JPH0599062A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
内燃機関の制御装置Info
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- JPH0599062A JPH0599062A JP26239691A JP26239691A JPH0599062A JP H0599062 A JPH0599062 A JP H0599062A JP 26239691 A JP26239691 A JP 26239691A JP 26239691 A JP26239691 A JP 26239691A JP H0599062 A JPH0599062 A JP H0599062A
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- JP
- Japan
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- ignition timing
- intake air
- air amount
- internal combustion
- combustion engine
- Prior art date
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は点火時期の進角/遅角および吸入空気
量の増減により内燃機関の排出ガス温度および出力を制
御する内燃機関の制御装置に関し、点火時期の進角/遅
角および吸入空気量の増減時に、エンジン音の急激な変
化やエンジン出力の一時的な変動を防止することを目的
とする。 【構成】車両の定常走行状態において、排出ガス温度を
上昇せしめるために、図示しない制御ルーチンにより点
火時期の遅角量ATGを徐々に増量する。そして、遅角
量ATGによるエンジン出力の低下を補うためにISC
Vを開弁させる制御をISCV制御ルーチンにおいて行
う。ステップ121にて、ATGに対応したISCV開
度をマップより求めることにより、遅角量ATGによる
エンジンの出力の低下と、ISCV開弁による出力の上
昇とがバランスし、エンジンの出力は過補償あるいは補
償不足となることなく一定に維持される。
量の増減により内燃機関の排出ガス温度および出力を制
御する内燃機関の制御装置に関し、点火時期の進角/遅
角および吸入空気量の増減時に、エンジン音の急激な変
化やエンジン出力の一時的な変動を防止することを目的
とする。 【構成】車両の定常走行状態において、排出ガス温度を
上昇せしめるために、図示しない制御ルーチンにより点
火時期の遅角量ATGを徐々に増量する。そして、遅角
量ATGによるエンジン出力の低下を補うためにISC
Vを開弁させる制御をISCV制御ルーチンにおいて行
う。ステップ121にて、ATGに対応したISCV開
度をマップより求めることにより、遅角量ATGによる
エンジンの出力の低下と、ISCV開弁による出力の上
昇とがバランスし、エンジンの出力は過補償あるいは補
償不足となることなく一定に維持される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の制御装置に係
り、特に点火時期の進角/遅角および吸入空気量の増減
により内燃機関の排出ガス温度および出力を制御する内
燃機関の制御装置に関する。
り、特に点火時期の進角/遅角および吸入空気量の増減
により内燃機関の排出ガス温度および出力を制御する内
燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒によって排出ガス対策を行っている
内燃機関においては、触媒床温をできるだけ高温で維持
することが排出ガス中の有害成分の浄化率を向上させる
観点から重要である。このため、例えば車両に搭載され
た内燃機関(エンジン)においては、エンジンの負荷が
低下することにより触媒床温が比較的低くなる定常走行
状態(平坦な道路を一定速度で走行する状態を定常走行
状態とする)を検出すると、エンジンの燃料点火時期
(以下、単に点火時期という)を一度に20°CA程度遅角
させ、シリンダ内での燃料の後燃え量を多くして排出ガ
ス温度を上げ、これによって触媒床温を上げる制御が行
われている。また、この点火時期の遅角によりエンジン
の出力が低下することを防止するために、点火時期の遅
角と同時に吸入空気量を増量して、低下分の出力を補償
する制御が行われている。
内燃機関においては、触媒床温をできるだけ高温で維持
することが排出ガス中の有害成分の浄化率を向上させる
観点から重要である。このため、例えば車両に搭載され
た内燃機関(エンジン)においては、エンジンの負荷が
低下することにより触媒床温が比較的低くなる定常走行
状態(平坦な道路を一定速度で走行する状態を定常走行
状態とする)を検出すると、エンジンの燃料点火時期
(以下、単に点火時期という)を一度に20°CA程度遅角
させ、シリンダ内での燃料の後燃え量を多くして排出ガ
ス温度を上げ、これによって触媒床温を上げる制御が行
われている。また、この点火時期の遅角によりエンジン
の出力が低下することを防止するために、点火時期の遅
角と同時に吸入空気量を増量して、低下分の出力を補償
する制御が行われている。
【0003】上述した吸入空気量を増量する手段として
は、例えばエンジンの吸気通路にスロットルバルブをバ
イパスするバイパス通路を設け、このバイパス通路にア
イドルスピードコントロールバルブ(ISCV)を介装
したエンジンにおいては、このISCVの開度を一般走
行中においてもデューティ制御することにより吸気通路
を流れる吸入空気量を増量させる方法等がある。
は、例えばエンジンの吸気通路にスロットルバルブをバ
イパスするバイパス通路を設け、このバイパス通路にア
イドルスピードコントロールバルブ(ISCV)を介装
したエンジンにおいては、このISCVの開度を一般走
行中においてもデューティ制御することにより吸気通路
を流れる吸入空気量を増量させる方法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の上述した制御に
おいては、点火時期の遅角を行う制御と吸入空気量を増
量する制御とが夫々個別に行われていた。即ち、上記I
SCVを有し、車両に搭載されたエンジンの一例におい
ては、低負荷状態である定常走行状態が検出されると、
20°CAの点火時期の遅角が一度に行われると同時に、I
SCVの最大18ステップの急開が点火時期の遅角の制御
に関係なく行われる(図10(C)参照)。このため、
点火時期の遅角によるエンジン出力の低下(図10
