JPH05987Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案はカセツトデツキ特にＲ−DAT方式の
カセツトデツキに好適なカセツトローデイング機
構に係り、更に詳しくはカセツトをカセツトホル
ダーに挿着させ且つ排出するスライダーの底部を
置台とスライド蓋とにより形成し、該置台上の押
込み方向反対側に傾斜突辺を設けることによりカ
セツトの挿着を円滑にし、且つカセツトの取り出
しを容易に為さしめることを特徴とするカセツト
デツキのセツトローデイング機構に関する。

（従来の技術及びその問題点） デツキ本体内のカセツトホルダーにカセツトを
挿着するローデイング機構としては、直接カセツ
トホルダーにカセツトを押し込み挿着させる方式
のものが多い。

一方カセツトテープを塵埃等の付着から保護
し、高音質を得る為、カセツトに前蓋を設け、通
常は前蓋を閉じておき、カセツトホルダー挿着時
にのみ開く形式のもの所謂Ｒ−DAT方式がある。
これら所謂ノンダストタイプのカセツトでは、カ
セツトホルダーに押込む行程中に前蓋を開口しな
ければならない。この場合は直接押し込むことは
できず、カセツト送り枠をスライダー上に設け、
このカセツト送り枠をスライダーと共に走行移動
させこの走行移動において前蓋を開口し、カセツ
トホルダーに挿着させる必要がある。しかしカセ
ツト自体がスライド蓋及び置台上に載置される
為、押込み時にカセツトの底面がスライド蓋と置
台との境界端部に圧接摺動して損傷を受ける。し
かもカセツトが収納されると、カセツト送り枠内
には取り出すに必要な空間が少ないのでカセツト
を円滑に取り出すことができない場合がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点に鑑み案出されてもので、
スライダーの底部を置台とスライド蓋とにより形
成し、該置台の押込み方向反対側に押込み方向に
対し低位となる傾斜突辺を取付けことを特徴とす
るものである。

すなわち傾斜突辺によりカセツト自体が浮き上
り押込み初期にはスライド蓋と置台とが為す境界
端部にカセツトの底面が接触せずカセツトは損傷
を受けることがない。又カセツトをカセツトホル
ダーから排出する際にカセツト送り枠の走行移動
と共にカセツトの底面がスライダーに設けた傾斜
突辺に当接して浮き上り、容易にカセツトを把持
することができる。

（実施例） 以下図面に基づき本考案のカセツトデツキのカ
セツトローデイング機構について説明する。

第１図はデツキ本体１の斜視図である。このデ
ツキ本体１は内部にカセツトホルダー２とその上
げ下げ機構及びハブ駆動機構、更には録音ヘツド
機構がそれぞれシヤーシ１１を介して取付けられ
ている（何れも図示せず）。

又スライダー３は側辺部３１に設けたモータＭ
からの駆動力をプリーＰを介して各歯車Ａ，Ｂ，
Ｃ…に伝達し、この歯車Ａ，Ｂ，Ｃ…がラツクＲ
に歯合し、スライダー３を走行移動させる。スラ
イダー３上のカセツト送り枠４には、その上面後
部側において下方に向けて突出した状態に押圧部
４１が形成されている。そして斯かるカセツト送
り枠４は上記ラツクＲに歯合した歯車Ｃと同軸
で、且つ小径のピニオン（図示せず）によつてス
ライダー３と同方向に走行移動する構造となつて
いる。すなわち後述する様に、スライダー３がデ
ツキ本体１のフロント面まで走行移動するとカセ
ツト送り枠４もカセツトをカセツトホルダー２内
に挿着させる所定の位置まで走行移動する。

斯かるスライダー３の底部３２は、第２図及び
第３図の平面図で示す様に、置台６とスライド蓋
７によつて形成されている。置台６はスライダー
３に固定され、一方スライド蓋７はカセツトホル
ダー側に位置し置台６上に重なつて底部３２を伸
縮自在の形状と為す。このスライダー３の底部３
２の押込み方向反対側には例えば一対の傾斜突辺
８，８が取付けられている。傾斜突辺８，８は押
込み方向に向つて低位となる斜面８１，８１を有
する（第４図乃至第６図参照）。

