JPH0598207A - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

Info

Publication number
JPH0598207A
JPH0598207A JP28930691A JP28930691A JPH0598207A JP H0598207 A JPH0598207 A JP H0598207A JP 28930691 A JP28930691 A JP 28930691A JP 28930691 A JP28930691 A JP 28930691A JP H0598207 A JPH0598207 A JP H0598207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
parts
ccl
fluorine
carboxyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28930691A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Sasao
康行 笹尾
Isao Kimura
功 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP28930691A priority Critical patent/JPH0598207A/ja
Publication of JPH0598207A publication Critical patent/JPH0598207A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】溶剤排出規制に適合し、耐候性、撥水性、耐薬
品性、などの性質に優れたメンテナンスフリー塗膜を与
える塗料組成物を提供する。 【構成】水酸基価30〜200、酸価2〜200及び数
平均分子量3000〜40000であるフルオロオレフ
ィン系共重合体、エポキシ当量100〜2000のエポ
キシ化合物及び水よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性塗料組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境保護のため、有機溶剤排
出による地球温暖化、光化学スモッグ等の公害問題がさ
けばれ、欧米においては厳しい溶剤排出規制が実施され
つつある。
【0003】このような法的規制に対応して、塗着効率
を上げて、塗料の有効利用をはかる塗装方法の開発や、
塗料の固形分を上げ、排出溶剤を削減するハイソリッド
型塗料の導入が実施されてきた。しかしながら、固定発
生源における有機溶剤排出規制は世界的に厳しく法制化
されるのは必至でハイソリッド型塗料では溶剤削減に限
界があり、対応は不可能な情勢になっている。溶剤削減
を実行するために、例えば自動車塗装の中で最も溶剤排
出量の多いトップコートのベースコートエナメルの水性
化が開発され、欧米では実用化されている。
【0004】現在2コート1ベークタイプのトップコー
トの水性化はベースコートエナメルで先行しているがク
リヤコートは従来のアクリルメラミン溶剤型か、前述し
たハイソリッド化したタイプが用いられている。クリヤ
ーの溶剤削減策は、自動車用塗料のトップクリヤーとし
て市場から求められている。機能即ち、耐酸性、雨性、
耐洗車傷性、撥水撥油性などのメンテナンスフリー性を
備えることが必要条件になっている。
【0005】また、最近耐候性の優れた電着塗料組成物
として含フッ素重合体を水性媒体に分散または溶解せし
めてなるものが特開昭62−59676号、特開昭62
−127362号等に提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
溶剤排出規制に対応して、塗装及び乾燥工程での排出溶
剤を大幅に削減するとともに、塗膜にした際耐酸性雨
性、耐候性、撥水性等のメンテナンスフリー機能を備え
た水性塗料組成物を新規に提供することにある。 0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、 (A)フルオロオレフィン及びエチレン性不飽和化合物
の共重合体であり、フルオロオレフィンに基づく重合し
た単位を30〜70%含有し、水酸基価30〜200mg
KOH/g 、酸化2〜200mgKOH/g 、数平均分子量300
0〜40000である含フッ素重合体のカルボキシル基
の少なくとも一部が、塩基性化合物で中和されてなる含
フッ素共重合体水溶液または分散液 (B)エポキシ基をエポキシ当量で100〜2000含
有する水溶性または水分散型化合物 (C)水 上記(A)〜(C)を必須成分として配合し、不揮発分
の組成において(A)成分が50〜95重量%、(B)
成分が5〜50重量%含有することを特徴とする霧化塗
装性に優れた水性塗料組成物を提供するものである。
【0008】本発明におけるカルボキシル基を有する含
フッ素重合体は、特開昭58−136605号に記載さ
れた方法、すなわち、水酸基を有する含フッ素重合体に
二塩基性酸無水物を作用せしめて、カルボキシル基を導
入する方法により得られたカルボキシル基を有する含フ
ッ素重合体や、重合体中のエステル結合を加水分解せし
めてカルボキシル基を生成させた含フッ素重合体、カル
ボキシル基を有する単量体と含フッ素単量体を共重合せ
しめた重合体などが採用される。
【0009】具体的には、ヒドロキシアルキルビニルエ
ーテル、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシ
アルキルメタクリレート、アリルアルコール、メタアリ
ルアルコールのごとき水酸基含有単量体に基づく単位を
付加共重合もしくはグラフト等により含有せしめた含フ
ッ素重合体、カルボン酸ビニル、カルボン酸アリルのご
とき加水分解、加アルコール分解などにより水酸基に転
換可能な基を有する単量体に基づく単位を同様に含有せ
しめた含フッ素重合体の該部位を水酸基に転換したも
の、さらに含フッ素ポリオール類とエピクロルヒドリン
類との反応などによって得られる縮重合体型のもの等の
水酸基を有する含フッ素重合体に、無水コハク酸、無水
グルタル酸、無水イタコン酸、無水アジピン酸、無水
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis −4−
シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、無水フタル酸、
無水1,8−ナフタル酸、無水マレイン酸等の二塩基性
酸無水物を反応せしめて水酸基部位の少なくとも一部を
