JPH05992Y2 - - Google Patents

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JPH05992Y2
JPH05992Y2 JP1986063171U JP6317186U JPH05992Y2 JP H05992 Y2 JPH05992 Y2 JP H05992Y2 JP 1986063171 U JP1986063171 U JP 1986063171U JP 6317186 U JP6317186 U JP 6317186U JP H05992 Y2 JPH05992 Y2 JP H05992Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、カセツト式テープレコーダに係り、
特にカセツトテープのイジエクト機構の改良に関
する。
〔従来技術〕
カセツト式テープレコーダは、例えば実開昭60
−74231号公報に記載のように、(1)カセツト装着
機構、(2)再生機構、(3)記録個所検出機構、(4)早送
り・巻戻し機構、(5)イジエクト機構などを備えて
おり、これらを各項目に分けて順次説明する。
(1) カセツト装着機構 特に車載用のカセツト式テープレコーダは、操
作者が車輌を運転しながら操作するため、カセツ
トテープをカセツト挿入口内に軽く押し込むだけ
でカセツトを自動的に内部まで引き込み、これを
演奏位置まで移動させて再生動作が行なわれる。
また再生動作を中止してカセツトを取り出したい
場合は、イジエクトスイツチを押すだけで動作が
自動的に停止するとともに、カセツトを演奏位置
から離脱させ、これをカセツト挿入口に半分突出
させて容易に取り出せるような構成になつてい
る。
カセツト装着機構の具体的な構造について図と
ともに説明する。第8図および第9図はカセツト
テープが押し込まれる前の状態を示す平面図およ
び側面図、第10図はスライダの拡大断面図、第
11図および第12図はカセツトテープが演奏位
置に装着された状態を示す平面図および側面図、
第13図は同じくカセツトテープが演奏位置に保
持された状態を示す一部側面図である。
第8図に示すようにシヤーシ1の所定位置に
は、メインスイツチ2、メインモータ3、側板
4,5ならびに後述する各種機構が取り付け、配
置されている。なお、第11図ではメインスイツ
チ2やメインモータ3の図示は省略されている。
第8図および第11図において、対向して配置
された側板4と側板5の間隔はカセツトテープ6
の縦幅より若干広くなつており、側板4,5間の
カセツト挿入口7(第9図、第12図参照)側に
カセツトホルダ8がメインスイツチ2側(第8図
参照)にホルダ押圧板9がそれぞれ配置されてい
る。
第13図に示す如くカセツトホルダ8の下方に
は所定の間隔をおいてカセツト受板10が配置さ
れ、これに対し前記カセツトホルダ8が上下動可
能になつている。カセツトホルダ8の上下動を円
滑に案内するため、第8図および第11図に示す
ように側板5の内面に、摩耗係数の小さい合成樹
脂で形成されたホルダガイド部材11が取り付け
られ、ホルダガイド部材11はカセツトホルダ8
の上下動範囲の全長に延びている。また、カセツ
トホルダ8のホルダガイド部材11と対向する個
所には、ホルダガイド部材11の一部が嵌入する
凹欠部12が設けられている。カセツトホルダ8
のホルダ押圧板9寄りの個所には貫通した四角形
の穴13が穿設され、カセツトホルダ8の上面に
取り付けられた板バネ14の先端V字部15がこ
の穴13に臨んでいる。
前述のホルダ押圧板9はメインスイツチ2側に
設けられた基部16(第13図参照)を中心にし
て下方へ向けて回動可能になつているとともに、
図示しないバネによつて常に下方へ弾性付勢され
ている。第8図および第11図に示すようにホル
ダ押圧板9のほぼ中央にはカセツトテープ6の挿
脱方向X(第8図参照)と同じ方向にスライダガ
イド溝17が設けられ、それに摩擦係数の小さい
合成樹脂で形成されたスライダ18が摺動自在に
支持されている。
このスライダ18は第10図に示すように、前
記板バネ14のV字部15と係合可能なV形係合
部19が一端に形成され、他端にはカセツト当接
部20が垂設されている。V形係合部19の下側
突部21とカセツト当接部20の間隔は、カセツ
トテープ6における短辺側の側面22と、それに
近い方の駆動軸挿入孔の周面23との間隔とほぼ
一致している。
スライダ18の上面に、抜止めピン24を介し
て挿脱レバー25の自由端が回動可能に連結され
ている。第8図および第11図に示すように、挿
脱レバー25の基部はピン26を介して側板4に
回動可能に支持され、この基部には第1コイルバ
ネ27と第2コイルバネ28のそれぞれの一端が
係止されている。第1コイルバネ27の他端は第
9図、第12図に示すように側板4に連結され、
一方、第2コイルバネ28の他端はイジエクトレ
バー29の水平部30に連結されている。この水
平部30にはピン26を中心とする円弧溝31が
形成され、第2コイルバネ28と挿脱レバー25
を連結する連結ピン32がその円弧溝31に移動
可能に挿通されている。
第14図および第15図は、イジエクトレバー
29の平面図および側面図である。イジエクトレ
バー29は前述の水平部30とそれの長手方向に
延びた垂直部33とを有し、第15図に示すよう
に垂直部33の両端部近くには水平方向に延びた
長穴34が、また、これらの中間位置には段状ガ
イド溝35がそれぞれ形成されている。また、垂
直部33の上端のほぼ中央位置にはバネ掛け突起
36が突設され、これより若干後方側が第14図
に示すように内側に向いて段状に屈曲されてい
る。
従つてこのイジエクトレバー29をテープレコ
ーダに組込んだ状態では第8図、第11図に示す
ように、垂直部33のうちでバネ掛け突起36を
設けた側が側板4の外側に配置され、水平部30
を設けた側が側板4の内側に配置される。そのた
めに側板4の中間個所には、垂直部33の一部が
貫通し、かつイジエクトレバー29のX方向(第
8図参照)の移動を許容する凹部(図示せず)が
設けられている。イジエクトレバー29のバネ掛
け突起36と側板4の一端に設けられたバネ掛け
突起37との間には引張バネ38が張架され、イ
ジエクトレバー29が常に一方向に弾性付勢され
ている。第9図および第12図に示すように側板
4の所定の位置には2本のガイドピン39が突設
され、それぞれイジエクトレバー29の長穴34
に挿入されて、イジエクトレバー29におけるX
方向の移動をガイドしている。
またカセツトホルダ8の側面には昇降ピン40
が突設され、それがイジエクトレバー29の段状
ガイド溝35から側板4に形成された縦溝状の切
欠部41にかけて挿入されている。
カセツトテープ6がテープレコーダに押し込ま
れる前の状態では、第9図に示すように前記昇降
ピン40は段状ガイド溝35ならびに切欠部41
の上部にあり、従つて第13図において破線で示
す如くカセツトホルダ8は上位置にあるとともに
ホルダ押圧板9は水平状態になつている。また、
スライダ18ならびに挿脱レバー25の自由端は
第8図において実線で示すように、カセツトホル
ダ8寄りに位置して待機状態にある。このとき第
10図に示す如くスライダ18のV形係合部19
は、板バネ14のV字部15の下方にあつてそれ
と係合している。さらに第9図に示すように、イ
ジエクトレバー29はガイドピン39に対して図
に向つて右寄りの位置にある。
第8図に示すようにカセツトテープ6は、それ
の磁気ヘツド挿入口(図示せず)側が側板5と対
向するようにカセツト挿入口7からカセツトホル
ダ8側に向けて挿入される。そして第10図に示
す如くカセツトテープ6の短辺側の側板22がス
ライダ18のカセツト当接部20に当接すると、
引き続きカセツトテープ6の押し込みにより、第
1コイルバネ27および第2コイルバネ28の弾
性に抗して、挿脱レバー25がピン26を中心に
して反時計回り方向に回動するとともに、スライ
ダ18はスライダガイド溝17に沿つて移動す
る。
挿脱レバー25が反時計回り方向に回動し始め
ると、第1コイルバネ27の挿脱レバー側係止端
(可動端)が側板側係止溝(固定端)に向けて徐
徐に近づき、挿脱レバー25がそれの回動許容範
囲(約40〜60度)の約半分のところに来た時点で
両係止端が最も近づき、第1コイルバネ27の反
発力が最大となる。この中間点が過ぎると第1コ
イルバネ27の方向が変わるとともに(第11図
参照)、それの反発力が挿脱レバー25の回動
(スライダ18の摺動)に役立つ。
一方、連結ピン32の円弧溝31に沿つて移動
するため、挿脱レバー25の回動により第2コイ
ルバネ28の挿脱レバー側係止端(連結ピン32
側)がイジエクトレバー側係止端に向けて徐々に
