JPH0599115A - フランシス水車のランナ - Google Patents
フランシス水車のランナInfo
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- JPH0599115A JPH0599115A JP3107875A JP10787591A JPH0599115A JP H0599115 A JPH0599115 A JP H0599115A JP 3107875 A JP3107875 A JP 3107875A JP 10787591 A JP10787591 A JP 10787591A JP H0599115 A JPH0599115 A JP H0599115A
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- negative pressure
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/20—Hydro energy
Landscapes
- Hydraulic Turbines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】ランナ羽根の負圧側流水面に発生するキャビテ
ーションの発生空間をランナ羽根の負圧側流水面から隔
離し、キャビテーション壊食を低減させることができ、
水車の稼働率を向上させることができるようにしたもの
である。 【構成】ランナ羽根15に圧力側と負圧側とを連通する
貫通孔20a〜20nを傾斜させて形成し、この貫通孔
20a〜20nの出口から流出する流体をランナ羽根1
5の負圧側の面15bに沿って案内するようにしてい
る。
ーションの発生空間をランナ羽根の負圧側流水面から隔
離し、キャビテーション壊食を低減させることができ、
水車の稼働率を向上させることができるようにしたもの
である。 【構成】ランナ羽根15に圧力側と負圧側とを連通する
貫通孔20a〜20nを傾斜させて形成し、この貫通孔
20a〜20nの出口から流出する流体をランナ羽根1
5の負圧側の面15bに沿って案内するようにしてい
る。
Description
〔発明の目的〕
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フランシス水車のラン
ナに係り、特にランナのランナ羽根に発生するキャビテ
ーションを軽減することのできるフランシス水車のラン
ナに関するものである。
ナに係り、特にランナのランナ羽根に発生するキャビテ
ーションを軽減することのできるフランシス水車のラン
ナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】フランシス水車は、ケーシングに立設さ
れた主軸にランナ(羽根車)が取り付けられ、このラン
ナにケーシングに流入した流水が導入される。ケーシン
グ内に入った流水はうず形室で旋回流を与えられつつス
ピードリング(固定翼)および案内羽根を通ってランナ
のランナ羽根に流れ込み、吸出し管を経て放出される。
フランシス水車はこの流水の流入エネルギーによりラン
ナを回転させて主軸を回転駆動させる。
れた主軸にランナ(羽根車)が取り付けられ、このラン
ナにケーシングに流入した流水が導入される。ケーシン
グ内に入った流水はうず形室で旋回流を与えられつつス
ピードリング(固定翼)および案内羽根を通ってランナ
のランナ羽根に流れ込み、吸出し管を経て放出される。
フランシス水車はこの流水の流入エネルギーによりラン
ナを回転させて主軸を回転駆動させる。
【0003】ランナは主軸に固定されるランナクラウン
と、このランナクラウンの周方向等間隔に多数設けられ
たランナ羽根と、ランナクラウンとともにランナ羽根を
支持するランナバンドとから構成される。ランナ羽根
は、曲面形状をなし、流水の方向を変えてランナクラウ
ンに動力を伝達する。
と、このランナクラウンの周方向等間隔に多数設けられ
たランナ羽根と、ランナクラウンとともにランナ羽根を
支持するランナバンドとから構成される。ランナ羽根
は、曲面形状をなし、流水の方向を変えてランナクラウ
ンに動力を伝達する。
【0004】ランナに流入した流水がランナ羽根を通過
する際、流水はランナ羽根の圧力側(案内羽根側)の流
水面に沿って流動する。この時、ランナ羽根の負圧側
(吸出し管側)の流水面にも流水が流れる。
する際、流水はランナ羽根の圧力側(案内羽根側)の流
