JP3589212B2 - 金属板の曲げ加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属板の曲げ加工装置に関し、更に詳しくは、1つの上ロールと、該上ロールの斜め下方で左右に配置した2つの下ロールとからなるロールベンダーによって、所要長の金属板を断面が真円に近い円筒体または断面が楕円をなす円筒体に曲げ加工するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1本の上ロールと、該上ロールの斜め下方の左右に夫々配設した2本の下ロールとの間に所要長さの金属板を通過させ、これら上ロールおよび2本の下ロールによって、該金属板に円筒状の曲げ加工を付与するベンディングロールが広く知られている。このロールベンダーの基本構成に関しては、被加工対象物である金属板の曲げ加工を良好な精度で効率良く行なうために、例えば特公昭37−1570号公報に示す如く、下側のロールを水平方向に左右にシフト可能に構成したものや、また特公昭46−7451号公報に示す如く、上ロールを所定の範囲内で、該ロールの中心軸線を通過する垂線に沿って上昇または下降させるよう構成したものが実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来知られているロールベンダーを利用して、金属板を断面が真円または楕円をなす円筒体に曲げ加工するに際し以下の難点が指摘される。すなわち、金属板の先端部分および後端部分を除く中間領域に関しては、従来のロールベンダーにより精度の良好な曲げ加工を施すことができる。しかし、該金属板の先端近傍の部分や後端近傍の部分は、ロールベンダーにおける最初のロール曲げ加工によっては正確な円弧に形成されず、この部分を何度も上下のロール間に通過させて矯正する作業を必要としている。例えば図28に示す如く、1本の上ロール10と、2本の下ロール12,14とから構成されるロールベンダー(下ロールには更に複数本のバックアップロールが設けられるが、これは図示を省略してある)によって、所要長さの金属板16に断面が略真円となる円筒体の曲げ加工を施すと、該金属板16の先端部分16aおよび後端部分16bを除いた中間部分は、現在の技術では充分に精度の優れた円筒体に成形される。しかし図29に示す如く、金属板16を曲げ加工する準備工程として、真直な板材である金属板16の先端部分16aを下ロール14(被加工材料が出る側であるので、これを「出側」の下ロールと一般に称する)の上に位置させ、上ロール10との間でクランプした状態で曲げ加工を実施すると、この先端部分16aは真直状態の領域として残ることとなる。また同様に、該金属板16の後端部分16bも、同じく曲げ加工が施されない真直領域として残存する。
【0004】
これら金属板16の先端部分16aおよび後端部分16bも、本体部の中間部分と同じ曲率となる曲げ加工が最終的に施される必要がある。従って、何度も該金属板16をロールベンダーの上下ロール間に通過させ、次第に所望の曲率に仕上げていくことになるが、これには熟練者による多くの時間と手間とを要しているのが現状である。また、断面が略真円をなす円筒体の曲げ加工は、従来のベンディングロールによって、前述した多くの手間と時間は要するものの、最終的にかなりの仕上げ精度までもっていくことはできる。しかし、断面が楕円状をなす楕円円筒体を曲げ加工するには、従来のロールベンダーでは、熟練者が細心の注意で目視しながら、手作業で何度もロール加工を反復する必要がある。このように、全自動による楕円円筒体の曲げ加工は極めて困難であるのが現状である。
【0005】
【発明の目的】
この発明は、前述した断面が略真円をなす円筒体または断面が楕円をなす楕円円筒体の曲げ加工を施す行程を、熟練者の手間や多くのロール通過操作を行なうことなく、全自動で一連の行程として円滑に実施し得る金属板の曲げ加工装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明は、上ロールと、この上ロールの中心線を通る垂線を挟んで被加工材料の入側と出側とに夫々配設した2つの下ロールとからなり、これら上ロールと2つの下ロールとの間に被加工材料である金属板を通過させて、該金属板に所要の曲げを付与する曲げ加工装置において、
前記2つの下ロールの間に形成される空間に、これら両ロールと平行小径の計測ロールを回転自在に配設すると共に、エアシリンダの空気圧作動により上昇するよう昇降可能に配設し、
前記計測ロールの要所に、金属製のリングを外嵌し、
前記計測ロールは、その一端部に回転パルス発生手段を備えると共に、前記エアシリンダの空気圧作動による上昇時に、前記金属製のリングが前記金属板のパスラインより僅か上方に延出して該金属板の下面に当接可能であって、
