JPH0610037A - 金属工作物を急冷する方法及び装置 - Google Patents

金属工作物を急冷する方法及び装置

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JPH0610037A
JPH0610037A JP5056909A JP5690993A JPH0610037A JP H0610037 A JPH0610037 A JP H0610037A JP 5056909 A JP5056909 A JP 5056909A JP 5690993 A JP5690993 A JP 5690993A JP H0610037 A JPH0610037 A JP H0610037A
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quenching
gas
nozzle
workpiece
chamber
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JP5056909A
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Joachim Wunning
ヴュニンク ヨアヒム
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    • C21D1/62Quenching devices
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    • C21METALLURGY OF IRON
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 急冷媒体として冷却気体を用いた急冷工程の
さいに、公知の方法及び装置の諸問題を生じることなし
に約0.2〜4の急冷度Hを得るようにする。 【構成】 個別ノズル孔25を有するノズル域から工作
物表面へ噴流を作用させる。冷却気体供給量を、ノズル
域m2当り約1000kwに制限した場合に、気体速度
w、気体圧力p、気体噴流横断面積、単位面積当り噴流
数等の気体噴流パラメータを適宜選定することにより、
急冷度をH=0.2〜4の値を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油冷又は水冷のさいに
特徴的な範囲の急冷度(H=0.2〜4)で金属工作物
を急冷する方法、それも急冷媒体を工作物の被急冷表面
へ作用させる形式のものに関する。
【0002】加えて、本発明は、この方法を実施する装
置、それも特に、リング、歯車、ディスク、軸その他類
似物等の回転対称的な工作物を急冷室で処理し、この急
冷室内には、少なくとも部分的にノズル域により取囲ま
れ個々の工作物を受容する少なくとも1つの室が設けら
れている形式のものに関する。
【0003】
【従来の技術】鉄鋼その他の金属製の工作物を焼入硬化
するための急冷システムは、工業界では大きな意味を有
している。なぜなら、それによって、工作物の使用特性
が著しく改善されるからである。水中又は油中での急冷
や、塩浴又は流動床での急冷は、以前から知られてい
る。近時には、気体流内での工作物の急冷も行なわれて
いる。その場合には、熱処理された装入物に回路内を熱
交換器を経て案内される冷却気体が冷却室内で吹付けら
れる。この冷却気体は、個別の噴流の形式で被冷却工作
物表面に作用せしめられる。この種の急冷装置を備えた
工業用の炉はEP0151700A2に開示されてい
る。
【0004】工作物の急冷、すなわち処理温度から室温
への急速冷却により工作物の硬度及び又は強度を増大さ
せるには、その時々の工作物に適した温度/時間の推移
に従って高速で冷却過程を実施することが、決定的に重
要である。そのためには、この急冷過程中に、工作物内
部に存在する熱を相応に高い熱流密度で、冷却された表
面から放熱する必要がある。その時々に達成可能な熱流
密度値は、とりわけ熱伝達係数α(w/m2k)に従属
する。急冷効果又は急冷度を表わす場合、実際の鉄鋼焼
入れのさいには、グロスマンによる特性値、いわゆるH
値を用いることが多い(M.A.Grossman,
M.Asimov,S.F.Urban“The Ha
rdenability of Alloy Stee
l”,ASM Clereland,1939,p.1
24〜190)。このH値は、本発明によれば約0.2
〜4である。この場合、公知の急冷システムでは、0.
2〜4のH値域では急冷方法としては塩浴又は油冷以外
は用いられ得ず、また、たとえばH=0.9〜4の値の
場合には、水冷以外は利用できない。ガス焼入れの場合
は、0.1〜0.2のH値が知られているのみである
(たとえば「生産工学ハンドブック」カール・ハンザー
社刊、4/2巻、1987、p.1014参照)。0.
2までの値は強力な循環及び又は過圧なしには達せられ
ない。
【0005】液状急冷媒体を用いる公知急冷システムを
用いてH=0.2〜4の値を得るには、実地によく知ら
れているいくつかの基本的な欠点がある。先ず、急冷媒
体として液体を用いる場合、急冷度は、冷却中に事実上
ほとんど変更できない。このことは、工作物の焼割れや
寸法変化を防止するためには、しばしば望ましいことで
はあるが、他面では品質上の問題が生じる。これに加え
て費用の題が存在する。なぜなら急冷過程を調整できな
い状態を高価な合金成分を用いることによって補償せね
ばならないからである(油焼入れ鋼は合金鋼にされ
る)。また、急冷後には、工作物に付着している油、塩
分、水の残りを除去し、それらを廃棄処理せねばならな
い。このことによって、また環境問題が生じる。最後
に、最も多用されている急冷媒体である油は、引火の危
険があるため、安全上問題があり、そのために特別の予
防措置が必要である。
【0006】こうした環境上、安全上の問題は、たとえ
ばEP0151700A2に開示されている公知の、ガ
