JP2011021525A - タービン翼列、およびこれを用いたタービン段落、軸流タービン - Google Patents

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Abstract

【課題】二次損失が低減されたタービン翼列を提供すること。
【解決手段】軸流タービン1の環状流路内に周方向に配置された複数枚のタービン翼12からなるタービン翼列11であって、前記タービン翼12間の翼間底面13に前記タービン翼12の腹面12aに沿って形成され、前記タービン翼12の高さ方向に凸状となる凸部14aと、前記凸部14aと前記タービン翼12の腹面12aとを繋ぎ、前記凸部14aよりも高さの低い略水平状の段部14bとからなる隆起部14を有するもの。
【選択図】図3

Description

本発明は、タービン翼列、およびこれを用いたタービン段落、軸流タービンに係り、特に二次損失が低減されたタービン翼列、およびこれを用いたタービン段落、軸流タービンに関する。
図11は、従来の軸流タービンの一例として、タービン段落をロータの中心軸を含む断面(子午断面)で模式的に示した子午断面図である。軸流タービン21のタービン段落は、ダイヤフラム外輪22とダイヤフラム内輪23との間に複数枚の静翼24が周方向に配設された静翼列25と、タービン軸(ロータ)26の外周に複数枚の動翼27が周方向に植設され、静翼列25の下流側に設けられた動翼列28とから構成されている。このようなタービン段落を軸方向に複数備えて構成される軸流タービン21は、作動流体が静翼列25の翼間を通過することで増速され、その後に動翼列28に流入して保持する速度エネルギーを回転機械エネルギーに変換して仕事を行う。
これら静翼列25、動翼列28は作動流体に対して抵抗となり、作動流体に乱れを発生させ、損失を発生させる。このような損失としては、例えば翼損失(プロファイル損失)や、翼高さ方向の両端部(根本部、先端部)付近に発生する二次損失が挙げられる。
図12、13は、それぞれ静翼24、動翼27の翼高さ方向(すなわち、タービン軸(ロータ)26の中心軸に対する半径方向)における損失分布を示したものである。どちらについても、翼損失24a、27aと共に、それらの翼高さ方向の両端部付近に二次損失24b、27bが発生している。特に、動翼27については、図13に示すように根本部(タービン軸26側、つまり内径側端部)に発生する二次損失27bが回転に伴う遠心力によって翼高さ方向の中央部側へと移動し、性能を低下させている。
図14は、静翼24または動翼27としてのタービン翼32を作動流体が通過する際の様子を示したものである。なお、図14では、タービン軸(ロータ)26の中心軸に対する円周方向での翼断面を模式的に示している。タービン翼32の翼間を通過する作動流体については、一方のタービン翼32(図中、上側)の腹面32a付近を通過する遅い流れ33と、他方のタービン翼32(図中、下側)の背面32b付近を通過する速い流れ34とに大きく分けられる。そして、この遅い流れ33と速い流れ34とにより、一方のタービン翼32の腹面32a付近の静圧が他方のタービン翼32の背面32b付近の静圧に比べて大きくなる。これにより、タービン翼32の翼間には主流に対して法線方向に圧力勾配が生じる。
一方、主流はタービン翼32によって転向されているために、主流には上記した圧力勾配による力Fpとは逆方向の遠心力Frが働いている。しかしながら、翼高さ方向(タービン軸(ロータ)26の中心軸に対する半径方向)の両側付近、すなわち隣接するタービン翼32どうしを繋ぐ底面付近の境界層内については、底面との摩擦によって作動流体の流速が主流に比べて遅くなっている。このため、翼高さ方向の両側付近については作動流体が受ける遠心力Frが小さくなり、相対的に圧力勾配による力Fpが大きくなるために、主流に対して法線方向の流れが発生する。