一般式 -O-CORCOOH で表わされるエステル基に変換さ
せ、カルボキシル基を導入することによりカルボキシル
基を有する含フッ素重合体を得ることができる。
【0010】また、ビニルエステル化合物、アリルエス
テル化合物などの加水分解によりカルボキシル基を生成
する単量体を共重合せしめた含フッ素重合体を、加水分
解することによりカルボキシル基を有する含フッ素重合
体を得ることができる。
【0011】また、カルボキシル基を有する含フッ素重
合体は、フルオロオレフィンに基づく重合した単位を30
〜70モル%含有するものが好ましく採用される。アクリ
ル酸またはメタアクリル酸のフルオロアルキルエステル
の共重合体は、撥油性などに優れた効果は発生するが、
耐候性の点においてフルオロオレフィンを共重合した含
フッ素重合体、すなわち主鎖の炭素原子に直接結合した
フッ素原子を有する重合体に比べ、若干悪くなるため、
好ましくない。
【0012】フルオロオレフィンに基づく重合した単位
が上記割合よりも少ない場合には、耐候性塗料として充
分耐候性が発揮されず好ましくない。また、上記割合よ
りも多い場合には、水溶性化あるいは水分散性化が難し
くなるため、水性塗料用として適さなくなることがあ
り、好ましくない。
【0013】ここでフルオロオレフィンとは、不飽和結
合を形成する炭素に結合した基の少なくとも一つがフッ
素基である化合物である。具体的には、CClF=CF2, CHCl
=CF2, CCl2=CF2, CClF=CClF, CHF=CCl2, CH2=CClF, CCl
2=CClF等のフルオロエチレン、CF2ClCF=CF2, CF3CCl=CF
2, CF3CF=CFCl, CF2ClCCl=CF2, CF2ClCF=CFCl, CFCl2CF
=CF2, CF3CCl=CClF, CF3CCl=CCl2, CClF2CF=CCl2, CCl3
CF=CF2, CF2ClCCl=CCl2, CFCl2CCl=CCl2, CF3CF=CHCl,
CClF2CF=CHCl, CH3CCl=CHCl, CHF2CCl=CCl2, CF2ClCH=C
Cl2, CF2ClCCl=CHCl, CCl3CF=CHCl, CCl3CF=CHCl, CH2B
rCF=CCl2等のフルオロプロペン類、CF3CCl=CFCF3, CF2=
CFCF2CClF2, CF3CF2CF=CCl2 等の炭素数4以上のフルオ
ロオレフィン系化合物を挙げることができる。
【0014】また、カルボキシル基を導入すべき単量体
としては、上述の如き、二塩基性酸無水物を作用させ
て、カルボキシル基を導入し得る水酸基含有単量体、す
なわち、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキ
シアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルビニル
エステル、ヒドロキシアルキルアリルエステル、ビニル
アルコール、アリルアルコール、ヒドロキシアルキルア
クリレート、ヒドロキシアルキルメタアクリレートなど
が挙げられる。
【0015】中でも、上記フルオロオレフィンとの共重
合性の面から、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルアリルエーテルが好ましく採用され
る。また、二塩基性酸無水物との反応性の面から、水酸
基を1級もしくは2級の形態で含有するものが好ましく
採用される。特にCH2=CH(CH2)mO(CH2)nOH (mは0また
は1、nは2〜18の整数)で表わされるヒドロキシア
ルキルビニルエーテルまたはヒドロキシアルキルアリル
エーテルが好ましく採用される。
【0016】含フッ素重合体の水酸基価は20〜200
mgKOH/g であることが必要である。水酸基価が20mgKO
H/g より少ないものは水性化が難しく水性塗料として好
ましくない。また、水酸基価が200mgKOH/g より大き
いものは塗膜の耐薬品性、耐水性が低下し、好ましくな
い。好ましくは水酸基価50〜200mgKOH/g 程度、更
に好ましくは80〜150mgKOH/g の含フッ素重合体が
採用される。
【0017】また、含フッ素重合体の水酸基をカルボキ
シル基に変換させる反応は、水酸基の一部を行なっても
よいし、また全部を行なってもよい。
【0018】また、カルボキシル基を有する単量体とし
ては、特にCH2=CH(CH2)kO(CH2)mOCO(CH2)nCOOH(kは0
または1、mは2〜6の整数、nは2〜10の整数)で
表される化合物が好ましく採用される。
【0019】カルボキシル基を有する含フッ素重合体の
酸価が少なくとも2mgKOH/g となるようにすることが好
ましい。カルボキシル基の量が少なすぎる、すなわち、
酸価が2mgKOH/g よりも少ないものは、水性化が難し
く、水性塗料用として適さなくなることがあり、好まし
くない。また、酸価のあまりに大きなものは塗膜の耐ア
ルカリ性、耐沸水性などが低下することがあり、好まし
くない。好ましくは酸価が2〜 200mgKOH/g 程度、特に
5〜100mgKOH/g程度の含フッ素重合体が好ましく採用さ
れる。
【0020】また前述の水酸基は、少なくとも一部が残
っていることが、硬化剤と反応して、耐溶剤性などに優
れた塗膜を得ることができるため好ましい。特に水酸基
を、水酸基価30〜200mgKOH/g 程度の割合で含有す
るものが好ましく採用される。
【0021】本発明の含フッ素共重合体の分子量は30
00〜40000の範囲が好ましい。分子量が3000
以下の場合は、塗膜にした場合の耐候性が低下し好まし
くない。分子量が40000以上の場合は水溶液にした
場合の粘度が高すぎて、塗装性が低下し、塗膜外観も低
下するので好ましくない。
【0022】また、カルボキシル基を有する含フッ素重
合体は、上記の如きフルオロオレフィンに基づく重合し
た単位、カルボキシル基を有する重合した単位および水
酸基を有する重合した単位のみから構成されていてもよ
いし、また他の共重合可能な単量体が共重合されていて
もよい。所望の塗膜物性(硬度、光沢、顔料分散性な
ど)に応じ、適宜アルキルビニルエーテル、アルキルア
リルエーテル、アルキルビニルエステル、アルキルアリ
ルエステル、フルオロアルキルビニルエーテルなどを共
重合させてもよい。これら単量体が共重合されている場
合においても、フルオロオレフィンに基づく重合した単
位の含有割合、酸価、水酸基価は前述の範囲内とするこ
とが好ましい。
【0023】本発明では、上記カルボキシル基を有する
含フッ素重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が沸
