JPH0598486A - フツ素系イオン交換膜 - Google Patents
フツ素系イオン交換膜Info
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- JPH0598486A JPH0598486A JP3255195A JP25519591A JPH0598486A JP H0598486 A JPH0598486 A JP H0598486A JP 3255195 A JP3255195 A JP 3255195A JP 25519591 A JP25519591 A JP 25519591A JP H0598486 A JPH0598486 A JP H0598486A
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Abstract
高性能且つ機械的強度に優れたフッ素系イオン交換膜を
提供する。 【構成】特定含水率を有する3層のイオン交換基を有す
る樹脂層と補強材からなり、陰極に面する第1層は厚み
が10〜30μmのカルボン酸基を有する層であり、こ
れに隣接する第2層は第1層より高い含水率を有する厚
みが70〜100μmスルホン酸基を有する層であり、
更に陽極に面する第3層は第2層より高い含水率を有す
るが、その差が5%未満である厚みが15〜50μmの
スルホン酸基を有する層から構成され、この膜中に開孔
率が65%以上で且つ厚みが50〜100μmの含フッ
素重合体からなる補強織布を陽極側表面に露出すること
なく配置したフッ素系イオン交換膜。
Description
に詳しくは、特に塩化アルカリ水溶液の電解に使用され
る電気化学的性質及び機械的強度に優れた含フッ素系イ
オン交換膜に関する。
アルカリの製造は、近年イオン交換膜法が主流となって
いる。ここで用いられるイオン交換膜には、高い電流効
率と低い電解電圧と同時に取扱い時及び電解中に損傷し
ない程度の高い強度も要求されている。かかる要求を満
たす為種々提案がなされおり、電気抵抗は高いが高電流
効率を示すカルボン酸基からなる層及び低い電気抵抗を
有するスルホン酸基からなる層の複層構造を有する含フ
ッ素イオン交換膜が有用であり、現在の主流となってい
る事は周知である。
為に種々の提案がなされているが、カルボン酸基を有す
る層のイオン交換容量を増すと電流効率が低下し、同時
に生成する水酸化アルカリ中の不純物も増加する問題点
がある。又スルホン酸基を有する層のイオン交換容量を
増して電気抵抗を下げようとした場合は、やはり生成す
る水酸化アルカリ中の不純物が増え、更に膜の強度低下
が顕著になる問題点が発生する。更に最近では膜の構成
をより多層化し、それぞれの層の含水率を規定したもの
があり、例えば特開昭63−113029号公報及び特
開昭63−8425号公報には少なくとも三層のイオン
交換基を有する層構成から成り、陽極側に面する第三層
の含水率がその陰極側に接する第二層よりも5%以上高
いものを使用して電圧低減と膜強度の改善を計った提案
がなされているが、この場合陽極側に面する層の含水率
が高すぎるとやはり強度低下、特に補強材が陽極側の層
の近くに配置されている場合折り曲げ耐性に乏しくなる
という問題がある。以上述べた様に低い電力原単位で且
つ十分な強度を有する膜の開発はまだ不十分であり、よ
り高性能の膜の開発が望まれている。
決するためになされたものであり、すなわち高い電流効
率と低い電解電圧を有し、且つ高い製品純度を有しつ
つ、充分に高い膜強度を有した塩化アルカリの電解用の
イオン交換膜を提供するものである。
る塩素と水酸化アルカリの製造に用いるイオン交換膜は
前述のようにカルボン酸基とスルホン酸基を各々有する
複層構造を取る事が有用であることは良く知られてい
る。ここで陰極側に面するカルボン酸基を有する第1層
は弱酸性であり、比較的低い含水率を有し、高い電流効