ス焼入れの場合には生じないが、この公知ガス焼入れシ
ステムの場合には急冷度が低いため(H<0.2)、過
圧処理を行なっても高合金鋼の焼入れ以外には用いられ
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、以上
のような状況に対処し、急冷工程のさい、前記の諸問題
を生じることなしに約0.2〜4の急冷度Hが得られる
急冷方法及び急冷装置を製造することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、本発明の急冷方法によれば、ノズル域から出る個別
噴流の形式で被冷却工作物表面に作用せしめられる冷却
気体が急冷媒体として用いられる。そのさい、冷却気体
の供給出力を、ノズル域m2当り約1000kwの所定
最大値に制限した場合、急冷度は、気体パラメータ、特
に気体速度w、気体圧p、気体ジェット横断面、単位面
積当りの個別噴流数を相応に選択することにより、H=
0.2〜4の値が得られる。
【0009】本発明の根底には次のような意想外な知見
が存在する。すなわち、相応に選択されたノズルのピッ
チtと、比較的小さい有効ノズル直径dとを有し、被急
冷工作物表面に対し僅かな間隔hをおいて配置されたノ
ズル域を使用する場合、必要とあれば気体圧力pを増圧
して、冷却気体の個別噴流域内で被急冷工作物表面から
急冷気体流への高い熱伝達が達成されるということであ
る。しかも、この目的のために、ノズル域に供給される
冷却気体の供給に必要な送風機出力を、この方法全体を
経済的に成り立たないものにするような大きな値にする
必要はない。
【0010】EP0151700A2により、複数ノズ
ル域を用いることにより、工作物急冷時に被急冷工作物
表面から気体状媒体への、対流による熱伝達が達成され
ることが公知ではあるが、その方法で油冷や水冷時に典
型的な高い急冷度を経済的に許容できる出費で実現する
ことは、これまでは明らかに不可能だったのである。そ
の理由は、冷却気体速度を高める場合、気体供給のため
の所要エネルギーは速度の3乗倍で増大するため、公知
気体急冷システムのノズル域では気体速度の増大は事実
上問題にならなかったことにある。
【0011】本発明による新規な方法では、金属工作物
の急冷時に、塩浴、油冷、水冷の場合に公知の高い急冷
度での冷却が可能であり、しかも排気体状急冷媒体使用
時の、冒頭に述べた問題が生じることがない。本発明に
よる方法の場合、同時に次の利点が得られる。すなわ
ち、非合金鋼及び低合金鋼製の工作物の臨界的な急冷段
階において、急冷度が、数秒間の範囲で再現可能に調整
可能である利点である。
【0012】この調整は、ノズル域に冷却気体を供給す
る送風機及び又はシステム内の冷却気体圧に対し相応の
影響を与えることで、簡単に行ないうる。
【0013】実際経験が示すところによれば、本発明に
よる方法の場合、ノズル域におけるノズル有効直径d=
0.5〜10mmの場合に冷却気体速度w=40〜20
0m/secが可能である。この場合、ノズル域にはノ
ズルピッチt=4d〜8dのノズルが設けられ、システ
ム内冷却気体圧pは0.5〜20barの値である。ノ
ズル域は、被冷却工作物表面からの間隔h=2d〜8d
の位置に置かれている。
【0014】冷却気体としては空気、窒素、混合気体の
いずれかが用いられる。特に、急冷に先行する熱処理が
不活性ガス雰囲気内で行なわれる場合には、冷却気体と
して不活性ガスを用いるのが好ましい。
【0015】冷却効果を高めるためには、必要とあれ
ば、空気よりも高い熱伝導率を有する水素又は他のガス
を0〜100vol.%の割合で冷却気体に含有させる
ことができる。この水素は、冷却気体に特に添加するこ
とができる。この添加により、同時に冷却気体を供給す
る送風機の駆動出力を低減できる。
【0016】工作物が不活性ガス雰囲気内で、たとえば
炉室内で加熱される場合には特に、加熱と冷却の両工程
に実質的に等しい気体雰囲気を有する室内で加熱され、
次いで冷却されるのが好ましい。その場合、この室内で
少なくとも一時的に気体の過圧を維持することもでき
る。このことは、冷却効果を高めるため水素を添加した
冷却気体(たとえば不活性ガス)を用いて作業する場合
に、有意義となる。こうした水素の添加には一定の爆発
の危険がともなうが、この危険に対してはガス室を出来
るだけ小さくする措置で対処できる。このことは、本発
明の新しい方法の場合、システムの側から見ても既に有
利である。なぜなら、ノズル区画が被急冷工作物表面か
ら僅かの間隔のところに配置され、冷却気体の充填され
る空間の容積が小さいからである。したがって、工作物
を炉室の不活性ガス雰囲気内で加熱するさいには、ガス
焼入れは、炉室の出口のすぐ傍で、言いかえると、少な
くとも一時的に炉室と共通のスペースで行なわれる。
【0017】本発明による新しい方法自体は、任意の形
状の工作物の急冷に使用できる。中空の、特にリング状
又は管状の工作物の急冷に用いる場合には、工作物の形
状に合わせたノズル域から冷却ガスの噴流を、工作物の
外側と内側の表面や、場合によっては端面に作用させ
る。最後に、本発明の方法の場合、急冷時に少なくとも
一時的に被急冷工作物表面とノズル域の噴流とが相対運
動するようにするのが有利である。その場合には、たと
えばリング状又はディスク状の工作物、もしくはノズル
域の一方を回転させ、他方を静止させておく。
【0018】本発明の方法を実施する急冷装置は、急冷
室を有しており、この室内には、少なくとも部分的にノ
ズル域により制限され、個別の工作物を受容するための
少なくとも1つのスペースが設けられている。このスペ
ースは、本発明によれば、実質的に閉鎖されている。ノ
ズル域は、装入される工作物の被冷却表面の形状に合わ
せて形成され、このノズル域の配置形式と寸法づけとに
よって、被急冷工作物表面は、冷却気体の個別噴流によ
り、油冷又は水冷時に特徴的な範囲の急冷度(H=0.
