JPH11226656A - 押曲げ式熱間べンダー - Google Patents

押曲げ式熱間べンダー

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JPH11226656A
JPH11226656A JP2705498A JP2705498A JPH11226656A JP H11226656 A JPH11226656 A JP H11226656A JP 2705498 A JP2705498 A JP 2705498A JP 2705498 A JP2705498 A JP 2705498A JP H11226656 A JPH11226656 A JP H11226656A
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JP
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bending
roller
pressing
press
movement
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JP2705498A
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English (en)
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Ikuo Mibu
生男 壬生
Junji Sumikawa
順二 澄川
Yasukazu Shiraishi
八州一 白石
Keisuke Tomino
啓介 冨野
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押曲げ式熱間べンダーについて、曲げ機構部
がコンパクトであり、また自由な曲げが可能であるなど
の押曲げ式の長所を有効に活かし、なおかつ曲げ形状の
制御を高精度でなすことのできるようにする。 【解決手段】 押曲げ式熱間べンダーにおける曲げ形状
制御として、曲げ加工の進行に応じた所定の移動軌跡で
押曲げローラ3を移動させる方式を用い、且つ押曲げロ
ーラの移動制御の基礎を、加熱後の被加工材1の実移動
量におくようにし、そのために加熱手段を通過した位置
において被加工材の移動量を計測手段8により実測し、
この実測値に基づいて押曲げローラの移動軌跡を制御す
ることで、曲げ形状の制御を行うようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波べンダーに
関する。
【0002】
【従来の技術】高周波べンダーには、その曲げ機構に関
して回転アーム式と押曲げローラによる押曲げ式があ
る。回転アーム式は、アームピボットを中心に回転する
一定長さの回転アームにより被加工材の曲り部先端部位
をクランプし、この状態で所定の推力をもって被加工材
を送り出すことで曲げ加工をなす。今日、大中径管用と
して実際に稼働している高周波べンダーのほとんどはこ
の回転アーム式である。しかし回転アーム式は、回転ア
ームにかかる大きな荷重に耐え得るようにするために、
装置全体が大型化し、また大規模な基礎工事を必要とす
る。また回転アーム式は、被加工材の径が異なるごとに
クランプ型を交換する必要があり、しかもこのクランプ
型の交換作業の占める割合が場合によっては全体の作業
の半分以上にもなることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような回転アーム
式の変形タイプとして、例えば特開昭63−33121
号公報にその例がみられるように、回転アームのアーム
ピボットを移動可能とし、これによる移動と回転アーム
の回転とを組み合わせて曲げ加工を行うタイプがある。
このタイプは、回転アームの移動により曲げ形状を制御
するので、回転アームの長さに関係なく種々の曲げ半径
での加工が可能となる。つまり一般的な回転アーム式に
おける、回転アームが長大になるとか、また可能な回転
