JPH0599168A - スクロール形流体機械 - Google Patents

スクロール形流体機械

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JPH0599168A
JPH0599168A JP25362991A JP25362991A JPH0599168A JP H0599168 A JPH0599168 A JP H0599168A JP 25362991 A JP25362991 A JP 25362991A JP 25362991 A JP25362991 A JP 25362991A JP H0599168 A JPH0599168 A JP H0599168A
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Yoshitaka Shibamoto
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/0007Injection of a fluid in the working chamber for sealing, cooling and lubricating

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】第2スクロールの前記第1スクロールに対する
スラスト力が過大になるのを防止できながら、鏡板の背
面室から作動室に適正な油注入を行なえるようにする。 【構成】第2スクロール3における鏡板31の背面側
に、ケーシング1の内部空間と画成された背面室S2を
形成すると共に、この背面室S2を、中心側室S3と外
周側室S4とに区画して、これら中心側室S3と外周側
室S4との間に油通路63を設ける一方、前記鏡板31
に、前記第2スクロール3の公転運動に伴い、前記中心
側室S3を圧縮過程の圧力の高い前記作動室5に連通
し、かつ、前記外周側室S4を、前記中心側室S3が連
通する前記作動室5の圧力より低い圧力の前記作動室5
に連通する連通孔71,72,73を設けて、圧縮過程
の圧力が高い作動室5のガス流体を中心側室S3に供給
し、この中心側室S3を中間圧にして、外周側室S4か
ら前記作動室5に軸受部潤滑後の油を間欠的に供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒の圧縮等を行う流
体作動室に油をインジェクションし、流体作動室内をシ
ールするようにしたスクロール形流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスクロール形流体機械に
あっては、例えば特開平3−88988号公報に開示さ
れている。この従来のものは図15に示すように、高圧
ドーム形の密閉ケーシングDに、渦巻体a,bを備えた
第1スクロールAと第2スクロールBとを内装し、吸入
管Lを介して渦巻外周部に取り込む低圧ガスを渦巻体
a,b間に画成する流体作動室Cで圧縮し、圧縮後の高
圧ガスを渦巻中心部に設ける吐出孔Hから密閉ケーシン
グD内に吐出するようにしている。そして、渦巻外周側
の低圧域から渦巻中心側の高圧域にかけて圧力変化する
前記流体作動室C内をシールしてその機密性を保つた
め、圧縮途上の中間圧領域にある作動室Cに、高圧雰囲
気中にある密閉ケーシングDの底部油溜から延びる油イ
ンジェクション管Jを接続して、前記作動室Cと前記底
部油溜との差圧により前記底部油溜から前記作動室Cへ
の油の注入を行い、各渦巻体a,b間の摺接面にシール
に必要な油膜が形成できるようにしている。
【0003】ところで以上の構造のものでは、油インジ
ェクション管Jを介して高圧の油溜と作動室Cとが常時
連通され、作動室C内に常時油が注入されるため、油の
注入量が過剰になり易いと云う不具合がある。
【0004】そこで本願出願人はかかる不具合を解消す
るために、図16に示すように、第2スクロールBの鏡
板B1の背面に、該鏡板B1を中心側と外周側とに区画
する環状のシール部材Eを介装して、このシール部材E
における前記鏡板B1への接触面に環状の油注入室Fを
設けると共に、前記鏡板B1の背面側に、油プールGを
設けて、該油プールGと前記油注入室Fとを前記シール
部材Eに形成した軸方向の連通路Hを介して連通し、該
