JPH059978U - 多層画のグリーテイングカード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立が容易な多層画のグリーティングカード
を提供する。 【構成】 多層画のグリーティングカードとは、透明シ
ートに描かれた前景画と中景画とを背景画に立体的に重
ね合わせたカードで、平らに畳まれて郵送される。その
額板は中央に開口が設けられている方形の正面縁部と、
その正面縁部の底辺に連続して背面側へ折り曲げられて
いる底部と、正面縁部の上下方向の辺に連続して背面側
へ折り曲げられている背面部とで構成されている。その
正面縁部の中央の開口には前景画シートの突出し片を受
け入れる第１のスリットが設けられている。背面部の両
側には中景画シートの突き出し片を受け入れる第２のス
リットが設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数の画付き透明シートが前後に平行に配置され、前景画シートに 描かれた前景画と、そこから透かして見える中景画、背景画とで造形画面が立体 的に観察される多層画のグリーティングカードに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４に一部破断図で示すように、透明シートに描かれた前景画が手前に置かれ 、距離を離して背後に中景画と背景画とが、奥とその奥とにそれぞれ配置され、 前景画を透かして後方の中景画、背景画が同時に見られるようにしてあると、平 板に描かれた絵画や写真に比べて立体感ある造形が現れる。このような造形物は 、例えば特定の記念日などにメッセージなどが書き込まれ、しばしば友人・知人 あてに封書で郵送される。

【０００３】 従来の多層画のグリーティングカードの場合、前景画シート２１と中景画シー ト２２とを別にすれば、これらのシートを保持する額は板紙で形成される。しか もそれらは図４からも分かるように、額板は比較的幅広で縦長の正面紙２３と、 比較的小さい横長で背景画が描かれた背面別紙２４との、互いに独立した少なく とも２点の台紙の組み合わせで形成されている。

【０００４】 そのうち正面紙２３は上・中・下段に３折りされ、上段は中段の裏側に折り重 ねられてのりつけされ、中央に開口２５が設けられて正面縁部２６が形成されて いる。下段は裏側に水平に折り曲げられ、底部２７が形成されている。

【０００５】 正面縁部２６の裏面には第１のスリット２８が設けられ、背面別紙２４の端部 がその第１のスリット２８に挿入され、背面別紙２４が正面縁部２６の後ろに設 けられている。背面別紙２４には、第２の透明シート２２を正面縁部２６の後ろ で保持する第２のスリット２９が設けられている。

【０００６】 このような額板と画付き透明シートからなる多層画のグリーティングカードの 場合、背面別紙２４を左右いずれかに片寄せ、底紙２７を正面縁部２６に重ね合 わせて畳み、平らな一枚にすれば封筒に簡単に入れることもでき、封筒から取り 出せば容易に卓上の飾り物にすることができる。

【０００７】 ところで、従来の多層画のグリーティングカードの場合、組立が煩雑で製造能 率が悪いという問題点があった。２つの台紙すなわち正面紙２３と背面別紙２４ とを形成するまでの裁断作業の多くは機械によるとしても、のりつけ組立工程は 人手に頼って機械作業にあまりなじまない。組立を手作業で行うと、正面縁部２ ６の内部で第１の透明シート２１がずれやすい。しかも、多少でもずれた状態で のりが固まると多層画はいっぺんに商品価値を失う。

【０００８】 また、従来はのりつけ箇所の広いことも価格の上昇を招いているという問題点 もあった。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記のような課題を解決するため、組立が容易な多層画のグリーテ ィングカードを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するためになされた本考案の多層画のグリーティングカード について、その額板の一例を表している図１にしたがって説明する。本考案は背 景画を透視可能な前景画透明シートと中景画透明シート、およびこれらの透明シ ートを保持する紙製額板とからなり、その紙製額板は、図１で、中央部に開口２ が設けられている方形の正面縁部１と、正面縁部１に底辺で連続して背面側へ折 り曲げられている底部３と、正面縁部１の側辺に連続し背面側へ折り曲げられて いる背面部４とが一体に切り抜かれて組み立てられており、その背面部４は正面 縁部１の裏面と重なる左右の重ね合わせ部７と、その重ね合わせ部７から後方に 折り曲げられる立ち上がり部９と、立ち上がり部９から正面縁部１に平行に折り 曲げられて背景画が描かれている中央の背面ボード部８とからなり、前景画透明 シートが、正面縁部から中央の開口２に突出して後方に折り曲げた舌片５に切抜 かれたスリット６に、その縁部を差し込まれて保持され、中景画透明シートが、 立ち上がり部に切抜かれたスリットに、その縁部を差し込まれて保持されている 。