アームの長さに限界があるために大半径の曲げ加工はで
きないなどの問題は解消することができる。しかし、こ
のタイプも基本的には回転アーム式であることから、回
転アームにかかる大きな荷重に伴う問題は残るし、また
回転アームで被加工材をクランプする必要があることに
伴う種々の問題も残っている。
【0004】一方、押曲げ式は、曲げ平面内で移動可能
とした押曲げローラで被加工材の側面を押圧しつつ被加
工材を送り出すことで曲げ加工をなす。この押曲げ式
は、押曲げローラを含む曲げ機構部が回転アーム式に比
べ格段にコンパクトなるという大きな長所を持ち、また
曲げ形状の自由度が高いなどの長所も持っている。しか
しその一方で、曲げ形状の制御について問題を残してい
る。
【0005】従来の押曲げ式における曲げ形状制御方法
の一つは、従来の押曲げ式高周波べンダーの一例を示す
図9に見られるような機構を用いている。この高周波べ
ンダーは、被加工材であるパイプ31に送り出し用の推
力を与えるプッシャー34、パイプ31の送り出しをガ
イドする支持ローラ35,36、パイプ31を局部的に
加熱する高周波加熱コイル37、高周波加熱コイル37
による加熱部位からある距離離れた初期位置でパイプ3
1の側面に押接してこれを押圧する押曲げローラ33、
及び検出棒38を備えている。そしてプッシャー34に
よる推力で送り出されたパイプ31は、高周波加熱コイ
ル37によりその外周から局部的に誘導加熱され、且つ
押曲げローラ33にて押圧されることで押し曲げられ
る。またこの際に、その先端部の取付具39を介してパ
イプ31に接続された検出棒38がパイプ31の曲り部
の先端位置の変位を検出する。すなわち検出棒38には
その回転中心となる基端部に変位計40が接続されてお
り、この変位計40で検出棒38の回転角度を検出する
ことで、パイプ31の曲り部の先端位置の変位を検出す
る。そしてこの検出に基づいて制御しつつ押曲げローラ
33をその初期位置から移動テーブル32によりX方向
とY方向に移動させて曲げ形状の制御を行っている。
【0006】この曲げ形状制御方法は、曲り部の先端位
置を正確に検出できるので、かなり高精度な曲げ形状制
御が可能である。しかし検出棒を必要とするために上記
の回転アーム式におけるのと似たような問題がある。つ
まり装置全体の複雑化や作業性の低下などの問題があ
る。
【0007】押曲げ式における曲げ形状制御方法の他の
一つとしては、特開平3−248719公報に開示され
るようなものが知られている。この技術は、冷間式べン
ダーに関するもので、被加工材の送り出し量と連動させ
て押曲げローラをX方向とY方向に移動させつつ押曲げ
ローラに予定の曲げ形状に応じた移動軌跡をとらせて曲
げ形状の制御を行っている。
【0008】この曲げ形状制御方法は、曲げ機構部がコ
ンパクトであるという押曲げ式の長所をそのまま活かす
ことができるという点で優れている。しかし冷間曲げで
はそれなりに有効であるものの、例えば高周波べンダー
のように加熱して曲げ加工を施す熱間曲げの場合には、
十分な制御精度を得られず、実用的でない。その理由
は、熱間曲げの場合、加熱部分に加わる圧縮力に起因し
て、曲げられた部分で被加工材の長さが曲げられる前の
状態の長さよりも短くなることにある。その短くなる割
合は、例えば曲げ半径が管径の1.5倍の場合、最大3
0〜35%程度となるが、曲げ半径、板厚及び材質など
により異なるだけでなく、実際の加工過程における塑性
変形状態や加熱温度変化あるいは冷却水による加熱幅の
変化などによりその程度が大きくバラツキ、一定してい
ない。つまり熱間曲げの場合、十分な制御精度を実現し
ようとすると、被加工材の送り出し量を押曲げローラの
移動制御の基礎に利用することができない。
【0009】したがって本発明の目的は、押曲げ式熱間
べンダーについて、曲げ機構部がコンパクトであり、ま
た自由な曲げが可能であるなどの押曲げ式の長所を有効
に活かし、なおかつ曲げ形状の制御を高精度でなすこと
のできるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的のため
に、本発明では、曲げ形状制御方法として曲げ加工の進
行に応じた所定の移動軌跡で押曲げローラを移動させる
方式を用い、且つ押曲げローラの移動制御の基礎を上記
のような収縮が生じている部分、つまり加熱手段を通過
することで加熱と曲げ力を受けた部分における被加工材
の移動量におくようにしている。すなわち、加熱手段を
通過した位置において被加工材の移動量を実測し、この
実測値に基づいて押曲げローラの移動軌跡を制御するこ
とで、曲げ形状の制御を行うようにしている。
【0011】したがって本発明による押曲げ式熱間べン
ダーは、送出し機構、加熱手段及び押曲げローラを備
え、送出し機構により送り出される長尺の被加工材に対
し、加熱手段による局部的な加熱を施すと共に、所定の
軌跡で移動させる押曲げローラにより側面から押圧力を
加えることで、所定の曲げ形状による曲げ加工を施すこ
とを基本とし、これに加えて、前記加熱手段を通過した
位置において被加工材の移動量を計測する計測手段を備
え、この計測手段による計測値に基づいて押曲げローラ
の移動軌跡を制御するようになっている。
【0012】このような高周波べンダーについては、主
要な被加工材であるパイプの場合に曲げ加工に伴って生
じる断面の偏平化(楕円化)に配慮した制御を行うこと
で、より高精度な曲げ形状制御とすることができる。偏
平化率は一般に5〜8%程度であるが、必ずしも一定し
ない。したがって偏平化率を予め見込んで制御する方法
も可能であるが、その場合の曲げ形状制御の精度は必ず
しも十分でない。そこで本発明では、偏平化の影響を避
けることのできる条件で制御するようにしている。すな
わち、その部分から加熱が開始され、したがってその部
分から曲げ加工が開始される部分である曲げ開始点から
後方でのみ偏平化を生じ、曲げ開始点より前方では偏平
化を生じないということに着目し、押曲げローラが常に
曲げ開始点より前方か、または曲げ開始点ないしその近
傍で被加工材に押接するような制御を行うようにしてい
る。
【0013】より具体的には、曲げ加工開始時には加熱
部位から被加工材の送り出し方向であるX方向に所定距
離離れた初期位置で押曲げローラが被加工材に押接する
ようにし、前記X方向に関して初期位置に位置した押曲
げローラが被加工材に押接する点である初期押接点に曲
げ開始点が到るまでは押曲げローラの移動方向を前記X
方向と直交するY方向のみとし、曲げ開始点が前記初期
押接点に到った後には曲げ開始点と同期して押曲げロー
ラを移動させるようにしている。
【0014】上記のような高周波べンダーにおける移動
量計測手段には、種々の方式のものを用いることができ
る。その中でも、機構をより簡易なものにできるという
点で特に好ましいのは、押曲げローラの回転を介して計
測する方式である。つまり押曲げローラは、被加工材に
常に押接しているため、それが位置固定状態であれば、
被加工材の曲り部における移動に応じた回転を生じ、ま
たそれがY方向に移動している状態であれば、そのY方
向移動による逆転を差し引いた分の回転を生じる。した
がってこの押曲げローラの回転を例えばエンコーダーな
どにより検出することで、被加工材の実移動量を計測す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態の一つ
を押曲げ式熱間べンダーの代表的な一つである高周波べ
ンダーについて説明する。本実施形態による高周波べン
ダーは、その概略を示す図1にみられるように、被加工
材である例えばパイプ1を前方に送り出すための送出し
機構A、この送出し機構Aで送られてくるパイプ1の送
りをガイドする支持ローラ5、6、パイプ1にその外周
から誘導加熱により例えば数cm程度の狭い幅で局部的
な加熱を施す高周波加熱コイル7、及び押曲げ機構Bを
一体的なコモンベース10上に設けてなる。
【0016】送出し機構Aは、パイプ1にこれをその後
部でチャックして推力を伝えるプッシャー4と、このプ
ッシャー4を必要な推力で前進させる移動機構、つまり