油プールGに、モータの駆動軸Kに形成した油通路K1
を介して前記高圧ドーム形密閉ケーシングDの底部油溜
の高圧油を供給して油プールGを高圧にする一方、前記
第2スクロールBの鏡板B1に、該第2スクロールBの
公転運動に伴い圧縮途上の中間圧領域にある作動室Cを
前記油注入口Fと間欠的に連通させる油連通路Mを形成
して、前記油プールGと前記作動室Cとの差圧により、
該油プールGに供給される油を前記油連通路M及び油注
入室Fを介して前記作動室Cに間欠的に導入するように
したスクロール形流体機械を提案(特願平3−1419
35号)している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上の構
造のものでは、前記油プールGに高圧の油が供給され
て、該油プールGが高圧雰囲気となっていることから、
前記第2スクロールBが前記第1スクロールA側に強く
押されて、第2スクロールBの第1スクロールAに対す
るスラスト力が過大となる問題があった。
【0006】本発明は、以上の実情に鑑みて開発したも
のであって、目的とするところは、作動室への油のイン
ジェクションのやり方を工夫して、第2スクロールの前
記第1スクロールに対するスラスト力が過大になること
を防止できながら、前記作動室に適正な油注入が行える
スクロール形流体機械を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明は、密
閉ケーシング1に、渦巻体22、32をもつ第1及び第
2スクロール2、3から成る圧縮要素を内装し、前記各
渦巻体22、32間に、前記第2スクロール3の前記第
1スクロール2に対する相対的な公転運動により、外周
側から中心側に容積を減少しながら移動する作動室5を
画成するようにしたスクロール形流体機械において、前
記第2スクロール3における鏡板31の背面側に、前記
ケーシング1の内部空間と画成された背面室S2を形成
すると共に、この背面室S2を、中心側室S3と外周側
室S4とに区画して、これら中心側室S3と外周側室S
4との間に油通路63を設ける一方、前記鏡板31に、
前記第2スクロール3の公転運動に伴い、前記中心側室
S3を圧縮過程の圧力の高い前記作動室5に連通し、か
つ、前記外周側室S4を、前記中心側室S3が連通する
前記作動室5の圧力より低い圧力の前記作動室5に間欠
的に連通する連通手段を設けたのである。
【0008】また、前記連通手段は、第2スクロール3
の公転運動に伴い、中心側室S3を作動室5に連通する
少なくとも一つの第1連通孔71と、外周側室S4を前
記作動室5に間欠的に連通する少なくとも一つの第2連
通孔72とにより形成するのが好ましい。
【0009】また、前記連通手段は、第2スクロール3
の公転運動に伴い、前記中心側室S3と外周側室S4と
を前記作動室5に交互に連通する一つの連通孔73によ
り形成してもよい。
【0010】
【作用】第2スクロール3の公転により、中心側室S3
は、圧縮過程の圧力の高い作動室5と連通手段を介して
連通するのであって、この連通により、前記作動室5内
において圧縮されて中間圧となっているガス流体の一部
が前記連通手段から前記中心側室S3に流入して、該中
心側室S3の圧力が低圧と高圧との間の中間圧に保持さ
れる。また一方、前記外周側室S4も前記第2スクロー
ル3の公転により圧縮初期の低圧領域となっている外周
側に位置する作動室5と連通手段を介して間欠的に連通
するのであって、この連通により前記作動室5と中間圧
に保持されている前記外周側室S4との圧力差により、
前記背面室S2に供給された軸受部潤滑後の油が、前記
外周側室S4から前記連通手段を介して前記作動室5に
インジェクションされるのであり、しかもかかる油の前
記作動室5へのインジエクションは、前記外周側室S4
が前記連通手段を介して外周側の低圧領域に位置する作
動室5と連通する場合にのみ行われる間欠的なものとな
るので、該作動室5内への油の供給が過剰となることは
ない。
【0011】また前記第2スクロール3における鏡板3
1の背面側に形成される中心側室S3及び外周側室S4
は、前記ケーシング1内とは区画されて、前記鏡板31
に設ける前記連通手段を介して前記作動室5と連通する
ようにしているので、前記中心側室S3は、高圧になる
