JPH0598604A - コンクリート版の打ち継ぎ工法 - Google Patents

コンクリート版の打ち継ぎ工法

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JPH0598604A
JPH0598604A JP16596991A JP16596991A JPH0598604A JP H0598604 A JPH0598604 A JP H0598604A JP 16596991 A JP16596991 A JP 16596991A JP 16596991 A JP16596991 A JP 16596991A JP H0598604 A JPH0598604 A JP H0598604A
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JP
Japan
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concrete
layer
concrete slab
cement
hydration
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Pending
Application number
JP16596991A
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English (en)
Inventor
Takashi Inokawa
尚 井ノ川
Kiyohiko Uchida
清彦 内田
Kazuo Inada
和夫 稲田
Noriyuki Kosakai
規行 小堺
Masao Kusano
昌夫 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 コンクリートを打設して一層目のコンクリー
ト版を形成した後、該一層目のコンクリート版の表面
に、セメント水和遅延性物質の溶液を散布し、次いで、
コンクリートを打設して二層目のコンクリート版を打ち
継ぐ。 【効果】 一層目のコンクリート版の表面部分に、セメ
ント水和遅延性物質が浸透することによってその部分の
硬化が遅れ、二層目のコンクリート版との間の付着強度
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリート版の打
ち継ぎ工法に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、コンクリート版の水平打ち継ぎ
は、特に厚さが要求される道路舗装などで行われてい
る。例えば、RCCP(転圧コンクリート舗装)、特に重
交通が予想されるRCCPでは、版厚が25〜30cmと
なることから、締め固めが不十分となることを避けるた
めに、通常は版厚15cm程度のものを二層打ち継いで用
いるようにしている。また、コンクリート版は、100
m以上施工する場合が大半である。
【0003】ところで従来、コンクリート版を打ち継ぐ
に際しては、無処理のままか、あるいはセメントペース
トを散布したり、一層目のコンクリート版の表面を荒し
たりする方法などが採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、セメントの凝
結硬化は速く、3,4時間〜1日後の後には既に硬化し
てしまっている場合が多い。そのため、二層目のコンク
リート版を打設しても、一層目のコンクリート版との付
着強度はほとんど出ない。このように付着強度が不足す
ると、一層目と二層目のコンクリート版は別々に挙動す
る事となり、耐久性が低下して、コンクリート版端部の
破壊の原因となる。
【0005】そこで、本出願人によって、既に、一層目
のコンクリート版の打設時にこのコンクリート内にセメ
ント水和遅延性物質を添加して、該コンクリートの硬化
を遅らせ、その後、二層目のコンクリート版を施工する
という工法が提案されている。これによって、4時間程
度から3日程度までの打ち継ぎにおいて、二層目のコン
クリート版と一層目のコンクリート版との間に高い付着
強度が得られる。
【0006】しかしながら、この方法は、一層目のコン
クリート版を形成するコンクリート全体に前記セメント
水和遅延性物質を添加するために、コストが高くつくと
いう問題があった。
【0007】また、前記セメント水和遅延性物質の代わ
りに糖類を用い、これを一層目のコンクリート版の表面
に散布する方法も提案されているが、糖類の強力なセメ
ント水和遅延作用のため、逆にコンクリートの硬化が遅
すぎて、現場で使用するにおいては工期の長期化を招く
などの問題があった。
【0008】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であって、現場でのコンクリート版の打ち継ぎにあた
り、一層目と二層目のコンクリート版の間の高い付着強
度を得ることができるようなコンクリート版の打ち継ぎ
工法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題点を解決するために鋭意検討を行った結果、請求項1