(C)中、一点鎖線Hで示す)と、応答遅れが伴うIS
CV開弁によるエンジン出力の増加(同図中、実線Iで
示す)とがバランス良く行われず、しかも夫々が急激に
行われる。従って、定常走行中の様な比較的エンジン
音、出力が安定している状態では、急激なエンジン音の
変化や、エンジン出力の一時的な変動によるドライバビ
リティの悪化が発生し、運転者に不快感を与えるため問
題となっている。
おいては、点火時期の遅角を行う制御と吸入空気量を増
量する制御とが夫々個別に行われていた。即ち、上記I
SCVを有し、車両に搭載されたエンジンの一例におい
ては、低負荷状態である定常走行状態が検出されると、
20°CAの点火時期の遅角が一度に行われると同時に、I
SCVの最大18ステップの急開が点火時期の遅角の制御
に関係なく行われる(図10(C)参照)。このため、
点火時期の遅角によるエンジン出力の低下(図10
(C)中、一点鎖線Hで示す)と、応答遅れが伴うIS
CV開弁によるエンジン出力の増加(同図中、実線Iで
示す)とがバランス良く行われず、しかも夫々が急激に
行われる。従って、定常走行中の様な比較的エンジン
音、出力が安定している状態では、急激なエンジン音の
変化や、エンジン出力の一時的な変動によるドライバビ
リティの悪化が発生し、運転者に不快感を与えるため問
題となっている。
【0005】そこで本発明は上記課題に鑑みなされたも
ので、点火時期の遅角および吸入空気量の増量を徐々に
行うと共に、点火時期の遅角および吸入空気量の増量の
うちの一方の制御を他方の制御に対応させて行うことに
より、エンジンの低負荷状態が検出され、これに対して
排出ガス温度を上昇させるように制御した場合に、エン
ジン音の急激な変化やエンジン出力の一時的な変動を防
止した内燃機関の制御装置を提供することを目的とす
る。
ので、点火時期の遅角および吸入空気量の増量を徐々に
行うと共に、点火時期の遅角および吸入空気量の増量の
うちの一方の制御を他方の制御に対応させて行うことに
より、エンジンの低負荷状態が検出され、これに対して
排出ガス温度を上昇させるように制御した場合に、エン
ジン音の急激な変化やエンジン出力の一時的な変動を防
止した内燃機関の制御装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は上記目的を達成す
る本発明の原理構成図を示す。同図に示すように本発明
は、内燃機関1の低負荷状態を検出する低負荷状態検出
手段2と、前記内燃機関1の点火時期を遅角する点火時
期遅角手段3と、前記内燃機関1の吸入空気量を増量す
る吸入空気量増量手段4とを有し、前記内燃機関1の低
負荷状態では前記内燃機関1の点火時期を遅角すると共
に、吸入空気量を増量する内燃機関の制御装置におい
て、前記点火時期遅角手段3による点火時期の遅角ある
いは前記吸入空気量増量手段4による吸入空気量の増量
のいずれか一方を一定量づつ徐々に変化させる制御手段
5を設けると共に、他方の前記点火時期の遅角または前
記吸入空気量の増量を、前記一方の点火時期の遅角また
は吸入空気量の増量の値に対応させて制御する対応制御
手段6を設けた構成である。
る本発明の原理構成図を示す。同図に示すように本発明
は、内燃機関1の低負荷状態を検出する低負荷状態検出
手段2と、前記内燃機関1の点火時期を遅角する点火時
期遅角手段3と、前記内燃機関1の吸入空気量を増量す
る吸入空気量増量手段4とを有し、前記内燃機関1の低
負荷状態では前記内燃機関1の点火時期を遅角すると共
に、吸入空気量を増量する内燃機関の制御装置におい
て、前記点火時期遅角手段3による点火時期の遅角ある
いは前記吸入空気量増量手段4による吸入空気量の増量
のいずれか一方を一定量づつ徐々に変化させる制御手段
5を設けると共に、他方の前記点火時期の遅角または前
記吸入空気量の増量を、前記一方の点火時期の遅角また
は吸入空気量の増量の値に対応させて制御する対応制御
手段6を設けた構成である。
【0007】
【作用】本発明において、低負荷時には制御手段5によ
り点火時期の遅角または吸入空気量の増量の一方が徐々
に変化するとともに、対応制御手段6により前記一方の
遅角または吸入空気量の増量に対応させて他方の遅角ま
たは吸入空気量の増量が徐々に変化する。このため、内
燃機関1の低負荷状態が検出されて点火時期の遅角ある
いは吸入空気量の増量のいずれか一方が制御装置5によ
り変化された場合であっても、内燃機関1の出力は、過
補償、補償不足となることなく一定に維持される。
り点火時期の遅角または吸入空気量の増量の一方が徐々
に変化するとともに、対応制御手段6により前記一方の
遅角または吸入空気量の増量に対応させて他方の遅角ま
たは吸入空気量の増量が徐々に変化する。このため、内
燃機関1の低負荷状態が検出されて点火時期の遅角ある
いは吸入空気量の増量のいずれか一方が制御装置5によ
り変化された場合であっても、内燃機関1の出力は、過
補償、補償不足となることなく一定に維持される。
【0008】また、点火時期の遅角による内燃機関1の
出力低下と、吸入空気量の増量による出力増加が時間を
かけて徐々に行われるため、出力の急激な変動が防止さ
れる。
出力低下と、吸入空気量の増量による出力増加が時間を
かけて徐々に行われるため、出力の急激な変動が防止さ
れる。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0010】図2は本発明が適用される内燃機関(エン
ジン)およびその周辺装置の一実施例を表している。本
実施例のエンジンおよびその周辺装置は車両の走行用と
して車両に搭載されているものである。
ジン)およびその周辺装置の一実施例を表している。本
実施例のエンジンおよびその周辺装置は車両の走行用と
して車両に搭載されているものである。
【0011】図2中、11は機関本体、12はピスト
ン、13はシリンダー、14は点火プラグ、15は吸気
バルブ、16は排気バルブ、17は排気マニホールド、
18は排出ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ、1
9は機関冷却水温度を検出する水温センサである。
ン、13はシリンダー、14は点火プラグ、15は吸気
バルブ、16は排気バルブ、17は排気マニホールド、
18は排出ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ、1
9は機関冷却水温度を検出する水温センサである。
【0012】吸気系統においては、図中、21はエアク
リーナ、22は吸気管負圧を測定する圧力センサ、24
は吸気通路23に介装されるスロットルバルブ、25は
スロットルバルブ24をバイパスするバイパス吸気通