近づき、第2コイルバネ28の反発力が蓄積され
る。さらに挿脱レバー25が回動して、挿脱レバ
ー側係止端がイジエクトレバー側係止端との最短
近接位置(真横)を過ぎると、蓄積された反発力
が挿脱レバー25の回動(スライダ18の摺動)
に役立つとともに、第2コイルバネ28の反発力
でイジエクトレバー29をカセツト挿入口7側に
弾性付勢する。このように第1コイルバネ27お
よび第2コイルバネ28とも所定の位置を過ぎる
と、それらに蓄積された反発力により挿脱レバー
25が自動的に回動し、結局、第10図に示すよ
うに下側突部21とカセツト当接部20との間で
狭時されたカセツトテープ6がカセツトホルダ8
内に自動的に引き込まれる。
ホルダ押圧板9は図示しないバネ部材でカセツ
トホルダ8を下方に押し下げるように弾性付勢さ
れているとともに、イジエクトレバー29は引張
バネ38によつて常にカセツト挿入口7側に引張
られている。また、第2コイルバネ28の挿脱レ
バー側係止端がイジエクトレバー側係止端と最も
接近するまでは、イジエクトレバー29に対する
第2コイルバネ28のバネ力は引張バネ38の引
張方向とは逆方向に作用して、イジエクトレバー
29の移動を停止し、カセツトホルダ8の上位置
の状態を保持している。ところが、挿脱レバー側
係止端がイジエクトレバー側係止端の真横、すな
わち両係止端の最短接近位置に過ぎると、第2コ
イルバネ28に蓄積された反発力は、イジエクト
レバー29に対し引張バネ38の引張方向に作用
する。そしてこの第2コイルバネ28と引張バネ
38との共働でイジエクトレバー29がカセツト
挿入口7側へ移動し、そのためカセツトホルダ8
に連結している昇降ピン40は、イジエクトレバ
ー29の段状ガイド溝35における傾斜部を通つ
て下部まで相対的に移動する。なお、このとき側
板4の切欠部41は昇降ピン40の横移動を阻止
して、それの降下のみを許容する。従つてカセツ
トホルダ8はイジエクトレバー29の移動にとも
ない段状ガイド溝35での支えを失い、ホルダ押
圧板9によつて下方の演奏位置まで押し下げられ
る(第11図、第12図、第13図参照)。
以上のように、この種のテープレコーダでは、
カセツトテープ6をある位置まで押し込むと、あ
とは第1コイルバネ27および第2コイルバネ2
8の作用で自動的にカセツトテープ6が取り入れ
られるとともに、カセツトテープ6を演奏位置ま
で降下させることができる。次に演奏動作を行な
うための再生機構について説明する。
(2) 再生機構 再生機構を説明する前に、まず、テープレコー
ダの大まかな駆動力伝達系統について第16図を
用いて説明する。
メインモータ3の回転軸には駆動プーリ42が
連結され、これと左右のフライホイール43,4
4とガイドプーリ45との間にエンドレス状のベ
ルト46が図に示すように掛け渡されている。フ
ライホイール43,44と対応するように左右に
リールギア47,48が設けられ、またフライホ
イール43,44とリールギア47,48との間
にアイドルギア49が左右方向に若干移動可能に
配置されている。
前記ベルト46が図に示すように掛け渡されて
いるから、左右のフライホイール43,44は常
に反対方向に回転しており、両フライホイール4
3,44の外周にはそれぞれ平歯部が形成され
て、アイドルギア49と噛合できるようになつて
いる。
第16図の状態では、アイドルギア49が図面
に向つて右端に寄り、フライホイール44および
リールギア48と噛み合つているから、メインモ
ータ3の回転駆動力はベルト46、フライホイー
ル44ならびにアイドルギア49を介してリール
ギア48に伝達されて、リールギア48がテープ
巻取り方向に回転している。このときリールギア
47には駆動力が伝達されていない。
アイドルギア49が左側に寄つてフライホイー
ル43およびリールギア47とそれぞれ噛み合う
と、今度はメインモータ3の回転駆動力はベルト
46、フライホイール43ならびにアイドルギア
49を介してリールギア47に伝達されて、リー
ルギア47がテープ巻取り方向に回転して、リー
ルギア48には駆動力は伝達されない。
またアイドルギア49がフライホイール43,
44の中間位置にあるときは、アイドルギア49
はいずれのフライホイール43,44とも噛合し
ないようになつており、従つて両方のリールギア
47,48とも回転しない仕組になつている。な
お、アイドルギア49の具体的な働きについては
後で詳述する。
第17図に示すようにシヤーシ1の上方には、
枠状のヘツドベース50が移動可能に配置され、
左右の所定位置に掛けられた2本の復帰バネ51
によつてポーズポジシヨン側(図面において手前
側)に常に引張られている。
第19図はヘツドベース50の平面図で、これ
は1枚の金属板から構成されている。ヘツドベー
ス50のほぼ中央には大きな開口52が設けら
れ、それの両側にはヘツドベース50の移動方向
に延びた長穴状のヘツドベースストツパー溝53
がそれぞれ形成されている。ヘツドベース50の
手前側と向こう側の所定の位置にはピン状のヘツ
ドベースガイド54がそれぞれ突設され、これら
は第17図に示すようにシヤーシ1に形成された
ヘツドベースガイド溝55にそれぞれ挿入されて
いる。
56は磁気ヘツド取付孔で、その上に第17図
に示すように磁気ヘツド57が開口52側に向け
て固定されている。
前記ヘツドベースストツパー溝53にはストツ
パーピンを兼ねたアーム支軸58がそれぞれ貫通
しており、そのアーム支軸58にはピンチローラ
59を回転自在に支承したピンチローラアーム6
0が連結している。左右のピンチローラ59とそ
れぞれ対応するようにキヤプスタン61が立設さ
れており、これは第20図に示すようにフライホ
イール43,44の回転軸を兼ねている。同図に
示されているようにフライホイール43,44の
外周には前記ベルト46が嵌入する環状のV溝6
2が形成され、その上方にはフライホイール大径
ギア63とフライホイール小径ギア64が設けら
れている。
第21図に示すように、キヤプスタン61を中
心にして回動するピンチレバー65がキヤプスタ
ン61の下方に配置されている。このピンチレバ
ー65にはピンチローラ59側に延びたアーム部
があり、そこには使用モードによつてピンチロー
ラ59の位置を変えるためのピンチローラガイド
溝66が形成され、ピンチローラ59のローラ支
軸67が挿入されている。またピンチレバー65
にはリールギア47,48側に延びたアーム部が
あり、そこにはフライホイール小径ギア64と常
に噛合して、リールギア47,48と噛合可能な
テイクアツプギア68が回転自在に支承されてい
る。
前記ヘツドベース50で磁気ヘツド57が取り
つけられている下方には、ノーマル・リバース走
行方向切換レバー69ならびにヘツド後退レバー
70がほぼ重なり合つて配置されている。
ノーマル・リバース走行方向切換レバー69は
第22図に示すように、それのほぼ両端近くにガ
イド用の長穴71が形成され、前記アーム支軸5
8がそれぞれ挿通されている。各々の長穴71の
若干内側にはほぼ台形をした台形穴72が左右対
称に設けられ、それにはピンチローラ59のロー
ラ支軸67がかなり余裕をもつて挿通していると
ともに、ピンチレバー65のピンチローラガイド
溝66と対応するようになつている。この切換レ
バー69の図面に向つて右端には駆動体係止部7
3が設けられ、スイツチ駆動体74と係合するよ
うになつている。このスイツチ駆動体74は回動
可能に支持されているとともに、位置検知スイツ
チと係合している。またレバー駆動ソレノイド7
5は、図示されていないが1回励磁する毎に切換
レバー69を図面に向つて右側端または左側端に
交互に移動して待機させる機構となつている。
ヘツド後退レバー70は第23図に示すよう
に、左右の対称位置に山形の後退カム端面76を
有する比較的大きな開口部77が形成されてい
る。両方の開口部77の間には両端にそれぞれロ
ツク凹部78を有するロツク溝79が、またその
ロツク溝79の手前側には三段になつたアイドル
ギア駆動カム溝80がそれぞれ設けられている。
このアイドルギア駆動カム溝80は、ヘツド後退
レバー70の移動方向に直線状に延びた第1カム
溝80aと、第2カム溝80bと、第3カム溝8
0cと、これら各カム溝を連結する2つの傾斜カ
ム溝より構成されている。なお前記カム溝80
a,80b,80cは後述のようにアイドルギア
49の位置を変更してその位置に保持するための
もので、第1カム溝80aが最も向こう側、第2
カム溝80bが中間の位置、第3カム溝80cが
最も手前側に形成されている。なお、これとは全
く逆に、第1カム溝80aが最も手前側、第2カ
ム溝80bが中間位置、第3カム溝80cが最も
向こう側であつてもよい。
前記左右の開口部77の手前側には、それぞれ
長穴のガイド溝81が形成されている。前記開口
