JPH0599051A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置

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JPH0599051A
JPH0599051A JP26005591A JP26005591A JPH0599051A JP H0599051 A JPH0599051 A JP H0599051A JP 26005591 A JP26005591 A JP 26005591A JP 26005591 A JP26005591 A JP 26005591A JP H0599051 A JPH0599051 A JP H0599051A
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JP
Japan
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fuel
fuel injection
pressure
cylinder
injection amount
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Application number
JP26005591A
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English (en)
Inventor
Yasushi Ito
泰志 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料噴射量の精度を向上するせしめる。 【構成】 燃料噴射弁から燃料を機関の気筒内に直接噴
射せしめる機関において、目標燃料噴射量Qa を係数K
P によって燃料噴射時間τi に変換し、τi に基づいて
燃料を噴射する。Qa がQ2 以上の直線領域では、Qb
−Δq1 とQb +Δq1 の間で求めた第1の係数KPb
用いてτi を計算し、Qa がQ1 以下の非直線領域で
は、Qs −Δq2 とQs +Δq2 の間で求めた第2の係
数KPsを用いてτi を計算する。また、Qa がQ1 とQ
2 の間のときには、Qa の増大に応じてKPsからKPb
直線的に変化する係数を用いてτi を計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料噴射装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、燃料を各気筒内に夫々直接
噴射する燃料噴射弁を設け、各燃料噴射弁のノズル口の
開弁期間を制御することによって各気筒内への燃料噴射
量を制御する内燃機関において、機関回転数および機関
負荷に基づいて求められた目標燃料噴射量に係数を乗じ
て燃料噴射弁のノズル口の開弁時間(燃料噴射時間)を
計算し、この燃料噴射時間に基づいて燃料噴射量を制御
せしめる内燃機関の燃料噴射装置を提案している(特願
平2−333617号参照)。
【0003】この燃料噴射装置では、各燃料噴射弁は共
通のリザーバタンクから燃料を供給され、リザーバタン
クには燃料ポンプによって燃料が供給され、燃料ポンプ
によりリザーバタンクへの燃料供給が停止せしめられて
いる間において複数の燃料噴射弁のうち1つの燃料噴射
弁の燃料噴射を禁止せしめ、他の燃料噴射弁の燃料噴射
によって生じるリザーバタンク内の燃料圧低下量を検出
し、この燃料圧低下量に基づいて、燃料噴射が禁止され
た燃料噴射弁の実際の燃料噴射量を推定し、この推定値
に基づいて燃料噴射が禁止された燃料噴射弁の実際の燃
料噴射量が目標噴射量となるように燃料噴射時間を補正
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで気筒内に燃料
を直接噴射する場合には、燃料噴射可能期間は短くな
る。このため、高負荷時における多量の要求燃料噴射量
を燃料噴射可能期間内で全量噴射するためには、燃料噴
射弁のノズル口の径を大径化して単位時間当たりの燃料
噴射量を増大せしめなければならない。
【0005】ところがこのようにすると、低負荷時のよ
うな要求燃料噴射量が少量であるときに、実際の燃料噴
射量は燃料噴射時間に比例しなくなる。このために、要
求燃料噴射量が多量であるときと同一の係数を用いて要
求燃料噴射量を燃料噴射時間に換算すると、実際の燃料
噴射量が目標噴射量から大きくずれてしまうという問題
を生ずる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明によれば、燃料噴射弁のノズル口の開弁期間を
制御して燃料噴射量を制御する内燃機関の燃料噴射装置
において、目標燃料噴射量をノズル口の開弁期間に変換
する係数を、燃料噴射弁からの実際の燃料噴射量が目標
燃料噴射量とほぼ等しくなるように目標燃料噴射量に応
じて変更せしめるようにしている。
【0007】
【作用】目標燃料噴射量をノズル口の開弁期間に変換す
る係数が、燃料噴射弁からの実際の燃料噴射量が目標燃
料噴射量とほぼ等しくなるように、目標燃料噴射量に応
じて変更せしめられる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の一実施例を採用した4気筒ガ
ソリン機関の全体図を示す。同図において、1は機関本
体、2はサージタンク、3はエアクリーナ、4はサージ
タンク2とエアクリーナ3とを連結する吸気管、5は各
気筒内に燃料噴射する電歪式の燃料噴射弁、6は点火
栓、7は高圧用リザーバタンク、8は吐出圧制御可能な
高圧燃料ポンプ、9は高圧燃料ポンプ8からの高圧燃料
をリザーバタンク7に導くための高圧導管、10は燃料
タンク、11は導管12を介して燃料タンク10から高