材料送り出し方向または反送り出し方向に前進・後退される前記金属板の下面に前記金属製のリングを接触して、前記計測ロールをスリップすることなく追従的に自由回転させた際に、前記金属板における前進方向または後退方向の送り量に応じたパルスを、前記回転パルス発生手段から発生するよう構成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る金属板の曲げ加工装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なおロールベンダーの基本構成は、図28に関して示したものと同じであるので、同一部材に関しては同じ符号で指示する。ここで使用するロールベンダーの上ロール10は、その中心軸を通過する垂線Sに沿って段階的に昇降可能であり、また上ロール10の垂線Sを挟んで斜め右側に位置する下ロール12(材料入り側)および該垂線Sを挟んで斜め左側に位置する下ロール14(材料出側)は、前記垂線をSを基準として、材料送り方向(+)または反送り方向(−)へ一体的に変位可能となっている。そして本実施例に係る曲げ加工方法は、前記上ロール10が垂線Sに沿いつつ所要タイミングで段階的に昇降する動作と、2つの下ロール12,14が垂線Sを基準として金属板16の送り方向または反送り方向へ所要タイミングで一体的に変位する動作とによって達成される。また曲げ加工方法には、金属板を▲1▼断面が真円となる円筒体に曲げ加工する方法と、▲2▼断面が楕円をなす楕円円筒体に曲げ加工する方法とに分かたれるので、以下にこれを区別して説明する。なお、上ロール10の昇降駆動機構および2つの下ロール12,14の変位駆動機構は、公知の構成であるので説明しない。
【0008】
(断面が真円となる円筒体に曲げ加工する方法について)
金属板16を、断面が略真円をなす円筒体となるよう曲げ加工する場合、本実施例では、基本的に図1〜図12に示す各工程を経由して実施される。すなわち図1は、所要長さの金属板16に円筒状の曲げを付与する工程の最初の段階を示すもので、該金属板16は図において左方向へ水平に送給され、その先端近傍の部分16aを材料出側の下ロール14の上面に位置させている。このとき図示しないストッパにより、金属板16の先端部16aは定位置決めがなされる。上ロール10は、該上ロール10が昇降する際の基準位置Cに位置し、また2つの下ロール12,14は、これら下ロールの変位時の基準位置S(これは上ロール10の中心軸を通る垂線の通過位置とも合致する)よりも材料送り方向(+)へ距離S+だけ変位させてある。従って金属板16は、基準位置Cに位置する上ロール10と、2つの下ロール12,14とによって軽くクランプされた状態となって次の工程を待機している。
【0009】
図2に示す如く、金属板16を上下のロール群により軽くクランプした状態の下で、上ロール10と2つの下ロール12,14とを同時に正転駆動させると共に、該上ロール10を先の基準位置Cから下降させる動作を開始する。これにより金属板16は、材料送り方向(+)へ送られつつ前記上ロール10の加圧下に曲げ加工が漸次進行させられる。図3に示すように、前記上ロール10の下降は、該上ロール10が基準位置Cより距離Cまで加工した位置で停止させる。但し、上ロール10と2つの下ロール12,14との正転駆動は継続させておく。これにより、前記金属板16には所要の円弧が形成されていく。そして該金属板16を、図4に示すように予め設定した所要量Lだけ送って、金属板16の後端部近傍16bが材料入り側の下ロール12の上面まで到来したところで、上ロール10と2つの下ロール12,14との正転駆動を停止させる。すなわち、該金属板16の後端部近傍16bは材料入り側の下ロール12の上面付近に位置し、また該金属板16の本体部分は材料出側の下ロール14の上面に位置することによって、距離Cに位置している上ロールからの圧下力を受けていることになる。
【0010】
この状態において、必要に応じて図5に示す如く、上ロール10を距離Cから更に距離C’まで下降させることにより、材料入り側の下ロール12の上面付近に位置している金属板16の後端部近傍16bを、追加的に加圧して更に曲げ加工を施す。その後に前記上ロール10を、距離C’から距離Cまで僅かに上昇させる。次いで図6に示すように、上ロール10と2つの下ロール12,14とを同時に逆転駆動し、金属板16を所要の設定量Lだけ反送り方向に戻した後に該逆転駆動を停止させることによって、前記金属板16の後端部近傍16bを材料入り側の下ロール12から僅かに外れて位置させる。そして2つの下ロール12,14を、図7に示すように、その基準位置Sよりも反送り方向(−)へ距離S−だけ変位させ、その後に上ロール10を先の距離Cから距離Cまで下降させる。このように、上ロール10を一旦上昇させ前記金属板16に対する圧下力を解除した状態で、2つの下ロール12,14を先に位置していた距離S+から、前記基準位置Sを経て反送り方向側の距離S−へ変位させることによって、該金属板16の後端部近傍16bは、先の図6に示す場合より材料入り側の下ロール12上に浅く位置させられることになる。