部、77、ロツク溝79、アイドルギア駆動カム
溝80ならびにガイド溝81は、ヘツド後退レバ
ー70の長手方向に沿つて形成され、ヘツド後退
レバー70の左右方向の移動が許容できるように
なつている。
ヘツド後退レバー70の図面に向つて左端に
は、それの長手方向と直交する方向に延びた許容
溝82が設けられ、それにはスイングレバー83
の突部84が挿入されている。スイングレバー8
3は基軸85を中心にして所定角度回動するよう
に配置され、それの自由端側に変形歯部が形成さ
れており、その形状を第24図を用いて説明す
る。この歯部86は全体が扇形に形成され、それ
の中央には通常の形状を有する中央歯部86aが
設けられ、それの両側に小歯部86bが形成され
ている。この小歯部86bは、歯部86と対向す
るRFギア87の小径ギア88の歯先円とラツプ
する部分が切除された形に形成されている。小歯
部86bの外側には、通常の形状を有する歯部が
形成されている。RFギア87の小径ギア88に
は、円周方向の約180度にわたつて欠歯部89が
設けられている。RFギア87には小径ギア88
の他に大径ギア90が設けられ、図示されていな
いが、FF/REW駆動用モータの回転を小径ギア
88に伝達するように構成されている。
前記ヘツド後退レバー70のロツク溝79の上
方にはRFロツクレバー93の先端部が配置され、
その先端部に突設されたロツクピン94がロツク
溝79に挿入されている。RFロツクレバー93
はレバー支軸95を中心にして回動可能で、それ
の基端部は連結レバー96を介してRFロツクソ
レノイド97に連結されている。
前記アイドルギア駆動カム溝80の上方には、
ほぼL字形をした第1駆動レバー98の一端が配
置され、その先端部に突設された駆動ピン99が
アイドルギア駆動カム溝80に挿入されている。
第1駆動レバー98は軸100を中心にして回動
可能で、他端は第2駆動レバー101と屈曲可能
に連結されている。第2駆動レバー101の長手
方向のほぼ中間位置には小判形の透孔102が穿
設され、そこにシヤーシ1から穿設されたスタツ
ド103が挿入され、第2駆動レバー101はこ
れを中心にして回動する。第2駆動レバー101
の自由端には支持ピン104を介してアイドルギ
ア49が回転自在に支承され、支持ピン104の
一端はシヤーシ1に設けられた長穴状のストツパ
ー溝105に挿入されている。
アイドルギア49はモードによつて3つのポジ
シヨン、すなわちアイドルギア49が左側リール
ギア47と噛合する位置、アイドルギア49が両
リールギア47,48とも噛合しない位置、なら
びにアイドルギア49が右側リールギア48と噛
合する位置を有している。
ヘツド後退レバー70における左右のガイド溝
81上には、それぞれ第1なか寄せ部材106と
第2なか寄せ部材107とが摺動可能に配置され
ている。これらなか寄せ部材106,107には
それぞれ左右対称に大スリツト108、小スリツ
ト109ならびにバネ掛け突部110がそれぞれ
形成されている。大スリツト108はガイド溝8
1上に位置し、そのガイド溝81よりもスリツト
長さが短く、シヤーシ1から突設されたストツパ
ーピン111がガイド溝81から大スリツト10
8にかけて貫通している。小スリツト109に
は、ヘツド後退レバー70から切り起こされた小
突起112が挿入されている。左右のなか寄せ部
材106,107の間には、引張バネ113が張
架されている。
ヘツド後退レバー70の手前側端面のほぼ中央
位置には、ヘツドベース50を後退するためのカ
ム面140が設けられ、このカム面140は演奏
位置カム面140aと、センス位置カム面140
bと、両カム面140a,140bを結ぶ傾斜カ
ム面140cとから構成されている。このカム面
140には、ヘツドベース50から突設されたヘ
ツドベースガイド54が接している。
第25図は、駆動ギア114から制御回転体1
15までの駆動力伝達系統を示す説明図示であ
る。駆動ギア114は駆動プーリ42(第16図
参照)と一体に成形されており、メインモータ3
によつて矢印の方向に回転する。駆動ギア114
と制御回転体115との間には第1アイドラー1
16ならびに第2アイドラー117が配置され、
メインモータ3の回転力は駆動ギア114、第1
アイドラー116ならびに第2アイドラー117
を介して制御回転体115に伝達され、制御回転
体115が矢印の方向に回転するようになつてい
る。
第26図イ,ロは、制御回転体115の平面図
および底面図である。同図イに示すように制御回
転体115の上面には環状部118が一体に突設
され、一方、同図ロに示すように下面には回動カ
ム119が一体に突設されている。環状部118
と回動アーム119の軸方向中間位置には、一部
に欠歯部120を有する平歯部121が形成され
ている。同図イに示すように環状部118の外周
部には一つのストツパー突部122が設けられ、
これは第27図に示す如くモードによつてストツ
プレバー123の第1ストツプ片124あるいは
第2ストツプ片125と係合するようになつてい
る。ストツプレバー123は支軸126を中心に
して図示していないバネにより常に時計方向に回
ろうとするモーメントを加えながら回動するよう
になつており、前記ストツプ片124,125と
反対側に平面形状がほぼ円形のソレノイド連結部
127が形成されている。この連結部127は、
ストツプレバー回動ソレノイド137のアクチユ
エータ138に挟持されている。
第26図ロに示す如く回動カム119の周面に
は、渦巻状の回動カム面119aと、それに連な
つた戻しカム面119bと、戻しカム面119b
の終端と回動カム面119aの始端との間に設け
られ最も回転中心に寄つた窪みカム面119cと
を有している。
第28図に示すように、前記回動カム119の
カム面にはベース前進第1レバー128のカム当
接部129が常に当接するようになつている。ベ
ース前進第1レバー128のカム当接部129と
反対側には、バネ掛け部130が設けられてい
る。ベース前進第1レバー128の上にはベース
前進第2レバー131が載置され、これらはとも
に回動軸132を中心にして回動するようになつ
ている。ベース前進第2レバー131の自由端に
はバネ掛け部133が設けられ、前記ベース前進
第1レバー128のバネ掛け部130との間に引
張バネ134が張架されている。ベース前進第2
レバー131の中間部に、ヘツドベース50に突
設されたヘツドベースガイド54と当接する当接
部135を有しており、引張バネ134の引張力
により当接部135は常にヘツドベースガイド5
4に当接している。
カセツトテープ6が演奏位置に装着されてから
演奏(再生)されるまでの動作について次に説明
する訳であるが、それに先立つて前記動作に移る
前の各部の状態について簡単に説明する。
まずヘツドベース50の位置であるが、これは
第31図と同じように最も手前側に位置し、左右
のピンチローラ59はそれぞれキヤプスタン61
から離れ磁気ヘツド57もカセツトテープ6内の
磁気テープ136から離れている。また第33図
と同じようにベース前進第1レバー128のカム
当接部129は、回動カム119の窪みカム面1
19cに入り込み、従つてベース前進第1レバー
128およびベース前進第2レバー131の自由
端(バネ掛け部130,133)側はリールギア
47,48に最も近づいた位置に静止している。
制御回転体115は第27図に点線で示すよう
に第2ストツプ片125とストツパー突部122
が係合された状態にあり、また図示されていない
バネにより制御回転体115は時計方向に回ろう
とするモーメントを受けており、平歯部121の
始端側が第2アイドラー117の歯部と噛合う直
前の状態に保持されている。
前記カセツト装着機構で説明したように、カセ
ツトテープ6の挿入にともなつて挿脱レバー25
およびイジエクトレバー29が移動するから、い
ずれかの移動を機械的あるいは光学的に検知し、
それによつてメインスイツチ2(第8図参照)を
オンする。このオン信号でメインモータ2が回転
し始めるとともに、ソレノイド137(第27図
参照)に通電、励磁されて第2ストツプ片125
の係合が解除され、制御回転体115は時計方向
にバネで回動されて平歯部121の始端側が第2
アイドラー117の歯部と噛み合い、第25図に
示す如く駆動ギア114、第1アイドラーおよび
第2アイドラー117を介して制御回転体115
を歯車どうしの噛み合いによつて矢印方向に回転
する。この回転でベース前進第1レバー128の
カム当接部129が窪みカム面119cから回動
カム面119aに移り、渦巻状に拡がつた回動カ
ム面119a上を摺動する。この摺動でベース前
進第1レバー128は第28図に示すように回動
軸132を中心にして反時計回り方向に回動し、
