JPH0718372A - 耐衝撃性に優れた自動車用薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐衝撃性に優れた自動車用薄鋼板およびその製造方法

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JPH0718372A JP16218893A JP16218893A JPH0718372A JP H0718372 A JPH0718372 A JP H0718372A JP 16218893 A JP16218893 A JP 16218893A JP 16218893 A JP16218893 A JP 16218893A JP H0718372 A JPH0718372 A JP H0718372A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高張力鋼板における静的強度値に対する動的
強度の値が、軟鋼板のそれと同等以上に高い耐衝撃性に
優れた自動車用薄鋼板を提供すること。 【構成】 C:0.01〜0.30wt%、Si:0.50〜3.00wt%、
Mn:0.50〜3.00wt%、Ni:0.02〜1.00wt%、P:0.01〜
0.15wt%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物から
なり、その組織が体積比で10%以上のオーステナイト相
を有し、かつフェライト相では0.0020wt%以下のCを含
むものからなる耐衝撃性に優れた自動車用薄鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として自動車用部品
として、プレス成形等の加工が施されて用いられる自動
車用薄鋼板に関し、とくに自動車が走行中に万一衝突し
た場合に優れた特性, 即ち耐衝撃性が求められる部位の
素材として好適に用いられる薄鋼板とそれの製造方法に
関しての提案である。最近、地球環境保全の機運が高ま
ってきたことから、自動車からのCO2 排出量の低減が求
められている。そのために、自動車車体の軽量化が図ら
れており、それはまた、鋼板の高強度化によって板厚を
低減させることを意味することから、素材としてはプレ
ス成形性と強度の両方に優れたものが求められている。
さらに、自動車車体の設計思想に着目すると、鋼板の単
なる高強度化のみでなく、より大切なことは走行中に万
一衝突した場合の耐衝撃性に優れた鋼板、すなわち高歪
速度で変形した場合の変形抵抗の大きくしかも薄い鋼板
の開発が必要であり、これを実現してこそ自動車の安全
性の向上を伴った車体の軽量化が図られ、より望ましい
自動車用鋼板を提供することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用鋼板の材質強化の方法
は、フェライト単相組織鋼では主としてSi, Mn, Pとい
った置換型元素添加による固溶強化、あるいはNb, Tiと
いった炭・窒化物形成元素を添加することによる析出強
化といった方法が一般的である。例えば、特開昭56−13
9654号公報等に記載されているように、加工性、時効性
を改善するために極低炭素鋼にTi, Nbを含有させ、さら
に加工性を害しない範囲でP等の強化成分を含有させて
高強度化を図った鋼板が数多く提案されている。この他
にも、例えば特開昭59−193221号公報には、Si添加によ
ってさらに高強度化を図る方法の提案もなされている。
【0003】たしかに、このような方法での鋼板の高強
度化によって、自動車ボディーの板厚減少はある程度可
能となった。しかしながら、これらの提案は、鋼板強度
の指標である降伏強度あるいは引張強度を、歪速度が10
-3〜10-2(s-1) と極めて遅い静的な評価方法に基づいて
判断している。しかしながら、実際の自動車ボディーの
設計では、このような“静的”な強度よりも、衝突時の
安全性を考慮した、歪速度10〜104 (s-1) での衝撃的な