【0011】
このように上ロール10が距離Cまで下降して、該上ロール10と2つの下ロール12,14との間で金属板16を圧下した状態で、図8に示すように、該上ロール10と2つの下ロール12,14との逆転駆動を開始する。これにより金属板16を曲げ加工しながら所要の設定量Lだけ送り、該金属板16の先端部近傍16aが材料出側の下ロール14の上面付近まで到来した時点で、これらロール群の逆転駆動を停止させる。そして材料出側の下ロール14の上面付近に位置している金属板16の先端部近傍16aを、図9に示すように、前記上ロール10を距離C’まで下降させることにより追加的に加圧して曲げ加工を施した後に、該上ロール10を先の距離C’から距離Cまで上昇させる。次いで図10に示す如く、上ロール10の2つの下ロール12,14とを同時に正転駆動し、前記金属板16を所要の設定量Lだけ戻すことによって、該金属板16の先端部近傍16aを、材料出側の下ロール14から僅かに材料送り方向へ外れて位置させる。
【0012】
そして図11に示すように、上ロール10を先の距離Cから距離Cまで上昇させて金属板16に対する圧下力を解除した後、前記2つの下ロール12,14を先の距離S−から基準位置Sまで材料送り方向(+)へ変位させる。次いで図12に示す如く、上ロール10を先の距離Cから距離Cまで下降させて、前記金属板16を下ロール12,14との間で再度圧下させる。そして、上ロール10と2つの下ロール12,14とを同時に正転駆動および逆転駆動する動作を交互に反復する仕上げ巻きを行なうことにより、最終的に断面が真円に近い円筒体が得られるものである。以上の上ロール10の段階的な上昇および下降動作、上ロール10および2つの下ロール12,14の正転および逆転動作、金属板16が所定の設定量だけ送られる段階的な移動動作並びに2つの下ロール12,14の基準位置Sに対する変位タイミングを、図21に係るフローチャートに示す。
【0013】
(断面が楕円形をなす円筒体を曲げ加工する方法について)
この断面が楕円状をなす円筒体を曲げ加工する方法は、図13〜図20に示す一連の工程を連続的に実施することにより達成される。図13は、断面が楕円形をなす円筒体の曲げ加工を行なう最初の段階を示すもので、金属板16の先端部近傍16aを材料出側に位置する下ロール14の上面に位置させると共に、上ロール10は基準位置Cに位置させてある。また2つの下ロール12,14は、変位時の基準位置Sよりも、距離S+だけ材料送り方向(+)へ変位させてある。そしてこれら上ロール10と2つの下ロール12,14とで、該金属板16を軽くクランプするようになっている。
【0014】
図14に示すように、上ロール10と2つの下ロール12,14を同時に正転駆動させると共に、該上ロール10は基準位置Cからの下降を開始させる。これにより金属板16を材料送り方向(+)へ送りつつ、その曲げ加工を漸次進行させる。そして金属板16が予め設定した所要量Lだけ送られたところで、上ロール10の下降を停止させる。このとき該上ロール10は、先の基準位置Cから距離Cまで下降している。そして上ロール10と2つの下ロール12,14の正転駆動を、図15に示すように継続することによって、金属板16を所要の設定量Lだけ送りつつ円弧を形成する。図16に示すように、上ロール10と2つの下ロール12,14との正転駆動を継続すると共に、上ロール10を先の距離Cから上昇させて圧下力を僅かに解除し、前記金属板16を所要の設定量Lだけ送って形成される円弧を漸次変化させる。図17に示す如く、上ロール10は、距離Cから所定加工位置である距離Cまで上昇したところで停止させると共に、上ロール10と2つの下ロール12,14との正転駆動を更に継続する。これにより金属板16は所要の設定量Lだけ送られ、所要の円弧が形成される。この段階では、上ロール10が所定加工位置Cまで上昇しているので、付与される円弧の曲率は小さくなっている。
【0015】
次いで図18に示すように、上ロール10と2つの下ロール12,14との正転駆動を引継き継続すると共に、該上ロール10の下降を同時に進行させる。これにより金属板16は所要の設定量Lだけ送られて、ここで形成される円弧が漸次変化する。すなわちこの段階では、上ロール10が先の所定加工位置である距離Cから更に加工を開始したことにより、ここで付与される円弧の曲率は大きなものに変化させられる。図19に示す如く、上ロール10は先の距離Cから次の所定加工位置である距離Cまで下降して停止させられると共に、該上ロール10と2つの下ロール12,14との正転駆動を継続され、前記金属板16を設定量Lだけ送って所要の円弧を形成する。ここで上ロール10は、所定加工位置である距離Cまで下降した状態で該金属板16の送りがなされるので、その設定量Lだけ送られる範囲では所定の曲率に維持される。
