JPH0599A - ホスフアターゼの活性測定法 - Google Patents

ホスフアターゼの活性測定法

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JPH0599A
JPH0599A JP15202891A JP15202891A JPH0599A JP H0599 A JPH0599 A JP H0599A JP 15202891 A JP15202891 A JP 15202891A JP 15202891 A JP15202891 A JP 15202891A JP H0599 A JPH0599 A JP H0599A
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phosphatase
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acid
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JP15202891A
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Masahiko Yamazaki
誠彦 山崎
Mikio Kamiyama
幹夫 神山
Satoru Kawakatsu
哲 川勝
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリ性ホスファターゼや酸性ホスファタ
ーゼの活性を正確に、つまり血清中のヘモグロビンやビ
リルビンの影響を受けることなく、しかも比較的短時間
で、そして簡単に測定できる技術を提供することであ
る。 【構成】 下記の一般式で表される色原体基質が用いら
れるホスファターゼの活性測定法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホスファターゼの活性
測定法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】人の体液中のアルカリ性ホスファターゼ
の活性を知ることは臨床検査上極めて重要である。すな
わち、一般に、アルカリ性ホスファターゼの活性が高い
時は、肝臓、骨などの新陳代謝が不順な状態にあり、肝
臓病、くる病、骨肉腫、甲状線異常などの症状が現れ
る。従って、アルカリ性ホスファターゼの活性を測定す
る為に種々の方法が考え出されている。
【0003】日常の臨床検査におけるアルカリ性ホスフ
ァターゼ定量法としては、操作が簡単で、かつ、再現性
の良いことが必要であるが、この目的にはいわゆる比色
法と蛍光法とがある。比色法は、アルカリ性ホスファタ
ーゼの作用によって加水分解されて色素あるいは色素の
前駆体を放出する化合物を酵素反応の基質として用い、
酵素反応の結果放出される色素を比色定量することによ
り、あるいは酵素反応の結果放出される色素前駆体に試
薬を加えて化学反応させて色素に変え、この色素を比色
定量することによりアルカリ性ホスファターゼの活性度
を知る方法であり、広く普及している比色計あるいは分
光光度計を用いて定量できるという利点がある。蛍光法
は、アルカリ性ホスファターゼの作用によって加水分解
され、蛍光物質を放出する化合物を酵素反応の基質とし
て用い、酵素反応の結果放出される発蛍光物質の蛍光強
度を測定することによりアルカリ性ホスファターゼの活
性度を知る方法であり、比色法に比べて感度が高いが、
微量に共存する発蛍光物質による妨害を受け易く、しか
も蛍光光度計があまり普及していないという難点があ
る。
【0004】ところで、比色法によるアルカリ性ホスフ
ァターゼの定量には、酵素の作用下で加水分解により色
素を放出する基質を用い、放出された色素を比色定量す
る方法が用いられている。このような基質として、従来
では、p−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム(O.
A.Bessey,O.H.Lowry及びM.J.B
roch、Journal of Biologica
l Chemistry、第164巻、321頁、19
46年)、リン酸フェノールフタレイン(A.L.Ba
bson,S.J.Greeley,C.M.Cole
man及びG.E.Phillips、Clinica
l Chemistry、第12巻、482頁、196
6年)、リン酸チモールフタレイン(C.M.Cole
man、Clinical Chemistry、第1
3巻、401頁、1966年)あるいはチモールブルー
モノホスフェイト(特開昭51−136662号公報)
が提案されている。
【0005】上記基質のうちp−ニトロフェニルリン酸
二ナトリウムを用いる方法(Bessey−Lowry
法)は、アルカリ性ホスファターゼの定量法として最も
広く用いられているが、比色波長が410nmである
為、血清中のビリルビンやヘモグロビンなどの有色物に
よる妨害を免れ得ず、妨害を避ける為には検体盲検が必
要となり、それだけ操作が繁雑になる欠点がある。リン
酸フェノールフタレイン、リン酸チモールフタレインあ
るいはチモールブルーモノホスフェイトの基質を用いる
法においては、比色波長がさらに長波長域にある為、p
−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム法の欠点は克服さ
れている。しかしながら、フタレイン類のモノリン酸エ
ステルは純度の高いものを合成することが難しい。つま
り、これらのモノリン酸エステルは、対応するフタレイ
ンを分子中の1個の水酸基をオキシ塩化リンと反応させ
て得られるフタレインのモノホスホロジクロリデートを
加水分解して合成するが、フタレインに対するオキシ塩
化リン量が多いと、フタレイン分子中の2個の水酸基が
ホスホリル化されてしまい、又、フタレインに対するオ
キシ塩化リンの量が少ないと、オキシ塩化リン1分子に
対してフタレインが2分子あるいは3分子反応するの
で、生成物が2種あるいは3種の混合物となり、アルカ
リ性ホスファターゼの定量用の基質として不適当な化合
物が副生する。そして、反応後の単離精製は繁雑であ
り、純度の高い生成物を大量に合成することは困難であ
る。
【0006】又、酸性ホスファターゼは、前立腺、肝
