JP6492518B2 - 陽イオン交換膜および水酸化ナトリウム水溶液の製造方法 - Google Patents

陽イオン交換膜および水酸化ナトリウム水溶液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、陽イオン交換膜、および該陽イオン交換膜を用いたイオン交換膜法によって、塩化ナトリウム水溶液を電解して水酸化ナトリウム水溶液を製造する方法に関する。
水酸化ナトリウム水溶液の製造方法としては、隔膜として陽イオン交換膜を用いたイオン交換膜法によって、塩化ナトリウム水溶液を電解して水酸化ナトリウム水溶液を製造する方法が知られている(たとえば、特許文献1)。
イオン交換膜法においては、陰極および陽極を備えた電解槽に、隔膜であるナトリウム塩型の陽イオン交換膜を、電解槽内を陰極側の陰極室と陽極側の陽極室とに区切るように装着し、陽極室に塩化ナトリウム水溶液を供給し、陰極室に水酸化ナトリウム水溶液を供給し、陰極室から排出される水酸化ナトリウム水溶液の濃度を所定の濃度(たとえば32質量%)に保ちながら、塩化ナトリウム水溶液を電解する。
しかし、ナトリウム塩型の陽イオン交換膜を用いたイオン交換膜法においては、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に膜が膨潤、伸長しやすい。電解槽内においては、ナトリウム塩型の陽イオン交換膜は、周縁がフレームに固定されているため、膜が膨潤、伸長すると、膜に皺が発生する。ナトリウム塩型の陽イオン交換膜に皺が発生すると、膜と電極が接触して膜が破損する、皺に気泡が溜って電解電圧が上昇する、等の問題が生じる。
特開2013−163857号公報
本発明は、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に膨潤、伸長しにくい陽イオン交換膜、および安定して水酸化ナトリウム水溶液を製造できる方法を提供する。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]陽イオン交換基を有するポリマーを含む陽イオン交換膜であって、前記陽イオン交換基を有するポリマーが、アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーおよびアルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーのいずれか一方または両方であり、前記アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーは、下式(1)で表されるモノマーに基づく構成単位と、下式(2)で表されるモノマーに基づく構成単位とを有するコポリマーを加水分解処理して得られ、かつイオン交換容量が0.7〜1.1ミリ当量/g乾燥樹脂であり、前記アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーは、下式(1)で表されるモノマーに基づく構成単位と、下式(3)で表されるモノマーに基づく構成単位とを有するコポリマーを加水分解処理して得られ、かつイオン交換容量が0.9〜1.15ミリ当量/g乾燥樹脂であり、電解する塩化ナトリウム水溶液に接触させる前の前記陽イオン交換膜を90℃のイオン交換水で16時間洗浄した後、前記陽イオン交換膜を1規定の塩化水素水溶液に90℃で16時間浸漬して得た抽出液中の陽イオンの濃度を原子吸光光度計で測定し、前記陽イオン交換膜に含まれる陽イオンの量を求めたとき、前記陽イオン交換膜に含まれる陽イオン(100モル%)のうち、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計が、99モル%以上であり、前記陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計(100モル%)のうち、ナトリウムイオンが80〜98モル%であり、カリウムイオンが20〜2モル%である、陽イオン交換膜。
CF =CX ・・・(1)
CF =CF(OCF CFX O(CF Y ・・・(2)
CF =CF(OCF CFX O(CF W ・・・(3)
ただし、X およびX は、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、またはトリフルオロメチル基であり、X は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは、1〜5の整数であり、nは、0または1であり、Yは、加水分解によりカルボン酸基に変換し得る前駆体基であり、X は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、sは、1〜3の整数であり、tは、0〜2の整数であり、Wは、加水分解によりスルホン酸基に変換し得る前駆体基である。
]前記アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含む層と、前記アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含む層とを有する、[]の陽イオン交換膜。
[3]前記アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含むガス解放層と、前記アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含む層と、前記アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含む層とがこの順に積層されている、[2]に記載の陽イオン交換膜。
]陽イオン交換膜を用いたイオン交換膜法によって、塩化ナトリウム水溶液を電解して水酸化ナトリウム水溶液を製造する方法であって、前記塩化ナトリウム水溶液に接触させる前の前記陽イオン交換膜が、[1]〜[]のいずれかの陽イオン交換膜である、水酸化ナトリウム水溶液の製造方法。
本発明の陽イオン交換膜は、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に膨潤、伸長しにくい。
本発明の水酸化ナトリウム水溶液の製造方法によれば、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に陽イオン交換膜が膨潤、伸長しにくく、安定して水酸化ナトリウム水溶液を製造できる。
本発明のイオン交換膜の一例を示す断面図である。 本発明のイオン交換膜を製造する途中に得られる複合膜の一例を示す断面図である。