路、26はバイパス吸気通路25に介装され制御装置3
0からの指令により所定のデューティ比でのパルス信号
によりその開度をオンオフ制御されるアイドルスピード
コントロールバルブ(ISCV)、27はスロットルバ
ルブ24の開度に応じた信号を出力するスロットルポジ
ションセンサ、28は吸気マニホールド、29は燃料噴
射弁、31は吸入空気の温度を検出する吸気温センサで
ある。
リーナ、22は吸気管負圧を測定する圧力センサ、24
は吸気通路23に介装されるスロットルバルブ、25は
スロットルバルブ24をバイパスするバイパス吸気通
路、26はバイパス吸気通路25に介装され制御装置3
0からの指令により所定のデューティ比でのパルス信号
によりその開度をオンオフ制御されるアイドルスピード
コントロールバルブ(ISCV)、27はスロットルバ
ルブ24の開度に応じた信号を出力するスロットルポジ
ションセンサ、28は吸気マニホールド、29は燃料噴
射弁、31は吸入空気の温度を検出する吸気温センサで
ある。
【0013】点火系統においては、図中、33は点火コ
イルの二次側から点火に必要な高電圧を出力するイグナ
イタ、34は図示しないクランクシャフトに連動しイグ
ナイタ33で発生した高電圧を各気筒の点火プラグ14
に分配供給するディストリビュータ、35はディストリ
ビュータ34の1回転(クランクシャフト2回転)につ
き24回のパルス信号を出力する回転角センサ、36は
ディストリビュータ34の1回転につき1回のパルス信
号を出力する気筒判別センサである。制御装置30は、
マイクロコンピュータからなり、各種センサからの信号
を入力すると共に、これらの入力信号に基づいて所定の
演算、制御を行うことにより、各種アクチュエータに所
定の信号を出力するようにしている。
イルの二次側から点火に必要な高電圧を出力するイグナ
イタ、34は図示しないクランクシャフトに連動しイグ
ナイタ33で発生した高電圧を各気筒の点火プラグ14
に分配供給するディストリビュータ、35はディストリ
ビュータ34の1回転(クランクシャフト2回転)につ
き24回のパルス信号を出力する回転角センサ、36は
ディストリビュータ34の1回転につき1回のパルス信
号を出力する気筒判別センサである。制御装置30は、
マイクロコンピュータからなり、各種センサからの信号
を入力すると共に、これらの入力信号に基づいて所定の
演算、制御を行うことにより、各種アクチュエータに所
定の信号を出力するようにしている。
【0014】次に図3は制御装置30の具体的な構成要
素を示している。
素を示している。
【0015】中央処理ユニット(CPU)40は、各セ
ンサから出力されるデータを制御プログラムに従って入
力、演算すると共に、燃料噴射弁29、ISCV26、
イグナイタ33等の各種アクチュエータを制御するため
の処理を行うようになっている。リードオンリメモリ
(ROM)41は、前記制御プログラム、点火時期演算
マップ等のデータを格納する記憶装置であり、ランダム
アクセスメモリ(RAM)42は、各センサから出力さ
れるデータや演算制御に必要なデータを一時的に読み書
きする記憶装置であり、バックアップランダムアクセス
メモリ(バックアップRAM)43は、図示しないイグ
ニッションスイッチがオフになっても機関駆動に必要な
データ等がバッテリー電源によりバックアップされる記
憶装置である。
ンサから出力されるデータを制御プログラムに従って入
力、演算すると共に、燃料噴射弁29、ISCV26、
イグナイタ33等の各種アクチュエータを制御するため
の処理を行うようになっている。リードオンリメモリ
(ROM)41は、前記制御プログラム、点火時期演算
マップ等のデータを格納する記憶装置であり、ランダム
アクセスメモリ(RAM)42は、各センサから出力さ
れるデータや演算制御に必要なデータを一時的に読み書
きする記憶装置であり、バックアップランダムアクセス
メモリ(バックアップRAM)43は、図示しないイグ
ニッションスイッチがオフになっても機関駆動に必要な
データ等がバッテリー電源によりバックアップされる記
憶装置である。
【0016】また入力部44は酸素センサ18、吸気温
センサ31等の各センサの出力信号を図示しない波形整
形回路により波形整形し、この信号を図示しないマルチ
プレクサによりCPU40に選択的に出力するようにし
ている。入力部44では、各センサからの出力信号がア
ナログ信号であればこれをA/D変換機によりデジタル
信号に変換する。入出力部45は、回転角センサ35、
気筒判別センサ36等の出力信号を波形整形回路により
波形整形し、この信号を入力ポートを介してRAM42
等に書き込む。また入出力部45は、CPU40の指令
により出力ポートを介して駆動する駆動回路により燃料
噴射弁29、ISCV26、イグナイタ33等を所定の
タイミングで駆動する。バスライン46は、前記CPU
40、ROM41等の各素子および入力部44、入出力
部45を結び各種データを送るものである。
センサ31等の各センサの出力信号を図示しない波形整
形回路により波形整形し、この信号を図示しないマルチ
プレクサによりCPU40に選択的に出力するようにし
ている。入力部44では、各センサからの出力信号がア
ナログ信号であればこれをA/D変換機によりデジタル
信号に変換する。入出力部45は、回転角センサ35、
気筒判別センサ36等の出力信号を波形整形回路により
波形整形し、この信号を入力ポートを介してRAM42
等に書き込む。また入出力部45は、CPU40の指令
により出力ポートを介して駆動する駆動回路により燃料
噴射弁29、ISCV26、イグナイタ33等を所定の
タイミングで駆動する。バスライン46は、前記CPU
40、ROM41等の各素子および入力部44、入出力
部45を結び各種データを送るものである。
【0017】制御装置30は、各センサから入力される
検出データに基づいて運転条件に応じた燃料噴射量、点
火時期等を演算すると共に、アイドル運転時には、運転
状態に応じて、ISCV26に出力すべき開弁パルスデ
ューティ比を演算し、この演算信号をISCV26に出
力することにより、アイドル回転数を目標回転数に制御
するようにしている。
検出データに基づいて運転条件に応じた燃料噴射量、点
火時期等を演算すると共に、アイドル運転時には、運転
状態に応じて、ISCV26に出力すべき開弁パルスデ
ューティ比を演算し、この演算信号をISCV26に出
力することにより、アイドル回転数を目標回転数に制御
するようにしている。
【0018】上記構成の制御装置30内のCPU40
は、ROM41内に格納されたプログラムに従い前記し
た低負荷状態検出手段2、点火時期遅角手段3、吸入空