臓、脾臓、顆粒球、赤血球、骨などの組織に広く分布し
ており、中でも前立腺組織とその分泌液の中に大量に含
まれていて、前立腺導管の閉塞によって血中濃度が上昇
することから、前立腺疾患の診断指標として利用されて
いる。酸性ホスファターゼ活性の測定方法としては、使
用する基質で分類すると、グリセロリン酸法、フェニル
リン酸法、p−ニトロフェニルリン酸法、α−ナフチル
リン酸法、チモールフタレインモノリン酸法、ブロムフ
ェノールブルーモノリン酸法、2,6−ジクロル−4−
ニトロフェニルリン酸法等が提案されている。これらの
うち試料中に共存する物質による影響を比較的受け難
く、レイトアッセイによる測定が可能な方法としては、
α−ナフチルリン酸法、ブロムフェノールブルーモノリ
ン酸法、2,6−ジクロル−4−ニトロフェニルリン酸
法等が挙げられる。
【0007】しかしながら、α−ナフチルリン酸法は、
酸性ホスファターゼにより分解遊離したα−ナフトール
をジアゾ試薬を用いてジアゾカップリング反応により発
色させるものであって、この反応の阻害剤である還元性
物質の影響を受け易い。又、ブロムフェノールモノリン
酸法や2,6−ジクロル−4−ニトロフェニルリン酸法
においては、酸性ホスファターゼにより分解遊離するブ
ロムフェノールブルーや2,6−ジクロル−4−ニトロ
フェノール等を直接測定する為、試料中に共存する物質
による影響は軽微であるが、基質そのものの安定性が悪
く、測定試液中のみならず、固形状態で保存した場合で
も化学的な分解が起こり易く、それ故基質を使用直前に
合成あるいは精製する必要があったり、測定試液調製後
極く短時間しか使用できない等の問題がある。
【0008】これに対し、基質の分解を防ぐ代わりに、
安定性の良い2−クロル−4−ニトロフェニルリン酸を
用いる方法が提案(特公昭58−6480号公報、特開
昭62−96099号公報、特開昭62−115298
号公報)されているが、2−クロル−4−ニトロフェニ
ルリン酸は溶液中での安定性は従来のものに比較して良
いものの、酸性ホスファターゼとの反応の結果遊離され
る2−クロル−4−ニトロフェノールのpKaが5.4
である為、酸性ホスファターゼの至適pHである5〜6
の範囲での検出感度が低く、レイトアッセイによる測定
には利用できないという問題がある。
【0009】この問題を解決すべく、2−クロル−4−
ニトロフェニルリン酸を基質として含む酸性ホスファタ
ーゼの活性測定用試液に、シクロデキストリンやクラウ
ンエーテル等の包接化合物を共存させ、酸性ホスファタ
ーゼとの反応の結果遊離する2−クロル−4−ニトロフ
ェノールの見かけのpKaをより酸性側に移行させ、検
出感度を上昇させる方法が提案(特公昭58−5013
57号公報及び特開昭62−115298号公報)され
ている。しかしながら、この方法により調製された酸性
ホスファターゼ活性測定用試液においては、遊離してく
る2−クロル−4−ニトロフェノールの検出感度は上昇
するが、反面、基質である2−クロル−4−ニトロフェ
ニルリン酸の測定試液中での安定性が著しく低下すると
いう現象が起きる。この為、この方法を利用した酸性ホ
スファターゼ測定用の試液においては、測定試液を基質
溶液と包接化合物溶液との二つに分ける二液法としなけ
ればならず、実際の測定には応用し難い。
【0010】
【発明の開示】本発明の目的は、アルカリ性ホスファタ
ーゼや酸性ホスファターゼの活性を正確に、つまり血清
中のヘモグロビンやビリルビンの影響を受けることな
く、しかも比較的短時間で、そして簡単に測定できる技
術を提供することである。この本発明の目的は、下記の
一般式で表される色原体基質が用いられることを特徴と
するホスファターゼの活性測定法によって達成される。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、Arは置換基を有していても良い
フェニル基又はナフチル基、Rは一価の置換基、Zは6
員環を形成する為の原子群で、形成された環は置換基を
有していても良く、Xは、水素原子、アルカリ金属又は
含窒素有機塩基である。)上記本発明の色原体基質にお
けるArとしては、置換基を有していても良いフェニル
基またはナフチル基であり、かかる置換基としては、例
えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原
子、ニトロ基、スルホ基、アミノ基(アミノ、アルキル
アミノ、アニリノ、N−アルキルアニリノ等)、アルキ
ル基(メチル、エチル、プロピル等)、アルコキシ基
(メトキシ、エトキシ等)、アミド基(アセトアミド
等)、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、
アルキルスルホニル基などが挙げられる。
【0013】又、Rで表される一価の置換基のうちの原
子としてはハロゲン原子が好ましく、有機基としては脂
肪族炭化水素残基、ヘテロ環残基、アリール基、−NR
1 SO2 2 、−SO2 NR1 2 、−SO3 M等が挙
げられ、又、前記Arに係る置換基と同様なものも挙げ
られる。ここで、R1 ,R2は水素原子、脂肪族炭化水
素を表し、Mは水素原子、アルカリ金属を表す。
【0014】Zとしてはフェニル基、ピリジニル基、ピ
ラジニル基、チアジニル基などが挙げられ、フェニル基
が特に好ましい。Xで表される含窒素有機塩基として
は、アニリン、o−メチルアニリン等のアニリン誘導体
やモノエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルア
ミン化合物、ピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げら
れる。
【0015】本発明で用いられる色原体基質の具体例と
しては、次のようなものが有る。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】
【化17】
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】尚、上記一般式で表される化合物のうち、
例えば〔化3〕の化合物は次のようにすれば合成でき
る。先ず、オキシ塩化リン2mlとアセトン10mlと
を混ぜて−10℃に冷却し、この溶液に2−フェニルア
ゾ−4−メトキシ−1−ナフトール1gを4mlのピリ