本明細書においては、式(1)で表されるモノマーをモノマー(1)と記す。他の式で表されるモノマーも同様に記す。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「陽イオン交換基」とは、該基に含まれる陽イオンの少なくとも一部が他の陽イオンにイオン交換し得る基である。
「アルカリ金属塩型のカルボン酸基」とは、−COOM(ただし、Mはアルカリ金属である。)で表される基である。
「アルカリ金属塩型のスルホン酸基」とは、−SOM(ただし、Mはアルカリ金属である。)で表される基である。
「フッ素系ポリマー」とは、分子中にフッ素原子を有する高分子化合物を意味する。
「ペルフルオロカーボンポリマー」とは、ポリマー中の炭素原子に結合している水素原子の全部がフッ素原子に置換されたポリマーを意味する。ペルフルオロカーボンポリマー中のフッ素原子の一部は、塩素原子または臭素原子に置換されていてもよい。
「モノマー」とは、重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。
「構成単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。構成単位は、モノマーの重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「前駆体基」とは、加水分解処理、酸型化処理等の公知の処理によって陽イオン交換基に変換できる基を意味する。
「一次粒子」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される最小の粒子を意味する。また、「二次粒子」とは、一次粒子が凝集している粒子を意味する。
<陽イオン交換膜>
本発明の陽イオン交換膜は、陽イオン交換基を有するポリマーを含む膜である。
陽イオン交換基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンメチド基等が挙げられ、イオン選択性、工業的生産性の点から、カルボン酸基またはスルホン酸基が好ましい。陽イオン交換基としては、酸型および塩型が挙げられるが、イオン交換膜法によって水酸化ナトリウム水溶液を製造する場合、陽イオン交換基は、アルカリ金属塩型である。
陽イオン交換基を有するポリマーとしては、陽イオン交換基を有するフッ素系ポリマー、陽イオン交換基を有する炭化水素系重合体等が挙げられ、膜の化学的耐久性の点から、陽イオン交換基を有するフッ素系ポリマーが好ましい。
陽イオン交換基を有するフッ素系ポリマーとしては、膜の化学的耐久性の点から、陽イオン交換基を有するペルフルオロカーボンポリマー(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)が好ましく、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、陽イオン交換基を有するペルフルオロビニルエーテルに基づく単位とを含むコポリマーが特に好ましい。
陽イオン交換膜に含まれる陽イオン(100モル%)のうち、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計は、99モル%以上であり、99.5モル%以上がより好ましい。ナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計が99モル%以上であれば、イオン交換膜法による水酸化ナトリウム水溶液の製造方法に用いる陽イオン交換膜として好適である。
陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計(100モル%)のうち、ナトリウムイオンは、80〜98モル%であり、90〜98モル%がより好ましく、95〜98モル%がさらに好ましい。また、カリウムイオンは、20〜2モル%であり、10〜2モル%がより好ましく、5〜2モル%がさらに好ましい。ナトリウムイオンが80モル%以上(カリウムイオンが20モル%以下)であれば、膜の収縮が抑えられる。その結果、電解槽に膜を装着し、液張り(陽極室:塩化ナトリウム水溶液、陰極室:水酸化ナトリウム水溶液)する際、周縁がフレームに固定された状態で膜が収縮することによって発生する、クラック、ピンホール等が抑えられる。ナトリウムイオンが98モル%以下(カリウムイオンが2モル%以上)であれば、膜の膨潤、伸長が抑えられる。その結果、電解槽内において周縁がフレームに固定された膜が膨潤、伸長することによって発生する、皺等が抑えられる。
陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量は、3cm×3cmの膜を90℃のイオン交換水で16時間洗浄し、膜を1規定の塩化水素水溶液の50mLに90℃で16時間浸漬して抽出液を得た後、原子吸光にて抽出液中の各陽イオンの濃度(モル/L)を測定することによって求める。
陽イオン交換膜には、補強材が埋め込まれていてもよい。
補強材としては、織布、不織布、フィブリル、多孔体等が挙げられ、強度の点から、織布が好ましい。補強材の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEとも記す。)等のフッ素系ポリマーが挙げられる。
陽イオン交換膜は、単層であってもよく、多層であってもよい。
陽イオン交換膜は、最外層のいずれか一方または両方にガス解放層を有していてもよい。
(第1実施形態)
図1は、本発明の陽イオン交換膜の第1実施形態を示す断面図である。
陽イオン交換膜1は、ガス解放層(α2)10と、アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマー(A)(以下、ポリマー(A)とも記す。)を含む層(α1)12と、アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマー(B)(以下、ポリマー(B)とも記す。)を含む層(β1)14と、ガス解放層(β2)16とが順に積層されたものである。
陽イオン交換膜1は、電解槽内において、ガス解放層(α2)10が陰極に面し、ガス解放層(β2)16が陽極に面するように配置される。
陽イオン交換膜1の形および大きさは、陽イオン交換膜1を装着する電解槽に応じて適宜決定すればよい。
(層(α1))
層(α1)12は、ポリマー(A)を含む層である。層(α1)12は、補強材が埋め込まれた層であってもよい。層(α1)12としては、電解性能の点から、ポリマー(A)以外の材料(補強材等)を含まないポリマー(A)のみからなる層が好ましい。層(α1)12は、単層であってもよく、多層であってもよい。
ポリマー(A)としては、下記のモノマー(1)に基づく構成単位と、下記のモノマー(2)に基づく構成単位とを有するコポリマーを加水分解処理して、Yを−COOM(ただし、Mはアルカリ金属である。)に変換したポリマーが好ましい。