ことはなく、従って前記第2スクロールが前記第1スク
ロール2側に強く押される虞がなく、第2スクロール3
の第1スクロール2側へのスラスト力を適正に保持出来
る。
【0012】また中心側室S3には、圧縮過程のガス流
体を供給して、中心側室S3の圧力を中間圧に保持する
から、前記背面室S2に流入する軸受部潤滑後の油は、
前記外周側室S4から前記連通手段を介して順次前記作
動室5に供給されるので、該中心側室S3に油が充満す
ることがなく、従って前記中心側室S3内において駆動
軸の偏心軸部が偏心回転するも、該中心側室S3内での
油の撹拌による動力ロスの発生が小さい。
【0013】また、第2スクロール3の鏡板31に、第
1連通孔71と第2連通孔72とを各別に設けることに
より、第1連通孔71の位置を、第2連通孔72に関係
なく適正な位置に設けられるから、中心側室S3の圧力
を任意の中間圧力に容易に設定できて、外周側室S4か
ら作動室5への油インジェクションを最適にできるので
ある。
【0014】また、第2スクロール3の鏡板31に一つ
の連通孔73を設けた場合には、この一つの連通孔73
で、前記第1連通孔71と第2連通孔72とを兼用でき
るから、連通孔の加工が非常に楽であり、コストダウン
を図ることができる。
【0015】
【実施例】図1,2に示すスクロール形流体機械は、密
閉ケーシング1内の下部に、ステータとロータとを備え
たモータ11を配置する一方、前記密閉ケーシング1内
の上部に、鏡板21に渦巻体22とこれに連続する外周
壁23とを突設した第1スクロール2と、同じく鏡板3
1に渦巻体32を突設した第2スクロール3とから成る
圧縮要素Nを架構4を介して内装して、前記第1スクロ
ール2を、板ばねなどの弾性支持手段12を介して前記
架構4に固定し、前記渦巻体22・32間に、前記第2
スクロール3の前記第1スクロール2に対する公転運動
により外周側から中心側に容積を減少しながら移動する
作動室5を設けている。又、前記ケーシング1内の上部
には隔壁13を設けて、チャンバー室1aと前記圧縮要
素Nを収容する空間1b及びモータを収容する空間1c
とに区画している。
【0016】そして前記第2スクロール3の下面に突設
するボス筒33に、前記ロータから延びる駆動軸14の
偏心軸部15を嵌合する一方、第1スクロール2と第2
スクロール3との間に、第2スクロール3の自転を阻止
するオルダムリング16を介装し、モータ11の駆動に
伴う第2スクロール3の公転により、吸入管24から前
記空間1bを経て渦巻外周部の吸入ポート25に取込む
低圧ガス流体を前記作動室5内で圧縮し、圧縮後の高圧
ガスを第1スクロール2の渦巻中心部に設ける吐出孔2
6からケーシング1のチャンバー室1aに開放すると共
に、その高圧ガスを吐出バイパス管20を介してモータ
を収容する空間1cへ導いた後、前記ケーシング1に接
続した吐出管200から外部に取出すようにしている。
【0017】また、前記駆動軸14の軸芯部に、軸方向
に延びて該駆動軸14の両軸端に開口する給油孔17を
設けると共に、該給油孔17の途中に、径方向に延びて
前記駆動軸14と前記架構4との間に介装した主軸受1
8に潤滑油を供給する分岐孔17aを設け、駆動軸14
の下端に設けた油ポンプ(図示せず)により前記ケーシ
ング1の底部油溜に貯留する潤滑油を前記給油孔17を
介して汲み上げて前記主軸受18及び偏心軸部軸受19
を給油した後に前記鏡板31の背面側空間に流出するよ
うにしている。
【0018】しかして以上の構成から成るスクロール形
流体機械において、図に示す実施例では、前記第2スク
ロール3における鏡板31の背面側に、前記架構4によ
り前記ケーシング1のモータを収容する空間1cとは独
立する背面室S2を画成すると共に、この背面室S2内
における前記可動スクロール3の鏡板31の背面に円筒
状の筒体6を介装するのである。
【0019】そして前記筒体6の外周面と前記架構4と
の間にOリング61を介装して、該筒体6の内周面と前
記ボス筒33の外周面との間に、前記背面室S2の中心
側を前記筒体6で画成して成る中心側室S3を設け、ま
た前記筒体6における前記鏡板31との接触面にリング
状の凹溝62を形成して、該凹溝62内に、前記中心側
室S3とは区画された外周側室S4を設けると共に、該
外周側室S4と前記中心側室S3とを、前記筒体6の軸