2〜0.4)をもって冷却される。この場合、ノズル域
へ気体を送る送風機の供給出力は、ノズル域m2当り最
大限界値約1000kwに制限される。
【0019】ノズル域の少なくとも数個のノズルは、選
択的に操作可能の絞り手段及び又は閉鎖手段を備えてい
る。それによって、必要とあれば急冷作用に工作物表面
の一定個所で影響を与える、特に抑制することができ
る。また、ノズル域を少なくとも部分的に、急冷室内へ
交換可能にそう入されているインサートのところに設け
ておくこともできる。こうすることにより、急冷装置を
簡単に各工作物形状に適合させることができる。従来
は、各工作物ごとに特殊なノズル域が必要とされた。
【0020】急冷室内には、装入された特に回転対象的
な工作物の回転及び又はノズル域の少なくとも一部の回
転に役立つ駆動手段を備えておくことができる。これら
の駆動手段は、外部から急冷室内へ作用するように構成
し、かつ冷却気体を負荷可能のタービン部材を有する構
成にするか、あるいは又、これらのいずれかの構成にす
ることができる。このタービン部材は、付加的な駆動源
を必要としない利点を有している。特に、リング、歯
車、ディスク、軸その他の、比較的軽量の回転対象的な
工作物の場合には、前記の構成により周縁部を極めて一
様に急冷することができる。急冷室内でノズル域により
取囲まれたスペースは圧力室として構成することもでき
るので、急冷工程中に急冷システム内圧力を増圧し、冷
却効果を一層高めることができる。
【0021】本発明の急冷方法及び急冷装置の大きな長
所の1つは、急冷度の時間的推移を、したがってまた工
作物急冷の温度/時間推移を、その時々の工作物及びそ
の材料上の要求に応じて、所定のように再現可能に制御
又は調整することができる点である。この目的のため
に、急冷装置には、急冷工程の時間経過を制御するため
のプロセス制御コンピュータを備えておくことができ
る。このコンピュータには、入力信号として、流量、圧
力、温度、冷却気体組成等のプロセスデータと、幾何形
状、寸法、材料組成等の工作物データ及び又はノズル域
の特徴データが投入される。コンピュータは、この入力
データをプログラムに従って計算し、出力信号を発信し
て、ノズル域の冷却気体負荷、ノズル域の少なくとも数
個のノズルの冷却気体有効流過横断面、工作物・ノズル
域間の相対運動のすべて、又はいずれかに影響を与え
る。プログラム制御手段を介して被急冷工作物表面に対
する冷却作用に対し、油冷又は塩浴時の急冷作用に似た
効果を与えることもできる。これは、噴流の速度及び又
は圧力、ノズル域のノズルの有効流過横断面の双方又は
一方に影響を与えることで可能となる。このようにし
て、所定温度/時間曲線に従って冷却効果を絞ることに
より冷却速度及び又は冷却気体圧力等を相応に低減する
ことにより、油冷又は塩浴熱処理の効果に似た効果を得
ることができる。
【0022】特に、急冷気体に水素を添加した場合に爆
発の危険を抑制したり、冷却気体供給用の送風出力の低
減したりする場合には、急冷装置を、連続炉、特にロー
ラハース炉の不活性ガスを内包している炉室の出口に、
実質的に気密に結合しておくのが有利である。急冷装置
には、この目的のために、炉室と連通している装入・取
出室を有しており、この室が外部へは、選択的に操作可
能の扉で閉じられている。また、装入・取出室は、ノズ
ル域により囲まれたスペースと、選択的に操作可能な閉
鎖手段を介して連通させておくことができる。これらの
閉鎖手段により、急冷過程を少なくとも一時的に冷却気
体過圧下で進行させることができる。
【0023】被処理工作物の個数が少数の場合には、通
例、順に1個ずつ急冷室へ装入し、急冷してから次の工
程へ送られる。処理量を高めるために、急冷装置には並
置され互いに並列操作可能の複数急冷室を設けておくこ
ともできる。最後に、次のような構成も可能である。す
なわち、急冷装置に複数の前後に位置する急冷室を設
け、これらの室が、場合により他の処理ステーション、
たとえば工作物の校正ステーション等を間そうの上、搬
送装置により相互に接続しておくようにする。その場
合、これら複数の急冷室は、それぞれ異なる急冷効果を
有する作業用に設備しておく。こうすることにより、た
とえば異なる冷却気体入口温度で段階的な急冷が達成さ
れる。
【0024】
【実施例】図面には、本発明の客体の複数実施例が示さ
れている。
【0025】急冷媒体として特に気体、塩、油、水のい
ずれかを用いる公知急冷システムにより達成可能の急冷
効果、いわゆる急冷度は、いわゆるH値で表わされる。
図1の左側の部分に記載されているのがH値である。こ
の図から分かる点は、実際に問題になるH値範囲、すな
わち約0.05から4まで値では、最高の急冷度、すな
わち最も急激な冷却は、これまでは急冷媒体として水を
用いた場合にしか得られなかったという点である。水冷
システムの場合のH値は約0.8〜4である。油冷の場
合は、急冷がゆるやかに行なわれるか急激に行なわれる
かに応じて、H値は約0.3〜1であるのに対し、塩浴
熱処理システムの場合は約0.2〜0.4のH値であ
る。公知気体急冷システムにより達せられる急冷度は、
比較的低い値であり、最大値が約0.2の値である。積
上げた工作物の間を気体を貫流させた場合のガス焼入れ
では、これまでH値は0.1のオーダーであることが知
られている。
【0026】本発明の根底をなす知見は次の点にある。
すなわち、鋼製工作物のガス焼入れの場合に、油冷又は
水冷時に典型的なH=0.2〜4の急冷度が得られ、し
かもそのさいに気体速度を事実上実現不能な高速にした
り、経済的に許容されないほど多量の気体を循環させる
必要ない点、言いかえると、冷却気体の供給出力は、経
済的に許容される所定上限値を超えることがない点にあ
る。
【0027】急冷媒体として冷却気体を用いて、0.2
〜4の高いH値に相当する急冷度を得るため、本発明の
方法では、冷却気体がノズル域から噴出する個別噴流形
式で被冷却工作物表面に作用せしめられる。そのさい、
気体噴流パラメータ、特に気体速度w、気体圧力p、気
体噴流横断面、単位面積当りの噴流数を相応に選定する
ことにより、急冷度が調整可能に設定される。
【0028】以上の点を、以下では図2〜図5に示した
ころがり軸受リングの急冷の例で、本発明の方法を実施
する装置を説明する。
【0029】急冷装置1(図2)はケーシング2を有し
ており、このケーシング2は環状の接続フランジ3を有
している。接続フランジ3は、気密にローラハース炉4
の外壁に取付けられている。炉4の炉室は符号5で、ま
たローラハースは符号6で示されている。ほぼ箱状のケ
ーシング2は、上方から円筒形のインサート部材5がそ
う入されている。この部材は縁部側のフランジ6が、側
方に間隔をおいて取囲むケーシング壁8の、相応の環状
肩7に密封載置されている。
【0030】インサート5は、中空円筒形の中央部9を
有し、この中央部9は、上部端側が付加形成された端壁
10で閉じられ、向い合った下方の端側が、同じく付加
形成された半径方向外方へ延びる円形環状面11に続い
ている。この環状面11は、付加形成された外方の円筒
