JP3465810B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP3465810B2 JP26097296A JP26097296A JP3465810B2 JP 3465810 B2 JP3465810 B2 JP 3465810B2 JP 26097296 A JP26097296 A JP 26097296A JP 26097296 A JP26097296 A JP 26097296A JP 3465810 B2 JP3465810 B2 JP 3465810B2
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日本油脂Basfコーティングス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は塗料組成物に関す
る。さらに詳しくいえば、本発明は樹脂成分中に化学的
に結合し得る特定の含フッ素共重合体と硬化剤と金属酸
化物ゾルとを必須成分として含有する塗料組成物であっ
て、耐汚染性、汚染除去性、耐候性、耐薬品性、耐湿性
および外観に優れた硬化塗膜を与え、かつ環境保全性や
安全性が高い塗料組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、大気汚染等の環境変化に伴い空気
中に含まれる油滴や塵埃などが多くなり、その結果、建
造物や自動車などに塗装された塗膜が以前に比べて汚染
されやすくなるとともにその汚れが除去しにくい等の問
題が生じている。このようなことから塗膜の性能として
も光沢、外観、耐水性、耐薬品性の良好な塗膜であると
ともに汚染に対する耐性、即ち耐汚染性や、汚染された
塗膜からの汚染物の除去性、即ち汚染除去性も併せもつ
ことが望まれるようになってきている。また塗料として
も環境保全性及び安全性に優れた塗料組成物の創出が望
まれている。ところで従来より使用されている耐汚染性
塗料は含フッ素樹脂を主要成分とするもので、その耐汚
染性は含フッ素樹脂の耐候性によるものであった。含フ
ッ素樹脂は、(1)フッ素原子−炭素原子間の結合エネ
ルギーが大きいことに起因する安定性、並びに(2)水
素原子よりもフッ素原子の原子半径が大きいこと及びフ
ッ素分子間の分極率が低い(0.68×10-24CC)
ため表面自由エネルギーが低いことに起因する撥水性、
撥油性によりその機能を発現している。また、フッ素樹
脂を塗料用として用いるためには溶剤に対する溶解性を
向上させる等の目的から、フルオロオレフィンとシクロ
ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル単量体との
共重合体とするもの(特開昭57−34107号公
報)、含フッ素共重合体とアクリル共重合体との樹脂混
合物の形態で用いられるもの(特開昭61−12760
号公報)などがある。しかしながらこれらは含フッ素単
量体に基づく部分が少なくなり、含フッ素樹脂本来の高
耐候性、耐汚染性が充分発揮されていないのが現状であ
る。また塗料用の含フッ素樹脂の耐候性、耐汚染性を改
良するものとして、フルオロオレフィンとβ−メチル置
換α−オレフィンと化学的硬化反応性基を有する単量
体、及びエステル基を側鎖に有する単量体等との共重合
体が提案されている(特開平4−279612号公
報)。しかしながら汚染除去性については未だ充分では
ない。一方耐汚染性の改良については有機ケイ素化合物
の部分縮合物と特定のシリカ微粒子を配合してなるコー
ティング組成物が提案されている(特開平2−3468
号公報)。しかしながらこの公報においてはコーティン
グ組成物に使用する樹脂成分については詳細な記載がな
されていない。さらにアクリルポリオール樹脂、結合
剤、無機質オルガノゾル及び溶剤を含有する塗料用組成
物が提案されている(特開平4−173882号公
報)。しかしながらこの塗料組成物は耐汚染性及び耐候
性についてはある程度改良されているものの汚染除去性
が不充分であるという欠点を有している。このように耐
汚染性、汚染除去性、耐候性がともに優れる塗膜を与え
る塗料組成物はいまだ見いだされていないのが現状であ
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
情の下で耐汚染性、汚染除去性及び耐候性に優れ、かつ
良好な耐水性、耐薬品性、外観などを有する塗膜を与
え、さらに環境保全性や安全性にも優れる塗料組成物を
提供することを目的としてなされたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは前記特性を
有する塗料組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
特定の含フッ素共重合体(A)と硬化剤(B)と金属酸
化物ゾル(C)とを含有する塗料組成物がその目的に適
合し得る事を見いだし、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち本発明は、 [1] (1)、式(I):−CF2−CFX− (I) (式中、Xはフッ素原子、塩素原子、水素原子またはト
リフルオロメチル基である)で表されるフルオロオレフ
ィン構造単位(1)、(2)、式(II): 【0005】 【化2】 【0006】(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基で
ある)で表されるβ−メチル置換α−オレフィン構造単
位(2)、(3)化学的硬化反応性基を有する単量体に
基づく構造単位(3)、(4)エステル基を側鎖に有す
る単量体に基づく構造単位(4)、および(5)他の共
重合可能な単量体に基づく構造単位(5)を含み、数平
均分子量1000〜500000である含フッ素共重合
体(A)と硬化剤(B)とを含む硬化性組成物におい
て、シランカップリング剤により表面処理された酸化ケ
イ素ゾルの分散体からなる金属酸化物ゾル(C)を含有
することを特徴とする塗料組成物である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の塗料組成物において用い