方向に形成した油通路63を介して連通させている。
【0020】一方、前記第2スクロール3の鏡板31
に、該第2スクロール3の公転運動に伴い、前記中心側
室S3を圧縮過程の圧力の高い前記作動室5に連通する
第1連通孔71と、前記外周側室S4を、前記中心側室
S3が連通する前記作動室5の圧力より低い圧力の前記
作動室5に間欠的に連通する第2連通孔72とから成る
連通手段7を設けるのである。つまり、第2スクロール
3の公転運動に伴い作動室5の圧力が、図4のP1 にな
る圧縮過程で第1連通孔71を開放して、前記中心側室
S3を作動室5に連通させ、作動室5の圧縮過程の圧力
の高いガス流体を中心側室S3に供給して、該中心側室
S3の圧力を中間圧に保持するのであって、前記第1連
通孔71は、前記作動室5の圧力が図4のP2 になる圧
縮過程まで作動室5に連通し、その後閉鎖されるのであ
る。従って、作動室5が前記圧力P1 からP2 に変化す
るX領域で作動室5は前記中心側室S3に連通し、該中
心側室S3を前記圧力P1 とP2 との中間圧Pmに保持
するのである。第1連通孔71が作動室5と連絡してい
るとき、前記第2連通孔72は前記作動室5とは同時に
連絡せず、それより低圧状態である別の作動室に連絡す
るか、または閉鎖されている。そして、前記第2スクロ
ール3の公転運動に伴い圧縮初期の低圧領域にある作動
室5の作動室圧力が図4のP3 になったとき、第2連通
孔72が開放され、前記外周側室S4が前記作動室5に
連通し、この外周側室S4と作動室5との圧力差により
前記中心側室S3の潤滑油が外周側室S4から前記作動
室5にインジエクションされるのであり、前記作動室5
の圧力が図4のP4 になったとき、前記第2連通孔72
が閉鎖されるのである。従って、作動室5の圧力が前記
3 からP4 に変化するY領域で外周側室S4から作動
室5に潤滑油がインジエクションされるのである。尚、
図1、2では前記第1連通孔71と第2連通孔72とを
約180°変位した位置に各1個設けているが、これら
連通孔71、72の配設位置は特に制限されないし、ま
た図2のように各連通孔71、72をそれぞれ一つ設け
る他、複数個設けてもよい。又、図4において、Pdは
吐出圧力、Psは吸入圧力、Pmは背面室S2の中間圧
力である。
【0021】また図に示す実施例では、前記筒体6の下
面と前記架構4の底壁との間に、前記筒体6を前記鏡板
31方向に押圧するスプリング64を介装して、筒体6
の接触面を第2スクロール3の鏡板31下面に密接させ
るようにしている。
【0022】以上の構成から成る流体機械の運転に伴
い、圧縮要素Nの前記作動室5内で圧縮されて高圧とな
ったガス流体は、前記吐出孔26からケーシング1のチ
ャンバー室1aに吐出して、該ケーシング1に接続した
バイパス管20からモータ収容室1cに導き、吐出管2
00から外部に供給される一方、密閉ケーシング1の底
部油溜に貯留している油は、給油ポンプにより前記給油
孔17及び分岐孔17aを介して、前記主軸受18及び
偏心軸部軸受19に給油された後に前記背面室S2に供
給されるのである。
【0023】斯くして流体機械の運転に伴う前記第2ス
クロール3の公転運動により、作動室5の圧縮過程の圧
力が高くなって、図4のP1 からP2 に変化するX領域
で第1連通孔71が中心側室S3に開放し(図2及び図
3の状態)、作動室5の圧縮過程の圧力の高いガス流体
の一部を第1連通孔71から中心側室S3に供給できる
のである。従って、この中心側室S3の圧力を中間圧に
でき、また、前記外周側室S4は、油通路63を介して
前記中心側室S3と連通していて、外周側室S4も中心
側室S3と同じ中間圧力になっているから、圧縮初期の
低圧領域にある作動室5が第2連通孔72を介して外周
側室S4に連通するとき(図3の状態)、中間圧力に保
持される外周側室S4と作動室5との圧力差により、中
心側室S3の潤滑油が前記油通路63を介して外周側室
S4及び第2連通孔72から作動室5にインジエクショ
ンできるのである。
【0024】しかもかかる油の前記作動室5へのインジ
エクションは、前記外周側室S4が前記第2連通孔72
を介して低圧領域の作動室5と連通する場合にのみ行わ
れる間欠的なものとなるので、該作動室5内に注入され
る油は制限された量になり、従って前記作動室5に対す