水面に沿って流動する。この時、ランナ羽根の負圧側
(吸出し管側)の流水面にも流水が流れる。
【0005】ところが、ランナ羽根の負圧側流水面に
は、局所的な圧力の低下が生じ、キャビテーションが発
生する場合がある。キャビテーションは乱流および圧力
変化による負圧によって発生する。ランナ羽根の場合、
特にランナバンド側の負圧側流水面にキャビテーション
が発生しやすいことが知られている。キャビテーション
が発生すると、ランナ羽根にキャビテーション壊食(浸
食)と呼ばれる損傷が起こり、水車の性能に悪影響を及
ぼす。
は、局所的な圧力の低下が生じ、キャビテーションが発
生する場合がある。キャビテーションは乱流および圧力
変化による負圧によって発生する。ランナ羽根の場合、
特にランナバンド側の負圧側流水面にキャビテーション
が発生しやすいことが知られている。キャビテーション
が発生すると、ランナ羽根にキャビテーション壊食(浸
食)と呼ばれる損傷が起こり、水車の性能に悪影響を及
ぼす。
【0006】従来、このキャビテーションを防止するた
め種々のランナが提案されている。例えば、図5に示す
ように、ランナ羽根3の入口側でランナバンド4の近傍
に切欠き部6を設け、流水の方向を矢印方向BからCへ
と変化させ、流体の剥離を防止するランナ(特開昭57
−32071号公報参照)が知られている。
め種々のランナが提案されている。例えば、図5に示す
ように、ランナ羽根3の入口側でランナバンド4の近傍
に切欠き部6を設け、流水の方向を矢印方向BからCへ
と変化させ、流体の剥離を防止するランナ(特開昭57
−32071号公報参照)が知られている。
【0007】また、図6に示すように、ランナ羽根3a
の負圧側流水面に流線方向に沿う突起7を設け、突起の
整流作用により下流側の圧力低下を抑止してキャビテー
ションを防止したランナ(特開昭57−26277号公
報参照)や、図7に示すように、ランナ羽根3bの負圧
側流水面とランナバンド4bとのコーナー部に肉盛り部
8を設けたランナも知られている。
の負圧側流水面に流線方向に沿う突起7を設け、突起の
整流作用により下流側の圧力低下を抑止してキャビテー
ションを防止したランナ(特開昭57−26277号公
報参照)や、図7に示すように、ランナ羽根3bの負圧
側流水面とランナバンド4bとのコーナー部に肉盛り部
8を設けたランナも知られている。
【0008】さらに、図8に示すように、ランナ羽根3
cの入口側に負圧側流水面からランナバンド4cの外周
側の圧力の低い部分にかけて貫通孔9を形成して、キャ
ビテーションの発生しやすい部分であるランナ羽根3c
とランナバンド4cの境界層の吸込みを行い、キャビテ
ーションを防止するようにしたランナが提案されてい
る。
cの入口側に負圧側流水面からランナバンド4cの外周
側の圧力の低い部分にかけて貫通孔9を形成して、キャ
ビテーションの発生しやすい部分であるランナ羽根3c
とランナバンド4cの境界層の吸込みを行い、キャビテ
ーションを防止するようにしたランナが提案されてい
る。
【0009】また、図9に示すように、フランシス型ポ
ンプ水車では、羽根の内部にポンプ運転時の流水の流入
方向(矢印D)にほぼ沿って貫通孔10を設け、ポンプ
運転時に貫通孔10からキャビテ−ション方向に流体を
流出させ壊食を防止するようにしたランナ(特開昭48
−1530号公報参照)が提案されている。
ンプ水車では、羽根の内部にポンプ運転時の流水の流入
方向(矢印D)にほぼ沿って貫通孔10を設け、ポンプ
運転時に貫通孔10からキャビテ−ション方向に流体を
流出させ壊食を防止するようにしたランナ(特開昭48
−1530号公報参照)が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、フランシス
水車では、運転範囲が広く、落差による変動が大きい運
転を行う場合、或いはほとんど最高落差の運転を行う場
合など、キャビテーション現象が極めて強力に発生して
しまう。しかもこのキャビテーション現象は、運転状態
に応じてランナ羽根の負圧側流水面で発達状態が変化し
たり発生箇所が移動したりする。
水車では、運転範囲が広く、落差による変動が大きい運
転を行う場合、或いはほとんど最高落差の運転を行う場
合など、キャビテーション現象が極めて強力に発生して
しまう。しかもこのキャビテーション現象は、運転状態
に応じてランナ羽根の負圧側流水面で発達状態が変化し
たり発生箇所が移動したりする。
【0011】従来の装置では、強力なキャビテーション