率の発現及び陰極側への不純物(例えば塩化アルカリ)
の透過を阻止するのに寄与しており、一方それに隣接す
るスルホン酸基を有する第2層は補強材を抱含し膜全体
の強度を支配する。更に驚くべき事に陽極側の表面層と
しての第3層は電気化学的には、陽極側から陰極側への
イオンの移動に付随して移動する水の量(透水量)を支
配する機能を有し、電解時の膜内の含水率を支配し、特
に電解電圧に対して非常に大きな影響を及ぼしている事
が判った。又同時にこの第3層は膜強度、特に折り曲げ
耐性に大きな影響を及ぼしている事も判った。以上の知
見に基づき膜の電気化学的特性及び強度特性を共に満足
させる為には該第3層の設計が非常に大きな意味を持つ
事が判り本発明に至った。
ン交換基を有する含フッ素重合体から成り、陰極に面す
る第1層が、カルボン酸基を有し、それに隣接する第2
層が、第1層よりも高い含水率を有するスルホン酸基を
有し、更にその陽極側に隣接する第3層が第2層よりも
含水率が2%以上且つ5%未満高いスルホン酸基を有す
る特定の3層構造から成り、各々の厚みが10〜30μ
m、70〜100μm、15〜50μmであり、更に該
第2層と第3層中に存在し、陽極側面に露する事が無い
ように存在するように埋め込まれた、開口率65%以上
で且つ厚みが50μm〜100μmの含フッ素系重合体
より成る補強材で補強されている事を特徴とする、強度
に優れ且つ電解性能も良好な塩化アルカリ電解用イオン
交換膜を提供するものである。
は、その含水率を適度に選択する必要がある。即ち含水
率が低すぎると膜の電気抵抗が高くなり、逆に含水率を
高くすると膜の電気抵抗は減少するものの膜強度の低下
及び不純物の透過量が多くなる傾向がある。各層の含水
率は一般的にはイオン交換容量により決まるが、厳密に
言うと、その層を構成するイオン交換樹脂のイオン交換
基を有するモノマーの全体に対するモル分率、及びこの
樹脂のイオン交換基の前駆体をイオン交換基に変換する
際の加水分解条件によって決まる。更に詳しく述べると
同じイオン交換容量でもポリマー構造が異なると含水率
が異なり、電気化学的特性も異なる。更に同じポリマー
でも加水分解の条件(液組成、温度、時間)により含水
率が大きく変わる。そして架橋構造を取らないフッ素系
のイオン交換樹脂の強度は含水率に大きく左右される。
従って電気抵抗が低くて且つ強度的にも十分な膜を設計
するに当たっては、ポリマー構造、イオン交換容量、加
水分解条件を同時に考慮する必要がある。
カルボン酸基を有する層は下記一般式(1)及び一般式
(2)のそれぞれから選ばれた少なくとも2種類の単量
体の共重合体から成る。 CF2=CX1X2 ・・・・・・・・・・(1) (ここでX1,X2=−F,−Cl,−H,又は−CF3) CF2=CF(OCF2CFX3))nO(CF2)mY ・・・・・・・・・・(2) (ここでX3=−F,又は−CF3、m=1〜3の整数、
n=0又は1、Yはアルカリ性媒体中にて加水分解され
カルボン酸基となる前駆体であり、カルボン酸エステル
基−COOR(R:炭素数1〜4の低級アルキル基)、
シアノ基−CN、酸ハライド−COZ(Z:ハロゲン原
子)の中から選ばれる。) 通常好適には一般式(1)で表される単量体としては下
記のものが例示され、 CF2=CF2 一般式(2)で表される単量体としてはカルボン酸エス
テル基が採用され、代表例としてのものが例示される。
にはその共重合比は、電解時に製品として生成する濃度
の水酸化アルカリ中で電解温度下で測定した含水率が3
〜6%になるように選択されるべきである。なおここで
いう含水率は単層のフィルムを所定の条件で加水分解及
び平衡処理した後、目的とした濃度及び温度の水酸化ア
ルカリ中に浸漬した後、冷却し付着アルカリを除去した
後の膜重量をW1 、この膜を水分がなくなる迄乾燥した
後の重量をW2 、さらに水洗してドナンアルカリを除き
引き続き水分がなくなる迄乾燥した時の重量をW3 とし