られる含フッ素共重合体(A)は、前記(1)〜(5)
の構造単位を含む共重合体である。以下、含フッ素共重
合体(A)を構成する各構造単位について説明する。 【0008】構造単位(1)を与える単量体はテトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフ
ルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンであ
る。構造単位(1)の含フッ素共重合体(A)中におけ
る含有割合は20〜60モル%である。20モル%未満
の場合は塗膜の耐候性が劣り、60モル%を超える場合
は含フッ素共重合体(A)の溶媒への溶解性が劣る。 【0009】構造単位(2)を与える単量体はイソブチ
レン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペン
テン、2−メチル−1−ヘキセンなどであり、その含フ
ッ素共重合体(A)中における含有割合は5〜45モル
%である。5モル%未満の場合は塗膜の耐候性が劣り、
45モル%をこえる場合は含フッ素共重合体(A)の合
成が困難となる。また構造単位(1)と(2)の合計量
の含フッ素共重合体(A)中における含有割合は40〜
90モル%、好ましくは50〜85モル%である。40
モル%未満の場合は塗膜の耐候性、耐汚染性、耐熱黄変
性、耐薬品性に劣り、90モル%を越える場合は含フッ
素共重合体(A)の溶解性が劣り、また塗膜の光学的性
質も劣る。 【0010】構造単位(3)は水酸基、ビニルエーテル
でブロックされた水酸基、エポキシ基、カルボキシル
基、ビニルエーテルでブロックされたカルボキシル基、
アミノ基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート
基、シリル基などの化学的硬化反応性基を有する単量体
に基づくものである。これらの化学的硬化反応性基の
内、好ましいものは水酸基である。構造単位(3)の含
フッ素共重合体(A)中における含有割合は1〜45モ
ル%、好ましくは1〜30モル%、特に好ましくは5〜
15モル%であり、1%未満では硬化性が不十分とな
り、また45モル%を越える場合は含フッ素共重合体
(A)のゲル化が生じ易く、保存安定性に劣り、また得
られる塗膜がもろくなる。水酸基を有する単量体として
は、例えば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−
ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプ
ロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエ
ーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエー
テル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒ
ドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチ
ルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテ
ル、グリセロールモノアリルエーテルなどのビニルエー
テル類、アリルエーテル類があげられる。 【0011】エポキシ基を有する単量体としては、例え
ばグリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテ
ル、グリシジル(メタ)アクリレート、1,4−ペンタ
ジエンモノエポキサイドなどがあげられる。 【0012】シリル基を有する単量体としてはビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルジメチルメトキシシラン、トリメトキシシリ
ルエチルビニルエーテル、γ−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシランなどがあげられる。そ
のほか構造単位(3)を与える単量体としては特開平4
−279612号公報に記載されている単量体があげら
れる。 【0013】構造単位(4)を与えるエステル基を側鎖
に有する単量体としては重合性不飽和基とエステル基を
有するものであれば何であってもよいが、好ましいもの
としてはカルボン酸ビニルエステル、ジカルボン酸のジ
エステルがあげられる。カルボン酸ビニルとしては、例
えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イ
ソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、
バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息
香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボ
ン酸ビニル、ヘキサフルオロプロピオン酸ビニル、トリ
クロロ酢酸ビニルなどがあげられ、ジカルボン酸のジエ
ステルとしては、例えばマレイン酸またはフマル酸のジ
メチル、ジエチル、ジプロピル、ジブチル、ジフェニ
ル、ジベンジル、ジトリチル、ジトリフルオロメチル、
ジトリフルオロエチル、ジヘキサフルオロプロピルエス
テルなどがあげられる。 【0014】構造単位(4)の含フッ素共重合体(A)
中の含有量は1〜45モル%、好ましくは5〜40モル
%、特に好ましくは10〜30モル%である。1モル%
未満の場合は含フッ素共重合体(A)の溶解性、相溶性
などが劣り、またガラス転移温度が低くなるなど好まし
くない。また45モル%を超える場合は塗膜の耐候性に
劣り好ましくない。構造単位(4)は共重合体(A)の
相溶性、ガラス転移温度、顔料分散性、および得られる
塗膜の光沢、耐汚染性、硬度、基材への密着性の改善に
寄与する。 【0015】構造単位(1)〜(4)に加えて、共重合
可能な他の単量体に基づく構造単位(5)を、含フッ素
共重合体(A)中に45モル%以下、好ましくは1〜1
5モル%含有せしめ、構造単位(1)〜(4)が与える
前記特性を損なわずに、該他の単量体が有する他の性質