る過剰な注油を防止することが出来るのである。また、
第1連通孔71と第2連通孔72とを各別に設けること
により、第1連通孔71の作動室5に対する位置を、第
2連通孔72に関係なく適正な位置に設けられるから、
中心側室S3の圧力を任意の中間圧力に容易に設定でき
て、外周側室S4から作動室5への油インジェクション
を最適にできるのである。
【0025】しかして前記背面室S2には、圧縮過程の
圧力の高いガス流体を供給して前記圧力P1 とP2 との
間の中間圧にしているから、前記第2スクロールが前記
第1スクロール2側に強く押される虞がなく、第2スク
ロール3の第1スクロール2側へのスラスト力を適正に
保持出来るのである。
【0026】しかも圧縮過程の圧力の高いガス流体を中
心側室S3に供給して、該中心側室S3を前記した中間
圧にするのであるから、軸受部潤滑後前記給油孔17か
ら前記中心側室S3に流入する潤滑油を前記中心側室S
3に余分に溜らせることなく前記外周側室S4及び第2
連通孔72から順次前記作動室5に供給できるのであ
る。従って、前記中心側室S3に油が充満するのを防止
できるから前記中心側室S3内において前記偏心軸部1
5が偏心回転するも、該中心側室S3内での油の撹拌に
よる動力ロスを小さく出来るのである。
【0027】また図1,2の実施例では、前記外周側室
S4を、前記筒体6における前記第2スクロール3の鏡
板31との接触面に設けたので、前記筒体6と第2スク
ロール3の鏡板31の背面との間も前記外周側室S4に
流入する油により潤滑され、前記第2スクロール3の前
記筒体6に対する摺動特性を良好に保つことが出来る。
【0028】以上説明した実施例では、鏡板31に、第
1連通孔71と第2連通孔72とを各別に設けたが、そ
の他、図5〜13の如く前記鏡板31に一つの連通孔7
3を設けて、前記第2スクロール3の公転運動に伴い、
前記中心側室S3と外周側室S4とを前記作動室5に交
互に連通させるようにしてもよい。此の図5〜13に示
した流体機械は前記図1〜3で示した流体機械と基本的
に同じであるため、相違点についてのみ説明する。
【0029】前記連通孔73は、前記第2スクロール3
が360°公転運動する間に中心側室S3と外周側面S
4とに交互に開放して、中心側室S3に開放している
間、前記作動室5の圧縮過程の圧力の高いガス流体を前
記中心側室S3に供給し、また、外周側室S4に開放し
ている間、前記中心側室S3の潤滑油を、該中心側室S
3が連通する前記作動室5の圧力より低い圧力の作動室
5にインジェクションするのである。
【0030】つまり、第2スクロール3の公転運動に伴
い作動室5の圧力が、例えば図14のP5 になる圧縮過
程において前記連通孔73を中心側室S3に開放して
(図6の状態)、この中心側室S3を作動室5に連通さ
せ(図7の状態)、作動室5の圧縮過程の圧力の高いガ
ス流体の一部を中心側室S3に供給するのであり、ま
た、前記作動室5の圧力が図14のP6 になる圧縮過程
まで(図8,図9の状態)、前記連通孔73が作動室5
に連通し、その後閉鎖されるのであって、前記中心側室
S3と油通路63を介して前記中心側室S3と連通する
外周側室S4とは、前記圧力P5 とP6 との中間圧に保
持される。そして、前記作動室5が圧縮初期の低圧領域
に位置し、その作動室圧力が例えば図14のP7 になる
圧縮初期において前記連通孔73が外周側室S4に開放
され(図10の状態)、この外周側室S4を作動室5に
連通させ(図11の状態)、この外周側室S4の中間圧
と作動室5との圧力差により前記中心側室S3の潤滑油
を外周側室S4から前記作動室5にインジェクション
し、前記作動室5の圧力が例えば図14のP8 になる圧
縮過程(図12,図13の状態)まで、前記連通孔73
は作動室5に連通し、その後閉鎖され作動室5への油イ
ンジェクションを止めるのである。このときの前記外周
側室S4の圧力は、前記圧力P8 とP5 との中間圧Pm
となる。尚、図14において、Pdは吐出圧力、Psは
吸入圧力である。
【0031】以上のように、図5〜14においても、作
動室5への油インジェクションは、前記外周側室S4が
連通孔73を介して低圧領域の作動室5と連通するとき
にのみ行われる間欠的なものであるから、作動室5に対