サーボモータ19、スプロヶット20、チェーン21及
びコモンベース10に設けたレール24を含む移動機構
とからなる。
【0017】押曲げ機構Bは、押曲げローラ3と、この
押曲げローラ3をX方向及びY方向の各方向に移動させ
るためのXYテーブルとからなる。XYテーブルは、コ
モンベース10に固定のX方向サーボモータ14の駆動
力によりX方向スクリュー13とX方向スクリューナッ
ト12を介してコモンベース10上のレール22の上を
X方向に移動するXテーブル11と、Xテーブル11上
に固定のY方向サーボモータ18によりY方向スクリュ
ー17とY方向スクリューナット16を介してXテーブ
ル11上のレール23の上をY方向に移動するYテーブ
ル15とからなる。
【0018】また押曲げ機構Bの押曲げローラ3にはエ
ンコーダ8を組み込み、このエンコーダ8により押曲げ
ローラ3の回転量を計測できるようにしてある。つまり
パイプ1の曲げ加工時には常に押曲げローラ3がパイプ
1の側面に押圧力を加えるため押接しており、したがっ
て押曲げローラ3にはパイプ1の移動量に比例した量の
回転を生じるので、これをエンコーダ8で計測してい
る。これにより、加熱状態で曲げ力を受けたことにより
収縮を生じた後のパイプ1についてその収縮を生じてい
る部分の実際の移動量を計測できる。
【0019】このようにして計測したパイプ1の実移動
量は押曲げローラ3の移動軌跡を制御する基礎として用
いる。すなわち曲げ加工の進行具合に応じて押曲げロー
ラ3が曲げ平面内で順次とるべき位置を実移動量から演
算して求め、この結果に基づいて押曲げローラ3のX方
向及びY方向の移動を制御している。この制御の具体的
な内容を以下に説明する。
【0020】LPGを上記のようにして計測したパイプ1
の実移動量、D0 をパイプ1の外径、r0 を曲げ半径、
θを加工途中における曲げ角度つまり曲げ加工の進行に
伴って曲げ開始点が予定曲げ曲線上を移動するのに応じ
て順次とる角度、そしてDrを押曲げローラ3の外径と
すると、以下の式(数1)と式(数2)が得られる。な
お式(数1)中のπDr ×θ/360は、押曲げローラ
3がY方向へ移動するのに伴って押曲げローラ3に生じ
る逆回転分である。つまりパイプ1の実移動量に応じた
押曲げローラ3の回転がY方向への移動による逆転で相
殺される分の補正である。
【数1】LPG=π(r0 +0.5 D0 )×θ/180 +πD
r ×θ/360
【数2】 θ=57.32 LPG/(r0 +0.5 D0 +0.5 Dr
【0021】これらの式により、押曲げローラ3のエン
コーダ8で計測できる実移動量LPGに基づいて、中間段
階における曲げ角度θを求めることができる。そしてこ
の求めた曲げ角度θを与えることができるように押曲げ
ローラ3のXY移動を制御する。その制御の内容を以下
に説明する。
【0022】図2〜図4は、それぞれ本発明による高周
波べンダーで用いる制御方法で制御されて移動する押曲
げローラの移動軌跡を模式化して示しており、図2は最
終的な曲げ角度が90°の場合の例、図3は最終的な曲
げ角度が180°の場合の例、そして図4は最終的な曲
げ角度が90°で押圧力が小さい場合の例である。各図
において、点H1 はその部分から図1の高周波加熱コイ
ル7による加熱が開始され、したがってその部分から曲
がりが開始する部分である曲げ開始点、点H2は曲げ加
工開始時におけるX方向に関した初期位置に位置する押
曲げローラ3が直管状態のパイプに押接する点である初
期押接点、点H3 は初期押接点H2 に対応しており、曲
げ加工が一定の段階まで進行して形成されたパイプの曲
り部上での初期押接点、そして点H4 はそこに到ると押
曲げローラがパイプから離れることになる最終押接点を
それぞれ表している。また線分H1 〜H2 は曲げ加工前
の直管状態でのパイプの外側の線、線分H1 〜H3 〜H
4 は必要な曲げ加工が施された後のパイプにおける曲り
部の外側の線、r2 はパイプの外側についての曲げ半
径、P1 〜P8 は順次移動する押曲げローラ3がとる幾
