JP2005140078A - 水力機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】水車運転時のステーベーン出口の後流の影響による排棄損失および下流のガイドベーンにおける衝突損失を極力低減して性能向上を図るとともに、強度面を考慮する。
【解決手段】回転可能なランナと、ランナの外側に周方向に互いに間隔をあけて配列された複数の可動のガイドベーンと、ガイドベーンの外側に周方向に互いに間隔をあけて配列された複数の固定のステーベーン4と、ステーベーン4の外側に配置された渦巻きケーシングと、を有し、ケーシングからステーベーン4、ガイドベーンを経てランナに水を送ることによってランナを回転駆動できるように構成された水力機械である。各ステーベーン4の上下端部はそれぞれ、環状の上ステーリング5および下ステーリング6に固定され、ステーベーン4の内周側端部の肉厚が上下端部よりも中央部で薄く形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、水車またはポンプ水車等の水力機械とその水力機械に適用されるステーベーンに関する。
フランシス水車等の水力機械は、例えば図16に示すように、鉛直方向に配置された水車主軸1の下端に回転自在なランナ2が固着され、その外周側の平行流路に複数枚のガイドベーン3が互いに間隔をあけてそれぞれ回動可能に配置されている。ガイドベーン3の外側には複数のステーベーン4が円周上に互いに間隔をあけて固定配置されている。ステーベーン4の羽根の上下端部は平行あるいは湾曲した上ステーリング5および下ステーリング6に接合され、ステーベーン4の羽根外周側縁部がこれを取り囲む渦巻ケーシング7の流路に突出する構成となっている。
そして、水車運転時には、水圧鉄管から導かれた水流が、ケーシング7を通って複数枚のステーベーン4の全周に亘って流入し、この水がガイドベーン3を通ってランナ2へ導かれてランナ2を回転駆動し、水車主軸1を介して図示しない発電機が回転駆動される。一方、ランナ2を回転させた水は吸出し管8を経て下水池に放水される。
ステーベーン4は上ステーリング5および下ステーリング6の壁面に接合され、そのステーリング5、6にケーシング7が固着される構造が一般的である。この場合、ステーベーン4は水流を導く役割を有しているだけでなく、ケーシング7が水圧によって広がることを防止する構造部材としての重要な役割も担っている。それゆえ、ステーベーン4の羽根肉厚は、水力損失低減のためだけに薄肉化することはできず強度を考慮した羽根肉厚が設計される。ステーベーン4において最も応力が大きくなる部位は羽根出口側の付根部であり、この部位における応力が許容される範囲に収まるように肉厚が設計される。
また、ステーベーン4の応力は肉厚だけでなく羽根長さ、すなわち羽根断面形状にも関係することから、肉厚を薄くした場合には羽根長さは長くなり、逆に羽根長さを短くする場合には肉厚を厚くするという単純な反比例の関係にある。羽根の厚肉化はステーベーン4出口部での後流領域の拡大となるために排棄損失の増加が懸念される。一方、羽根が長い場合には、ステーベーンの流水面積が広がるために摩擦損失が増加する。このような制約から長さと肉厚が最適に設計されるが、この場合でも水力性能はある程度犠牲にされ、比較的厚肉に設計される。
従来例におけるステーベーン4内周側端部の高さ方向の肉厚変化は一般的に、図17に示すように、強度面から決定されて、高さ方向にほぼ一定となって形成されていた。なおこの図で、実線30は内周側端部(羽根出口端部)付近の立断面を示し、破線32は羽根最大肉厚部での立断面を示している。
このように構成された従来例では、図18に示すようにステーベーン4の内周側端部4aの羽根肉厚が厚いために、水車運転時にステーベーン4を流出する流れが出口端の下流で減速し、広範囲な後流領域9を形成しやすくなり、この後流領域9が下流のガイドベーン3へと延びてステーベーン4での排棄損失とガイドベーン3での衝突損失を増加させるという課題があった。水力損失低減のためにはこの後流領域9を減少させることが必要であり、従来の設計においても、ある程度の出口端の薄肉化は図られていたが、その場合も強度面からの制約で肉厚は限られていた。なお、図18に示す矢印34は、水車運転時における水流の向きを示している。