変形を伴う“動的”な強度の方がより重要になるため、
従来のかような提案では、自動車車体の軽量化に対して
は真に有効な手段を提供するものとは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】というのは、従来、上
述した静的な強度と動的な強度とは、同じ傾向をもつも
のとして一義的に取り扱っており、主として静的な強度
のみを基準にして判断していた。ところが、発明者らの
研究によると、動的な強度は、必ずしも静的な強度に対
応しておらず、従って、各種改良素材の静的強度の改良
がそのまま動的強度の向上にはつながらないということ
が判った。そして、この傾向は、とくに高張力鋼板につ
いて著しいものがあった。
【0005】さて、図1は、変形速度と強度に及ぼす軟
鋼と高張力鋼の影響を示すものである。この図に明らか
なように、変形速度10-3〜10-2(s-1) の静的強度と、10
〜10 4 (s-1) の動的強度との関係は、高張力鋼の場合と
くに動的強度は軟鋼板ほどには高い値を示さないことが
判る。このことは、自動車用高張力鋼板の板厚を静的強
度値に基づいて薄肉化した場合には、動的強度, 即ち、
耐衝撃強度の方は不足するという結果になることを意味
している。そして、このことはまた、静的強度値だけを
基準にして高張力鋼板の薄肉化を図ってきた従来の考え
方を見直さなければならないことを示唆している。本発
明の目的は、上述した従来技術が抱えている問題点を克
服することにあり、とくに高張力鋼板における静的強度
値に対する動的強度の値が、軟鋼板のそれと同等以上に
高い耐衝撃性に優れた自動車用薄鋼板を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題に対してそ
の解決を目指して鋭意研究した結果、軟鋼のように低歪
速度下における強度のみならず、高歪速度下における強
度、即ち、耐衝撃強度にも優れた高張力鋼板とするに
は、単に静的強度だけが高い値を示すものでは不十分で
あることが判った。このことはまた、単に高歪速度下に
おける強度、即ち動的強度だけが高い値を示すものを開
発すること(不経済である)で足りることを意味してお
らず、いわゆる、静的強度と動的強度とがうまく釣り合
っていることが必要であるということが判った。すなわ
ち、プレス成形性に優れかつ高歪速度下での耐衝撃強度
にも優れた薄鋼板は、 静動比=(歪速度 102(s-1) での降伏応力) / (歪速度
10-3(s-1) での降伏応力)で定義される、静動比が 1.6
以上の薄鋼板であれば、自動車用材料として用いられた
場合に、高歪速度下でも軟鋼板と同等以上の高い強度の
歪速度依存性が得られるので、自動車車体の安全性向上
を軽量化の実現にあわせて達成することができることが
判った。
【0007】このような知見に基づき発明者らはさら
に、上記静動比におよぼす化学組成と製造条件の影響を
詳細に検討し、以下に述べるような要旨構成からなる本
発明自動車用薄鋼板とそれの製造方法を開発した。すな
わち、本発明は、(1) C:0.01〜0.30wt%、Si:0.50〜
3.00wt%、Mn:0.50〜3.00wt%、Ni:0.02〜1.00wt%、
P:0.01〜0.15wt%を含有し、残部はFeおよび不可避的
不純物からなり、その組織が体積比で10%以上のオース
テナイト相を有し、かつフェライト相では0.0020wt%以
下のCを含むものからなる耐衝撃性に優れた自動車用薄
鋼板、(2) あるいは、C:0.01〜0.30wt%、Si:0.50〜
3.00wt%、Mn:0.50〜3.00wt%、Ni:0.02〜1.00wt%、
P:0.01〜0.15wt%を含有し、残部がFeおよび不可避的
不純物よりなる鋼スラブを、800 ℃以上の温度にて熱間
仕上圧延を終了し、そして、この熱間仕上圧延終了後 4
00〜200 ℃の温度域にて巻取りを行う際に、該熱間仕上
圧延終了から 500℃に達するまでの冷却速度を40〜100