ジン、4mlのアセトン及び3mlのトリメチル酸に溶
かした溶液を10分間かけて滴下した。尚、この間反応
液の温度は0℃以下に保つ。
【0035】次いで、氷水10mlを加え、20分間攪
拌した。反応混合物を20mlの飽和食塩水と少量の氷
との混合物に加え、生じた結晶を濾取した。この結晶を
水に懸濁し、1NのNaOH水溶液を加え、pH10と
した。不溶物を濾過手段で除去した後、濾液を70ml
のエタノール中に加え、析出した結晶を濾取し、エタノ
ールで洗浄した後、乾燥すると、上記〔化3〕で表され
る化合物の黄色の結晶0.5gが得られる。
【0036】本発明の化合物を用いてアルカリ性ホスフ
ァターゼを定量するには、Bessey−Lowry法
におけるp−ニトロフェニルリン酸二ナトリウムの代わ
りに本発明の化合物を用い、Bessey−Lowry
法において酵素反応の結果生じるp−ニトロフェノール
の量を求める代わりに本発明の化合物から生じる色素の
量を求めればよい。
【0037】例えば、本発明の化合物をpH8.5ない
し11.0前後の緩衝液に溶解し、基質液を調製する。
この時、基質液に、酵素活性化剤(例えば塩化マグネシ
ウム)等を添加すると好ましい。この時、本発明の化合
物は、基質液中に約0.5ないし50mMの濃度で存在
していることが好ましい。次に、この基質液に、被測定
物であるアルカリ性ホスファターゼを含有する液を添加
し、反応を行わせる。尚、本発明の化合物は、アルカリ
性ホスファターゼに対して過剰に、すなわちモル比で1
0倍以上存在していることが好ましい。上記反応は、約
10ないし50℃の温度で約5ないし15分間行われ
る。そして、必要に応じて、溶液のpHを塩基または酸
を添加して上げたり、下げたり、場合によってはDM
F、メチルセロソルブ等の有機溶剤を添加してこの反応
を停止させ、このときの生成した色素の濃度を分光光度
計などによって濃度測定することによって、必要によ
り、検量線からアルカリ性ホスファターゼが定量され
る。比色波長は当該色素の吸収極大波長付近に設定すれ
ばよいが、比色の際にシクロデキストリン類のような包
接化合物、好ましくはα−シクロデキストリンを添加す
ることにより、吸収極大波長を長波長側へシフトさせる
ことも可能である。尚、シクロデキストリン類の添加量
は、比色液1ml当たり0.1ないし20ml、好まし
くは1ないし10mlである。
【0038】本発明の化合物を用いて酸性ホスファター
ゼを定量するには、上記アルカリ性ホスファターゼの定
量操作と同様にすれば良い。尚、基質液調整時のpHは
5.0ないし7.0であり、そして本発明の化合物は、
基質液中に約0.5ないし50mMの濃度で存在してい
ることが好ましい。又、本発明の目的は、アスコルビン
酸−2−リン酸を基質としてホスファターゼの活性を測
定する方法であって、酵素反応で生成したアスコルビン
酸により金属を還元し、この還元金属とキレート化合物
を形成する色原体との反応により生成した色素からホス
ファターゼの活性を測定することを特徴とするホスファ
ターゼの活性測定法によって達成される。
【0039】本発明にあっては、ホスファターゼの作用
によりアスコルビン酸−2−リン酸が加水分解されて生
成するアスコルビン酸で酸化状態の高い金属イオンがよ
り低い酸化状態のものに還元される訳であるが、このよ
うな金属イオンとしては例えば鉄イオン、コバルトイオ
ン、銅イオン、ニッケルイオン、亜鉛イオン、パラジウ
ムイオン、ガリウムイオン、ルテイウムイオン、ロジウ
ムイオン等が有る。例えば、アスコルビン酸によりFe
3+→Fe2+、Co4+→Co3+といったように還元され
る。尚、これらの金属イオンの供給源としては塩化物、
硫酸化物などの塩の形態のものを用いることが出来る。
酵素反応で生成したアスコルビン酸により還元型のもの
とされた金属イオンとキレートを形成する色原体として
は、例えば次のようなものが挙げられる。
【0040】
【化21】
【0041】尚、この化合物(2,9−ジメチル−1,
10−フェナントロリン)はCu(I)と反応して橙黄
色のキレート化合物(λmax=454nm)を生成す
る。
【0042】
【化22】
【0043】尚、この化合物(2−ニトロソ−5(N−
エチル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール)はF
e(II)、Co(III)、Ni(II)、Cu(I
I)と反応してキレート化合物を生成する。
【0044】
【化23】
【0045】尚、この化合物(2−(5−クロロ−2−
ピリジルアゾ)−5−ジエチルアミノフェノール)はF
e(II)、Co(II)、Ni(II)、Cu(I
I)と反応してキレート化合物を生成する。
【0046】
【化24】
【0047】尚、この化合物(2−(5−ブロモ−2−
ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロ
ピルアミノ)フェノール2ナトリウム塩)はZn(I
I)と反応して赤色のキレート化合物(λmax=55
2nm)を生成する。又、Cu(II)、Fe(I
I)、Ni(II)、Co(II)、Rh(III)、
Pd(II)、Ru(III)、Pt(II)等とも反
応してキレート化合物を生成する。
【0048】
【化25】
【0049】尚、この化合物(2−(5−ブロモ−2−
ピリジルアゾ)−5−ジエチルアミノフェノール)はC
u(II)、Ni(II)、Co(II)、Zn(I
I)、U(VI)、V(V)等と反応してキレート化合
物を生成する。
【0050】
【化26】
【0051】尚、この化合物(2−(2−ピリジルア
ゾ)クロモトロピックアシッド2ナトリウム塩)はCo
(II)、Ni(II)等と反応してキレート化合物を
生成する。
【0052】
【化27】
【0053】尚、この化合物(4−(5−ブロモ−2−
ピリジルアゾ)−1,3−ジアミノベンゼン)はCo
(III)等と反応してキレート化合物を生成する。
【0054】
【化28】
【0055】尚、この化合物(2−(5−ブロモ−2−
ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロ
ピルアミノ)アニリン2ナトリウム塩)はCu(I
I)、Fe(II)、Ni(II)、Co(III)等
と反応してキレート化合物を生成する。