気量増量手段4、制御手段5および対応制御手段6夫々
を実現する。
は、ROM41内に格納されたプログラムに従い前記し
た低負荷状態検出手段2、点火時期遅角手段3、吸入空
気量増量手段4、制御手段5および対応制御手段6夫々
を実現する。
【0019】図4は前記低負荷状態検出手段2を実現す
る定常走行状態検出ルーチンのフローチャートを示す。
図4に示すフローチャートの処理は所定時間毎に繰り返
し実行される。
る定常走行状態検出ルーチンのフローチャートを示す。
図4に示すフローチャートの処理は所定時間毎に繰り返
し実行される。
【0020】先ずステップ101では、車両が暖機後の
安定した定常走行状態であるかを判別している。この定
常走行状態とは上述したように車両が平坦な道路を一定
速度で走行している状態であり、この状態ではエンジン
の負荷は低下している。ここで、車両が暖機後の定常走
行状態であることを検出する具体的な方法としては、例
えば、冷却水温度THWが70℃以上であることを水温セ
ンサ19により検出すると共に、圧力センサ22により
検出される吸気管負圧の値PM及びその変化量ΔPMが
所定時間以上、所定値以内に収まっていることを検出し
て行う。また、PM,ΔPMの代わりにスロットル開度
TA及びその変化量ΔTAが所定時間以上、所定値以内
に収まっていることを検出して行ってもよく、その他の
方法であってもよい。本発明は吸入空気量をエアフロー
メータにより直接検出するシステムにおいても適用で
き、この場合は、吸入空気量の値QA及びその変化量Δ
QAを用いて定常走行状態を検出してもよい。
安定した定常走行状態であるかを判別している。この定
常走行状態とは上述したように車両が平坦な道路を一定
速度で走行している状態であり、この状態ではエンジン
の負荷は低下している。ここで、車両が暖機後の定常走
行状態であることを検出する具体的な方法としては、例
えば、冷却水温度THWが70℃以上であることを水温セ
ンサ19により検出すると共に、圧力センサ22により
検出される吸気管負圧の値PM及びその変化量ΔPMが
所定時間以上、所定値以内に収まっていることを検出し
て行う。また、PM,ΔPMの代わりにスロットル開度
TA及びその変化量ΔTAが所定時間以上、所定値以内
に収まっていることを検出して行ってもよく、その他の
方法であってもよい。本発明は吸入空気量をエアフロー
メータにより直接検出するシステムにおいても適用で
き、この場合は、吸入空気量の値QA及びその変化量Δ
QAを用いて定常走行状態を検出してもよい。
【0021】車両が暖機後の定常走行状態である場合に
はステップ102にてXATGSTのフラグをセット
し、また、暖機後の定常走行状態でない場合にはステッ
プ103にてXATGSTのフラグをリセットしてこの
ルーチンを終了する。
はステップ102にてXATGSTのフラグをセット
し、また、暖機後の定常走行状態でない場合にはステッ
プ103にてXATGSTのフラグをリセットしてこの
ルーチンを終了する。
【0022】車両が暖機後の定常走行状態である場合に
は、上述の如く排出ガス温度が低下して触媒床温が低下
してしまうため、点火時期の遅角を行い排出ガス温度を
上昇させる必要がある。次に、前記点火時期遅角手段3
および制御手段5を実現する、点火時期の遅角および進
角を一定量づつ徐々に行う処理内容について図5に示す
フローチャートをもとに説明する。図5は前記点火時期
遅角手段3および制御手段5を実現する点火時期演算ル
ーチンのフローチャートを示す。図5に示すフローチャ
ートはb秒周期で繰り返し実行される。
は、上述の如く排出ガス温度が低下して触媒床温が低下
してしまうため、点火時期の遅角を行い排出ガス温度を
上昇させる必要がある。次に、前記点火時期遅角手段3
および制御手段5を実現する、点火時期の遅角および進
角を一定量づつ徐々に行う処理内容について図5に示す
フローチャートをもとに説明する。図5は前記点火時期
遅角手段3および制御手段5を実現する点火時期演算ル
ーチンのフローチャートを示す。図5に示すフローチャ
ートはb秒周期で繰り返し実行される。
【0023】先ずステップ110では、上記XATGS
Tのフラグがセット(1)であるかを判別している。フ
ラグがセットされている場合(XATGST=1)、即
ち車両が暖機後の定常走行状態である場合には、ステッ
プ111にて前回ルーチン時の点火時期の遅角量ATG
にa°CAを加算して(点火時期をa°CA遅角する)、遅
角量ATGを更新する。次にステップ112では、更新
されたATGと所定の遅角量C°CAとを比較し、ATG
が遅角量C°CAよりも大きい場合にはステップ113に
進み、ATGをC°CAとする。即ち、このステップ11
2,113によってATGの値にC°CAの上限ガードを
かけている。ステップ112でATGが遅角量C°CAよ
りも小さい場合にはステップ113を通り越してATG
をそのままの値としてこのルーチンを終了する。
Tのフラグがセット(1)であるかを判別している。フ
ラグがセットされている場合(XATGST=1)、即
ち車両が暖機後の定常走行状態である場合には、ステッ
プ111にて前回ルーチン時の点火時期の遅角量ATG
にa°CAを加算して(点火時期をa°CA遅角する)、遅
角量ATGを更新する。次にステップ112では、更新
されたATGと所定の遅角量C°CAとを比較し、ATG
が遅角量C°CAよりも大きい場合にはステップ113に
進み、ATGをC°CAとする。即ち、このステップ11
2,113によってATGの値にC°CAの上限ガードを
かけている。ステップ112でATGが遅角量C°CAよ
りも小さい場合にはステップ113を通り越してATG
をそのままの値としてこのルーチンを終了する。
【0024】また、XATGSTのフラグが0(ゼ
ロ)、即ち、車両が暖機後の定常走行状態でない場合に
は、ステップ114にて前回ルーチン時の遅角量ATG
からd°CAを減算して(点火時期をd°CA進角する)、
ATGを更新する。次にステップ115では、更新され
たATGが0°CA以下であるかを判別し、ATGが0°
CA以下である場合にはステップ116に進みATGを0
°CAとする。即ち、このステップ115,116によっ
てATGの値に0°CAの下限ガードをかけている。ステ
ップ115でATGが0°CAよりも大きい場合にはステ
ップ116を通り越してATGをそのままの値としてこ
のルーチンを終了する。
ロ)、即ち、車両が暖機後の定常走行状態でない場合に
は、ステップ114にて前回ルーチン時の遅角量ATG
からd°CAを減算して(点火時期をd°CA進角する)、
ATGを更新する。次にステップ115では、更新され
たATGが0°CA以下であるかを判別し、ATGが0°
