JPH0610046A - 溶接熱影響部の軟化しにくい高強度電縫鋼管およびその製造方法 - Google Patents

溶接熱影響部の軟化しにくい高強度電縫鋼管およびその製造方法

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JPH0610046A
JPH0610046A JP16626192A JP16626192A JPH0610046A JP H0610046 A JPH0610046 A JP H0610046A JP 16626192 A JP16626192 A JP 16626192A JP 16626192 A JP16626192 A JP 16626192A JP H0610046 A JPH0610046 A JP H0610046A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えばプロペラシャフトのような各種シャフ
ト類、自転車のフレーム等に用いられる経済的な高精度
高強度電縫鋼管を提供する。 【構成】 成分組成を限定した電縫鋼管を造管後に焼準
と焼鈍と冷間引き抜き加工とを組み合わせて寸法精度が
外径±0.15mm以下、肉厚±0.05mm以下であ
り、引張強度が100〜130kgf/mm2 であるこ
とを特徴とする溶接熱影響部の軟化しにくい高強度電縫
鋼管およびその製造方法。 【効果】 本発明によれば、100kgf/mm2 以上
の強度を達成でき、アーク溶接したばあい溶接は良好で
あり、熱影響部の軟化程度も従来材より優れている。ま
た、寸法精度は外径±0.15mm、肉厚±0.05m
mを達成できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高寸法精度、溶接時の熱
影響部が軟化しにくく、優れた疲労強度が求められる部
品、例えばプロペラシャフトのような各種シャフト類、
自転車のフレーム等に用いられる経済的な高精度高強度
電縫鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、産業機械、自転車等の構造部材
については、徹底した軽量化、高機能化が検討されてお
り、高精度化および高強度化により薄肉化を図ってい
る。
【0003】例えば自動車のプロペラシャフト用高強度
電縫鋼管については住友金属Vol.43−3(199
1)P44〜P60に示されるように材料の成分と冷間
圧延等を組み合わせて引張強度70〜80kgf/mm
2 級で、外径精度±0.18mm、肉厚精度±0.10
mmの高精度鋼管を得ている。また、自転車用フレーム
には主としてCr−Mo系の引張強度80〜90kgf
/mm2 級が使用されており、さらに特願昭62−50
3103のように構造用繊維を入れた樹脂を使用してい
る例も開示されているが非常に高価である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は部品の軽量化
および高性能化を目的に従来技術よりも、さらに高精度
および高強度であり、かつ溶接時の耐HAZ(熱影響
部)軟化性を有する、経済的な電縫鋼管を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。
【0006】(1) 成分組成が重量でC:0.10〜
0.20%、Si:0.15〜0.50%、Mn:1.
3〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:
0.0005〜0.0060%、Al:0.01〜0.
08%、Ti:0.02〜0.2%、B:0.0010
〜0.0030%、N:0.002〜0.005%、C
r:0.3〜0.7%、Mo:0.3〜1.0%を含有
させる残部Fe及び不可避的元素よりなる素材鋼スラブ
を仕上げ温度950℃以下Ar3 変態点以上で熱間圧延
し、450℃〜700℃で巻取った熱延コイルを電縫溶
接し、引張強度が100〜130kgf/mm2 である
ことを特徴とする熱影響部の軟化しにくい高強度電縫鋼
管の製造方法。
【0007】(2) 成分組成が重量でC:0.10〜
0.20%、Si:0.15〜0.50%、Mn:1.
3〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:
0.0005〜0.0060%、Al:0.01〜0.
08%、Ti:0.02〜0.2%、B:0.0010
〜0.0030%、N:0.002〜0.005%、C
r:0.3〜0.7%、Mo:0.3〜1.0%、N
b:0.01〜0.10%を含有させる残部Fe及び不
可避的元素よりなる素材鋼スラブを仕上げ温度950℃
以下Ar3 変態点以上で熱間圧延し、450℃〜700
℃で巻取った熱延コイルを電縫溶接し、引張強度が10
0〜130kgf/mm2 であることを特徴とする熱影
響部の軟化しにくい高強度電縫鋼管の製造方法。
【0008】(3) 前記(1)又は(2)項の電縫鋼
管において、造管後に歪取り焼鈍を行い、引張強度が1
00〜130kgf/mm2 である鋼管を得ることを特
徴とする高精度高強度電縫鋼管の製造方法。
【0009】(4) 前記(1)又は(2)項の電縫鋼
管において、造管後に焼準を行い、引張強度が100〜
S130kgf/mm2 である鋼管を得ることを特徴と
する高精度高強度電縫鋼管の製造方法。
【0010】(5) 成分組成が重量でC:0.10〜
0.20%、Si:0.15〜0.50%、Mn:1.
3〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:
0.0005〜0.0060%、Al:0.01〜0.
08%、Ti:0.02〜0.2%、B:0.0010
〜0.0030%、N:0.002〜0.005%、C
r:0.3〜0.7%、Mo:0.3〜1.0%を含有
させる残部Fe及び不可避的元素よりなる電縫鋼管にお
いて、造管後に焼準と焼鈍と冷間引き抜き加工とを組み
合わせて寸法精度が外径±0.15mm以下、肉厚±
0.05mm以下であり、引張強度が100〜130k
gf/mm2 であることを特徴とする高精度高強度電縫
鋼管。
【0011】(6) 成分組成が重量でC:0.10〜
0.20%、Si:0.15〜0.50%、Mn:1.
3〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:
0.0005〜0.0060%、Al:0.01〜0.
08%、Ti:0.02〜0.2%、B:0.0010
〜0.0030%、N:0.002〜0.005%、C
r:0.3〜0.7%、Mo:0.3〜1.0%、N
b:0.01〜0.10%を含有させる残部Fe及び不
可避的元素よりなる電縫鋼管において、造管後に焼準と
焼鈍と冷間引き抜き加工とを組み合わせ寸法精度が外径
±0.15mm以下、肉厚±0.05mm以下であり、
引張強度が100〜130kgf/mm2 であることを
特徴とする高精度高強度電縫鋼管。
【0012】(7) 前記(5)又は(6)項の成分組
成よりなる電縫鋼管において、造管後に焼準を行い、引
続き冷間引き抜き加工を行うことにより、寸法精度が外
径±0.15mm以下、肉厚±0.05mm以下であ
り、引張強度が100〜130kgf/mm2 である鋼
管を得ることを特徴とする高精度高強度電縫鋼管の製造
方法。
【0013】(8) 前記(5)又は(6)項の成分組
成よりなる電縫鋼管において造管後に焼準を行い、引続
き冷間引き抜き加工と焼鈍を行うことにより、寸法精度
が外径±0.15mm以下、肉厚±0.05mm以下で
あり、引張強度が100〜130kgf/mm2 である
鋼管を得ることを特徴とする高精度高強度電縫鋼管の製
造方法。
【0014】(9) 前記(5)又は(6)項の成分組
成よりなる電縫鋼管において造管後に焼鈍を行い、引続
き冷間引き抜き加工と焼準と焼鈍を組合せ行なうことに
より、寸法精度が外径±0.15mm以下、肉厚±0.