渦巻きケーシング7からステーベーン4へ流入する水流は、ステーベーン4が接合されている上下環状壁面の形状の影響およびステーベーン4入口直前における速度分布の周方向不均一性のために、ステーベーン4高さ方向に顕著な偏りの分布を持った流れとなっている。壁面近傍の半径方向流速は壁面との摩擦や上カバー52および下カバー54(図16参照)の流水面形状により、中央付近の流速よりも減速している。このような高さ方向の不均一流れはステーベーン4入口での衝突損失を引き起こしやすい。
この衝突損失を低減する方法としては、特許文献1や特許文献2がある。これらはステーベーンの入口角度を流入角度に一致するように、ベーン入口角度を高さ方向に変化させるものである。また、特許文献3は、ステーベーン入口側縁部の上下端部付近の厚さを他の部分よりも厚くして鈍頭形状にすることで、衝突損失を低減を図るものである。
一方、ステーベーン4の下流側には流量を調整する回動可能なガイドベーン3がステーベーン4と同様、周方向に配されており、このガイドベーン3ではステーベーン4出口からの後流の影響による無視できない水力損失が発生する。この後流による水力損失低減の方法として、特許文献4や特許文献5に開示がある。
特許文献4は、ガイドベーンあるいはランナへの流入状態を滑らかにするために、ステーベーンの入口側は上カバー側が下カバー側よりも径が大きくなるように、また、出口側は上カバー側が下カバー側よりも内径側に位置するように形成している。
特許文献5は、ステーベーンおよびガイドベーンの流体機械の軸芯側とは反対側の羽根面を、上部から下部にかけて漸次削って羽根肉厚を薄くしたものである。これによりステーベーンおよびガイドベーンを通った流れの高さ方向流速分布の一様化が図れるというものである。軸芯側とは反対側の羽根面を削る場合、ステーベーンから流出する流れの角度は周方向に対して大きくなるため、薄肉化した下流のガイドベーン入口の角度との差異は増加する可能性がある。この場合、ガイドベーンでの衝突損失の増加が懸念される。
実開昭59−65984号公報 特開2000−297735号公報 特開平8−135557号公報 特開平3−267584号公報 実開昭60−88082号公報
従来技術におけるステーベーン入口形状の改善方法では、ステーベーン入口部の上下方向すべての部分において流入角度と一致する入口角度に設定することは、製作上困難であり、コストも増加する。また、羽根の肉厚を単純に薄くする方法やステーベーン高さ方向で長さを変化させる方法では、水力損失の低減の観点からのみ形状が定義されており、構造部材であることを考慮した強度検討の記載は見当たらない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、水車運転時のステーベーン出口の後流の影響による排棄損失および下流のガイドベーンにおける衝突損失を極力低減して性能向上を図るとともに、強度面を考慮して信頼性も高めることを比較的簡単な構成によって実現可能とすることを目的とする。
本発明は上記目的に沿うものであって、請求項1に記載の発明は、鉛直軸回りに回転可能なランナと、このランナの外側に周方向に互いに間隔をあけて配列された複数の可動のガイドベーンと、このガイドベーンの外側に周方向に互いに間隔をあけて配列された複数の固定のステーベーンと、このステーベーンの外側に配置された渦巻きケーシングと、を有し、前記ケーシングからステーベーン、ガイドベーンを経てランナに水を送ることによってランナを回転駆動できるように構成された水力機械において、前記各ステーベーンの上下端部はそれぞれ、環状の上ステーリングおよび下ステーリングに固定され、そのステーベーンの内周側端部の肉厚が上下端部よりも中央部で薄く形成されていること、を特徴とする。
本発明によれば、水力機械の水車運転時のステーベーンにおける水力損失を低減でき、水車効率を向上させることができる。
以下、本発明に係る水力機械のステーベーンの実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、従来技術と共通または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施の形態]