CA以下である場合にはステップ116に進みATGを0
°CAとする。即ち、このステップ115,116によっ
てATGの値に0°CAの下限ガードをかけている。ステ
ップ115でATGが0°CAよりも大きい場合にはステ
ップ116を通り越してATGをそのままの値としてこ
のルーチンを終了する。
【0025】このように、上記点火時期演算ルーチンで
は、車両が暖機後の定常走行状態である場合には、ステ
ップ111にて点火時期を遅角して排出ガス温度を上昇
せしめており、反対に定常走行状態以外の場合において
はエンジンの負荷が高く排出ガス温度が高いと判断し
て、ステップ114にて点火時期を進角する。即ち、ス
テップ111にて前記点火時期遅角手段3が実現され
る。また、この点火時期演算ルーチンが繰り返し実行さ
れるb秒周期を大きくすることにより、点火時期の遅
角、進角が一定量づつ徐々に行われる制御となり前記制
御手段5が実現される。例えば、上記a°CA, d°CAを
夫々1°CAとし、b秒を1秒とすると、1°CA/秒の緩
やかな遅角、進角が行われる。
は、車両が暖機後の定常走行状態である場合には、ステ
ップ111にて点火時期を遅角して排出ガス温度を上昇
せしめており、反対に定常走行状態以外の場合において
はエンジンの負荷が高く排出ガス温度が高いと判断し
て、ステップ114にて点火時期を進角する。即ち、ス
テップ111にて前記点火時期遅角手段3が実現され
る。また、この点火時期演算ルーチンが繰り返し実行さ
れるb秒周期を大きくすることにより、点火時期の遅
角、進角が一定量づつ徐々に行われる制御となり前記制
御手段5が実現される。例えば、上記a°CA, d°CAを
夫々1°CAとし、b秒を1秒とすると、1°CA/秒の緩
やかな遅角、進角が行われる。
【0026】上記点火時期演算ルーチンの実行により点
火時期の遅角が行われた場合、上述の如く排出ガス温度
は上昇して触媒床温を高めることができるものの、これ
に伴ってエンジン出力(トルク)が低下する。このため
に、本実施例においては、上記点火時期演算ルーチンで
求められた点火時期の遅角量ATGの値に対応させて上
記ISCVのステップ量(開度)を求め、このステップ
量に応じてISCVを開弁することにより吸入空気量を
適度に増量させて点火時期の遅角によるトルクの低下を
過不足なく補償する。
火時期の遅角が行われた場合、上述の如く排出ガス温度
は上昇して触媒床温を高めることができるものの、これ
に伴ってエンジン出力(トルク)が低下する。このため
に、本実施例においては、上記点火時期演算ルーチンで
求められた点火時期の遅角量ATGの値に対応させて上
記ISCVのステップ量(開度)を求め、このステップ
量に応じてISCVを開弁することにより吸入空気量を
適度に増量させて点火時期の遅角によるトルクの低下を
過不足なく補償する。
【0027】次に前記吸入空気量増量手段4および対応
制御手段6を実現する、遅角量ATGに対応させてIS
CVのステップ量(開度)を求めて吸入空気量を増量さ
せる処理内容について図6に示すフローチャートをもと
に説明する。図6は前記吸入空気量増量手段4および対
応制御手段6を実現するISCV制御ルーチンのフロー
チャートを示す。図6に示すフローチャートは所定時間
毎に繰り返し実行される。
制御手段6を実現する、遅角量ATGに対応させてIS
CVのステップ量(開度)を求めて吸入空気量を増量さ
せる処理内容について図6に示すフローチャートをもと
に説明する。図6は前記吸入空気量増量手段4および対
応制御手段6を実現するISCV制御ルーチンのフロー
チャートを示す。図6に示すフローチャートは所定時間
毎に繰り返し実行される。
【0028】先ずステップ120では、エンジン回転数
Nに対応させて、ISCVのステップ量の上限ガードと
なるステップ量PRTDGを図7に示すマップ200か
ら求める。
Nに対応させて、ISCVのステップ量の上限ガードと
なるステップ量PRTDGを図7に示すマップ200か
ら求める。
【0029】ここで、ステップ量PRTDGについて説
明する前に、図8に示すエンジンの点火時期とエンジン
出力(トルク)との関係について説明する。同図に示す
ように、点火時期によるエンジンのトルク特性はトルク
が最も上昇するベース進角値を頂点とした山状の曲線で
あり、このため、点火時期がベース進角値周辺にある場
合においてはトルク低下の変化量は少ないものの、ベー
ス進角値から離れるに従ってトルク低下の変化量が徐々
に大きくなる特性となる。従って、ベース進角値から10
°CA遅角した時のトルク低下量Tr10に比べて、20°CA
遅角した時のトルク低下量Tr20は極端に大きな値とな
ってしまう。また、点火時期を遅角させることによって
生じるトルクの低下は、高負荷(高回転)時(図8中、
点線で示す)の方が低負荷(低回転)時(図8中、実線
で示す)に比べてその低下傾向が強く、例えば同じ量の
点火時期の遅角が行われた場合には低回転時の方がトル
ク低下量が少なくなる。
明する前に、図8に示すエンジンの点火時期とエンジン
出力(トルク)との関係について説明する。同図に示す
ように、点火時期によるエンジンのトルク特性はトルク
が最も上昇するベース進角値を頂点とした山状の曲線で
あり、このため、点火時期がベース進角値周辺にある場
合においてはトルク低下の変化量は少ないものの、ベー
ス進角値から離れるに従ってトルク低下の変化量が徐々
に大きくなる特性となる。従って、ベース進角値から10
°CA遅角した時のトルク低下量Tr10に比べて、20°CA
遅角した時のトルク低下量Tr20は極端に大きな値とな
ってしまう。また、点火時期を遅角させることによって
生じるトルクの低下は、高負荷(高回転)時(図8中、
点線で示す)の方が低負荷(低回転)時(図8中、実線
で示す)に比べてその低下傾向が強く、例えば同じ量の
点火時期の遅角が行われた場合には低回転時の方がトル
ク低下量が少なくなる。
【0030】従って、トルク低下を補償する吸入空気量
を増量するISCVのステップ量は、エンジン回転数が
低回転域にある方が高回転域にある場合に比べて少ない
ステップ量で済む。このため、エンジンの低回転数領域
においてISCVのステップ量が過剰となり、これによ
るトルクの過補償を防ぐために、ISCVのステップ量
の上限ガードとして、エンジン回転数Nに対応した上記
PRTDGが設けられている。従って、図7に示すマッ
プ200においては、エンジンの低回転数領域において
小さく、高回転数領域において大きいステップ量PRT
DGとなっている。このようにマップ200で定められ
たPRTDGを上限ガードとして持つことにより、エン
ジン負荷(回転数)によるトルク低下量への影響を補正
