JPH059804A - 蓄熱保温性に優れた合成繊維 - Google Patents
蓄熱保温性に優れた合成繊維Info
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- JPH059804A JPH059804A JP3185346A JP18534691A JPH059804A JP H059804 A JPH059804 A JP H059804A JP 3185346 A JP3185346 A JP 3185346A JP 18534691 A JP18534691 A JP 18534691A JP H059804 A JPH059804 A JP H059804A
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- synthetic fiber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薄手でありながら防寒衣料として充分に機能
を有する布帛に好適な蓄熱保温性合成繊維を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 平均粒径0.8μmの珪化ジルコニウムを
2.5重量%含有したポリエチレンテレフタレートを芯
成分とし、ポリエチレンテレフタレートを鞘成分とした
ものを芯/鞘=6/4(重量比)として複合溶融紡糸
し、延伸を行い、繊度2.5デニールの芯鞘型複合繊維
とする。
を有する布帛に好適な蓄熱保温性合成繊維を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 平均粒径0.8μmの珪化ジルコニウムを
2.5重量%含有したポリエチレンテレフタレートを芯
成分とし、ポリエチレンテレフタレートを鞘成分とした
ものを芯/鞘=6/4(重量比)として複合溶融紡糸
し、延伸を行い、繊度2.5デニールの芯鞘型複合繊維
とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱保温性良好な合成
繊維に関するものであり、詳しくは、防寒衣料、スポー
ツ衣料、レジャー用品等の用途に好適な蓄熱保温性合成
繊維に関するものである。
繊維に関するものであり、詳しくは、防寒衣料、スポー
ツ衣料、レジャー用品等の用途に好適な蓄熱保温性合成
繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の防寒衣料、スキー、スケート、登
山等のスポーツ衣料等には中綿等を用いた三層構造の衣
料が多かった。このような衣料は、表地、中綿、裏地の
三層より構成され中綿により空気保温層を作り保温性能
を高めるものであるが、該衣料は重く、自由な動きがで
きず、スポーティ性に欠けるという欠点があった。ま
た、アルミニウム、クロム等の金属を蒸着技術により布
帛上にコーティングしたものを利用した保温用布帛も知
られている。例えば、実公昭58−10916号公報に
は、表面に金属蒸着したシートを薄いウェブ層に重ねニ
ードルパンチし、両者を一体化した金属蒸着不織布を金
属蒸着面が外側になるように綿層と重ね、両側を側地で
被ってなるこたつふとんが開示され、特開昭61−25
2364号公報には、繊維本体の表面の一部または全部
にクロム、コバルト、銅、アルミニウムまたはそれらの
金属酸化物を任意の厚さに塗布、スプレー、ディップ、
貼合等の手段で被覆あるいは積層する例が開示されてい
る。しかしながら、これらの金属蒸着技術では蒸着処理
工程が不連続かつ長時間であるため生産性が低いこと、
着用時の揉みや摩耗あるいは洗濯の繰り返し、揉み洗い
の間に蒸着した金属が次第に剥離したり、仮に、蒸着金
属の表面を樹脂で被覆して耐久性を高めた場合でも保温
材にごわつき感を与え柔軟性を損ねるという欠点があっ
た。
山等のスポーツ衣料等には中綿等を用いた三層構造の衣
料が多かった。このような衣料は、表地、中綿、裏地の
三層より構成され中綿により空気保温層を作り保温性能
を高めるものであるが、該衣料は重く、自由な動きがで
きず、スポーティ性に欠けるという欠点があった。ま
た、アルミニウム、クロム等の金属を蒸着技術により布
帛上にコーティングしたものを利用した保温用布帛も知
られている。例えば、実公昭58−10916号公報に
は、表面に金属蒸着したシートを薄いウェブ層に重ねニ
ードルパンチし、両者を一体化した金属蒸着不織布を金
属蒸着面が外側になるように綿層と重ね、両側を側地で
被ってなるこたつふとんが開示され、特開昭61−25
2364号公報には、繊維本体の表面の一部または全部
にクロム、コバルト、銅、アルミニウムまたはそれらの
金属酸化物を任意の厚さに塗布、スプレー、ディップ、
貼合等の手段で被覆あるいは積層する例が開示されてい
る。しかしながら、これらの金属蒸着技術では蒸着処理
工程が不連続かつ長時間であるため生産性が低いこと、
着用時の揉みや摩耗あるいは洗濯の繰り返し、揉み洗い
の間に蒸着した金属が次第に剥離したり、仮に、蒸着金
属の表面を樹脂で被覆して耐久性を高めた場合でも保温