まず、図1から図4を参照して第1の実施の形態を説明する。本実施の形態は、ケーシング7の内側に円周上に配置された複数のステーベーン4を備えた水力機械(水車またはポンプ水車)において、ステーベーン4の上下端部は環状の上ステーリング5および下ステーリング6に接合されており、ステーベーン4の内周側端部(すなわち水車流れにおける出口端部)4aの羽根肉厚は、羽根高さ方向において、中央付近が付根部4b、4cよりも薄く形成されている。
図3に示すように、ステーベーン4の出口端の羽根の付根部4b、4c側の任意の高さ位置から中央付近にかけての中央部aの羽根の肉厚が付根部4b、4cよりも薄くなっている。具体的には、図1の破線20部分から出口端にかけて、高さ範囲aの区間で肉厚は漸次薄くなる。なお、図1に示す矢印40は、水車運転時の水流の向きを示している。
図2は図1の中央断面(X−X断面)と範囲a外の付根部断面(Y−Y断面)の羽根形状を比較して示している。中央付近の羽根形状は出口端に対して上流側へ任意の距離離れた位置から厚みが滑らかに変化している。
ステーベーン4で最も応力が高くなるのは一般にステーベーン4の上ステーリング5側付根部4b付近であるが、羽根とステーリングの接合部ではない。通常、付根部4b付近の応力集中を避けるためにステーベーン付根部4bにはR形状11が付加されているが(図1参照)、このR形状11とステーベーン出口端4aの稜線の交点付近が最も応力が増加する。本実施の形態は、この点を考慮し、図3に示すように羽根出口端の付根部4b、4c付近の肉厚を厚くし、上ステーリング5および下ステーリング6の壁面から任意の距離はなれた高さ位置からステーベーン4の中央にかけて漸次肉厚を薄くしている。なお、図3の破線22は、従来のステーベーン4の断面形状を示している。
図4は、本発明の実施の形態による図1のX−X断面におけるステーベーン4とガイドベーン3の周りの、水車運転時の流れのようすを示したものである。図18に示した従来技術の場合に比べて、ステーベーン内周側端部4aの薄肉化によりステーベーンからの後流領域10の幅が狭くなっている。この作用によりステーベーンの排棄損失が減少するので水車効率が改善されるという効果がある。
[第2の実施の形態]
本発明に係るステーベーンの第2の実施の形態を図5に示す。本実施の形態で、羽根出口部の羽根肉厚が羽根高さ方向に異なり、中央付近が付根部よりも薄く形成されてなる構成は第1の実施の形態と同様である。ただし、このステーベーンは上端部付根4bの羽根肉厚が下端部4d側よりも厚く形成されている。図5は本実施の形態の縦断面形状を示したもので、位置的には図1のZ−Z断面に相当する。図から明らかなように、ステーベーンの上端側付根分部4bの肉厚は下端部側4dの肉厚よりも厚くなっており、この場合における下端側の肉厚は中央付近の羽根肉厚とほぼ同等の厚みである。
高比速度水車の場合、落差が低いことからステーベーン4の羽根肉厚や上下ステーリングやカバーなどの構造物の厚みが高落差機と比較して相対的に薄く設計される。水車運転における負荷遮断時にはランナ2(図16参照)の背面と上カバー52の間の隙間の圧力が急激に上昇し上カバー52が上方へ持ち上げられるので、上カバー52と繋がる上ステーリング5の内周側も同様に上方へ引っ張られる。これにより上下ステーリング5、6に接合されているステーベーン4の付根部付近の応力が高くなる。下カバー54および下ステーリング6は下端側がコンクリート壁であるために比較的撓みは少ないのでステーベーン4の下端側付根部の応力は上側と比較して小さい。
第2の実施の形態は、この点に着目して第1の実施の形態を改良したものであり、応力の大きいステーベーン4の上端部4b側の肉厚は下端部4d側よりも厚くなっているので、局所的な応力増加を抑制することができる。また、低応力の部位の肉厚は薄いので、高さ方向に全て付根部と同じ厚さとしている従来のステーベーンよりも、後流領域10が効果的に減少させることができる。その結果、水力損失が低減する。また、ステーベーン一枚当りの重量も、中央付近が薄肉化されるので上記実施の形態よりも低重量化が可能である。
[第3の実施の形態]