CF=CX ・・・(1)
CF=CF(OCFCFXO(CFY ・・・(2)
およびXは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、またはトリフルオロメチル基であり、膜の耐久性の点から、フッ素原子が好ましい。
モノマー(1)としては、CF=CF、CF=CFCl、CF=CFCF等が挙げられ、膜の化学的耐久性の点から、CF=CFが好ましい。
は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
mは、1〜5の整数である。
nは0または1である。
Yは、加水分解によりカルボン酸基に変換し得る前駆体基である。Yとしては、−COOR(ただし、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)、−CN、−COZ(ただし、Zはハロゲン原子である。)が好ましく、−COORがより好ましく、−COOCHが特に好ましい。
モノマー(2)としては、イオン選択性、工業的生産性の点から、下記の化合物が好ましい。
CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOCH
CF=CFOCFCFCOOCH
CF=CFOCFCFCFCOOCH
CF=CFOCFCFCFOCFCFCOOCH
CF=CFOCFCFCFCFCFCOOCH
CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCFCOOCH
層(α1)12のイオン交換容量は、0.7〜1.1ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましい。イオン交換容量が0.7ミリ当量/g乾燥樹脂以上であれば、膜の電気抵抗が低くなり、電解電圧を低くできる。イオン交換容量が1.1ミリ当量/g乾燥樹脂以下であれば、分子量の高いポリマーの合成が容易であり、また、ポリマーの膨潤が抑えられる。
層(α1)12の厚さは、5〜50μmが好ましく、10〜35μmがより好ましい。層(α1)12の厚さが5μm以上であれば、陽極側から透過する陰極側の塩化ナトリウムの濃度が抑えられ、製品である水酸化ナトリウム水溶液の品質を損なうことがない。層(α1)12の厚さが50μm以下であれば、膜の電気抵抗が低くなり、電解電圧を低くできる。
(ガス解放層(α2))
ガス解放層(α2)10は、無機物粒子(以下、無機物粒子(P)とも記す。)と、バインダーとを含む層である。ガス解放層(α2)10を設けることによって、陽イオン交換膜1の陰極側の表面にガスが付着することが抑制され、その結果、塩化ナトリウム水溶液の電解の際に電解電圧が高くなることが抑えられる。また、ガス解放層(α2)10は、無機物粒子(P)の脱落耐性に優れており、他の部材等との摩擦が生じた場合等でも無機物粒子(P)が脱落しにくく、ガス付着抑制効果が安定して得られる。
無機物粒子(P)としては、塩化ナトリウム水溶液等に対する耐食性に優れ、親水性を有するものが好ましい。具体的には、第4族元素または第14族元素の、酸化物、窒化物および炭化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、SiO、SiC、ZrO、ZrCがより好ましく、ZrOが特に好ましい。
無機物粒子(P)の平均一次粒子径は、0.01〜1μmが好ましく、0.02〜0.4μmがより好ましい。無機物粒子(P)の平均一次粒子径が0.01μm以上であれば、凝集による不均一が少ない。無機物粒子(P)の平均一次粒子径が1μm以下であれば、分散不良による不均一が少ない。
無機物粒子(P)の平均二次粒子径は、0.5〜1.5μmが好ましく、0.7〜1.3μmがより好ましい。無機物粒子(P)の平均二次粒子径が0.5μm以上であれば、高いガス付着抑制効果が得られる。無機物粒子(P)の平均二次粒子径が1.5μm以下であれば、無機物粒子(P)の脱落耐性に優れる。
バインダーとしては、塩化ナトリウム水溶液等に対する耐食性に優れ、親水性を有するものが好ましく、カルボン酸基またはスルホン酸基を有するフッ素系ポリマー(C)が好ましく、スルホン酸基を有するフッ素系ポリマー(C)がより好ましい。フッ素系ポリマー(C)は、カルボン酸基またはスルホン酸基を有するモノマーのホモポリマーであってもよく、カルボン酸基またはスルホン酸基を有するモノマーと、該モノマーと共重合可能なモノマーとのコポリマーであってもよい。
カルボン酸基を有するフッ素系ポリマー(C)としては、モノマー(1)に基づく構成単位とモノマー(2)に基づく構成単位とを有するコポリマーを加水分解処理し、ついで酸型化処理してYを−COOHに変換したポリマーが挙げられる。
スルホン酸基を有するフッ素系ポリマー(C)としては、モノマー(1)に基づく構成単位とモノマー(3)に基づく構成単位とを有するコポリマーを加水分解処理し、ついで酸型化処理してWを−SOHに変換したポリマーが挙げられる。
ガス解放層(α2)10における無機物粒子(P)およびバインダーの合計質量に対するバインダーの質量比(以下、バインダー比と記す。)は、0.15〜0.3が好ましく、0.15〜0.25がより好ましく、0.16〜0.20がさらに好ましい。ガス解放層(α2)10におけるバインダー比が0.15以上であれば、無機物粒子(P)の脱落耐性に優れる。ガス解放層(α2)10におけるバインダー比が0.3以下であれば、高いガス付着抑制効果が得られる。
(層(β1))
層(β1)14は、ポリマー(B)を含む層である。層(β1)14としては、陽イオン交換膜1の強度が高まる点から、補強材が埋め込まれた層が好ましい。補強材を埋め込む場合、層(α1)12でなく層(β1)14に埋め込むことで、電解性能に影響を与えることなく、補強効果を得ることができる。層(β1)14は、単層であってもよく、多層であってもよい。層(β1)14に補強材を埋め込む場合、層(β1)14を多層とし、製造時にそのいずれかの層間に補強材を挿入することによって、補強材が埋め込まれるようにすることが好ましい。
ポリマー(B)としては、モノマー(1)に基づく構成単位と、下記のモノマー(3)に基づく構成単位とを有するコポリマーを加水分解処理して、Wを−SOM(ただし、Mはアルカリ金属である。)に変換したポリマーが好ましい。
CF=CF(OCFCFXO(CFW ・・・(3)
は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
sは、1〜3の整数である。
tは、0〜2の整数である。
Wは、加水分解によりスルホン酸基に変換し得る前駆体基である。Wとしては、−SO(ただし、Xはフッ素原子、塩素原子または臭素原子である。)、−SO(ただし、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)が好ましく、−SOがより好ましく、−SOFが特に好ましい。