た時の下記数式(1)により表される。
したように、一般式(2)の構造及び加水分解条件、更
にアルカリ濃度により異なるが、例えば、CF2=CF2
と前述例示の共重合体においては0.59〜1.11 m
eq/g 好ましくは0.63〜1.0 meq/g の範囲とな
る。
10〜30μmである。層の厚みがこの範囲より薄い場
合は若干の電流効率の低下及び大幅な製品中の不純物
(塩分)の増加を引き起こし好ましくない。又この範囲
よりも厚い場合は電解時の電圧の上昇を招き好ましくな
い。第2層のスルホン酸基を有する層は前記一般式
(1)と下記一般式(3)のそれぞれから選ばれた2種
の単量体の共重合体から成る。
n=0、1又は2、Wはアルカリ性媒体中にて加水分解
されスルホン酸基となる前駆体であり、ハロゲン化スル
フォニル基−SO2X4(X4は−F,−Cl,−Brか
ら選ばれる。)、或いはアルキルスルフォン基−SO2
R(Rは炭素数1〜4の低級アルキル基)から選ばれ
る。) 通常好適には一般式(3)の単量体はスルフォニルフル
オライド基を持ったもが採用され、代表例として下記単
量体が例示される。
度及び温度中での含水率が18〜22%となるように選
択されるべきである。(含水率は前記数式(1)により
定義される)含水率が上記範囲に入るイオン交換容量と
しては、前述したようにCF2=CF2と一般式(3)に
おける上記例示の単量体との共重合体の構造及びその加
水分解条件により異なるが、例えば、0.83〜1.0
5 meq/g、好ましくは0.87〜1.0 meq/gの範囲と
なる。該第2層は前述したように膜全体の強度を支配す
る層であり、上記含水率がこの範囲より高い場合は膜強
度(特に引っ張り強度)の低下が顕著となり、又電解中
に第1層のカルボン酸層との含水率差が大きく成り過
ぎ、層間の剥離が生ずる事もあり好ましくない。又逆に
含水率が上記範囲より低い場合は強度が高くなるもの
の、電圧の上昇を招き好ましくない。更にこの第2層の
厚みは70〜100μmの範囲で選択され、通常は膜全
体の厚みの50%以上である事が好ましい。厚みが上記
範囲より薄い場合は後述する補強材を完全に抱埋する事
が難しく強度低下を招き、厚すぎると電圧上昇となり好
ましくない。
と同じ構造のポリマーから選択されるのが好ましく、そ
の含水率は第2層と同一条件で測定し、第2層よりも2
%以上高く且つ5%以上は高くない範囲に設定される必
要がある。前述したようにこの第3層の含水率が膜の電
解電圧に及ぼす影響は非常に高く、比較的薄い層にもか
かわらず第2層よりも含水率を小量高くするだけで非常
に大きな電圧低減に寄与する。但し含水率の差が2%未
満の場合は改良効果が明確でなく、又含水率が5%以上
高い場合は電解電圧は大幅に低下するものの、膜強度、
特に該第3層側を外側にして曲げた場合の折り曲げ強度
が著しく低下し膜の取扱い時に支障をきたす事となる。
又この第3層は電気化学的には陽極側からの陽イオン、
及びそれに付随して透過する水、更に膜中を拡散して陰
極側に移動する非イオン性の物質(例えば塩分))の入
り口側の条件を支配する層であり、含水率が高すぎると
電解電圧は低くなるものの、電解時の透水量が高くなり
過ぎ、電解時に第1層と第2層の間で剥離が生ずる事が
あり、更に塩水中の不純物が膜中に入り易くなり、電流
効率の低下を招くことも有り好ましくない。更にこの層
の厚みは15〜50μmが好ましく、15μm以下の場
合は電解時の電圧及び透水量に及ぼす効果が極めて小さ
く、50μm以上の場合は膜強度が極端に低下し好まし
くない。
与するために膜中に補強材が存在する事が必須である。
かかる補強材は長期にわたる耐熱性、耐薬品性上から含
フッ素重合体より成る繊維による織布の形態である事が
好ましく、特にポリテトラフルオロエチレンから成る平
織り織布が好適である。特に好ましい形態としては例え
ば特公昭56−17216号公報に開示されているポリ
