JPH05954A - 膠原病治療薬 - Google Patents

膠原病治療薬

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JPH05954A
JPH05954A JP18037591A JP18037591A JPH05954A JP H05954 A JPH05954 A JP H05954A JP 18037591 A JP18037591 A JP 18037591A JP 18037591 A JP18037591 A JP 18037591A JP H05954 A JPH05954 A JP H05954A
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JP
Japan
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chitin
collagen disease
disease
agent
treating
Prior art date
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Pending
Application number
JP18037591A
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English (en)
Inventor
Yuriko Nakamura
有利子 中村
Ryoichi Tsuruya
良一 鶴谷
Koji Kibune
紘爾 木船
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05954A publication Critical patent/JPH05954A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 キチンを主成分とする。 【効果】 膠原病、中でも特に全身性エリテマトーデス
に対する治療効果に優れ、かつ、従来の薬剤使用時に問
題となる副作用がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキチンからなる膠原病治
療薬に関するものであり、膠原病である慢性関節リウマ
チ(RA)、リウマチ熱(RF)、結節性多発動脈炎
(PN)、進行性全身性硬化症(PSS)、多発性筋炎
(PM)、皮膚筋炎(DM)、混合性結合織病(MCT
D)、シェーグレン症候群、ベーチェット病、壊死性血
管炎、中でも特に全身性エリテマトーデス(SLE)に
対して好適な膠原病の治療薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】膠原病とは、全身の結合組織においてフ
ィブリノイド変性を呈する病理所見に基づいて分類され
た疾患群であり、結合織病の一つである。病因論的にみ
ると、膠原病は、免疫異常の存在から広義のアレルギー
性の疾患として、また、自己抗体の出現から自己免疫疾
患として分類されることにもなる。現在、その発病の機
構がいまだ解明されていないため、その治療法は確立さ
れておらず、厚生省により難病の一つであると指定され
ている。
【0003】膠原病の治療はおもに発熱、疼痛、炎症な
どを抑えることのみの対症療法を主体として行われる。
一般的に低用量では抗炎症剤として、高用量では免疫抑
制剤として作用する免疫抑制剤がよく使用されている。
【0004】膠原病の原因療法として免疫療法があげら
れるが、この免疫療法には大きくわけて免疫調節療法と
免疫抑制療法がある。免疫調節剤としては金製剤、ロベ
ンザリット、D−ペニシラミン、サラゾピリン、ブシラ
ミン等があり、免疫抑制剤としてはシクロホスファミ
ド、アザチオプリン、メトトレキサートの様な非特異的
免疫抑制作用を有するものと、シクロスポリン、ミゾリ
ビンの様な遅延型アレルギーを選択的に抑制するものが
ある。
【0005】他の方法として挙げられるステロイド剤
は、抗炎症作用と免疫抑制作用をもち合わせており、細
胞性、体液性両方の免疫応答を低下させ、また好中球や
マクロファージの膜を安定化して障害性酵素の遊離を起
こりにくくする働きをもつ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】活発に分裂しつつある
リンパ球を殺傷するためには、シクロホスファミドのよ
うな細胞障害作用をもつアルキル化薬、DNAの合成を
阻害するアザチオプリン、メトトレキサート等の薬物を
使用する必要がある。が、こうした薬物は作用が非特異
的であるため患者が免疫抑制の状態に陥ってしまい感染
に弱くなるという問題点がある。また、ステロイドには
感染誘発、副腎皮質機能抑制などの数々の好ましくない
副作用があり、長期投与は可能な限り避けるべきであ
る。
【0007】本発明は天然の高分子であり、その分解物
が生体内に存在する生体適合性のあるキチンを膠原病の
治療に用いることを目的とするものである。
【0008】キチンに抗炎症作用や免疫調節作用がある
のは知られているが、この作用に注目して膠原病の治療