を付与せしめることができる。他の単量体としては例え
ばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−
プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチル
ビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オ
クチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエー
テル、2−アセトキシエチルビニルエーテル、2−クロ
ロエチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル
類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテル、メチルシクロヘキシルビニルエーテル、
シクロオクチルビニルエーテル、などのシクロアルキル
ビニルエーテル類;ベンジルビニルエーテル、フェネチ
ルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、2−フェ
ノキシエチルビニルエーテル、安息香酸2−ビニロキシ
エチルなどの芳香族基を有するビニルエーテル類;2,
2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、2,2,
3,3−テトラフルオロプロピルビニルエーテル、2,
2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルビニルエーテ
ル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ
ペンチルビニルエーテル、2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカ
フルオロノニルビニルエーテル、パーフルオロメチルビ
ニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パ
ーフルオロプロピルビニルエーテルなどのフルオロアル
キルビニルエーテル類;フルオロアルキルエチレン類な
どが代表的なものとしてあげられる。そのほか、アクリ
ル酸またはメタクリル酸のエステル、たとえば、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オク
チル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリチルな
どのアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜18の
アルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタク
リル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メ
タクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチ
ル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸また
はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキル
エステル類;ビニル芳香族化合物、たとえば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロル
スチレンなども共重合することができる。 【0016】さらに構造単位(5)を与える他の単量体
のうち、構造単位(1)がテトラフルオロエチレンに基
づく構造単位(1a)の場合には、カルボキシル基を有
する単量体に基づく構造単位(5a)を含有せしめるこ
とが特に有効である。前記カルボキシル基を有する単量
体としては、重合性不飽和基を有するカルボン酸化合物
であれば何であってもよいが、たとえばアクリル酸、メ
タクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、桂皮酸、3−ア
リルオキシプロピオン酸、イタコン酸、イタコン酸モノ
エステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレ
イン酸無水物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタ
ル酸ビニル、ピロメリット酸ビニルなどがあげられる。
好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、ク
ロトン酸である。カルボキシル基を有する単量体に基づ
く構造単位(5a)は、水への分散性、硬化反応性や顔
料の該共重合体溶液への分散性を改善し、与える塗膜の
光沢、硬度、基材への密着性などを改善する。この場
合、構造単位(1a)/(2)/(3)/(4)/
(5)/(5a)のモル比は30〜60/5〜45/1
〜45/1〜45/0〜45/0.1〜15(ただし、
(1)+(2)が40〜90モル%)であるのが好まし
い。構造単位(5a)が0.1モル%未満の場合は前記
の特性が低下し、15モル%を超える場合は貯蔵安定性
に劣る場合がある。構造単位(1)〜(5)及び(5
a)はそれぞれ2種以上であってもよい。 【0017】これらの構造単位からなる本発明における
含フッ素共重合体(A)は、数平均分子量が1000〜
500000、好ましくは3000〜100000であ
り、ガラス転移温度は−40〜90℃、好ましくは−1
0〜70℃である。数平均分子量が1000未満では塗
膜の硬化が不十分となり、500000を越えると塗料
の粘度が大きくなり取り扱いが困難になる。 【0018】含フッ素共重合体(A)は、乳化、懸濁ま
たは溶液重合法などで前記単量体成分を共重合して得る
事ができる。重合温度、重合溶媒、重合開始剤などの具
体的重合条件は特開平4−279612号公報に記載さ
れている方法を用いる事ができる。また必要に応じて水
分散型、粉体型などの樹脂形態をとることができる。 【0019】本発明の塗料組成物は前記含フッ素共重合