現象が発生すると、ランナ羽根の入口側で切欠きや突起
により乱流の発生を抑え、キャビテーションの発生をあ
る程度抑制できても、ランナ羽根の負圧側流水面に生じ
る圧力変化によるキャビテーションを効果的に防止する
ことは困難である。
現象が発生すると、ランナ羽根の入口側で切欠きや突起
により乱流の発生を抑え、キャビテーションの発生をあ
る程度抑制できても、ランナ羽根の負圧側流水面に生じ
る圧力変化によるキャビテーションを効果的に防止する
ことは困難である。
【0012】また、貫通孔を羽根の内部に形成し、吸込
み又は吐出によりキャビテーションを抑止する場合で
も、貫通孔そのものをあまり大きく形成できないため、
貫通孔による圧力平衡が実現しにくく、強力なキャビテ
ーション現象が発生すると、キャビテーションの発生そ
のものを抑止することは困難である。
み又は吐出によりキャビテーションを抑止する場合で
も、貫通孔そのものをあまり大きく形成できないため、
貫通孔による圧力平衡が実現しにくく、強力なキャビテ
ーション現象が発生すると、キャビテーションの発生そ
のものを抑止することは困難である。
【0013】キャビテーション現象が長時間継続される
と、ランナ羽根にキャビテーション壊食と呼ばれる損傷
が起こり、水車の性能低下や時には運転自体に支障をき
たすことがある。特に、キャビテーション壊食が短時間
で進行する場合には、ランナを修理する間隔が短くなる
ため、水車の稼働率が低下し、修理するためのメンテナ
ンス費用が増大してしまうという問題点があった。
と、ランナ羽根にキャビテーション壊食と呼ばれる損傷
が起こり、水車の性能低下や時には運転自体に支障をき
たすことがある。特に、キャビテーション壊食が短時間
で進行する場合には、ランナを修理する間隔が短くなる
ため、水車の稼働率が低下し、修理するためのメンテナ
ンス費用が増大してしまうという問題点があった。
【0014】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、ランナ羽根の負圧側流水面に発生するキャビ
テーションの発生空間をランナ羽根の負圧側流水面から
隔離し、キャビテーション壊食を低減させることができ
るフランシス水車のランナをを提供することを目的とす
る。 〔発明の構成〕
たもので、ランナ羽根の負圧側流水面に発生するキャビ
テーションの発生空間をランナ羽根の負圧側流水面から
隔離し、キャビテーション壊食を低減させることができ
るフランシス水車のランナをを提供することを目的とす
る。 〔発明の構成〕
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフランシス
水車のランナは、上述した課題を解決するために、ラン
ナ羽根に圧力側と負圧側とを連通する貫通孔を傾斜させ
て形成し、この貫通孔の出口から流出する流体をランナ
羽根の負圧側の面に沿って案内するようにしたものであ
る。
水車のランナは、上述した課題を解決するために、ラン
ナ羽根に圧力側と負圧側とを連通する貫通孔を傾斜させ
て形成し、この貫通孔の出口から流出する流体をランナ
羽根の負圧側の面に沿って案内するようにしたものであ
る。
【0016】
【作用】本発明に係るフランシス水車のランナは、ラン
ナ羽根に貫通孔を傾斜させて形成し、圧力側と負圧側と
を連通して貫通孔の負圧側出口から流出する流体をラン
ナ羽根の負圧側の面に沿って案内するようにしたことに
より、キャビテーションの発生空間とランナ羽根の負圧
側流水面との間に流水層を形成し、この流水層がキャビ
テーションに対し緩衝作用を果たしてランナ羽根の負圧
側流水面を保護するので、ランナ羽根に対する壊食作用
が減少する。
ナ羽根に貫通孔を傾斜させて形成し、圧力側と負圧側と
を連通して貫通孔の負圧側出口から流出する流体をラン
ナ羽根の負圧側の面に沿って案内するようにしたことに
より、キャビテーションの発生空間とランナ羽根の負圧
側流水面との間に流水層を形成し、この流水層がキャビ
テーションに対し緩衝作用を果たしてランナ羽根の負圧
側流水面を保護するので、ランナ羽根に対する壊食作用
が減少する。
【0017】
【実施例】本発明に係るフランシス水車のランナの一実
施例について添付図面を参照して説明する。
施例について添付図面を参照して説明する。
【0018】図1は本発明の一実施例に係るフランシス
水車のランナを示す縦断面図、図2は図1の要部を拡大
して示す要部拡大縦断面図、図3は図2のIII-III 線に