それにより引張バネ134で引つ張られながらベ
ース前進第2レバー131も同じ方向に回動す
る。
ベース前進第2レバー131の回動で、ヘツド
ベースガイド54を介してヘツドベース50が復
帰バネ51の弾性に抗して前進する。
第25図に示すように制御回転体115におけ
る平歯部121の終端側が第2アイドラー117
から外れるとき、ベース前進第1レバー128の
カム当接部129は回動カム面119aの終端に
当接しており、従つてヘツドベース50は最も前
進した位置にある。一方、第27図に示すストツ
プレバー回動ソレノイド137には通電されてい
るからストツプレバー123は実線で示す位置に
あり、制御回転体115の回転にともないそれの
ストツパー突部122がストツプレバー123の
第1ストツプ片124に係止したとき第25図の
状態になつており、この状態でロツクされること
になる。なお、第2アイドラー117の歯部は平
歯部121と外れて欠歯部120と対向している
から、メインモータ3の回転力が制御回転体11
5に伝わることはない。ノーマル・リバース走行
方向切換レバー69はこの場合ノーマル側または
リバース側のどちらでも位置することができる
が、第22図に示す位置(レバー69が右側のノ
ーマル走行側)に保持されているとする。
従つて同図の左側のローラ支軸67は、ノーマ
ル・リバース走行方向切換レバー69における左
側台形穴72の係止段部139に当接しているか
ら、第21図に示す如く左側のピンチローラ59
はキヤプスタン61から離れている。また左側の
ピンチレバー65は前述のようにローラ支軸67
が係止段部139に当接してピンチレバー65の
回動が規制されているから、それの一端に支承さ
れているテイクアツプギア68は左側のリールギ
ア47から離れており、従つて駆動力の伝達は行
なわれない。
一方、第22図において右側のローラ支軸67
は右側台形穴72の係止段部139には突き当ら
ず、それの上片端縁の近くまで前進しており、そ
のため第21図に示すように磁気テープ136は
右側ピンチローラ59とキヤプスタン61との間
で弾性的に挟持されて、所定方向に定速で送られ
る。また、右側ローラ支軸67はピンチローラガ
イド溝66のキヤプスタン61寄りの端部に位置
しており、ピンチレバー65を介して右側テイク
アツプギア68がリールギア48と噛合し、第2
1図に示す如くフライホイール小径ギア64の回
転力がテイクアツプギア68を介してリールギア
48に伝達される。図示していないがリールギア
48の上方にはリール台があり、これがカセツト
テープ6の一方のハブと係合してこれを回転する
ことにより、磁気テープ136の巻取りが行なわ
れる。
また、ヘツドベース50の前進により磁気ヘツ
ド57はカセツトテープ6のヘツド挿入口(図示
せず)から所定寸法入り込み、磁気テープ136
に十分密着して再生動作が行なわれる(第17
図、第21図参照)。
テープレコーダを使用しないときあるいは演奏
モードのときには第18図および第23図に示す
ように、小径ギア88はそれの欠歯部89がスイ
ングレバー83の歯部86と対向しており、両者
は噛合関係にない。そして前述のようにヘツドベ
ース50の前進によつて手前側のヘツドベースガ
イド54がヘツド後退レバー70におけるカム面
140の演奏位置カム面140aに当接して、後
退レバー70が図に示す位置に保持されている。
この状態でロツクピン94はロツク溝79の中
間位置にあつて、RFロツクソレノイド97には
通電されていない。また駆動ピン99はアイドル
ギア駆動カム溝80の中間の第2カム溝部80b
にあるから、第1駆動レバー98の一方のアーム
部と第2駆動レバー101とはほぼ直線状に並ん
でおり、従つて支持ピン104はストツパー溝1
05のほぼ中央の位置にある。そのため第18図
に示すようにアイドルギア49は、左、右のフラ
イホイール43,44のフライホイール大径ギア
63および左、右のリールギア47,48のいず
れとも噛合しておらず、アイドルギア49を介し
て駆動力伝達は行なわれないようになつている。
前述のような状態で演奏(再生)がなされる。
次に記録個所検出機構について説明する。
(3) 記録個所検出機構 磁気テープに記録されている複数の曲のうち、
所望の曲を可及的速やかに検出するためには、キ
ヤプスタンに対してピンチローラを離しリール
(リールギア)を高速で回転させるとともに、磁
気ヘツドは磁気テープに対して接触しておかなけ
ればならない。このときの磁気ヘツドの位置であ
るが、前述の演奏モードのように磁気ヘツドが最
も前進した位置では、磁気テープの高速走行によ
つて磁気テープと磁気ヘツドの摩耗が多いから好
ましくない。そのため本考案に係るテープレコー
ダでは、後述の機構により記録信号が検出できる
程度に磁気ヘツドを後退させて、それと磁気テー
プの摺接抵抗を可及的に小さくして、両者の摩耗
を極力低減している。
記録個所を検出する方法として、曲間検出法が
一般に用いられている。この方法は、磁気テープ
に複数の曲が順次記録されたものにおいて、曲と
曲との間の無記録領域を磁気的に検出して、それ
で前の曲が終了したとみなし、次の希望の曲を最
初から演奏しようとする記録個所検出方法であ
る。
第29図および第30図は、記録個所検出状態
を示す図である。前述の演奏状態では第23図お
よび第24図に示すように小径ギア88の欠歯部
89がスイングレバー83の歯部86と対向して
いるが、制御部(図示せず)からの曲間検出信号
に基いてモータの駆動力がRFギア87に伝達さ
れ、それが例えば反時計回り方向に回転する。そ
して小径ギア88の最初の歯がスイングレバー8
3の歯部86の中央歯部86a(第24図参照)
の側面に突き当り、それによつてスイングレバー
83が若干時計回り方向へ回動し、引き続く回転
で今度は小径ギア88の2番目の歯部が小歯部8
6bと噛み合い、スイングレバー83を更に同方
向へ回動する。このように小径ギア88と歯部8
6との噛合によつてスイングレバー83が時計回
り方向へ回動し、それとともにヘツド後退レバー
70が第30図において矢印で示すように右側へ
移動する。ヘツド後退レバー70が移動する前は
第23図に示すように手前側のヘツドベースガイ
ド54は演奏位置カム面140aに当接している
が、ヘツド後退レバー70の右方向の移動にとも
ない傾斜カム面140cがヘツドベースガイド5
4に接してそれを後退させる。第30図に示すよ
うに後退レバー70が最も右側へ移動したときに
は、ヘツドベースガイド54はセンス位置カム面
140bと接して、その位置に保持されている。
手前側ならびに向こう側のヘツドベースガイド
54はヘツドベース50にそれぞれ連結されてい
るから、前述の手前側のヘツドベースガイド54
が後退することにより、ヘツドベース50も演奏
位置カム面140aとセンス位置カム面140b
の段差分(約1.5mm)だけ後退し、第22図に示
すように磁気ヘツド57が磁気テープ136に記
録されている信号を検出できる程度に後退して、
磁気テープ136と軽く接している。
ヘツドベース50の後退で向こう側のヘツドベ
ースガイド54は、引張バネ134の弾性に抗し
てベース前進第2レバー131を時計回り方向に
若干回動させながら後退する。なお、ベース前進
第1レバー128はそれのカム当接部129が回
動カム119に当接しているから、ベース前進第
2レバー131が回動してもベース前進第1レバ
ー128は演奏状態のままで、引張バネ134が
引き伸ばされた状態になる。
ヘツド後退レバー70の移動により第30図に
示す如くロツクピン94がロツク溝79の一方の
ロツク凹部78(第23図参照)に嵌り込み、そ
の後RFロツクソレノイド97をオンして連結レ
バー96を引くことにより、ヘツド後退レバー7
0を介して磁気ヘツド57(ヘツドベース50)
の位置保持を行なう。
前述のようにヘツド後退レバー70の左右の開
口部77には山形の後退カム端面76(第23
図、第30図参照)が設けられているから、ヘツ
ド後退レバー70の移動によつて右側のローラ支
軸67が前記後退カム端面76によつて手前側に
押しのけられる。それによつてピンチローラアー
ム60(第29図参照)がローラ支軸58を中心
にして反時計回り方向へ若干回動して、同図に示
すようにピンチローラ59が磁気テープ136か
ら離れる。なお、左側のピンチローラ59は前述
のように演奏モードのときにすでに後退している
から、今回のヘツド後退レバー70の移動の際に
は全く動かず、その位置に保持されている。
第22図に示すようにローラ支軸67は傾斜し
たピンチローラガイド溝66に挿入されているか
ら、前述のように右側のローラ支軸67が手前側
へ押しやられることにより、ピンチレバー65が
時計回り方向へ若干回動し、それによつてテイク