に適応した例はまだない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、キチンが優れ
た抗炎症作用を示し、また、免疫応答を調節する種々の
因子にも作用し膠原病に対して優れた治療効果を示すこ
とを見いだし、本発明に到達するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、キチンを主成分とす
る膠原病治療薬を要旨とするものである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本来、キ
チンとは甲殻類及び昆虫類の外骨格等を塩酸処理並びに
苛性ソーダ処理をして灰分及びタンパク質を除去して得
られるポリ(N−アセチル−D−グルコサミン)であ
り、広義にはその脱アセチル化物も含む。この脱アセチ
ル化度の高いものがキトサンである。
【0012】脱アセチル化とはキチンのアミノアセチル
基をアミノ基とすることを意味する。 脱アセチル化さ
れたキチンは、アミノ基と酸類とで形成された塩でもよ
く、例えば、酢酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が挙
げられる。
【0013】キチンの脱アセチル化は、キチンをアルカ
リ処理すると言う周知の方法で行うことが出来る。この
際使用するアルカリ濃度、処理温度あるいは処理時間等
を適宜変えることによって、脱アセチル化度を容易に調
整することができる。
【0014】ここでいう脱アセチル化度とは、次のよう
な方法で測定された値をいう。試料約2gを2N−塩酸
水溶液200ml中に投入し、室温で30分間攪拌す
る。ついで、ガラスフィルターで濾過して塩酸水溶液を
除去した後、200mlのメタノール中に投入して30
分間攪拌する。このものをさらにガラスフィルターで濾
過し、フレッシュなメタノール200ml中に投入し3
0分間攪拌する。このメタノールによる洗浄操作を4回
繰り返したのち、風乾及び真空乾燥し、ついでその約
0.2gを精秤し、100mlの三角フラスコに取り、
イオン交換水40mlを加えて30分間攪拌する。つい
で、この溶液をフェノールフタレインを指示薬として
0.1N−苛性ソーダ水溶液で中和滴定する。脱アセチ
ル化度(A)は次式によって求められる。 ただし、aは試料の重量(g)、fは0.1N−苛性ソ
ーダ水溶液の力価、bは0.1N−苛性ソーダ水溶液の
滴定量(ml)である。
【0015】この測定方法は、分子量の高いものに対し
ても低いものに対しても有用であり、分子量により限定
されるものではない。本発明で用いられる脱アセチル化
キチンは高分子体であり分子量が少なくとも2000以
上のものを意味する。
【0016】本発明にいうキチンには、グルコサミン残
基の−OH基又は、−CH2 OH基がエステル化、エー
テル化、カルボキシメチル化、ヒドロキシエチル化、あ
るいはO−エチル化されたキチン誘導体等も含まれる。
【0017】本発明の膠原病治療薬はキチンを主成分と
しているが、好ましくは30%以上脱アセチル化された
キチン、それも脱アセチル化度が50〜90%のものが
最も好ましい。
【0018】本発明の膠原病治療薬の剤型としては、錠
剤、カプセル剤、散剤、懸濁剤、液剤などの内用剤、あ
るいは軟膏剤、パップ剤などの外用剤もしくは注射剤等
の剤型があげられる。
【0019】上記のものを製造する場合は、周知の方法
で製造することができる。例えば、内用剤を製造する場
合には、有効成分である脱アセチル化されたキチン以外
に、必要に応じて賦形剤、補助剤、添加剤等を加えて製
造することが可能である。賦形剤は充填剤、増量剤等に
分類され、具体的には、糖類、デンプン、無機物、結晶
セルロース等がある。補助剤は緩衝剤、乳化剤、分散
剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤等に分けられる。添加剤に
は保存剤、芳香剤、香味剤等がある。
【0020】また、外用剤を製造する場合には、基剤と
して局方に収載されている油脂性基剤、乳剤性基剤等を
使用することができる。基剤の選択は適用する疾患の症
状により好適なものを選択するのが望ましい。注射剤は
溶剤として、局方に規定された注射用蒸留水、生理食塩
液等を用い、溶解もしくは乳濁あるいは懸濁させ製造す
ることができる。
【0021】これらの剤型中のキチンの配合量は、疾
患、症状あるいは剤型等により一定ではなく、適宜決定
することができる。一般的には0.3〜20重量%の範
囲であるが、キチンそのものを散剤として服用すること
も可能であり、特に限定するものではない。
【0022】本発明の膠原病治療薬の用法としては、散
剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口投与、あるいは外用剤
を患部に直接塗布する、もしくは皮下注射、筋肉内注
射、静脈内注射等の投与法がある。
【0023】投与量としては、症状や剤型により一定で
はないが一般的には有効成分が1日当り0.1〜10g
の範囲であるのが望ましい。