05mm以下であり、引張強度が100〜130kgf
/mm2 である鋼管を得ることを特徴とする高精度高強
度電縫鋼管の製造方法。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。最初に本
発明に使用する鋼板の成分について限定理由を説明す
る。
【0016】C量は少なければ延性が良好であり、加工
性に優れているが、所要の強度が得られないことから下
限を0.10%とした。又、0.20%を超えると、部
品として使用する場合のTIG溶接等の溶接時に熱影響
部が硬化し、靱性の低下が懸念されることから、上限を
0.20%とした。
【0017】Siはキルド鋼の脱酸材として有効であ
り、強度を確保するために下限を0.15%とした。
又、0.5%を超えると電縫溶接性および靱性が悪化す
るため、0.5%を上限とした。
【0018】Mnは、強度と延性のバランスが良く、強
度を上げ、伸びを確保するためには最低1.3%以上必
要である。又2.5%を超えると転炉での溶製が極めて
困難になることから、下限を1.3%、上限を2.5%
とした。
【0019】Pは製鋼時不可避的に混入する元素である
が、0.005%未満にすることは製鋼技術上難しく、
0.020%を超えると特に超高張力鋼管の電縫溶接時
に溶接部割を発生しやすいため、下限を0.005%、
上限を0.020%とした。
【0020】SもP同様製鋼時不可避的に混入する元素
であり、0.0005%未満にすることは製鋼技術上難
しく、0.0060%を超えると電縫溶接時に溶接部割
を発生しやすいため、下限を0.0005%、上限を
0.0060%とした。Sによる電縫溶接時の割を更に
抑制するには、MnSを形態制御する元素であるCaを
添加してもよい。
【0021】Alはキルド鋼の場合、0.01%未満に
おさえることは製鋼技術上難しく、又、0.08%を超
えると鋳片の割れ、酸化物系巨大介在物形成による内質
欠陥等をひきおこしやすいため、下限を0.01%、上
限を0.08%とした。
【0022】Bは冷却過程においてフェライト変態を遅
らせて高強度変態組織を得るために必須の元素である
が、本発明鋼の成分組成においても0.0010%未満
では強度不足となり、0.0030%を超えるとBor
on Constituentが生成して延靱性が著し
く低下するため、下限を0.001%、上限を0.00
30%とした。
【0023】Nは製鋼時不可避的に混入する元素である
が、0.002%未満におさえることは製鋼技術上難し
く、0.005%を超えるとTi、Bの強度上昇効果を
阻害して強度不足をひきおこすため、下限を0.002
%、上限を0.005%とした。
【0024】Moはフェライト変態を抑制し、細粒化に
効果があり、析出強化する特徴を有し、造管後の熱処理
により一部マルテンサイトを含むベイナイト組織を得
て、強度を上げるのに有効であるため、0.3%以上を
含有させる。しかし、1.0%を越えて添加しても効果
の向上が少なく、延性の劣化を招くことから、下限を
0.3%、上限を1.0%とした。
【0025】Crは比較的経済的な成分であり、フェラ
イト変態を抑制し、造管後の熱処理により一部マルテン
サイトを含むベイナイト組織を得て、強度を上げるのに
有効であるため、0.3%以上を含有させる。この場
合、0.7%を超えて添加するとERW造管でCrの酸
化物による溶接欠陥が発生し易くなり、面倒な不活性ガ
スシール溶接が必要である。したがって、上限を0.7
%とした。
【0026】TiはMoと同様に熱間圧延での未再結晶
γ域を広げるために細粒化に効果があり、析出強化し、
鋼材の強度を上昇させる元素であり、超高張力電縫鋼管
の製造に有効であるため、0.02%以上を含有させ
る。しかし、0.20%を越えると延靱性を害するので
下限は0.02%、上限を0.20%とした。
【0027】NbはTiと同様な効果があり、熱影響部
の軟化を防止効果があるため、0.01%以上を含有さ
せる。しかし、0.1%以上入れても殆ど固溶強化に差
が無いことから、下限を0.01%、上限を0.10%
とした。
【0028】VはMoおよびTiと同様な析出強化をす
るが、効果は小さく、MoとTiで十分な効果が得られ
る。
【0029】次に製造工程について説明する。本発明の
製造工程を図1〜図6に示す。請求項1および請求項2
は図1の工程で、請求項3は図2の工程で、請求項4は
図3の工程で製造する。請求項5および請求項6は図4
から図6のいずれでもよい。請求項7は図5の工程で、
請求項8は図6の工程で、請求項9は図8の工程で製造
する。なお、図4から図6の電縫造管の前工程は省略し