形壁12へ移行している。この壁12は、中央部9の内
方円筒形壁13と同軸的に配置されている。内外の円筒
形壁12,13は、環状面11と一緒に円筒形の環状室
14を形成している。環状室14の大きさは、被冷却工
作物であるころがり軸受リング15を受容しうるだけの
大きさに、軸方向及び半径方向に寸法づけられている。
環状室14は、急冷工程中には上方が、選択的に操作可
能のふた16により閉じられている。このふた16は、
図2に示された閉じ位置では、縁部がシール17により
密封状態でインサート5上に載置されている。ふた16
は、空気式のリフティングシリンダ19のピストンロッ
ド18と結合されている。リフティングシリンダ19
は、ケーシング2の一部を形成しているフード20に取
付けられている。フード20は、インサート5及びケー
シング側壁8と一緒に装入・取出室21を形成してい
る。装入・取出室21は、直接に、すなわち仕切を間そ
うすることなしに、連続炉出口22を介して炉室5と連
通している。装入・取出室21は、反対側が扉23によ
り閉じられている。扉23は、選択的に開閉することが
できる。扉23の下方では、取出テーブル24が、イン
サート部材5の上側と整列するようにケーシング側壁8
のところに付加されている。
【0031】インサート5の内方及び外方の円筒形壁1
2,13は、半径方向の円筒形ノズル孔25を有してい
る。これらノズル孔は、互いに軸線平行にほぼ平行に配
置されている。ノズル孔25のそれぞれは、外方の円筒
形壁12上の外側と、内方の円筒形壁13の内側とに形
成されており、それぞれホッパ状の皿穴26を有してい
る。
【0032】両側から環状室14へ開口しているノズル
孔25はノズル域を形成し、このノズル域が、その軸方
向高さにわたって環状室14の内側と外側の側面に形成
されている。
【0033】作業時には、ノズル孔25に冷却気体が送
られる。冷却気体は導管接続部27を介してケーシング
2内に設けられた圧力室28へ供給される。圧力室は図
2から分かるように、インサート5により上方が閉じら
れており、内方及び外方の円筒形壁12,13と環状壁
11のそれぞれ片側を取囲んでいる。ノズル域のノズル
孔25から環状室14に流入する冷却気体は、圧力室2
8の環状壁11と底壁29とを密封貫通している少なく
とも2本の接続導管30を介して、ケーシング2の捕集
室31内へ導かれる。捕集室31は導管接続部32と連
通しており、圧力室28の下に設けられている。
【0034】環状室14内には被急冷ころがり軸受リン
グ15用の支持手段が配置されている。これらの支持手
段はリング15をそれぞれノズル孔25に対し適正な高
さ位置及び間隔に保持する。これら支持手段は、この実
施例の場合、インサート5と同軸的に、かつ半径方向
で、円筒形壁12,13のノズル域部分の中間に保持さ
れるころがり軸受リング15を、急冷時に符号33(図
2)で示されたインサート軸線を中心として回転させる
ことができるように構成されている。
【0035】この構成を実現するためには、種々の形式
の駆動手段を用いることができる。そのうちの2つの実
施形式を図2に示してある:軸線33の左側に示した駆
動・支持手段は、並置された複数のつば付ローラ34か
ら成っている。これらローラ34は、これらのローラを
受容する環状室14の半径方向幅より僅かに短く、半径
方向の軸35に支承されている。軸35は内方、外方の
円筒形壁14の相応の支承部に密封軸受けされている。
各軸35は、内方部分9の中空室内に位置する端部分に
キー結合されたかさ歯車を保持している。このかさ歯車
36は共通の冠歯車37と噛合っている。冠歯車37
は、軸線33と同軸的にケーシング2の相応の支承孔3
9内に回転可能に軸受けされている駆動軸38に支承さ
れている。軸38は、駆動源(図示せず)により図2の
矢印40の方向に回転せしめられる。圧力室28内を貫
通案内される区域では、軸38は、符号41のところで
シールされている。図2の軸線33の右側には別の実施
形式が示されている。この形式の場合、駆動・支持手段
は、タービンリング42によって形成されている。この
リング42は、環状室14内で環状壁11及び内方円筒
状壁13に回転可能に支承されている。タービンリング
42は、符号43で示されたブレーディングを有し、こ
のブレーディング上にころがり軸受リング15が載せら
れている。タービンリング42の駆動は、作業中ノズル
孔25を介して行なわれる。これらノズル孔25は環状
壁11の区域にタービンリング43の下方に配置され、
圧力室28から冷却ガスを供給される。
【0036】ノズル孔25により形成されたノズル域の
構造を、インサート5と、これを取囲むケーシング2と
の略示モデルを用いて図3及び図4を参照して説明す
る。このモデル図では、図2と同じ部品には同じ符号を
付してある。
【0037】ノズル域内には、等しい直径の円筒形ノズ
ル孔25が等しいノズル間隔tで配置されている。ノズ
ル域は、この実施形式の場合、等間隔tで、言いかえる
と側方のノズルピッチtに応じて配列された3列のノズ
ル孔列(図3参照)を有している。被急冷ころがり軸受
リング15は、支持縁44によってのみ示されている駆
動・支持手段上に、上下3列のノズル孔列に関して対称
的に軸方向にリング15が位置するような高さに、軸線
33と同軸的に環状室14内に配置されている(図
3)。加えて、ころがり軸受リング15は、半径方向中
央に環状室14内に位置しており、このことは、ノズル
域と、リング15の内・外周面との半径方向間隔hが等
しい値であることを意味する。ノズル域のノズル孔25
が軸線33と直角であるため、リング15の内・外周面
とも直角に位置している。ノズル孔25から出る気体噴
流は、このため別々の噴流の形式でリング15の内・外
周面に突当る。
【0038】前述のノズル域は次の特性寸法を有してい
る: ノズル孔直径d=0.5〜10mm ノズル孔ピッチt=4d〜8d 被急冷工作物表面とノズル域との間隔h=2d〜8d 作業中、圧力室25は導管接続部27を介して送風機4
5(図5)から冷却気体を供給される。この場合、シス
テム内、すなわち圧力室28内の全圧pは0.5〜20
バールである。
【0039】気体速度wはノズル孔25の出口のところ
で40〜200m/secである。
【0040】ノズル域を保持するインサート5は、ケー
シング8内へ取外し可能にそう入されているので、ノズ
ル域は、インサート5の交換により異なる寸法や大きさ
の被急冷ころがり軸受リング15、又は他のリング状工
作物に合わせることができる。いずれにしても重要なこ
とは、ノズル域を出来るだけ精確に被急冷工作物の形状
に適合させて、工作物表面に出来るだけ一様に冷却気体
を当てるようにすることである。リング状又はディスク
状工作物や歯車その他の処理の場合、工作物の形状に応
じて別の形状のインサート5及びインサートのノズル域
保持部材が用いられる。ノズル域は、図示の例の場合の
ように複数部分から成るようにし、内方及び外方、又は
上方及び下方に位置する工作物表面を冷却することがで
きる。ノズル孔直径dと工作物表面までの間隔hとは、
常に比較的小さい値である。