この流れは二次流れと呼ばれており、タービン翼32の翼高さ方向の両側付近に渦を発生させ、図12、13に示すような翼高さ方向の両側付近に大きな二次損失24b、27bを発生させる。この二次損失24b、27bは、上記した渦の成長につれて大きくなる。
このような二次損失24b、27bを抑制する方法として、例えば図15に示すようなタービン翼32のスロート長Sと環状ピッチTとの比S/Tの値を翼高さ方向の中央部で最大となるようにしたり、図示しないがタービン翼32の後端縁を翼高さ方向の中央部で最も流体流出側(腹面側)に突出するように湾曲させつつ、S/Tの値を翼高さ方向の中央部で最大となるようにしたりする方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、タービン翼32の翼圧力面を周方向に突き出すように湾曲形成したものにおいて、その枚数や高さにかかわらず周方向のピッチと周方向の突き出し量との比を一定とする方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。さらに、タービン翼32の翼高さ方向の端部壁面に前端縁と後端縁との間に頂部を有する突起形状等を設ける方法が知られている(例えば、特許文献4、5参照)。
特開平6−272504号公報 特開平8−109803号公報 特開平10−131707号公報 特許第3626899号公報 特開平8−109803号公報
省エネルギー等の環境負荷低減策として、軸流タービンの高効率化が有効なものとして認識されている。軸流タービンの性能にはタービン翼列の性能が大きく影響を及ぼすことから、タービン翼列における損失を低減し、高効率なものとすることが軸流タービンの高効率化に有効である。特に、タービン翼列における損失の中で二次損失は大きな割合を占めることから、これを低減することがタービン翼列の高効率化に有効である。
上記したように、二次損失の低減について様々な方法が検討されているものの、必ずしも十分に低減することができていない。本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、二次損失が低減されたタービン翼列、およびこれを用いたタービン段落、軸流タービンを提供することを目的としている。
本発明のタービン翼列は、軸流タービンの環状流路内に周方向に配置された複数枚のタービン翼からなるものであって、前記タービン翼間の翼間底面に前記タービン翼の腹面に沿って形成され、前記タービン翼の高さ方向に凸状となる凸部と、前記凸部と前記タービン翼の腹面とを繋ぎ、前記凸部よりも高さの低い略水平状の段部とからなる隆起部を有することを特徴とする。
前記隆起部は、前記凸部の高さをHa、幅をLa、前記段部の高さをHb、幅をLb、前記タービン翼の高さをH、前記タービン翼の背面間距離をLとしたとき、
0 < Hb/H < Ha/H ≦ 0.35かつ、
0 < (La+Lb)/L ≦ 0.75
の関係を満たすことが好ましい。
前記隆起部は、前記タービン翼の前縁部から後縁部に渡って連続的に設けられ、かつ前記前縁部と前記後縁部との略中央部において最も高さが高くなる凸状形状を有することが好ましい。
本発明によれば、タービン翼間の二次流れを抑制し、二次損失を低減することができる。
本発明のタービン翼列、およびタービン段落、軸流タービンを示す模式的子午断面図。 隆起部を示す模式的外観斜視図。 隆起部を示す模式的周方向断面図。 隆起部を示す模式的平面図。 本発明が適用可能なタービン翼列の一例を示す外観図。 スロート長S、環状ピッチTを説明する説明図。 S/Tの好適な分布状態を示す分布図。 後端縁が周方向に傾斜するタービン翼を説明する説明図。 後端縁が軸流方向に傾斜するタービン翼を説明する説明図。 後端縁が軸流方向に凸状となるタービン翼を説明する説明図。 従来の軸流タービンのタービン段落を示す断面図。 従来の軸流タービンにおける動翼の損失分布を示す分布図。 従来の軸流タービンにおける静翼の損失分布を示す分布図。 従来の軸流タービンの翼における損失の発生原因を説明する説明図。 従来の軸流タービンにおけるスロート長S、環状ピッチTを説明する説明図。