体(A)と共に、硬化剤(B)を用いる。硬化剤(B)
が含フッ素共重合体(A)中の前記硬化反応性基と反応
して架橋するため、1分子中に官能基2個以上を有する
化合物であれば特に制限はない。本発明で用いる硬化剤
(B)としては塗料で用いる通常の硬化剤、たとえばイ
ソシアネート基やブロックまたはアダクトされたイソシ
アネート基含有化合物、アミノ樹脂類、水酸基またはビ
ニルエーテルでブロックされた水酸基含有化合物、カル
ボキシル基またはビニルエーテルでブロックされたカル
ボキシル基含有化合物、酸無水物類、ポリシラン化合
物、ポリエポキシ化合物、イソシアネート基含有シラン
化合物などをそのまま用いることができる。硬化剤
(B)の使用量は、前記の含フッ素共重合体(A)中の
化学的硬化反応性基1当量に対して0.1〜5当量、好
ましくは0.5〜1.5当量である。本発明の組成物は
通常0〜200℃で数分間ないし10日間程度で硬化さ
せることができる。 【0020】前記イソシアネート類の具体例としては、
たとえば、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジン
メチルエステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシ
ルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、n−ペ
ンタン−1,4−ジイソシアネート、これらの三量体、
これらのアダクト体やビュウレット体、これらの重合体
で2個以上のイソシアネート基を含有するもの、さらに
ブロック化されたイソシアネート類などがあげられるが
これらに限定されるものではない。 【0021】前記アミノ樹脂類の具体例としては、たと
えば尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
グリコールウリル樹脂のほか、メラミンをメチロール化
したメチロール化メラミン樹脂、メチロール化メラミン
をメタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコー
ル類でエーテル化したアルキルエーテル化メラミン樹脂
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。 【0022】酸無水物の具体例としては、たとえば無水
フタル酸、無水ピロメリット酸、水トリメリット酸な
どがあげられるがこれらに限定されるものではない。 【0023】ポリシラン化合物としては、ケイ素原子に
直接結合した加水分解性基およびSiO2基から選ばれ
2個以上の基を有する化合物またはそれらの縮合物であ
り、たとえば特開平4−279612号公報などに記載
されているものが使用できる。 具体例としては、ジメ
チルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジ
イソプロピルジプロポキシシラン、ジフェニルジブトキ
シシラン、ジフェニルエトキシシラン、ジエチルジシラ
ノール、ジヘキシルジシラノール、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルト
リブトキシシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、メ
チルトリシラノール、フェニルトリシラノール、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポ
キシシラン、テトラアセトキシシラン、ジイソプロポキ
シバレロキシシラン、テトラシラノールなどがあげられ
る。 【0024】ポリエポキシ化合物やイソシアネート基含
有シラン化合物としては、たとえば特開平4−2796
12号公報、特開平2−232250号公報、特開平2
−232251号公報などに記載されているものが使用
できる。好適な例としては、たとえばエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレ
ート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどがあ
げられる。 【0025】本発明で用いる金属酸化物ゾル(C)は金
属の酸化物の微粒子が水中または有機溶剤中に分散し流
動性をなすものであって、金属としては特に限定されな
いが、好ましくはアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム
およびアンチモンの酸化物のゾルの中から選ばれた少な
くとも1種の分散体があげられる。またこれらの酸化物
ゾルのうち、特に好ましいものは酸化ケイ素ゾルであ
る。これらの酸化物ゾルは、一般に粒径が5〜10μm
の水分散体として供給されることが多い。塗料が水系塗
料であれば前記水分散体をそのまま使用しても何ら差し
支えなく、また有機溶媒系であれば水系分散体を有機溶
媒系へ相転換して使用すれば何ら差し支えない。相転換
の一例としては、水系分散体中に水可溶な有機溶媒を添
加し、水を留去した後に同様な操作を繰り返し、所望の
有機溶剤中に相転換する方法が挙げられる。 【0026】これらの金属酸化物ゾルの中でも酸化ケイ
素ゾルはシランカップリング剤により容易に表面修飾を
することができる。この表面修飾により酸化ケイ素ゾル
の粒子表面に種々の有機官能基を導入することができる
ため、酸化ケイ素ゾルと樹脂や硬化剤などの有機成分と
の間に化学的な結合を介することができる。このように
金属酸化物ゾル(C)と有機成分とが化学的な結合を介
した場合は、結合を介しない場合よりも塗膜が強固にな
り耐汚染性,汚染除去性,耐候性が向上する。酸化ケイ
素ゾルの市販品として、水系分散体としてはスノーテッ
クス−O、スノーテックス−N(日産化学(株)製商品
名)などがあり、有機溶媒分散体としてはスノーテック
スMIBK−ST(日産化学(株)製商品名)などが挙
げられる。これらの酸化物ゾルは1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの
金属酸化物ゾル(C)成分はその固形分で塗料全固形分
中5〜60重量%、好ましくは5〜40重量%使用され