に記載したように、コンクリートを打設して一層目のコ
ンクリート版を形成した後、この一層目のコンクリート
版の表面に、セメント水和遅延性物質の溶液を散布し、
その後、二層目のコンクリート版を打ち継ぐことを、解
決手段として見出だした。セメント水和遅延性物質の溶
液を散布する時期は、一層目のコンクリートの打設後、
二層目のコンクリートを打設する前であればよいが、好
ましくは、、一層目のコンクリートの打設後、このコン
クリートの硬化完了前が良く、さらに好ましくは、一層
目のコンクリート打設後1時間以内が良い。
【0010】また、請求項2に記載したように、前記水
和遅延性物質としてヒドロキシカルボン酸エステルを用
い、かつ水和遅延性物質の溶液中には、このヒドロキシ
カルボン酸エステルを、0.01〜10%含有してなる
ことを解決手段として見出だした。
【0011】
【作用】本発明のコンクリート版の打ち継ぎ工法によれ
ば、請求項1に記載のように、一層目のコンクリート版
を施工した後、コンクリートが未硬化のうちに、該一層
目のコンクリート版の表面にセメント水和遅延性物質を
散布するので、この一層目のコンクリート版の少なくと
も表層部には、このセメント水和遅延性物質が浸透し、
これにより表層部のセメントの水和が遅延される。そし
て、二層目のコンクリート版が打ち継がれる時までその
硬化を遅らせることができるので、一層目のコンクリー
ト版と二層目のコンクリート版との間の付着強度を、大
きく向上させることができる。
【0012】また、請求項2に記載のように、セメント
水和遅延性物質としてヒドロキシルカルボン酸エステル
を用いることにより、コンクリート版の表層部の硬化を
安定させることができる。また、このヒドロキシカルボ
ン酸エステルによれば、コンクリート版の表面温度が高
い程、高い遅延作用を示す。
【0013】
【実施例】以下、本発明のコンクリート版の打ち継ぎ工
法について、実施例を示して詳しく説明する。
【0014】まず、現場の所定位置に、型枠を設置し、
該型枠内に所定量のコンクリートを打設して、一層目の
コンクリート版を形成する。
【0015】次いで、この一層目のコンクリート版が未
硬化のうちに、該コンクリート版の表面に、セメント水
和遅延性物質を溶解した溶液を散布する。
【0016】セメント水和遅延性物質には、請求項2に
記載したように、ヒドロキシカルボン酸エステルを用い
る。ヒドロキシルカルボン酸エステルとは、分子内に水
酸基とカルボン酸エステルを持つものであり、例えば、
後述するような加水分解性タンニン化合物やラクトン類
が挙げられる。
【0017】加水分解性タンニン化合物は、主としてフ
ェノール性カルボン酸と糖がエステル結合したもので、
セメントのようなアルカリ性物質の存在下で、徐々に加
水分解して、フェノール性カルボン酸と糖を生成する。
これらの物質は、セメントの水和に与える影響が著しく
異なり、前記加水分解性タンニン化合物が比較的弱いセ
メント水和遅延作用を有する一方、生成物のフェノール
性カルボン酸と糖は、非常に強いセメント水和遅延作用
を有している。このため、この加水分解性タンニン化合
物は、高温における使用において、常温に比べて非常に
大きなセメント水和遅延作用を生じる。つまり、高温で
は加水分解速度が速いために、この加水分解性タンニン
化合物よりさらにセメントの水和を遅延する効果の大き
な低分子量のフェノール性カルボン酸と糖が生成する割
合が大きく、これによってセメントの水和を抑えて、コ
ンクリートの温度上昇の速度を低下させる。
【0018】このような加水分解性タンニン化合物に
は、例えば、gallotanin(I)、corilagin(II)、chebula
gic acid(III)、chebulinic acid(IV)などの物質を主
成分とする物質や、タンニン酸として知られるm−ガロ
イル没食子酸などがある。これらの物質は、加水分解に
より没食子酸やエラーグ酸や糖になる。また、これらの
物質は、酸性およびアルカリ性条件下で加水分解を起こ
しやすいことは良く知られている。
【0019】また、前記ラクトン類も、この加水分解性
タンニン化合物と同様に、加水分解によって、よりセメ
ント水和遅延性の大きなヒドロキシカルボン酸塩を生成
するものであり、同じような効果を有している。
【0020】このラクトン類は、ブチロラクトン、プロ
ピオラクトンなどのように分子内エステルを有するもの
があるが、特に、糖誘導体のグルコノラクトン、グルコ
ヘプトン酸−γ−ラクトン、糖類−1,4−ラクトン、
α,β−グルコオクタン酸−γ−ラクトンやアスコルピ
ン酸、デヒドロアスコルピン酸、イソアスコルピン酸な
どが好適に用いられる。
【0021】このようなセメント水和遅延性物質を、含
有量0.01〜10%となるように調製した溶液を用意
する。そして、この溶液を、前記一層目のコンクリート
版の表面に、50〜3000cc/m2程度散布する。この
時、この溶液の散布量および溶液中のセメント水和遅延
性物質の含有量は、コンクリート打設場所の環境によっ
て適宜変更させることが望ましい。
【0022】セメント水和遅延性物質の含有量は、0.