点200℃以下の塩基性化合物により中和されている。
かかる塩基性化合物としては、例えばアンモニア、ある
いはモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブ
チルアミン、のような1級、2級ないし3級のアルキル
アミン類、モノエタノールアミン、モノイソプロパノー
ルアミン、ジメチルアミノエタノール及びジエチルアミ
ノエタノール等のようなアルカノールアミン類、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、のようなジアミン類、
エチレンイミン及びプロピレンイミン等のようなアルキ
レンイミン類、ピペラジン、モルホリン、ピラジン及び
ピリジン等がある。
【0024】(B)成分として使用されるエポキシ基を
有する化合物は硬化剤として作用する。また、かかる化
合物はエポキシ当量が100〜2000のものが採用さ
れる。エポキシ当量の小さいものは、硬化剤としての作
用が充分でなく、また大きいものは分子量が大きくなる
ため、水溶化または水分散性が難しくなり、好ましくな
い。
【0025】また、かかる化合物としては、ビニルシク
ロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシ
ドなどのいわゆる脂環型のエポキシ基を有する化合物が
水酸基との反応性が優れるため好ましい。このようなエ
ポキシ基含有化合物は、特開平2−73825号公報等
に例示されている。
【0026】また、含フッ素重合体(A)と、(B)成
分である化合物は不揮発分の組成において、(A)成分
が50〜95重量%、(B)成分が5〜50重量%の割
合であることが好ましい。本発明の水性塗料組成物は、
上記含フッ素重合体(A)、硬化剤(B)及び水(C)
を必須成分としている。ここで、水性塗料組成物の安定
性を高める上で、水溶性の有機溶剤を配合することも可
能である。
【0027】具体的には、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノー
ル、ペンタノール等のようなアルコール類、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、第2級ブチルセロソルブ等のような
セロソルブ類、プロピレングリコールメチルエーテル、
ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレング
リコールメチルエーテルアセテート等のプロピレングリ
コール誘導体、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テートを使用する。水性塗料組成物の有機溶剤の量は、
塗膜形成成分に対し、2.5〜150重量%の範囲で使
用される。
【0028】本発明の水性塗料組成物は、通常樹脂固形
分濃度を3〜50重量%程度の範囲に調製して使用す
る。この際、常用の着色剤、顔料、紫外線吸収剤、塗料
添加剤等を混合して使用することができる。
【0029】特に透明塗料として上塗り塗装で用いる場
合、本発明で使用する紫外線吸収剤には例えばサリチル
酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸クレジル、
サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エステル類;
【0030】2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノ
ンの他、アデカ・アーガス社よりT-57として販売される
ような高分子量変性品等のベンゾフェノン類;
【0031】2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ジ−ネオペンチルフェニル)ベンゾ
トリアゾールの他、チバ・ガイギー社よりチヌビン 90
0, 1130として販売されるような高分子量変性品等のベ
ンゾトリアゾール類;
【0032】2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル
酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸
2−エチルヘキシル、α−シアノ−β−メチル−4−メ
トキシ桂皮酸メチル等の置換アクリロニトリル類;
【0033】2,2’−チオビス(4−オクチルフェノ
レート)ニッケル錯塩、{2,2’−チオビス(4−t
−オクチルフェノラート)}−n−ブチルアミン・ニッ
ケル錯塩等のニッケル錯塩;
【0034】p−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチ
ル、レゾルシノールモノ安息香酸エステル、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド、2,5−ジフェニル−p−ベンゾ
キノン等の紫外線吸収剤基及びビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、コハク酸
ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合
物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等があり、こ
れらは1種または2種以上の混合物として組み合わせて
用いることもできる。
【0035】また、紫外線吸収剤は、前記含フッ素重合
体100重量部当り0.1〜15重量部程度の範囲で使
用することが好ましい。紫外線吸収剤の量が少なすぎる
場合においては、耐光性の改良効果が充分に得られず、
また、多すぎる場合には、その効果が飽和してしまい、
適当とはいえない。
【0036】さらに光安定剤としてはアデカアーガス社
のMARK LA 57,62,63,67,68、チバ・ガイギー社のTINUVI
N 622LD のようなヒンダードアミン系が挙げられる。こ
れらは、1種または2種以上の混合物として紫外線吸収
剤と組み合わせて用いることもできる。
【0037】本発明の水性塗料組成物は、塗膜の加熱焼
き付けが100〜250℃、好ましくは120〜230
℃で60〜1分間という条件で達成されるという利点を
有する。
【0038】なお、塗膜の光沢を調整する必要がある場
合は、常用の無機又は有機のツヤ消剤を添加すればよ
い。また、着色が必要な場合には、市販の有機顔料、無
機顔料、有機染料、及びこれらを複合化した顔料もしく
は染料等の着色材を分散もしくは混合添加すればよい。
【0039】
【実施例】以下、本発明をより具体的に説明するため実
施例を示す。なお、実施例中の部は、特にことわりのな