以下、本発明について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のタービン翼列により構成されたタービン段落を有する軸流タービンの一例を模式的に示す断面図である。なお、図1は、タービン段落を子午断面(タービン軸(ロータ)の中心軸を含む断面)で示した模式図である。軸流タービン1のタービン段落は、ダイヤフラム外輪2とダイヤフラム内輪3との間に複数枚の静翼4が周方向に配設されて構成される静翼列5と、静翼列5の下流側に設けられ、タービン軸(ロータ)6の外周に複数枚の動翼7が周方向に植設されて構成される動翼列8を備える。動翼7の先端には、この動翼7の固定および作動流体の漏洩を抑制するためのシュラウド9が設けられている。軸流タービン1は、静翼列5と動翼列8とが対になったタービン段落を軸方向に複数備える構成となっている。
ここで、静翼列5、動翼列8のそれぞれが本発明のタービン翼列となるものであり、静翼列5における静翼4または動翼列8における動翼7が本発明におけるタービン翼となるものである。以下、静翼列5、動翼列8をまとめてタービン翼列11と呼び、またこれらの静翼4、動翼7をまとめてタービン翼12と呼んで説明する。
本発明のタービン翼列11はタービン軸(ロータ)6の周方向に隣接するタービン翼12間の翼間底面13に隆起部14を有することを特徴としている。なお、図1に示す各タービン翼列11については、いずれもタービン軸6側の翼間底面13、すなわち静翼列5についてはダイヤフラム内輪3の外周面、また動翼列8についてはタービン軸6の外周面にそれぞれ隆起部14を設けた例を示している。
隆起部14については、必ずしもタービン軸6側の翼間底面13に設けられている必要はなく、タービン軸6とは反対側の翼間底面13、すなわち静翼列5についてはダイヤフラム外輪2の内周面、また動翼列8についてはシュラウド9の内周面にそれぞれ設けられていてもよい。
図2は、このような隆起部14を模式的に示した外観斜視図である。また、図3は、図2に示す隆起部14のタービン軸(ロータ)6に対する周方向断面を模式的に示した図である。これら図2、3については、説明のために適宜周方向に隣接するタービン翼12を図示している。
図2に示す隆起部14は、例えば図1に示す静翼列5におけるものであり、翼間底面13としてのダイヤフラム内輪3の外周面に設けられたものである。隆起部14は、タービン翼12間の翼間底面13となる部分に、該タービン翼12の腹面12aに沿うようにして形成されている。そして、この隆起部14は、図3に示すようにタービン翼12間の翼間方向(タービン軸(ロータ)6に対する周方向)における断面において翼高さ方向(タービン軸(ロータ)6に対する半径方向)に凸状となる凸部14aと、この凸部14aとタービン翼の腹面12aとを繋ぎ、凸部14aよりも翼高さ方向の高さ(以下、単に高さという)の低い略水平状(タービン軸(ロータ)6に対する円筒面状)の段部14bとを有している。そして、この凸部14aと段部14bの高さは、それぞれ作動流体が流入するタービン翼12の前縁部から腹面12aに沿う方向(すなわち作動流体の流れる方向)の中央付近にかけて徐々に高くなり、中央付近からタービン翼12の後縁部にかけて作動流体の流れ方向(腹面12aに沿う後縁方向)に徐々に低くなるように設けられる。
本発明では、このような隆起部14を設けることにより二次流れを抑制することができる。すなわち、タービン翼12の腹面12aに隣接して所定の高さの段部14bを設けることにより、タービン翼12の前縁部から流入し腹面12a付近を流れる作動流体は、段部14bの高さが増すにつれて加速されるのでこの部分での静圧が低下する。これにより、隣接する他のタービン翼12の背面12b付近の静圧との圧力差を小さくすることができ、二次流れを弱めることができる。また、このようにしてタービン翼12の腹面12a付近を流れる流体を加速させることにより、この腹面12a付近の翼間底面13に形成される境界層を薄くし、二次流れ渦を弱めることもできる。