材にごわつき感を与え柔軟性を損ねるという欠点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うなアルミニウムやクロムなどの金属の蒸着加工に伴う
コストアップや、蒸着斑の発生、工程の複雑化、蒸着表
面の剥離等の問題点を解決し、また、従来の三層構造よ
りなる保温衣料におけるきぶくれ感を改良し、薄手の布
帛でありながら防寒衣料として充分に機能を有する蓄熱
保温性合成繊維を提供することを目的とするものであ
る。
うなアルミニウムやクロムなどの金属の蒸着加工に伴う
コストアップや、蒸着斑の発生、工程の複雑化、蒸着表
面の剥離等の問題点を解決し、また、従来の三層構造よ
りなる保温衣料におけるきぶくれ感を改良し、薄手の布
帛でありながら防寒衣料として充分に機能を有する蓄熱
保温性合成繊維を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、平
均粒径が5μm以下の周期律表第4A族の金属の珪化物
を0.1〜15重量%含有することを特徴とする合成繊
維である。本発明においては、合成繊維中に上記のよう
な周期律表第IV族に属する金属珪化物が含有されてい
ることが重要であるが、これ以外の金属化合物を使用し
ても蓄熱性の点で好ましくない。周期律表第4A族に属
する金属の珪化物としては、珪化ジルコニウム(ZrS
i↓2)、珪化チタン(TiSi↓2)、珪化ハフニウム
(HfSi↓2)があるが中でも珪化ジルコニウムが効率
的な吸収性および保温性を有するので好ましい。また、
これらの金属珪化物の粒径は平均粒径5μm以下、好ま
しくは2μm以下さらに好ましくは0.4〜1μmの範
囲がよい。平均粒径が5μmを越えると紡糸フィルター
の目詰まり、断糸等が発生し、また、延伸工程での糸切
れ、あるいはガイド類の摩耗等種々の問題が発生する。
金属珪化物の繊維中の含有量は、0.1〜15重量%、
好ましくは0.5〜10重量%である。含有量が0.1
重量%未満では十分な蓄熱保温性を得ることができず、
15重量%を越えると紡糸時の曵糸性が極端に悪化す
る。あるいは、紡糸できても延伸工程での糸切れ発生の
問題が生じ、さらには延伸後の原綿品質も満足なものを
得ることができない場合がある。
均粒径が5μm以下の周期律表第4A族の金属の珪化物
を0.1〜15重量%含有することを特徴とする合成繊
維である。本発明においては、合成繊維中に上記のよう
な周期律表第IV族に属する金属珪化物が含有されてい
ることが重要であるが、これ以外の金属化合物を使用し
ても蓄熱性の点で好ましくない。周期律表第4A族に属
する金属の珪化物としては、珪化ジルコニウム(ZrS
i↓2)、珪化チタン(TiSi↓2)、珪化ハフニウム
(HfSi↓2)があるが中でも珪化ジルコニウムが効率
的な吸収性および保温性を有するので好ましい。また、
これらの金属珪化物の粒径は平均粒径5μm以下、好ま
しくは2μm以下さらに好ましくは0.4〜1μmの範
囲がよい。平均粒径が5μmを越えると紡糸フィルター
の目詰まり、断糸等が発生し、また、延伸工程での糸切
れ、あるいはガイド類の摩耗等種々の問題が発生する。
金属珪化物の繊維中の含有量は、0.1〜15重量%、
好ましくは0.5〜10重量%である。含有量が0.1
重量%未満では十分な蓄熱保温性を得ることができず、
15重量%を越えると紡糸時の曵糸性が極端に悪化す
る。あるいは、紡糸できても延伸工程での糸切れ発生の
問題が生じ、さらには延伸後の原綿品質も満足なものを
得ることができない場合がある。
【0005】本発明の合成繊維を構成する重合体は、繊
維形成能を有するものであれば特別に限定されず、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステルまたはこれらのポリエステル
を主体骨格とし、イソフタル酸、金属スルホネート基を
有するイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチレング
リコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキ
レングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコ
ール等の第3成分で変性した共重合ポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン11な
どのポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィンが挙げられ、本発明においては、特に、紡
糸時の曵糸性や糸物性の点からポリエチレンテレフタレ
ート、ナイロン6、ナイロン66等が好ましく用いられ
る。繊維の断面形状は、丸断面の他にドッグボーン断
面、三〜六角断面等の多角断面、三〜十葉断面等の多葉
断面、T字型断面、U字型断面、C字型断面、W字型断
面、V字型断面、中空断面等種々の断面形状を採ること
が可能であり、これらの断面形状に対して、サイドバイ
サイド型、芯鞘型、多積層型、ランダム複合型等の複合
構造が組み合わされていてもよい。特に、前記の金属珪
化物が繊維表面に多く存在していると工程中でのガイド