たが図1から図3に同じである。また、図5から図6の
伸管および焼鈍は伸管の加工率に応じて数回繰り返して
もよい。本発明に従い、上記成分の鋼を熱間板厚圧延時
に1150℃以上に加熱し、950℃以下Ar3 変態点
以上で仕上圧延を終了することが望ましい。1150℃
以上に加熱するのはTiの固溶を十分に行なうためであ
る。上記成分の鋼を熱間板厚圧延時に950℃以下Ar
3 変態点以上で仕上圧延を終了することが望ましい。こ
れは、特に靱性の改善が望まれる場合、および低強度の
鋼板を得て造管を容易にする場合に必要である。950
℃超では未再結晶域での圧延が存在しないため強度・延
靱性が劣化し、Ar3 変態点未満では2相域圧延によっ
て強度は上昇するが延靱性が著しく低下する。よって上
記成分の鋼を熱間板厚圧延時に950℃以下Ar3 変態
点以上で仕上圧延を終了し引続き本発明の条件で巻取る
ことによって、後工程での製造が容易な低強度で延性の
優れた材質とすることができる。
【0030】巻取温度は400℃以上で巻取れば焼入れ
されず、造管に必要な延性が確保できるが、製造の温度
ばらつきを考慮して下限を450℃とした。また、M
o、Tiの析出強化は約600℃で最大になり、巻取温
度は600℃以上で巻取れば、コイル内の冷却速度は炉
冷に近いため、Mo等の析出は過時効し、フェライトが
析出して比較的に低強度で延性のある鋼板を製造でき
る。しかし、2相域になると強度の変動が大きくなるの
で上限を700℃にした。このように製造された鋼板は
電縫管に造管するに十分な延性を有する。なお、図1か
ら図3は酸洗工程が入っているが製品の用途によっては
必ずしも必要は無い。
【0031】図1の製造工程に示す造管ままの製品は経
済的であり、成形造管時の加工硬化により高強度の鋼管
が得られる。造管後の熱処理は造管時の冷間加工による
加工歪を除去し、電縫溶接部の焼き入れ硬化部を軟化
し、延性および靱性を改善するためであり、焼鈍または
焼準を行なう。本発明の成分系は、図2に示すように、
造管後に焼鈍を行なうと延性および靱性が回復するとと
もにMo、Tiが析出し、降伏比が90%以上の高強度
鋼管が得られる。焼鈍の温度は500℃以上であれば延
性及び靱性の十分な回復が得られ、650℃までは強度
の低下が少ない。また、溶接部と母材部の組織を均一に
し、約70%の低降伏比であり、延性が大きく、加工硬
化が大きい高強度鋼管を得るためには電縫造管後に引続
き素管熱処理として図3の焼準を行なう。これはAc3
点以上に加熱してオーステナイト化した後に空冷並の冷
却で、フェライトの生成を抑制し、一部マルテンサイト
を含むベイナイト主体の組織とし、伸管に十分な伸びの
回復と伸管による加工硬化代を大きくし強度上昇を図
る。焼準温度は温度のばらつきを考慮してAc3+20
℃以上とし、上限は細粒を保ち強度延性のバランスを確
保するため、Ac3+70以下が望ましい。また、ここ
での空冷は300℃までの冷却速度が10〜150℃/
分の範囲である。本発明は高精度鋼管を得るために図4
〜図6の工程で製造する。電縫造管直後の素管熱処理は
造管時の冷間加工による加工歪を除去し、電縫溶接部の
焼き入れ硬化部を軟化し、冷間加工性を改善するためで
あり、500℃以上の軟化焼鈍または焼準を行なう。し
かし、本発明の成分系は焼鈍を行なうとMo、Tiが析
出し、加工硬化が殆ど期待できない。そこで、請求項7
および請求項8は電縫造管後に引続き素管熱処理として
焼準を行なう。これはAc3点以上に加熱してオーステ
ナイト化した後に空冷並の冷却で、フェライトの生成を
抑制し、一部マルテンサイトを含むベイナイト主体の組
織とし、伸管に十分な伸びの回復と伸管による加工硬化
代を大きくし強度上昇を図る。焼準温度は温度のばらつ
きを考慮してAc3+20℃以上とし、上限は細粒を保
ち強度延性のバランスを確保するため、Ac3+70℃
以下が望ましい。また、ここでの空冷は300℃までの
冷却速度が10〜150℃/分の範囲である。Ac3点
未満の熱処理では上記の効果が得られず所定の強度が得
られない。
【0032】請求項7は伸管の加工率が小さく必要な延
性、靱性が確保できる場合の製造工程で図4のように焼
準後伸管加工ままで製品となる。請求項8は伸管の加工
率が大きく必要な延性および靱性の確保が困難な場合
で、伸管後に焼鈍を行い、延性および靱性の回復を行な
う。請求項9は造管後に焼鈍を行い、伸管の途中に焼準
を入れ、加工硬化による強度向上を行なう。本発明の材
料は焼鈍の場合が焼準より軟らかくできるので伸管加工
率が大きく何回も伸管する場合はこの方法が伸管し易く
適している。焼準は最後の伸管前に入れ、最後の伸管の
