JPH0598190A - 熱硬化形水性塗料 - Google Patents

熱硬化形水性塗料

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JPH0598190A
JPH0598190A JP3286987A JP28698791A JPH0598190A JP H0598190 A JPH0598190 A JP H0598190A JP 3286987 A JP3286987 A JP 3286987A JP 28698791 A JP28698791 A JP 28698791A JP H0598190 A JPH0598190 A JP H0598190A
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thermosetting
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱硬化形水溶性樹脂組成物に、(a)1分子
内に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を含
有する重合性モノマーおよび(b)該モノマー(a)以
外のラジカル重合性不飽和モノマーを、分子内にアリル
基を含有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合せしめて
得られるゲル化重合体微粒子を配合してなることを特徴
とする熱硬化形水性塗料。 【効果】 塗料中の固形分含有率が高くなっても粘度は
あまり上昇せず、しかも塗膜にワキやタレなどを発生さ
せることなく厚膜に塗装できる熱硬化形水性塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料中の固形分含有率
が高くなっても粘度はあまり上昇せず、しかも塗膜にワ
キやタレなどを発生させることなく厚膜に塗装できる熱
硬化形水性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】水性塗料は、主として水を溶
媒もしくは分散媒とし、有機溶剤を殆どまたは全く含有
していないので、大気汚染防止、省資源ならびに毒性や
災害防止などの点から好ましく、近年その需要がますま
す高まっている。たとえば、水溶性のアクリル樹脂やア
ルキド樹脂にアミノ樹脂などの硬化剤を配合してなる熱
硬化形水溶性塗料が知られている。しかし、該水溶性塗
料は当然ながら水を多量に含んでいるので、塗面にピン
ホールなどのワキやタレなどが必然的に発生しやすく、
厚膜で平滑性にすぐれた塗膜に仕上げることは極めて困
難であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した欠陥を
解消し、塗料中の固形分含有率が高くなっても該塗料の
粘度はそれほど上昇せず、しかもワキやタレなどを殆ど
発生させずに厚膜に、かつで平滑性にすぐれた塗膜に仕
上げられる水性塗料に関し、その特徴は従来の塗料用水
溶性樹脂組成物に特定のゲル化重合体微粒子を配合した
ところにあり、その結果上記欠陥を解消でき本発明を完
成した。
【0004】すなわち、本発明は、熱硬化形水溶性塗料
用樹脂組成物に、(a)1分子内に少なくとも2個のラ
ジカル重合可能な不飽和基を含有する重合性モノマーお
よび(b)該モノマー(a)以外のラジカル重合性不飽
和モノマーを、分子内にアリル基を含有する反応性乳化
剤の存在下で乳化重合せしめて得られるゲル化重合体微
粒子を配合してなることを特徴とする熱硬化形水性塗料
に関する。
【0005】本発明の塗料(以下、「本塗料」と略記す
ることがある)は、塗装可能粘度における固形分含有率
が従来の水性塗料に比べて高いために、厚膜に塗装でき
る。具体的には、従来では塗装可能粘度における固形分
含有率は約55重量%未満であったが、本塗料では55
重量%以上である。しかも、本発明の水性塗料は低粘度
であり、具体的には同一固形分濃度で比べると従来の水
性塗料に比べて約50%以下である。さらに、たとえば
噴霧塗装などで被塗物に塗着した本塗料粘度は従来のも
のに比べて高く、流動しにくい。したがって、本塗料は
厚膜に塗装することができ、しかも加熱硬化させた塗面
にワキやタレなどが発生することは殆どない。
【0006】本塗料を構成する各成分について具体的に
説明する。 (1)熱硬化形水溶性塗料用樹脂組成物:これは、上記
ゲル化重合体微粒子を分散せしめ、かつ塗膜形成のため
の主成分であって、原則として基体樹脂と硬化剤とから
なっており、水にすみやかに溶解し、その溶液は濁りが
殆どなく、透明もしくはそれに近い。これらは既知のも
のが使用できる。
【0007】具体的には、基体樹脂としてはアルカリや
塩基性化合物で中和などして水溶性にしてなるアクリル
樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂およびポリエステル樹
脂などから選ばれた1種または2種以上が好適である。
また、硬化剤としてはメチロール化および(または)ア
ルキルエーテル化したメラミン樹脂や尿素樹脂などがあ
げられ、これらも水溶性であることが好ましい。また、
上記基体樹脂を主成分とする自己硬化型樹脂であっても