る。塗料固形分中5重量%未満であると酸化物ゾルの添
加効果が十分に発揮されず、耐汚染性、汚染除去性、耐
候性が向上しない。また60重量%を越えると金属酸化
物ゾルの比率が多すぎて塗膜の可撓性が失われるなどの
不具合を生じるため好ましくない。 【0027】本発明の塗料組成物を効率よく製造するた
めには、含フッ素共重合体(A)の合成溶剤中に金属酸
化物ゾル(C)を分散安定化した後に含フッ素共重合体
(A)を合成するか、あるいは含フッ素共重合体(A)
を合成した後に金属酸化物ゾル(C)を加熱下あるいは
非加熱下に添加して分散安定化することによるかのいず
れかの方法により得ることができる。得られた金属酸化
物ゾル(C)を分散安定化した樹脂溶液と硬化剤(B)
を混合して塗料組成物を製造することができる。また、
本発明の塗料組成物は前記含フッ素共重合体(A)、硬
化剤(B)、金属酸化物ゾル(C)の他に、必要に応じ
て溶剤、他の有機樹脂、反応触媒、硬化促進剤、顔料、
染料、顔料分散剤、レベリング剤、流動調節剤、紫外線
安定剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、消泡剤、ゲル
化防止剤、酸化防止剤およびその他の添加剤などを用い
ることができる。 【0028】溶剤としては通常塗料に用いられる溶剤を
そのまま用いることができる。例えば酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロ
ソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
トなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エー
テル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類;トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類;プロピレングリコールメチル
エーテルなどのアルコール類;ヘキサン、ヘプタンなど
の炭化水素類;これらの混合溶媒などがあげられる。 【0029】有機樹脂としては、例えばスチレンを含有
していてもよい(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、アルキッド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド
樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂、塩
化ビニル系樹脂(たとえば塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体など)、ケトン樹脂、石油樹脂、ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィン類の塩素化物、シリ
カゾルやケイ酸などの無機系樹脂、前記本発明における
含フッ素共重合体(A)以外の各種フッ素樹脂(たとえ
ばテトラフルオロエチレンやクロロトリフルオロエチレ
ンの単独重合体またはこれらと他の単量体との共重合体
など)などの1種または2種以上とブレンドできるがこ
れらのみに限定されるものではない。これらの樹脂のう
ち、特に相溶性に優れたアクリル系重合体との混合系が
好ましく、得られる塗膜に高光沢、高硬度、仕上がり外
観の良さを与える。 【0030】アクリル系重合体は従来より塗料用に使用
されているものがあげられるが、特に(i)(メタ)ア
クリル酸の炭素数1〜10のアルキルエステルの単独重
合体または共重合体、および(ii)側鎖および/また
は主鎖末端に硬化性官能基を有する(メタ)アクリル酸
エステル共重合体を好ましく用いる事ができる。例えば
特開平4−279612号公報に記されているアクリル
系単量体を共重合して得られる共重合体または市販品を
好ましく用いる事ができる。 【0031】硬化促進剤としては、たとえば有機スズ化
合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミ
ンとの反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸また
はその酸無水物、有機チタネート化合物、アミン系化合
物、オクチル酸鉛などがあげられる。硬化促進剤は必要
に応じて用い、1種を用いても良く、2種以上を併用し
ても良い。硬化促進剤の配合割合は共重合体100重量
部に対して1.0×10-6〜1.0×10-2重量部程度
が好ましく、5.0×10-5〜1.0×10-3重量部程
度がさらに好ましい。 【0032】前記有機スズ化合物の具体例としては、ジ
ブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジオ
クチルスズマレート、ジブチルスズジアセテート、ジブ
チルスズフタレート、オクチル酸スズ、ナフテン酸ス
ズ、ジブチルスズメトキシドなどがあげられる。 【0033】また、前記酸性リン酸エステルとはオルト
リン酸のモノアルキルまたはジアルキルエステルであれ
ばなんでもよいが、好ましくはアルキル基がメチル基、
エチル基、イソプロピル基、ブチル基からえらばれた1
種または2種以上であるモノアルキルまたはジアルキル
オルトリン酸エステルがあげられる。前記有機チタネー
ト化合物としては、たとえばテトラブチルチタネート、
テトライソプロピルチタネート、トリエタノールアミン
チタネートなどのチタン酸エステルがあげられる。 【0034】さらに前記アミン系化合物の具体例として
は、たとえばブチルアミン、オクチルアミン、ジブチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、キシレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニ
ジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メ
チルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.