【００１１】

【作用】

本考案では額板の場合、正面縁部１の開口２に折曲げ舌片５が設けられ、各舌 片５には前景画シートの突出し片を受け入れる第１のスリット６が設けられるの で、グリーティングカード形成時に前景画シートのはめ込みが容易となる。

【００１２】 正面縁部１と背面部４とは連続してつながっており、背面部４は正面縁部１の 背面側へ折り曲げられているので、正面縁部１と背面部４との位置関係を容易に 正確に固定できる。その結果、前景画と背景画との固定位置関係を気にしながら 背面別紙２４の端部を正面枠２６の内部に差し込んでのりつけしなければならな い従来の複雑な作業が簡略化する。

【００１３】 背面部４を左右いずれかに片寄せ、底部３と正面縁部１とを重ね合わせて畳ん で一枚状態にすれば、従来通り封筒に入れることもでき、その封筒から取り出せ ば容易に卓上の飾り物にすることができる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を用いて詳細に説明する。

【００１５】 図１は本考案の一実施例の額板を示す図である。グリーティングカードは背景 画を透視可能な図示外の前景画・中景画、この２枚の画付き透明シートと、背景 画の描かれている額板とからなっている。前景画シートには上下の縁部に、中景 画シートには左右の縁部に、それぞれ突き出し片が設けられている。

【００１６】 額板は、中央に開口２が設けられた方形の正面縁部１が背面方向に傾斜されて ほぼ垂直に立設され、その下端辺からは後方に水平な底紙３が設けられている。 正面縁部１の左一端側からは正面縁部１と一連になって、左右が屏風折りされた 背面部４が設けられている。これらは一枚の板紙から一体に切り抜かれて組み立 てられている。

【００１７】 正面縁部１の開口２の上下には折り曲げ舌片５が設けられている。この折り曲 げ舌片５は後方に向けて水平に折曲げられ、細長い第１のスリット６が開口２の 輪郭線に沿って設けられている。

【００１８】 背面部４の左右両縁には正面縁部１の裏面との重ね合わせ部７が形成され、そ の両重ね合わせ部７から後ろ方向に立ち上がり部９が折り曲げられている。立ち 上がり部９に両側を挟まれている正面縁紙１の中央部分は正面縁部に平行に、立 ち上がり部９から折り曲げられ、背面ボード部８となっている。この背面ボード 部８には図示外の背景画が描かれた背面シートが貼り付けられ、上下部分が切り 込まれて正面縁部１より高さが短くなっている。左右の立ち上がり部９には、第 ２のスリット１０が正面縁部１に平行に細長く設けてられている。

【００１９】 正面縁部１の開口２は前景画シートでふさがれ、しかも、前景画シートの上下 の縁部に設けられている突き出し片が第１のスリット６に差し込まれている。中 景画シートは前景画シートと背面板の背面ボード部８との間に平行に保持され、 その左右の縁部に設けられている突き出し片が第２のスリット１０に差し込まれ ている。

【００２０】 上記したこのような額板は、図２に示すような形に裁断位置を記憶した裁断機 で所定の台紙を裁断し、次いで、必要箇所を機械的に折り曲げることで形成され る。

【００２１】 額板と画付き透明シートとは次のように組み立てるとよい。あらかじめ、前面 画を透明板に描き、それを正面縁部１の開口２の大きさでしかも、第１のスリッ ト６に挿入可能な突き出し片を設けた形に裁断して第１の画付き透明シートとす る。また、中景画を別の透明板に描き、それを第１の画付き透明シートとほぼ同 じ大きさでしかも、第２のスリット１０に挿入可能な突き出し片を設けて裁断し 、第２の画付き透明シートとする。更に、背景画を描いた背景紙を用意する。