することができる。
を増量するISCVのステップ量は、エンジン回転数が
低回転域にある方が高回転域にある場合に比べて少ない
ステップ量で済む。このため、エンジンの低回転数領域
においてISCVのステップ量が過剰となり、これによ
るトルクの過補償を防ぐために、ISCVのステップ量
の上限ガードとして、エンジン回転数Nに対応した上記
PRTDGが設けられている。従って、図7に示すマッ
プ200においては、エンジンの低回転数領域において
小さく、高回転数領域において大きいステップ量PRT
DGとなっている。このようにマップ200で定められ
たPRTDGを上限ガードとして持つことにより、エン
ジン負荷(回転数)によるトルク低下量への影響を補正
することができる。
【0031】次にステップ121では、図5に示す点火
時期演算ルーチンにて更新された遅角量ATGに対し
て、この場合のトルク低下を補償するために必要なIS
CVのステップ量PATGを図9に示すマップ210か
ら求める。マップ210が同図に実線で示すように曲線
状となっている理由は、上述した図8に示すように、点
火時期とトルクとの関係が比例関係ではなく、遅角量が
少ない領域においてはトルク低下が少なく遅角量が多く
なるに従ってトルク低下量が大きくなる傾向であり、一
方、ISCVの開弁によるトルク上昇はISCV開度に
ほぼ比例して上昇する傾向であるからである。即ち、図
9において点線Aで示すような直線のマップとすると、
遅角量ATGが小さい領域においては実際のトルクの低
下に対してISCV開度が大き過ぎ、トルクの過補償と
なってしまう。
時期演算ルーチンにて更新された遅角量ATGに対し
て、この場合のトルク低下を補償するために必要なIS
CVのステップ量PATGを図9に示すマップ210か
ら求める。マップ210が同図に実線で示すように曲線
状となっている理由は、上述した図8に示すように、点
火時期とトルクとの関係が比例関係ではなく、遅角量が
少ない領域においてはトルク低下が少なく遅角量が多く
なるに従ってトルク低下量が大きくなる傾向であり、一
方、ISCVの開弁によるトルク上昇はISCV開度に
ほぼ比例して上昇する傾向であるからである。即ち、図
9において点線Aで示すような直線のマップとすると、
遅角量ATGが小さい領域においては実際のトルクの低
下に対してISCV開度が大き過ぎ、トルクの過補償と
なってしまう。
【0032】次にステップ122ではステップ120で
求めたPRTDGとステップ121で求めたステップ量
PATGの大小を比較し、PATGが上限ガードである
PRTDGよりも小さい場合にはステップ123に進
み、ここでPATGをISCVの実際の開弁ステップ量
であるPRTDとする。PATGが上限ガードであるP
RTDGを越えている場合にはステップ124に進み、
上限ガード値PRTDGをPRTDとし、このルーチン
を終了する。
求めたPRTDGとステップ121で求めたステップ量
PATGの大小を比較し、PATGが上限ガードである
PRTDGよりも小さい場合にはステップ123に進
み、ここでPATGをISCVの実際の開弁ステップ量
であるPRTDとする。PATGが上限ガードであるP
RTDGを越えている場合にはステップ124に進み、
上限ガード値PRTDGをPRTDとし、このルーチン
を終了する。
【0033】このように、ISCV制御ルーチンによれ
ば、ステップ121にてマップ210を用いることによ
り、点火時期の遅角量ATGに対応させて必要とされる
ISCVのステップ量PATGが精度良く求められ、前
記吸入空気量増量手段4および対応制御手段6が実現さ
れる。
ば、ステップ121にてマップ210を用いることによ
り、点火時期の遅角量ATGに対応させて必要とされる
ISCVのステップ量PATGが精度良く求められ、前
記吸入空気量増量手段4および対応制御手段6が実現さ
れる。
【0034】図10は本発明による効果を説明する図で
ある。図10(A)に示すように、車両の定常走行状態
が検出された時点T0 から点火時期の遅角がb秒周期で
一定量毎に行われ、これにより図8に示す特性曲線に従
って、図10(A)中、一点鎖線Bで示すようにトルク
が低下する。そして、このトルク低下を補償するために
ISCV開度が開く。ここで本実施例においては、上記
の如くISCV制御ルーチンのステップ121にて、点
火時期の遅角とトルク低下量との関係を考慮した図9に
示すマップ210により、遅角量ATGに対応したIS
CV開度PATGが定められている。このため、ISC
Vの開度は定常走行状態が検出された初期においては開
度量の変化が少なく、遅角量ATGが上限ガードC°CA
に達する時点T1 に近づくに従って徐々に開度量の変化
が大きくなるように制御される(同図中、曲線Gで示
す)。
ある。図10(A)に示すように、車両の定常走行状態
が検出された時点T0 から点火時期の遅角がb秒周期で
一定量毎に行われ、これにより図8に示す特性曲線に従
って、図10(A)中、一点鎖線Bで示すようにトルク
が低下する。そして、このトルク低下を補償するために
ISCV開度が開く。ここで本実施例においては、上記
の如くISCV制御ルーチンのステップ121にて、点
火時期の遅角とトルク低下量との関係を考慮した図9に
示すマップ210により、遅角量ATGに対応したIS
CV開度PATGが定められている。このため、ISC
Vの開度は定常走行状態が検出された初期においては開
度量の変化が少なく、遅角量ATGが上限ガードC°CA
に達する時点T1 に近づくに従って徐々に開度量の変化
が大きくなるように制御される(同図中、曲線Gで示
す)。
【0035】そして上記の如くISCVのステップ量
(開度)とトルクの上昇とは比例の関係を有するため、
ISCV開弁によるトルクの上昇は、図10(A)中、
曲線Dで示すようにISCV開度を示す曲線Gと同様と
なり、一点鎖線Bで示す点火時期の遅角によるトルク低
下を過不足なく打ち消すようにトルクが上昇する。この
ため、点火時期を遅角してもエンジン出力(トルク)は
変動することなく一定に保たれ、車速も一定に保たれ一
時的な車速のオーバーシュート現象を防止することがで
きる。
(開度)とトルクの上昇とは比例の関係を有するため、
ISCV開弁によるトルクの上昇は、図10(A)中、
曲線Dで示すようにISCV開度を示す曲線Gと同様と
なり、一点鎖線Bで示す点火時期の遅角によるトルク低
下を過不足なく打ち消すようにトルクが上昇する。この
ため、点火時期を遅角してもエンジン出力(トルク)は
変動することなく一定に保たれ、車速も一定に保たれ一
時的な車速のオーバーシュート現象を防止することがで
きる。
【0036】また、本実施例では時点T0 〜T1 を時間