つかの位置、Dr は押曲げローラの外径、Oは円弧であ
る曲げ曲線の中心、そしてr1 (r1 =r2 +Dr
2)は中心Oから押曲げローラの中心までの距離であ
る。
【0023】図に見られるように、曲げ加工開始時には
加熱部位からパイプの軸方向に所定の距離Sだけ離れた
初期位置H2 で押曲げローラ3がパイプに押接する。距
離Sは、初期位置設定角度θ0 (∠H1 OH3 )に基づ
いて下記の式(数3)で設定される。θ0 は被加工材の
種類や曲げ角度により特有なもので実験により予め定め
てある。本例の場合はθ0 =45°である。
【数3】S=r1 sin θ0
【0024】曲げ加工開始されると、図1における送出
し機構Aにより送り出されることでパイプがX方向に移
動し、これに応じて押曲げローラ3は、先ずY方向にの
み移動し、次いで所定の段階に達するとX方向とY方向
の移動をなす。このような押曲げローラの移動は、上記
のように計測されるパイプの実移動量に基づいて制御さ
れ、その制御は図1における制御装置9がXテーブル1
1とYテーブル15それぞれの移動制御として行う。こ
の制御のより具体的内容を、押曲げローラがY方向にの
み移動する段階、つまり曲げ加工が進行して曲げ開始点
1 が曲り部における初期押接点H3 に到る段階まで
と、それに続く段階、つまり押曲げローラがXY両方向
の移動により曲げ開始点H1 と同期して移動する段階と
に分けて説明する。
【0025】図5は曲げ開始点H1 が初期押接点H3
到るまでの過程を示している。図中には曲げ加工の進行
に応じて曲げ開始点H1 がとる各位置を幾つかの例につ
いて示してある。この段階では押曲げローラはY方向に
のみ移動する。この移動の様子を押曲げローラのパイプ
への押接点Pa 〜Pd により示してある。曲げ開始点H
1 はそこから曲がりが開始する部分である。それ故、曲
げ開始点H1 より先の部分は直線であり、この直線(図
中に二点鎖線で示してある)は所定の曲げ半径による曲
げ曲線に対し曲げ開始点H1 における接線となる。した
がってこの関係から押接点Pa 〜Pd のとるべきY方向
位置を求めることができる。すなわち図5の一部を取り
出した図6において、加熱部位からの曲げ開始点H1
X方向での移動距離をS1 、押曲げローラ(実際にはそ
の中心)が移動すべきY方向への距離をh、曲げ開始点
1 がとる角度をθとすると、これらの関係は下記の式
(数4)と式(数5)になる。
【数4】S1 =r1sinθ
【数5】h=r1 (1− cosθ)+(S−S1 )tan θ
【0026】式(数5)においてSは上記のように予め
与えられる定数であるから、押曲げローラ3がY方向へ
移動すべき距離hをθの関数として求めることができ
る。ここでθは上記のように押曲げローラを介して実測
する実移動量LPGから式(数2)により与えられる。
【0027】次に、曲げ開始点H1 が曲り部における初
期押接点H3 に到った後の制御について、図7により説
明する。この状態では押曲げローラが曲げ開始点H1
同期して移動し、したがって押曲げローラの押接点は常
に曲げ開始点H1 と一致している。このように曲げ開始
点H1 が初期押接点H3 (図7中にはH3 それまであっ
た位置を仮に示してある)に到った後に同期移動とする
のは、上記のように、曲げ加工に伴って生じるパイプ断
面の偏平化の影響を避けるためである。つまり偏平化し
た部分に押曲げローラが押接すると、制御の前提となる
各式におけるr1 が変化して曲げ形状制御の精度が低下
するが、このようなことを効果的に避けるためである。
押曲げローラの曲げ開始点H1 との同期移動のためには
押曲げローラをX方向とY方向に移動させる。これらの
移動で必要なX方向への移動量S1 は式(数4)で与え
られ、Y方向への移動量h1 は下記の式(数6)で与え
られる。
【数6】h1 =r1 (1− cosθ)
【0028】ただしこの状態では押曲げローラが曲げ開
始点H1 と同期して移動するため、パイプの移動に応じ
た押曲げローラの回転は原則として生じない。その一方
