2 CH2 O)9 CH2 CH2 CH2 CH
2 SO3 Na(又はLi) C1225O(CH2 CH2 O)10CH2 CH2 SO3
a(又はLi) C1225O(CH2 CH2 O)22CH2 CH2 SO3
a(又はLi) C6 5 O(CH2 CH2 O)22CH2 CH2 CH2
3 Na(又はLi) C1633O(CH2 CH2 O)9 CH2 CH2 SO3
(又はLi) C1837O(CH2 CH2 O)15CH2 CH2 SO3
a(又はLi) 等をあげることができる。
【0029】上記式(IV)で表わされる化合物の好まし
い具体例としては、上記式(III )で表わされる化合物
の好ましい具体例における金属塩をテトラnーブチルホ
スホニウム塩、テトラフェニルホスホニウム塩、nーブ
チルトリフェニルホスホニウム塩又はフェニルトリnー
ブチルホスホニウム塩に置換した化合物をあげることが
できる。
【0030】上記式(I)〜(IV)の有機スルホン酸塩
は、1種のみを単独で用いても、2種以上を混合して使
用してもよい。
【0031】本発明において、上述の有機スルホン酸塩
及びポリリン酸化合物をポリエステルに添加するには、
前述したポリエステルの合成が完了する以前の任意の段
階で添加すればよく、特に第一段階の反応が終了した時
点で添加するのが好ましい。又、有機スルホン酸塩とポ
リリン酸化合物は、同時に添加してもよく、別々に添加
してもよい。
【0032】ポリリン酸化合物を添加する割合は、ポリ
エステルを構成する二官能性カルボン酸成分に対して5
〜100ミリモル%とする必要がある。添加割合が5ミ
リモル%未満の場合には、得られるポリエステルの口金
異物生成抑制効果が小さく、他方、100ミリモル%を
越える場合には、得られるポリエステルの熱安定性が悪
化して、口金異物抑制効果が低下するばかりでなく、重
縮合反応速度も遅くなって、得られるポリマーの色調も
悪化するといった問題が生じるため好ましくない。
【0033】更に、有機スルホン酸塩を添加する割合
は、ポリエステルに対して0.001〜0.5重量%と
する必要がある。添加割合が0.001重量%未満の場
合には、得られる口金異物生成抑制効果が小さく、他
方、0.5重量%を越える場合には、得られるポリエス
テルの熱安定性が悪化して、口金異物抑制効果が低下す
るばかりでなく、得られるポリマーの色調も悪化すると
いった問題が生じるため好ましくない。
【0034】以上説明した本発明にかかるポリエステル
には、必要に応じて任意の添加剤、例えば、エーテル結
合抑制剤、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、酸化防止剤、
艶消剤、着色剤、消泡剤、無機微粒子等が含まれていて
もよい。特に、有機スルホン酸塩を添加する場合は、重
合中に発泡し易いので、適当な消泡剤を添加することは
好ましいことである。
【0035】
【作用】以上説明した本発明の製造法により、色調及び
熱安定性に優れ、且つ紡糸、延伸等の成形性が良好であ
る理由、特に紡糸口金面異物の堆積が少ないポリエステ
ルが得られる理由は、未だ解明されていないが、以下の
ごとく推定される。
【0036】すなわち、ポリエステル製造時に添加した
エステル交換反応触媒及び重縮合反応触媒が、ポリリン
酸化合物と反応してキレートを生成し、その活性を適度
に抑制する。又、艶消剤として二酸化チタンを添加した
場合は、存在する可溶性チタンとポリリン酸化合物がキ
レートを生成してその活性を抑制すると共に、有機スル
ホン酸塩が二酸化チタンとポリエステルポリマーの親和
性を向上させる働きをする。
【0037】その結果、溶融紡糸する際に、紡糸口金孔
周辺へのポリマー劣化物、二酸化チタン滲出物、アンチ
モン等の重合触媒の堆積が少なくなるものと推定され
る。
【0038】
【実施例】以下実施例をあげて本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例中の部は、重量部を表わし、又、各
測定値は、下記の方法により求めた。
【0039】(1)ポリマーの固有粘度(IV)は、3
5℃のオルソクロロフェノール溶液で測定した値から求
めた。
【0040】(2)ポリマーの色相は、ハンター型色差
計によるL値とb値を求めた。L値は、値が大きくなる
ほど白度の良好なことを示し、b値は、+側になるほど
黄味の強いことを示す。
【0041】(3)紡糸性は、直径0.3mmの紡糸孔
を30個有する紡糸口金を使用して、吐出量80g/
分、捲取速度1200m/分で7日間紡糸したときの、
紡糸孔外周辺の異物の高さ及びその間のベンディングの
発生状態で示し、延伸性は、上記のようにして得た未延
伸糸を延伸温度85℃、延伸倍率3.5倍、延伸速度1
100m/分で延伸して、150デニール/30フィラ
メントの延伸糸を25kg捲きにした際のラップ率で示
した。
【0042】
【実施例1〜16、比較例1〜4】テレフタル酸ジメチ
ル100部、エチレングリコール60部、酢酸マンガン
4水塩0.031部(テレフタル酸ジメチルに対して
0.025モル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガ
ス雰囲気下3時間かけて、140℃から220℃まで昇
温して生成するメタノールを系外に溜出させながらエス
テル交換反応させた。
【0043】次いで、安定剤としてトリメチルフォスフ
ェート0.097部と表1記載のポリリン酸化合物を添
加し、更に消泡剤としてジメチルポリシロキサンを0.