をかけて徐々に行うため、点火時期の遅角によるトルク
低下をISCV開弁によるトルク上昇が打ち消す精度が
向上し、エンジン出力をより安定させることができる。
をかけて徐々に行うため、点火時期の遅角によるトルク
低下をISCV開弁によるトルク上昇が打ち消す精度が
向上し、エンジン出力をより安定させることができる。
【0037】また、図10(B)は点火時期の遅角とI
SCV開弁を一律に行った状態を図10(A)に対比さ
せて示したものである。この場合、点火時期の遅角およ
び遅角によるトルク低下は上記実施例と同様の傾向を示
すが、ISCV開度は遅角によるトルク低下に関係なく
一定スピードで開弁され、また上記の如くISCV開度
とトルク上昇とは比例関係であるため、ISCV開弁に
よるトルク上昇は図10(B)に実線Eで示す如く直線
状となる。このため、遅角によるトルク低下に対して、
ISCV開弁によるトルク上昇が過補償状態となり、エ
ンジン出力が一時的に増大して一時的な車速のオーバー
シュート現象が発生してしまう。
SCV開弁を一律に行った状態を図10(A)に対比さ
せて示したものである。この場合、点火時期の遅角およ
び遅角によるトルク低下は上記実施例と同様の傾向を示
すが、ISCV開度は遅角によるトルク低下に関係なく
一定スピードで開弁され、また上記の如くISCV開度
とトルク上昇とは比例関係であるため、ISCV開弁に
よるトルク上昇は図10(B)に実線Eで示す如く直線
状となる。このため、遅角によるトルク低下に対して、
ISCV開弁によるトルク上昇が過補償状態となり、エ
ンジン出力が一時的に増大して一時的な車速のオーバー
シュート現象が発生してしまう。
【0038】また、点火時期の遅角とISCV開弁を一
度に行う従来においては図10(C)の様に定常走行状
態が検出された時点T0 で点火時期の遅角とISCVの
開弁が同時に、かつ大量に行われるため、遅角による急
激な出力低下(図10(C)中、H線)に対して、IS
CVによる空気量増加による出力上昇に応答遅れ(図1
0(C)中、I線)が生じるため、急激なエンジン音の
変化及び一時的な車速のアンダーシュートを起こしドラ
イバビリティを悪化させていた。
度に行う従来においては図10(C)の様に定常走行状
態が検出された時点T0 で点火時期の遅角とISCVの
開弁が同時に、かつ大量に行われるため、遅角による急
激な出力低下(図10(C)中、H線)に対して、IS
CVによる空気量増加による出力上昇に応答遅れ(図1
0(C)中、I線)が生じるため、急激なエンジン音の
変化及び一時的な車速のアンダーシュートを起こしドラ
イバビリティを悪化させていた。
【0039】以上のように、本実施例の制御装置によれ
ば、車両が定常走行状態となった場合でも、触媒床温を
上昇せしめて排出ガスの浄化効果を高く維持することが
できると共に、排出ガス温度を上昇させるために点火時
期の遅角を行った場合の急激なエンジン音の変化やドラ
イバビリティの悪化を防止することができ、運転者に不
快感を与えることを防止することができる。
ば、車両が定常走行状態となった場合でも、触媒床温を
上昇せしめて排出ガスの浄化効果を高く維持することが
できると共に、排出ガス温度を上昇させるために点火時
期の遅角を行った場合の急激なエンジン音の変化やドラ
イバビリティの悪化を防止することができ、運転者に不
快感を与えることを防止することができる。
【0040】更に、従来においては20°CAの遅角を短時
間で行うだけではなく、定常走行状態でなくなった場合
には、20°CAの進角を同様に短時間で行っている。この
ため、トルクが急激に発生してエンジンを損傷させてし
まう場合がある。上記20°CAの進角と同時にISCV開
度も絞られるが、ISCV開度の減少によるトルクの低
下には応答遅れが伴い、そのためトルクが一時的に急激
に上昇してしまう。しかしながら本実施例においては、
図5にて上述した如く、進角側においてもd°CA/b秒
で緩やかに制御しているため、上記不具合の発生は防止
される。
間で行うだけではなく、定常走行状態でなくなった場合
には、20°CAの進角を同様に短時間で行っている。この
ため、トルクが急激に発生してエンジンを損傷させてし
まう場合がある。上記20°CAの進角と同時にISCV開
度も絞られるが、ISCV開度の減少によるトルクの低
下には応答遅れが伴い、そのためトルクが一時的に急激
に上昇してしまう。しかしながら本実施例においては、
図5にて上述した如く、進角側においてもd°CA/b秒
で緩やかに制御しているため、上記不具合の発生は防止
される。
【0041】尚、上記実施例においては点火時期の遅角
量ATGの変化量を時間当たり一定とし、このATGに
対応させて適当なISCV開度を求めているが、本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、反対にISC
V開度の変化量を時間当たり一定とし、このISCV開
度とATGとのマップで適当なATGを求めて制御する
構成であってもよい。
量ATGの変化量を時間当たり一定とし、このATGに
対応させて適当なISCV開度を求めているが、本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、反対にISC
V開度の変化量を時間当たり一定とし、このISCV開
度とATGとのマップで適当なATGを求めて制御する
構成であってもよい。
【0042】また、上記実施例においては、吸入空気量
増量手段としてISCVのステップ量を増加させる方法
を採用しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、スロットルバルブの開度を変化させる等、その他
の方法によっても同様の効果が得られる。
増量手段としてISCVのステップ量を増加させる方法
を採用しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、スロットルバルブの開度を変化させる等、その他
の方法によっても同様の効果が得られる。
【0043】更に、上記実施例においては、エンジンが
車両に搭載され、低負荷状態として定常走行状態を検出
しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、
車両以外に使用されるエンジン全般においても適用さ
れ、低負荷状態において排出ガスの浄化効果を向上させ
ることができると共に、点火時期遅角の制御時にエンジ
ンの出力を安定させることができる。
車両に搭載され、低負荷状態として定常走行状態を検出
しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、