やローラーの摩耗等が目立つため、本発明においては、
金属珪化物を芯成分重合体に配合し、その周りを鞘成分
重合体で覆ってやる所謂芯鞘型の複合繊維とすることが
好ましい。
維形成能を有するものであれば特別に限定されず、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステルまたはこれらのポリエステル
を主体骨格とし、イソフタル酸、金属スルホネート基を
有するイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチレング
リコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキ
レングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコ
ール等の第3成分で変性した共重合ポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン11な
どのポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィンが挙げられ、本発明においては、特に、紡
糸時の曵糸性や糸物性の点からポリエチレンテレフタレ
ート、ナイロン6、ナイロン66等が好ましく用いられ
る。繊維の断面形状は、丸断面の他にドッグボーン断
面、三〜六角断面等の多角断面、三〜十葉断面等の多葉
断面、T字型断面、U字型断面、C字型断面、W字型断
面、V字型断面、中空断面等種々の断面形状を採ること
が可能であり、これらの断面形状に対して、サイドバイ
サイド型、芯鞘型、多積層型、ランダム複合型等の複合
構造が組み合わされていてもよい。特に、前記の金属珪
化物が繊維表面に多く存在していると工程中でのガイド
やローラーの摩耗等が目立つため、本発明においては、
金属珪化物を芯成分重合体に配合し、その周りを鞘成分
重合体で覆ってやる所謂芯鞘型の複合繊維とすることが
好ましい。
【0006】本発明の合成繊維は、従来公知の微粒子含
有繊維の製法に従って製造することができ、金属珪化物
の微粒子の添加時期については、重合初期に反応系に添
加し、直接紡糸しても良いし、溶融状態にある重合体に
予め分散媒と微粒子を混練したスラリーを紡糸直前に添
加するいわゆる後添加方式でもよく、更に、これらの微
粒子を高濃度に含有させたマスターチップを用いる所謂
マスターバッチ方式であってもよい。特に、本発明にお
いては、紡糸性の点から、マスターバッチ方式で紡糸す
ることが望ましい。紡糸後は、通常の短繊維の製造工程
またはフィラメント糸の製造工程をそのまま採用するこ
とが可能であるが、工程のガイドやローラーの摩耗が激
しい場合は、前記のような構成の芯鞘型の複合繊維とし
て紡糸することが好ましい。
有繊維の製法に従って製造することができ、金属珪化物
の微粒子の添加時期については、重合初期に反応系に添
加し、直接紡糸しても良いし、溶融状態にある重合体に
予め分散媒と微粒子を混練したスラリーを紡糸直前に添
加するいわゆる後添加方式でもよく、更に、これらの微
粒子を高濃度に含有させたマスターチップを用いる所謂
マスターバッチ方式であってもよい。特に、本発明にお
いては、紡糸性の点から、マスターバッチ方式で紡糸す
ることが望ましい。紡糸後は、通常の短繊維の製造工程
またはフィラメント糸の製造工程をそのまま採用するこ
とが可能であるが、工程のガイドやローラーの摩耗が激
しい場合は、前記のような構成の芯鞘型の複合繊維とし
て紡糸することが好ましい。
【0007】このようにして得られる本発明の合成繊維
は、優れた蓄熱保温性を有するものであるので、手袋、
靴下、ストッキング、帽子、マフラー、肌着、下着、ワ
イシャツ、セーター、作業服等の衣料、あるいはスキ
ー、スケート、釣り、登山、トレーニングウェアー等の
スポーツ用衣料、詰綿等に好適に用いることができる。
は、優れた蓄熱保温性を有するものであるので、手袋、
靴下、ストッキング、帽子、マフラー、肌着、下着、ワ
イシャツ、セーター、作業服等の衣料、あるいはスキ
ー、スケート、釣り、登山、トレーニングウェアー等の
スポーツ用衣料、詰綿等に好適に用いることができる。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、紡糸調子が極めて良好
で、得られた繊維の物性も殆ど損なわれず、しかも優れ
た蓄熱保温性能を有する合成繊維を得ることが可能であ
る。
で、得られた繊維の物性も殆ど損なわれず、しかも優れ
た蓄熱保温性能を有する合成繊維を得ることが可能であ
る。
【0009】
【実施例】次に、実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例中の平均粒径は、遠心沈降法によって得られ
た値であり、具体的には(株)セイシン企業製の光透過
式遠心沈降法粒度分布測定器のミクロンフォトサイザー
を使用して測定することができる。また、極限粘度は、
フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度30℃で測定した溶液粘度から換算して求めた