0)ウンデセン−7(DBU)などのアミン系化合物、
さらにはそれらのカルボン酸などの塩、過剰のポリアミ
ンと多塩基酸より得られる低分子量ポリアミド樹脂、過
剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物などがあ
げられる。 【0035】顔料の具体例としては、たとえば酸化チタ
ン、炭酸カルシウムもしくはカーボンブラックなどの無
機顔料;フタロシアニン系、キナクリドン系もしくはア
ゾ系などの有機顔料;ガラスフレーク、マイカフレーク
などの光輝剤、フィラーなどがあげられるが、これらの
みに限定されるものではない。顔料の添加量は通常共重
合体に対して約200重量%までである。 【0036】塗料の形態としては溶剤型塗料の他に水分
散型塗料、非水分酸型塗料、粉体塗料、電着型塗料など
必要に応じて適宜選択する事ができる。 【0037】本発明の塗料組成物は、溶剤溶解性に優
れ、形成された塗膜は高度の耐候性を有し、耐汚染性や
耐薬品性、光学的性質、機械的性質、基材への密着性、
耐熱黄変性などに優れたものであり、通常の硬化用組成
物と同様に、建材、内装材などの屋内用あるいは屋外用
として、自動車部品用たとえばボディー、バンパー、ス
ポイラー、ミラー、ホイールなどへの塗装用として、ま
た航空機、船舶、電車などの外装用または内装用とし
て、その被塗物の材質としては特に限定されなく例えば
金属、コンクリート、プラスチック、木材などに直接あ
るいはウォッシュプライマー、錆止め塗料、エポキシ塗
料、アクリル樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料などの下
塗り塗料の上に重ねて塗装することができる。さらに、
シーリング剤やフィルム形成剤としても使用できる。さ
らには塗料のみならずインク、接着剤、成型品などにも
用いることができる。 【0038】 【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。尚、樹脂の分析、試験板の作成および塗膜性能
の評価は次のようにして行った。 (1)樹脂の分析 分子量はGPC法で数平均分子量を測定した。またガラ
ス転移温度はDSC法により測定した。 (2)試験板の作成 SUS−304、SPV−HL板に、焼き付け型エポキ
シ樹脂塗料(エピコプライマーNo.1000 BF
2:日本油脂(株)製商品名)を乾燥膜厚で20μmに
なるように塗装した後に160℃で20分間焼き付け
た。さらに、その上にウレタン樹脂塗料(ハイウレタン
No.5000(白)51HA、日本油脂(株)製商品
名)を乾燥膜厚が25μmになるように塗装した後、8
0℃で30分間強制乾燥した。さらに一晩放置したもの
を試験板として使用した。 【0039】(3)塗膜の評価方法 (a)60゜光沢:JIS Z8741、60度鏡面光
沢(Gs60゜)を求めた。 (b)鮮映性:目視観察により次の基準に従い評価し
た。 ○;塗膜に蛍光灯を移すと蛍光灯が鮮明に写る。 △;塗膜に蛍光灯を移すと、蛍光灯の周囲(輪郭)がや
やぼやける。 ×;塗膜に蛍光灯を移すと、蛍光灯の周囲(輪郭)が顕
著にぼやける。 (c)鉛筆硬度:JIS K5400 8.4.2に準
拠して求めた。 (d)付着性:JIS K5400 8.5.1に準拠
して求めた。 (e)耐キシレンラビング性:試験片の表面をキシレン
をしみこませたネルで100往復ラビングした際の表面
状態の変化を目視観察し、次の基準に従い耐キシレンラ
ビング性を評価した。 ○;原状試験片と比べて試験片のつやに変化がない。 △;原状試験片と比べて試験片のつやに変化が少しあ
る。 ×;原状試験片と比べて試験片のつやに変化が顕著にあ
る (f)耐油性マーカー汚染性:油性マーカーで試験片の
塗膜上に線を引き、80℃で5時間加熱した後、キシレ
ンをしみ込ませたネルによりその線を拭き取った後の表
面状態の変化を目視観察し、次の基準に従い油性マーカ
ー汚染性を評価した。 ○;試験片の油性マーカーの線が完全に拭き取られ、痕
跡が残っていない。 △;試験片の油性マーカーの痕跡が、わずかに残る。 ×;試験片の油性マーカーの痕跡が、はっきりと残る。 (g)耐屋外汚染性:塗板を屋外に1ヶ月間暴露した
後、SMカラーコンピューターSM−4−MCH(スガ
試験機(株)製商品名)にて暴露後のL値を測定し、暴
露後のL値から暴露前のL値を引いた値を△Lとして求
め、評価した。 (h)促進耐候性試験:JIS D 0205 5.4
のサンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機による
試験によって60゜光沢の保持率(%)(JISK−5
400(1990)7.6)を求めた。 (i)耐酸性:JIS K5400 8.22に準拠し
て耐酸性試験を行い、次の基準に従い耐酸性を評価し
た。 ○;原状試験片と比べて試験片のつやに変化や変色がな
い。 △;原状試験片と比べて試験片のつやに変化や変色が少