さしつかえない。基体樹脂と硬化剤との比率は任意に選
択できるが、該両成分の合計量にもとずいて、基体樹脂
は50〜90重量%、硬化剤は50〜10重量%の範囲
が適している。
【0008】(2)ゲル化重合体微粒子:上記(1)の
熱硬化形水溶性塗料用樹脂組成物の水溶液中に配合し分
散せしめるものであって、(a)1分子中に少なくとも
2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノ
マーおよび(b)該モノマー(a)以外のラジカル重合
不飽和モノマーを、分子内にアリル基を有する反応性乳
化剤の存在下で乳化重合せしめることによって得られ
る。
【0009】上記モノマー(a)には、多価アルコール
の重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩基酸の重
合性不飽和アルコールエステル及び2個以上のビニル基
で置換された芳香族化合物などが包含され、それらの具
体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
トリメチロールプロピントリメタクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリ
レート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロー
ルジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グ
リセロールアリロキシジメタアクリレート、1,1,1
−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,
1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレー
ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタ
クリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタ
ントリメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシ
メチルプロパンジアクリレート、1,1,1−トリスヒ
ドロキシメチルプロパントリアクリレート、1,1,1
−トリスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレート、
1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリメタ
クリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテ
レフタレート、ジアリルフタレートおよびジビニルベン
ゼンなどが挙げられる。
【0010】前記(b)のラジカル重合性不飽和モノマ
ーは1分子中にラジカル重合性不飽和基を1個有するも
ので、ゲル重合体微粒子を構成する残りの成分であり、
それらは以下に例示することができる。 I) カルボキシル基含有単量体、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマル酸など。 II) ヒドロキシル基含有単量体、例えば2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、アリルアルコール、メタアリルアルコールな
ど。 III ) 含窒素アルキル(メタ)アクリレート、例えば
ジメチルアミノエチル(メヌ)アクリレートなど。 IV) 重合性アミド、例えばアクリル酸アミド、メタク
リル酸アミド、N,N−ジメチルアクリル酸アミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル酸アミドなど。 V) 重合性ニトリル、例えばアクリルニトリル、メタ
クリルニトリルなど。 VI) アルキル(メタ)アクリレート、例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートなど。 VII ) 重合性グリシジル化合物、例えばグリシジル
(メタ)アクリレートなど。 VIII) 重合性芳香族化合物、例えば、スチレン、a−
メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン
など。 IX) a−オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン
など。 X) ビニル化合物、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなど。 XI) ジエン化合物、例えばブタジエン、イソプレンな
ど。 XII ) 加水分解性アルコキシシラン基含有単量体、例
えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリアセトオキシシランなど。
【0011】これらのモノマー(b)は、所望の特性に
応じて適宜選択され、それぞれ単独で用いてもよく、あ
るいは、2種またはそれ以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0012】本発明におけるゲル化重合体微粒子を構成
