JPH059606U - 真空ろ過機におけるケーキの剥離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原液槽にドラムを支架し、ドラムの周面にケ
ーキ層を生成して固液分離を行なう回転円筒型真空ろ過
機のケーキの剥離装置に関し、ケーキの剥離が完全で、
ろ材の目詰りもない耐久性のあるケーキの剥離装置を提
供するものである。 【構成】 回転自在に配設したドラムを原液槽に支架
し、そのドラムの一部を原液中に浸漬して固液分離を行
なうようにした真空ろ過機において、上記ドラムの周面
に設けたろ過室に金属ろ材を埋設し、この金属ろ材に無
端状のろ過網を張設すると共に、ドラムから離反したろ
過網をその周面に多数の突起を設けた剥離ロールに掛け
回して、ドラム上に生成されたケーキを金属ろ材からろ
過網に移乗させ、ろ過網が剥離ロールを周回する時に、
剥離ロールに設けた突起で、ケーキをろ布から浮き上が
らせるようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は原液槽にドラムを支架し、ドラムの周面にケーキ層を生成して固液 分離を行なう回転円筒型真空ろ過機のケーキの剥離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

円筒状のドラムの一部を原液中に浸漬させて回転し、原液中の液分を吸引して その軸部より取り出し、ドラムの周面にケーキ層を生成させ、ドラムから離反し たろ布上のケーキをスクレパーで削り取る真空ろ過機は古くから知られている。 また、ケーキを剥離しやすくするために、ドラムとケーキの排出ロールとに掛け 回したろ布の裏面を殴打してケーキを浮き上がらせる装置もあった（例えば、実 公昭５６−１１９３３号）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、従来のろ材としてろ布を用いたものにあっては、ろ布の織目に入 ったケーキを剥離することは困難であり、特に、スクレパーを用いるとケーキを 織目の中に押込むこととなる欠点があった。また、ろ布の裏面を殴打する装置に おいては、ろ布を殴打してもろ布が上下に揺動するだけでケーキがろ布から剥離 しない欠点があった。そして、ケーキを剥離させるためには、ろ布を連続的に強 く殴る必要があり、ろ布を損傷させる恐れがあった。この考案は、上記の従来の 欠点を解消するために、真空ドラムの周部に用いるろ材として、ケーキの剥離性 がよい金属ろ材を用いると共に、この金属ろ材上にろ過網を張設して、このろ過 網がドラムから離反する時に、ケーキをろ過網に付着させ、ろ過網が剥離ロール を周回する時に、ケーキをろ過網から浮上がらせるようにしたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本願考案は、回動自在に配設したドラムを原液槽に支架し、そのドラムの一部 を原液中に浸漬して固液分離を行なうようにした真空ろ過機において、上記ドラ ムの周面に設けたろ過床に金属ろ材を埋設し、この金属ろ材上に無端状のろ過網 を張設すると共に、ドラムから離反したろ過網をその周面に多数の突起を設けた 剥離ローラに掛け回したものである。

【０００５】

【作用】

この考案に係る装置は、上述のように構成してあり、ドラムを真空ポンプで吸 引しながら回転させることによって、ろ液が金属ろ材を通過して機外に取出され 、一方、吸引された夾雑物は金属ろ材で捕捉され、ドラムの回転に伴なってろ過 網上に付着して上昇し、ろ過網がドラムから離反することによってろ過網に乗っ た状態で金属ろ材から剥離される。このようにして、ろ過網に乗ったケーキは、 剥離ロールまで移送され、ろ過網が剥離ロールを周回する時に、剥離ロールに設 けた多数の突起がろ過網の網目から突出してケーキを押し上げる。浮き上がった ケーキは、ろ過網が剥離ロールを通過した後、その自重で落下し、あるいは、浮 き上がったケーキをスクレパー等でろ過網から剥離させる。

【０００６】

【実施例】

本願考案を図面に基づき詳述すると先ず図１において、符号１はドラムであっ て、このドラム１は原液槽２に回転自在に支架されており、その一部を原液中に 浸漬してある。符号３はドラム１の周方向に区切って設けたろ過室であって、こ のろ過室３は吸引管４を介してロータリーバルブ５に連結されている。ドラム１ のろ過室３が原液中に浸漬されているθ１と、ドラム１が回転してろ過室３が液 面上にあるθ２においては、ローターリーバルブ５は真空ポンプ （図示せず） に連結され、ろ過室３は真空吸引されるようになっており、ドラム１が更に回転 してろ過室３がθ３に移動してきた時には、真空吸引が中断されるようになって いる。