しある。 ×;原状試験片と比べて試験片のつやの変化や色調が大
きく変化している。 (j)耐アルカリ性:JIS K5400 8.21に
準拠して耐アルカリ性試験を行い、次の基準に従い耐ア
ルカリ性を評価した。 ○;原状試験片と比べて試験片のつやに変化や変色がな
い。 △;原状試験片と比べて試験片のつやに変化や変色が少
しある。 ×;原状試験片と比べて試験片のつやの変化や色調が大
きく変化している。 (k)耐湿性:相対湿度95%以上で、40±1℃の条
件下に240時間曝した後、取り出し2時間後の表面状
態を目視観察し次の基準に従い評価した。 ○;原状試験片と比べて試験片のつや、表面状態に変化
がない。 △;原状試験片と比べて試験片のつやの変化、ふくれ
(ブリスター)が少しある。 ×;原状試験片と比べて試験片のつやの変化、ふくれ
(ブリスター)が顕著にある。 【0040】製造例1 (シランカップリング剤処理済
み酸化ケイ素ゾルの製造) 攪拌装置、温度計、ディーン・スタークトラップ付きの
還流管及び滴下ロートを装備した反応容器にスノーテッ
クスMIBK−ST(酸化ケイ素ゾルの有機溶媒分散
体、平均粒径:30nm、日産化学(株)製商品名)1
000重量部、A−163(シランカップリング剤、日
本ユニカー(株)製商品名)40重量部を仕込み、80
℃で8時間、加熱ホールドすることにより1020重量
部のシランカップリング剤処理済み酸化ケイ素ゾルを得
た。固形分は45重量%である。 【0041】製造例2 (含フッ素共重合体樹脂溶液の
製造) 特開平4−279612号公報に記載の含フッ素共重合
体の製造方法、分析方法に従い、単量体を適宜選択し
て、本発明の構造単位(1)〜(5)及び(5a)の構
造単位を所定の割合で含有する含フッ素共重合体F−1
〜F−9を合成した。各樹脂を合成するために用いた単
量体と、得られた含フッ素共重合体中の各構造単位の含
有割合、及び得られた樹脂の特性について表1に示す。
次に含フッ素共重合体樹脂溶液F−1〜F−9のそれぞ
れをシクロヘキサノンで希釈し、樹脂固形分が一律に5
0重量%に調整したFS−1〜FS−9を得、以下の実
験に使用した。 【0042】試験例1 (含フッ素樹脂溶液とシリカゾ
ルとの混合試験) 製造例2で得られたFS−1〜FS−9と、製造例1で
得られたシラン処理済み酸化ケイ素ゾルとを重量比で8
/1(樹脂自体に対しては4/1)の割合で混合し、シ
リカゾル混合樹脂溶液を得た。この混合樹脂溶液をガラ
ス板に流し塗りし、80℃で30分間加熱することによ
り乾燥膜を得た。得られた乾燥膜の観察から、両成分の
相溶性、透明性、耐熱黄変性を目視評価した。その結果
を表1に示した。 【0043】 【表1】 【0044】実施例1 (クリヤー塗料の製造) 製造例2で得られたFS−1を用いて、表2に示す配合
で原料を混合、攪拌してクリヤー塗料を得た。得られた
塗料をソルベッソ#100(エッソ株式会社製商品名)
/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の混合溶剤
にてフォードカップNo.4の20℃における粘度が1
5秒になるように希釈した。この希釈塗料をエア霧化型
スプレー(霧化圧5kg/cm2)で前記試験板上に乾
燥膜圧が30μmになるように塗装した後、80℃で3
0分間強制乾燥し、さらに室温で3日間放置した後、塗
膜性能を評価した。塗料の配合と塗料の特性を表2に、
塗膜の評価結果を表3に示す。 【0045】実施例2〜9 (クリヤー塗料の製造) 以下、実施例1のFS−1をFS−2〜FS−9のそれ
ぞれに置き換えたほかはFS−1の場合と全く同様にし
て実施例2〜9のクリヤー塗料を製造し、同様に塗装し
て塗膜を得た。以上の各実施例について塗料製造の配合
と各塗料の特性を表2に、塗膜の評価結果を表3に示
す。 【0046】 【表2】【0047】表2の注 (*1)ソルベッソ#100/シクロヘキサノン=50
/50(重量比) (*2)アクリル共重合体、三菱レーヨン(株)製商品
名 (*3)イソホロンジイソシアネートのトリメチロール
プロパンアダクト、武田薬品(株)製商品名 (*4)製造例1で製造したシランカップリング剤処理
済み酸化ケイ素ゾル (*5)紫外線吸収剤、チバガイギー社製商品名 (*6)ヒンダードアミン系酸化防止剤、チバガイギー
社製商品名 (*7)表面調整剤、ビックケミー社製商品名 (*8)消泡剤、ビックケミー社製商品名 (*9)消泡剤、ビックケミー社製商品名 【0048】 【表3】 【0049】実施例10 (エナメル塗料の製造) 製造例2で得られたFS−1を用いて、表4に示す配合
で原料Aを混合した後,モーターミル(アイガージャパ
ン社製)にて3000rpmで40分間分散し顔料分散
樹脂溶液を得た.次にこの顔料分散樹脂溶液に、表4に
示す配合で原料Bを混合しエナメル塗料を得た。得られ
た塗料をソルベッソ#100/シクロヘキサノン=50
/50(重量比)の混合溶剤にてフォードカップNo.