【0056】
【化29】
【0057】尚、この化合物(4,7−ジフェニル−
1,10−フェナントロリンジスルホン酸2ナトリウム
塩)はCu(I)、Fe(II)等と反応してキレート
化合物を生成する。
【0058】
【化30】
【0059】尚、この化合物(4,7−ジフェニル−
2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリンジスル
ホン酸2ナトリウム塩)はCu(I)等と反応してキレ
ート化合物(λmax=483nm)を生成する。
【0060】
【化31】
【0061】尚、この化合物(4,7−ジフェニル−
1,10−フェナントロリン)はFe(II)、Cu
(I)等と反応してキレート化合物を生成する。
【0062】
【化32】
【0063】尚、この化合物(2−ニトロソ−5−(N
−プロピル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール)
はFe(II)、Ni(II)、Co(III)等と反
応してキレート化合物を生成する。
【0064】
【化33】
【0065】尚、この化合物(2−(3,5−ジブロモ
−2−ピリジルアゾ)−5−ジエチルアミノフェノー
ル)はCo(II)、Pd(II)、Ti(III)等
と反応してキレート化合物を生成する。
【0066】
【化34】
【0067】尚、この化合物(2−(5−ニトロ−2−
ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N−スルホプロ
ピルアミノ)フェノール2ナトリウム塩・2水和物)は
Ni(II)、Co(III)、Fe(II)、Cu
(II)、Zn(II)等と反応してキレート化合物を
生成する。
【0068】
【化35】
【0069】尚、この化合物(2−〔2−(3,5−ジ
ブロモピリジル)アゾ〕−5−ジメチルアミノベンゾイ
ックアシッド)はNi(II)、Co(III)、Fe
(II)、V(V)等と反応してキレート化合物を生成
する。
【0070】
【化36】
【0071】尚、この化合物(4−(3,5−ジブロモ
−2−ピリジルアゾ)−N−エチル−N−スルホプロピ
ルアニリン)はCu(II)等と反応してキレート化合
物を生成する。
【0072】
【化37】
【0073】尚、この化合物(1−(2−ピリジルア
ゾ)−2−ナフトール)はCo(II)、Cu(I
I)、Mn(II)等と反応してキレート化合物を生成
する。
【0074】
【化38】
【0075】尚、この化合物(3−(2−ピリジル)−
5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン)はFe
(II)、Cu(I)、Ru(II)等と反応してキレ
ート化合物を生成する。
【0076】
【化39】
【0077】尚、この化合物(3−(2−ピリジル)−
5,6−ビス(4−スルホフェニル)−1,2,4−ト
リアジン2ナトリウム塩)はCo(II)、Fe(I
I)、Cu(I)、Ru(III)、Os(VIII)
等と反応してキレート化合物を生成する。
【0078】
【化40】
【0079】尚、この化合物(1,10−フェナントロ
リン・1水和物)はFe(II)、Cu(I)、Ru
(II)等と反応してキレート化合物を生成する。本発
明によりホスファターゼを定量するには、酵素反応で生
成したアスコルビン酸により金属を還元し、この還元金
属とキレート化合物を形成する色原体とを作用させて生
成した色素量により求めれば良い。
【0080】例えば、アスコルビン酸−2−リン酸及び
金属塩化合物をpH8.5〜11.0前後の緩衝液に溶
解し、アルカリ性ホスファターゼ検出用基質液を調製す
る。尚、基質液に、酵素活性化剤(例えば塩化マグネシ
ウム)等を添加すると好ましい。この時、アスコルビン
酸−2−リン酸は基質液中に約1〜300mM、金属塩
化合物は基質液中に約1〜100mM、色原体は1〜3
00mMの濃度で存在していることが好ましい。尚、ア
スコルビン酸−2−リン酸と金属塩化合物は別々に用意
され、ホスファターゼの定量に際して混合されるように
しても良い。
【0081】次に、この基質液に、被測定物であるアル
カリ性ホスファターゼを含有する液を添加し、反応を行
わせる。尚、アスコルビン酸−2−リン酸及び金属塩化
合物は、アルカリ性ホスファターゼに対して過剰に、例
えばモル比で10倍以上存在していることが好ましい。
上記反応は、約10〜50℃の温度で約5〜15分間行
われる。そして、必要に応じて、溶液のpHを塩基また
は酸を添加して上げたり、下げたり、場合によってはD
MF、メチルセロソルブ等の有機溶剤を添加してこの反
応を停止させ、このときの生成した色素の濃度を分光光
度計などによって濃度測定することによって、必要によ
り、検量線からアルカリ性ホスファターゼが定量され
る。比色波長は当該色素の吸収極大波長付近に設定すれ
ばよい。
【0082】アスコルビン酸−2−リン酸を用いて酸性
ホスファターゼを定量するには、上記アルカリ性ホスフ
ァターゼの定量操作と同様にすれば良い。尚、基質液調
整時のpHは5.0〜7.0であり、そしてアスコルビ
ン酸−2−リン酸は基質液中に約1〜300mM、金属
塩化合物は基質液中に約1〜100mM、色原体は1〜
300mMの濃度で存在していることが好ましい。
【0083】又、本発明の目的は、アスコルビン酸−2
−リン酸を基質としてホスファターゼの活性を測定する
方法であって、酵素反応で生成したアスコルビン酸とテ
トラゾリウム塩との反応により生成した色素からホスフ
ァターゼの活性を測定することを特徴とするホスファタ
ーゼの活性測定法によって達成される。本発明にあって
は、ホスファターゼの作用によりアスコルビン酸−2−
リン酸が加水分解されて生成するアスコルビン酸とテト
ラゾリウム塩との反応により生成した色素量からホスフ
ァターゼの活性が測定される訳であるが、用いられるテ
トラゾリウム塩としては、例えば次のようなものが挙げ
られる。
【0084】
【化41】
【0085】
【化42】
【0086】
【化43】
【0087】
【化44】
【0088】
【化45】
【0089】
【化46】
【0090】そして、ホスファターゼの定量の具体的な
操作は次のようにして行われる。例えば、アスコルビン
酸−2−リン酸及びテトラゾリウム塩をpH8.5〜1