℃/secの速度にて行い、さらに 500℃〜巻取りまでの冷
却速度を10〜50℃/secの速度にて行うことにより、熱延
鋼板を製造するようにしたことを特徴とする耐衝撃性に
優れた自動車用薄鋼板の製造方法、(3) C:0.01〜0.30
wt%、Si:0.50〜3.00wt%、Mn:0.50〜3.00wt%、Ni:
0.02〜1.00wt%、P:0.01〜0.15wt%を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物よりなる鋼スラブを、熱間圧延
と冷間圧延とを施し、その後の工程においてまず、仕上
焼鈍を 800℃以上の温度で行い、その後の冷却に当たっ
ては、 500℃までは40〜100 ℃/secの冷却速度で冷却
し、そして 400〜200 ℃の温度域において 1.5秒〜300
秒の間保持することにより、冷延鋼板を製造するように
したことを特徴とする耐衝撃性に優れる自動車用薄鋼板
の製造方法、である。
【0008】
【作用】発明者らは、上述した自動車用薄鋼板の静動比
を向上させるべく、化学組成ならびに鋼組織、さらには
製造条件についてそれぞれ検討を重ねた。その結果、鋼
中の残留オーステナイトの量とフェライト相中のC量と
が静動比に対して大きな影響力をもち、そして、これら
の量を好適な範囲にするための成分組成の適正化が該静
動比の向上に極めて有効であるとの知見を得た。さら
に、製造しようとする薄鋼板における上記静動比が、軟
鋼板の静動比: 1.6以上を示すようになるには、「成分
組成」ならびに「組織」を調整することの他、製造工程
における種々の熱履歴のうちの最終の「冷却条件」、す
なわち熱延鋼板であれば熱間圧延後の冷却条件、冷延鋼
板であれば冷延焼鈍後の冷却条件の制御によって、残留
オーステナイト量およびフェライト中のC量を目標の範
囲に制御することによって、高・低両歪速度下での各強
度の向上に対してとりわけ有効に作用するという知見を
得た。
【0009】はじめに、本発明を構成する各成分元素と
その含有量は、静動比と同時に成形性向上のために、次
のような理由によって限定される。 C:0.01〜0.30wt% Cは、オーステナイト相を生成させるために添加するこ
とが必要な元素であるが、一方でプレス成形性の指標で
ある伸び、r値の向上の観点からは抑制しなければなら
ない。すなわち、このCは、0.01wt%よりも少ないと十
分な残留オーステナイトが生成せず、静動比の向上を果
たし得ない。一方、このCの含有量が0.30wt%を超える
とフェライト相中のC%が増加して静動比の低下傾向と
なるので、C含有量は、0.01〜0.30wt%の範囲に限定し
た。
【0010】Si:0.50〜3.00wt% Siは、基本的には自動車用鋼板としての必要な強度レベ
ルを得るために0.50wt%以上を添加することが必要であ
る。しかし、3.00wt%を超えて含有させた場合には、残
留オーステナイト相の生成を妨害し、また、鋼板中への
固溶C量の増大を招いて変形時の転位速度を低下させ
て、静動比の低下につながる。したがって、Si含有量
は、0.50〜3.00wt%の範囲に限定した。
【0011】Mn:0.50〜2.5 wt% Mnは、残留オーステナイト相の生成に必要な元素である
反面、プレス成形性の指標である伸び、r値の向上の観
点からは抑制しなければならない元素である。そこでMn
は、残留オーステナイトを生成させて静動比の向上を図
るために少なくとも0.50wt%を添加する。一方、2.5 wt
%を超えて添加するとフェライト中のC量の増加を招い
て静動比を低下させることになる他、鋼板が著しく硬化
する。このことから、Mnの含有量は、0.50〜2.5 wt%の
範囲に限定した。
【0012】Ni:0.02〜1.00wt% このNiは、この種の鋼では従来、特に添加される成分で
はなかったが、本発明においては、残留オーステナイト
を生成させて静動比の向上をもたらす作用があり、その
ために0.02wt%以上を添加する。しかし、このNiは、1.