モノマー(3)としては、強度特性、工業的生産性の点から、下記の化合物が好ましい。
CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCFSOF、
CF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOF、
CF=CFOCFCFCFSOF、
CF=CFOCFCFSOF。
層(β1)14のイオン交換容量は、0.9〜1.15ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましい。イオン交換容量が0.9ミリ当量/g乾燥樹脂以上であれば、膜の電気抵抗が低くなり、電解電圧を低くできる。イオン交換容量が1.15ミリ当量/g乾燥樹脂以下であれば、分子量の高いポリマーの合成が容易であり、また、ポリマーの膨潤が抑えられる。
層(α1)12と層(β1)14間の剥離を防止する点から、層(α1)12と層(β1)14のイオン交換容量の差はできるだけ小さい方が好ましい。
層(β1)14に補強材を埋め込む場合、電解電圧を低減させやすい点から、層(β1)14における補強材よりも陽極側の部分のイオン交換容量は、補強材よりも陰極側の部分のイオン交換容量と同等か、それよりも高いことが好ましい。
層(β1)を多層とする場合、各層を形成するポリマー(B)は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
層(β1)14の合計の厚さは、55〜200μmが好ましく、70〜160μmがより好ましい。層(β1)14の合計の厚さが55μm以上であれば、膜の強度が充分となり、長期間の電解に耐えることができる。層(β1)14の合計の厚さが200μm以下であれば、電解電圧を充分に低くできる。
層(β1)14に補強材を埋め込む場合、層(β1)14における補強材よりも陽極側の部分の厚さは、10〜60μmが好ましい。陽極側の部分の厚さが10μm以上であれば、補強材を層(β1)14内に埋め込みやすく、また、層間剥離が抑えられる。陽極側の部分の厚さが60μm以下であれば、膜の電気抵抗が低くなり、電解電圧を低くできる。
層(β1)14に補強材を埋め込む場合、層(β1)14における補強材よりも陰極側の厚さは、45〜140μmが好ましく、60〜100μmがより好ましい。
(ガス解放層(β2))
ガス解放層(β2)16としては、塩化ナトリウム水溶液の電解に用いる陽イオン交換膜の陽極側に設けられる公知のガス解放層を採用できる。
ガス解放層(β2)16としては、無機物粒子とバインダーとを含む層等が挙げられる。無機物粒子としては、ガス解放層(α2)で挙げた無機物粒子(P)と同じものが挙げられる。バインダーとしては、陽極側のガス解放層に用いられる公知のバインダーを採用でき、たとえば、メチルセルロース等が挙げられる。
(陽イオン交換膜の製造方法)
以下、陽イオン交換膜1の製造方法の一例について説明する。
陽イオン交換膜1の製造方法としては、たとえば、下記の工程(a)〜(d)を有する方法が挙げられる。
(a)ガス解放層(β2)16、ポリマー(B)の前駆体(以下、ポリマー(B’)と記す。)を含む層(β1’)およびポリマー(A)の前駆体(以下、ポリマー(A’)と記す。)を含む層(α1’)をこの順に積層して複合膜の前駆体を得る工程。
(b)複合膜の前駆体中のカルボン酸基の前駆体基およびスルホン酸基の前駆体基を加水分解し、それぞれアルカリ金属塩型のカルボン酸基およびアルカリ金属塩型のスルホン酸基に変換し、図2に示すような、ガス解放層(β2)16、層(β1)14および層(α1)12をこの順に積層した複合膜2を得る工程。
(c)無機物粒子(P)とバインダーと分散媒とを含む塗布液(以下、塗布液(D)とも記す。)を複合膜2における層(α1)12の表面に塗布してガス解放層(α2)10を形成し、陽イオン交換膜1を得る工程。
(d)陽イオン交換膜1に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量を特定の範囲に調整する工程。
(工程(a))
複合膜2を得る方法としては、公知の方法を採用できる。
(I)層(α1)12および層(β1)14がともに単層の場合、複合膜の前駆体を得る方法としては、たとえば、下記の方法が挙げられる。
(i)ポリマー(A’)およびポリマー(B’)を用いた共押出法によって層(α1’)/層(β1’)の構成の積層フィルムを得る。
(ii)分散媒(メチルセルロース水溶液等)に無機物粒子を分散させたペーストを、副資材(ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)の表面に塗布、乾燥し、ガス解放層(β2)16を備えたガス解放層付き副資材を得る。
(iii)積層フィルムとガス解放層付き副資材とを、ガス解放層(β2)16が層(β1’)に面するように重ね合わせて加熱圧着し、複合膜の前駆体を得る。
副資材は、最終的に得られた陽イオン交換膜1を加水分解処理する前に剥離されていればよい。ガス解放層(β2)16は、その形成が容易な点から、前記のように副資材を用いて形成することが好ましい。なお、後述の工程(c)と同様の方法でガス解放層(β2)16を形成してもよい。
ペーストの塗工方法としては、たとえば、グラビアロール法等が挙げられる。
フィルム同士を加熱圧着する方法としては、たとえば、一対の金属ロールおよびゴムライニングロールからなる積層ロールを用いる方法等が挙げられる。
(II)層(α1)12が多層の場合、複合膜の前駆体を得る方法としては、たとえば、下記の方法が挙げられる。
(i)ポリマー(A’)およびポリマー(B’)を用いた共押出法によってポリマー(A’)の層/層(β1’)の構成の積層フィルムを得る。
(ii)分散媒(メチルセルロース水溶液等)に無機物粒子を分散させたペーストを、副資材(ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)の表面に塗布、乾燥し、ガス解放層(β2)16を備えたガス解放層付き副資材を得る。
(iii)積層フィルムのポリマー(A’)の層側に、ポリマー(A’)を用いた押出法によって得た単層フィルムを必要枚数重ね合わせ、層(β1’)側に、ガス解放層付き副資材を重ね合わせ、これらを加熱圧着し、複合膜の前駆体を得る。
ポリマー(A’)の単層フィルムの積層枚数は、層(α1)12の層構成に合わせて適宜設定すればよい。また、層(α1)12に補強材を埋め込む場合は、各単層フィルムを重ね合わせる際に層(α1’)を形成するいずれかの単層フィルム間に補強材を挿入し、加熱圧着を行うことで補強材を埋め込むことができる。