圧燃料ポンプ8に燃料を供給する低圧燃料ポンプを夫々
示す。低圧燃料ポンプ11の吐出側は、各燃料噴射弁5
のピエゾ圧電素子を冷却するための圧電素子冷却用導入
管13に接続される。圧電素子冷却用返戻管14は燃料
タンク10に連結され、この返戻管14を介して圧電素
子冷却用導入管13を流れる燃料を燃料タンク10に回
収する。各枝管15は、各高圧燃料噴射弁5を高圧用リ
ザーバタンク7に接続する。
【0009】電子制御ユニット20はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセ
ッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具
備する。なお、CPU24にはバックアップRAM23
aがバス21aを介して接続される。
【0010】高圧用リザーバタンク7に取り付けられた
燃料圧センサ27は高圧用リザーバタンク7内の圧力を
検出し、その検出信号はA/Dコンバータ28を介して
入力ポート25に入力される。機関回転数Ne に比例し
た出力パルスを発生するクランク角センサ29の出力パ
ルスは入力ポート25に入力される。アクセルペダル
(図示せず)の踏込み量(アクセル開度θA)に応じた
出力電圧を発生するアクセル開度センサ30の出力電圧
はA/Dコンバータ31を介して入力ポート25に入力
される。一方、各燃料噴射弁5は各駆動回路34を介し
て出力ポート26に接続される。また高圧燃料ポンプ8
は駆動回路36を介して出力ポート26に接続される。
【0011】図2は燃料噴射弁5の側面断面図を示す。
図2を参照すると、40はノズル50内に挿入されたニ
ードル、41は加圧ロッド、42は可動プランジャ、4
3はばね収容室44内に配置されかつニードル40を下
方に向けて押圧する圧縮ばね、45は加圧ピストン、4
6はピエゾ圧電素子、47は可動プランジャ42の頂部
とピストン45間に形成されかつ燃料で満たされた加圧
室、48はニードル加圧室を夫々示す。ニードル加圧室
48は燃料通路49および枝管15を介して高圧用リザ
ーバタンク7(図1)に連結され、従って高圧用リザー
バタンク7内の高圧燃料が枝管15および燃料通路49
を介してニードル加圧室48内に供給される。ピエゾ圧
電素子46に電荷がチャージされるとピエゾ圧電素子4
6が伸長し、それによって加圧室47内の燃料圧が高め
られる。その結果、可動プランジャ42が下方に押圧さ
れ、ノズル口53は、ニードル40によって閉弁状態に
保持される。一方、ピエゾ圧電素子46にチャージされ
た電荷がディスチャージされるとピエゾ圧電素子46が
収縮し、加圧室47内の燃料圧が低下する。その結果、
可動プランジャ42が上昇するためにニードル40が上
昇し、ノズル口53から燃料が噴射される。
【0012】図3は図1に示す機関の縦断面図を示す。
図3を参照すると、60はシリンダブロック、61はシ
リンダヘッド、62はピストン、63はピストン62の
頂面に形成された略円筒状凹部、64はピストン62頂
面とシリンダヘッド61内壁面間に形成されたシリンダ
室を夫々示す。点火栓6はシリンダ室64に臨んでシリ
ンダヘッド61のほぼ中央部に取り付けられる。図面に
は示さないがシリンダヘッド61内には吸気ポートおよ
び排気ポートが形成され、これら吸気ポートおよび排気
ポートのシリンダ室64内への開口部には夫々吸気弁お
よび排気弁が配置される。燃料噴射弁5はスワール型の
燃料噴射弁であり、広がり角が大きく貫徹力の弱い噴霧
状の燃料を噴射する。燃料噴射弁5は、斜め下方を指向
して、シリンダ室64の頂部に配置され、点火栓6近傍
に向かって燃料噴射するように配置される。また、燃料
噴射弁5の燃料噴射方向および燃料噴射時期は、燃料噴
射がピストン62頂部に形成された凹部63を指向する
ように決められる。
【0013】図4は高圧燃料ポンプ8全体の側面断面図
を示す。この高圧燃料ポンプ8は大きく分けるとポンプ
部Aと、ポンプ部Aの吐出量を制御する吐出量制御部B
とにより構成される。図5はポンプ部Aの断面図を示し
ており、図6は吐出量制御部Bの拡大側面断面図を示し
ている。図4および図5を参照すると、70は一対のプ
ランジャ、71は各プランジャ70によって形成される
加圧室、72は各プランジャ70の下端部に取り付けら
れたプレート、73はタペット、74はプレート72を
タペット73に向けて押圧する圧縮ばね、75はタペッ
ト73により回転可能に支承されたローラ、76は機関
によって駆動されるカムシャフト、77はカムシャフト
76上に一体形成されたカムを夫々示し、ローラ75は
カム77のカム面上を転動する。従ってカムシャフト7
6が回転せしめられるとそれに伴って各プランジャ70
が上下動する。
【0014】図4を参照すると、ポンプ部Aの頂部には
燃料供給口78が形成され、この燃料供給口78は低圧
燃料ポンプ11(図1)の吐出口に接続される。この燃
料供給口78は燃料供給通路79および逆止弁80を介
して加圧室71に接続される。従ってプランジャ70が
下降したときに燃料供給通路79から加圧室71内に燃
料が供給される。81はプランジャ70周りからの漏洩
燃料を燃料供給通路79へ返戻するための燃料返戻通路
を示す。一方、図4および図5に示されるように各加圧
室71は対応する逆止弁82を介して各加圧室71に対
し共通の加圧燃料通路83に接続される。この加圧燃料
通路83は逆止弁84を介して加圧燃料吐出口85に接
続され、この加圧燃料吐出口85はリザーバタンク7
(図1)に接続される。従ってプランジャ70が上昇し
て加圧室71内の燃料圧が上昇すると加圧室71内の高
圧の燃料は逆止弁82を介して加圧燃料通路83内に吐
出され、次いでこの燃料は逆止弁84および燃料吐出口
85を介してリザーバタンク7(図1)内に送り込まれ