01〜10%、さらに好ましくは0.1〜10%とする
のが良い。ここで、セメント水和遅延性物質の含有量を
前記範囲に限定したのは、セメント水和遅延性物質の含
有量がこれより少ないと、一層目および二層目のコンク
リート版の付着強度の改善効果が小さく、また含有量が
これより多いと、硬化阻害を生じて逆に付着強度が低下
するためである。
【0023】また溶液の散布量は、50〜3000cc/
m2、さらに好ましくは100cc〜2000cc/m2とする
のが良い。これは、コンクリート打設場所の乾燥の程度
や環境温度によっても異なるが、一般に、散布量が前記
範囲より少ないと、コンクリート版の表面に均一にこの
溶液中のセメント水和遅延性物質がいきわたらず、十分
な効果が期待できないためである。また、溶液の散布量
が前記範囲より多すぎると、二層目のコンクリート版の
打設時に支障をきたすばかりでなく、一層目のコンクリ
ート版の表面部分の水/セメント比が大きくなって、強
度低下を引き起こすためである。
【0024】次いで、前記セメント水和遅延性物質の溶
液を散布した一層目のコンクリート版の表面に、所定量
のコンクリートを打設して、二層目のコンクリート版を
形成する。
【0025】以下、実験例を挙げて、本発明のコンクリ
ート版の打ち継ぎ工法の効果を説明する。
【0026】表1に示した配合量にしたがって、RCC
P(転圧コンクリート舗装)用のコンクリートを配合し
た。
【0027】
【表1】
【0028】現場に10×10×40cmの型枠を設置
し、該型枠内に厚さ5cmとなるように、前記のコンクリ
ートを流し入れて締め固めた(充填率96%)。
【0029】その後、表2に示した数種類の溶液を調製
し、前記一層目のコンクリート版の表面に、粉霧器を用
いて均一に散布した。また、比較として、比較例の溶液
を数種類調製した。ただし、セメント水和遅延性物質と
しては、いずれも市販品のものを使用した。
【0030】次いで、4時間経過した後に、この一層目
のコンクリート版の表面に、前記と同様のコンクリート
(表1の配合量にしたがって調製したコンクリート)を打
ち継いで、二層目のコンクリート版を形成した。
【0031】
【表2】
【0032】二層目のコンクリート版を打ち継いだ後、
一週間養生硬化し、その後脱型した。これによって得ら
れた実施例および比較例のコンクリート版の曲げ強度を
測定し、結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3より明らかなように、本発明の実施例
のコンクリート版では、曲げ強度が著しく向上し、一層
目と二層目のコンクリート版の間の付着性能が改善して
いることがわかった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンクリ
ート版の打ち継ぎ工法によれば、一層目のコンクリート
版の少なくとも表層部に、セメント水和遅延性物質が浸
透し、これにより表層部のセメントの水和が遅延され
る。そして、二層目のコンクリート版が打ち継がれる時
までその硬化を遅らせることができるので、一層目のコ
ンクリート版と二層目のコンクリート版との間の付着強
度を、大きく上昇させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲田 和夫 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社セメント・コンクリート技術開 発センター内 (72)発明者 小堺 規行 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社セメント・コンクリート技術開 発センター内 (72)発明者 草野 昌夫 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社セメント・コンクリート技術開 発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート版を打ち継ぐに際し、コン
    クリートを打設して一層目のコンクリート版を形成した
    後、この一層目のコンクリート版の表面に、セメント水
    和遅延性物質の溶液を散布し、その後、二層目のコンク
    リート版を打ち継ぐことを特徴とするコンクリート版の
    打ち継ぎ工法。
  2. 【請求項2】 前記水和遅延性物質がヒドロキシカルボ
    ン酸エステルであり、かつ水和遅延性物質の溶液中に
    は、このヒドロキシカルボン酸エステルが、0.01〜
    10%含有されてなることを特徴とする請求項1に記載
    のコンクリート版の打ち継ぎ工法。
JP16596991A 1991-07-05 1991-07-05 コンクリート版の打ち継ぎ工法 Pending JPH0598604A (ja)

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JP16596991A JPH0598604A (ja) 1991-07-05 1991-07-05 コンクリート版の打ち継ぎ工法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100432636B1 (ko) * 2001-08-31 2004-05-22 산양공영 주식회사 저소음 콘크리트 포장도로 표면처리공법
JP2012500138A (ja) * 2008-08-21 2012-01-05 ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット エステル−ベースのコンクリート表面凝結遅延剤

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Date Code Title Description
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Effective date: 19990309