で、押曲げローラにはそのY方向への移動に伴う逆転が
生じ、この逆転量は、同期移動であるため、θの変化に
対応している。つまり押曲げローラの逆転としてパイプ
の移動量を検出できる。また制御の遅れにより押曲げロ
ーラの移動が遅れて同期移動が一時的に崩れる場合に
は、パイプの移動に応じた回転も押曲げローラに生じ
る。そこでこれらの押曲げローラの逆転や正転を基にし
て式(数4)によりX方向の移動を制御し、式(数6)
によりY方向の移動を制御する。
【0029】以上の曲げ開始点H1 が初期押接点H3
到るまでの押曲げローラのY方向のみの移動と、曲げ開
始点H1 が初期押接点H3 に到った後の同期移動との各
制御は、実際的には何れも予め作成してあるデータ表を
利用して行うことになる。すなわち押曲げローラの回転
角度とこれに対応するS1 それにhとh1 に関するデー
タ表を例えば押曲げローラの回転角度0.1 °ピッチで作
成しておき、このデータ表を利用して制御を行う。
【0030】以上のような本発明による高周波べンダー
における押曲げローラの移動軌跡制御の実際的な例を図
7に示す制御フローチャートに基づいて説明する。ステ
ップ101では、被加工材であるパイプの口径、長さ、
材質及び板厚、それに曲げ形状、曲げ半径及び最終的な
曲げ角度などのCADデータを入力し、ステップ102
では、全曲げ条件、パラメータ、アルゴリズムなどを格
納してあるロジックテーブルシステムにより、自動的に
NC制御曲げ加工をプログラミングし、ステップ103
で曲げ加工の運転を開始する。本システムはインテリジ
エント制御機能を持つ全自動運転である.
【0031】ステップ104〜121は押曲げローラ3
の移動制御である。押曲げローラ3の移動は、それを搭
載している図1における曲げ機構BのXテーブル11と
Yテーブル15の移動である。これらの移動は、ステッ
プ103で生成した自動プログラムに基づくインプロセ
ス制御により、制御装置9がX方向及びY方向用の各サ
ーボモータ14、18を制御することでなされる。
【0032】先ず、押曲げローラが図2や図3における
1 からP3 まで移動するについての制御がステップ1
04〜111においてなされる。曲げ加工が開始される
と、被加工材であるパイプ1が送出し機構Aにより送り
出され、これに応じた実移動量LPGを押曲げローラ3の
回転からエンコーダ8により計測する(ステツプ10
4)。ステツプ104での計測値に応じた所定の曲げ半
径に関する曲げ角度θが得られるように、押曲げローラ
のY方向移動量hを式(数5)により演算して指令する
(ステップ105)。この指令値hに基づきサーボモー
タ18により押曲げローラをY方向に移動する(ステッ
プ106)。押曲げローラの実移動量h2は、サーボモ
ータ18からのフィードバックパルス信号(8m secピ
ッチ)により計測される(ステップ107)。ステップ
108において、移動量指令値hと実際の移動量h2
を照合し、指令値hより実移動量h2 が大きい場合は押
曲げローラのY方向の位置が進み過ぎているので移動速
度を遅くし(ステップ109)、逆に指令値hより実移
動量h2 より小さい場合は押曲げローラのY方向の位置
が遅れているので移動速度を速くし(ステップ11
0)、指令値hと実際の移動量h2 とが一致するように
制御する。そして曲げ角度θが初期位置設定角度θ0
なった場合に対応するY方向の移動距離(h0 )に達す
るまで押曲げローラをY方向に前進させる(ステップ1
11)。
【0033】続いて、押曲げローラの図2や図3におけ
るP3 からP6 までの移動は、ステップ112〜121
によって制御される。この段階での押曲げローラ3の移
動は前に述べたように、X方向については式(数4)で
与えられる移動距離S1 により、またY方向については
式(数6)で与えられる移動距離h1 に基づいてなさ
れ、押曲げローラは曲げ開始点H1 と同期してP3 から
6 まで移動する。この場合、押曲げローラにはパイプ
の移動に応じた回転は生じない。このP3 からP6 まで