なお、各フィルム同士の加熱圧着は、複数回に分けて多段階で行ってもよい。
(III)層(β1)14が多層の場合、複合膜の前駆体を得る方法としては、たとえば、下記の方法が挙げられる。
(i)ポリマー(A’)およびポリマー(B’)を用いた共押出法によって層(α1’)/ポリマー(B’)の層の構成の積層フィルムを得る。
(ii)分散媒(メチルセルロース水溶液等)に無機物粒子を分散させたペーストを、副資材(ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等)の表面に塗布、乾燥し、ガス解放層(β2)16を備えたガス解放層付き副資材を得る。
(iii)積層フィルムのポリマー(B’)の層側に、ポリマー(B’)を用いた押出法によって得た単層フィルムを必要枚数重ね合わせ、さらに単層フィルム側に、ガス解放層付き副資材を重ね合わせ、これらを加熱圧着し、複合膜の前駆体を得る。
ポリマー(B’)の単層フィルムの積層枚数は、層(β1)14の層構成に合わせて適宜設定すればよい。また、層(β1)14に補強材を埋め込む場合は、各単層フィルムを重ね合わせる際に層(β1’)を形成するいずれかの単層フィルム間に補強材を挿入し、加熱圧着を行うことで補強材を埋め込むことができる。
なお、各フィルム同士の加熱圧着は、複数回に分けて多段階で行ってもよい。
(工程(b))
複合膜の前駆体中のカルボン酸基の前駆体基およびスルホン酸基の前駆体基を加水分解し、それぞれアルカリ金属塩型のカルボン酸基およびアルカリ金属塩型のスルホン酸基に変換する。
前駆体基を加水分解する方法としては、公知の方法を採用でき、たとえば、特開平1−140987号公報に記載の方法等が挙げられる。前駆体基を加水分解する方法としては、水溶性有機化合物(ジメチルスルホキシド等)とアルカリ金属の水酸化物(水酸化カリウム等)との混合物を用いる方法が好ましい。
工程(c)において塗布液(D)の付着性がより良好になり、層(α1)12との密着性に優れ、無機物粒子(P)の脱落耐性に優れたガス解放層(α2)10を形成しやすい点では、工程(c)の前に工程(b)を行うことが好ましい。また、カルボン酸基よりもカルボン酸基の前駆体基の方が塗布液(D)の分散媒による悪影響が小さく、層(α1)12の特性を発現させやすい点、工程が容易な点では、工程(c)の後に工程(b)を行うことが好ましい。
(工程(c))
複合膜2における層(α1)12の表面に、無機物粒子(P)とバインダーと分散媒を含む塗布液(D)を塗布する。その後、加熱等によって分散媒を除去して乾燥することによってガス解放層(α2)10が形成される。
塗布液(D)の調製方法としては、無機物粒子(P)とバインダーと分散媒を混合し、ボールミル等を用いて撹拌して均一にした後に、ビーズミルによって分散処理を行う方法が好ましい。該方法を用いることによって、無機物粒子(P)の平均二次粒子径を0.5〜1.5μmの範囲に制御しやすい。
塗布液(D)中の無機物粒子(P)の平均二次粒子径は、無機物粒子(P)の平均一次粒子径、分散処理の処理時間等を調節することで制御できる。
分散媒としては、バインダーがスルホン酸基を有するフッ素系ポリマー(C)である場合は、アルコール系溶媒(エタノール、イソプロピルアルコール等)が好ましい。
また、分散媒としては、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと記す。)、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン系極性溶媒を用いてもよい。非プロトン系極性溶媒は、沸点が140℃以上、ポリマー(A)およびポリマー(B)の融点以下であり、かつ融点が25℃以下であるものが好ましい。
非プロトン系極性溶媒を用いる場合、非プロトン系極性溶媒を配合した塗布液(D)を調製して塗布してもよく、非プロトン系極性溶媒以外の分散媒(アルコール系溶媒等)を用いた塗布液(D)を調製して塗布した後に、非プロトン系極性溶媒を塗布してもよい。
塗布液(D)(100質量%)中の分散媒の含有量は、30〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。分散媒の含有量が前記範囲内であれば、バインダーの分散性が良好であり、また粘度も適当であることから、塗布液(D)をスプレー法で塗布する場合に適している。
非プロトン系極性溶媒を用いる場合、塗布液(D)(100質量%)中の非プロトン系極性溶媒の含有量は、1〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
塗布液(D)の塗布方法としては、公知の塗布方法を採用でき、たとえば、スプレー法、ロールコーター法等が挙げられ、スプレー法が好ましい。工程(b)の前に工程(c)を行う場合は、塗布液(D)の付着性がより良好になる点から、スプレー法が好ましく、スプレー法においてエアの量を少なくすることが特に好ましい。
加熱方法としては、加熱ロールを用いる方法、オーブンを用いる方法等が挙げられ、工業的には、加熱ロールを備えたロールプレス機によって連続的に加熱処理する方法が好ましい。
ロールプレス機を用いる場合、加える圧力は、動力の削減の点では、0.2MPa以下の線圧とすることが好ましい。
加熱温度は、30℃以上が好ましく、用いる分散媒の沸点以上がより好ましい。加熱温度が分散媒の沸点より低い場合は、膜表面に分散媒が残留しやすいが、分散媒の種類によっては蒸気圧の関係から沸点以下で加熱しても分散媒を充分に揮発させることができる。
また、加熱温度は、ポリマー(A)およびポリマー(B)の融点未満が好ましい。これによって、膜厚が不均一となることを抑制しやすくなる。
(工程(d))
陽イオン交換膜1に含まれる陽イオン(100モル%)のうち、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計が、99モル%以上となるように、かつ陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計(100モル%)のうち、ナトリウムイオンが80〜98モル%となり、カリウムイオンが20〜2モル%となるように、陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量を調整する。
調整方法としては、所望の比率でナトリウムイオンおよびカリウムイオンを含む水溶液に陽イオン交換膜1を浸漬する方法;所望の濃度でカリウムイオンを含む水溶液に浸漬したのち、所望の濃度でナトリウムイオンを含む水溶液に浸漬する等が挙げられる。
ナトリウムイオンおよびカリウムイオンを含む水溶液としては、作業の安全性の点から、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムを含む水溶液が好ましい。