【0016】
図20に示す如く、上ロール10と2つの下ロール12,14との正転駆動と、該上ロール10の距離Cからの上昇とを同時に進行させることにより、前記金属板16を所定の設定量Lだけ送って、ここで形成される円弧を漸次変化させる。そして上ロール10が距離Cから、所定加工位置である距離Cまで上昇したところで、該上ロール10の上昇を停止させる。なお金属板16の先端部近傍16aと後端部近傍16bとの継ぎ目が、図示の実施例ではかなりストレートに近いので、これ以上の曲げ加工は必要ないが、仮にこの継ぎ目を更に湾曲させる必要があるときは、前記2つの下ロール12,14を現在の位置S+から、位置S−になるまで反送り方向に変位させて、再度曲げ加工を行なえばよい。以上の上ロール10の段階的な上昇および下降動作、上ロール10および2つの下ロール12,14の正転および逆転動作、金属板16が所定の設定量だけ送られる段階的な移動動作並びに2つの下ロール12,14の基準位置Sに対する変位タイミングを、図22に係るフローチャートに示す。
【0017】
(ロールベンダーに配設される計測ロールについて)
図23および図25は、先に述べた金属板の曲げ加工方法を好適に実施するための補助装置に関し、更に詳しくはロールベンダーにおける下ロール12,14の間に昇降自在に配設される計測ロール20を示すものである。すなわち、ロールベンダーにより金属板の曲げ加工方法を実施するには、先に説明した如く、1本の上ロール10と、2本の下ロール12,14とを所要のタイミングで正転方向または逆転方向に回転させ、金属板16を材料送り出し方向(+)または反送り出し方向(−)に必要量だけ前進・後退させる制御が重要となる。この制御を精度良く達成するためには、金属板16が材料送り出し方向(+)または反送り出し方向(−)に前進・後退させられる送り量を正確に知る必要がある。このため従来は、金属板の曲げ加工に際し上下のロール群が常に該金属板に接触して正逆送りを与える点に着目して、これら上ロールや下ロールに接続したパルス発生器から得られるパルス数により送り量を検出する方策が採られている。しかし上下のロールと金属板との間では、微小量ではあるが不可避的にスリップを発生するので、正確な送り量の測定は困難であり、これにより金属板の曲げ加工に誤差をもたらす弊害が問題視されている。
【0018】
このような難点に鑑み本願では、金属板の曲げ加工方法を好適に実施するための補助装置として、前記計測ロール20をロールベンダーにおける2つの下ロール12,14の間に昇降自在に配設することを提案したものである。すなわちロールベンダーでは、平行に離間して配設した2つの下ロール12,14の間に所要の空間が形成されるが、この空間中に小径の計測ロール20が一対の昇降フレーム22,22を介して回転自在に配設されている。これら対をなす昇降フレームは、左右同じ構成になっているので、一方の昇降フレーム22に関してのみ説明する。前記計測ロール20の一端部は、ブラケット24の頂部に設けた軸受け26に軸支され、このブラケット24は垂直な2つのガイド軸28,28により基台30に対し昇降自在に支持されている。これら2つのガイド棒28,28の中間には、これらと平行にエアシリンダ32が垂直配置され、該シリンダ32の垂直上方を指向するピストンロッド34の先端は、前記ブラケット24の下部に接続されている。従って、該エアシリンダ32を空気圧作動させることにより、前記計測ロール20はブラケット24と共に、図23で示す下降位置と図24に示す上昇位置との間を自在に昇降可能である。そして前記計測ロール20が最大限に上昇した際に、該計測ロール20は前記金属板16が通過する水平なパスラインPLより僅か上方へ延出可能となっている。
【0019】
前記計測ロール20の要所には、焼入鋼を材質とするリング36が外嵌めしてある。そして計測ロール20の最大上昇時に、このリング36が水平に送給される金属板16の下面に接触して、該計測ロール20をスリップすることなく追従的に自由回転させる。計測ロール20の一端部には、図25に示す如く、パルス発生器等からなる回転計測手段38が接続してあるので、この計測ロール20の追従回転により前記金属板16の送り量をパルス発生数により検出することができる。このように計測ロール20に外嵌めした前記リング36を、被計測対象物である金属板16に直接に当接させて、その送り量を計測するものであるためにスリップすることが殆どなく、前記金属板16の送り量を正確に計測することができる。また、波板のように表面が平坦でない金属板であっても、同じくその送り量を正確に計測し得る利点がある。