【0041】この実施例の場合、急冷装置1は、直接に
ローラハース炉4の出口に接続されている。ローラハー
ス炉の基本構造は、たとえばDE−PS3816503
に記載されている。したがって、ふた16を開くと、環
状室14は、不活性ガス雰囲気を含有する炉室5と直接
に連通せしめられる。これにより、ころがり軸受リング
15の加熱と、それに続く急冷装置1のノズル域での急
冷とが、共通の不活性ガス室で行なわれることになる。
こうすることによって不活性ガスを節約し、ロックを設
けた場合に必要となる操作時間が不要となる。不活性ガ
スに水素添加の場合に生じる爆発の危険も、同時に最低
限に抑えられる。
【0042】ふた16(図2)は、被急冷工作物の形状
及び材料を顧慮して、環状室14内が比較的僅かの冷却
気体圧力となるような構成が可能な場合、原則として除
去することができる。また、加熱と、急冷装置1のノズ
ル域での急冷とを、炉室5と環状室14とにより形成さ
れている共通の過圧室内で行なうことも可能である。但
し、その場合には、これらの室の壁を相応に耐過圧性に
構成しておかねばならない。その場合には、同じよう
に、ふた16によって形成される圧力ロックは不要とな
る。
【0043】急冷装置1の冷却気体供給は、図5に示し
てある:圧力側で導管接続部27を介して圧力室28に
冷却気体を供給する送風機45は、吸込側では冷却媒体
操作部材47を有する気体冷却機46を介してケーシン
グ2の導管接続部32と接続されている。気体センサ4
6と導管接続部32との間に位置する冷却気体導管48
は制御弁49を介して気体除圧容器50に接続されてい
る。容器50からは圧力調整器51を介して排気管52
が出ている。排気管52は、場合により再び炉室5へ戻
される。送風機45の圧力側には、送風機45の圧力導
管53が制御弁54,55を介して2つの圧力気体ボン
ベ56,57に接続されている。これらボンベには添加
気体、たとえば水素及び又は窒素が入れてある。加え
て、圧力導管53の途中には、流量、温度、圧力、圧力
室28内の冷却気体組成それぞれを感知するセンサ5
8,59,60,61が配置されている。
【0044】これらのセンサは出力側でプロセスコンピ
ュータ62と接続されている。コンピュータ62には、
センサにより検知された特性値に特徴的な信号が伝えら
れる。加えて、プロセスコンピュータ62には、被急冷
ころがり軸受リング15の実際値を示す信号が温度セン
サ63から送られる。温度センサ63は、ケーシング壁
8とインサート5内へ圧力密にそう入されている窓64
を介してリング15の外周面の温度が検知される。
【0045】センサ58,59,60,61から送られ
るプロセス固有の信号(流量、温度、圧力、冷却気体組
成)と、被急冷工作物15(幾何形状、材料値)及びノ
ズル域を表わす予め投入されたデータとから、プロセス
コンピュータ62は、送風機45、添加ガス量制御用の
制御弁54,55、冷却媒体制御弁47、除圧容器50
へ通じている制御弁49をそれぞれ制御する出力信号を
算出する。このようにして、温度センサ63から送られ
る工作物温度実際値を利用して、プロセスコンピュータ
62は、環状室14内の工作物の急冷工程を自動調整す
る。その場合、プロセスコンピュータ62は、被急冷工
作物表面が所定温度推移をたどるように調整することが
できる。
【0046】前述の装置の操作時に、工作物は、炉室5
のローラハース6上を継続的に案内され、炉室5内の不
活性ガス雰囲気内で硬化温度まで加熱される。この加熱
終了後、リング15は、個々に順次炉の出口22(図
2)を通過し、急冷装置1の装入・取出室21に入る。
装置1のふた16は、扉23が閉じられているときに
は、上方の開位置に在る。装入・取出室21に到着する
リング15は、環状室14に落ち、このなかの駆動及び
又は支持の手段、たとえばつば付ローラ35又はタービ
ンリング42上に正しい姿勢で位置せしめられる。次い
で、ふた16が閉じられ、送風機45(図5)が作動せ
しめられ、圧力室28に冷却気体が供給される。この気
体には炉室5に含まれているのと同じ不活性ガスが含ま
れている。
【0047】ノズル孔25から出る冷却気体は、噴流の
形式でころがり軸受リング15の内側、、外側の被冷却
面に当てられる。これにより、回転するリング15が急
激に一様に冷却される。冷却気体は、リング15のとこ
ろから、接続管30を経て送風機45により吸出され
る。その場合、気体冷却装置46内で気体が吸収してい
る熱量が除去される。冷却の温度/時間推移は、プロセ
スコンピュータにより既述のように調整される。所望温
度に冷却後、送風機45は停止され、ふた16が開けら
れ、冷却済みリング15が、マニピュレータ(図示せ
ず)により環状室14から取出され、一時的に扉23が
開かれ、搬出テーブル24上へ取出される。扉23が閉
じられた後、急冷装置は、ローラハースにより送られて
くる次のころがり軸受リング15の急冷の準備をする。
【0048】このような形式でガス焼入によりノズル域
で達成可能の急冷度が、図1の右側に、公知急冷システ
ムにより達成可能の急冷度と比較して記載されている。
図示の4つのノズル域のノズル孔直径dは、それぞれ
1、2、4、8mmである。ノズルピッチtとノズル域
間隔hとは5×dの値である。気体速度wは100m/
secである。
【0049】気体供給に要する送風機出力は、ノズル域
2当りkwで約
【0050】
【数1】
【0051】である。この出力はノズル域m2当り10
00kwの最大限界値を上回ることはない。
【0052】各ノズル孔直径dには、1〜8バールの目
盛により気体圧力pが記載されている。
【0053】図1から分かる点は、急冷度は、ノズル孔
直径dが小さくなるにつれて次第に高い値となるという
点である。したがって、送風機出力を出来るだけ小さく
するには、d=1、2、4、8の図示の4つのノズル域
のなかから、出来るだけ小さいノズル域、たとえばd=
1mmのノズル域を選定する。この場合には、図表が示
しているように、過圧なしで既に中間の油冷の急冷度
(H=0.4〜0.7)が達せられる。これは、ノズル
域m2当り35〜50kwの送風機出力の場合である。
【0054】ノズル孔直径<1mmは、汚れの危険と間
隔が小さいため、特殊な場合以外には適用できない。
【0055】これに対し、被急冷工作物が大型であった
り、特殊な表面形状をもつ場合、たとえば歯車などの場
合には、ノズル孔直径dと同時に、工作物表面からのノ
ズル域の間隔hも増すことが必要となる。その場合に
は、H値が等しいさいは、圧力pを高くし、かく同じ程
度送風機出力を高くすることで補償する必要がある。
【0056】一般的には、間隔hが小さい値の場合、急
冷度は、冷却気体の圧力pを高めて、ノズル孔直径dを
小さくすることにより、高めることができる。更に急冷
度を高めるには、空気より熱伝導性の高い気体、特に水
素を添加すればよい。水素は、どのみち炉内の不活性ガ
スに含有されていることが多い。水素に匹敵する効果を
もつヘリウムの添加は、経済的な理由から通例は問題外
である。図1の図表が示しているように、ノズル孔直径
1mm、圧力8バールの場合に、たとえば40vol.
