JPH059601U - 消泡装置の消泡羽根 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 消泡装置の消泡羽根において、閉鎖された流
路内で、流路の形状変化と遠心力によって泡を確実に消
泡するようにする。 【構成】 平行に間隔をおいて配置された対向する板状
体１，２、及び板状体１，２間に設けられた仕切板３で
なり、板状体１，２と仕切板３で遠心方向に泡の流路９
を構成し、同流路９を遠心方向へ向って順次狭くした。
また、流路の排出部に流れをさまたげる衝突板を設け
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、し尿処理装置、廃水処理装置、下水処理装置、発酵装置等に用いら れる消泡装置の消泡羽根に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の泡消装置の消泡羽根としては、図５に示すように、上下に所定の間隔を おいて対向して配置され泡の流過通路を形成する板状体０１，０２を設け、この 板状体０１，０２を軸まわりに回転させ、板状体０１，０２の間隔を泡０３の流 過方向に沿って順次狭くすることによって、泡０３の消泡を行なうようにしたも のがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記の従来の消泡装置の消泡羽根は、次の問題点があった。

【０００４】 (１) 消泡に寄与するのは間隔をおいた上下の羽根による圧縮力のみであり、 かつ、流路外周が開放されているために、遠心方向に圧力が逃げて十分な圧縮力 が得られなく、消泡効果を高めることができない。

【０００５】 (２) 羽根に導入された泡の排出効果が小さいため、泡の発生量が多く、かつ 、羽根が消中に没すると消泡効果は激減する。

【０００６】 以上のように、前記の従来の消泡装置の消泡羽根は、消泡効果を高めることが できず、また、消泡羽根の垂直投影範囲しか排出液による消泡を期待することが できない。

【０００７】 本考案は、以上の問題点を解決することができる消泡装置の消泡羽根を提供し ようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の消泡装置の消泡羽根は、次の手段を講じた。

【０００９】 (１) 駆動機構、この駆動機構により駆動される平行に間隔をおいて配置され た対向する板状体、及び前記板状体間に設けられた仕切板から成り、前記の板状 体と前記仕切板で遠心方向に泡の流路を形成すると共に、同泡の流路を遠心方向 へ向って順次狭くした。

【００１０】 (２) 前記 (１) の消泡装置の消泡羽根において、前記泡の流路の排出部に流 れをさまたげる衝突板を設けた。

【００１１】

【作用】

前記本考案 (１) は次の作用を奏することができる。 １． 平行に間隔をおいて配置された対向す板状体と板状体間に設けられた仕切 板によって順次狭くなった閉鎖形流路が形成され、消泡羽根に導入された泡が、 この閉鎖形流路により確実に圧縮される。 ２． 遠心方向に流路を形成したことにより遠心力により、さらに泡の圧縮力が 増大する。 ３． 遠心方向に排出される液は周囲の泡を消泡する。

【００１２】 本考案 (２) は、前記本考案 (１) において、泡の流路の排出部に設けられた 衝突板によって、泡はさらに圧密され、衝突とせん断によって更に消泡作用が向 上する。

【００１３】

【実施例】

本考案の第１の実施例を、図１及び図２によって説明する。１，２は、平行に 上下に間隔をおいて対向して配置された板状体であり、その中心部が、矢印ａ方 向に回転する水中モータ４ａの回転軸４と直交するように取付けられている。板 状体１，２は、回転軸４に対して対称な形状をもち、図１（ａ）に示すように、 その回転軸４の回転方向ａの前方の面は回転軸４より放射方向に外方へ延びる平 面をなすように形成され、また、後方の面は、回転軸４に対して放射方向外方へ 延び、即ち板状体１，２の前面に対して斜め後方へ向って延びるように形成され 、また、その側方の面は前方の面と直交するように形成されている。

【００１４】 前記板状体１，２の間には、板状体１，２と直交する複数の仕切板３が設けら れている。各々仕切板３は、板状体１，２の前方の面より同前方の面に直角をな して後方へ延び、続いて折れ曲って板状体１，２の後方の面と平行に斜め後方へ 延びており、前方板状体１，２と仕切板３とによって、複数の閉鎖された泡の流 路９が形成され、同流路９は、図１（ａ）に示すように、遠心方向へ向い、かつ 外方に行くに従って順次狭くなるように構成されている。なお図中７，８は、そ れぞれ前記泡の流路９の流入部と排出部である。