4の20℃における粘度が15秒になるように希釈し
た。この希釈塗料をエア霧化型スプレー(霧化圧5kg/
cm2)で前記試験板上に乾燥膜厚が30μmになるよう
に塗装した後、80℃で30分間強制乾燥し評価用の試
験板を得た。得られた試験板をさらに室温で3日間放置
した後、塗膜性能を評価した。塗料の配合と塗料の特性
を表4に、塗膜の評価結果を表5に示す。 【0050】実施例11〜18 (エナメル塗料の製
造) FS−1をFS−2〜9のそれぞれに置き換えたほか
は、FS−1の場合と全く同様にして実施例11〜18
のエナメル塗料を製造し,さらに塗装して評価用の試験
板を得た。塗料配合と塗料特性を表4に、塗膜の評価結
果を表5に示す。 【0051】 【表4】 【0052】 【表5】【0053】比較製造例 (含フッ素共重合体樹脂溶液
の製造) 特開平4−279612号公報に記載の含フッ素共重合
体の製造方法、分析方法に従い、単量体を適宜選択し
て、本発明での構造単位(1)〜(5)の一部を欠いた
共重合体FH−1〜FH−3を合成した。各樹脂を合成
するために用いた単量体と、得られた含フッ素共重合体
の樹脂中の各構造単位の含有割合、及び得られた樹脂の
特性について表6に示す。次に含フッ素共重合体樹脂溶
液FH−1〜FH−3のそれぞれをシクロヘキサノンで
希釈し、樹脂固形分が一律に50重量%に調整したFH
S−1〜FHS−3を得た。このものを用いて試験例1
に示した方法によるシリカゾルとの混合試験結果を行
い、結果を表6に示した。 【0054】 【表6】 【0055】比較例1〜8 比較製造例で得た含フッ素共重合体樹脂溶液FHS−1
〜FHS−4と製造例2で得たFS−4〜FS−6を用
いて、実施例1および10と同様にしてクリヤー塗料、
エナメル塗料を得た。さらに実施例と同様にして評価用
試験板を得た。塗料の配合と特性を表7、8に、塗膜の
評価結果を表9、10に示す。 【0056】 【表7】 【0057】 【表8】 【0058】 【表9】 【0059】 【表10】 【0060】比較例1、2、3および5、6、7は本発
明の構造単位のいずれかを欠いた含フッ素樹脂を用いた
ため、クリヤー塗料、エナメル塗料とも鮮映性に劣り、
かつ耐汚染性も低下する結果となり好ましくない。また
比較例4および8は本発明の金属酸化物ゾルを含まない
塗料組成物の場合であり、クリヤー塗料、エナメル塗料
とも塗膜硬度が低下し、汚染除去性、耐汚染性、耐候性
ともに低下する結果となり好ましくないことがわかる。 【0061】 【発明の効果】本発明の塗料組成物は、金属酸化物ゾル
成分を含有してなる塗料組成物であって、耐候性、耐汚
染性、汚染除去性に優れ、かつ良好な外観、耐水性、耐
薬品性を有する塗膜を与える上、環境保全性や安定性が
高いなど優れた特徴を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−279612(JP,A) 特開 昭63−37167(JP,A) 特開 平7−224245(JP,A) 特開 平8−60099(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/12,7/12,5/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (1)、式(I):−CF−CFX− (I) (式中、Xはフッ素原子、塩素原子、水素原子またはト
    リフルオロメチル基である)で表されるフルオロオレフ
    ィン構造単位(1)、(2)、式(II): 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基である)で表さ
    れるβ−メチル置換α−オレフィン構造単位(2)、
    (3)化学的硬化反応性基を有する単量体に基づく構造
    単位(3)、(4)エステル基を側鎖に有する単量体に
    基づく構造単位(4)、および(5)他の共重合可能な
    単量体に基づく構造単位(5)を含み、数平均分子量1
    000〜500000である含フッ素共重合体(A)と
    硬化剤(B)とを含む硬化性組成物において、シランカ
    ップリング剤により表面処理された酸化ケイ素ゾルの分
    散体からなる金属酸化物ゾル(C)を含有することを特
    徴とする塗料組成物。
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