次に、図6〜図9を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。図6〜図8に示すように、ステーベーンの羽根高さをB0とし、ステーベーン4の内周側端部の羽根肉厚が上下付根部4b、4cにおいて、中央断面における羽根肉厚と異なり始める高さ方向位置であって、その上下端面からの距離をB1とする。また、図中Y−Y断面における羽根出口端4b、4cの肉厚をS0、中央付近であるX−X断面の羽根出口端4aの肉厚をS1とする。このとき、第3の実施の形態は、ステーベーン4の上下付根部4b、4cにおける厚肉の範囲B1が、0.2≧B1/B0≧0.1を満足するように構成されている。
図9は、横軸が全高さB0に対する厚肉範囲B1の比B1/B0を表し、縦軸がステーベーンにける最大応力σおよび水力損失Hlossを表しており、B1/B0に対する応力および損失の関係を示している。B1/B0>0.2では、出口端が肉厚となる領域の増加により後流領域が拡大し、損失が増加し始める。一方、応力分布に関しては、出口端肉厚が変化し始める位置がB1/B0<0.1の領域で急激に応力が増加する傾向にある。このことから、応力と損失の低減を両立する付根部の厚肉領域は、0.2≧B1/B0≧0.1とするのが好ましい。
本実施の形態のよれば、付根部応力の分析と肉厚変化による水力損失の変化傾向から、付根部の肉厚の変化位置を適切に決定することが可能な信頼性の高い設計手法を提供できる。
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態では、第3の実施の形態に示されるように定義されたステーベーンにおいて、当該ステーベーンの内周側端部であって付根部4b、4cの羽根肉厚をS0、中央付近の羽根出口端4aの肉厚をS1と定義した際、ステーベーンの内周側端部4aの羽根肉厚が0.7≧S1/S0≧0.5であるように構成されている。
図10は、横軸を出口端肉厚の比S1/S0とし、縦軸は図9と同様に応力および損失としている。S1/S0>0.7では、出口端厚肉の影響で、厚くなるほど必然的に損失が増加する。出口端肉厚は上流側の羽根肉厚変化、すなわち羽根形状と密接に関係しており、ある程度まで薄くすると損失低減の効果がなくなってくる。これは羽根に沿っている流れが羽根面の急な曲率の変化に対応しきれず流れが剥離しやすくなるからである。本実施の形態では、S1/S0が0.7よりも小さい場合には薄肉化の効果が小さくなることを示している。応力の観点から適切な羽根出口端肉厚を決定すると、S1/S0が0.5より小さくなると付根部応力が急激に増加し始めることから、S1/S0≧0.5が望ましい。
羽根中央付近の出口端肉厚を薄肉化し、付根部肉厚を厚くして強度面と性能面を両立できるという基本的な効果は第1の実施の形態と同じであるが、本実施の形態によれば、応力低減のために羽根出口端の肉厚が全高さにおいて厚く設計されている従来よりも適材適所な肉厚の定義が可能となり、ステーベーン4の重量増加に繋がる無駄な肉厚増加を防止することができる。出口端4aの肉厚が適切に薄肉化されることにより、ステーベーン4の後流が減少して下流のガイドベーン3での衝突損失が低減され、ガイドベーン3での流れのマッチングが向上する。
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態は、第3の実施の形態に示されるように定義されたステーベーン4において、図7に示されるようにステーベーンの付根部4b、4cの羽根肉厚S0よりも薄い領域を、ステーベーンの出口端からの距離Lとして定義した際、その薄肉範囲はL/S0≧2.0となるように構成されている。
図11は、横軸を出口端からの薄肉化開始の距離と付根部肉厚の比L/S0とし、縦軸を図9と同様に応力および損失としている。第4の実施の形態でも記述したが、出口肉厚の薄肉化は上流側の羽根面との繋がりに大きく関係しており、急激な肉厚変化は流れの剥離を生じやすいので上流側から滑らかに形状変化させることが重要である。
本実施の形態では、薄肉化を開始する出口端からの距離Lは付根部肉厚S0に対して2倍よりも大なる位置から開始するのが望ましい。2倍以下では薄肉化による損失低減効果はあまり期待できないことが図11から理解される。応力に関しては、薄くする領域が拡大されれば当然のことではあるが徐々に応力は増加する傾向にある。