する前記モノマー(a)および(b)の配合割合は、厳
密に制限されない、一般には モノマー(a):1〜99重量%、好ましくは3〜20
重量% モノマー(b):1〜99重量%、好ましくは80〜9
7重量% の範囲内とすることができる。
【0013】モノマー(a)および(b)の乳化重合に
用いる分子内にアリル基を含有する反応性乳化剤として
は例えば以下のグループに属するものを挙げることがで
きる。
【0014】I)アリル基含有アニオン性反応性乳化剤 代表的なものとして下記の一般式または
【化1】 式中、R1 は水素またはメチル基を表わし、R2 は炭化
水素基または置換基を有する炭化水素またはオキシアル
キレン基を含む有機基を表わし、Aは炭素数2ないし4
個のアルキレン基または置換されたアルキレン基を表わ
し、nは0または正の数であり、Mはアルカリまたはア
ルカリ土類金属、アンモニウム、有機アミン塩基、また
は有機第四級アンモニウム塩基などを意味し、mはMの
原子価またはイオン価である、で示されるスルホン酸
塩:
【0015】または下記一般式又は
【化2】 式中、R1 は置換基を有してもよい炭化水素基、フェニ
ル基、アミノ基又はカルボン酸残基を表わし、R2 は水
素原子またはメチル基を表わし、Aは炭素数2ないし4
のアルキレン基を表わし、nは0ないし100の正の数
であり、Mは1価または2価の陽イオンを表わし、mは
Mのイオン価を表わす、で示されスルホコハク酸ジエス
テル塩:
【0016】また下記一般式
【化3】 式中、R1 は炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル
基、もしくはアラルキル基を表わし、R2 は水素または
炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはア
ラルキル基を表わし、Aは炭素数2〜4のアルキレン基
もしくは置換アルキレン基を表わし、nは2〜200の
整数であり、Mはアルカリ金属原子、NH4 アルカノー
ルアミン残基を表わす、で示される化合物などがある。
【0017】これらはそれ自体既知のものであり(例え
ば特公昭49−46291号公報、特開昭58−203
960号公報、特開昭62−221431号公報、特開
昭63−23725号公報など参照。)、エレミノール
JS−2(商品名三洋化成工業株式会社製)、ラテムル
Sシリーズ(商品名、花王株式会社製)、アクアロンH
Sシリーズ(商品名、第一工業製薬株式会社製)などと
して市販されている。
【0018】II) アリル基含有カチオン性反応性乳化
代表的なものとして下記一般式
【化4】 で示される第四級アンモニウム塩を有する反応性乳化剤
が挙げられる。このものはそれ自体既知であり(特開昭
60−78947号公報参照)、例えばラテルムK−1
80(商品名、花王株式会社製)として市販されてい
る。
【0019】III ) アリル基含有非イオン性反応性乳
化剤 代表的なものとして下記一般式
【化5】 式中、R1 は炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル
基もしくはアラルキル基を表わし、R2 は水素又は炭素
数4〜18のアラルキル基、アルケニル基もしくはアラ
ルキル基を表わし、Aは炭素数2〜4のアルキレン基も
しくは置換アルキレン基を表わし、nは2〜200の整
数である、で示されるる化合物が挙げられる。このもの
はそれ自体既知であり(特開昭62−100502号公
報参照)、例えばH−3355N(商品名、第一工業製
薬製)として市販されている。
【0020】上記乳化重合においては比較的低反応性の
基であるアリル基を含有する反応性乳化剤であれば、上
記アニオン性、カチオン性、非イオン性のいずれの反応
性乳化剤も前記代表例として例示したものに限定される
ことなく広く使用することができるが、重合中徐々に重
合体に取り込まれていく反応性乳化剤が適している。
【0021】非イオン性反応性乳化剤アニオン性反応性
乳化剤またはカチオン性反応乳化剤と任意の割合で混合
して使用でき、その混合比率は所望の特性に応じて適宜
選択される。
【0022】反応性乳化剤の使用量は、単独で使用する
場合も、また、アニオン性反応性乳化剤と非イオン性反
応性乳化剤の混合物またはカチオン性反応性乳化剤と非
イオン性反応性乳化剤の混合物として使用する場合も、
全量で、通常ゲル化微粒子重合体を形成するモノマー
(a)とモノマー(b)との合計100重量部に対して
一般に0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜5重量
部の範囲内とするのが適当である。
【0023】上記乳化重合に用いる重合開始剤として
は、下記一般式
【化6】 式中、Xは炭素原子数2〜12個の直鎖または分岐鎖ア
ルキレン基を表わす、
【0024】または
【化7】 式中、X1 、X2 及びX3 は少なくとも1個が水酸基で
あり、残りは水素である、で示される水溶性アゾアミド
化合物が特に適している。
【0025】これらのものはそれ自体既知であり(特開
昭61−218618号公報、特開昭61−63643
号公報参照)、例えばVAシリーズ(商品名、和光純薬