1.0前後の緩衝液に溶解し、基質液を調製する。この
時、基質液に、酵素活性化剤(例えば塩化マグネシウ
ム)等を添加すると好ましい。尚、アスコルビン酸−2
−リン酸は基質液中に約1〜300mMの濃度で、又、
テトラゾリウム塩は基質液中に約0.1〜50mMの濃
度で存在していることが好ましい。尚、テトラゾリウム
塩とアスコルビン酸−2−リン酸とを別々のものとして
おき、ホスファターゼの定量に際して混合するようにし
ても良い。
【0091】次に、この基質液に被測定物であるアルカ
リ性ホスファターゼを含有する液を添加し、反応を行わ
せる。尚、アスコルビン酸−2−リン酸やテトラゾリウ
ム塩は、アルカリ性ホスファターゼに対して過剰に、例
えばモル比で10倍以上存在していることが好ましい。
上記反応は、約10〜50℃の温度で約5〜15分間行
われる。そして、必要に応じて、溶液のpHを塩基また
は酸を添加して上げたり、下げたり、場合によってはD
MF、メチルセロソルブ等の有機溶剤を添加してこの反
応を停止させ、このときの生成した色素の濃度を分光光
度計などによって濃度測定することによって、必要によ
り、検量線からアルカリ性ホスファターゼが定量され
る。比色波長は当該色素の吸収極大波長付近に設定すれ
ばよいが、比色の際にシクロデキストリン類のような包
接化合物、好ましくはα−シクロデキストリンを添加す
ることにより、吸収極大波長を長波長側へシフトさせる
ことも可能である。尚、シクロデキストリン類の添加量
は、比色液1ml当たり0.1〜20ml、好ましくは
1〜10mlである。
【0092】アスコルビン酸−2−リン酸を用いて酸性
ホスファターゼを定量するには、上記アルカリ性ホスフ
ァターゼの定量操作と同様にすれば良い。尚、基質液調
整時のpHは5.0〜7.0であり、アスコルビン酸−
2−リン酸は基質液中に約1〜300mMの濃度で、
又、テトラゾリウム塩は基質液中に約0.1〜50mM
の濃度で存在していることが好ましい。
【0093】又、前立腺癌の診断の場合に、L(+)酒
石酸が酸性ホスファターゼの内の前立腺画分を抑制する
作用があることを利用し、これを用いて測定を行うこと
があるが、このような場合にも本発明の測定試液は既存
の酸性ホスファターゼ活性測定用試液と同様に使用可能
である。本発明で用いられるホスファターゼ活性測定用
試液は、血液、尿等生体試料中のホスファターゼ活性の
測定に極めて有効に使用でき、その測定法として、一点
測定法、レイトアッセイ法など何れにも適用できる。
又、本発明におけるホスファターゼ活性測定用試液を用
いる測定法は、用手法に用い得ることは勿論であるが、
自動分析装置への適用性もよく、例えば本発明のホスフ
ァターゼ活性測定用試液とL(+)酒石酸を含む緩衝液
とを組み合わせて用いれば、1チャンネル内で総酸性ホ
スファターゼ活性と前立腺由来外酸性ホスファターゼ活
性とを連続して測定でき、非常に便利である。
【0094】又、本発明に用いられるホスファターゼ活
性測定用試液の調製方法としては、蒸留水や精製水によ
り所定濃度に溶解し、凍結乾燥品として保存しておき、
必要に応じて調製すれば良く、その他公知の臨床検査用
試薬の調製方法に準じて行えばよい。そして、この本発
明になる色原体基質によるアルカリ性ホスファターゼや
酸性ホスファターゼの活性測定は正確で、つまり血清中
のヘモグロビンやビリルビンの影響を受けることなく、
検出度に優れ、しかも比較的短時間で、そして簡単な操
作で測定でき、さらにはこの色原体基質の安定性は優れ
ており、かつ、合成および精製は容易なといった特長が
奏される。
【0095】
【実施例】
〔実施例1〕50m mol/lのコハク酸緩衝液(p
H6.0)10mlに上記本発明の化合物(〔化〔3〕
の化合物)40.2mgを溶解し、基質液とした。高酸
性ホスファターゼ患者血清を、そのまま、2倍及び6倍
に蒸留水で希釈した検体を用い、上記気質液1mlに検
体0.05mlを加え、よく攪拌した後37℃で15分
間反応を行い、その後蒸留水0.5mlを加えて混和
し、560nmでODを測定した。
【0096】又、検体の代わりに、0.02mlの蒸留
水を加えて同様の操作を行い、測定したブランク値をO
Doとした。検体は(OD−ODo)=△ODとして表
される。一方、比較例として、上記本発明の化合物
(〔化〔3〕の化合物)の代わりにp−ニトロフェニル
リン酸二ナトリウム20mgを用い、又、反応終了後に
蒸留水の代わりに2%の水酸化ナトリウム0.5mlを
用いた以外は全く同じように操作を行い、そして410
nmでODを測定した。ブランク値ODoも同様にして
求めた。
【0097】上記本発明の化合物を用いた方法による△
ODをY軸に、比較例における△ODをX軸にプロット
した結果は、 Y=1.287X となり、本発明の化合物を用いた酸性ホスファターゼの
測定は比較例の方法に比較して1.287倍の感度があ
ることが判明した。
【0098】すなわち、本発明の基質が用いられると、
高感度で、正確に酸性ホスファターゼの測定が簡単に行
えるのである。 〔実施例2〕0.1mol/lのグリシン緩衝液(pH
=10.5、塩化マグネシウム0.5m mol/l含
有)10mlに、上記本発明の化合物(〔化〔4〕の化
合物)45.1mgを溶解し、基質液とした。
【0099】高アルカリホスファターゼ患者血清を、そ
のまま、2倍及び6倍に蒸留水で希釈した検体を用い、
上記基質液1mlに検体0.02mlを加え、よく混合
した後37℃で15分間反応を行い、560nmでOD
を測定した。又、検体の代わりに、0.02mlの蒸留
水を加えて同様の操作を行い、測定してODoとした。
検体は(OD−ODo)=△ODとして表される。
【0100】一方、比較として、Bessey−Low
ry法を用いた。これは、上記本発明の化合物の代わり
にp−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム20mgを用
いた以外は全く同じように操作を行ったものである。上
記本発明の化合物(〔化〔4〕の化合物)を用いた方法
による△ODをY軸に、Bessey−Lowry法に
おける△ODをX軸にプロットした結果は、 Y=1.263X となり、本発明の化合物を用いたアルカリホスファター
ゼの測定はBessey−Lwory法に比較して1.