【００１５】 本実施例は、図２に示すように、図示しない部材によって、水槽１０内に、水 中モータ４ａの回転軸４が垂直方向に、かつ、板状体１，２が水槽１０内の液面 １１と泡面１２との間に位置するように取付けられる。

【００１６】 水中モータ４ａの軸４を、図１（ａ）中の矢印ａ方向に回転すると、板状体１ ，２は水平面内で泡内を回転し、図中矢印で示すように、泡は流入部材７から泡 の流路９の各々の内へ入り、排出部８から排出される。

【００１７】 泡の流路９の各々は、上下の板状体１，２と仕切板３によって閉鎖され順次狭 くなっているために、流路９の各々内において泡は確実に圧縮される。

【００１８】 また、泡は、遠心方向に形成された流路において、遠心力によってさらに圧縮 される。このようにして、泡を効果的に圧縮することによって、消泡効果が増大 する。

【００１９】 以上のように、各流路９内で消泡された液は、遠心力によって、流路９の排出 部８から周囲の泡面１２内へ排出され、周囲の泡が消泡される。

【００２０】 また、流路９内の消泡された液を遠心力によって排出部８から強制的に排出す ることによって、同流路９に流入部７から泡をスムーズに導入することができる 。

【００２１】 本考案の第２の実施例を、図３によって説明する。本実施例は、前記第１の実 施例の泡の流路９の各々の排出部８に、流れをさまたげる衝突板５を設けた。

【００２２】 本実施例では、前記第１の実施例の作用及び効果に加えて、衝突板５によって 、各流路９を流れる泡はさらに圧密され、衝突とせん断によって更に消泡作用を 向上させることができる。

【００２３】 本考案の第３の実施例を、図４によって説明する。本実施例は、前記第１の実 施例において、消泡羽根の外周に沿って固定された衝突板６を設けた。本実施例 では、前記第１の実施例の作用及び効果に加えて、衝突板６によって気泡がさら に破泡されることとなる。

【００２４】 なお、前記各実施例では、１段の消泡羽根が回転軸４に取付けられているが、 複数段の消泡羽根を回転軸４に取付けるようにすることもできる。

【００２５】

【考案の効果】

本考案では、平行に間隔をおいて配置された対向する板状体と板状体間に設け られた仕切板によって、遠心方向に泡の流路を形成すると共に、同泡の流路を遠 心方向へ向って順次狭くしているために、閉鎖された泡の流路内で同流路の形状 変化と遠心力によって泡を効果的に圧縮して消泡することができる。

【００２６】 また、本考案では、泡の流路の排出部に設けられた衝突板によって、泡をさら に圧密し、衝突とせん断力によって消泡効果を更に高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示し、図１（ａ）はそ
の平面図，図１（ｂ）はその立面図である。

【図２】同実施例が水槽に装着された状態を示す縦断面
図である。

【図３】本考案の第２の実施例の平面図である。

【図４】本考案の第３の実施例の平面図である。

【図５】従来の消泡装置の消泡羽根の説明図である。

【符号の説明】

１，２ 板状体 ３ 仕切板 ４ 回転軸 ４ａ 水中モータ ５ 衝突板 ６ 衝突板 ７ 流入部 ８ 排出部 ９ 泡の流路 １０ 水槽 １１ 液面 １２ 泡面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動機構、この駆動機構により駆動され
   る平行に間隔をおいて配置された対向する板状体、及び
   前記板状体間に設けられた仕切板から成り、前記板状体
   と前記仕切板で遠心方向に泡の流路を形成すると共に、
   同泡の流路を遠心方向へ向って順次狭くしたことを特徴
   とする消泡装置の消泡羽根。
2. 【請求項２】 前記泡の流路の排出部に流れをさまたげ
   る衝突板を設けたことを特徴とする請求項１に記載の消
   泡装置の消泡羽根。