工業株式会社製)として市販されている。
【0026】重合開始剤の必要使用量は、当該技術分野
において明らかであり、一般的に、最適必要量はゲル化
微粒子重合体を形成するモノマー(a)とモノマー
(b)との和100重量部に対して0.1〜1.5重量
部の範囲内である。
【0027】上記(a)および(b)の不飽和モノマー
の共重合は、アクリル共重合体を製造するためのそれ自
体既知の方法である乳化重合法によって行なうことがで
きる。上記のモノマー混合物を水媒体中でアリル基を含
有する反応性乳化剤及び水溶性アゾアミド化合物重合開
始剤の存在下に通常約50〜100℃、好ましくは80
〜95℃の反応温度において約1〜約20時間反応を続
けることにより行なうことができる。
【0028】乳化重合によって得られるゲル化重合体微
粒子の水分散液は総重量に基づいて通常、約10〜40
重量%の樹脂固形分含有を有する、水分散液中のゲル化
微粒子重合体の粒径は一般に50〜200nm、より好
ましくは50〜150nmの範囲内である。粒径の調整
は分子内にアリル基を含有する反応性乳化剤の種類や量
を調整することによって行なうことができ、容易に所望
の範囲の粒径を有するゲル化微粒子重合体を得ることが
できる。
【0029】本塗料において、(1)熱硬化形水溶性樹
脂組成物と(2)ゲル化重合体微粒子との配合比率は特
に制限されないが、一般には、固形分重量を基準にし
て、前者100重量部あたり、後者0.1〜30重量
部、好ましくは3〜15重量部が適している。また、塗
料の固形分含有率は、必要に応じて配合することができ
る顔料や添加剤などを含めて(これらを配合しないこと
もある)、45〜75重量%、特に55〜65重量%が
好ましい。
【0030】本塗料は上記樹脂組成物と重合体微粒子と
を主成分とするが、さらに必要に応じて通常の着色顔
料、体質顔料、メタリック顔料、表面調整剤、硬化促進
用触媒、ハジキ防止剤、泡消剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、流動調整剤などから選ばれた1種以上を配合するこ
とができる。
【0031】また、本塗料における溶媒もしくは分散媒
は主として水であるが、さらに必要に応じて有機溶剤を
配合することができる。その量は目的に応じて任意に選
択でき、たとえば水100重量部あたり、30重量部以
下が好ましい。配合する有機溶剤の組成は制限されず、
特に本塗料は厚膜塗装が可能であるので高沸点溶剤も容
易に配合でき、その場合、非危険物として取り扱うこと
が可能である。
【0032】
【発明の効果】従来の水性塗料は水で希釈すると、その
粘度は緩やかなカーブに沿って低下する。このことは、
逆にいえば、該水性塗料の塗膜の乾燥硬化中の水分揮散
過程における粘度も緩やかに上昇することを意味してい
る。また、塗装適性粘度における固形分含有率が低いの
で、被塗物に塗着した直後の該水性塗料の固形分濃度は
有機溶剤系塗料に比べて低い。したがって、塗着した塗
料(ウエット塗膜)がタレやすく、その限界膜厚が小さ
いために、ワキ発生を防止するための高沸点溶剤を配合
することは困難である。
【0033】一方、特定のゲル化重合体微粒子を配合し
てなる本塗料の水希釈粘度低下曲線についてみると、高
固形分濃度域で一時的に粘度上昇(降伏点)が認めら
れ、それを通過すると徐々に粘度低下する傾向を有して
いる。つまり、この事実にもとづいて本塗料の塗膜形成
過程を考察すると、塗膜中の水分揮散にともなって固形
分含有率が高くなり、降伏点を経由することによって従
来に比べ粘度が高くなって、タレやワキなどの発生限界
膜厚を上昇できる。また、上記重合体微粒子のコア部は
3次元に架橋し、水中に安定に分散し、硬化剤とも容易
に反応するので、加熱硬化中に塗膜粘度の低下が防止で
き、厚膜を形成することが可能となった。また、有機溶
剤を配合する場合にも、高沸点のものを用いると非危険
物化とすることができる。さらに、高粘度塗装や塗料加
温が不用なので、静電効果(塗着効率、つきまわり性な
ど)の向上および常温塗装が可能となった。
【0034】本発明に関し、実施例に基いてさらに具体
的に説明する。なお、部および%は原則としていずれも
重量にもとづく。I ゲル化重合体微粒子の製造
【0035】撹拌装置、温度計、冷却管及び加熱マント
ルを備えた1000mlフラスコに、表1に示す脱イオ
ン水及び乳化剤を加え、撹拌しながら90℃まで昇温し
た。これに表1に示す重合開始剤12.5部を脱イオン
水500部に溶解した水溶液の20%を加えた。15分
後に表1に示すモノマー混合物の5%を加えた。つい
で、さらに30分間撹拌した後、残りのモノマー混合物
及び重合開始剤の滴下を開始した、モノマー混合物の滴
下は3時間で、重合開始剤の滴下は3.5時間かけてそ
れぞれ行ない、その間重合温度は90℃に保った。重合
開始剤水溶液の滴下終了後も30分間、90℃に保った
後室温に冷却し、濾布を用いて取り出し、固形分20%
のゲル化微粒子重合体水分散液を得た。
【0036】
【表1】
【0037】(注)表1において、 (*1)JS−2:スルホコハク酸系アリル基含有アニ
オン性反応性乳化剤、市販品、三洋化成「エレミノール
JS−2」39%水溶液 S−120A:スルホコハク酸系アリル基含有アニオン