テトラフルオロエチレンから成る高強度多孔質シートを
テープ状にスリットしたテープヤーン、もしくは特開平
2−127509号公報に開示されているポリテトラフ
ルオロエチレンから成る高度に配向した非多孔質モノフ
ィラメントの50〜300デニールを使用し、織り密度
が50〜10本/インチの平織り構成から成り、更にそ
の厚みは50〜100μmの範囲でその開口率は65%
以上である事が好ましい。更に該織布には膜の製造行程
中補強繊維の目ズレを防止する目的でUSP40213
27号公報及びUSP4437951号公報に開示され
ているような、通常犠牲繊維と呼ばれる、膜の製造行程
もしくは電解環境下で溶出する補助繊維を含んでもよ
い。この補助繊維は膜の製造行程中、フィルムと一体化
する前に溶解しても良く、あるいは溶解せずに一体化し
てもよい。
の開口率により電解電圧が大きく左右され、可能な限り
開口率が大きい事が好ましい。補強材の開口率は使用す
る補強用繊維の太さ(厳密には繊維の幅)及び織り密度
により決定され、補強効果を高めようとした場合は開口
率が小さくなり、逆に開口率を大きくしようとした場合
は補強効果が不十分になる。本発明に於いて用いられる
補強材の開口率が65%以下の場合は膜の電解電圧の上
昇はもちろんの事であるが、同時に補強繊維により区切
られたウインドウ部の実質電流密度が高くなり、陽極液
の不純物レベルによっては電流効率の低下を招く場合が
あり好ましくない。開口率の上限は補強効果、補強材の
製織性等から85%程度である。
陽極側表面にガス付着防止のための無機物のコーティン
グ層を有しても良い。該コーティング層は公知の方法に
て実施する事が可能であり、例えば特開平3−1371
36号公報に開示されている特定の無機酸化物の微細粒
子をバインダーポリマー溶液に分散した液をスプレーに
より塗布する方法が好適である。
レス成型、ロール成型、押し出し成型法等により可能で
あるが、特に好ましい方法としては、第1層と第2層を
共押出法によりフィルム化し、第3層は単層押出法にて
フィルム化し、例えば特開昭56−99234号公報に
より開示されている加熱源及び真空源を有しその表面に
多数の細孔を有する平板またはドラム上に透気性を有す
る耐熱性の離型紙を会して第3層フィルム、補強材、第
2/第1層複合フィルムの順に積層し、各ポリマーが溶
融する温度下で減圧により、各層間の空気を除去しなが
ら一体化する方法である。ここで第1層と第2層を共押
出する事は界面の接着強度を高める事に寄与している。
又減圧下で一体化する方法は加圧プレス法に比べて補強
材上のスルホン酸層の厚みが大きくなる特徴を有する。
ここで使用される補強材は製織後必要に応じて所定の厚
みになるように熱と圧力によりカレンダー処理する事が
好ましい。
換膜とする方法は公知の条件にて可能であるが、この条
件により膜の含水率が最終的に決定される為重要であ
る。好ましい条件としては特開平3−6240号公報に
開示されているように水溶性有機化合物とMOH(M=
アルカリ金属)を含む水溶液により、第2層の樹脂層の
体積変化率が30〜100%、好ましくは50〜80%
になるような条件が選択される。
確ではないが、膜の電気化学的特性及び強度特性に対し
て陽極側に面する第3層が大きな影響を及ぼしており、
その含水率を上げることによりアルカリ金属イオンに付
随して移動する水分子の量が増加し、結果として膜全体
の含水率を高め膜の電気抵抗をさげているものと思われ
るが、逆に含水率が高すぎると透水量が高くなりすぎ塩
水の濃縮倍率が大きくなり結果として塩水に含まれる不
純物に透過及び膜内への蓄積を促進し、電流効率の低下
をもたらしているものと思われる。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお
実施例中で用いている引っ張り強度及び伸度はオリエン
テック社製テンシロンを用い、加水分解処理した後0.