い限り重量部を示すものである。
【0040】合成例 [含フッ素重合体の合成例]特公昭61−49323号
に記載された方法に従って、テトラフルオロエチレン/
シクロヘキシルビニルエーテル/ヒドロキシブチルビニ
ルエーテル/エチルビニルエーテルのモル比が50/2
5/12/13であり、水酸基価44mgKOH/g 、酸価2
0mgKOH/g 、数平均分子量20000の含フッ素共重合
体を得た。
【0041】実施例 合成例の含フッ素共重合体100部に対してブトキシエ
タノール43部を加えてワニスとし、ジエチルアミノエ
タノール4.4部、脱イオン水165.1部を加え、含
フッ素共重合体水溶液を作成する。該樹脂水溶液31
2.5部、水溶性エポキシ樹脂アクリレート(東都化成
製)100部、酸触媒キャタリスト#6000(三井東
圧製)0.5部、紫外線吸収剤チヌビン1130(チバ
ガイギー製)3.0部、光安定剤サノールLS765
(三共製)0.5部を撹拌混合して組成物を調整した。
【0042】比較例 水溶性アクリル樹脂ウオーターゾルS−745(大日本
インキ製)250部を含フッ素共重合体水溶液のかわり
に用いる以外は実施例と同様の配合にて組成物を調整し
た。
【0043】[ベースコート用塗料の製造例]スチレン
10部、メチルメタクリレート35部、エチルアクリレ
ート15部、n−ブチルメタクリレート25部及びアク
リル酸2部を、重合会資材アゾビスイソブチロニトリル
を用いてキシレン中で重合させ、固形分48%のアクリ
ル樹脂溶液を得た。このアクリル樹脂溶液を用いて下記
配合で溶剤型ベースコートE−1を作成した。
【0044】 アクリル樹脂 200部 サイメル3031) 20部 p−トルエンスルホン酸溶液 4.0部 アルミペースト7770N2) 10.0部 注 1)三井サイアナミド社製メラミン樹脂 2)東洋アルミニウム社製アルミペースト 次にこのベースコートE−1をトルエン50部、酢酸エ
チル50部からなる混合溶剤で粘度13.5秒(フォー
ドカップ#4/20℃)に希釈して塗装に備えた。
【0045】[試験板の作成及びその評価]リン酸亜鉛
化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に自動車
用カチオン電着塗料を塗装し、170℃で30分焼き付
けた。次に自動車用中塗り塗料を塗装し、140℃で3
0分焼き付けた後、#800のサンドペーパーで水研
し、乾燥させた後ホワイトガソリンで脱脂し、試験用の
素材とした。
【0046】この素材上にベースコート用塗料E−1
を、粘度13.5秒に調整した後エアスプレーで乾燥膜
厚16μとなるように塗装し、室温で3分間、放置後実
施例及び比較例の水性クリヤーコート塗料を脱イオン水
で28秒(フォードカップ#4/20℃)に希釈して、
乾燥膜厚で30μの厚さになるようにウエットオンウエ
ット塗装した。
【0047】次に、試験板を室温で10分間放置後、熱
風乾燥炉で140℃、30分間焼き付けて試験板を作成
した。このようにして得られた実施例、比較例の各試験
板について、塗膜性能、排出溶剤量を評価した結果を表
1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】1)三菱鉛筆製ユニを用いて傷硬度を測
定。 2)50℃×98%RHの恒温恒湿槽に120時間試験
板を入れ、取り出し直後の塗面状態を評価する。 3)レギュラーガソリン(日本石油製)に20℃で24
時間浸漬後外観を目視評価する。 4)10%硫酸0.3ccを塗面にスポットし、20℃
で24時間放置した後水洗し塗面を観察した。 5)10%水酸化ナトリウム水溶液0.3ccを塗面に
スポットし、20℃で24時間放置した後水洗し塗面を
観察した。 6)QUVで3000時間促進曝露した後の塗膜を観察
し光沢保持率を評価した。 7)塗面に水滴を0.15mlスポットし、接触角を測
定した。 8)1m2 の塗膜を形成する際の有機溶剤排出量、溶液
型塗料を100とする。
【0050】
【発明の効果】本発明の水性塗料組成物は溶剤排出規制
に対応して、排出有機溶剤源を削減し、かつ、耐候性、
撥水性、耐薬品性など上塗塗料として求められる高機能
を備えたメンテナンスフリー塗膜を与える塗料組成物と
して極めて有用であり、地球環境保護及び耐久性向上に
よる資源保護に寄与するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性塗料組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境保護のため、有機溶剤排
出による地球温暖化、光化学スモッグ等の公害問題がさ
けばれ、欧米においては厳しい溶剤排出規制が実施され
つつある。
【0003】このような法的規制に対応して、塗着効率
を上げて、塗料の有効利用をはかる塗装方法の開発や、
塗料の固形分を上げ、排出溶剤を削減するハイソリッド
型塗料の導入が実施されてきた。しかしながら、固定発
生源における有機溶剤排出規制は世界的に厳しく法制化
されるのは必至でハイソリッド型塗料では溶剤削減に限
界があり、対応は不可能な情勢になっている。溶剤削減
を実行するために、例えば自動車塗装の中で最も溶剤排
出量の多いトップコートのベースコートエナメルの水性
化が開発され、欧米では実用化されている。
【0004】現在2コート1ベークタイプのトップコー
トの水性化はベースコートエナメルで先行しているがク
リヤコートは従来のアクリルメラミン溶剤型か、前述し
たハイソリッド化したタイプが用いられている。クリヤ
ーの溶剤削減策は、自動車用塗料のトップクリヤーとし
て市場から求められている機能、即ち、耐酸性雨性、耐
洗車傷性、撥水撥油性などのメンテナンスフリー性を備
えることが必要条件になっている。
【0005】また、最近耐候性の優れた電着塗料組成物
として含フッ素重合体を水性媒体に分散または溶解せし
めてなるものが特開昭62−59676号、特開昭62
−127362号等に提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
溶剤排出規制に対応して、塗装及び乾燥工程での排出溶
剤を大幅に削減するとともに、塗膜にした際耐酸性雨
性、耐候性、撥水性等のメンテナンスフリー機能を備え
た水性塗料組成物を新規に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、 (A)フルオロオレフィン及びエチレン性不飽和化合物
の共重合体であり、フルオロオレフィンに基づく重合し
た単位を30〜70%含有し、水酸基価30〜200mg
KOH/g 、酸化2〜200mgKOH/g 、数平均分子量300