263倍の感度があることが判明した。
【0101】すなわち、本発明の基質が用いられると、
高感度で、正確にアルカリホスファターゼの測定が簡単
に行えるのである。 〔実施例3〕純水にて洗浄後、風乾したニトロセルロー
ス膜(バイオラッド社製)に、リン酸緩衝液(PBS)
にて段階希釈したアルカリホスファターゼ1μlをスポ
ットした。
【0102】風乾燥後1%ウシ血清アルブミン(BS
A)−PBS溶液により4℃にて一晩ブロッキングを行
い、次いで発色用基質液に浸積した。 〔発色用基質液〕 本発明の化合物(〔化〔4〕の化合物) 0.12mM 塩化マグネシウム 5mM 塩化ナトリウム 20mM トリスヒドロキシメチルアミノメタン 5mM を、純水に溶解し、pH=10.0に調整、最終容量を
100mlとした。
【0103】又、比較の為に、上記本発明の化合物
(〔化〔4〕の化合物)に代えて、0.012m mo
lの5−ブロモ−4−クロル−3−インドリルリン酸、
0.05m molのニトロ−TBをジメチルホルムア
ミド0.5mlに溶解し、混合した以外は同じものを調
製した。上記各々の発色用基質液を用いて60分間反応
後、十分水洗し、風乾した。
【0104】本発明の基質を用いた場合には0.001
Uのアルカリホスファターゼを検出できたが、比較の基
質液では0.01Uのスポットまでしかアルカリホスフ
ァターゼを検出できなかった。すなわち、本発明の基質
が用いられると、高感度で、正確にアルカリホスファタ
ーゼの測定が簡単に行えるのである。
【0105】〔実施例4〕 本発明に係るアルカリ性ホスファターゼ活性測定用基質
液を下記の組成で調整した。 〔本発明の基質液〕 アスコルビン酸−2−リン酸 5mmol 塩化第二鉄 1mmol 塩化マグネシウム 5mmol 2−ニトロソ−5−(N−プロピル−N−スルホプロピルアミノ) フェノール 3mmol トリスヒドロキシメチルアミノメタン 6mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH9.5に1
Nの硫酸で調整した後、最終容量を100mlとした。
【0106】 〔比較例の基質液〕 p−ニトロフェニルリン酸 5mmol 塩化マグネシウム 5mmol トリスヒドロキシメチルアミノメタン 6mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH9.5に1
Nの硫酸で調整した後、最終容量を100mlとした。
【0107】そして、各種の濃度のアルカリ性ホスファ
ターゼ水溶液を調整し、基質液1mlにアルカリ性ホス
ファターゼ水溶液0.02mlを加え、37℃で保温し
つつアルカリ性ホスファターゼ水溶液添加後30秒から
5分までの750nm(本発明の基質液)、410nm
(比較例の基質液)の吸光度(OD)を連続的に測定
し、1分間当たりのODの変化(ΔOD)を求めた。
【0108】本発明の基質液を用いたアルカリ性ホスフ
ァターゼの活性測定によるΔODをY軸に、比較例の基
質液を用いたアルカリ性ホスファターゼの活性測定によ
るΔODをX軸にプロットしたところ、Y=3.56X
であった。すなわち、本発明の基質液を用いたアルカリ
性ホスファターゼの活性測定は、比較例の基質液を用い
たアルカリ性ホスファターゼの活性測定に比べて感度が
3.56倍も高いものであった。
【0109】〔実施例5〕 本発明に係る酸性ホスファターゼ活性測定用基質液を下
記の組成で調整した。 〔本発明の基質液〕 アスコルビン酸−2−リン酸 5mmol 塩化第二コバルト 3mmol 2−(3,5−ジブロモ−2−ピリジルアゾ)−5− ジエチルアミノフェノール 5mmol コハク酸 7mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH6.5に1
Nの水酸化カリウムで調整した後、最終容量を100m
lとした。
【0110】 〔比較例の基質液〕 p−ニトロフェニルリン酸 5mmol コハク酸 6mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH6.5に1
Nの水酸化カリウムで調整した後、最終容量を100m
lとした。
【0111】そして、各種の濃度の前立線酸性ホスファ
ターゼ水溶液を調整し、本発明の基質液1mlに前立線
酸性ホスファターゼ水溶液0.05mlを加え、37℃
で10分間保温し、590nmの吸光度(OD)を測定
した。更に、前立線酸性ホスファターゼ水溶液を蒸留水
に代えて同様に行い、590nmの吸光度(OD0 )を
測定し、この差ΔOD(OD−OD0 )を求めた。
【0112】又、比較例の基質液1mlに前立線酸性ホ
スファターゼ水溶液0.05mlを加え、37℃で10
分間保温し、3Nの水酸化ナトリウム溶液0.05ml
を加え、混和後410nmの吸光度(OD)を測定し
た。更に、前立線酸性ホスファターゼ水溶液を蒸留水に
代えて同様に行い、410nmの吸光度(OD0 )を測
定し、この差ΔOD(OD−OD0 )を求めた。
【0113】本発明の基質液を用いた酸性ホスファター
ゼの活性測定によるΔODをY軸に、比較例の基質液を
用いた酸性ホスファターゼの活性測定によるΔODをX
軸にプロットしたところ、Y=7.96Xであった。す
なわち、本発明の基質液を用いた酸性ホスファターゼの
活性測定は、比較例の基質液を用いた酸性ホスファター
ゼの活性測定に比べて感度が7.96倍も高いものであ
った。