20wt%を超えて添加すると鋼板の硬化を招く他、フェラ
イト相中のC量の増加をも招いて静動比の向上を害する
ようになる。したがって、Ni含有量は0.02〜1.00wt%の
範囲に限定した。
【0013】P:0.01〜0.15wt% Pは、自動車用材料として十分な強化効果を得るため
に、0.01wt%を下限として含有させる。このPは、基本
的には0.01wt%以上において目標とする強度レベルに応
じて調整すればよいが、0.15wt%を超えて含有させた場
合には、熱延母板が顕著に硬化すると共に冷延性が劣化
することに加えて、表面処理性も顕著に劣化する。した
がって、P含有量の上限は0.15wt%とした。
【0014】次に、本発明において静動比を軟鋼並以上
にするには、該薄鋼板の組織が、体積比で10%以上のオ
ーステナイト相が残留するものにしなければならない。
このことは、一般に、鋼板の強化は残留オーステナイト
の歪誘起変態によってなされることが知られているが、
この誘起変態は同一歪量であっても歪が導入される速度
によって異なる。すなわち、残留オーステナイト量が多
くなればなるほど、歪速度(転位速度)が大きくなり、
変態が促進され、その結果、静動比を向上させるのであ
る。この量は少なくとも10%は必要であり、これより少
ないと必要な歪速度が得られず静動比の向上が期待でき
ない。
【0015】また、本発明において、静動比が軟鋼並を
示すためには、フェライト相中C量が0.0020wt%以下と
なるように鋼組織にしなければならない。この理由は、
変形量が比較的少ない場合は、静動比に対しては、フェ
ライト相の変形挙動が支配的となり、フェライト相中の
C量を低めにすることによって静動比を向上できるから
である。
【0016】次に、本発明製造方法の特徴について説明
する。本発明は、上述した成分組成とした鋼素材を、溶
製, 鋳造して得た鋼スラブについて、常法に従って熱間
圧延あるいは冷間圧延を行う。 a.熱間圧延工程の処理 上記鋼スラブを、800 ℃以上の温度にて熱間仕上圧延を
終了し、そして、この熱間仕上圧延終了後 400〜200 ℃
の温度域にて巻取りを行う際に、該熱間仕上圧延終了か
ら 500℃に達するまでの冷却速度を40℃/sec〜100 ℃/s
ecの速度にて行い、さらに 500℃〜巻取りまでの冷却速
度を10℃/sec〜50℃/secの速度にて行うことにより熱延
鋼板を製造する。 b.冷間圧延工程の処理 上記鋼スラブを、熱間圧延と冷間圧延とを施し、その後
の工程においてまず、仕上焼鈍を 800℃以上の温度で行
い、その後冷却に当たっては、 500℃までは40℃/sec〜
100 ℃/secの冷却速度で冷却し、そして 400〜200 ℃の
温度域において1.5秒〜300 秒の間保持することにより
冷延鋼板を製造する。
【0017】以下に、上記各工程における処理条件を限
定した理由につき説明する。熱延仕上圧延を 800℃以上
で行う理由は、この温度未満では組織が混粒となって成
形性が劣化するからである。また、熱間圧延終了後 500
℃までの冷却を40℃/sec〜 100℃/secの範囲で行う理由
は、40℃/sec未満では粗大なベイナイト相が析出して静
動比が低下し、100℃/secを超えると残留γ相の生成に
必要な析出サイトが不十分となるからである。そして、
500℃から巻取り温度までの冷却を10℃/sec〜50℃/sec
の速度で行うのは、10℃/sec未満の速度では粗大なベイ
ナイト相が析出して静動比が低下するし、一方、50℃を
超える速度では残留γ相生成に必要な析出サイトの析出
が不十分となるからである。さらに、巻取温度を 200℃
〜 400℃の範囲に限定するのは、 400℃を超えるとオー
ステナイト相の析出が不十分で静動比が低下し、また、
200℃未満でも同様にオーステナイト相の析出が不十分
で静動比が低下するので、 200℃から400 ℃の範囲に限
定した。
【0018】次に、冷間圧延後の仕上焼鈍を 800℃以上
で行うのは、この温度未満では再結晶が不十分で成形性
が劣化するからである。500 ℃までの冷却を40℃/sec〜
100℃/secの範囲で行うのは、40℃/sec未満では粗大な
ベイナイト相が析出して静動比が低下し、100 ℃/secを
超えると残留γ相生成に必要な析出サイトの生成が不十
分となるからである。500℃からの冷却を10℃/sec〜50
℃/secの速度で行うのは、10℃/sec未満の速度では粗大
なベイナイト相が析出して静動比が低下し、一方50℃を
超える速度では残留γ相生成に必要な析出サイトの析出
が不十分となるからである。そして、200 ℃〜400 ℃の
範囲に1.5 秒以上 300秒以下限定するのは、400 ℃を超
えるとオーステナイト相の析出が不十分で静動比が低下
し、また、200 ℃未満でも同様にオーステナイト相の析
出が不十分で静動比が低下し、 1.5秒未満ではオーステ
ナイト相の析出が不十分で静動比が低下し、保持の効果
は300 秒を超えて保持しても効果に差がないので、それ
ぞれ上記の範囲に限定した。
【0019】本発明は、熱延鋼板、冷延鋼板のみならず
これらを素材とした表面処理鋼板に対しても同じよう
に、静動比向上の効果を付与できる。この他、たとえ