0〜40000である含フッ素重合体のカルボキシル基
の少なくとも一部が、塩基性化合物で中和されてなる含
フッ素共重合体水溶液または分散液 (B)エポキシ基をエポキシ当量で100〜2000含
有する水溶性または水分散型化合物 (C)水 上記(A)〜(C)を必須成分として配合し、不揮発分
の組成において(A)成分が50〜95重量%、(B)
成分が5〜50重量%含有することを特徴とする霧化塗
装性に優れた水性塗料組成物を提供するものである。
【0008】本発明におけるカルボキシル基を有する含
フッ素重合体は、特開昭58−136605号に記載さ
れた方法、すなわち、水酸基を有する含フッ素重合体に
二塩基性酸無水物を作用せしめて、カルボキシル基を導
入する方法により得られたカルボキシル基を有する含フ
ッ素重合体や、重合体中のエステル結合を加水分解せし
めてカルボキシル基を生成させた含フッ素重合体、カル
ボキシル基を有する単量体と含フッ素単量体を共重合せ
しめた重合体などが採用される。
【0009】具体的には、ヒドロキシアルキルビニルエ
ーテル、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシ
アルキルメタクリレート、アリルアルコール、メタアリ
ルアルコールのごとき水酸基含有単量体に基づく単位を
付加共重合もしくはグラフト等により含有せしめた含フ
ッ素重合体、カルボン酸ビニル、カルボン酸アリルのご
とき加水分解、加アルコール分解などにより水酸基に転
換可能な基を有する単量体に基づく単位を同様に含有せ
しめた含フッ素重合体の該部位を水酸基に転換したも
の、さらに含フッ素ポリオール類とエピクロルヒドリン
類との反応などによって得られる縮重合体型のもの等の
水酸基を有する含フッ素重合体に、無水コハク酸、無水
グルタル酸、無水イタコン酸、無水アジピン酸、無水
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis −4−
シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、無水フタル酸、
無水1,8−ナフタル酸、無水マレイン酸等の二塩基性
酸無水物を反応せしめて水酸基部位の少なくとも一部を
一般式 -O-CORCOOH で表わされるエステル基に変換さ
せ、カルボキシル基を導入することによりカルボキシル
基を有する含フッ素重合体を得ることができる。
【0010】また、ビニルエステル化合物、アリルエス
テル化合物などの加水分解によりカルボキシル基を生成
する単量体を共重合せしめた含フッ素重合体を、加水分
解することによりカルボキシル基を有する含フッ素重合
体を得ることができる。
【0011】また、カルボキシル基を有する含フッ素重
合体は、フルオロオレフィンに基づく重合した単位を30
〜70モル%含有するものが好ましく採用される。アクリ
ル酸またはメタアクリル酸のフルオロアルキルエステル
の共重合体は、撥油性などに優れた効果は発生するが、
耐候性の点においてフルオロオレフィンを共重合した含
フッ素重合体、すなわち主鎖の炭素原子に直接結合した
フッ素原子を有する重合体に比べ、若干悪くなるため、
好ましくない。
【0012】フルオロオレフィンに基づく重合した単位
が上記割合よりも少ない場合には、耐候性塗料として充
分耐候性が発揮されず好ましくない。また、上記割合よ
りも多い場合には、水溶性化あるいは水分散性化が難し
くなるため、水性塗料用として適さなくなることがあ
り、好ましくない。
【0013】ここでフルオロオレフィンとは、不飽和結
合を形成する炭素に結合した基の少なくとも一つがフッ
素基である化合物である。具体的には、CClF=CF2, CHCl
=CF2, CCl2=CF2, CClF=CClF, CHF=CCl2, CH2=CClF, CCl
2=CClF等のフルオロエチレン、CF2ClCF=CF2, CF3CCl=CF
2, CF3CF=CFCl, CF2ClCCl=CF2, CF2ClCF=CFCl, CFCl2CF
=CF2, CF3CCl=CClF, CF3CCl=CCl2, CClF2CF=CCl2, CCl3
CF=CF2, CF2ClCCl=CCl2, CFCl2CCl=CCl2, CF3CF=CHCl,
CClF2CF=CHCl, CH3CCl=CHCl, CHF2CCl=CCl2, CF2ClCH=C
Cl2, CF2ClCCl=CHCl, CCl3CF=CHCl, CH2BrCF=CCl2 等の
フルオロプロペン類、CF3CCl=CFCF3, CF2=CFCF2CClF2,
CF3CF2CF=CCl2 等の炭素数4以上のフルオロオレフィン
系化合物を挙げることができる。
【0014】また、カルボキシル基を導入すべき単量体
としては、上述の如き、二塩基性酸無水物を作用させ
て、カルボキシル基を導入し得る水酸基含有単量体、す
なわち、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキ
シアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルビニル
エステル、ヒドロキシアルキルアリルエステル、ビニル
アルコール、アリルアルコール、ヒドロキシアルキルア
クリレート、ヒドロキシアルキルメタアクリレートなど
が挙げられる。
【0015】中でも、上記フルオロオレフィンとの共重
合性の面から、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルアリルエーテルが好ましく採用され
る。また、二塩基性酸無水物との反応性の面から、水酸
基を1級もしくは2級の形態で含有するものが好ましく
採用される。特にCH2=CH(CH2)mO(CH2)nOH (mは0また
は1、nは2〜18の整数)で表わされるヒドロキシア
ルキルビニルエーテルまたはヒドロキシアルキルアリル
エーテルが好ましく採用される。
【0016】含フッ素重合体の水酸基価は20〜200
mgKOH/g であることが必要である。水酸基価が20mgKO
H/g より少ないものは水性化が難しく水性塗料として好
ましくない。また、水酸基価が200mgKOH/g より大き
いものは塗膜の耐薬品性、耐水性が低下し、好ましくな
い。好ましくは水酸基価50〜200mgKOH/g 程度、更
に好ましくは80〜150mgKOH/g の含フッ素重合体が
採用される。
【0017】また、含フッ素重合体の水酸基をカルボキ
シル基に変換させる反応は、水酸基の一部を行なっても
よいし、また全部を行なってもよい。
【0018】また、カルボキシル基を有する単量体とし
ては、特にCH2=CH(CH2)kO(CH2)mOCO(CH2)nCOOH(kは0