する過剰な注油を防止できるし、また、前記背圧室S2
の中心側室S3は、前記圧力P5 とP6 との中間圧から
前記圧力P8 とP5 との中間圧の範囲になるから、前記
第2スクロール3の第1スクロール2側へのスラスト値
が過大になることはないのであり、また、圧縮過程の圧
力P5 乃至P6 のガス流体を中心側室S3に供給して、
該中心側室S3を前記中間圧にするのであるから、軸受
部潤滑後前記中心側室S3に流入する潤滑油を、前記中
心側室S3に余分に溜らせることなく、前記外周側室S
4及び連通孔73から順次作動室5に供給でき、前記中
心側室S3に潤滑油が充満するのを防止できるのであ
る。また、一つの連通孔73を設けるだけであるから、
連通孔の加工が楽であり、複数個の連通孔を設ける場合
に比してコストダウンできるのである。尚、図5に示し
た流体機械は、ケーシング1のチャンバー室1aとモー
タを収容する空間1cとを連通手段により連通させて、
前記空間1cも高圧となるようにし、前記吐出管200
を前記空間1cに開口させているが、低圧ドームとなる
構造にしてもよい。
【0032】又、以上説明した各実施例では、第1スク
ロール2を固定し、第2スクロール3を回転可能にした
流体機械について説明したが、その他、第1及び第2ス
クロール2,3をそれぞれ軸心回りに回転可能にした流
体機械であってもよい。
【0033】
【発明の効果】以上のごとく本発明は、第2スクロール
3における鏡板31の背面側に、前記ケーシング1の内
部空間と画成された背面室S2を形成すると共に、この
背面室S2を、中心側室S3と外周側室S4とに区画し
て、これら中心側室S3と外周側室S4との間に油通路
63を設ける一方、前記鏡板31に、前記第2スクロー
ル3の公転運動に伴い、前記中心側室S3を圧縮過程の
圧力の高い前記作動室5に連通し、かつ、前記外周側室
S4を、前記中心側室S3が連通する前記作動室5の圧
力より低い圧力の前記作動室5に間欠的に連通する連通
手段を設けたことにより、前記第2スクロール3の公転
で前記中心側室S3が、圧縮過程の圧力が高い作動室5
と前記連通手段を介して連通することにより、前記中心
側室S3を中間圧に保持できるし、また、前記外周側室
S4が圧縮初期の低圧領域となっている作動室5と前記
連通手段を介して連通することにより、前記作動室5と
前記油通路63を介して中心側室S3と連通する前記外
周側室S4との圧力差により、前記背面室S2に供給さ
れた軸受部潤滑後の油が、前記外周側室S4から前記連
通手段を介して前記作動室5に確実にインジェクション
されるのであり、しかもかかる油の前記作動室5へのイ
ンジエクションは、前記外周側室S4が前記連通手段を
介して低圧領域に位置する作動室5と連通する場合にの
み行われる間欠的なものとなるので、該作動室5内に注
入される油は制限された量になり、従って前記作動室5
に対する過剰な注油を防止することが出来るのである。
【0034】しかも前記第2スクロール3における鏡板
31の背面側に形成される中心側室S3及び外周側室S
4は、中間圧に保持されていて高圧になることはないか
ら、前記第2スクロールが前記第1スクロール2側に強
く押される虞がなく、第2スクロール3の第1スクロー
ル2側へのスラスト力が過大になるのを防止出来る。
【0035】また本発明によれば、中心側室S3には、
圧縮過程の圧力の高いガス流体を供給して、中心側室S
3の圧力を中間圧に保持するから、前記背面室S2に流
入する軸受部潤滑後の油は、前記外周側室S4から前記
連通手段を介して順次前記作動室5に供給されるので、
該中心側室S3に油が充満することがなく、従って前記
中心側室S3内において駆動軸の偏心軸部が偏心回転す
るも、該中心側室S3内での油の撹拌による動力ロスを
小さく出来るのである。
【0036】また、第2スクロール3の鏡板31に、第
1連通孔71と第2連通孔72とを各別に設けることに
より、第1連通孔71の位置を、第2連通孔72に関係
なく適正な位置に設けられるから、中心側室S3の圧力
を任意の中間圧力に容易に設定できて、外周側室S4か
ら作動室5への油インジェクションを最適にできるての
ある。
【0037】また、第2スクロール3の鏡板31に一つ
の連通孔73を設けた場合には、この一つの連通孔73
で、前記第1連通孔71と第2連通孔72とを兼用でき