【0114】さらには、本発明の基質液を用いた酸性ホ
スファターゼの活性測定法は、比較例の基質液を用いた
酸性ホスファターゼの活性測定法よりも、操作が非常に
簡便である。 〔実施例6〕純水で洗浄後、風乾したニトロセルロース
膜(バイオラッド社製、ポアサイズ0.45μm)にリ
ン酸緩衝溶液(PBS溶液)で段階希釈したヤギIgG
をスポットした。
【0115】風乾後1%ウシ血清アルブミン−リン酸緩
衝溶液(BSA−PBS溶液)により4℃で一晩ブロッ
キングを行い、次いでアルカリ性ホスファターゼ標識ウ
サギ抗ヤギIgG抗体(カッペル社製、1%BSA−P
BS溶液で1500倍に希釈)と4℃で2時間反応させ
た。そして、0.05%Tween−20(ポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレート、和光純薬)−PB
S溶液にて5回洗浄し、下記の発色用基質液に15分間
浸漬して反応させた後、水洗し、風乾した。
【0116】その結果は、本発明の基質液が用いられた
場合には0.05ngまでのヤギIgGが検出できたも
のの、比較例の基質液が用いられた場合には1ngまで
のヤギIgGしか検出できなかった。 〔本発明の基質液〕 アスコルビン酸−2−リン酸 0.12mmol 塩化第二亜鉛 0.5 mmol 塩化マグネシウム 0.5 mmol 2−(5−ニトロ−2−ピリジルアゾ)−5−(N−プロピル−N− スルホプロピルアミノ)フェノール二ナトリウム塩 0.5 mmol トリスヒドロキシメチルアミノメタン 0.5 mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH8.5に3
Nの塩酸で調整した後、最終容量を100mlとした。
【0117】 〔比較例の基質液〕 5−ブロモ−4−クロル−3−インドリルリン酸 0.12mmol 3,3’−〔3,3’−ジメトキシ−(1,1’−ビフェニル)− 4,4’−ジイル〕−ビス〔2−(p−ニトロフェニル)−5− フェニル−2Hテトラゾリウムクロリド〕 0.5 mmol 塩化マグネシウム 0.5 mmol トリスヒドロキシメチルアミノメタン 0.5 mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH8.5に3
Nの塩酸で調整した後、最終容量を100mlとした。
【0118】〔実施例7〕 本発明に係るアルカリ性ホスファターゼ活性測定用基質
液を下記の組成で調整した。 〔本発明の基質液〕 アスコルビン酸−2−リン酸 5 mmol 塩化マグネシウム 5 mmol 3,3’−〔3,3’−ジメトキシ−(1,1’−ビフェニル)−4,4’ −ジイル〕−ビス〔2−(p−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H テトラゾリウムクロリド〕前記化〔41〕の化合物 0.5mmol トリスヒドロキシメチルアミノメタン 6 mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH9.5に1
Nの硫酸で調整した後、最終容量を100mlとした。
【0119】 〔比較例の基質液〕 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸 5 mmol 塩化マグネシウム 5 mmol 3,3’−〔3,3’−ジメトキシ−(1,1’−ビフェニル)−4,4’ −ジイル〕−ビス〔2−(p−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H テトラゾリウムクロリド〕前記化〔41〕の化合物 0.5mmol トリスヒドロキシメチルアミノメタン 6 mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH9.5に1
Nの硫酸で調整した後、最終容量を100mlとした。
【0120】そして、各種の濃度のアルカリ性ホスファ
ターゼ水溶液を調整し、基質液1mlにアルカリ性ホス
ファターゼ水溶液0.02mlを加え、37℃で保温し
つつアルカリ性ホスファターゼ水溶液添加後30秒から
5分までの530nmの吸光度(OD)を連続的に測定
し、1分間当たりのODの変化(ΔOD)を求めた。本
発明の基質液を用いたアルカリ性ホスファターゼの活性
測定によるΔODをY軸に、比較例の基質液を用いたア
ルカリ性ホスファターゼの活性測定によるΔODをX軸
にプロットしたところ、 Y=1.586X であった。すなわち、本発明の基質液を用いたアルカリ
性ホスファターゼの活性測定は、比較例の基質液を用い
たアルカリ性ホスファターゼの活性測定に比べて感度が
1.586倍も高いものであった。
【0121】〔実施例8〕本発明に係る酸性ホスファタ
ーゼ活性測定用基質液を下記の組成で調整した。 〔本発明の基質液〕 アスコルビン酸−2−リン酸 5 mmol 前記化〔41〕の化合物 0.5mmol コハク酸 7 mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH6.5に1
Nの水酸化カリウムで調整した後、最終容量を100m
lとした。
【0122】 〔比較例の基質液〕 p−ニトロフェニルリン酸 5 mmol 前記化〔41〕の化合物 0.5mmol コハク酸 6 mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH6.5に1