性反応性乳化剤、市販品花王「ラテムルS−120A」
50%水溶液 HS−10:スルホン酸系アリル基含有アニオン性反応
性乳化剤、市販品 第一工業製薬、アクアロンHS−1
0 100%品 H−3355N:アリル基含有非イオン性反応性乳化
剤、市販品 第一工業製薬100%品 K−180:第四級アンモニウム塩系アリル基含有カチ
オン性反応性乳化剤、市販品 花王「ラテムルK−18
0」25%水溶液
【0038】(*2)カッコ内は固型分換算の使用量を
示す。 (*3)st:スチレン n−BA:n−ブチルアクリレート 1.6−HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート MAAc:メタクリル酸 KBM−503:γ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、市販品 信越化学工業 MMA:メチルメタクリレート
【0039】(*4)VA−086:水溶性アゾアミド
重合開始剤、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−
(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、市販
品 和光純薬工業 VA−080:水溶性アゾアミド重合開始剤、2,2′
−アソビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロ
キシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミ
ド]市販品 和光純薬工業
【0040】II 実施例および比較例 上記で製造したゲル化重合体微粒子を用いて本塗料(比
較用も含む。)を得た。これら各成分および配合量は表
2に示した。分散はペブルホールミルで行ない、塗料粘
度が70KU/20℃になるように上水を加えた。
【0041】
【表2】
【0042】表2において、 (1)配合量:いずれも固形分としての配合量である。
【0043】(2)基体樹脂 B−1:ホープゾールA3510(協和発酵工業(株)
製、商品名、アクリル変性アルキド樹脂、固形分含有率
70%) B−2:ホープゾールA3430(上記B−1と同じ) B−3:ウォーターゾールS−123(大日本インキ化
学工業(株)製、商品名、アルキド樹脂)
【0044】(3)硬化剤 H−1:スミマールM−30W(住友化学工業(株)
製、商品名、メラミン樹脂) H−2:ウォーターゾールS−695(大日本インキ化
学工業(株)製、商品名、メラミン樹脂) (4)BYK−301:BYK−Chemye Gmb
H製、商品名、表面調整剤
【0045】III 性能試験 リン酸亜鉛処理したダル鋼板に上記実施例および比較例
で得た本塗料(上水で、粘度25〜35秒/岩田カップ
/25℃に調整)をエアースプレーガン(ワイダーW7
1、岩田塗装機工業(株)製、商品名)を用いて乾燥塗
膜厚が25μになるように塗装し(塗料温度25℃、塗
装環境温度25℃)、室温で10分間放置してから13
0℃で20分焼付けて硬化せしめた。
【0046】このようにして塗装した塗板を用いて性能
試験を行ない、その結果を表3に示した。
【0047】
【表3】
【0048】表3の試験法は次のとおり。 (1)光沢および鮮映性については、ダル鋼板を垂直又
は水平にして塗料を塗装し、その状態で硬化せしめて測
定した。
【0049】(2)光沢:60°鏡面反射率 (3)鮮映性:鮮映性測定器JCBI−GGD−166
型Gd計(発売元 日本色彩研究所)を用いて測定し
た。角度を55°に固定して測定した。値が大きいほど
鮮映性が良好であることを意味する。
【0050】(4)タレ発生限界膜厚:被塗物(上記ダ
ル鋼板)をほぼ垂直に立て、膜厚が徐々に増加するよう
傾斜塗りを行い、10分間室温で放置後、電気式熱風乾
燥器にて130℃で20分間焼き付けた塗板を観察して
行った。タレ始める膜厚をタレ限界膜厚とした。
【0051】(5)ワキ発生限界膜厚:被塗物(同上)
を水平にして膜厚が徐々に増加するよう傾斜塗りを行
い、10分間室温で放置後、電気式熱風乾燥器にて13
0℃で20分間焼き付けた塗板を観察して行った。ワキ
始める場所の膜厚をワキ限界膜厚とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 167/06 PEJ 8933−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化形水溶性樹脂組成物に、(a)1
    分子内に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基
    を含有する重合性モノマーおよび(b)該モノマー
    (a)以外のラジカル重合性不飽和モノマーを、分子内
    にアリル基を含有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合
    せしめて得られるゲル化重合体微粒子を配合してなるこ
    とを特徴とする熱硬化形水性塗料。
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