アツプギア68がリールギア48から離れ、リー
ルギア48への駆動伝達が断たれて、一時的に磁
気テープ136の走行が停止する。
また、第30図に示す如くヘツド後退レバー7
0の移動により、駆動ピン99がアイドルギア駆
動カム溝80の最も左側の第1カム溝部80a
(第23図参照)に入り込むことになり、これに
ともなつて第1駆動レバー98が軸100を中心
にして反時計回り方向に若干回動する。そしてこ
れと屈曲可能に連結されている第2駆動レバー1
01がスタツド103を中心にして時計回り方向
に若干回動し、それにともないアイドルギア49
がストツパー溝105の右端に移動して、最初、
右側フライホイール44のフライホイール大径ギ
ア63と噛合して回転し、その後アイドルギア4
9は右側のリールギア48と噛合う。このフライ
ホイール大径ギア63、アイドルギア49ならび
にリールギア48の噛合う動作についてもう少し
詳しく説明する。第23図に示すように、第2駆
動レバー101には小判型を長穴状の透孔102
が形成されているから、第1駆動レバー98の回
動にともなつて第2駆動レバー101を回動する
ときに、前記透孔102に沿つて第2駆動レバー
101は若干手前側に引つ張られながら回動す
る。そのため、アイドルギア49は最初に手前側
にあるフライホイール大径ギア63と噛み合つて
回転し、引き続く第2駆動レバー101の回動に
ともなつてリールギア48と噛合して、それを高
速で回転する仕組になつている。このようにして
常時回転しているフライホイール44の回転力
は、アイドルギア49を介してリールギア48に
伝達され、リールギア48を高速で回転すること
により、磁気テープ136の早送りがなされて短
時間に曲間の検出が行なわれる。
ヘツド後退レバー70の右方向への移動によ
り、第30図に示すように右側の小突起112が
右側の第2なか寄せ部材107における小スリツ
ト109の端縁に当接し、第2なか寄せ部材10
7を右側へ移動する。一方、左側の第1なか寄せ
部材106はそれの大スリツト108の端縁がス
トツパーピン111に突き当たるから、右方向へ
の移動が阻止される。このように第1なか寄せ部
材106はストツパーピン111で移動が阻止さ
れ、第2なか寄せ部材107は小突起112で移
動されるから、両者を連結している引張バネ11
3が引き伸ばされてヘツド後退レバー70の中央
への復帰力(なか寄せ力)が付与されるが、ロツ
クピン94の嵌まり込みによつてヘツド後退レバ
ー70の復帰は阻止されている。
第29図および第30図の状態で曲間検出が行
なわれると、その検出信号に基いてRFロツクソ
レノイド97がオフされ、ロツクピン94がロツ
ク凹部74から抜け出し、ヘツド後退レバー70
のロツク状態が解除される。そして引張バネ11
3の復帰力によつてヘツド後退レバー70は元の
中央に戻され、手前側のヘツドベーガイド54が
引張バネ134によりセンス位置カム面140b
から傾斜カム面140cを通つて演奏位置カム面
140aと当接するようにヘツドベースガイド5
4が前進する。この前進にともなつてヘツドベー
ス50(磁気ヘツド57)も演奏位置まで前進
し、ベース前進第2レバー131も演奏状態の位
置まで回動する。
またヘツド後退レバー70の復帰で第1駆動レ
バー98と第2駆動レバー101も元の位置まで
回動し、それによつてアイドルギア49がリール
ギア48ならびにフライホイール大径ギア63か
ら離れ、リールギア48の駆動伝達が一時遮断さ
れる。
さらにヘツド後退レバー70の復帰で、後退カ
ム端面76による右側のローラ支軸67の押圧が
なくなるから、ローラ支軸67は元の位置に戻
り、磁気テープ136がピンチローラ59とキヤ
プスタン61との間で弾性的に挟持される。また
ローラ支軸67の戻り動作にともないピンチレバ
ー65が回動し、それによつてテイクアツプギア
68がリールギア48と噛み合い、リールギア4
8の回転が開始され磁気テープ136が巻き取ら
れて選曲した曲の演奏が行なわれる。次に早送
り・巻戻し機構について説明する。
(4) 早送り・巻戻し機構 制御部からの早送り信号あるいは巻戻し信号に
基いて、第27図に示すストツプレバー回動ソレ
ノイド137の通電が停止され、それによつてス
トツプレバー123が破線で示すように若干時計
回り方向に回動し、ストツパー突部122に対す
る第1ストツプ片124の係止が解除されると同
時に第2ストツプ片125の先端部がストツパー
突部122の回転軌跡内に入る。
復帰バネ51により常に後退位置に復帰しよう
とするヘツドベース50はベース前進第1レバー
128、ベース前進第2レバー131、引張バネ
134を介して回動カム119を時計方向に回わ
す力として働いており(第28図参照)、ストツ
パー突部122と第1ストツプ片124との係合
が外れると、ストツパー突部122は破線で示す
ように第2ストツプ片125と当接する位置まで
回動して、その位置で停止する。このように制御
回転体115のストツパー突部122が第1スト
ツプ片124の対向から第2ストツプ片125の
対向位置まで回動することにともない、回動カム
119も一体に回動する。
第31図および第32図は、早送り・巻戻し状
態を示す図である。ヘツドベース50は常に復帰
バネ51で手前側に引つ張られているから、前述
の回動カム119の回動により、ベース前進第1
レバー128ならびにベース前進第2レバー13
1の時計回り方向の回動をともないながら、カム
当接部129が戻しカム面119bを通つて窪み
カム面119cに入り込む(第32図参照)とと
もにヘツドベース50は手前側に戻り、第31図
に示すように磁気ヘツド57ならびに左右のピン
チローラ59が磁気テープ136から離れ、テイ
クアツプギア68がリールギア48,47から離
れて、磁気テープ136の走行が一時停止する。
制御部からの早送り信号あるいは巻戻し信号に
基いてRFギア87の小径ギア88が回転する。
第32図は小径ギア88が時計回り方向に回転
し、それに基いてヘツド後退レバー70が左方向
へ移動して、左側のリールギア47を高速で回転
させる場合を示している。
すなわち小径ギア88の回転でスイングレバー
83が矢印方向に回動し、ヘツド後退レバー70
が左方向へ引き寄せられる。左右のローラ支軸6
7はヘツドベース50とともに手前側に移動して
後退カム端面76より離れるから、ヘツド後退レ
バー70の移動によつてローラ支軸67が動くこ
とはない。
ヘツド後退レバー70が左方向へ移動すること
により、ロツクピン94がロツク溝79の右側ロ
ツク凹部78に入り込み、RFロツクソレノイド
97の励磁によつてヘツド後退レバー70の位置
保持がなされる。なお、第32図では図面を簡略
にするためRFロツクレバー93、連結レバー9
6ならびにRFロツクソレノイド97などは省略
してある。
またヘツド後退レバー70の移動にともない駆
動ピン99がアイドルギア駆動カム溝80の最も
右寄りの第3カム溝部80cに入り、それにとも
なつて第1駆動レバー98が軸100を中心にし
て時計回り方向に、さらに第2駆動レバー101
はスタツド103を中心にして反時計回り方向
に、それぞれ若干回動する。これによつてアイド
ルギア49が最初左側フライホイール43のフラ
イホイール大径ギア63と噛み合つて回転し、次
に左側のリールギア47と噛合して駆動力伝達が
行なわれ、リールギア47の回転で、磁気テープ
136の高速巻取りができる。
ヘツド後退レバー70の左方向への移動によ
り、第32図に示すように左側の小突起112が
左側の第1なか寄せ部材106における小スリツ
ト109の端縁に当接し、第1なか寄せ部材10
6を左側へ移動する。一方、右側の第2なか寄せ
部材107はそれの大スリツト108の端縁がス
トツパーピン111に突き当つているから、左方
向への移動が阻止され、その結果引張バネ113
の引き伸ばしによりヘツド後退レバー70の中央
への復帰力が付与される。
第31図および第32図の状態で所望の磁気テ
ープ136の早送り、あるいは巻戻しができる
と、その終了信号に基いてRFロツクソレノイド
97がオフされ、ロツクピン94がロツク凹部7
8から抜け出し、ヘツド後退レバー70のロツク
状態が解除される。そして引張バネ113の復帰
力によつてヘツド後退レバー70は中央に戻さ
れ、その移動で第1駆動レバー98と第2駆動レ
バー101がそれぞれ回動し、その結果アイドル
ギア49がリールギア47ならびにフライホイー
ル大径ギア63から離れ、リールギア47の駆動
伝達、すなわち磁気テープ136の高速走行が停
止する。次にイジエクト機構について説明する。
(5) イジエクト機構 イジエクトポーズのときも前記(4)早送り、巻戻
しポーズのときと同じように、第27図に破線で
示す如くストツパー突部122が第2ストツプ片