る。一対のカム77の位相は180度だけずれており、
従って一方のプランジャ70が上昇行程にあって加圧燃
料を吐出しているときには他方のプランジャ70は下降
行程にあって燃料を加圧室71内に吸入している。従っ
て加圧燃料通路83内には一方の加圧室71から必ず高
圧の燃料が供給されており、従って加圧燃料通路83内
には各プランジャ70によって常時高圧の燃料が供給さ
れ続けている。加圧燃料通路83からは図4に示すよう
に燃料溢流通路90が分岐され、この燃料溢流通路90
は吐出量制御部Bに接続される。
【0015】図6を参照すると吐出量制御部Bはそのハ
ウジング内に形成された燃料溢流室91と、燃料溢流通
路90から燃料溢流室91に向かう燃料流を制御する溢
流制御弁92とを具備する。溢流制御弁92は燃料溢流
室91内に配置された弁部93を有し、この弁部93に
よって弁ポート94の開閉制御が行われる。また、吐出
量制御部Bのハウジング内には溢流制御弁92を駆動す
るためのアクチュエータ95が配置される。このアクチ
ュエータ95は吐出量制御部Bのハウジング内に摺動可
能に挿入された加圧ピストン96と、加圧ピストン96
を駆動するためのピエゾ圧電素子97と、加圧ピストン
96によって画定された加圧室98と、加圧ピストン9
6をピエゾ圧電素子97に向けて押圧する皿ばね99
と、吐出量制御部Bのハウジング内に摺動可能に挿入さ
れた加圧ピン100とにより構成される。加圧ピン10
0の上端面は溢流制御弁92の弁部93に当接してお
り、加圧ピン100の下端面は加圧室98内に露呈して
いる。なお、燃料溢流室91内には加圧ピン100を常
時上方に向けて付勢する皿ばね101が配置される。溢
流制御弁92の上方にはばね室102が形成され、この
ばね室102内には圧縮ばね103が挿入される。溢流
制御弁92はこの圧縮ばね103によって常時下方に向
けて押圧される。燃料溢流室91は燃料流出孔104を
介してばね室102内に連通しており、このばね室10
2は燃料流出孔105、逆止弁106および燃料流出口
107を介して燃料タンク10(図1)に接続される。
この逆止弁106は通常燃料流出孔105を開閉するチ
ェックボール108と、このチェックボール108を燃
料流出孔105に向けて押圧する圧縮ばね109とによ
り構成される。更に燃料溢流室91は燃料流出孔11
0、逆止弁111、ピエゾ圧電素子97の周囲に形成さ
れた燃料流出通路112および燃料流出口113を介し
て燃料タンク10(図1)に接続される。この逆止弁1
11は通常燃料流出孔110を閉鎖するチェックボール
114と、このチェックボール114を燃料流出孔11
0に向けて押圧する圧縮ばね115とにより構成され
る。また燃料溢流室91は絞り通路116および逆止弁
117を介して加圧室98内に接続される。この逆止弁
117は通常絞り通路116を閉鎖するチェックボール
118と、このチェックボール118を絞り通路116
に向けて押圧する圧縮ばね119とにより構成される。
【0016】ピエゾ圧電素子97はリード線120を介
して電子制御ユニット20(図1)に接続されており、
従ってピエゾ圧電素子97は電子制御ユニット20の出
力信号によって制御される。ピエゾ圧電素子97は多数
の薄板状圧電素子を積層した積層構造をなしており、ピ
エゾ圧電素子97に電荷をチャージするとピエゾ圧電素
子97は軸方向に伸長し、ピエゾ圧電素子97にチャー
ジされた電荷をディスチャージするとピエゾ圧電素子9
7は軸方向に収縮する。燃料溢流室91および加圧室9
8は燃料で満たされており、従ってピエゾ圧電素子97
に電圧が印加されてピエゾ圧電素子97が軸方向に伸長
すると加圧室98内の燃料圧が上昇する。加圧室98内
の燃料圧が上昇すると加圧ピン100が上昇せしめら
れ、それに伴って溢流制御弁92も上昇せしめられる。
その結果、溢流制御弁92の弁部93が弁ポート94を
閉鎖し、その結果燃料溢流通路90から燃料溢流室91
内への燃料の溢流が停止せしめられる。従ってこのとき
プランジャ70の加圧室71からの加圧燃料通路83
(図5)内に吐出された全ての加圧燃料はリザーバタン
ク7(図1)内に送り込まれる。
【0017】一方、ピエゾ圧電素子97への電圧の印加
が停止せしめられてピエゾ圧電素子97が収縮すると加
圧ピストン96が下降するために加圧室98の容積が増
大する。その結果、加圧室98内の燃料圧が低下するた
めに溢流制御弁92および加圧ピン100は圧縮ばね1
03のばね力により下降し、斯くして溢流制御弁92の
弁体93が弁ポート94を開弁する。このときプランジ
ャ70の加圧室71から加圧燃料通路83(図5)内に
吐出された全ての加圧燃料は燃料溢流通路90および弁
ポート94を介して燃料溢流室91内に送り込まれる。
従ってこのときにはリザーバタンク7(図1)内に加圧
燃料は供給されない。
【0018】燃料溢流通路90から燃料溢流室91内に
溢流した燃料は各燃料流出孔104,105,110お
よび逆止弁106,111を介して燃料タンク10(図
1)に返戻される。リザーバタンク7内の燃料圧を目標
燃料圧に維持するために、一定クランク角毎に溢流制御
弁92が閉弁せしめられてプランジャ70の加圧室71
から吐出された加圧燃料がリザーバタンク7内に補給さ
れ、次いで再び溢流制御弁92が閉弁せしめられるまで
溢流制御弁92は開弁状態に保持される。この場合、一
定クランク角の間で溢流制御弁92が閉弁しているクラ
ンク角の割合が大きくなればリザーバタンク7内に補給
される加圧燃料の量が増大する。ここで図7に示される
ように一定のクランク角θO の間で溢流制御弁92が閉
弁しているクランク角θの割合、即ち一定のクランク角
θO の間でピエゾ圧電素子97が伸長せしめられている
クランク角θの割合をデューティ比DT(=θ/θO
と称すると、デューティ比DTが大きくなるほどリザー