%の水素を添加することにより、直ちに水冷時に典型的
な急冷度(H=2)が可能となる。
【0057】図2〜図5に示した急冷装置は、連続炉、
たとえばローラハース炉4に付加取付けされた場合、と
くに得られる利点は、次の加工工程の前に熱処理と急冷
を要する工作物の製造ライン内に、連続炉と一緒に直接
に配置できる点である。このようなことは、たとえば油
冷システムの場合には、火災発生の危険のため、直ちに
には可能ではない。また、熱処理の全工程を自動化で
き、必要とあれば、工作物の時間単位当り処理量を高め
ることも可能である。他方、同時に工作物を、場合によ
っては、個々の段階で異なる気体入口温度により段階的
に冷却することも可能である。そのさい、必要とあれ
ば、工作物の校正等の中間作業を間そうすることもでき
る。このことを、図6について略説する:ローラハース
炉4のローラハース6上には、この場合、ころがり軸受
リング15が3列に並置されて炉室5内を搬送される。
連続搬送されるリング15の最前列が、炉出口22の近
くに配置された光電スイッチ65を遮光すると、急冷装
置へ通じる出口側ローラハース区分66が高速駆動装置
67により駆動される。この駆動装置67が、リング列
を、次のリング列との間隔を拡げて炉出口22から第1
の冷却ステーションAへ送入する。冷却ステーションA
には、3つの急冷装置1が共通のケーシング68内に並
置されている。ケーシング68は、ローラハース炉4の
出口側に直接にフランジ結合されており、その冷却気体
出入口は、図6では矢印69,70で示されている。急
冷装置1のそれぞれは、図2に示したように構成されて
いる。
【0058】互いに並置されたころがり軸受リング15
は、同時に第1冷却ステーションAの3つの急冷装置1
内で所定の第1の温度値に冷却されたのち、マニピュレ
ータ(図示せず)によって、等しい構成の後置第2冷却
ステーションBの3つの急冷装置1内へ送入される。こ
の第2急冷ステーションBでは室温にまで冷却されたの
ち、それぞれ3個のリング15から成る工作物群は共通
の搬出テーブル29,24を介して搬出される。
【0059】この段階的急冷時の温度/時間の推移は、
図7に示されており、この推移を本発明の方法の以下の
例で説明する: 例:材料100Cr6から成るころ軸受のリング15を
通常の油冷の代りにノズル区域で急冷硬化される。
【0060】工作物データ: 外径 : 140mm 内径 : 116mm リング幅: 40mm 質量 1.5kg 表面(内・外) 0.032m2 質量/表面: 47kg/m2 この鋼材の場合、800℃から500℃への臨界冷却時
間は約10秒であるから、油による急冷に相応する0.
8のH値が必要である。前記のリング寸法の場合、ノズ
ル域2(図1)を選択する。
【0061】ノズル域2 ノズル直径d : 2mm ノズルピッチt: 10mm 被冷却面との間隔h:10mm 外方のノズル数: 200 内方のノズル数: 126 ノズル総数 : 326 ノズル域面積 : 0.032m2 ノズル横断面積合計:0.001m2 気体速度 : 100m/s 気体流量 : 360m3/h
【0062】
【表1】
【0063】バリアント1の送風機出力は、油浴の循環
ポンプの出力に比較できるものである。各リング当り約
20秒の冷却時間で、硬化材料kg当りの所要エネルギ
ーは、バリアント1の場合は0.01kwhであり、バ
リアント2の場合は0.04kwhである。
【0064】急冷段階では、10秒後に、回転リングの
中核での温度は500℃に冷却される。18秒後にはリ
ングの表面は280℃に冷却され(光学的検知)、冷却
が停止される(冷却ステーションA)。
【0065】第II段階では、リングは別のノズル域で
過冷循環気体により、約0℃まで冷却され、完全マルテ
ンサイトが形成される(冷却ステーションB)。
【0066】前記例の場合には約10秒を要する800
℃から500℃への臨界急冷時間は、非合金鋼及び低合
金鋼の場合には、より短縮されうる。その目的のために
必要な、急冷作用の極めて急速な調整及び急冷装置1の
極めて短い運動経過は、公知のガス焼入装置の場合とは
異なり、本発明の場合には、再現可能な経済的な形式で
難なく達成可能である。被急冷工作物表面と熱伝達係数
αの値の高い気体流との間での、必要な熱伝達は、本発
明による方法の場合、比較的小さなノズル直径dと、被
冷却工作物表面から僅かな間隔hとを有するノズル域に
より達成可能である。最初の数秒間で工作物表面のとこ
ろでの熱流密度はMw/m2の域に入るので、冷却気体
は可なり加熱され、図示のように、α値ではその経過を
正確には記述できない。このため、急冷作用を表わすに
は、鉄鋼の急冷時に用いられるH値を利用する。工作物
の急冷成績、つまり表面が急冷硬化された工作物の横断
面全体にわたる硬化の推移は、材料、すなわち鋼合金、
横断面積、急冷度(H値)に従属する。この公知の関係
から、H値は鋼製工作物について決定することができ