125と係止したところで制御回転体115が停
止している。従つて第33図に示すようにベース
前進第1レバー128のカム当接部129は、制
御回転体115の窪みカム面119cに入り込ん
でいる。そのためヘツドベース50は手前側のポ
ーズポジシヨンに戻つており、磁気ヘツド57な
らびに両側のピンチローラ59は磁気テープ13
6から離れ、両側のテイクアツプギア68はそれ
ぞれリールギア47,48からはなれている。
また、ヘツド後退レバー70は中央の位置にあ
り、結局アイドルギア49はフライホイール47
と48の中間位置にあつていずれのギアに対して
も非噛合の状態になつている。
第34図はイジエクト前のリーフスイツチ駆動
機構の状態を示す図、第35図はイジエクト前の
第2アイドラー117とイジエクトギア149の
対向状態を示す図である。第34図に示すように
イジエクトソレノイド141のアクチユエータ1
42には、スイツチレバー143の後端係止片1
44が離脱可能に係止されているその係止片14
4の近くには駆動突片145が設けられ、リーフ
スイツチ146の動作片147と係合している。
スイツチレバー143の先端にはストツパー爪1
48が形成され、これはイジエクトギア149の
係止溝150に嵌り込むようになつている。
スイツチレバー143の上方にはトリガーレバ
ー151が配置され、それの基部とスイツチレバ
ー143の中間部は共用支軸152によつて回動
可能に支承されている。トリガーレバー151
は、引張バネ153によつて常に反時計回り方向
に回動付勢されている。トリガーレバー151の
自由端側には押圧溝部154が設けられ、それか
ら先端側に向けて弧状の案内端縁155が形成さ
れている。
第36図イ,ロは、イジエクトギア149の平
面図ならびに底面図である。イジエクトギア14
9の上面中央には小筒部156が形成され、その
周面から1本のトリガー歯157が径方向外側に
向けて突設されている。小筒部156の下には大
筒部158が設けられ、それの周面に1つの係止
溝150が形成されている。大筒部158の下に
は一部に欠歯部159を有する平歯状の駆動歯部
160が形成され、さらにその下、すなわちイジ
エクトギア149の裏側には欠歯部161を有す
る小径歯部162が形成されている。前記駆動歯
部160は、第35図に示すように第2アイドラ
ー117の小径ギア163と噛合可能なようにな
つている。また、前記小径歯部162は、第9
図、第12図ならびに第38図に示すようにイジ
エクトレバー29の側面に取り付けられたラツク
歯164と噛合可能なようになつている。
第38図に示すようにイジエクトレバー29の
一部はメインスイツチレバー165と係合してお
り、メインスイツチレバー165の回動でメイン
スイツチ2がオン、オフするようになつている。
第34図、第35図および第38図は、イジエ
クト前の状態をそれぞれ示している。この状態で
はイジエクトソレノイド141には通電されてお
らず、リーフスイツチ146もオフになつてお
り、ストツパー爪148が係止溝150に入り込
んでいるから、イジエクトギア149の回転は阻
止されている(第34図参照)。また、第35図
に示すようにイジエクトギア149の欠歯部15
9が第2アイドラー117の小径ギア163と対
向しており、メインモータ3(駆動ギア114)
からの駆動力伝達はされない。さらに第38図に
示すように、小径歯部162の欠歯部161がラ
ツク歯164と対向している。
イジエクトしたいため操作者がイジエクトボタ
ン(図示せず)を押すと、その動作を検知して制
御部からイジエクト信号が出力され、その信号に
基いてイジエクトソレノイド141が励磁され
る。この励磁でアクチユエータ142が吸引さ
れ、それによつてスイツチレバー143が共用支
軸152を中心にして反時計回り方向に回動し、
この回動でリーフスイツチ146の動作片147
が押しらやれ、リーフスイツチ146がオンす
る。またスイツチレバー143の回動でストツパ
ー爪148がイジエクトギア149の係止溝15
0から抜け出すことにより、イジエクトギア14
9は回転可能となり、トリガーレバー151の押
圧力によりトリガー歯157を介してイジエクト
ギア149を少し回動する。この回動動作でイジ
エクトギア149の欠歯部159と第2アイドラ
ー117の小径ギア163との対向が外れ、イジ
エクトギア149の駆動歯部160が前記小径ギ
ア163と噛み合い、駆動力伝達によりイジエク
トギア149を第37図に示すように矢印時計回
り方向に回転する。
イジエクトソレノイド141はイジエクト開始
時に短時間励磁されるが、その後は通電されず第
37図に示すようにそれのアクチユエータ142
は後端係止片144から離れて元の位置に戻る。
ストツパー爪148は係止溝150から抜け出し
たのち、イジエクトギア149の大筒部158の
周面上を摺接するから、スイツチレバー143な
らびに動作片147はそのままの状態を保持し
て、リーフスイツチ146はオンのままになつて
いる。一方、トリガーレバー151は押圧溝部1
54とトリガー歯157との係合が外れると、引
張バネ153によつて反時計回り方向に回動する
が、案内端縁155が小筒部156の周面に当接
したところで回動が停止している。
また、イジエクトギア149の回転にともなつ
て小径歯部162(第38図参照)がラツク歯1
64と噛み合い、イジエクトレバー29を矢印の
方向に移動させ、それによつてメインスイツチレ
バー165が回動し、メインスイツチ2がオフさ
れる。
第12図はカセツトテープ6が演奏位置にある
状態を示しているが、イジエクト前もこの状態と
同じである。前述のイジエクトレバー29の移動
にともない、カセツトホルダ8に連結されている
昇降ピン40が段状ガイド溝35と切欠部41と
の案内により押し上げられ、カセツトホルダ8な
らびにホルダ押圧板9が第13図に破線で示すよ
うに上位置まで移動する。
またイジエクト前には第11図に示すように挿
脱レバー25は最も右寄りの位置にあるが、前述
のカセツトテープ6の装着時とは全く逆に、イジ
エクトレバー29の移動にともなつて自動的に挿
脱レバー25がピン26を支点にして時計回り方
向に回動する。この回動でカセツトテープ6はス
ライダ18によつて第8図に示す位置まで押し出
され、テープレコーダから脱落しないでかつ取り
出しが容易な位置に保持される。
このようにしてカセツトテープ6の排出が終了
してもイジエクトギア149は回転しており、そ
れのトリガー歯157が案内端縁155の内側に
入り込んで、引張バネ153の弾性に抗してトリ
ガーレバー151を時計回り方向に回動復帰させ
る。そしてストツパー爪148が係止溝150と
対向して落ち込んだときに、トリガー歯157が
押圧溝部154に入り込み、これでイジエクトギ
ア149の1回転が終了する。前述のようにスト
ツパー爪148が係止溝150に落ち込むことに
よつて、スイツチレバー143が回動し、それに
ともなつて動作片147も回動復帰してリーフス
イツチ146がオフされる。このリーフスイツチ
146のオフ信号に基いてメインモータ3がオフ
されて、それの回転が停止する。
第39図は、前述してイジエクト動作のタイミ
ングチヤートである。この図に示すようにイジエ
クトボタンを押すとイジエクトレバーが移動し、
それによつてメインスイツチがオフして、引き続
くイジエクトレバーの移動でカセツトテープが排
出され、その後リーフスイツチがオフして、メイ
ンスイツチのオフとリーフスイツチのオフのアン
ド条件でメインモータがオフされる仕組になつて
いる。
〔考案が解決しようとする問題点〕
上記従来技術においては、第36図に示すよう
に、欠歯部161を有する小径歯部162を形成
したイジエクトギア149がイジエクトレバー2
9の側面に取り付けられたラツク歯164を介し
て、前記イジエクトレバーを動かすことにより、
カセツトテープのイジエクトを行なうように構成
している(第9図、第12図および第38図参
照)。
すなわち、第40図イ,ロに示すように、イジ
エクトギアの駆動力をイジエクトレバーのラツク
歯164に伝達するための小径歯部162を形成
した歯車(以下、これを平歯車166と記す)
は、イジエクトギア149の回転にともなつて矢
印A方向に回転し、その小径歯部162がイジエ
クトレバーに固定されたラツク歯164に噛み合
い、これを矢印B方向に移動させる。この移動は
前記挿脱レバー25が第8図の鎖線で示した位置
から実線で示した位置に第1コイルバネ27及び
第2コイルバネ28の作用により移動することに
より完了する。このとき、ラツク歯164と平歯
車166とは第40図ロに示した位置となる。
第40図イの状態から同図ロの状態に移つた
際、ラツク歯164がバツクラツシユ、外力等に