ば、冷延鋼板に対して表面処理と仕上焼鈍を同時に行う
溶融亜鉛めっき鋼板に対しては、めっき付着後あるいは
合金化処理後の冷却速度の制御を本発明における焼鈍後
の冷却制御と同様に行えばよい。また、本発明鋼および
本発明方法は、自動車用鋼板を対象としているが、同様
に高歪速度下での強度を要求される用途にも有効である
ことはいうまでもない。
【0020】
【実施例】表1に示すような種々の化学組成の鋼を転炉
にて溶製し、連続鋳造して得た鋼スラブを下記の条件に
訂正する。処理することにより、フェライト中のC量と
γ相の比率を種々変化させた各試験片を得た。即ち、上
記鋼スラブを、まず、熱間圧延して35mmtの熱延鋼板と
し、次いでこれらの熱延鋼板を冷間圧延して0.7mmtの冷
延鋼板とした。そして、得られたこれらの熱延鋼板, 冷
延鋼板について、引張試験により歪速度10-3(S-1) と10
2 (S-1) での降伏強度を測定して静動比を求めた。その
製造条件とその特性を表1にまとめて示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表1に示す結果から明らかなとおり、本発
明に適合する鋼板(No.1〜3)は、比較例 (No.4〜8)に対
して優れた静動比を有する熱延鋼板が得られている。ま
た、表2に示す結果から明らかなとおり、本発明の要件
にしたがって成分組成, 製造条件を適正化した冷延鋼板
である鋼板 (No.9〜11) は、比較例の鋼板に対して、い
ずれも高い静動比のものが得られている。
【0024】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
鋼板の成分組成を適正化しかつ鋼組織を制御し、さらに
は熱延後、焼鈍後の冷却速度を制御することによって、
従来よりも静動比が格段に優れる自動車用薄鋼板を製造
することができ、しかも、これらを自動車用部品に利用
することによって、自動車車体の軽量化と安全性の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変形速度と強度との関係に及ぼす軟鋼と高張力
鋼との影響を示す説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 9/46 F C22C 38/08 (72)発明者 大沢 一典 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 今中 誠 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 比良 隆明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.01〜0.30wt%、 Si:0.50〜3.00wt
    %、 Mn:0.50〜3.00wt%、 Ni:0.02〜1.00wt%、 P:0.01〜0.15wt% を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、そ
    の組織が体積比で10%以上のオーステナイト相を有し、
    かつフェライト相では0.0020wt%以下のCを含むものか
    らなる耐衝撃性に優れた自動車用薄鋼板。
  2. 【請求項2】C:0.01〜0.30wt%、 Si:0.50〜3.00wt
    %、 Mn:0.50〜3.00wt%、 Ni:0.02〜1.00wt%、 P:0.01〜0.15wt% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼ス
    ラブを、800 ℃以上の温度にて熱間仕上圧延を終了し、
    そして、この熱間仕上圧延終了後 400〜200 ℃の温度域
    にて巻取りを行う際に、該熱間仕上圧延終了から 500℃
    に達するまでの冷却速度を40〜100 ℃/secの速度にて行
    い、さらに 500℃〜巻取りまでの冷却速度を10〜50℃/s
    ecの速度にて行うことにより、熱延鋼板を製造するよう
    にしたことを特徴とする耐衝撃性に優れた自動車用薄鋼
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】C:0.01〜0.30wt%、 Si:0.50〜3.00wt
    %、 Mn:0.50〜3.00wt%、 Ni:0.02〜1.00wt%、 P:0.01〜0.15wt% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼ス
    ラブを、熱間圧延と冷間圧延とを施し、その後の工程に
    おいてまず、仕上焼鈍を 800℃以上の温度で行い、その
    後の冷却に当たっては、 500℃までは40〜100 ℃/secの
    冷却速度で冷却し、そして 400〜200 ℃の温度域におい
    て 1.5秒〜300 秒の間保持することにより、冷延鋼板を
    製造するようにしたことを特徴とする耐衝撃性に優れる
    自動車用薄鋼板の製造方法。
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