または1、mは2〜6の整数、nは2〜10の整数)で
表される化合物が好ましく採用される。
【0019】カルボキシル基を有する含フッ素重合体の
酸価が少なくとも2mgKOH/g となるようにすることが好
ましい。カルボキシル基の量が少なすぎる、すなわち、
酸価が2mgKOH/g よりも少ないものは、水性化が難し
く、水性塗料用として適さなくなることがあり、好まし
くない。また、酸価のあまりに大きなものは塗膜の耐ア
ルカリ性、耐沸水性などが低下することがあり、好まし
くない。好ましくは酸価が2〜 200mgKOH/g 程度、特に
5〜100mgKOH/g程度の含フッ素重合体が好ましく採用さ
れる。
【0020】また前述の水酸基は、少なくとも一部が残
っていることが、硬化剤と反応して、耐溶剤性などに優
れた塗膜を得ることができるため好ましい。特に水酸基
を、水酸基価30〜200mgKOH/g 程度の割合で含有す
るものが好ましく採用される。
【0021】本発明の含フッ素共重合体の分子量は30
00〜40000の範囲が好ましい。分子量が3000
未満の場合は、塗膜にした場合の耐候性が低下し好まし
くない。分子量が40000の場合は水溶液にした場
合の粘度が高すぎて、塗装性が低下し、塗膜外観も低下
するので好ましくない。
【0022】また、カルボキシル基を有する含フッ素重
合体は、上記の如きフルオロオレフィンに基づく重合し
た単位、カルボキシル基を有する重合した単位および水
酸基を有する重合した単位のみから構成されていてもよ
いし、また他の共重合可能な単量体が共重合されていて
もよい。所望の塗膜物性(硬度、光沢、顔料分散性な
ど)に応じ、適宜アルキルビニルエーテル、アルキルア
リルエーテル、アルキルビニルエステル、アルキルアリ
ルエステル、フルオロアルキルビニルエーテルなどを共
重合させてもよい。これら単量体が共重合されている場
合においても、フルオロオレフィンに基づく重合した単
位の含有割合、酸価、水酸基価は前述の範囲内とするこ
とが好ましい。
【0023】本発明では、上記カルボキシル基を有する
含フッ素重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が沸
点200℃以下の塩基性化合物により中和されている。
かかる塩基性化合物としては、例えばアンモニア、ある
いはモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブ
チルアミン、のような1級、2級ないし3級のアルキル
アミン類、モノエタノールアミン、モノイソプロパノー
ルアミン、ジメチルアミノエタノール及びジエチルアミ
ノエタノール等のようなアルカノールアミン類、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、のようなジアミン類、
エチレンイミン及びプロピレンイミン等のようなアルキ
レンイミン類、ピペラジン、モルホリン、ピラジン及び
ピリジン等がある。
【0024】(B)成分として使用されるエポキシ基を
有する化合物は硬化剤として作用する。また、かかる化
合物はエポキシ当量が100〜2000のものが採用さ
れる。エポキシ当量の小さいものは、硬化剤としての作
用が充分でなく、また大きいものは分子量が大きくなる
ため、水溶化または水分散性が難しくなり、好ましくな
い。
【0025】また、かかる化合物としては、ビニルシク
ロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシ
ドなどのいわゆる脂環型のエポキシ基を有する化合物が
水酸基との反応性が優れるため好ましい。このようなエ
ポキシ基含有化合物は、特開平2−73825号公報等
に例示されている。
【0026】また、含フッ素重合体(A)と、(B)成
分である化合物は不揮発分の組成において、(A)成分
が50〜95重量%、(B)成分が5〜50重量%の割
合であることが好ましい。本発明の水性塗料組成物は、
上記含フッ素重合体(A)、硬化剤(B)及び水(C)
を必須成分としている。ここで、水性塗料組成物の安定
性を高める上で、水溶性の有機溶剤を配合することも可
能である。
【0027】具体的には、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノー
ル、ペンタノール等のようなアルコール類、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、第2級ブチルセロソルブ等のような
セロソルブ類、プロピレングリコールメチルエーテル、
ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレング
リコールメチルエーテルアセテート等のプロピレングリ
コール誘導体、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テートを使用する。水性塗料組成物の有機溶剤の量は、
塗膜形成成分に対し、2.5〜150重量%の範囲で使
用される。
【0028】本発明の水性塗料組成物は、通常樹脂固形
分濃度を3〜50重量%程度の範囲に調整して使用す
る。この際、常用の着色剤、顔料、紫外線吸収剤、塗料
添加剤等を混合して使用することができる。
【0029】特に透明塗料として上塗り塗装で用いる場
合、本発明で使用する紫外線吸収剤には例えばサリチル
酸メチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸クレジル、
サリチル酸ベンジル等のサリチル酸エステル類;
【0030】2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノ
ンの他、アデカ・アーガス社よりT-57として販売される
ような高分子量変性品等のベンゾフェノン類;
【0031】2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ジ−ネオペンチルフェニル)ベンゾ
トリアゾールの他、チバ・ガイギー社よりチヌビン 90
0, 1130として販売されるような高分子量変性品等のベ
ンゾトリアゾール類;
【0032】2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル
酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸
2−エチルヘキシル、α−シアノ−β−メチル−4−メ
トキシ桂皮酸メチル等の置換アクリロニトリル類;
【0033】2,2’−チオビス(4−オクチルフェノ
レート)ニッケル錯塩、{2,2’−チオビス(4−t
−オクチルフェノラート)}−n−ブチルアミン・ニッ