Nの水酸化カリウムで調整した後、最終容量を100m
lとした。
【0123】そして、各種の濃度の前立線酸性ホスファ
ターゼ水溶液を調整し、本発明の基質液1mlに前立線
酸性ホスファターゼ水溶液0.05mlを加え、37℃
で10分間保温し、590nmの吸光度(OD)を測定
した。更に、前立線酸性ホスファターゼ水溶液を蒸留水
に代えて同様に行い、590nmの吸光度(OD0 )を
測定し、この差ΔOD(OD−OD0 )を求めた。
【0124】又、比較例の基質液1mlに前立線酸性ホ
スファターゼ水溶液0.05mlを加え、37℃で10
分間保温し、3Nの水酸化ナトリウム溶液0.05ml
を加え、混和後410nmの吸光度(OD)を測定し
た。更に、前立線酸性ホスファターゼ水溶液を蒸留水に
代えて同様に行い、410nmの吸光度(OD0 )を測
定し、この差ΔOD(OD−OD0 )を求めた。
【0125】本発明の基質液を用いた酸性ホスファター
ゼの活性測定によるΔODをY軸に、比較例の基質液を
用いた酸性ホスファターゼの活性測定によるΔODをX
軸にプロットしたところ、 Y=2.185X であった。すなわち、本発明の基質液を用いた酸性ホス
ファターゼの活性測定は、比較例の基質液を用いた酸性
ホスファターゼの活性測定に比べて感度が2.185倍
も高いものであった。
【0126】さらには、本発明の基質液を用いた酸性ホ
スファターゼの活性測定法は、比較例の基質液を用いた
酸性ホスファターゼの活性測定法よりも、操作が非常に
簡便である。 〔実施例9〕純水で洗浄後、風乾したニトロセルロース
膜(バイオラッド社製、ポアサイズ0.45μm)にリ
ン酸緩衝溶液(PBS溶液)で段階希釈したヤギIgG
をスポットした。
【0127】風乾後1%ウシ血清アルブミン−リン酸緩
衝溶液(BSA−PBS溶液)により4℃で一晩ブロッ
キングを行い、次いでアルカリ性ホスファターゼ標識ウ
サギ抗ヤギIgG抗体(カッペル社製、1%BSA−P
BS溶液で1500倍に希釈)と4℃で2時間反応させ
た。そして、0.05%Tween−20(ポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレート、和光純薬)−PB
S溶液にて5回洗浄し、下記の発色用基質液に15分間
浸漬して反応させた後、水洗し、風乾した。
【0128】その結果は、本発明の基質液が用いられた
場合には0.05ngまでのヤギIgGが検出できたも
のの、比較例の基質液が用いられた場合には1ngまで
のヤギIgGしか検出できなかった。 〔本発明の基質液〕 アスコルビン酸−2−リン酸 0.12mmol 前記化〔41〕の化合物 0.5 mmol 塩化マグネシウム 0.5 mmol トリスヒドロキシメチルアミノメタン 0.5 mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH8.5に3
Nの塩酸で調整した後、最終容量を100mlとした。
【0129】 〔比較例の基質液〕 5−ブロモ−4−クロル−3−インドリルリン酸 0.12mmol 前記化〔41〕の化合物 0.5 mmol 塩化マグネシウム 0.5 mmol トリスヒドロキシメチルアミノメタン 0.5 mmol 上記の組成物を蒸留水に溶解し、そしてpH8.5に3
Nの塩酸で調整した後、最終容量を100mlとした。
【0130】
【効果】本発明によれば、高感度で、正確にホスファタ
ーゼの測定が簡単に行える。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式で表される色原体基質が用
    いられることを特徴とするホスファターゼの活性測定
    法。 【化1】 (式中、Arは置換基を有していても良いフェニル基又
    はナフチル基、Rは一価の置換基、Zは6員環を形成す
    る為の原子群で、形成された環は置換基を有していても
    良く、Xは水素原子、アルカリ金属又は含窒素有機塩基
    である。)
  2. 【請求項2】 アスコルビン酸−2−リン酸を基質とし
    てホスファターゼの活性を測定する方法であって、酵素
    反応で生成したアスコルビン酸により金属を還元し、こ
    の還元金属とキレート化合物を形成する色原体との反応
    により生成した色素からホスファターゼの活性を測定す
    ることを特徴とするホスファターゼの活性測定法。
  3. 【請求項3】 アスコルビン酸−2−リン酸を基質とし
    てホスファターゼの活性を測定する方法であって、酵素
    反応で生成したアスコルビン酸とテトラゾリウム塩との
    反応により生成した色素からホスファターゼの活性を測
    定することを特徴とするホスファターゼの活性測定法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011517571A (ja) * 2008-04-15 2011-06-16 イムノディアグノスティック システムズ リミテッド 酒石酸耐性酸性ホスファターゼb5(trap5b)の基質としてのフタレイン化合物の一リン酸エステルの使用
JP2014525032A (ja) * 2011-07-07 2014-09-25 デュポン ニュートリション バイオサイエンシーズ エーピーエス アッセイ

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