【0020】
(上下のロール間での周速差防止機構について)
本実施例で使用するロールベンダーでは、1つの上ロール10と2つの下ロール12,14との間に周速差が生ずるのを防止する機構が設けてある。すなわちロールベンダーで金属板を曲げ加工するに際し、該金属板の厚みがかなり薄いときは、その曲げ加工の最中に上ロール10からの駆動力(上ロール駆動の場合)が下ロール12,14に確実に伝わらない場合がある。このときは両下ロール12,14の駆動を行なう必要があるが、これら上下のロールに周速差が生じないことが肝要である。しかるに、駆動が掛けられる上ロール10と、同じく別の駆動が掛けられる2つの下ロール12,14との間では、金属板16の巻直径が変化すると共に、周速差を生じてその量も変化するのが普通である。殊に金属板16がステンレスやアルミの素材である場合、その表面にスリップ傷が発生して商品価値を低下させることにもなる。そこで上下のロールに布を巻いたり、合成樹脂製のスリーブを巻いたりして、前記スリップ傷の発生を防止する手段も採られているが、この対策は必ずしも充分ではない。
【0021】
このスリップ傷の発生を防ぐ手段として本実施例では、図26および図27に示す2つの機構が選択的に採用されている。例えば図26は、油圧式の周速差防止機構を示すもので、上ロール10は電動モータ40により駆動され、下ロール12,14はスプロケットおよびチェーンからなる動力伝達機構42を経て油圧モータ44により駆動させられる。この油圧モータ44のトルクは、前記下ロール12,14だけが回転する程度のトルクに設定されており、作動油の流量制御バルブ46,46を調節することにより、下ロール12,14が上ロール10よりもやや早めに回転するよう速度設定してある。そして作動油の供給源であるオイルタンク48から切換弁50に至る管路系には、これと分岐してリリーフバルブ52が設けられている。そして金属板の曲げ加工中に、前記下ロール12,14に大きな負荷が加わった場合には、前記リリーフバルブ52から該負荷に対応する分だけの作動油を前記オイルタンク48中に戻すことにより、常に上下のロール群の周速を一致させることができる。
【0022】
図27は、電気式の周速差防止機構を別例として示すもので、上ロール10は電動モータ54により駆動され、下ロール12,14はスプロケットおよびチェーンからなる動力伝達機構56を介して、独立した別の電動モータ58により駆動される。これらのモータ54,58は、例えばACサーボモータやベクトルインバータモータが好適に選択使用される。そして、シーケンサからなる制御装置60に、下ロール12,14の周速が上ロール10の周速と同じになるよう速度指令を与えると共に、前記モータ58のトルクを小さく設定し、金属板16の送り速度に応じて下ロール12,14の速度を制御するトルク指令を与えるようにする。これら油圧式および電気式の何れの機構によっても、上ロール10と2つの下ロール12,14との間に周速差を生ずることがなく、従ってステンレスやアルミ素材の金属板16の表面でのスリップ傷を未然に防止することができる。なお図示の実施例で、断面が略真円をなす円筒体の曲げ加工には、金属板の端部を最後に曲げる工程につき説明したが、若干の変更により該端部を最初に曲げる工程とすることもできる。また、断面が楕円をなす楕円円筒体の曲げ加工に関しては、曲げ終了時の切目が該楕円における長軸側の湾曲部に到来する例につき説明した。しかしこれに関しても若干の変更によって、曲げ終了時の切目が楕円における短軸側の湾曲部に到来するように曲げる工程とすることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る金属板の曲げ加工装置によれば、曲げ加工の対象物である金属板の正逆方向の送り量を正確に検出し得るので、断面が略真円をなす円筒体または断面が楕円をなす楕円円筒体の曲げ加工を施す行程を、熟練者の手間や多くのロール通過操作を行なうことなく、全自動で一連の行程として円滑に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図2】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図3】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図4】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図5】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図6】