ケル錯塩等のニッケル錯塩;
【0034】p−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチ
ル、レゾルシノールモノ安息香酸エステル、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド、2,5−ジフェニル−p−ベンゾ
キノン等の紫外線吸収剤基及びビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、コハク酸
ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合
物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等があり、こ
れらは1種または2種以上の混合物として組み合わせて
用いることもできる。
【0035】また、紫外線吸収剤は、前記含フッ素重合
体100重量部当り0.1〜15重量部程度の範囲で使
用することが好ましい。紫外線吸収剤の量が少なすぎる
場合においては、耐光性の改良効果が充分に得られず、
また、多すぎる場合には、その効果が飽和してしまい、
適当とはいえない。
【0036】さらに光安定剤としてはアデカアーガス社
のMARK LA 57,62,63,67,68、チバ・ガイギー社のチヌビ
622LDのようなヒンダードアミン系が挙げられる。こ
れらは、1種または2種以上の混合物として紫外線吸収
剤と組み合わせて用いることもできる。
【0037】本発明の水性塗料組成物は、塗膜の加熱焼
き付けが100〜250℃、好ましくは120〜230
℃で60〜1分間という条件で達成されるという利点を
有する。
【0038】なお、塗膜の光沢を調整する必要がある場
合は、常用の無機又は有機のツヤ消剤を添加すればよ
い。また、着色が必要な場合には、市販の有機顔料、無
機顔料、有機染料、及びこれらを複合化した顔料もしく
は染料等の着色材を分散もしくは混合添加すればよい。
【0039】
【実施例】以下、本発明をより具体的に説明するため実
施例を示す。なお、実施例中の部は、特にことわりのな
い限り重量部を示すものである。
【0040】合成例 [含フッ素重合体の合成例]特公昭61−49323号
に記載された方法に従って、テトラフルオロエチレン/
シクロヘキシルビニルエーテル/ヒドロキシブチルビニ
ルエーテル/エチルビニルエーテルのモル比が50/2
5/12/13であり、水酸基価44mgKOH/g 、酸価2
0mgKOH/g 、数平均分子量20000の含フッ素共重合
体を得た。
【0041】実施例 合成例の含フッ素共重合体100部に対してブトキシエ
タノール43部を加えてワニスとし、ジエチルアミノエ
タノール4.4部、脱イオン水165.1部を加え、含
フッ素共重合体水溶液を作成する。該樹脂水溶液31
2.5部、水溶性エポキシ樹脂アクリレート(東都化成
製)100部、酸触媒キャタリスト#6000(三井東
圧製)0.5部、紫外線吸収剤チヌビン1130(チバ
ガイギー製)3.0部、光安定剤サノールLS765
(三共製)0.5部を撹拌混合して組成物を調製した。
【0042】比較例 水溶性アクリル樹脂ウオーターゾルS−745(大日本
インキ製)250部を含フッ素共重合体水溶液のかわり
に用いる以外は実施例と同様の配合にて組成物を調製
た。
【0043】[ベースコート用塗料の製造例]スチレン
10部、メチルメタクリレート35部、エチルアクリレ
ート15部、n−ブチルメタクリレート25部及びアク
リル酸2部を、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル
を用いてキシレン中で重合させ、固形分48%のアクリ
ル樹脂溶液を得た。このアクリル樹脂溶液を用いて下記
配合で溶剤型ベースコートE−1を作成した。
【0044】 アクリル樹脂 200部 サイメル3031) 20部 p−トルエンスルホン酸溶液 4.0部 アルミペースト7770N2) 10.0部 注 1)三井サイアナミド社製メラミン樹脂 2)東洋アルミニウム社製アルミペースト 次にこのベースコートE−1をトルエン50部、酢酸エ
チル50部からなる混合溶剤で粘度13.5秒(フォー
ドカップ#4/20℃)に希釈して塗装に備えた。
【0045】[試験板の作成及びその評価]リン酸亜鉛
化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に自動車
用カチオン電着塗料を塗装し、170℃で30分焼き付
けた。次に自動車用中塗り塗料を塗装し、140℃で3
0分焼き付けた後、#800のサンドペーパーで水研
し、乾燥させた後ホワイトガソリンで脱脂し、試験用の
素材とした。
【0046】この素材上にベースコート用塗料E−1
を、粘度13.5秒に調整した後エアスプレーで乾燥膜
厚16μとなるように塗装し、室温で3分間放置後、
施例及び比較例の水性クリヤーコート塗料を脱イオン水
粘度28秒(フォードカップ#4/20℃)に希釈し
て、乾燥膜厚で30μの厚さになるようにウエットオン
ウエット塗装した。
【0047】次に、試験板を室温で10分間放置後、熱
風乾燥炉で140℃、30分間焼き付けて試験板を作成
した。このようにして得られた実施例、比較例の各試験
板について、塗膜性能、排出溶剤量を評価した結果を表
1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】1)三菱鉛筆製ユニを用いて傷硬度を測
定。 2)50℃×98%RHの恒温恒湿槽に120時間試験
板を入れ、取り出し直後の塗面状態を評価する。 3)レギュラーガソリン(日本石油製)に20℃で24
時間浸漬後外観を目視評価する。 4)10%硫酸0.3ccを塗面にスポットし、20℃
で24時間放置した後水洗し塗面を観察した。 5)10%水酸化ナトリウム水溶液0.3ccを塗面に
スポットし、20℃で24時間放置した後水洗し塗面を
観察した。 6)QUVで3000時間促進曝露した後の塗膜を観察
し光沢保持率を評価した。 7)塗面に水滴を0.15mlスポットし、接触角を測
定した。 8)1m2 の塗膜を形成する際の有機溶剤排出量、溶液
型塗料を100とする。
【0050】
【発明の効果】本発明の水性塗料組成物は溶剤排出規制
に対応して、排出有機溶剤源を削減し、かつ、耐候性、
撥水性、耐薬品性など上塗塗料として求められる高機能
を備えたメンテナンスフリー塗膜を与える塗料組成物と
して極めて有用であり、地球環境保護及び耐久性向上に
よる資源保護に寄与するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フルオロオレフィン及びエチレン性