【０００７】 図２において、符号６はろ過室３の外周部に嵌め込まれた金属ろ材であって、 １〜５０ミクロンのろ過目が設けられている。符号７は合成樹脂等で構成したろ 過網であって、３〜１０ｍ／ｍ角の網目が設けてある。このろ過網７は、金属ろ 材６を覆うようにドラムに巻き回した後、剥離ロール８と案内ロール９・・・に 巻回して無端状に走行自在に配設してある。剥離ロール８の周辺には図２に示す ように、円錐台形状の多数の突起１０・・・が設けてあり、この突起１０・・・ は剥離ロール８に巻回したろ過網７の網目から突出し、あるいは可撓性のあるろ 過網７を屈曲させて押し上げるようになっている。

【０００８】 ドラム１のろ過室が原液中に浸漬されている部位、即ち、図１に示すθ１にお いては、真空ポンプにより原液が吸引され、ろ液は金属ろ材６のろ過目を通過し て吸引管４よりドラム１外に抜き出される。一方、原液中に含まれる固形分は金 属ろ材６で捕捉されケーキ層を生成する。生成されたケーキはドラム１が回転す ることによりθ２の水面上に移送され、ケーキの水分は吸引脱水される。ドラム １がθ３まで回転してくると、ろ過網８は、ドラム１から離反して剥離ロール８ の方向に移送される。この時、金属ろ材６は剥離性がよいので、ドラム１上のケ ーキは金属ろ材６から離れ、ろ過網７に乗って剥離ロール８の方向に移送される 。なお、剥離性の悪いケーキにあっては、ろ過網７がドラム１から離反する部位 、即ちθ２の後端部において、ろ過室３に高圧空気を吹き込んでケーキを金属ろ 材６から浮き上がらせるようにしてもよいものである。次に、回動してきたろ過 網７は、剥離ロール８に巻回した部位において、剥離ロール８に設けた突起１０ がろ過目から突出し、あるいはろ過網７を屈曲させてケーキを突き上げ、ろ過網 からケーキを浮き上がらせることができるようになっている。符号１１は剥離ロ ール８の後段に設けたスクレパー、符号１２は洗浄ノズル、符号１３はろ過網７ の左右端縁部に設けたパーフォーレーションであって、ろ過網７が蛇行しないよ うにこのパーフォーレーション１３とドラム１の両端部に設けたスプロレット１ ４とが噛合せてある。

【０００９】

【考案の効果】

このように本願考案は、ろ材としてケーキの剥離性のよい金属ろ材を使用し、 ドラムに配設した金属ろ材上に巻回したろ過網を多数の突起を有する剥離ロール に掛け回したから、ケーキを容易に剥離することができるものである。即ち、ろ 布を用いた装来装置においては、ケーキを剥離するためのスクレパーがケーキを ろ布の織目に押し込み、目詰りの原因となっており、あるいは、ろ布の裏面を殴 打する装置が、ろ布の破損の原因となっていたものであるが、本願考案において は、金属ろ材をドラムの周部に埋没してあるので、固形物がろ液に浸入すること もなく、ろ材にスクレパーを当接しないので金属ろ材のろ過目にケーキを押し込 むこともなく、耐久性もあるものである。しかも、金属ろ材は剥離性がよいので 、ケーキを金属ろ材からろ過網に移乗させることができ、剥離ロールに巻き回し たろ過網の網目から剥離ロールの突起が突出して、あるいはろ過網を押し上げて ケーキを浮き上がらせるので容易にケーキを排出することができ、ろ過網にスク レパーを当接するとしても強く押し付ける必要がなく、ろ過網を破損させること もないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の真空ろ過機におけるケーキの剥離装
置の概略側面図である。

【図２】本願考案に用いる剥離ロールの斜面図である。

【図３】ドラム部位を取り出して示す斜面図である。

【符号の説明】

１ ドラム ２ 原液槽 ３ ろ過室 ６ 金属ろ材 ７ ろ過網 ８ 剥離ロール １０ 突起

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０１Ｄ 33/048

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 回転自在に配設したドラム１を原液槽２
   に支架し、そのドラム１の一部を原液中に浸漬して固液
   分離を行なうようにした真空ろ過機において、上記ドラ
   ム１の周面に設けたろ過室３に金属ろ材６を埋設し、こ
   の金属ろ材６に無端状のろ過網７を張設すると共に、ド
   ラム１から離反したろ過網７をその周面に多数の突起１
   ０・・・を設けた剥離ロール８に掛け回したことを特長
   とする真空ろ過機におけるケーキの剥離装置。