値である。 実施例1〜3、比較例1〜3 平均粒径0.6μmの珪化ジルコニウム(日本新金属株
式会社製)を所定の濃度となるように室温でエチレング
リコールに混合し、十分撹拌した後、テレフタル酸を該
テレフタル酸とのモル比が1.2となるように調整して
混合し、スラリーを作成した。このスラリーをエステル
化槽に連続的に供給してエステル化を行いエステル化率
98%のエステル化物を得、引き続き重合を行い微粒子
含有量の異なるポリエチレンテレフタレートを得た(比
較例1は無添加)。なお、重合触媒は、Sb↓2O↓3を
使用した。ここで得られた重合体を用い、公知の方法に
従って紡糸・延伸を行い極限粘度〔η〕0.63、繊度
2デニール、繊維長51mmのステープル繊維を得た。次
に、蓄熱保温性を評価するため、該繊維を用いて目付1
00g/m↑2の不織布を作成し、該不織布を180℃×3
分の条件下で熱プレスした後、太陽光を照射し、5分後
の試料直下の温度を測定した。温度は(株)テクノセブ
ン製の皮膚温度計D922型を用い測定し、評価は、対
照試料であるTiO↓2を0.4重量%含有するポリエ
チレンテレフタレート繊維に対しどの程度高い温度を示
すかを温度差(△T℃)で表した。各評価結果は表1に
示した通りであり、本発明の合成繊維は良好な繊維物性
を示し、紡糸時の糸切れも全く認められず、優れた蓄熱
保温性を示すものであった。一方、比較例1、3は蓄熱
保温特性に劣り、また、珪化ジルコニウムの含有率が1
5重量%を越えると紡糸調子が不調であった(比較例
2)。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例中の平均粒径は、遠心沈降法によって得られ
た値であり、具体的には(株)セイシン企業製の光透過
式遠心沈降法粒度分布測定器のミクロンフォトサイザー
を使用して測定することができる。また、極限粘度は、
フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度30℃で測定した溶液粘度から換算して求めた
値である。 実施例1〜3、比較例1〜3 平均粒径0.6μmの珪化ジルコニウム(日本新金属株
式会社製)を所定の濃度となるように室温でエチレング
リコールに混合し、十分撹拌した後、テレフタル酸を該
テレフタル酸とのモル比が1.2となるように調整して
混合し、スラリーを作成した。このスラリーをエステル
化槽に連続的に供給してエステル化を行いエステル化率
98%のエステル化物を得、引き続き重合を行い微粒子
含有量の異なるポリエチレンテレフタレートを得た(比
較例1は無添加)。なお、重合触媒は、Sb↓2O↓3を
使用した。ここで得られた重合体を用い、公知の方法に
従って紡糸・延伸を行い極限粘度〔η〕0.63、繊度
2デニール、繊維長51mmのステープル繊維を得た。次
に、蓄熱保温性を評価するため、該繊維を用いて目付1
00g/m↑2の不織布を作成し、該不織布を180℃×3
分の条件下で熱プレスした後、太陽光を照射し、5分後
の試料直下の温度を測定した。温度は(株)テクノセブ
ン製の皮膚温度計D922型を用い測定し、評価は、対
照試料であるTiO↓2を0.4重量%含有するポリエ
チレンテレフタレート繊維に対しどの程度高い温度を示
すかを温度差(△T℃)で表した。各評価結果は表1に
示した通りであり、本発明の合成繊維は良好な繊維物性
を示し、紡糸時の糸切れも全く認められず、優れた蓄熱
保温性を示すものであった。一方、比較例1、3は蓄熱
保温特性に劣り、また、珪化ジルコニウムの含有率が1
5重量%を越えると紡糸調子が不調であった(比較例
2)。
【0010】
【表1】
【0011】実施例4
平均粒径0.8μmの珪化ジルコニウム20重量%含有
した〔η〕0.50のポリエチレンテレフタレートを均
一に混練りしたマスターバッチ(A)とTiO↓2 等の
無機微粒子を全く含まない、スーパーブライトポリエチ
レンテレフタレートチップ(B)を(A)/(B)=1
/7の割合で混合したものを芯部とし、〔η〕0.63
のポリエチレンテレフタレートを鞘部としたものを芯/
鞘=6/4として同心円型芯鞘構造となるように複合溶
融紡糸し、公知の方法により、延伸を行い、繊度2.5
デニール、繊維長51mmのステープル繊維を得た。次い
で、該繊維を用いて、実施例1〜3と同様にして不織布
を作成し、比較例3のサンプルを対照とし、太陽光を照
射し5分後の試料直下の温度を測定した結果、表2に示
す如く本発明のものは優れた蓄熱性を示した。なお、本
実施例で得られた繊維を製造するにあたっては、ローラ
ーやガイド等の摩耗が全くない安定した生産が可能であ
った。
した〔η〕0.50のポリエチレンテレフタレートを均
一に混練りしたマスターバッチ(A)とTiO↓2 等の
無機微粒子を全く含まない、スーパーブライトポリエチ
レンテレフタレートチップ(B)を(A)/(B)=1
/7の割合で混合したものを芯部とし、〔η〕0.63
のポリエチレンテレフタレートを鞘部としたものを芯/
鞘=6/4として同心円型芯鞘構造となるように複合溶
融紡糸し、公知の方法により、延伸を行い、繊度2.5