車両以外に使用されるエンジン全般においても適用さ
れ、低負荷状態において排出ガスの浄化効果を向上させ
ることができると共に、点火時期遅角の制御時にエンジ
ンの出力を安定させることができる。
【0044】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、点火時期
の遅角による内燃機関の出力低下と、吸入空気量の増量
による出力増加とがバランスして、内燃機関の出力は過
補償あるいは補償不足となることなく一定に維持され
る。また、内燃機関の低負荷状態が検出され、これに対
して内燃機関の点火時期を遅角すると共に、吸入空気量
を増量する制御が行われた場合であっても、内燃機関の
音の急激な変化や内燃機関の出力の一時的な変動を防止
することができる。
の遅角による内燃機関の出力低下と、吸入空気量の増量
による出力増加とがバランスして、内燃機関の出力は過
補償あるいは補償不足となることなく一定に維持され
る。また、内燃機関の低負荷状態が検出され、これに対
して内燃機関の点火時期を遅角すると共に、吸入空気量
を増量する制御が行われた場合であっても、内燃機関の
音の急激な変化や内燃機関の出力の一時的な変動を防止
することができる。
【0045】このため、例えば内燃機関が車両に搭載さ
れた場合においては、車両が低負荷状態である定常走行
状態となった場合でも、触媒床温を上昇せしめて排出ガ
スの浄化効果を高く維持することができると共に、この
時に排出ガス温度を上昇させるために点火時期の遅角を
行った際の内燃機関の音の急激な変化や、一時的な車速
のオーバーシュート現象等のドライバビリティの悪化を
防止して運転者に不快感を与えることを防止することが
できる。
れた場合においては、車両が低負荷状態である定常走行
状態となった場合でも、触媒床温を上昇せしめて排出ガ
スの浄化効果を高く維持することができると共に、この
時に排出ガス温度を上昇させるために点火時期の遅角を
行った際の内燃機関の音の急激な変化や、一時的な車速
のオーバーシュート現象等のドライバビリティの悪化を
防止して運転者に不快感を与えることを防止することが
できる。
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明を適用した内燃機関およびその周辺装置
をあらわす概略構成図である。
をあらわす概略構成図である。
【図3】図2における制御装置をあらわすブロック図で
ある。
ある。
【図4】定常走行状態検出ルーチンを示すフローチャー
トである。
トである。
【図5】点火時期演算ルーチンを示すフローチャートで
ある。
ある。
【図6】ISCV制御ルーチンを示すフローチャートで
ある。
ある。
【図7】エンジン回転数とISCVステップ量の上限値
であるPRTDGとの関係のマップを示す図である。
であるPRTDGとの関係のマップを示す図である。
【図8】点火時期によるエンジン出力(トルク)特性を
示す図である。
示す図である。
【図9】点火時期の遅角量とISCV開度との関係のマ
ップを示す図である。
ップを示す図である。
【図10】本発明の効果を説明する図である。
1 内燃機関 2 低負荷状態検出手段 3 点火時期遅角手段 4 吸入空気量増量手段 5 制御手段 6 対応制御手段 11 機関本体 12 ピストン 13 シリンダー 14 点火プラグ 18 酸素センサ 19 水温センサ 22 圧力センサ 23 吸気通路 24 スロットルバルブ 25 バイパス吸気通路 26 アイドルスピードコントロールバルブ(ISC
V) 29 燃料噴射弁 30 制御装置 35 回転角センサ 36 気筒判別センサ 40 中央処理ユニット(CPU)
V) 29 燃料噴射弁 30 制御装置 35 回転角センサ 36 気筒判別センサ 40 中央処理ユニット(CPU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 330 8109−3G F02P 5/15 B 9150−3G
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関の低負荷状態を検出する低負荷
状態検出手段と、前記内燃機関の点火時期を遅角する点
火時期遅角手段と、前記内燃機関の吸入空気量を増量す
る吸入空気量増量手段とを有し、前記内燃機関の低負荷
状態では前記内燃機関の点火時期を遅角すると共に、吸
入空気量を増量する内燃機関の制御装置において、 前記点火時期遅角手段による点火時期の遅角、あるいは
前記吸入空気量増量手段による吸入空気量の増量のいず
れか一方を一定量づつ徐々に変化させる制御手段を設け
ると共に、 他方の前記点火時期の遅角または前記吸入空気量の増量
を、前記一方の点火時期の遅角または吸入空気量の増量
の値に対応させて制御する対応制御手段を設けたことを
特徴とする内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26239691A JPH0599062A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26239691A JPH0599062A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0599062A true JPH0599062A (ja) | 1993-04-20 |
Family
ID=17375189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26239691A Pending JPH0599062A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 内燃機関の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0599062A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009144567A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
-
1991
- 1991-10-09 JP JP26239691A patent/JPH0599062A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009144567A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
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