るから、連通孔の加工が非常に楽であり、コストダウン
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スクロール形流体機械の第一実施例を示
す断面図。
【図2】圧縮要素部分の横断面図。
【図3】同圧縮要素部分の作動状態を示す説明図。
【図4】吸入室でとらえられた吸入ガスが第2スクロー
ルの公転角度に伴って昇圧される過程と、その圧縮過程
において各連通孔が連絡する角度領域を示す図。
【図5】別の実施例を示すスクロール流体機械の断面
図。
【図6】同圧縮要素部分の横断面図。
【図7】同圧縮要素部分の作動状態を示す説明図。
【図8】同圧縮要素部分の作動状態を示す説明図。
【図9】同圧縮要素部分の作動状態を示す説明図。
【図10】同圧縮要素部分の作動状態を示す説明図。
【図11】同圧縮要素部分の作動状態を示す説明図。
【図12】同圧縮要素部分の作動状態を示す説明図。
【図13】同圧縮要素部分の作動状態を示す説明図。
【図14】吸入室でとらえられた吸入ガスが第2スクロ
ールの公転角度に伴って昇圧される過程と、その圧縮過
程において連通孔が連絡する角度領域を示す図。
【図15】従来のスクロール形流体機械の要部の断面
図。
【図16】本願出願人が先に出願したスクロール形流体
機械の要部の断面図。
【符号の説明】
1 密閉ケーシング 2 固定スクロール 22 渦巻体 3 可動スクロール 31 鏡板 32 渦巻体 5 作動室 63 油通路 S2 背面室 S3 中心側室 S4 外周側室 71 第1連通孔 72 第12連通孔 73 連通孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉ケーシング1に、渦巻体22、32を
    もつ第1及び第2スクロール2、3から成る圧縮要素を
    内装し、前記各渦巻体22、32間に、前記第2スクロ
    ール3の前記第1スクロール2に対する相対的な公転運
    動により、外周側から中心側に容積を減少しながら移動
    する作動室5を画成するようにしたスクロール形流体機
    械において、前記第2スクロール3における鏡板31の
    背面側に、前記ケーシング1の内部空間と画成された背
    面室S2を形成すると共に、この背面室S2を、中心側
    室S3と外周側室S4とに区画して、これら中心側室S
    3と外周側室S4との間に油通路63を設ける一方、前
    記鏡板31に、前記第2スクロール3の公転運動に伴
    い、前記中心側室S3を圧縮過程の圧力の高い前記作動
    室5に連通し、かつ、前記外周側室S4を、前記中心側
    室S3が連通する前記作動室5の圧力より低い圧力の前
    記作動室5に間欠的に連通する連通手段を設けているこ
    とを特徴とするスクロール形流体機械。
  2. 【請求項2】連通手段が、第2スクロール3の公転運動
    に伴い、中心側室S3を作動室5に連通する少なくとも
    一つの第1連通孔71と、外周側室S4を前記作動室5
    に間欠的に連通する少なくとも一つの第2連通孔72と
    から成る請求項1記載のスクロール形流体機械。
  3. 【請求項3】連通手段が、第2スクロール3の公転運動
    に伴い、中心側室S3と外周側室S4とを作動室5に交
    互に連通する一つの連通孔73から成る請求項1記載の
    スクロール形流体機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6349211B2 (en) 1995-07-25 2002-02-19 Ace K Computer Co., Ltd. Position display system of mobile terminal
WO2009096288A1 (ja) 2008-01-29 2009-08-06 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 密閉型スクロール圧縮機
CN104074755A (zh) * 2013-03-29 2014-10-01 阿耐思特岩田株式会社 固定涡旋体及使用了该固定涡旋体的涡旋流体机器

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