浸漬時間は、3〜10分間が好ましい。浸漬温度は、30〜50℃が好ましい。
(他の実施形態)
なお、本発明の陽イオン交換膜は、第1実施形態の陽イオン交換膜に限定されない。
たとえば、ガス解放層のいずれか一方または両方を有しないものであってもよい。
また、単層の陽イオン交換膜であってもよい。
また、陽イオン交換膜の製造方法については、工程(c)を行った後に工程(b)を行う方法であってもよい。
また、工程(a)においてポリマー(A)およびポリマー(B)を用いる場合は、工程(b)を行わなくてもよい。
また、層(α1)と層(β1)の積層フィルムの層(α1)の表面に、塗布液(D)によってガス解放層(α2)を形成した後に、層(β1)の表面にガス解放層(β2)を積層する方法であってもよい。
また、ガス解放層(β2)を、ガス解放層(α2)と同様に塗布液(D)を塗布して形成する方法であってもよい。
(作用機序)
以上説明した本発明のフッ素系陽イオン交換膜にあっては、陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量が、上述した特定の範囲内にあるため、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に膨潤、伸長しにくい。また、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に収縮しにくい。
<水酸化ナトリウム水溶液の製造方法>
本発明の水酸化ナトリウム水溶液の製造方法は、陽イオン交換膜を用いたイオン交換膜法によって、塩化ナトリウム水溶液を電解して水酸化ナトリウム水溶液を製造する方法である。
本発明の水酸化ナトリウム水溶液の製造方法においては、塩化ナトリウム水溶液に接触させる前の陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量が、上述した特定の範囲内にあることが肝要である。塩化ナトリウム水溶液に接触させる前の陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量が上述した特定の範囲内にあれば、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に膜が膨潤、伸長しにくく、また、電解槽に膜を装着し、液張りする際、収縮しにくくなる。
塩化ナトリウム水溶液を電解している最中においては、陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量は、陽イオン交換膜に接触する塩化ナトリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液の影響を受けて変動する。しかし、塩化ナトリウム水溶液に接触させる前の陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量が、上述した特定の範囲内にあれば、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中において本発明の効果を充分に発揮することができる。
イオン交換膜法においては、陰極および陽極を備えた電解槽に、隔膜である陽イオン交換膜を、電解槽内を陰極側の陰極室と陽極側の陽極室とに区切るように装着し、陽極室に塩化カリウム水溶液を供給し、陰極室に水酸化ナトリウム水溶液を供給し、陰極室から排出される水酸化ナトリウム水溶液の濃度を所定の濃度に保ちながら、塩化ナトリウム水溶液を電解する。
電解槽は、陽イオン交換膜を挟んで陰極室と陽極室とを交互に並べ、陰極室同士と陽極室同士とが電気的に並列になっている単極型であってもよく、陰極室の背面と陽極室の背面とが電気的に接続され、各室が電気的に直列になっている複極型であってもよい。
陽極室を構成する材料としては、塩化ナトリウムおよび塩素に耐性がある材料が好ましい。該材料としては、チタンが挙げられる。
陰極室を構成する材料としては、水酸化ナトリウムおよび水素に耐性がある材料が好ましい。該材料としては、ステンレス、ニッケル等が挙げられる。
電極を配置する場合、陰極は、イオン交換膜に接触させて配置してもよく、イオン交換膜との間に適宜の間隔をあけて配置してもよい。
陽極室に供給される塩化ナトリウム水溶液の濃度は、150〜200g/Lが好ましい。
陰極室から排出される水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、20〜40質量%が好ましい。
電解槽内の温度は、50〜120℃が好ましい。
電流密度は、1〜6kA/mが好ましい。
(作用機序)
以上説明した水酸化ナトリウム水溶液の製造方法にあっては、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に膨潤および収縮しにくい本発明の陽イオン交換膜を用いているため、安定して水酸化ナトリウム水溶液を製造できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。例1〜3は実施例であり、例4、5は比較例である。
(陽イオン交換膜中の陽イオンの量)
陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量は、3cm×3cmの膜を90℃のイオン交換水で16時間洗浄し、膜を1規定の塩化水素水溶液の50mLに90℃で16時間浸漬して抽出液を得た後、原子吸光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、Z−2310)を用いて抽出液中の各陽イオンの濃度(モル/L)を測定することによって求めた。
(水酸化ナトリウム水溶液中での陽イオン交換膜の寸法変化率)
寸法安定化処理後の陽イオン交換膜に2本の評線(距離=200mm)を描いた。陽イオン交換膜を25℃恒温室中で16時間保管した後の評線間距離L0を、デジタルノギスを用いて測定した。陽イオン交換膜を32質量%の水酸化ナトリウム水溶液に25℃で2時間浸漬した後の評線間距離L1を、デジタルノギスを用いて測定した。下式から寸法変化率△L(%)を求めた。
△L=(L1−L0)/L0×100
(塩化ナトリウム水溶液中での陽イオン交換膜の寸法変化率)
寸法安定化処理後の陽イオン交換膜に2本の評線(距離=200mm)を描いた。陽イオン交換膜を25℃恒温室中で16時間保管した後の評線間距離L0を、デジタルノギスを用いて測定した。陽イオン交換膜を125g/Lの塩化ナトリウム水溶液に90℃で30分間浸漬した後の評線間距離L1を、塩化ナトリウム水溶液に浸漬した状態で望遠鏡付き読み取り顕微鏡(日本光器製作所社製、デジタル式カセトメーター)を用いて測定した。下式から寸法変化率△L(%)を求めた。