沿った断面図である。なお、図5ないし図9と対応する
箇所には同一の符号を付して説明する。フランシス水車
は、図1に示すように、ケーシング11に立設された主
軸12と、この主軸12に取り付けられたランナ(羽根
車)13とを有する。
水車のランナを示す縦断面図、図2は図1の要部を拡大
して示す要部拡大縦断面図、図3は図2のIII-III 線に
沿った断面図である。なお、図5ないし図9と対応する
箇所には同一の符号を付して説明する。フランシス水車
は、図1に示すように、ケーシング11に立設された主
軸12と、この主軸12に取り付けられたランナ(羽根
車)13とを有する。
【0019】ランナ13はランナクラウン14とランナ
羽根15とランナバンド16とから構成される。ランナ
クラウン14は、主軸12の下端部に固定される。ラン
ナクラウン14には、ランナ羽根15が周方向に等間隔
で多数設けられる。ランナバンド16は、ランナクラウ
ン14とともにランナ羽根15を支持する。ランナ13
の入口側には、ケーシング11にうず形室16が形成さ
れ、ランナ13の出口側には、吸出し管(図示せず)が
ケーシング11と接続される。ランナ13とうず形室1
6との間には、スピードリング(図示せず)および案内
羽根(以下ガイドベーンという)17が設けられる。
羽根15とランナバンド16とから構成される。ランナ
クラウン14は、主軸12の下端部に固定される。ラン
ナクラウン14には、ランナ羽根15が周方向に等間隔
で多数設けられる。ランナバンド16は、ランナクラウ
ン14とともにランナ羽根15を支持する。ランナ13
の入口側には、ケーシング11にうず形室16が形成さ
れ、ランナ13の出口側には、吸出し管(図示せず)が
ケーシング11と接続される。ランナ13とうず形室1
6との間には、スピードリング(図示せず)および案内
羽根(以下ガイドベーンという)17が設けられる。
【0020】ランナ羽根15は、曲面形状をなし、流水
の方向を変えてランナクラウン14に動力を伝達する。
ランナ羽根15は、流水が導入されるうず形室16側に
圧力側流水面15aと流水が流出する吸出し管側に負圧
側流水面15bとを有する。ところで、ランナ羽根15
には、図2に示すように、貫通孔20a〜20nが圧力
側流水面15aから負圧側流水面15bにかけてランナ
バンド16に沿って傾斜して複数個穿設される。貫通孔
20a〜20nは、ランナ羽根15の両面15a,15
bのランナバンド16側を流れる流水の流線方向(矢印
E方向)に傾斜して形成される。各貫通孔20a〜20
nは出入口側開口部が流水を導入しやすいように、また
流出しやすいように流れに沿って滑らかに形成される。
の方向を変えてランナクラウン14に動力を伝達する。
ランナ羽根15は、流水が導入されるうず形室16側に
圧力側流水面15aと流水が流出する吸出し管側に負圧
側流水面15bとを有する。ところで、ランナ羽根15
には、図2に示すように、貫通孔20a〜20nが圧力
側流水面15aから負圧側流水面15bにかけてランナ
バンド16に沿って傾斜して複数個穿設される。貫通孔
20a〜20nは、ランナ羽根15の両面15a,15
bのランナバンド16側を流れる流水の流線方向(矢印
E方向)に傾斜して形成される。各貫通孔20a〜20
nは出入口側開口部が流水を導入しやすいように、また
流出しやすいように流れに沿って滑らかに形成される。
【0021】そして、貫通孔20a〜20nの各出口側
は、キャビテーションが発生しやすいランナバンド16
とランナ羽根15との境界部分に向かって位置するとと
もに、流水が負圧側流水面15bに沿って流出するよう
な形状を有している。このため、ランナ13に流水が導
入されると、貫通孔20a〜20nの入口側から流入し
た流水は、出口側で負圧側流水面15bの表面に沿って
案内され流出する。つぎに、上記実施例の作用について
説明する。
は、キャビテーションが発生しやすいランナバンド16
とランナ羽根15との境界部分に向かって位置するとと
もに、流水が負圧側流水面15bに沿って流出するよう
な形状を有している。このため、ランナ13に流水が導
入されると、貫通孔20a〜20nの入口側から流入し
た流水は、出口側で負圧側流水面15bの表面に沿って
案内され流出する。つぎに、上記実施例の作用について
説明する。
【0022】フランシス水車が作動すると、ケーシング
11内に流水が導入され、流水はケーシング11のうず
形室16で旋回流を与えられつつガイドベーン15を通
