JPH059691A

JPH059691A - 溶融金属浴中ロール駆動装置

Info

Publication number: JPH059691A
Application number: JP16834791A
Authority: JP
Inventors: Takuya Naruse; 卓也鳴瀬; Hidemichi Matsuda; 秀道松田; Keiji Takagi; 圭治高木; Takaharu Nagayama; 隆治永山; Koji Matsubayashi; 弘二松林; Norio Shimobatake; 則雄下畠; Hiroaki Matsunaga; 博明松永
Original assignee: NKK Corp; Nippon Kokan Ltd
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1991-07-09
Filing date: 1991-07-09
Publication date: 1993-01-19

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、浴中の反り矯正ロールの駆動方式
を自動的に切り替え、ロールのチャタリング現象を防ぐ
ことができる溶融金属浴中ロール駆動装置を提供するこ
とを目的とする。【構成】本発明の装置は、浴中の鋼帯の反りを矯正す
る反り矯正ロールと、この反り矯正ロールを回転させる
回転駆動機構と、前記反り矯正ロールを鋼帯に押し込む
機構と、鋼帯の厚さ、幅及び張力、並びに前記反り矯正
ロールの押し込み量の条件を把握する手段と、前記回転
駆動機構から前記反り矯正ロールまでの伝達経路に設け
られ、前記反り矯正ロールに伝達される回転力を切り離
す機構と、この切り離し機構および前記回転機構を制御
する手段と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、溶融亜鉛めっき浴等
に浸漬されて用いられる溶融金属浴中ロール駆動装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の溶融亜鉛めっき浴には、通常、複
数のロールが浸漬されている。シンクロール（浴中デフ
レクタロール）は、浴の最深部に浸漬され、鋼帯に適当
な張力を与える。スタビライジングロール（パスライン
ロール）は、浴の湯面直下に浸漬され、浴中から立ち上
がる鋼帯のパスラインを規定する。

【０００３】また、コレクティングロール（反り矯正ロ
ール）は、パスラインロール及びデフレクタロールの間
に設けられ、熱変形等による鋼帯の反りを矯正する。こ
の場合に、反り矯正ロールを鋼帯の片面に押し付け、鋼
帯を平坦にする。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】鋼帯が厚板の場合は、
剛性が大きいので、反り矯正ロールを非駆動（フリー）
の状態で鋼帯に押し付ける。しかしながら、浴中では抵
抗が大きく、また、摩擦も大きいので、ロールが回転し
にくく、鋼帯とロールとの間でスリップが生じやすい。
スリップが生じると、鋼帯に所謂チャタリングマークと
いう表面疵が生じ、製品品質が低下する。

【０００５】一方、鋼帯が薄板の場合は、剛性が小さ
く、フリーロールを押し付けただけでは十分に回転しな
い。このため、鋼帯搬送速度に同期するように反り矯正
ロールを積極的に回転駆動させつつ、鋼帯に押し付け
る。

【０００６】このように、反り矯正ロールは、厚板と薄
板とで駆動方式が異なる。従来は、厚板、薄板のそれぞ
れに専用の方式を採用しているので、操業条件に応じて
駆動方式を切り替えることができないでいた。

【０００７】この発明は、上記課題を解決するためにな
されたものであって、チャタリングマークを生じること
なく、操業条件に応じて反り矯正ロールの駆動方式を自
動的に変更することができる溶融金属浴中ロール駆動装
置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明に係る溶融金属
浴中ロール駆動装置は、浴中の鋼帯の反りを矯正する反
り矯正ロールと、この反り矯正ロールを回転させる回転
駆動機構と、前記反り矯正ロールを鋼帯に押し込む機構
と、鋼帯の厚さ、幅及び張力、並びに前記反り矯正ロー
ルの押し込み量の条件を把握する手段と、前記回転駆動
機構から前記反り矯正ロールまでの伝達経路に設けら
れ、前記反り矯正ロールに伝達される回転力を切り離す
機構と、この切り離し機構および前記回転機構を制御す
る手段と、を有し、鋼帯の厚さ、幅及び張力、並びに前
記反り矯正ロールの押し込み量に応じて前記回転機構お
よび前記切り離し機構を制御し、前記反り矯正ロールへ
回転力を伝達し又は伝達しないことを特徴とする。