△L=(L1−L0)/L0×100
(陽イオン交換膜の皺)
陽イオン交換膜を用いたイオン交換膜法によって、3日間にわたって塩化ナトリウム水溶液を電解して水酸化ナトリウム水溶液を製造した後、膜を取り出して、陽イオン交換膜の皺の発生の有無を確認した。
〔例1〕
(陽イオン交換膜の製造)
CF=CFとCF=CFOCFCFCFCOOCHとを共重合させてポリマー(A’−1)(加水分解処理後のイオン交換容量:1.00ミリ当量/g乾燥樹脂)を得た。
CF=CFとCF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOFとを共重合させてポリマー(B’−1)(加水分解処理後のイオン交換容量:1.0ミリ当量/g乾燥樹脂)を得た。
CF=CFとCF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOFとを共重合させてポリマー(B’−2)(加水分解処理後のイオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を得た。
ポリマー(B’−2)を加水分解処理し、ついで酸型化処理してフッ素系ポリマー(C−1)(イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を得た。
工程(a):
2台の押出機、共押出用のフィルムダイおよび引き取り機を備えた装置を用いて、ポリマー(A’−1)からなる厚さ13μmの層(α1’)と、厚さ25μmのポリマー(B’−1)の層とが積層された積層フィルム(1)を得た。
単層押出用のフィルムダイを用いて、厚さ30μmのポリマー(B’−2)の単層フィルム(2)、厚さ45μmのポリマー(B’−2)の単層フィルム(3)を得た。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)フィルム上に、1質量%のメチルセルロース水溶液に酸化ジルコニウムを分散させたペーストを、グラビアロール法にて20g/mの乾燥質量となるように塗布、乾燥し、ガス解放層(β2)を備えたガス解放層付きフィルム(4)を得た。
強化糸としてPTFEからなる100デニールの糸を用い、犠牲糸としてPETからなる30デニール6フィラメントの糸を用い、強化糸の密度が27本/1インチ、犠牲糸の密度が53本/1インチである平織りの織布を得た。
一対の金属ロールおよびゴムライニングロールからなる積層ロールを用い、温度200℃にて、線圧40kg/cm、速度0.4m/分で、ガス解放層付きフィルム(4)、フィルム(2)、織布、フィルム(3)、積層フィルム(1)をこの順に積層、一体化して片面にガス解放層(β2)を有する複合膜の前駆体を得た。このとき、ガス解放層付きフィルム(4)は、ガス解放層(β2)をフィルム(2)側に向けて配置し、積層フィルム(1)は、ポリマー(B’−1)の層をフィルム(3)側に向けて配置した。
工程(b):
複合膜の前駆体からPETフィルムを剥がした後、複合膜の前駆体を、ジメチルスルホキシド/水酸化カリウム/水=15/23/62質量比の溶液に、95℃で30分間浸漬し、加水分解処理することによってカルボン酸の前駆体基、スルホン酸の前駆体基をそれぞれ、カルボン酸カリウム塩、スルホン酸カリウム塩に変換し、乾燥させて、複合膜を得た。
工程(c):
フッ素系ポリマー(C−1)をエタノールに溶解させ、9.5質量%のエタノール溶液を作製した。エタノール溶液に酸化ジルコニウム(平均一次粒子径:0.4μm)を10.8質量%加え、バインダー比が0.2となるようにボールミルを用いて均一に撹拌し、塗布液(D)(塗布液(D)中の酸化ジルコニウムの平均二次粒子径:0.7μm)を得た。
複合膜の層(α1)の表面に塗布液(D)をスプレー法によって塗布した。一対の金属ロールおよびゴムライニングロールからなる積層ロールを用い、温度135℃、線圧1.5kg/cm、速度0.04m/分で加熱して、ガス解放層(α2)を形成し、陽イオン交換膜を得た。
工程(d):
塩化ナトリウム/塩化カリウム混合水溶液を調製した。塩化ナトリウム/塩化カリウム混合水溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計(100モル%)のうちのカリウムイオンの比率は、20モル%とした。陽イオン交換膜を、塩化ナトリウム/塩化カリウム混合水溶液に、40℃で20分間浸漬し、膜内のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの比率を調整した。
陽イオン交換膜を、温度40℃のイオン交換水に浸漬し、寸法安定化処理を行った。
陽イオン交換膜中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量、水酸化ナトリウム水溶液中での陽イオン交換膜の寸法変化率、塩化ナトリウム水溶液中での陽イオン交換膜の寸法変化率を表1に示す。
(水酸化ナトリウム水溶液の製造)
陰極および陽極を備えた電解槽に陽イオン交換膜を、電解槽内を陰極側の陰極室と陽極側の陽極室とに区切るように、かつ陽イオン交換膜のガス解放層(α2)が陰極に面し、陽イオン交換膜のガス解放層(β2)が陽極に面するように装着した。
電解槽としては、有効通電面積が0.2m(タテ:1m、ヨコ:0.2m)の電解槽を用い、陽極としては、ペルメレック電極社製のDSEを用い、陰極としては、クロリンエンジニアズ社製のラネーニッケルめっき陰極を用いた。
陽極室に塩化ナトリウム水溶液を、125g/Lに調整しながら供給し、陰極室に水を供給し、陰極室から排出される水酸化ナトリウム水溶液の濃度を32質量%に保ちながら、電流密度:6kA/m、温度:90℃にて塩化ナトリウム水溶液の電解を行った。
3日間運転した後、電解を停止し、陽イオン交換膜を取り出して、陽イオン交換膜の皺の発生の有無を確認した。結果を表1に示す。
〔例2〕
工程(d)における、塩化ナトリウム/塩化カリウム混合水溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計(100モル%)のうちのカリウムイオンの比率を10モル%とした以外は、例1と同様にして膜内のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの比率が調整された陽イオン交換膜を得た。また、陽イオン交換膜を例2の陽イオン交換膜に変更した以外は、例1と同様にして水酸化ナトリウム水溶液の製造を行った。結果を表1に示す。
〔例3〕