ってランナ羽根15に流れ込み、圧力側流水面15aに
作用する。圧力側流水面15aに作用する流水の流入エ
ネルギーにより、ランナ13を回転させて主軸12を回
転駆動させる。この時、負圧側流水面15bのランナバ
ンド16側では圧力低下が起こり、圧力低下が大きくな
ると、図3に示すようにキャビテーション30が発生す
る。
11内に流水が導入され、流水はケーシング11のうず
形室16で旋回流を与えられつつガイドベーン15を通
ってランナ羽根15に流れ込み、圧力側流水面15aに
作用する。圧力側流水面15aに作用する流水の流入エ
ネルギーにより、ランナ13を回転させて主軸12を回
転駆動させる。この時、負圧側流水面15bのランナバ
ンド16側では圧力低下が起こり、圧力低下が大きくな
ると、図3に示すようにキャビテーション30が発生す
る。
【0023】キャビテーション30はランナバンド16
とランナ羽根15との境界部分にかけて発生する。キャ
ビテーション30の発生は、キャビテーション30の後
端(図3の左側下方)に生じる気泡31の崩壊によりラ
ンナ羽根15に対して壊食作用(浸食作用)を及ぼすこ
とになる。
とランナ羽根15との境界部分にかけて発生する。キャ
ビテーション30の発生は、キャビテーション30の後
端(図3の左側下方)に生じる気泡31の崩壊によりラ
ンナ羽根15に対して壊食作用(浸食作用)を及ぼすこ
とになる。
【0024】ところが、ランナ13に流水が導入される
と、圧力側流水面15aの貫通孔20a〜20nの入口
側から流入した流水は、出口側でランナ羽根15の負圧
側流水面15bの表面に沿って案内されて流出する。
と、圧力側流水面15aの貫通孔20a〜20nの入口
側から流入した流水は、出口側でランナ羽根15の負圧
側流水面15bの表面に沿って案内されて流出する。
【0025】このため、キャビテーション30の発生空
間とランナ羽根15の負圧側流水面15bとの間に流水
層32が形成される。この流水層32がキャビテーショ
ン30に対して緩衝作用を果たしてランナ羽根15の負
圧側流水面15bを保護するので、ランナ羽根15に対
する壊食作用が減少する。
間とランナ羽根15の負圧側流水面15bとの間に流水
層32が形成される。この流水層32がキャビテーショ
ン30に対して緩衝作用を果たしてランナ羽根15の負
圧側流水面15bを保護するので、ランナ羽根15に対
する壊食作用が減少する。
【0026】また、運転の変動が大きい水車、例えば、
運転範囲が広く落差変動の大きい水車では、運転状態に
応じて、キャビテーション30の発達状態も変化する。
落差が大きい運転では、キャビテーション30はランナ
羽根15の下流側に発達し、落差の小さい運転では、キ
ャビテーション30は余り発達しない傾向を示す。
運転範囲が広く落差変動の大きい水車では、運転状態に
応じて、キャビテーション30の発達状態も変化する。
落差が大きい運転では、キャビテーション30はランナ
羽根15の下流側に発達し、落差の小さい運転では、キ
ャビテーション30は余り発達しない傾向を示す。
【0027】そのため、運転状態に応じて、キャビテー
ション30の後端が負圧側流水面15bの上流側と下流
側とにかけてランナバンド16に沿って変化し、壊食作
用の発生する部位は、特定の箇所に限られない。
ション30の後端が負圧側流水面15bの上流側と下流
側とにかけてランナバンド16に沿って変化し、壊食作
用の発生する部位は、特定の箇所に限られない。
【0028】ところが、貫通孔20a〜20nの各出口
側は、負圧側流水面15bの上流側から下流側にかけ
て、ランナバンド16に沿って流水の流れ方向(図2の
矢印方向)に多数配設されているので、キャビテーショ
ンが発生する恐れのある部位全体にわたって流水層32
が形成され、キャビテーション30による壊食作用から
ランナ羽根15を保護することができる。
側は、負圧側流水面15bの上流側から下流側にかけ
て、ランナバンド16に沿って流水の流れ方向(図2の
矢印方向)に多数配設されているので、キャビテーショ
ンが発生する恐れのある部位全体にわたって流水層32
が形成され、キャビテーション30による壊食作用から
ランナ羽根15を保護することができる。
【0029】図4は、上記実施例の変形例を示すもの
で、貫通孔21a〜21nのうち、上流側の貫通孔21
aは、この貫通孔21aより下流側の貫通孔21b〜2
1nと傾斜角度が異なるように設けられる。
で、貫通孔21a〜21nのうち、上流側の貫通孔21