バタンク7内に補給される加圧燃料の量が増大すること
になる。
【0019】図8にはリザーバタンク7内の燃料圧を目
標燃料圧に制御するためのルーチンを示す。このルーチ
ンは一定クランク角毎の割込みによって実行される。図
8を参照すると、まずステップ150においてリザーバ
タンク7内の平均圧力PAが読込まれる。この平均圧力
PAは、一定時間毎に検出されるリザーバタンク7内の
圧力Pr を複数回検出してその平均をとったものであ
る。ステップ151では後述するポンプフラグFP が1
にセットされているか否か判定される。通常FP は1で
あるためステップ152に進む。ステップ152ではリ
ザーバタンク7内の平均圧力PAが予め定められた目標
燃料圧PM 以上か否か判定される。PA≧PM の場合ス
テップ153に進みデューティ比DTがαだけ減じられ
る。これによってリザーバタンク7内に補給される加圧
燃料の量が減少することになる。一方、PA<PM の場
合、ステップ154に進みデューティ比DTがαだけ増
大せしめられる。これによってリザーバタンク7内に補
給される加圧燃料の量が増大することになる。
【0020】一方、ステップ151においてポンプフラ
グFP =0の場合ステップ155に進みデューティ比D
Tは0とされる。これによってリザーバタンク7内には
高圧燃料ポンプ8から燃料は供給されない。これについ
ては後述する。ところで燃料噴射弁5から気筒内に噴射
される燃料量は、従来、以下のように燃料噴射弁5のノ
ズル口53の開弁時間を制御することによって制御され
ている。すなわち、機関回転数Ne およびアクセル開度
θAに基づいて、目標燃料噴射量である基本噴射量Qa
が計算され、次式に基づいて燃料噴射時間τが計算され
る。
【0021】τ=K・Qa ここで、Kは基本噴射量を燃料噴射時間に変換するため
の係数である。この燃料噴射時間τに基づいて燃料噴射
弁5が作動制御せしめられる。ところで本実施例のよう
に気筒内に燃料を直接噴射する場合には、燃料噴射可能
期間は短くなる。このため、高負荷時における多量の目
標燃料噴射量を燃料噴射可能期間内において全量噴射す
るためには、燃料噴射弁5のノズル口53の径を大径化
して単位時間当たりの燃料噴射量を増大せしめなければ
ならない。
【0022】ところがこのようにすると、図9に示すよ
うに、燃料噴射量が燃料噴射時間に比例しない領域を、
低負荷時のように燃料噴射量が少量である場合において
使用せざるを得ない。このために、燃料噴射量が多量で
あるときと同一の係数Kを用いて目標燃料噴射量を燃料
噴射時間に換算すると、実際の燃料噴射量が目標噴射量
から大きくずれてしまうという問題を生ずる。
【0023】そこで本実施例では、図9に示すように、
基本噴射量Qa がQ2 以上の領域のように燃料噴射量が
燃料噴射時間にほぼ比例する領域と、基本噴射量Qa
1 以下の低負荷領域のようにQa がτi に比例しない
領域とに分け、夫々の領域において、実際の燃料噴射量
が目標噴射量にほぼ等しくなるような係数KPbおよびK
Psを夫々用い、これらの領域の間の領域では、基本噴射
量Qa の増大に応じてKPsからKPbに向かって直線近似
した係数を用いることとしている。
【0024】このようにすることによって、燃料噴射量
が燃料噴射時間に比例しないような低負荷領域において
も、実際の燃料噴射量を目標噴射量にほぼ等しくするこ
とができる。図10には各燃料噴射弁5の各燃料噴射時
間τi を計算するためのルーチンを示す。このルーチン
は一定クランク角毎の割込みによって実行される。
【0025】燃料噴射時間τi はステップ170におい
て次式から計算される。 τi =Qa ・KP ・KPi・(PM / Pr )1/2−τO ここで、Qa は基本噴射量、KP は燃料噴射量を燃料噴
射時間に換算する平均補正係数、KPiは各気筒において
の実際の燃料噴射量を目標燃料噴射量に等しくするため
の気筒別補正係数、PM はリザーバタンク7内の目標燃
料圧(図8のステップ152参照)、Pr はリザーバタ
ンク7内の現在の燃料圧、τO は燃料噴射時間の補正量
である。リザーバタンク7内の燃料圧は後述のようにK
P およびKPi更新時に減少せしめられるが、このとき
に、燃料噴射量が減少しないように(PM / Pr )1/2
よって圧力補正されている。
【0026】平均補正係数KP は図11に示されるよう
に、基本噴射量Qa がQ2 以上で第1平均補正係数KPb
であり、Qa がQ1 以下で第2平均補正係数KPsであ
り、Q a がQ1 とQ2 の間においてはQa の増大に応じ
てKPsからKPbに直線的に増大する。Q1 ,Q2 は図9
に示されるように、Q2はQa とτi がほぼ直線的関係
を有するQa の最小値、Q1 は低負荷に相当し、Qa
τi が直線関係にない位置である。
【0027】気筒別補正係数KPiは図12に示されるよ
うに、基本噴射量Qa がQ2 以上でKPbi であり、Qa
がQ1 以下でKPsi であり、Qa がQ1 とQ2 の間にお
いてはQa の増大に応じてKPsi からKPbi に直線的に
増大する。図10を参照すると、まずステップ160に
おいて機関回転数Ne およびアクセル開度θAが読み込
まれる。次いでステップ161において機関回転数Ne
およびアクセル開度θAに基づいて基本噴射量Qa が計
算される。Ne ,θAとQ a との関係はマップの形で予
めROM22内に記憶されており、このマップから基本
噴射量Qa が計算される。
【0028】ステップ162でQa がQ1 以下か否か判
定される。Qa ≦Q1 の場合にはステップ163に進み
P にKPsが格納され、次いでステップ164でKPi
Ps i が格納される。一方、Qa >Q1 の場合にはステ
ップ165に進み、Qa がQ 2 以上か否か判定される。