次に本考案のカセツトローデイング機構による
カセツトの挿着及び排出工程を説明する。

先ず第４図の側断面概略図で示す様に、スライ
ダー３をデツキ本体１から引き出すとカセツト送
り枠４も同様に引き出される。このカセツト送り
枠４内にカセツト５を収納し、デツキ本体１方向
に押込む。この押込み行程初期にはカセツト５の
底面が傾斜突辺８，８の斜面８１，８１に載り、
所謂浮き上つた状態になる。よつてカセツト５の
底面はスライド蓋と置台の境界端面に接触するこ
となく、接触しても円滑に摺動してカセツトホル
ダー２内まで摺動する（第５図及び第６図参照）。
カセツト５を装着したカセツトホルダー２は、次
いで上げ下げ機構によつてハブ駆動機構まで下げ
られ、所定の録音、再生位置に定位される。特に
図示しないが、この状態からカセツト５内から磁
気テープが引き出され回転磁気ヘツドＨに巻き付
けられ録音、再生が可能となる。

一方カセツト５の排出行程においては、第６図
から第５図に示す如く上げ下げ機構によつてカセ
ツトホルダー２が上昇し、カセツトホルダー２と
ともにカセツト５がカセツト送り枠４内に収納さ
れる。しかる後にスライダー３及びカセツト送り
枠４がデツキ本体１の外方へ向かつて走行する。
カセツト送り枠４の上面後部側には、下方へ向か
つて突出する押圧部４１が一体に形成されてお
り、カセツト送り枠４の前方側への移動に伴つて
この押圧部４１がカセツトホルダー２内のカセツ
ト５の後方端に当接する。そして、さらにカセツ
ト送り枠４が前方側へ移動すると、カセツト５は
押圧部４１に押し出されてカセツトホルダー２か
ら抜け出て、カセツト送り枠４とともにデツキ本
体１の外方へ排出されることになる。このときカ
セツト５の底面は傾斜突辺８，８の斜面８１，８
１に載り前記同様カセツト送り枠４内から浮き上
つた状態となる。

すなわち挿着及び排出の各行程において、カセ
ツト５の底面はスライド蓋７と置台６の境界端面
に圧接摺動せず損傷を受けることがない。又カセ
ツト送り枠４の上部にカセツト５が浮き上るので
把持し易く、取り出すことが極めて容易となる。

（効果） 以上説明した様に本考案のカセツトデツキのカ
セツトローデイング機構は、置台上の押込み方向
反対側に押込み方向に対し低位となる傾斜突辺を
取付けたので、カセツトの挿着及び排出時にスラ
イド蓋及び置台に圧接摺動することなく、よつて
カセツトを損傷させずデツキ本体のカセツトテー
プ保護機能が向上する。又カセツトの排出時にカ
セツトが浮き上るので取り出しが容易となり、使
い勝手の優れたものとなる等、実用的効果は大き
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、デツキ本体を示す斜視図、第２図
は、本考案のカセツトローデイング機構を示す平
面図、第３図は、同押込み状態を示す平面図、第
４図は、押込み初期若しくはカセツト取出し状態
を示す側断面概略図、第５図は、押込み及び排出
の各行程途中を示す側断面概略図、第６図は、カ
セツトをカセツトホルダー内に挿着した状態を示
す側断面概略図である。 １……デツキ本体、２……カセツトホルダー、
３……スライダー、４……カセツト送り枠、５…
…カセツト、６……置台、７……スライド蓋、
８，８……傾斜突辺。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スライダー上のカセツト送り枠をスライダーと
   ともに走行移動させることによつて、カセツト送
   り枠内のカセツトをカセツトホルダーに挿着さ
   せ、且つカセツトホルダー内から排出したカセツ
   トをカセツト送り枠内に収納して取り出すカセツ
   トローデイング機構において、 前記スライダーは、その底部を置台とスライド
   蓋とにより伸縮自在に形成したものであつて、 前記置台は、スライダーの押込み方向反対側に
   固設され、 前記スライド蓋は、該置台上にスライド可能に
   に配置されて前記スライダーが押込まれる際に、
   前記置台上に重なつて該底部を縮小し得るように
   設けられるとともに、 前記置台上の押込み方向反対側には押込み方向
   に対し低位となる斜辺を有する傾斜突辺を設けた
   ことを特徴とするカセツトデツキのカセツトロー
   デイング機構。