1N苛性ソーダ中で90℃の温度で平衡処理し、更に純
水中に1夜以上浸漬した後、膜の補強材に対して45゜
方向に10mm幅の短冊状にサンプリングし、水を含んだ
状態で25℃の室温下で乾燥しない状態で測定した。M
IT式屈曲耐性は東洋精機社製MIT屈曲試験機を用
い、引っ張り試験と同一のサンプルを用い水を含んだ状
態で25℃の室温下で測定した。折り曲げ耐性荷重は上
記処理した膜の補強材に平行に10mm幅に短冊状のサン
プルを取り、水を含んだ状態で陽極側の面を外側に18
0゜曲げそのループの先端5mmに種々の荷重を加え膜表
面のクラック発生の有無を観察し、クラック発生率が5
0%になる荷重で表した。
(CF3)O(CF2)2COOCH3の共重合体で等量重
量1100のポリマー(A)、及びCF2=CF2とCF
2=CF0CF2CF(CF3)0(CF2)3SO2Fの共
重合体で等量重量1080のポリマー(B)、及びポリ
マー(B)と同じ構造で等量重量1015のポリマー
(C)を準備し、2台の押し出し機、2層用の共押し出
し用Tダイ、及び引き取り機を備えた装置により、ポリ
マー(A)及びポリマー(B)を使用し、厚み115μ
mの2層フィルム(a)を得た。該フィルムの断面を観
察した結果、ポリマー(A)の層の厚みが25μm、ポ
リマー(B)の層の厚みが90μmだった。更に単層T
ダイにより40μmのポリマー(C)よりなるフィルム
(b)を得た。又これとは別に各ポリマーを使用し各々
100μmの単層フィルムを得た。
製の200デニールのテープヤーンの750回/mの撚
りをかけた糸及びポリエステル(PET)製の30デニ
ールの糸を使用しPTFEが18メッシュ、PETが3
6メッシュの平織の混織布を製織し、2本の加熱された
金属ロール間を通して75μmの厚みに平滑化した。こ
の平滑化した織布を30%苛性カリ水溶液中に浸積し、
PETのみを溶解し18メッシュのPTFE織布を得
た。該織布の開口率は68%だった。
多数の微細孔を有するプレート上に透気性のある耐熱離
型紙、フィルム(b)、織布、ポリマー(B)が織布側
に面するようにフィルム(a)を順番に積層し、230
℃の温度及び−650mmHgの減圧下で中間の空気を排除
しながら一体化し複合膜を得た。水とエタノールの50
/50重量部の混合溶液に等量重量が1080のCF2
=CF2とCF2=CFOCF2CF(CF3)O(C
F2)3SO2Fの共重合体を加水分解してなるスルホン
酸基を有するフッ素系重合体を10wt%溶解させた。
その溶液に一次粒子径0.02μmの酸化ジルコニウム
40wt%加えボールミルにて均一に分散させた懸濁液
を得た。この懸濁液を前記複合膜の両面にスプレー法に
より塗布し乾燥させる事により、無機物層を形成させ
た。
O)30wt%、苛性カリ15wt%を含む水溶液中で
90℃の温度で30分加水分解し、水洗後0.1N苛性
ソーダ水溶液中で90℃の温度で平衡処理を行った。こ
の際無機物層の脱落、剥離は見られなかった。なおこの
膜の断面を観察した結果、補強材とカルボン酸層の間の
スルホン酸層の厚みは最も薄い部分で55μmであり、
補強材と陽極側表面との間に最も薄い部分で8μmのス
ルホン酸層が存在していた。
ルムを同じ条件で加水分解、平衡を実施した。この際の
ポリマー(B)から成るフィルムの寸法の体積変化率は
75%だった。ポリマー(A)から成るフィルムの33
%苛性ソーダ中、90℃での含水率は4.5%であり、
ポリマー(B)及びポリマー(C)から成るフィルムの
3.5N食塩水中、90℃での含水率は各々20.6%
及び24.1%でありその含水率の差は3.5%だっ
た。
ン酸層側に低水素過電圧陰極を、スルホン酸層側には低
塩素過電圧陽極を配置させ、陽極側に塩化ナトリウム水
溶液を200g/lに調整しつつ供給し、陰極側のアル
カリ濃度を33wt%に保ちつつ40A/dm2 、温度
90℃の条件で電解を行った。この結果電流効率は9
6.8%であり、極間電圧は3.13vで、50%苛性
ソーダ中の塩化ナトリウムの濃度は25ppmであり、
30日間安定に推移した。電解使用後膜を観察したが異
常は認められなかった。
cm幅であり、MIT屈曲耐性は15回、折り曲げ耐性
荷重は1.25Kgであった。
(CF3)0(CF2)3SO2Fの共重合体で等量重量9
30のポリマー(D)からなる厚さ40μmのフィルム
(c)を用意した。該フィルム(c)を「実施例1」の
フィルム(b)の代わりに用いた以外は「実施例1」と
同様にしてイオン交換膜を得た。なおポリマー(D)の