さらに、段部14bに対して翼間方向(周方向)の中央部側に、この段部14bよりも高い凸部14aを設けることで、流れ方向にこの凸部14aの高さが増すにつれて、上流側から流入した作動流体はこの凸部14aの付近でさらに加速され、段部14bの部分よりもさらに静圧が低下する。これにより、凸部14a付近から段部14bやタービン翼12の腹面12aに向けての、一般的な二次流れとは逆方向の流れを誘起することができ、タービン翼12の腹面12a付近に形成される二次流れ渦をさらに弱めることができる。
このように、本発明によれば凸部14aや段部14bを有する特定形状の隆起部14をタービン翼列11の特定の位置に設けることで、二次流れや二次流れ渦を低減することができ、これにより二次損失が低減され、性能に優れるものとすることができる。
このような隆起部14は、例えばタービン翼12と一体に形成されたものであってもよいし、タービン翼12とは別に形成され、タービン翼12の腹面12aに密接するようにして配置、固定されたものであってもよい。
隆起部14は、例えば図3に示すような翼間方向(タービン軸(ロータ)6の周方向)の断面において凸部14aの高さをHa、幅をLa、段部14bの高さをHb、幅をLb、タービン翼12の高さをH、タービン翼12の翼間底面13における周方向(翼間方向)の背面間距離をLとしたとき、
0 < Hb/H < Ha/H ≦ 0.35かつ、
0 < (La+Lb)/L ≦ 0.75
の関係を満たすことが好ましい。
ここで隆起部14については、タービン翼12の腹面12aに沿って延びる方向における各翼間方向の断面について上記関係を満たしていることが好ましいが、少なくとも腹面12aに沿った方向(すなわち作動流体の流れる方向)の中央付近において凸部14aの高さHaが最大となる部分での翼間方向(周方向)の断面について上記関係を満たしていればよい。
なお、凸部14aの高さHaは、翼間底面13からの高さであり、幅Laは、段部14b側の実質的に傾斜が始まる部分から、翼間底面13と同じ高さとなる部分までの距離である。ここで、翼間底面13の位置については、タービン翼12の背面12bの壁面端部におけるタービン軸(ロータ)6の中心からの半径方向の距離と定義することができる。また、段部14bの高さHbについても翼間底面13からの高さであり、幅Lbは、タービン翼12の腹面12aから、上記した凸部14aの実質的に傾斜が始まる部分までの距離である。
さらに、タービン翼12の高さHは、図示した一方(例えば根元側)の翼間底面13からこれに対向する図示しない他方(例えば先端側)の翼間底面13までの半径方向距離であり、タービン翼12の背面間距離Lは、翼間底面13におけるタービン翼12の背面12bから周方向に隣接するタービン翼12の背面12bまでの周方向(翼間方向)距離である。
隆起部14を上記した関係を満たすものとすることで、隆起部14、すなわち凸部14aや段部14b付近を流れる作動流体を加速させ、二次流れを抑制することができる。これにより二次損失が低減され、性能に優れたものとすることができる。
すなわち、Hb/Hが0(ゼロ)である場合、段部14bが形成されていないこととなり、タービン翼12の腹面12a付近を流れる流体を加速させることができない。また、Ha/HがHb/H以下である場合、実質的に段部14bのみが形成されているのと同じ状態となり、上記した一般的な二次流れとは逆方向の流れを誘起することができない。また、Ha/Hが0.35を超える場合、過度に凸部14aが高いこととなり、かえって凸部14aに基づく損失が大きくなるおそれがある。
一方、(La+Lb)/Lが0(ゼロ)である場合、実質的に隆起部14が形成されていないこととなり、タービン翼12の腹面12aの近傍を流れる流体を加速させ、また一般的な二次流れとは逆方向の流れを誘起することができない。また、(La+Lb)/Lが0.75を超える場合、隆起部14が形成される範囲が広すぎるために、タービン翼12の腹面12a付近を流れる流体を効率的に加速させることができず、また一般的な二次流れとは逆方向の流れを効率的に誘起することができないおそれがある。