a ≧Q2 の場合にはステップ166に進みKP にK Pb
が格納され、次いでステップ167でKPiにKPbi が格
納される。
【0029】一方、Qa <Q2 の場合にはステップ16
8およびステップ169に進み、K P およびKPiが夫々
次式から計算される。 KP =(Qa −Q1 )・(KPb−KPs) /(Q2 −Q1 )+KPsPi=(Qa −Q1 )・(KPbi −KPsi ) /(Q2 −Q1 )+KPsi 次いでステップ170で前述のようにτi が計算され
る。本実施例では4気筒内燃機関であるからiは1から
4まで変化する。
【0030】図13には燃料噴射弁5の燃料噴射タイミ
ングと第1平均補正係数KPbの更新のため燃料圧計測時
におけるリザーバタンク7内の燃料圧の変化を示す。図
14および図15には第1平均補正係数KPbを更新する
ためのメインルーチンを示す。このルーチンは一定時間
毎に実行される。更新された第1平均補正係数KPbはバ
ックアップRAM23aに格納される。図14および図
15を参照すると、ステップ184において、始動フラ
グFstが1か否か判定される。始動フラグFstは機関始
動時に1にセットされている。始動フラグFstが0の場
合にはステップ171に進んで計測フラグFcaを0にリ
セットした後本ルーチンを終了する。
【0031】始動フラグFst=1の場合、ステップ18
5に進み、Qb −Δq1 ≦Qa ≦Q b +Δq1 (図9参
照)か否か判定される。否定判定されるとステップ17
1に進んだ後本ルーチンを終了する。一方、肯定判定さ
れるとQa がKPb更新実行可能範囲内と判定され、ステ
ップ172以下に進む。Qb −Δq1 からQb +Δq1
の範囲は、図9に示されるように、Qa とτi の関係が
直線である領域のうちQa の小さい領域、すなわち、Q
2 に近い領域である。これによって、KPbの更新の機会
を増大せしめるようにしている。
【0032】ステップ172では機関冷却水温THWが
80℃以上か否か判定される。THW<80℃の場合に
はステップ171に進んだ後本ルーチンを終了する。T
HW≧80℃の場合にはステップ173に進みアイドル
運転か否か判定される。アイドル運転でない場合にはス
テップ171に進んだ後本ルーチンを終了する。アイド
ル運転の場合にはステップ174に進み、計測フラグF
caが0にリセットされているか否か判定される。現在、
計測フラグFcaは0であるため、ステップ175に進み
計測フラグFcaは1にセットされる。次いでステップ1
76では累積燃料噴射量Qc が0にクリアされ、ステッ
プ177でリザーバタンク7内の燃料圧Pr が計測開始
燃料圧Po (図13参照)に格納される。次回以降の処
理サイクルにおいては計測フラグFcaは1となっている
ためステップ174において否定判定されるため、ステ
ップ175からステップ177はスキップされる。ステ
ップ178では計測完了フラグFokが1にセットされて
いるか否か判定され、計測完了フラグFokが1にセット
されていればステップ179以下に進んで第1平均補正
係数KPbが更新される。
【0033】図16にはポンプフラグFP 等を制御する
ためのルーチンを示す。このルーチンは180クランク
角毎の割込みによって実行される。図16を参照する
と、ステップ190では計測フラグFcaが1にセットさ
れているか否か判定される。計測フラグFcaがリセット
されていれば何も実行せず本ルーチンを終了する。計測
フラグFcaが1にセットされていれば、ステップ191
に進み、リザーバタンク7内の燃料圧Pr が予め定めら
れた下限燃料圧PL (図13参照)以下か否か判定され
る。下限燃料圧PL はリザーバタンク7内の目標燃料圧
M(図8のステップ152参照)に対し十分に低い燃
料圧であるが、燃料噴射に支障ない程度の燃料圧であ
る。リザーバタンク7内の燃料圧は目標燃料圧PM とな
るように制御されているため、ステップ191では否定
判定されステップ192に進む。ステップ192ではポ
ンプフラグFP が0にリセットされる。このため図8の
ステップ151において否定判定され、デューティ比D
Tが0とされる。このため、高圧燃料ポンプ8からリザ
ーバタンク7内への加圧燃料供給が停止せしめられる。
斯くして、図13に示すように、燃料噴射が実行される
毎にリザーバタンク7内の燃料圧は低下する。計測開始
燃料圧Po は、リザーバタンク7内への加圧燃料供給が
停止されて最初の燃料噴射が実行される直前の燃料圧を
示している。
【0034】再び図16を参照すると、ステップ193
では燃料噴射が実行される毎に基本噴射量Qa が累積噴
射量Qc に累積されていく。一方、ステップ191にお
いてPr ≦PL と判定されると、ステップ194に進
み、このときのリザーバタンク7内の燃料圧Pr が計測
終了燃料圧Pn に格納される。次いでステップ195で
はポンプフラグFP が1にセットされる。これによっ
て、図8のステップ151において肯定判定されるた
め、リザーバタンク7内の燃料圧が目標燃料圧PM とな
るようにデューティ比DTが制御せしめられ、リザーバ
タンク7内に加圧燃料が供給開始される。図16のステ
ップ196では計測完了フラグFokが1にセットされ
る。
【0035】以上のように、このルーチンでは、計測フ
ラグFcaがセットされると、リザーバタンク7内への加
圧燃料供給を停止せしめると共にこのときのリザーバタ
ンク7内の燃料圧をPo とし、燃料圧が下限燃料圧PL
以下となるまで、基本噴射量Qa を燃料噴射毎に加算
し、燃料圧が下限燃料圧PL 以下となったときの燃料圧
をPn とし、このときリザーバタンク7内への加圧燃料
供給を開始すると共に計測完了フラグFokをセットする
ようにしている。
【0036】再び図14および図15を参照すると、図