3.5N食塩水中、90℃での含水率は26.3%であ
り、第2層との含水率の差は5.7%だった。このイオ
ン交換膜の「実施例1」と同一条件での電解性能は9
5.5%の電流効率、3.09vの電圧、35ppmの
苛性ソーダ中の食塩だった。この電解を30日間継続し
た結果電流効率は94.5%迄低下した。
Kg/cm幅であり、MIT屈曲耐性は7回、折り曲げ
耐性荷重は625gであり実用上問題のある数値であっ
た。
らなる40μmのフィルム(d)を準備した。このフィ
ルムを用いた以外は「実施例1」と同様にしてイオン交
換膜を得た。この膜を「実施例1」と同様の条件で電解
した結果、3週間後の電流効率が97.1%、電解電圧
が3.20vを示した。
従い100デニールのPTFE製非多孔質モノフィラメ
ントを用意し、経緯各々40メッシュの構成の平織織布
を得た。この織布を230℃に加熱したカレンダーロー
ルにより65μmに平滑化した。この補強材の開口率は
75%だった。
及びポリマー(B)と同じ構造で等量重量が1110の
ポリマー(E)を使用し、ポリマー(A)が25μm、
ポリマー(E)が75μmの共押し出しフィルム
(f)、及び「実施例1」で使用したポリマー(C)か
らなる厚み25μmのフィルム(g)を用意し、「実施
例1」と同様に製膜、加水分解しイオン交換膜を得た。
なおこの際のポリマー(E)層の3.5N食塩中90℃
における含水率は19.3%であり、ポリマー(C)層
との含水率差は4.8%だった。この膜の補強材と陽極
面の間にはポリマー(C)の層が3μm存在する事が確
認された。
解評価した結果、96.3%の電流率、3.05vの極
間電圧、及び15ppmの生成苛性ソーダ中の食塩濃度
だった。この膜は30日通電後も性能は変化せず、電解
後の膜にも以上は認められなかった。なおこの膜の引っ
張り強度は2.2 Kg/cm幅であり、MIT屈曲耐性は2
5回だった。
Claims (3)
- 【請求項1】 イオン交換基を有する含フッ素重合体か
ら成り、陰極に面する第1層が、カルボン酸基を有し、
それに隣接する第2層が第1層よりも高い含水率を有す
るスルホン酸基を有し、更にその陽極に面する第3層が
第2層よりも含水率が2%以上且つ5%未満高いスルホ
ン酸基を有する3層構造から成り、各層の厚みが第1層
から順にそれぞれ10〜30μm、70〜100μm、
15〜50μmであり、更に該第2層と第3層中に存在
し陽極側面に露出する事が無いようにに埋めまれた、開
口率65%以上であり且つ厚みが50μm〜100μm
の含フッ素重合体よりなる補強材で補強されている事を
特徴とする塩化アルカリ電解用イオン交換膜。 - 【請求項2】 第2層が電解時の塩化アルカリ濃度及び
温度下での含水率が18〜22%である事を特徴とする
請求項1に記載の塩化アルカリ電解用イオン交換膜。 - 【請求項3】 陰極面側及び陽極面側表面にガス解放の
為の無機質コーテングを有する事を特徴とする請求項1
または請求項2に記載の塩化アルカリ電解用イオン交換
膜。
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JP25519591A JP3214571B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | フッ素系イオン交換膜 |
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JP25519591A JP3214571B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | フッ素系イオン交換膜 |
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JPH0598486A true JPH0598486A (ja) | 1993-04-20 |
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JP25519591A Expired - Lifetime JP3214571B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | フッ素系イオン交換膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3214571B2 (ja) |
Cited By (9)
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