る。この目的のために、実際には特別の円筒形試料が用
いられることが多い(たとえば『鉄鋼の熱処理技術』V
EBドイツ原料工業出版社、ライプツィヒ、第2版、
p.604参照)。
【0067】図示の実施例の場合、ノズル域には円筒形
のノズル孔25が設けられている。原則として、別の横
断面形式、たとえばスリット状ノズルその他も利用可能
であることを、指摘しておく。冷却気体としては、その
時々の使用目的に利用可能なあらゆる気体及び気体混合
物を用いることができる。そのなかには、空気、窒素、
その他が含まれる。
【0068】本発明による方法の場合、工作物15は、
すべて個々に急冷される。これは、通例、このようにす
ることによってのみ、ノズル域を被急冷工作物表面の形
状に十分に密接に適合させ、工作物表面との間隔を十分
に狭くすることができるからである。しかし、また特定
の場合、たとえば環状の工作物の場合には、複数工作物
をノズル域により囲まれた空間内へ、たとえば上下に収
容し、この空間内で処理することも考えられる。その場
合は、言うまでもなくノズル域を工作物表面形状に適合
させるように留意せねばならない。工作物が複数の小さ
な個別部品、たとえば小さなねじ等から成り、それらの
部品が一様な、低いばら荷高さで気体透過性担体、たと
えばワイヤ製ケージ内に入れられている場合もある。そ
のような場合には、ノズル域を、ばら荷の上側と下側に
設け、ばら荷の寸法と形態にノズル域を適合させるよう
にする。
【0069】被処理工作物の形状や構造によっては、場
合により、被急冷工作物表面の特定区域で別の、特に、
より低い急冷度で冷却する必要が生じる。その場合に
は、たとえば、ノズル域のノズル孔25に、個々に、も
しくはグループ毎に閉鎖部材又は絞り部材を設けてお
く。その一例が、図3に絞りリング70の形式で示され
ている。このリング70は、インサート5の外側円筒形
壁13上に縦方向に移動可能に配置されている。
【0070】図2については、すでに、冷却中にころが
り軸受リング15が固定的なノズル域に対して回転せし
められることを説明した。しかしながら、逆にころがり
軸受リング15を固定し、インサート5とノズル域とを
回転させるように構成することも可能である。また、工
作物及び又はノズル域を軸方向に上下運動させることも
考えられる。これは簡単な機械式手段により実現可能で
ある。
【0071】図7については、2つの前後に設けられた
冷却ステーションA,Bにおいて、ころがり軸受リング
15を2段階に分けて冷却することを説明した。しか
し、このように複数冷却ステーションへの分割は不要で
あることが多い。プロセスコンピュータ62を相応にプ
ログラミングすることによって、所定時間後に、プログ
ラムに従って気体速度w及び又は気体圧力pが低減され
て、冷却作用が絞られ、それによって油冷又は塩浴によ
る急冷硬化作用に似た作用が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来形式の急冷システムと比較して、種々のノ
ズル域に対する本発明により達成可能の急冷度を示した
図。
【図2】ローラハース炉の炉室出口に付加設置した本発
明による急冷装置を軸方向に切断して示した略示断面
図。
【図3】図2の急冷装置のノズル域を軸方向に切断し、
異なる縮尺で示した断面図。
【図4】図3のA−A線に沿った断面図。
【図5】図2の急冷装置の冷却気体供給装置を付属の制
御装置と一緒に示した略示図。
【図6】本発明による急冷装置を前後して2基備えたロ
ーラハース炉を示した略示平面図。
【図7】ノズル直径d=2mmのノズル域によりころが
り軸受リングを本発明により急冷した場合の温度/時間
の推移を示した図。
【符号の説明】
1 急冷装置 2 ケーシング 3 接続フランジ 4 ローラハース炉 5 炉室 6 ローラハース 8 ケーシング壁 12,13 円筒形壁 14 環状室 15 ころがり軸受リング(工作物) 16 ふた 17 シール 18 ピストンロッド 19 リフティングシリンダ 20 フード 21 装入・取出室 22 炉出口 23 扉 24 搬出テーブル 25 ノズル孔 28 圧力室 31 捕集室 36 かさ歯車 38 軸 42 タービンリング 43 ブレード

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属工作物を急冷する方法であって、油
    冷又は水冷の場合に典型的な範囲(H=0.2〜4)の急
    冷度を有し、急冷媒体を、急冷される工作物表面に作用
    させる形式のものにおいて、冷却気体を急冷媒体として
    用い、この急冷媒体を、ノズル域から噴出する個々の噴
    流の形式で被急冷工作物表面に作用させ、しかも、冷却
    気体の供給量をノズル域当り約1000kw/m2の所定最
    大限界値に制限した場合に、気体噴流のパラメータ、特
    に気体速度w、気体圧p、気体噴流横断面積、単位面積
    当りの噴流数等を相応に選定することにより、H=0.