16のルーチンで計測が完了すると計測完了フラグFok
が1にセットされるため、ステップ178で肯定判定さ
れてステップ179に進む。ステップ179では低下燃
料圧ΔPが次式により計算される。 ΔP=PO −Pn ステップ180では、燃料噴射によるリザーバタンク7
内の低下燃料圧ΔPに基づいて次式から実際の総燃料噴
射量QP が計算される。
【0037】QP =ΔP・1/ka ここでka は係数である。ステップ181では次式によ
り仮平均補正係数KPbn が計算される。 KPbn =KPb・Qc / QP ここで、例えば計算された累積燃料噴射量(噴射される
べき総燃料噴射量)Qc を100とし、このときの実際
の総燃料噴射量QP を95とすると、KPbn =K Pb・1
00/95となって仮平均補正係数KPbn は大きくな
る。KPbは以下のようにKPbn から求められ、KPbn
増大するとKPbも増大する。このため、燃料噴射時間は
増大するために(図10ステップ170参照)、実際の
燃料噴射量は増大し、QP をQc に等しくすることがで
きる。ステップ182では次式に基づいて第1平均補正
係数KPbが更新せしめられる。
【0038】KPb+(KPbn −KPb)/N この式を変形すると次式のように書ける。 {(N−1)KPb+KPbn }/N この式からわかるように、KPbにN−1の重み付けを
し、KPbn に1の重み付けをすることによってKPbを更
新しているのである。次いでステップ183では計測完
了フラグFok、計測フラグFca、および始動フラグFst
が夫々0にリセットされる。以上の処理によって、第1
平均補正係数KPbは、実際の総燃料噴射量Q P を計算さ
れた累積燃料噴射量(目標燃料噴射量)Qcに等しくす
るように更新される。
【0039】第2平均補正係数KPsを求めるルーチン
は、図14および図15に示される第1平均補正係数K
Pbを求めるルーチンと、図14のステップ185以外は
同様である。第2平均補正係数KPsを求めるルーチンで
は、図14のステップ185に相当するステップにおい
て、Qs −Δq2 ≦Qa ≦Qs +Δq2 (図9参照)か
否か判定される。Qs −Δq2 からQs +Δq2 の範囲
がKPsの更新実行可能範囲である。Qs −Δq2 からQ
s +Δq2 の範囲は、図9に示されるように、Q a とτ
i の関係が非直線である領域のうちQ1 より小さい領域
である。
【0040】Δq1 はΔq2 より大きい値に設定され
る。これは、KPbの補正の機会を増大せしめるためであ
り、一方、Δq2 を大きくするとKPsの精度が低下する
おそれがあるためである。以上のように、基本噴射量Q
a がQb −Δq1からQb +Δq1 の範囲内にあればK
Pbの更新が実行され、基本噴射量Qa がQs −Δq2
らQs +Δq2 の範囲内にあればKPsの更新が実行され
る。
【0041】図17には、第1の気筒別補正係数KPbi
を更新するため燃料圧低下量計測時における燃料噴射タ
イミングとリザーバタンク7内の燃料圧の変化を示す。
この実施例では、リザーバタンク7内への燃料供給を停
止せしめると共に4気筒のうちの1つの気筒の燃料噴射
を禁止せしめることによって、第1の気筒別補正係数K
Pbi を更新するようにしている。第1の気筒別補正係数
Pbi の更新は、第1または第2平均補正係数KPb, K
Psが更新される毎にKPbまたはKPsの更新に続いて1回
実行され、更新された第1の気筒別補正係数KPbi はバ
ックアップRAM23aに夫々格納される。
【0042】図18から図20には第1の気筒別補正係
数KPbi を更新するためのルーチンを示す。このルーチ
ンは一定時間毎の割り込みによって実行される。まず、
ステップ200において始動フラグFstがリセットされ
ているか否か判定される。始動フラグFstは、機関始動
時において1にセットされており、第1または第2平均
補正係数KPb, KPsが更新された後に0にリセットされ
る。始動フラグFstが0でない場合、すなわち第1また
は第2平均補正係数KPb, KPsが未だ更新されていない
場合には何も実行せずに本ルーチンを終了する。一方、
始動フラグFst=0の場合、すなわち第1または第2平
均補正係数KPb, KPsの更新が完了した場合にはステッ
プ221に進み、Qb −Δq1 ≦Qa ≦Qb+Δq
1 (図9参照)か否か判定される。否定判定されるとス
テップ222で更新フラグFB を0とし、ステップ20
3でポンプフラグFP を1に維持し、本ルーチンを終了
する。
【0043】一方、肯定判定されると、ステップ201
に進み、機関冷却水温THWが80℃以上か否か判定さ
れる。なお、第1または第2平均補正係数KPb, KPs
更新が完了した場合にはポンプフラグFP は1にセット
されており、従ってリザーバタンク7には加圧燃料が供
給されて目標燃料圧PM に向かって昇圧されることとな
る。THW≧80℃と判定されるとステップ202に進
み、iが1以上かつ4以下か否か判定される。ステップ
201およびステップ202のうちいずれか一方でも否
定判定されると、ステップ203に進み、ポンプフラグ
P は1に維持され、本ルーチンを終了する。最初iは
1にセットされており、このためステップ202で、1
≦i≦4と判定されてステップ204に進む。ステップ
204では更新フラグFB がリセットされているか否か
判定される。更新フラグFBは最初リセットされている
ため肯定判定されてステップ205に進む。ステップ2
05では、リザーバタンク7内の燃料圧Pr が予め定め
られた圧力Pa 以上か否か判定される。Pa は目標燃料
圧PM より少しだけ低い圧力である。第1または第2平
均補正係数KPb, KPsの更新のためのリザーバタンク7