より同図ロの矢印C方向へ戻り動作(オーバース
トローク)をさせられた場合、ラツク歯164の
イジエクトレバーへの取付け部にガタがあると、
同図ロに傾斜で示したラツク歯の歯先が平歯車1
66にぶつかりながら移動することになり、ラツ
ク歯164が摩耗したり、極端には破損してしま
うという問題があつた。
本考案は、上記従来技術の問題点を解決し、耐
久性の高いイジエクト機構を持つたカセツト式テ
ープレコーダを提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点は、イジエクトレバーに取付けるラ
ツク歯をイジエクトレバーに対して弾性的に移動
可能に装架して前記オーバーストロークを吸収で
きるようにすると共に、該ラツク歯に歯部強化リ
ブを設け、かつ前記平歯車に第40図ロに示す状
態においてラツク歯の前記歯部強化リブに係合す
る係止部を形成することにより達成される。
〔作用〕
ラツク歯をイジエクトレバーに対して弾性的に
移動可能となるよう装架することにより、イジエ
クトレバーのオーバーストロークがこの弾性によ
つて吸収され、かつラツク歯に設けた歯部強化リ
ブと平歯車に設けた係止部との係合によつて、ラ
ツク歯と平歯車とのぶつかりがなくなり、ラツク
歯の摩耗や破損が防止されるとともに、平歯車の
保護もなされる。
〔実施例〕
以下、本考案の一実施例を図面を用いて説明す
る。
第1図および第2図はカセツトテープが押し込
まれる前の状態を示す平面図および側面図、第3
図および第4図はカセツトテープが演奏位置に装
着された状態を示す平面図および側面図であつ
て、第1図および第2図、第3図および第4図は
それぞれ前記従来技術の説明における第8図およ
び第9図、第11図および第12図と対応するも
のであり、同一部分には同一符号を付してある。
なお、本考案と前記従来技術とは、カセツトテ
ープのイジエクト機構を除いて大きな差異がない
ので、以下の説明では上記イジエクト機構を中心
に説明する。
第1図乃至第4図に示すカセツト式テープレコ
ーダにおいて、対向して配置された側板4,5の
間にカセツトホルダ8、ホルダ押圧板9が設けら
れる。カセツトホルダ9にはスライダガイド溝1
7が形成され、このスライダガイド溝17にカセ
ツトテープの挿脱に従つてスライドするスライダ
18が滑動可能に配置される。スライダ18には
抜止めピン24により挿脱レバー25の一端が取
り付けられ、他端(基部)が前記側板4にピン2
6で回動可能に止着される。また、挿脱レバー2
5の上記基部には、図示のように連結ピン32が
植立され、この連結ピン32をイジエクトレバー
29の水平部30に設けた円弧溝31に移動可能
に挿通されると共に、連結ピン32と前記水平部
30間にコイルバネ28が取り付けられている。
イジエクトレバー29には、側板4に植立した
ガイドピン39を挿通する長穴34が形成されて
おり、カセツトテープの挿脱方向(矢印X方向)
にスライド移動できるように構成される。
また、イジエクトレバー29にはラツク歯溝1
69が形成されており、このラツク歯溝169に
ラツク歯164が上記矢印X方向にスライド可能
に嵌入されるとともに、ラツク歯164に形成し
たバネ掛け穴336とイジエクトレバー29の一
端に設けたバネ掛け突起37との間に張架したコ
イルバネ228により、カセツトテープのイジエ
クト方向に偏寄されている。なお、ラツク歯16
4にはバネ掛け突起236が形成されており、こ
のバネ掛け突起236と側板4との間にイジエク
トレバー29の作動用コイルバネ238が張架さ
れている。
以上のように構成することによつて、ラツク歯
164はイジエクトレバーの動作完了時のバツク
ラツシユあるいは外力等によるオーバーストロー
クを吸収して、平歯車の小径歯部に衝撃を与える
ことがない。
次に、イジエクト機構の要部であるラツク歯と
平歯車の構成を詳細に説明する。
第5図はイジエクト機構の駆動部の要部を示す
概略傾視図であつて、162は小径歯部、164
はラツク歯、166は平歯車、167はラツク歯
部強化リブ、168は係止部である。
同図において、イジエクトレバー29(第2
図、第4図参照)に取り付けられたラツク歯16
4にはラツク歯の各歯を橋絡する如くその一端に
亘つてラツク歯部強化リブ167が形成されてい
る。
一方、イジエクトギア149と一体的に回転す
る平歯車166には、第40図に示したと同様
に、ラツク歯164と噛み合う小径歯部162と
欠歯部とが形成されるとともに、係止部168が
図示の如く形成されている。
上記係止部168は、ラツク歯164に形成し
たラツク歯部強化リブ167と係合するように配
置されている。
この係止部168とラツク歯部強化リブの寸法
関係は、次式を満足するように形成される。
h−hr≧rH−rK ただし h:ラツク歯の歯元よりラツク歯部強化リブ上
面までの高さ、 hr:ラツク歯の歯元より歯先までの高さ、 rK:平歯車中心からの係止部までの高さ、 rH:平歯車の歯元円半径、 ラツク歯167と平歯車166を上記のように
形成したことにより、平歯車166がラツク歯1
64と噛み合わずに該ラツク歯を移動させるとき
は、平歯車に形成した係止部168がラツク歯1
64に形成したラツク歯部強化リブと係合して移
動するので、ラツク歯に小径歯部が接触しないた
め、ラツク歯の摩耗や破損を防止することができ
る。また、ラツク歯164の歯部と平歯車166
の小径歯部162との係合が解かれて噛み合い動
作が完了した状態においては、ラツク歯部強化リ
ブ167と係止部168とが係合した状態を維持
するので、イジエクトレバーのバツクラツシユや
外力等によるラツク歯164の矢印C方向への戻
り動作(オーバーストローク)があつても、ラツ
ク歯の歯先が平歯車166にぶつかることがな
い。
第6図イ,ロはイジエクトギアの平面図および
底面図であつて、イジエクトギア149の上面中
央には小筒部156が形成され、その周面から1
本のトリガー歯157が径方向外側に向けて突設
されている。小筒部156の下には大筒部158
が設けられ、それの周面に1つの係止溝150が
形成されている。大筒部158の下には一部に欠
歯部159を有する平歯状の駆動歯部160が形
成され、さらにその下、すなわちイジエクトギア
149の裏側には欠歯部161と係止部168を
有する小径歯部162を持つ平歯車166が形成
されている。駆動歯部160は前記第35図に示
すように第2アイドラー117の小径ギア163
と噛合可能なようになつている。
また、前記小径歯部162は第2図に示すよう
にイジエクトレバー29の側面に弾性偏寄手段で
あるコイルバネ228によつて取り付けられたラ
ツク歯164と噛合可能なようになつている。
第7図に示すようにイジエクトレバー29の一
部はメインスイツチレバー165と係合してお
り、メインスイツチレバー165の回動でメイン
スイツチ2がオン、オフするようになつている。
イジエクト前の状態では、平歯車166の係止
部168とラツク歯164に形成したラツク歯部
強化リブ167とは係合しているが、小径歯部1
62とラツク歯164とは噛合しておらず、その
欠歯部161がラツク歯164と対向している。
第34図および第35図に示すように、イジエ
クトしたいため操作者がイジエクトボタン(図示
せず)を押すと、その動作を検知して制御部から
イジエクト信号が出力され、その信号に基いてイ
ジエクトソレノイド141が励磁される。この励
磁でアクチユエータ142が吸引され、それによ
つてスイツチレバー143が共用支軸152を中
心にして反時計回り方向に回動し、この回動でリ
ーフスイツチ146の動作片147が押しやら
れ、リーフスイツチ146がオンする。またスイ
ツチレバー143の回動でストツパー爪148が
イジエクトギア149係止溝150から抜け出す
ことにより、イジエクトギア149は回転可能と
なり、トリガーレバー151の押圧力によりトリ
ガー歯157を介してイジエクトギア149を少
し回動する。この回動動作でイジエクトギア14
9の欠歯部159と第2アイドラー117の小径
ギア163との対向が外れ、イジエクトギア14
9の駆動歯部160が前記小径ギア163と噛み
合い、駆動力伝達によりイジエクトギア149を
第37図に示すように矢印時計回り方向に回転す
る。
イジエクトソレノイド141はイジエクト開始
時に短時間励磁されるが、その後は通電されず第
37図に示すようにそれのアクチユエータ142
は後端係止片144から離れて元の位置に戻る。
ストツパー爪148は係止溝150から抜け出し
たのち、イジエクトギア149の大筒部158の
周面上を摺接するから、スイツチレバー143な
らびに動作片147はそのままの状態を保持し
て、リーフスイツチ146はオンのままになつて
いる。一方、トリガーレバー151は押圧溝部1