デニール、繊維長51mmのステープル繊維を得た。次い
で、該繊維を用いて、実施例1〜3と同様にして不織布
を作成し、比較例3のサンプルを対照とし、太陽光を照
射し5分後の試料直下の温度を測定した結果、表2に示
す如く本発明のものは優れた蓄熱性を示した。なお、本
実施例で得られた繊維を製造するにあたっては、ローラ
ーやガイド等の摩耗が全くない安定した生産が可能であ
った。
【0012】
【表2】
【0013】実施例5
珪化物として、珪化ジルコニウムの代わりに珪化チタン
を使用すること以外は実施例1と同様にしてステープル
繊維を製造し、該繊維から不織布を作成して蓄熱保温性
を評価したところ、実施例1よりはやや劣るが良好な結
果が得られた。
を使用すること以外は実施例1と同様にしてステープル
繊維を製造し、該繊維から不織布を作成して蓄熱保温性
を評価したところ、実施例1よりはやや劣るが良好な結
果が得られた。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
D04H 1/42 X 7199−3B
Claims (3)
- 【請求項1】 平均粒径が5μm以下の周期律表第4A
族の金属の珪化物を0.1〜15重量%含有することを
特徴とする合成繊維。 - 【請求項2】 繊維断面が芯鞘構造であり、芯部に該金
属の珪化物が含有されている請求項1に記載の合成繊
維。 - 【請求項3】 珪化物が、珪化ジルコニウム(ZrSi
↓2)である請求項1または2に記載の合成繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3185346A JPH059804A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 蓄熱保温性に優れた合成繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3185346A JPH059804A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 蓄熱保温性に優れた合成繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059804A true JPH059804A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=16169187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3185346A Pending JPH059804A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 蓄熱保温性に優れた合成繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH059804A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6082016A (en) * | 1997-05-20 | 2000-07-04 | Hitachi Seiki Co., Ltd. | Cutting edge measuring device for machine tool |
WO2013170543A1 (zh) * | 2012-05-14 | 2013-11-21 | Mao Yingjun | 一种升温蓄热的纤维及其制备方法和纺织品 |
CN107815788A (zh) * | 2017-11-14 | 2018-03-20 | 温州洪启信息科技有限公司 | 一种抗辐射无纺布材料及其制备方法 |
CN111549439A (zh) * | 2020-05-15 | 2020-08-18 | 嘉兴市菲尔欣制衣股份有限公司 | 一种自发热保暖性羊毛衫的生产工艺 |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP3185346A patent/JPH059804A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6082016A (en) * | 1997-05-20 | 2000-07-04 | Hitachi Seiki Co., Ltd. | Cutting edge measuring device for machine tool |
WO2013170543A1 (zh) * | 2012-05-14 | 2013-11-21 | Mao Yingjun | 一种升温蓄热的纤维及其制备方法和纺织品 |
CN107815788A (zh) * | 2017-11-14 | 2018-03-20 | 温州洪启信息科技有限公司 | 一种抗辐射无纺布材料及其制备方法 |
CN111549439A (zh) * | 2020-05-15 | 2020-08-18 | 嘉兴市菲尔欣制衣股份有限公司 | 一种自发热保暖性羊毛衫的生产工艺 |
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