内の燃料圧が低下せしめられた後十分に昇圧されていな
い場合には、ステップ205で否定判定されてステップ
203に進み本ルーチンを終了する。リザーバタンク7
内の燃料圧が十分に昇圧せしめられてPr ≧Pa になる
と、ステップ206に進み、更新フラグFB および計測
フラグFd が1にセットされ、カウンタCm が予め定め
られた値Cm0にセットされ、累積噴射量Qc が0にクリ
アされる。ここでCm0は4の倍数であり、例えば12で
ある。次いでステップ207では、このときのリザーバ
タンク7内の燃料圧Pr が計測開始燃料圧P1 (図17
参照)に格納される。今、更新フラグFB は1にセット
されているため、次回以後の処理サイクルにおいてはス
テップ204で否定判定され、ステップ205からステ
ップ207はスキップされる。次いでステップ208で
はポンプフラグFP がリセットされ、リザーバタンク7
への加圧燃料供給が停止せしめられる(図8参照)。ス
テップ209ではカウンタCm が0か否か判定される。
カウンタCm が0であればステップ210以下に進んで
第1の気筒別補正係数KPbi が更新され、カウンタCm
が0でなければ本ルーチンを終了する。
【0044】図21には燃料噴射を制御するためのルー
チンを示す。このルーチンは180クランク角毎の割込
みによって実行される。まず、ステップ230で計測フ
ラグFd が1にセットされているか否か判定される。計
測フラグFd が0にリセットされていればステップ24
2に進み燃料噴射時間がセットされ、予め定められたク
ランク角において燃料噴射が実行される。すなわち、計
測フラグFd がリセットされているときには、必ず燃料
噴射時間がセットされ、従って全気筒において燃料噴射
が実行される。計測フラグFd が1にセットされている
場合、ステップ231に進み、第i気筒の噴射か否か判
定される。第i気筒の噴射でなければステップ232に
進み燃料噴射時間がセットされ、予め定められたクラン
ク角において燃料噴射が実行される。一方、第i気筒の
噴射であればステップ232はスキップされる。従って
第i気筒だけ燃料噴射が実行されない。ステップ233
では、カウンタCm が0か否か判定される。カウンタC
m が0でない場合には、ステップ234に進みカウンタ
m が1だけデクリメントされる。従ってカウンタCm
は180クランク角毎に1ずつデクリメントされること
になる。一方、カウンタCm が0の場合には本ルーチン
は終了する。次いで180クランク角毎にステップ23
5では基本噴射量Qa (図10参照)が累積噴射量Qc
に累積されていく。
【0045】再び図18から図20を参照すると、ステ
ップ209においてカウンタCm が0と判定された場
合、すなわち、カウンタCm の設定値が12であるから
第i気筒以外の各気筒について燃料噴射が3回実行完了
した場合には、ステップ210以下に進んで第1の気筒
別補正係数KPbi が更新される。ステップ210ではこ
のときのリザーバタンク7内の燃料圧Pr が計測終了燃
料圧P2 (図17参照)に格納される。次いでステップ
211ではP1 とP2 との差圧Pd が計算される。次い
でステップ212では、第i気筒の燃料噴射が禁止され
た状態での実際の総噴射量QPgi が次式に基づいて計算
される。
【0046】QPgi =Pd ・1/ka ここでka は係数である。iは最初1であるため、第1
気筒の燃料噴射が禁止された状態での実際の総噴射量Q
Pg1 が次式から計算されることになる。 QPg1 =Pd ・1/ka ステップ213では第i気筒から実際に噴射されるであ
ろう総噴射量QPiが次式から計算される。
【0047】QPi=Qc −QPgi 第1および第2平均補正係数KPb, Psの更新の実行に
より、全気筒において燃料噴射したとした場合の全気筒
の実際の総噴射量QP は累積噴射量Qc と等しいと考え
られる。従ってQc −QPgi は第i気筒から実際に噴射
されるであろう総噴射量となる。ステップ214では、
4の整数倍の噴射回数の累積噴射量Qc を気筒数4で割
ることによって1気筒分の累積噴射量(噴射すべき燃料
量)Qciが計算される。ステップ215では第i気筒の
仮補正係数KPbniが次式により計算される。
【0048】KPbni=KPbi ・Qci/QPi ここで、例えば計算された第i気筒の累積噴射量(第i
気筒の噴射されるべき総燃料噴射量)Qciを100と
し、このときの第i気筒から実際に噴射されるであろう
総燃料噴射量QPiを95とすると、KPbni=KPbi ・1
00/95となって第i気筒の仮補正係数KPbniは大き
くなる。KPbi はKPbniから求められ、KPb niが増大す
るとKPbi も増大する。このため、第i気筒の燃料噴射
時間τi (図10のステップ170参照)は増大するた
めに、第i気筒の実際の燃料噴射量は増大しQPiをQci
に等しくすることができる。ステップ216では次式に
基づいて第i気筒の第1の気筒別補正係数KPbi の更新
値が求められKPbi ′に格納される。
【0049】KPbi +(KPbni−KPbi )/M この式を変形すると次式のように書ける。 {(M−1)KPbi +KPbni}/M この式からわかるように、KPbi にM−1の重み付けを
し、KPbniに1の重み付けをすることによってKPbi
更新しているのである。
【0050】このようにして第1気筒の第1の気筒別補
正係数KPb1 の更新値が求められると、ステップ217
に進みiが1だけインクリメントされる。ステップ21
8では更新フラグFB および計測フラグFdがリセット
される。Fd がリセットされると、第i気筒の燃料噴射
も実行され全気筒の燃料噴射が再び実行される(図21
参照)。次いでステップ219でiが5か否か判定され
る。今iは2であるため否定判定されて本ルーチンを終