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図7】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図8】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図9】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図10】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図11】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図12】本実施例に係る断面が真円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図13】本実施例に係る断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図14】本実施例に係る断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図15】本実施例に係る断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図16】本実施例に係る断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図17】本実施例に係る断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図18】本実施例に係る断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図19】本実施例に係る断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図20】本実施例に係る断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法の一連の工程を示す説明図である。
【図21】断面が略真円をなす円筒体の曲げ加工方法を段階的に実施する際のタイミングチャート図である。
【図22】断面が楕円をなす円筒体の曲げ加工方法を段階的に実施する際のタイミングチャート図である。
【図23】本実施例に係る金属板の曲げ加工方法を好適に実施する補助装置の概略側面図である。
【図24】本実施例に係る金属板の曲げ加工方法を好適に実施する補助装置の概略側面図である。
【図25】本実施例に係る金属板の曲げ加工方法を好適に実施する補助装置の概略正面図である。
【図26】上ロールおよび下ロールの周速差を同一に設定するための第1提案の概略構成図である。
【図27】上ロールおよび下ロールの周速差を一致するための第2提案の概略構成図である。
【図28】従来技術に係るロールベンダーの概略構成図である。
【図29】従来技術に係るロールベンダーの概略構成図である。
【符号の説明】
10 上ロール
12,14 下ロール
16 金属板
20 計測ロール
32 エアシリンダ
36 リング
38 回転パルス発生手段

Claims (1)

  1. 上ロール(10)と、この上ロール(10)の中心線を通る垂線(S)を挟んで被加工材料の入側と出側とに夫々配設した2つの下ロール(12,14)とからなり、これら上ロール(10)と2つの下ロール(12,14)との間に被加工材料である金属板(16)を通過させて、該金属板(16)に所要の曲げを付与する曲げ加工装置において、
    前記2つの下ロール(12,14)の間に形成される空間に、これら両ロール(12,14)と平行小径の計測ロール(20)を回転自在に配設すると共に、エアシリンダ (32) の空気圧作動により上昇するよう昇降可能に配設し、
    前記計測ロール (20) の要所に、金属製のリング (36) を外嵌し、
    前記計測ロール(20)は、その一端部に回転パルス発生手段(38)を備えると共に、前記エアシリンダ (32) の空気圧作動による上昇時に、前記金属製のリング (36) 前記金属板(16)のパスライン(PL)より僅か上方に延出して該金属板(16)の下面に当接可能であって、
    材料送り出し方向または反送り出し方向に前進・後退される前記金属板 (16) の下面に前記金属製のリング (36) を接触して、前記計測ロール (20) をスリップすることなく追従的に自由回転させた際に、前記金属板(16)における前進方向または後退方向の送り量に応じたパルスを、前記回転パルス発生手段(38)から発生するよう構成した
    ことを特徴とする金属板の曲げ加工装置。
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