本実施の形態によれば、中央付近肉厚の薄肉化が可能なステーベーン長さ方向の範囲を応力分布と水力損失分布の関係から効果的に決定することができる。また、ステーベーン中ほどから出口端にかけて発達する境界層を抑制することができるので、厚肉のステーベーン内周側端部よりも後流領域を容易に減少せしめ排棄損失が減少する。また、下流のガイドベーンにおける後流の相互干渉が少なくなり、ガイドベーンでの損失も低減される。
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態を図12〜図14に示す。本実施の形態はポンプ水車を対象とし、第1の実施の形態におけるステーベーン4において、その羽根面の内周側のみ薄く構成されている。具体的な形状を、図を用いて以下に説明する。図12に出口部縦断面形状を示す。付根部4b、4cの肉厚および形状は内外周側ともに同じであるが、上下壁面から任意距離離れた位置から外周側は付根部と同様で内周側のみ厚みが変化している。図13は図12におけるX−X断面およびY−Y断面の羽根形状を示している。第1の実施の形態での羽根出口の薄肉化は羽根面の外周側と内周側の両面から薄肉化されるものであったが、本実施の形態では、羽根面の外周側は付根部形状と同様であるが、内周側は付根部よりも薄くなるように構成されている。
次に、図14を用いて本実施の形態によるポンプ運転時の流れの改善効果を説明する。この図は図12のX−X断面を示し、矢印50はポンプ高揚程時の水流の向きを表している。図中、ガイドベーン3の実線形状は、ポンプ設計点あるいは低揚程側の運転におけるガイドベーン3の姿勢を示しており、破線は高揚程側の運転状態における姿勢を表している。なお、ステーベーン4側の形状については、実線は羽根出口端が付根部肉厚と全高さで同じ従来形状の場合で、破線が本実施の形態によるステーベーン4の形状である。
比較的低揚程側の運転時には、ガイドベーン3は図中実線のような姿勢となっており、ガイドベーン3からの流れは周方向に対して比較的立って流出しステーベーン4へ流入していく。この場合はガイドベーン3とステーベーン4のつながりも良好で、ステーベーン内周側端部(ポンプ流れの入口に相当)での剥離も生じることなく滑らかである。しかしながら、高揚程側における小流量運転時には、ガイドベーン3は図中の破線のように周方向に傾いた姿勢となるために、ガイドベーン3からの流れは矢印50に示すように傾き、ステーベーン4内周側端部で流れ角度と羽根角度の不一致により剥離流れ12が生じる。
本実施の形態は上記の点に鑑み、ステーベーン4の薄肉化する領域を図中の破線のように内周側のみ付根部の肉厚より薄くなるように構成した。つまり図12に示したように、本実施の形態では内周側のみ肉厚が薄くなるように構成するので、高さ方向の断面において羽根面の外周側は略直線状に形成され、この構成によりポンプ運転の高揚程側の小流量運転時におけるステーベーン4への流入角度とマッチングさせたものである。本実施の形態により、ポンプ流れの入口側に相当するステーベーン出口端での剥離流れが抑制され圧力回復が改善し、ポンプ性能が向上する。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態は、第6の実施の形態において、ステーベーン出口の付根部および中央付近の肉厚分布を第3、第4、第5の実施の形態の数式で定義されるように構成したものである。図15は本実施の形態によるポンプ性能曲線を従来例と比較して示した図である。本実施の形態によるポンプ性能曲線は、高揚程側において従来例に見られるようなステーベーン内周側端部での剥離による揚程の低下を引き起こすことがない。ポンプ性能曲線における揚程右上がり不安定特性は、主機の運用上好ましくないことから、本実施の形態により信頼性の高い揚水運転が可能である。
また、本実施の形態によれば、第6の実施の形態よりも精度よく薄肉化する範囲および薄肉化可能な肉厚を設計することができるので、ポンプ運転、特に高揚程側の特性を大幅に改善できる最適な羽根出口形状を与えることができる。