【００２２】 背面ボード部８に背景画紙を貼る。正面縁部１と背面部４とを重ね合わせ部７ で貼り合わせ、第１，第２の画付き透明シートの突き出し片を第１，第２のスリ ット６，１０にはめ込む。

【００２３】 このようなグリーティングカードは、折り曲げ舌片５を開口２の内側方向に折 り戻せば、背面ボード部８を左右いずれかに寄せることが出来、底板３にメッセ ージを書いて畳めば平らな状態で封筒などに入れ、記念日などに合わせて友人・ 知人に郵送できる。

【００２４】 本実施例のグリーティングカードによれば、正面縁部１と背面紙４とはもとも とつながっているので両者間の貼り合わせは極めて容易である。

【００２５】 第１の透明シートと第２の透明シートの設定位置はそれぞれ第１，第２のスリ ット６，１０の位置で決められ、位置決めは裁断機で調節されて行われればよく 、のりつけの際の手作業によらないから、本来あるべき位置がずれるおそれは非 常に小さい。したがって多層画の安定的な大量生産が可能になる。

【００２６】 開口２から水平に舌片６を突き出しているから、背面部４のゆがみは舌片６に 抑えられ、造形がゆがめられることが少ない。

【００２７】 背面部４は下端部が切り込まれているから、出来上がった多層画が机の上など に置かれた場合、前景・中景・背景画が前後に並んだ状態で全体が後方にやや傾 斜され、見やすい角度で安定化する。上端部も切り込まれているので、出来上が った造形がやや上方からのぞかれた場合、上方からは背面部４の上部が見えない ので、体裁がいい。

【００２８】 なお、背面部４は正面縁紙１の右または左の一方の辺からだけ一連につながっ ているだけでなく、図３の水平断面図で示したように、背面を形成する一部分の 背面部４ａは一端側から、残り４ｂは他端側から一連に延設され、それぞれ２つ 折りされて端部でつなげられ、第１の透明シートａと第２の透明シートｂと背景 紙ｃとがそれぞれの所定位置にはめ込まれて形成されていてもよい。

【００２９】 背景画は背面部４の背面ボード部８に直接印刷されると、手作業は更に簡略化 されて好ましい。

【００３０】 第２のスリット１０は一対でなく、それ以上に多数対設け、併せて多数の中間 画を設けると更にバリエーションに満ちた多層画が形成される。

【００３１】

【考案の効果】

本考案は上記のような構成であることから、組立てが容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したグリーティングカードの額板
の斜視図である。

【図２】本考案を適用した多層画のグリーティングカー
ドの額板の展開図である。

【図３】本考案を適用した別の多層画のグリーティング
カードの水平断面図である。

【図４】従来の多層画のグリーティングカードの破断見
取り図である。

【符号の説明】

１は正面縁部、２は開口、３は底部、４は背面部、５は
舌片、６は第１のスリット、７は重ね合わせ部、８は背
面ボード部、９は立ち上がり部、１０は第２のスリッ
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 背景画を透視可能な前景画透明シートと
   中景画透明シート、およびこれらの透明シートを保持す
   る紙製額板とからなり、 その紙製額板は、中央部に開口が設けられている方形の
   正面縁部と、正面縁部に底辺で連続して背面側へ折り曲
   げられている底部と、正面縁部の側辺に連続し背面側へ
   折り曲げられている背面部とが、一体に切り抜かれて組
   み立てられており、 その背面部は正面縁部の裏面と重なる左右の重ね合わせ
   部と、その重ね合わせ部から後方に折り曲げられる立ち
   上がり部と、立ち上がり部から正面縁部に平行に折り曲
   げられて背景画が描かれている中央の背面ボード部とか
   らなり、 前景画透明シートが、正面縁部から中央の開口に突出し
   て後方に折り曲げた舌片に切抜かれたスリットに、その
   縁部を差し込まれて保持され、 中景画透明シートが、立ち上がり部に切抜かれたスリッ
   トに、その縁部を差し込まれて保持されていることを特
   徴とする多層画のグリーティングカード。