加工率と焼鈍温度で強度、延性を調整する。なお、本発
明の材料は適当な焼鈍温度を選べば数回の伸管および焼
鈍を繰り返し行なっても強度を確保でき良好な製品が製
造できる。したがって、図5および図6の焼鈍および伸
管は数回繰り返しても問題無い。伸管はダイスとプラグ
を用いた冷間引き抜きで行なう。
【0033】
【実施例】第1表に、サイズφ42.7×t3.0mm
の電縫鋼管を従来法および本発明法により製造した条件
および結果を示す。ここでの冷間伸管はダイスおよびプ
ラグを用いて丸断面形状に伸管を行なった。また、冷間
伸管率が60%以上のものは焼鈍と伸管を2回以上繰り
返し行なった。従来法では100kgf/mm2 以上の
強度を未達成であるが、本発明では達成できる。本発明
の最終製品をアーク溶接した場合、溶接は良好であり、
熱影響部の最軟化部の強度は従来材より優れている。ま
た、本発明によれば、造管後に焼準の熱処理を加えるこ
とによって母材部・溶接部が均一で強度・延靱性バラン
スの優れた超高張力電縫鋼管を得ることができる。熱処
理後に更に冷間伸管加工を付加することにより、寸法精
度は外径±0.15mm、肉厚±0.05mmを達成し
ており、各種寸法を容易に製造できるため、小ロット対
応が可能であり、経済的である。本発明は製造工程の最
後が焼鈍または伸管であるので降伏比が高く疲労強度上
有利である。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、100kgf/mm2
以上の強度を達成でき、アーク溶接したばあい溶接は良
好であり、熱影響部の軟化程度も従来材より優れてい
る。また、本発明によれば、造管後に焼準の熱処理を加
えることによって母材部・溶接部が均一で強度・延靱性
バランスの優れた高強度電縫鋼管を得ることができる。
熱処理後に更に冷間伸管加工を付加することにより、寸
法精度は外径±0.15mm、肉厚±0.05mmを達
成でき、各種寸法を容易に製造できるため、小ロット対
応が可能であり、経済的である。また、本発明は製造工
程の最後が焼鈍または伸管であるので降伏比が高く疲労
強度上有利である。また、任意の断面に加工できるので
曲げ加工性の優れた角管等が製造可能である。また、必
要に応じて、熱間板厚圧延における仕上圧延温度および
巻取温度を適正に制御することにより、低強度で延性の
優れた素材鋼板を製造して造管を容易にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に記載の方法の製造工程図。
【図2】請求項2に記載の方法の製造工程図。
【図3】請求項3に記載の方法の製造工程図。
【図4】請求項4、請求項5および請求項6に記載の方
法の製造工程図。
【図5】請求項4、請求項5および請求項7に記載の方
法の製造工程図。
【図6】請求項4、請求項5および請求項8に記載の方
法の製造工程図。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分組成が重量で C:0.10〜0.20% Si:0.15〜0.50% Mn:1.3〜2.5% P:0.005〜0.020% S:0.0005〜0.0060% Al:0.01〜0.08% Ti:0.02〜0.2% B:0.0010〜0.0030% N:0.002〜0.005% Cr:0.3〜0.7% Mo:0.3〜1.0% を含有し残部Fe及び不可避的元素よりなる素材鋼スラ
    ブを仕上げ温度950℃以下Ar3 変態点以上で熱間圧
    延し、450℃〜700℃で巻取った熱延コイルを電縫
    溶接し、引張強度が100〜130kgf/mm2 であ
    ることを特徴とする熱影響部の軟化しにくい高強度電縫
    鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 成分組成が重量で C:0.10〜0.20% Si:0.15〜0.50% Mn:1.3〜2.5% P:0.005〜0.020% S:0.0005〜0.0060% Al:0.01〜0.08% Ti:0.02〜0.2% B:0.0010〜0.0030% N:0.002〜0.005% Cr:0.3〜0.7% Mo:0.3〜1.0% Nb:0.01〜0.10% を含有し残部Fe及び不可避的元素よりなる素材鋼スラ
    ブを仕上げ温度950℃以下Ar3 変態点以上で熱間圧
    延し、450℃〜700℃で巻取った熱延コイルを電縫
    溶接し、引張強度が100〜130kgf/mm2 であ
    ることを特徴とする熱影響部の軟化しにくい高強度電縫
    鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の電縫鋼管におい
    て、造管後に歪取り焼鈍を行い、引張強度が100〜1
    30kgf/mm2 である鋼管を得ることを特徴とする
    高精度高強度電縫鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2の電縫鋼管におい
    て、造管後に焼準を行い、引張強度が100〜S130
    kgf/mm2 である鋼管を得ることを特徴とする高精
    度高強度電縫鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 成分組成が重量で C:0.10〜0.20% Si:0.15〜0.50% Mn:1.3〜2.5% P:0.005〜0.020% S:0.0005〜0.0060% Al:0.01〜0.08% Ti:0.02〜0.2% B:0.0010〜0.0030% N:0.002〜0.005% Cr:0.3〜0.7% Mo:0.3〜1.0% を含有し残部Fe及び不可避的元素よりなる電縫鋼管に
    おいて、造管後に焼準と焼鈍と冷間引き抜き加工とを組
    み合わせ処理したものであり、寸法精度が外径±0.1
    5mm以下、肉厚±0.05mm以下であり、引張強度
    が100〜130kgf/mm2 であることを特徴とす
    る高精度高強度電縫鋼管。
  6. 【請求項6】 成分組成が重量で C:0.10〜0.20% Si:0.15〜0.50% Mn:1.3〜2.5% P:0.005〜0.020% S:0.0005〜0.0060% Al:0.01〜0.08% Ti:0.02〜0.2% B:0.0010〜0.0030% N:0.002〜0.005% Cr:0.3〜0.7% Mo:0.3〜1.0% Nb:0.01〜0.10% を含有させる残部Fe及び不可避的元素よりなる電縫鋼
    管において、造管後に焼準と焼鈍と冷間引き抜き加工と
    を組み合わせ処理したもので寸法精度が外径±0.15
    mm以下、肉厚±0.05mm以下であり、引張強度が
    100〜130kgf/mm2 であることを特徴とする
    高精度高強度電縫鋼管。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6の成分組成よりな
    る電縫鋼管において、造管後に焼準を行い、引続き冷間
    引き抜き加工を行うことにより、寸法精度が外径±0.
    15mm以下、肉厚±0.05mm以下であり、引張強
    度が100〜130kgf/mm2 である鋼管を得るこ
    とを特徴とする高精度高強度電縫鋼管の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5又は請求項6の成分組成よりな
    る電縫鋼管において造管後に焼準を行い、引続き冷間引
    き抜き加工と焼鈍を行うことにより、寸法精度が外径±
    0.15mm以下、肉厚±0.05mm以下であり、引
    張強度が100〜130kgf/mm2 である鋼管を得
    ることを特徴とする高精度高強度電縫鋼管の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5又は請求項6の成分組成よりな
    る電縫鋼管において造管後に焼鈍を行い、引続き冷間引
    き抜き加工と焼準と焼鈍を組合せ行なうことにより、寸
    法精度が外径±0.15mm以下、肉厚±0.05mm
    以下であり、引張強度が100〜130kgf/mm2
    である鋼管を得ることを特徴とする高精度高強度電縫鋼
    管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100481364B1 (ko) * 2000-12-05 2005-04-08 주식회사 포스코 가공성이 우수한 고강도 냉연강판의 제조방법
CN112301280A (zh) * 2020-10-15 2021-02-02 徐州徐工液压件有限公司 一种高强度低应力冷拔钢管及生产方法
US11485273B2 (en) 2018-02-09 2022-11-01 Axel Johnson International Ab Attachment of cargo holding belt to a vehicle loading platform

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