aは、この貫通孔21aより下流側の貫通孔21b〜2
1nと傾斜角度が異なるように設けられる。
【0030】貫通孔21b〜21nは、上記実施例と同
様にランナ羽根15の両面15a,15bのランナバン
ド16側を流れる流水の流線方向(図2の矢印E方向)
に傾斜して形成される。そして、貫通孔21b〜20n
の各出口側は、キャビテーションが発生しやすいランナ
バンド16とランナ羽根15との境界部分に向かって位
置するとともに、流水が負圧側流水面15bに沿って流
出するような形状を有している。ところで、貫通孔21
aは、出口側から流出する流水がキャビテーション30
の発生しやすい空間に向けて流出する角度に傾斜して設
けられる。
様にランナ羽根15の両面15a,15bのランナバン
ド16側を流れる流水の流線方向(図2の矢印E方向)
に傾斜して形成される。そして、貫通孔21b〜20n
の各出口側は、キャビテーションが発生しやすいランナ
バンド16とランナ羽根15との境界部分に向かって位
置するとともに、流水が負圧側流水面15bに沿って流
出するような形状を有している。ところで、貫通孔21
aは、出口側から流出する流水がキャビテーション30
の発生しやすい空間に向けて流出する角度に傾斜して設
けられる。
【0031】このため、貫通孔21b〜21nの出口側
から流出する流水によりキャビテーションが発生する恐
れのある部位全体にわたって流水層32が形成され、キ
ャビテーション30による壊食作用からランナ羽根15
を保護するとともに、貫通孔21aの出口側から流出す
る流水がキャビーテーション30にぶつかり、キャビテ
ーション30の発生を阻止することができる。図4にお
いて、壊食の可能性がある部分を壊食範囲Fで示す。
から流出する流水によりキャビテーションが発生する恐
れのある部位全体にわたって流水層32が形成され、キ
ャビテーション30による壊食作用からランナ羽根15
を保護するとともに、貫通孔21aの出口側から流出す
る流水がキャビーテーション30にぶつかり、キャビテ
ーション30の発生を阻止することができる。図4にお
いて、壊食の可能性がある部分を壊食範囲Fで示す。
【0032】なお、上記各実施例では、貫通孔をランナ
バンドに沿ったランナ羽根に設けているが、これに限ら
れるものではなく、ランナ羽根にキャビテーションによ
り壊食作用の発生しやすい箇所があればその箇所に複数
設けてもよいのは言うまでもない。
バンドに沿ったランナ羽根に設けているが、これに限ら
れるものではなく、ランナ羽根にキャビテーションによ
り壊食作用の発生しやすい箇所があればその箇所に複数
設けてもよいのは言うまでもない。
【0033】また、キャビテーションの壊食状況は、各
々のランナ羽根によって異なる。そのためランナの修理
は壊食の激しいランナ羽根の壊食進度に合わせて行う場
合が多い。従って、壊食が軽度のランナ羽根はそのまま
の状態で、壊食の激しいランナ羽根について上記実施例
を適用することにより、ランナの修理間隔を延長するこ
とができ、水車の稼働率を向上させることができる。
々のランナ羽根によって異なる。そのためランナの修理
は壊食の激しいランナ羽根の壊食進度に合わせて行う場
合が多い。従って、壊食が軽度のランナ羽根はそのまま
の状態で、壊食の激しいランナ羽根について上記実施例
を適用することにより、ランナの修理間隔を延長するこ
とができ、水車の稼働率を向上させることができる。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るフラン
シス水車のランナは、ランナ羽根に圧力側と負圧側とを
連通する貫通孔を傾斜させて形成し、この貫通孔の出口
から流出する流体をランナ羽根の負圧側の面に沿って案
内することにより、キャビテーションの発生空間とラン
ナ羽根の負圧側流水面との間に流水層が形成され、この
流水層がキャビテーションに対し緩衝作用を果たしてラ
ンナ羽根の負圧側流水面を保護するので、ランナ羽根に
対する壊食を防止することができる。このため、ランナ
の修理間隔を延長して水車運転の稼働率を向上させ、メ
ンテナンス費用を削減して経済性の向上を図ることがで
きる。
シス水車のランナは、ランナ羽根に圧力側と負圧側とを
連通する貫通孔を傾斜させて形成し、この貫通孔の出口
から流出する流体をランナ羽根の負圧側の面に沿って案
内することにより、キャビテーションの発生空間とラン
ナ羽根の負圧側流水面との間に流水層が形成され、この
流水層がキャビテーションに対し緩衝作用を果たしてラ