    2〜4の値の急冷度を得ることを特徴とする、金属工作
    物を急冷する方法。
  2. 【請求項2】 急冷度が、気体噴流及び又は有効ノズル
    横断面の影響により調整又は制御されることを特徴とす
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 使用される急冷速度wがw=40〜20
    0m/secであることを特徴とする、請求項1又は2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 使用される急冷気体圧力pがp=0.5
    〜20バールの値であることを特徴とする、請求項1か
    ら3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 使用されるノズル域の有効ノズル直径d
    がd=0.5〜10mmの値であることを特徴とする、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 使用されるノズル域のノズルピッチtが
    t=4d〜8dの値(dはノズル有効直径)であること
    を特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 ノズル域が、被急冷工作物表面から間隔
    h=2d〜8dをおいて配置されていることを特徴とす
    る、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 急冷気体として、空気、窒素、混合ガス
    のいずれかが用いられることを特徴とする、請求項1か
    ら7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 急冷気体として保護ガスが用いられるこ
    とを特徴する、請求項1から7までのいずれか1項記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 急冷気体が、水素又は、空気より熱伝
    導率の高い他の気体を0〜100vol.%の割合で含
    有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれ
    か1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 工作物が加熱され、次いで急冷される
    工程が、この2つの工程に対して実質的に等しい気体雰
    囲気を有する室内で行なわれることを特徴とする、請求
    項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ノズル域によって少なくとも部分的に
    取囲まれた室内に少なくとも一時的に気体の過圧が維持
    されることを特徴とする、請求項1から11までのいず
    れか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 気体雰囲気が不活性ガスから成ること
    を特徴とする、請求項9,11,12のいずれか1項に
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 リング状又は管状の工作物の急冷に使
    用され、かつまた、そのさい工作物の形状に適合したノ
    ズル域から、冷却気体の噴流が、工作物の内側及び外側
    の外とう面へ、場合によっては端面へ作用せしめられる
    ことを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1
    項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 急冷の間に少なくとも一時的に被急冷
    工作物表面と噴流との間に相対運動が存続せしめられる
    ことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1
    項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 特に、回転対称的な工作物、たとえば
    リング、歯車、ディスク、軸、その他類似物を急冷室で
    処理するための、請求項1から15までのいずれか1項
    に記載の方法を実施する急冷装置であって、前記急冷室
    内に個々の工作物の受容に役立ち少なくとも部分的にノ
    ズル域により制限される少なくとも1つの室が設けられ
    ている形式のものにおいて、この室(14)が実質的に
    閉じられた構成を有しており、かつまたノズル域が装入
    される工作物(15)の被急冷表面の形状に適合するよ
    うに構成され、更にノズル域の配置及び寸法づけの形式
    によって、作業時には実質的に個別の冷却気体噴流が、
    油冷又は水冷のさいに特徴的なH=0.2〜0.4の急
    冷度をもって被急冷工作物表面に作用せしめられ、しか
    もその場合、冷却気体を供給する送風手段(45)の供
    給出力がノズル域m2当り約1000kw/m2の最大限
    界値に制限されていることを特徴とする、請求項1から
    15までのいずれか1項に記載の方法を実施する装置。
  17. 【請求項17】 前記の室(14)が、耐圧式に閉鎖可能
    の装入・取出口を有する過圧室として構成されているこ
    とを特徴とする、請求項16記載の装置。
  18. 【請求項18】 ノズル域の少なくとも数個のノズル
    (25)が、選択的に操作可能の絞り手段及び又は閉鎖
    手段(70)を備えていることを特徴とする、請求項1
    6又は17記載の装置。
  19. 【請求項19】 ノズル域が、少なくとも部分的に、ケ
    ーシング(2)内へ交換可能にそう入可能のインサート
    (5)のところに設けられていることを特徴とする、請
    求項16から18までのいずれか1項に記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記の室(14)内に装入された工作
    物(15)及び又はノズル域の少なくとも一部を回転さ
    せるための駆動手段(38)を有していることを特徴と
    する、請求項16から19までのいずれか1項に記載の
    装置。
  21. 【請求項21】 前記駆動手段が、冷却気体を負荷可能
    なタービン部材(42)を有することを特徴とする、請
    求項20記載の装置。
  22. 【請求項22】 少なくとも部分的にノズル域により制
    限された室(14)に、急冷中の工作物温度の測定装置
    (63,64)が配属されていることを特徴とする、請
    求項16から21までのいずれか1項に記載の装置。
  23. 【請求項23】 急冷過程の時間的推移を制御するプロ
    セス制御コンピュータ(62)が備えられており、この
    コンピュータ(62)に入力信号として、流量、圧力、
    温度、冷却気体組成等のプロセスデータ、幾何形状、寸
    法、材料組成等の工作物固有のデータ、ノズル域の特徴
    を示すデータのいずれか又はすべてが投入され、プログ
    ラムに従って計算された出力信号が発信され、ノズル域
    の冷却気体負荷及び又はノズル域の少なくとも数個のノ
    ズル(25)の冷却気体通過有効横断面及び又は工作物
    (15)とノズル域との間の相対運動に影響を与えるこ
    とを特徴とする、請求項16から22までのいずれか1
    項に記載の装置。
  24. 【請求項24】 プログラム制御手段(62)を有し、
    これらの手段を介して、噴流の速度w及び又は圧力p
    と、ノズル域のノズル(25)の有効横断面との双方又
    は一方に、相応の影響を与えることにより、被急冷工作
    物表面に対する噴流の冷却作用が、油冷硬化又は塩浴硬
    化のさいの急冷作用と似た影響を与え得ることを特徴と
    する、請求項16から23までのいずれか1項に記載の
    装置。
  25. 【請求項25】 連続炉、特にローラハース炉(4)
    の、不活性ガスを含む炉室(5)の出口に直接に接続さ
    れていることを特徴とする、請求項16から24までの
    いずれか1項に記載の装置。
  26. 【請求項26】 炉室(5)と接続された装入・取出室
    (21)を有し、この室(21)が、選択的に操作可能
    な扉(23)により閉じられていることを特徴とする、
    請求項25記載の装置。
  27. 【請求項27】 装入・取出室(21)が、ノズル域に
    より少なくとも部分的に囲まれた室(14)と、選択的
    に操作可能な閉鎖手段(16)を介して閉じられている
    ことを特徴とする、請求項16又は26のいずれか1項
    に記載の装置。
  28. 【請求項28】 少なくとも部分的にノズル域に取囲ま
    れた複数の室(14)が互いに並置され、互いに並列的
    に操作可能であり、同時的な急冷が可能に構成されてい
    ることを特徴とする、請求項16から27までのいずれ
    か1項に記載の装置。
  29. 【請求項29】 それぞれノズル域により少なくとも部
    分的に取囲まれ、互いに前後に位置せしめられた室(1
    4)を有し、これらの室(14)を、場合により他の処
    置ステーションを間そうの上、被急冷工作物(15)が
    順次に通過可能であり、かつまた、異なる急冷条件で作
    業しうるように構成されていることを特徴とする、請求
    項16から28までのいずれか1項に記載の装置。
  30. 【請求項30】 工作物が、小さな部材から成り、これ
    らの部材が、気体透過性の担体上に一様に少数だけばら
    荷として載せられ、かつまたノズル域がこのばら荷の上
    側と下側の形状と寸法とに適合せしめられていることを
    特徴とする、請求項16から29までのいずれか1項に
    記載の装置。
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