【０００９】

【作用】この発明に係る溶融金属浴中ロール駆動装置に
おいては、条件把握手段により鋼帯の厚さ、幅及び張
力、並びに反り矯正ロールの押し込み量を把握し、これ
に基づき制御手段により回転機構および切り離し機構を
制御する。鋼帯が薄板の場合は、反り矯正ロールの押し
込み量を小さくし、ロールの回転速度を増大させる。

【００１０】鋼帯が厚板の場合は、反り矯正ロールの押
し込み量を大きくするとともに、切り離し機構により回
転駆動機構から反り矯正ロールまでの伝達経路を切り離
し、反り矯正ロールに回転力を伝達しないようにする。

【００１１】この場合に、反り矯正ロールと保持部材と
の間には間隙（ガタ）が設けてあるので、回転力の伝達
が不十分となりやすい。このため、鋼帯の状態などをオ
ンラインで監視しつつ、これに応じて反り矯正ロールに
回転力を伝達したり、フリーとしたりする。

【００１２】

【実施例】以下、添付の図面を参照してこの発明の実施
例について説明する。

【００１３】連続焼鈍炉（図示せず）の出口側に溶融亜
鉛めっき用ポット３が設けられている。鋼帯２は、連続
焼鈍炉内で加熱された後に浴中の溶融亜鉛４に浸漬され
るようになっている。また、浴３の上方には合金化炉
（図示せず）が設けられ、浴中から引き上げられた鋼帯
２が合金化処理されるようになっている。

【００１４】図２に示すように、溶融金属浴３の最深部
にシンクロール６が浸漬されている。シンクロール６
は、浴外の保持部材５により保持されている。シンクロ
ール６の回転軸は、図示しない駆動装置に連結されてい
る。この駆動装置は制御装置（図示せず）に連結されて
おり、シンクロール６の回転制御がなされる。

【００１５】スタビライジングロール３０が、浴外の保
持部材３１に支持され、シンクロール６の上方の湯面直
下に浸漬されている。スタビライジングロール３０は、
浴３から立ち上がる鋼帯２のパスラインを規定するよう
に設けられている。このロール３０も図示しない駆動装
置及び制御装置により回転制御される。

【００１６】コレクティングロール２０が、シンクロー
ル６とスタビライジングロール３０との間の位置に浸漬
されている。コレクティングロール２０は、浴外の駆動
装置１０の保持部材１３により浴中に保持されている。
この保持部材１３はシリンダ１２のロッドに連結され、
シリンダ１２の油圧回路は制御装置２５に接続されてい
る。

【００１７】制御装置２５の入力部には各種の操業デー
タ（鋼帯２の板厚、板幅、搬送速度、張力など）が随時
入力されている。これらの操業データに基づきシリンダ
１２のロッドの突出・退入のストローク量が規定され、
ロール２０の鋼帯２への押し込み量が決まり、鋼帯２の
反りが矯正されるようになっている。

【００１８】図１は、コレクティングロール２０及び駆
動装置１０を軸直交方向から見た図である。ロール２０
の一方端は、１対のユニバーサルジョイント１７，１９
を有するスピンドル１８に連結されている。スピンドル
１８は、浴外に設けられ、その軸は所定角度に傾いてい
る。

【００１９】クラッチ１６が、駆動装置１０の水平部に
設けられている。クラッチ１６の一方側は、一方のユニ
バーサルジョイント１７を介してスピンドル１８に連結
されている。このクラッチ１６の駆動部には制御装置２
５の出力部が接続されている。