    不飽和化合物の共重合体であり、フルオロオレフィンに
    基づく重合した単位を30〜70%含有し、水酸基価3
    0〜200mgKOH/g 、酸価2〜200mgKOH/g 、数平均
    分子量3000〜40000である含フッ素重合体のカ
    ルボキシル基の少なくとも一部が、塩基性化合物で中和
    されてなる含フッ素共重合体水溶液または分散液 (B)エポキシ基をエポキシ当量で100〜2000含
    有する水溶性または水分散型化合物 (C)水 上記(A)〜(C)を必須成分として配合し、不揮発分
    の組成において(A)成分が50〜95重量%、(B)
    成分が5〜50重量%含有することを特徴とする水性塗
    料組成物。
JP28930691A 1991-10-08 1991-10-08 水性塗料組成物 Withdrawn JPH0598207A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28930691A JPH0598207A (ja) 1991-10-08 1991-10-08 水性塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28930691A JPH0598207A (ja) 1991-10-08 1991-10-08 水性塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0598207A true JPH0598207A (ja) 1993-04-20

Family

ID=17741478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28930691A Withdrawn JPH0598207A (ja) 1991-10-08 1991-10-08 水性塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0598207A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012057168A1 (ja) 2010-10-29 2012-05-03 新日本製鐵株式会社 電磁鋼板及びその製造方法
KR20170107568A (ko) 2015-02-05 2017-09-25 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 전자 강판
JPWO2018079774A1 (ja) * 2016-10-31 2019-09-19 Agc株式会社 車両内装部材用水性塗料、車両内装部材および車両内装部材の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012057168A1 (ja) 2010-10-29 2012-05-03 新日本製鐵株式会社 電磁鋼板及びその製造方法
US10669432B2 (en) 2010-10-29 2020-06-02 Nippon Steel Corporation Electrical steel sheet and method of manufacturing the same
KR20170107568A (ko) 2015-02-05 2017-09-25 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 전자 강판
JPWO2018079774A1 (ja) * 2016-10-31 2019-09-19 Agc株式会社 車両内装部材用水性塗料、車両内装部材および車両内装部材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2050055A1 (en) Water dilutable copolymer, its preparation and its use and aqueous coating compositions
JPH05179191A (ja) 水性塗料組成物
JP3981239B2 (ja) 一回塗装仕上げ用防食塗料組成物
JPH0598207A (ja) 水性塗料組成物
JP3465810B2 (ja) 塗料組成物
WO2002068552A1 (fr) Composition de resine pour matiere de revetement a base d'eau
EP0312834B1 (en) Coating composition
US4272621A (en) Water thinnable coating compositions from aminoalkylated interpolymers
JP4444432B2 (ja) エポキシ樹脂系エマルション及びこれを含む水性塗料組成物
JPH0910672A (ja) 粉体塗料により形成された塗膜を有する物品
JP3243165B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法
JP2003055611A (ja) 低汚染型水性塗料組成物
JP2873151B2 (ja) 水性プライマー組成物
JP3117511B2 (ja) 塗料用組成物および塗装方法
JPH04239072A (ja) 水性塗料組成物
JP2002167546A (ja) 一回塗装仕上げ用防食塗料組成物
JPH10503534A (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物
JP3502949B2 (ja) 上塗り塗料用組成物から得られる硬化物
US20130197155A1 (en) Aqueous coating composition, and two-pack type curable aqueous coating kit
CA1082840A (en) Use of low molecular weight oxazolines as neutralising agents for anionic water dilutable resins
JPH0931401A (ja) 非汚染塗料用組成物
JPS58133873A (ja) 防食被覆方法
JPH1088065A (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物およびそれを用いてなる塗装物
JP5411401B2 (ja) 高硬度、高耐候性の電着塗料組成物
JP2000044836A (ja) 水性低汚染塗料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990107