の同期移動の制御は二次元移動制御であるが、前のP1
からP3 までの一次元移動制御と制御方法は同じである
ので要点のみ述べる。エンコーダ8による実測に基づい
たX方向移動量指令値S1 とY方向移動量指令値hによ
り押曲げローラを移動すると共に、サーボモータ14,
18よりのフイードバック信号によりX方向実移動値S
2 とY方向実移動値h2 を計測し(ステツプ112〜1
15)、ステップ116〜120において、これらを照
合しながら押曲げローラの同期移動を制御する。そして
所定の曲げ角度(図2の例では90°)になったら曲げ
加工を終了する(ステップ121〜122)。
【0034】
【発明の効果】本発明によると、押曲げ式熱間べンダー
について、その曲げ機構部がコンパクトであり、また自
由な曲げが可能であるなどの長所を十分に活かしつつ、
曲げ形状の制御精度を大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高周波べンダーの簡略化した平面
図である。
【図2】図1の高周波べンダーにおける最終曲げ角度9
0°の場合の押曲げローラの移動軌跡についての説明図
である。
【図3】図1の高周波べンダーにおける最終曲げ角度1
80°の場合の押曲げローラの移動軌跡についての説明
図である。
【図4】図1の高周波べンダーにおける最終曲げ角度9
0°で押曲げ力が小さい場合の押曲げローラの移動軌跡
についての説明図である。
【図5】曲げ開始点が初期押接点に到るまでの過程の説
明図である。
【図6】曲げ開始点が初期押接点に到る前における押曲
げローラの移動量計算式の導出についての説明図であ
る。
【図7】曲げ開始点が初期押接点に到った後における押
曲げローラの移動量計算式の導出についての説明図であ
る。
【図8】本発明による高周波べンダーにおける押曲げロ
ーラの移動軌跡制御に関するフローチャートである。
【図9】従来の押曲げ式高周波べンダーの模式図であ
る。
【符号の説明】
1 パイプ(被加工材) 3 押曲げローラ 7 高周波カロ熱コイノレ(加熱手段) 8 エンコーダ(計測手段) A 送出し機構 H1 曲げ開始点 H2,H3 初期押接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 八州一 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 冨野 啓介 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送出し機構、加熱手段及び押曲げローラ
    を備え、送出し機構により送り出される長尺の被加工材
    に対し、加熱手段による局部的な加熱を施すと共に、所
    定の軌跡で移動させる押曲げローラにより側面から押圧
    力を加えることで、所定の曲げ形状による曲げ加工を施
    すようになっている押曲げ式熱間べンダーにおいて、前
    記加熱手段を通過した位置において被加工材の移動量を
    計測する計測手段を備え、この計測手段による計測値に
    基づいて押曲げローラの移動軌跡を制御するようにした
    ことを特徴とする押曲げ式熱間べンダー。
  2. 【請求項2】 曲げ加工開始時には加熱部位から被加工
    材の送り出し方向であるX方向に所定距離離れた初期位
    置で押曲げローラが被加工材に押接するようにし、前記
    X方向に関して初期位置に位置した押曲げローラが被加
    工材に押接する点である初期押接点に曲げ開始点が到る
    までは押曲げローラの移動方向を前記X方向と直交する
    Y方向のみとし、曲げ開始点が前記初期押接点に到った
    後には曲げ開始点と同期して押曲げローラを移動させる
    ようにした請求項1に記載の押曲げ式熱間べンダー。
  3. 【請求項3】 計測手段が押曲げローラに接続されてい
    る請求項1または請求項2に記載の高周波べンダー。
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