了する。
【0051】第4気筒の第1の気筒別補正係数KPb4
更新値KPb4 ′まで求められると、ステップ217でi
=5となり、ステップ219で肯定判定されてステップ
220に進む。ステップ220では第1の気筒別補正係
数KPb1 〜KPb4 が更新される。これは、第1の気筒別
補正係数KPb1 〜KPb4 の更新値KPb1 ′〜KPb4 ′を
夫々求める毎に第1の気筒別補正係数KPb1 〜KPb4
夫々更新すると更新値KPb1 ′〜KPb4 ′を正確に求め
られないために、全ての更新値KPb1 ′〜KPb 4 ′を求
めた後、第1の気筒別補正係数KPb1 〜KPb4 を一度に
更新するようにしているのである。
【0052】第2の気筒別補正係数KPsi を求めるルー
チンは、図18から図20に示される第1の気筒別補正
係数KPbi を求めるルーチンと、図18のステップ22
1以外は同様である。第2の気筒別補正係数KPsi を求
めるルーチンでは、図18のステップ221に相当する
ステップにおいて、Qs −Δq2 ≦Qa ≦Qs +Δq 2
(図9参照)か否か判定される。Qs −Δq2 からQs
+Δq2 の範囲がKPs i の更新実行可能範囲である。
【0053】以上のように本実施例によれば、平均補正
係数KP および気筒別補正係数KPiを、基本噴射量Qa
の大きさに応じて、Qa とτi が比例する領域とQa
τi が比例しない領域とに分けて求めるようにしている
ため、基本噴射量Qa の全領域に対して、各気筒におい
て、実際の燃料噴射量を目標燃料噴射量にほぼ等しくす
ることができる。
【0054】また、リザーバタンク7内への燃料供給を
停止せしめ、この間において燃料噴射によって生じる圧
力低下量を検出するようにしているため、燃料噴射によ
るリザーバタンク7内の燃料圧の低下量に対して、リザ
ーバタンク7内の燃料圧の変動が相対的に小さくなり、
燃料噴射によるリザーバタンク7内の燃料圧の低下量を
正確に検出することができる。このため、実際の燃料噴
射量を正確に計算することができ、従って、実際の燃料
噴射量を目標燃料噴射量に精度良く一致せしめることが
できる。
【0055】また、本実施例では各気筒について夫々複
数回の燃料噴射によって生じる圧力低下量を検出してい
るために、燃料圧の低下量を精度良く検出することがで
きる。なお、本実施例では各気筒について夫々複数回の
燃料噴射によって生じる圧力低下量を検出して実際の燃
料噴射量を計算しているが、各気筒について夫々1回の
燃料噴射によって生じる圧力低下量を検出して実際の燃
料噴射量を計算するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】目標燃料噴射量の全範囲において、実際
の燃料噴射量を目標燃料噴射量にほぼ等しくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4気筒ガソリン機関の全体図である。
【図2】燃料噴射弁の縦断面図である。
【図3】図1に示す機関の縦断面図である。
【図4】高圧燃料ポンプの縦断面図である。
【図5】図4のV−V線に沿ってみた高圧燃料ポンプの
断面図である。
【図6】図4の吐出量制御部の拡大側面断面図である。
【図7】ピエゾ圧電素子および溢流制御弁の作動を示す
タイムチャートである。
【図8】デューティー比DTを制御するためのフローチ
ャートである。
【図9】基本噴射量Qa と燃料噴射時間τi との関係を
示す線図である。
【図10】燃料噴射時間τi を計算するためのフローチ
ャートである。
【図11】基本噴射量Qa と平均補正係数KP との関係
を示す線図である。
【図12】基本噴射量Qa と気筒別補正係数KPiとの関
係を示す線図である。
【図13】平均補正係数KP 更新時における燃料噴射タ
イミングおよびリザーバタンク内の燃料圧の変化を示す
線図である。
【図14】第1平均補正係数KPbを更新するためのフロ
ーチャートである。
【図15】第1平均補正係数KPbを更新するためのフロ
ーチャートである。
【図16】ポンプフラグFP 等を制御するためのフロー
チャートである。
【図17】気筒別補正係数KPi更新時における燃料噴射
タイミングおよびリザーバタンク内の燃料圧の変化を示
す線図である。
【図18】第1の気筒別補正係数KPbi を更新するため
のフローチャートである。
【図19】第1の気筒別補正係数KPbi を更新するため
のフローチャートである。
【図20】第1の気筒別補正係数KPbi を更新するため
のフローチャートである。
【図21】燃料噴射を制御するためのフローチャートで
ある。
【符号の説明】
5…燃料噴射弁 7…リザーバタンク 8…高圧燃料ポンプ 27…燃料圧センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射弁のノズル口の開弁期間を制御
    して燃料噴射量を制御する内燃機関の燃料噴射装置にお
    いて、目標燃料噴射量を前記ノズル口の開弁期間に変換
    する係数を、前記燃料噴射弁からの実際の燃料噴射量が
    前記目標燃料噴射量とほぼ等しくなるように前記目標燃
    料噴射量に応じて変更せしめるようにした内燃機関の燃
    料噴射装置。
JP26005591A 1991-10-08 1991-10-08 内燃機関の燃料噴射装置 Pending JPH0599051A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101957516B1 (ko) * 2017-11-23 2019-03-12 현대오트론 주식회사 영역별 인젝터 구동시간 제어방법

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