【００２０】さらに、クラッチ１６の他方側は、減速機
１５に連結され、モータ１４の回転力が減速機１５を介
してクラッチ１６に伝達されるようになっている。な
お、モータ１４の電源には制御装置２５の出力部が接続
されている。

【００２１】次に、上記の駆動装置１０を用いてコレク
ティングロール２０の動作を最適制御し、鋼帯２に表面
疵を生じることなく、反りを適正に矯正する場合につい
て説明する。

【００２２】鋼帯２は、焼鈍炉内で数百℃に加熱された
後に、毎分数百メートルの速度で浴中に浸漬される。鋼
帯２は、シンクロール６により下向きから上向きに搬送
方向が変換されながら所定の張力を付与される。シンク
ロール６を通過すると、鋼帯２は外側に反るように変形
する。

【００２３】コレクティングロール２０を鋼帯２に外側
から押し込み、鋼帯２の反りを矯正する。ロール２０の
押し込み量は、鋼帯２の板幅、板厚、張力などの条件か
ら予め決められている。

【００２４】鋼帯２が薄板で幅狭の場合は、制御装置２
５からの指令信号に基づきクラッチ１６を接続し、モー
タ１４を駆動させ、回転力をロール２０に伝達する。こ
の場合に、モータ１４は、ロール２０の回転速度が鋼帯
２の搬送速度に同期するように、制御装置２５により駆
動制御される。

【００２５】一方、鋼帯２が厚板で幅広の場合は、制御
装置２５からの指令信号に基づきクラッチ１６を切り離
し、ロール２０に回転力を伝達せず、これをフリーな状
態にする。鋼帯２に剛性があるので、ロール２０を鋼帯
２に押し付けた場合に、鋼帯２に対してロール２０が一
様に密着し、良好に回転する。このため、ロール２０と
鋼帯２との間のスリップ（ロール２０のチャタリング現
象）が実質的に生じない。

【００２６】

【発明の効果】この発明によれば、操業条件に応じて、
反り矯正ロールの駆動方式を自動的に切り替えることが
できる。このため、作業者の経験に依存することなく、
浴中ロールのチャタリング現象を防ぎつつ、浴中ロール
の最適駆動制御をすることができる。この結果、薄板か
ら厚板までの各種めっき鋼板を自動的に連続製造するこ
とができ、表面性状に優れためっき鋼板を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例に係る溶融金属浴中ロール駆
動装置および浴中ロールをロール軸直交方向から見た模
式図。

【図２】この発明の実施例に係る溶融金属浴中ロール駆
動装置および溶融金属浴をロール軸方向から見た模式
図。

【符号の説明】

２；鋼帯、３；溶融金属浴、５，１３，３１；保持部
材、６；デフレクタロール（シンクロール）、１２；シ
リンダ、１４；モータ、１５；減速機、１６；クラッ
チ、１７，１９；ユニバーサルジョイント、１８；スピ
ンドル、２０；反り矯正ロール（コレクティングロー
ル）、２５；制御装置、３０；パスラインロール（スタ
ビライジングロール）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者永山隆治東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内 (72)発明者松林弘二東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内 (72)発明者下畠則雄東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内 (72)発明者松永博明東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】【請求項１】浴中の鋼帯の反りを矯正する反り矯正ロ
ールと、この反り矯正ロールを回転させる回転駆動機構
と、前記反り矯正ロールを鋼帯に押し込む機構と、鋼帯
の厚さ、幅及び張力、並びに前記反り矯正ロールの押し
込み量の条件を把握する手段と、前記回転駆動機構から
前記反り矯正ロールまでの伝達経路に設けられ、前記反
り矯正ロールに伝達される回転力を切り離す機構と、こ
の切り離し機構および前記回転機構を制御する手段と、
を有し、鋼帯の厚さ、幅及び張力、並びに前記反り矯正ロールの
押し込み量に応じて前記回転機構および前記切り離し機
構を制御し、前記反り矯正ロールへ回転力を伝達し又は
伝達しないことを特徴とする溶融金属浴中ロール駆動装
置。