本発明に係る水力機械のステーベーンの第1の実施の形態の流れに垂直な方向から見た側面図。 図1のステーベーンのX−X線矢視断面およびY−Y線矢視断面を重ねて示す水平断面図。 図1のステーベーンのZ−Z線矢視(内周側端部付近)立断面図。 本発明の第1の実施の形態のステーベーンおよびガイドベーンの周りの水車運転時の流れのようす示す部分水平断面図。 本発明に係る水力機械のステーベーンの第2の実施の形態の内周側端部付近立断面図。 本発明に係る水力機械のステーベーンの第3の実施の形態を流れに垂直な方向から見た側面図。 図6のステーベーンのX−X線矢視断面およびY−Y線矢視断面を重ねて示す水平断面図。 図6のステーベーンのZ−Z線矢視(内周側端部付近)立断面図。 本発明に係る水力機械のステーベーンの第3の実施の形態におけるステーベーン付根部の厚肉範囲と水車運転時の応力および損失の関係を示すグラフ。 本発明に係る水力機械のステーベーンの第4の実施の形態におけるステーベーン付根部肉厚と水車運転時の応力および損失の関係を示すグラフ。 本発明に係る水力機械のステーベーンの第5の実施の形態におけるステーベーン付根部の薄肉範囲と水車運転時の応力および損失の関係を示すグラフ。 本発明に係る水力機械のステーベーンの第6の実施の形態の内周側端部付近立断面図。 図12のステーベーンのX−X線矢視断面およびY−Y線矢視断面を重ねて示す水平断面図。 本発明の第6の実施の形態のステーベーンおよびガイドベーンの周りのポンプ高揚程運転時の流れのようすを示す部分的水平断面図。 本発明に係る水力機械のステーベーンの第7の実施の形態によるポンプ性能曲線を示すグラフ。 従来のフランシス形水車の部分立断面図。 従来のフランシス形水車のステーベーンの羽根最大肉厚部および内周側端部付近の立断面図。 従来のフランシス形水車のステーベーンおよびガイドベーン周りの流れのようすを示す部分的水平断面図。
符号の説明
1…水車主軸、2…ランナ、3…ガイドベーン、4…ステーベーン、4a…ステーベーン内周側(出口側)端部、4b,4c,4d…ステーベーン付根部、5…上ステーリング、6…下ステーリング、7…ケーシング、8…吸出し管、9,10…後流領域、11…付根R形状、12…剥離流れ。

Claims (6)

  1. 鉛直軸回りに回転可能なランナと、このランナの外側に周方向に互いに間隔をあけて配列された複数の可動のガイドベーンと、このガイドベーンの外側に周方向に互いに間隔をあけて配列された複数の固定のステーベーンと、このステーベーンの外側に配置された渦巻きケーシングと、を有し、前記ケーシングからステーベーン、ガイドベーンを経てランナに水を送ることによってランナを回転駆動できるように構成された水力機械において、
    前記各ステーベーンの上下端部はそれぞれ、環状の上ステーリングおよび下ステーリングに固定され、そのステーベーンの内周側端部の肉厚が上下端部よりも中央部で薄く形成されていること、を特徴とする水力機械。
  2. 請求項1に記載の水力機械において、前記ステーベーンの内周側端部の肉厚が下端部よりも上端部で厚く形成されていること、を特徴とする水力機械。
  3. 請求項1または2に記載の水力機械において、前記ステーベーンの高さをB0とし、ステーベーンの内周側端部の肉厚が上下端部で中央断面での肉厚と異なり始める高さ方向位置を上下端面からの距離B1とするとき、0.2≧B1/B0≧0.1であること、を特徴とする水力機械。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の水力機械において、前記ステーベーンの内周側端部であって上下端部の肉厚のうちの薄くない方をS0とし、中央部付近の肉厚をS1とするとき、0.7≧S1/S0≧0.5であること、を特徴とする水力機械。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の水力機械において、前記ステーベーンの上下端部の肉厚のうちの薄くない方をS0とし、この肉厚S0よりも薄い領域の長さをステーベーンの内周側端部から距離Lの範囲であるとするとき、L/S0≧2.0であること、を特徴とする水力機械。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の水力機械において、前記ステーベーンの内周側端部の肉厚が薄く形成される部分の高さ方向の断面は、羽根面の外周側が略直線状に形成されていること、を特徴とする水力機械。

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