ンナ羽根の負圧側流水面を保護するので、ランナ羽根に
対する壊食を防止することができる。このため、ランナ
の修理間隔を延長して水車運転の稼働率を向上させ、メ
ンテナンス費用を削減して経済性の向上を図ることがで
きる。
【図1】本発明の一実施例に係るフランシス水車のラン
ナを示す縦断面図。
ナを示す縦断面図。
【図2】図1の要部を拡大して示す要部拡大縦断面図。
【図3】図2のIII-III 線に沿った断面図。
【図4】図1の変形例を示すランナ羽根の縦断面図。
【図5】従来のフランシス水車のランナを示す縦断面
図。
図。
【図6】従来のフランシス水車のランナを示す縦断面
図。
図。
【図7】従来のフランシス水車のランナを示す縦断面
図。
図。
【図8】従来のフランシス水車のランナを示す縦断面
図。
図。
【図9】従来のフランシス水車のランナを示す縦断面
図。
図。
13 ランナ 3,3a,3b,3c,15 ランナ羽根 15a 圧力側流水面 15b 負圧側流水面(負圧側の面) 9,10,20a〜20n,21a〜21n 貫通孔
Claims (1)
- 【請求項1】 ランナ羽根に圧力側と負圧側とを連通す
る貫通孔を傾斜させて形成し、この貫通孔の出口から流
出する流体をランナ羽根の負圧側の面に沿って案内する
ことを特徴とするフランシス水車のランナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3107875A JPH0599115A (ja) | 1991-05-14 | 1991-05-14 | フランシス水車のランナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3107875A JPH0599115A (ja) | 1991-05-14 | 1991-05-14 | フランシス水車のランナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0599115A true JPH0599115A (ja) | 1993-04-20 |
Family
ID=14470307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3107875A Pending JPH0599115A (ja) | 1991-05-14 | 1991-05-14 | フランシス水車のランナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0599115A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101456430B1 (ko) * | 2007-07-23 | 2014-10-31 | 알스톰 르네와블 테크놀로지즈 | 주 유동으로부터 유도된 일 유동의 분사 수단을 포함하는 수압 기계 |
CN114526185A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-05-24 | 杭州力源发电设备有限公司 | 一种自适应调控防空化水泵水轮机 |
-
1991
- 1991-05-14 JP JP3107875A patent/JPH0599115A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101456430B1 (ko) * | 2007-07-23 | 2014-10-31 | 알스톰 르네와블 테크놀로지즈 | 주 유동으로부터 유도된 일 유동의 분사 수단을 포함하는 수압 기계 |
KR101456431B1 (ko) * | 2007-07-23 | 2014-10-31 | 알스톰 르네와블 테크놀로지즈 | 주유동으로부터 인출된 유체를 분사하는 분사수단을 포함하는 펠톤식 수압 기계 |
KR101456433B1 (ko) * | 2007-07-23 | 2014-10-31 | 알스톰 르네와블 테크놀로지즈 | 주유동으로부터 인출된 유체를 분사하는 분사수단을 포함하는 수압 기계 |
CN114526185A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-05-24 | 杭州力源发电设备有限公司 | 一种自适应调控防空化水泵水轮机 |
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