図4は、図2に示すタービン翼12および隆起部14を翼高さ方向(タービン軸(ロータ)6に対する半径方向の外方)から見たときの平面図である。図4に示すように、隆起部14は、タービン翼12の前端縁12cから後端縁12dに渡って連続的に設けられていることが好ましい。また、図2にも示すように、タービン翼12の腹面12aに沿った方向における略中央部、すなわちタービン翼12の前端縁12cと後端縁12dとの間の略中央部において最も高さが高くなるような凸状とされていることが好ましい。この際、隆起部14の前端縁12c側および後端縁12d側は、それぞれ翼間底面13と同じ高さとされていることが好ましい。
このように隆起部14をタービン翼12の腹面12aに沿った方向(作動流体の流れ方向)の略全体に設けると共に、タービン翼12の腹面12aに沿った方向における略中央部において最も高さが高くなるような凸状とすることで、隆起部14自身による損失を抑制しつつ、二次損失を効率的に低減することができる。なお、隆起部14は必ずしもタービン翼12の前端縁12cから後端縁12dまで渡って設けられている必要はないが、少なくとも前端縁12cから後端縁12dまでの腹面12aに沿った距離の1/2以上の範囲に設けられていることが好ましく、2/3以上の範囲に設けられていることが好ましい。
以上、本発明のタービン翼列11について一例を挙げて説明したが、既に説明したようにこのようなタービン翼列11としては図1に示すような静翼列5、動翼列8のいずれであってもよい。また、隆起部14が設けられる翼間底面13としては、タービン翼列11の翼高さ方向の両側(根元側および先端側)のいずれの翼間底面13であってもよく、例えば静翼列5の場合にはダイヤフラム外輪2の内周面(先端側)またはダイヤフラム内輪3の外周面(根元側)のいずれであってもよいし、動翼列8の場合にはタービン軸6の外周面(根元側)またはシュラウド9の内周面(先端側)のいずれであってもよい。この際、隆起部14は翼高さ方向において対向する一方の翼間底面13だけに設けてもよいし、対向する双方の翼間底面13に設けてもよい。
また、このようなタービン翼列11を有するタービン段落、軸流タービン1については、静翼列5または動翼列8の一方のみがこのようなタービン翼列11からなるものであってもよいし、双方がこのようなタービン翼列11からなるものであってもよい。この際、静翼列5と動翼列8とで、隆起部14が設けられる翼間底面13が異なっていても構わない。
本発明のタービン翼列11については、公知のタービン翼列に適宜適用して用いることができる。このようなものとすることで、適用される公知のタービン翼列の本来の効果に加えて、本発明のタービン翼列11の効果、すなわち隆起部14による二次流れの抑制、これらによる二次損失の低減といった効果を併せて得ることができる。
本発明が適用されるタービン翼列11としては、例えば図5に示すようにタービン翼12の断面を翼高さ方向(タービン軸(ロータ)6に対する半径方向)の略中央部で最突出点が存在するように円周方向流体流出側(腹面12a側)に湾曲させたものが挙げられる。
また、このようなものにおいて、図6に示すようにタービン軸(ロータ)6に対する周方向断面におけるタービン翼12の後端縁12dとこれに隣接するタービン翼12の背面12bとの最短距離をスロート長Sとし、後端縁12d間の周方向距離を環状ピッチTとしたとき、これらの比S/Tを図7に示すように高さ方向の略中央部で最大としたものが挙げられる。
これらのタービン翼列11に隆起部14を設けることで、タービン翼12の形状や比S/Tを所定のものとした効果に加えて、隆起部14による二次流れや二次流れ渦の低減、これによる二次損失の低減といった効果を併せて得ることができる。