024部加えた。
【0044】その後、過剰のエチレングリコールの昇温
追出しを開始し、10分後に表1記載の有機スルホン酸
塩を加え、更に10分後に重縮合反応触媒として三酸化
アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対し
0.027モル%)を添加した。内温が240℃に到達
した時点で、二酸化チタン0.3部を20%エチエレン
グリコールスラリーとして添加し、その後10分間保持
した後、エチレングリコールの追出しを終了し、反応生
成物を重合缶に移した。
【0045】次いで、昇温しながら30分間常圧反応さ
せた後、1時間かけて760mmHgから1mmHgま
で減圧し、同時に1時間30分かけて内温を290℃ま
で昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度290
℃で更に2時間重合した時点で、窒素ガスで真空を破っ
て重合反応を終了し、窒素ガス加圧下に290℃でポリ
マーの吐出を行った。得られたポリマーの品質及び製糸
性の評価結果は表2に示した通りであった。
【0046】
【表1】
【0047】a:炭素原子数の平均が14であるアルキ
ルスルホン酸ナトリウム混合物 b:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム c:ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム d:ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム e:炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸
ブチルトリフェニルホスホニウム f:C8 17O(CH2 CH2 O)7 CH2 CH2 CH
2 SO3 Na g:C8 17O(CH2 CH2 O)7 CH2 CH2 CH
2 SO3 ・P(C4 94
【0048】
【表2】
【0049】以上の結果から明かなように、本発明方法
により製造したポリエステルは、ポリマー品質、製糸性
共に良好であった。
【0050】
【発明の効果】本発明方法によれば、色調及び熱安定性
に優れ、紡糸、延伸等の成形性が良好なポリエステルが
得られ、特に紡糸時に口金周辺に堆積する異物が極めて
少なく、ベンディングが発生せず、しかも延伸時のラッ
プ発生も極めて少ないポリエステルが得られる。
【0051】従って、本発明にかかるポリエステルは、
任意の成形条件で安定して成形することができる。例え
ば、製糸に際しては、500〜2500m/分の速度で
紡糸し、延伸、熱処理する方法、1500〜5000m
/分の速度で紡糸し、延伸、仮撚加工を同時に又は続い
て行う方法、5000m/分以上の高速で紡糸し、用途
によっては延伸工程を省略する方法等任意の製糸条件が
採用され、安定して製糸することができる。
【0052】また、フイルムやシートに成形する際にお
いても、製膜後一方向のみに張力をかけて異方性を持た
せる方法、同時に又は任意の順序で二方向に延伸する方
法、二段以上の多段延伸する方法等任意の条件を何等支
障なく採用することができ、その工業的意義は極めて大
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二官能性芳香族カルボン酸及び/又はそ
    のエステル形成性誘導体を主とする二官能性カルボン酸
    成分と、アルキレングリコールを主とするジオール成分
    とからなる二官能性カルボン酸のグリコールエステル及
    び/又はその低重合体を、重縮合反応せしめてポリエス
    テルを製造するに際し、ポリリン酸化合物を前記二官能
    性カルボン酸成分に対して5〜100ミリモル添加する
    と共に、該ポリエステルと実質的に非反応性の有機スル
    ホン酸塩を該ポリエステルに対して0.001〜0.5
    重量%添加することを特徴とするポリエステルの製造
    法。
  2. 【請求項2】 ポリリン酸化合物が、Hn+2 n 3n+1
    又はHn n 3n(n=2以上)で表わされる縮合リン
    酸、その金属塩又はアンモニウム塩である請求項1記載
    のポリエステルの製造法。
  3. 【請求項3】 有機スルホン酸塩が、下記一般式(I)
    〜(IV)で表わされる化合物からなる群より選ばれた少
    なくとも1種である請求項1又は2記載のポリエステル
    の製造法。 【化1】 RSO3 M (I) RSO3 PR1 2 3 4 (II) R5 O(R6 O)n (CH2 p SO3 M (III ) R5 O(R6 O)n (CH2 p SO3 PR1 2 3 4 (IV) 式中、Rは炭素原子数3〜30のアルキル基又は炭素原
    子数7〜40のアリール基若しくはアルキルアリール
    基、Mはアルカリ金属、R1 、R2 、R3 及びR4はア
    ルキル基又はアリール基を表わし、それぞれ同一でも異
    なっていてもよく、R5 は一価の炭化水素基、R6 はア
    ルキレン基、nは重合度を示す正の整数、pは1〜4の
    整数を表わす。
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