【0024】本発明の膠原病治療薬の適応症は、膠原病
全般であり、中でも全身性エリテマトーデスに有効であ
る。
【0025】なお、本剤の急性毒性を、脱アセチル化度
70%のものについて調べたところ、生理食塩中に分散
してマウスの腹腔内投与したものは, リッチフィールド
−ウィルコクソン(Litchfield-Wilcoxon )法で算出し
たLD50値が7.5g/kg 以上であり、安全性の高いことが
確認された。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 粗キチン粉末(新日本化学製)を200メッシュに粉砕
し、1N−塩酸にて4℃、1時間処理し、さらに3%苛
性ソーダ水溶液中で90℃、3時間加熱処理し、粗キチ
ン粉末中に含まれているカルシウム分及びタンパク質を
除去した。このキチン粉末中の脱アセチル化度は3.2
%であった。さらに、40%苛性ソーダ水溶液中で12
1℃、1時間加熱処理をして脱アセチル化を行い、つい
で水洗を繰り返した後乾燥して脱アセチル化されたキチ
ンを得た。この脱アセチル化されたキチン粉末の脱アセ
チル化度は65.9%であった。
【0027】得られた脱アセチル化度65.9%の粉末
をマウス粉末飼料MT(日本チャールズリバー株式会社
製)に10%含有されるように調整した。この粉末を全
身性エリテマトーデスの病態モデルマウスであるMRL
/Mp−lpr/lprマウスに給餌し摂取させた。
【0028】MRLマウスのLD50は5〜6カ月である
が、上記の飼料を摂取したMRLマウスのLD50は7〜
8カ月と増加した。また、組織反応を調べてみたとこ
ろ、腎臓、関節において差が認められた。すなわち、コ
ントロール群にくらべて投与群の方が組織障害は軽度で
あった。
【0029】実施例2 粗キチン粉末(新日本化学製)を200メッシュに粉砕
し、1N−塩酸にて4℃、1時間処理し、さらに3%苛
性ソーダ水溶液中で90℃、3時間加熱処理し、粗キチ
ン粉末中に含まれているカルシウム分及びタンパク質を
除去した。このキチン粉末中の脱アセチル化度は1.2
%であった。さらに、40%苛性ソーダ水溶液中で12
1℃、1時間加熱処理をして脱アセチル化を行い、つい
で水洗を繰り返した後乾燥して脱アセチル化されたキチ
ンを得た。この脱アセチル化されたキチン粉末の脱アセ
チル化度は71.9%であった。
【0030】得られた脱アセチル化度71.9%の粉末
をそのまま散剤としてSLEの患者に1回1gを1日3
回連日服用させた。この患者は24才の女性で顔には頬
部から鼻、前額部にかけて淡い浮腫性の紅斑があった。
臨床検査では尿蛋白が強陽性でSLEの診断基準となる
LE細胞も陽性であった。本剤の服用の結果、尿蛋白は
容易には消失しなかったが、顔面の紅斑は比較的速やか
に消失した。
【0031】
【発明の効果】本発明の膠原病治療薬は、膠原病、中で
も特に全身性エリテマトーデスに優れた治療効果を発揮
し、かつ副作用が認められないので患者の負担も少なく
これらの治療において非常に有効である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 キチンを主成分とする膠原病治療薬。
JP18037591A 1991-06-24 1991-06-24 膠原病治療薬 Pending JPH05954A (ja)

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JP18037591A JPH05954A (ja) 1991-06-24 1991-06-24 膠原病治療薬

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JP18037591A JPH05954A (ja) 1991-06-24 1991-06-24 膠原病治療薬

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JPH05954A true JPH05954A (ja) 1993-01-08

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ID=16082144

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JP18037591A Pending JPH05954A (ja) 1991-06-24 1991-06-24 膠原病治療薬

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5796023A (en) * 1995-05-22 1998-08-18 Yamaha Corporation Keyboard apparatus with white keys and black keys having action member driving sections at substantially the same location
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