また、適用可能なタービン翼列11としては、例えば図8に示すようにタービン軸6から半径方向に延びるラジアル線15に対してタービン翼12の後端縁12dを徐々に離れるように周方向に傾斜させたものが挙げられる。このようなものについても、隆起部14を設けることで、タービン翼12の後端縁12dを周方向に傾斜させた効果に加えて、隆起部14による二次流れや二次流れ渦の低減、これによる二次損失の低減といった効果を併せて得ることができる。
さらに、適用可能な他のタービン翼列11としては、例えば図9に示すようにタービン翼12の後端縁12dを翼高さ方向の一端から他端に向かうにつれて徐々に軸流方向に傾斜させたもの、また例えば図10に示すようにタービン翼12の後端縁12dを翼高さ方向の略中央部において軸流方向に凸状としたものが挙げられる。なお、図9、10は、タービン翼列11として静翼列5を図示している。これらのものについても、隆起部14を設けることで、タービン翼12の後端縁12dを所定の形状とした効果に加えて、隆起部14による二次流れの抑制、これによる二次損失の低減といった効果を併せて得ることができる。
また、図示しないが、適用可能なさらに他のタービン翼列11としては、タービン翼12の翼断面における翼弦長をこのタービン翼12の翼高さ方向の一方の端部側で最大とし、他方の端部側で最小としたものが挙げられる。このようなものについても、隆起部14を設けることで、タービン翼の翼弦長を所定のものとする効果に加えて、隆起部14による二次流れの抑制、これによる二次損失の低減といった効果を併せて得ることができる。
1…軸流タービン、2…ダイヤフラム外輪、3…ダイヤフラム内輪、4…静翼、5…静翼列、6…タービン軸、7…動翼、8…動翼列、9…シュラウド、11…タービン翼列(静翼列、動翼列)、12…タービン翼(静翼、動翼)、12a…腹面、12b…背面、12c…前端縁、12d…後端縁、13…翼間底面、14…隆起部、14a…凸部、14b…段部

Claims (5)

  1. 軸流タービンの環状流路内に周方向に配置された複数枚のタービン翼からなるタービン翼列であって、
    前記タービン翼間の翼間底面に前記タービン翼の腹面に沿って形成され、前記タービン翼の高さ方向に凸状となる凸部と、前記凸部と前記タービン翼の腹面とを繋ぎ、前記凸部よりも高さの低い略水平状の段部とからなる隆起部を有することを特徴とするタービン翼列。
  2. 前記隆起部は、前記凸部の高さをHa、幅をLa、前記段部の高さをHb、幅をLb、前記タービン翼の高さをH、前記タービン翼の背面間距離をLとしたとき、
    0 < Hb/H < Ha/H ≦ 0.35かつ、
    0 < (La+Lb)/L ≦ 0.75
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載のタービン翼列。
  3. 前記隆起部は、前記タービン翼の前縁部から後縁部に渡って連続的に設けられ、かつ前記前縁部と前記後縁部との略中央部において最も高さが高くなる凸状形状を有することを特徴とする請求項1または2記載のタービン翼列。
  4. 軸流タービンの環状流路内に周方向に配置された複数枚の静翼からなる静翼列と、前記静翼列の下流側に配置され、タービン軸の周方向に配置された複数枚の動翼からなる動翼列とを有するタービン段落であって、
    前記静翼列および前記動翼列から選ばれる少なくとも一方のタービン翼列が請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン翼列からなることを特徴とするタービン段落。
  5. 軸流タービンの環状流路内に周方向に配置される複数枚の静翼からなる静翼列と、前記静翼列の下流側に配置され、タービン軸の周方向に植設された複数枚の動翼からなる動翼列とを有する軸流タービンであって、
    前記静翼列および前記動翼列から選ばれる少なくとも一方のタービン翼列が請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン翼列からなることを特徴とする軸流タービン。
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