工程(d)における、塩化ナトリウム/塩化カリウム混合水溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計(100モル%)のうちのカリウムイオンの比率を2モル%とした以外は、例1と同様にして膜内のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの比率が調整された陽イオン交換膜を得た。また、陽イオン交換膜を例3の陽イオン交換膜に変更した以外は、例1と同様にして水酸化ナトリウム水溶液の製造を行った。結果を表1に示す。
〔例4〕
工程(d)における、塩化ナトリウム/塩化カリウム混合水溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計(100モル%)のうちのカリウムイオンの比率を25モル%とした以外は、例1と同様にして膜内のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの比率が調整された陽イオン交換膜を得た。また、陽イオン交換膜を例4の陽イオン交換膜に変更した以外は、例1と同様にして水酸化ナトリウム水溶液の製造を行った。結果を表1に示す。
〔例5〕
工程(d)における、塩化ナトリウム/塩化カリウム混合水溶液を塩化ナトリウム水溶液とし、浸漬条件を40℃で20分間とした以外は、例1と同様にして陽イオン交換膜を得た。また、陽イオン交換膜を例5の陽イオン交換膜に変更した以外は、例1と同様にして水酸化ナトリウム水溶液の製造を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006492518
陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの量が、上述した特定の範囲内にある例1〜3においては、陽イオン交換膜の収縮および膨張が抑えられ、陽イオン交換膜に皺は発生しなかった。
陽イオン交換膜に含まれるカリウムイオンの量が多すぎる例4においては、塩化ナトリウム水溶液中での陽イオン交換膜の膨潤、伸長の度合いが比較的大きくなった。また、塩化ナトリウム水溶液を電解している最中に陽イオン交換膜に皺が発生した。
陽イオン交換膜にカリウムイオンが含まれない例5においては、水酸化ナトリウム水溶液中での陽イオン交換膜の収縮の度合いが比較的大きくなった。
本発明の陽イオン交換膜は、イオン交換膜法によって塩化ナトリウム水溶液を電解して水酸化ナトリウム水溶液を製造する方法に用いる陽イオン交換膜として有用である。
1 陽イオン交換膜
2 複合膜
10 ガス解放層(α2)
12 層(α1)
14 層(β1)
16 ガス解放層(β2)

Claims (4)

  1. 陽イオン交換基を有するポリマーを含む陽イオン交換膜であって、
    前記陽イオン交換基を有するポリマーが、アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーおよびアルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーのいずれか一方または両方であり、
    前記アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーは、下式(1)で表されるモノマーに基づく構成単位と、下式(2)で表されるモノマーに基づく構成単位とを有するコポリマーを加水分解処理して得られ、かつイオン交換容量が0.7〜1.1ミリ当量/g乾燥樹脂であり、
    前記アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーは、下式(1)で表されるモノマーに基づく構成単位と、下式(3)で表されるモノマーに基づく構成単位とを有するコポリマーを加水分解処理して得られ、かつイオン交換容量が0.9〜1.15ミリ当量/g乾燥樹脂であり、
    電解する塩化ナトリウム水溶液に接触させる前の前記陽イオン交換膜を90℃のイオン交換水で16時間洗浄した後、前記陽イオン交換膜を1規定の塩化水素水溶液に90℃で16時間浸漬して得た抽出液中の陽イオンの濃度を原子吸光光度計で測定し、前記陽イオン交換膜に含まれる陽イオンの量を求めたとき、
    前記陽イオン交換膜に含まれる陽イオン(100モル%)のうち、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計が、99モル%以上であり、
    前記陽イオン交換膜に含まれるナトリウムイオンおよびカリウムイオンの合計(100モル%)のうち、ナトリウムイオンが80〜98モル%であり、カリウムイオンが20〜2モル%である、陽イオン交換膜。
    CF =CX ・・・(1)
    CF =CF(OCF CFX O(CF Y ・・・(2)
    CF =CF(OCF CFX O(CF W ・・・(3)
    ただし、
    およびX は、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、またはトリフルオロメチル基であり、
    は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、
    mは、1〜5の整数であり、
    nは、0または1であり、
    Yは、加水分解によりカルボン酸基に変換し得る前駆体基であり、
    は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、
    sは、1〜3の整数であり、
    tは、0〜2の整数であり、
    Wは、加水分解によりスルホン酸基に変換し得る前駆体基である。
  2. 前記アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含む層と、前記アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含む層とを有する、請求項に記載の陽イオン交換膜。
  3. 前記アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含むガス解放層と、前記アルカリ金属塩型のカルボン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含む層と、前記アルカリ金属塩型のスルホン酸基を有するペルフルオロカーボンポリマーを含む層とがこの順に積層されている、請求項2に記載の陽イオン交換膜。
  4. 陽イオン交換膜を用いたイオン交換膜法によって、塩化ナトリウム水溶液を電解して水酸化ナトリウム水溶液を製造する方法であって、
    前記塩化ナトリウム水溶液に接触させる前の前記陽イオン交換膜が、請求項1〜のいずれか一項に記載の陽イオン交換膜である、水酸化ナトリウム水溶液の製造方法。
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