54とトリガー歯157との係合が外れると、引
張バネ153によつて反時計回り方向に回動する
が、案内端縁155が小筒部156の周面に当接
したところで回動が停止している。
また、イジエクトギア149の回転にともなつ
て小径歯部162(第7図参照)がラツク歯16
4と噛み合い、イジエクトレバー29を矢印の方
向に移動させ、それによつてメインスイツチレバ
ー165が回動し、メインスイツチ2がオフされ
る。なお、前記のように、平歯車166の小径歯
部162がラツク歯164と噛み合つて回転する
とき、平歯車166に形成した係止部168はラ
ツク歯164に形成したラツク歯部強化リブ16
7と係合しないで回転するため、両者の駆動動作
が円滑に行なわれる。
前記したように、イジエクトレバー29がコイ
ルバネ(第1図、第2図、第3図および第4図)
に抗して移動を開始し、イジエクトレバー25の
連結ピン32が円弧溝31の中間点を過ぎると、
挿脱レバー25はコイルバネ28の反発力により
自動的に回動する。この回動でカセツトテープ6
はスライダ18によつて第1図に示す位置まで押
し出され、テープレコーダから脱落しないでかつ
取り出しが容易な位置に保持される。
このようにしてカセツトテープ6の排出が終了
してもイジエクトギア149(第37図)は回転
しており、それのトリガー歯157が案内端縁1
55の内側に入り込んで、引張バネ153の弾性
に抗してトリガーレバー151を時計回り方向に
回動復帰させる。そしてストツパー爪148が係
止溝150と対向して落ち込んだときに、トリガ
ー歯157が押圧溝部154に入り込み、これで
イジエクトギア149の1回転が終了する。前述
のようにストツパー爪148が係止溝150に落
ち込むことによつて、スイツチレバー143が回
動し、それにともなつて動作片147も回動復帰
してリーフスイツチ146がオフされる。このリ
ーフスイツチ146のオフ信号に基いてメインモ
ータ3がオフされて、それの回転が停止する。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案はカセツトテープ
を挿脱するためのイジエクトレバーに取り付ける
ラツク歯を該イジエクトレバーに対して弾性的に
移動可能に取り付けると共に、上記ラツク歯にラ
ツク歯部強化リブを形成し、かつラツク歯を駆動
する平歯車にイジエクトレバーの移動完了時に前
記ラツク歯部強化リブと係合する係止部を形成す
ることにより、イジエクトレバーのオーバースト
ロークを吸収させると共に、ラツク歯の摩耗や破
損を防止することができ、前記従来技術の欠点を
解消し、優れた機能のカセツト式テープレコーダ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は本考案によるカセツト式テ
ープレコーダの一実施例の説明図であつて、第1
図および第2図はカセツトテープが押し込まれる
前の状態を示す平面図および側面図、第3図およ
び第4図はカセツトテープが演奏位置に装着され
た状態を示す平面図および側面図、第5図はイジ
エクト機構の駆動部の要部を示す概略斜視図、第
6図イ,ロはイジエクトギアの平面図および底面
図、第7図はイジエクト前のイジエクトレバーの
ラツク歯と平歯車の状態を示す説明図、また第8
図乃至第40図イ,ロは従来技術によるカセツト
式テープレコーダを説明する図であつて、第8図
および第9図はカセツトテープが押し込まれる前
の状態を示す平面図および側面図、第10図はス
ライダの拡大断面図、第11図および第12図は
カセツトテープが演奏位置に装着された状態を示
す平面図および側面図、第13図は同じくカセツ
トテープが演奏位置に保持された状態を示す一部
側面図、第14図および第15図はイジエクトレ
バーの平面図および側面図、第16図は駆動力伝
達系統を示す一部底面図、第17図は演奏状態に
おける要部平面図、第18図は同じく演奏状態に
おける要部底面図、第19図はヘツドベースの平
面図、第20図はフライホイールの断面図、第2
1図は演奏状態におけるピンチローラアームとピ
ンチレバーとの位置関係を示す説明図、第22図
は演奏状態におけるピンチレバーとローラ支軸と
ノーマル・リバース走行方向切換レバーとの位置
関係を示す説明図、第23図は演奏状態における
ヘツド後退レバーと他の部材との位置関係を示す
説明図、第24図はスイングレバーとRFギアの
拡大平面図、第25図は駆動ギアから制御回転体
までの駆動力伝達系統を示す説明図、第26図
イ,ロは制御回転体の平面図および底面図、第2
7図はストツプレバーの働きを示す説明図、第2
8図は回転カム、ベース前進第1レバーならびに
ベース前進第2レバーの働きを示す説明図、第2
9図は記録個所検出状態における要部平面図、第
30図は同じく記録個所検出状態における要部底
面図、第31図は早送り、巻戻し状態における要
部平面図、第32図は同じく早送り、巻戻し状態
における要部底面図、第33図はイジエクト状態
における要部平面図、第34図はイジエクト前の
リーフスイツチ駆動機構の状態を示す説明図、第
35図はイジエクト前の第2アイドラーとイジエ
クトギアの対向状態を示す説明図、第36図イ,
ロはイジエクトギアの平面図および底面図、第3
7図はイジエクト中のリーフスイツチ駆動機構の
状態を示す説明図、第38図はイジエクト前のイ
ジエクトレバーとラツク歯とメインスイツチレバ
ーの状態を示す説明図、第39図はイジエクト動
作のタイミングチヤート、第40図イ,ロはイジ
エクト機構の駆動部の要部を示す斜視図である。 2……メインスイツチ、3……メインモータ、
6……カセツトテープ、18……スライダ、25
……挿脱レバー、29……イジエクトレバー、4
3,44……フライホイール、47,48……リ
ールギア、49……アイドルギア、50……ヘツ
ドベース、57……磁気ヘツド、59……ピンチ
ローラ、60……ピンチローラアーム、61……
キヤプスタン、63……フライホイール大径ギ
ア、65……ピンチレバー、67……ローラ支
軸、70……ヘツド後退レバー、76……後退カ
ム端面、78……ロツク凹部、79……ロツク
溝、80……アイドルギア駆動カム溝、80a…
…第1カム溝部、80b……第2カム溝部、80
c……第3カム溝部、83……スイングレバー、
87……RFギア、88……小径ギア、90……
RFロツクレバー、94……ロツクピン、96…
…連結レバー、97……RFロツクソレノイド、
98……第1駆動レバー、101……第2駆動レ
バー、106……第1なか寄せ部材、107……
第2なか寄せ部材、111……ストツパーピン、
112……小突起、113……引張バネ、140
……カム面、104a……演奏位置カム面、10
4b……センス位置カム面、104c……傾斜カ
ム面、141……イジエクトソレノイド、143
……スイツチレバー、146……リーフスイツ
チ、149……イジエクトギア、151……トリ
ガーレバー、161……欠歯部、162……小径
歯部、164……ラツク歯、165……メインス
イツチレバー、166……平歯車、167……ラ
ツク歯強化リブ、168……係止部、169……
ラツク歯溝、228,238……コイルバネ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 カセツトテープの挿脱方向に移動するごとく装
    架されたイジエクトレバーと、 該イジエクトレバーに取り付けられたラツク歯
    と、 イジエクト信号に基づくメインモータの駆動に
    より回転されるイジエクトギアと、 該イジエクトギアに形成されてイジエクト動作
    時に前記ラツク歯と噛み合つて前記イジエクトレ
    バーのイジエクト動作を開始させる平歯車とを備
    えたカセツト式テープレコーダにおいて、 前記ラツク歯は前記イジエクトレバーに対して
    カセツトテープの挿脱方向に移動可能にかつ弾性
    偏寄手段を介して取り付けられ、前記イジエクト
    レバーのオーバーストロークを吸収できるよう構
    成するとともに、 前記ラツク歯には、各歯を橋絡するようにラツ
    ク歯の一端にラツク歯部強化リブが形成され、 前記平歯車には、前記ラツク歯と噛合する小径
    歯部と、この小径歯部側に形成された係止部を有
    し、 前記ラツク歯と前記平歯車の小径歯部とが噛合
    しない状態においては、前記ラツク歯部強化リブ
    と前記係止部とが係合するように配置されること
    を特徴とするカセツト式テープレコーダ。
JP1986063171U 1986-04-28 1986-04-28 Expired - Lifetime JPH05992Y2 (ja)

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