JPH059535B2 - - Google Patents

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JPH059535B2
JPH059535B2 JP58199178A JP19917883A JPH059535B2 JP H059535 B2 JPH059535 B2 JP H059535B2 JP 58199178 A JP58199178 A JP 58199178A JP 19917883 A JP19917883 A JP 19917883A JP H059535 B2 JPH059535 B2 JP H059535B2
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JP
Japan
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corona discharge
electrode
filaments
group
filament
Prior art date
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JP58199178A
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JPS6094663A (ja
Inventor
Katsuji Hikasa
Kozo Ito
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH059535B2 publication Critical patent/JPH059535B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、フイラメント群の開繊方法に関す
る。 更に詳しくは、フイラメント群に極めて高い静
電気を与えて、フイラメント群を良好に開繊させ
る方法に関するものである。 従来、空気流と共に送られる複数のフイラメン
トをネツトコンベア上に分散、堆積して不織布と
する方法において、品質の良い不織ウエブを得る
ためには、フイラメント相互の分離(開繊とい
う)が完全に成される必要がある。この方法とし
て、フイラメント群に摩擦・衝突による接触帯電
やコロナ放電による帯電による静電気を付与し、
フイラメント間の相互反発によつて各フイラメン
トを開繊し、均一な不織ウエブとする技術が一般
に用いられている。 しかし、これまで知られている静電気的な開繊
技術における問題点は、フイラメントに与えられ
る静電気の量が未だ十分ではなく、満足な開繊状
態が得られない。特にフイラメント数が多くなつ
た場合、フイラメントに与えられる静電気の量が
十分で、良好な開繊状態が得られないといつた点
にあつた。 本発明者らは、特公昭44−21817号公報、又は
特公昭54−28508号公報等に開示されるコロナ放
電電界中にフイラメント群を通過させ、コロナ放
電によつてフイラメント群を帯電させる方法が、
安定で、かつ比較的良好な開繊状態が得られるこ
とに着目し、検討を加えてみたが、この方法にお
いても帯電量が不十分であり満足な開繊状態では
なく、特にフイラメント数が多くなつた場合、顕
著に開繊状態が悪化し、数本から十本以上のフイ
ラメントが開繊されずに束になつた状態で堆積さ
れる部分が発生し得られる不織ウエブの均一性や
品位が極めて劣るという問題があつた。 一般的に開繊性はフイラメント間の静電気的反
発力の大小に大きく影響され、従つて高い帯電量
を有するほど静電気的反発力が大きく開繊性に優
れるといえる。 開繊そのものは、フイラメント間の静電気的反
発力と随伴気流によつて生じるフイラメント張力
の兼ね合いによるものであるため、帯電量を増加
させフイラメント間の静電気的反発力を大きくす
ること、及び随伴気流を減少させフイラメント張
力を低下させることは開繊を良好にする方法であ
るといえるが、フイラメント群のフイラメント数
が大略50本を越え、コロナ放電電界中に入る直前
のフイラメント群の横断面でのフイラメントの空
間密度が大略50本/cm2を越えるフイラメント群を
従来技術によつて帯電させる場合、良好な開繊を
得るために必要な帯電量が得られない。 又、随伴気流を減少させてフイラメント張力を
さげて開繊させ易くしようとしてもフイラメント
がターゲツト電極に接触し電荷を失ない逆に帯電
量が減少して更に開繊を悪くするといつた従来技
術の欠点が明確になつてくる。 本発明者らは、これらの点に鑑み、多数のフイ
ラメントから成るフイラメント群に高い帯電量を
与え、極めて良好な開繊状態を生産性よく安定に
得るために鋭意検討を重ねた結果、本発明の完成
にい到つた。 即ち、本発明は、フイラメント群を、コロナ放
電電極とターゲツト電極とから成るコロナ放電ユ
ニツトで形成されたコロナ放電電界中に空気流と
共に通過させて電気を与えて開繊する方法におい
て、上記コロナ放電ユニツトを複数用い、かつ、
最終の上記コロナ放電ユニツトの上記ターゲツト
電極に沿つてエアーカーテン流を形成し、フイラ
メント群の帯電電荷の逃散を防止することを特徴
とするフイラメント群の開繊方法、及びフイラメ
ント群を、コロナ放電電極とターゲツト電極とか
ら成るコロナ放電ユニツトで形成されたコロナ放
電電界中に空気流と共に通過させて静電気を与え
て開繊する方法において、コロナ電圧を任意に調
整できる複数のコロナ放電ユニツトを用い、か
つ、各上記コロナ放電ユニツトの上記コロナ放電
電極と上記ターゲツト電極との間隔がフイラメン
ト群の走行方向にゆくにしたがい、順次増加し、
しかも最終の上記コロナ放電ユニツトの上記ター
ゲツト電極に沿つてエアーカーテン流を形成し、
フイラメント群の帯電電荷の逃散を防止すること
を特徴とするフイラメント群の開繊方法、であ
る。 本発明は、コロナ放電ユニツトのターゲツト電
極に沿つてエアーカーテン流が形成されているコ
ロナ放電電界中にフイラメント群を通過させると
いう新規な方法であり、従来公知のコロナ放電帯
電法やその他の帯電方法によつても得られなかつ
た高い帯電量や極めて良好な開繊状態が生産性よ
く容易に得られ、その効果は極めて大きい。 以下、本発明を更に詳しく説明する。 本発明でいうフイラメント群とは、複数のフイ
ラメントを意味し、束になつた状態、テープ状や
リボン状に束が薄く広げられた状態でよく、スダ
レ状に単糸同士がほぼ一定、あるいはランダムな
間隔で並べられた状態であつてもよい。 又、このフイラメントはいわゆるフイラメント
形成物質より成り、ポリアミド、ポリエステル、
ポリオレフイン、ポリアクリロニトリル等の合成
繊維、レーヨン等の再生繊維、及びガラス繊維等
の無機繊維等が含まれる。フイラメントは異種成
分より成る複合繊維でも混合繊維でもよく径も任
意にとられてよい。 フイラメント群は、空気流によつてコロナ放電
電界中に導かれ、空気流と共に通過するが、一般
的にはエアーサツカー、アスピレーター等による
空気流によつてコロナ放電電界中に導びかれる。 本発明において、フイラメント群は空気流と共
にコロナ放電電界中を通過させられ帯電されるが
本発明においてコロナ放電電界は、コロナ放電ユ
ニツトのターゲツト電極に沿つてエアーカーテン
流が形成されているコロナ放電電界である。フイ
ラメント群はコロナ放電により帯電され各フイラ
メントは静電気的反発を相互に受け、コロナ放電
電界中で広がる傾向を示す。 又、コロナ放電電極から発生する電荷の符号と
フイラメント群の帯電符号が一致するため、その
静電気的反発でフイラメント群はターゲツト電極
側に引き寄せられる。帯電したフイラメントがタ
ーゲツト電極に接触するとフイラメントが持つ帯
電電荷の一部が失われ、帯電量が頭打ちになり、
良好な開繊を得るために必要な帯電量が得られな
くなる。 又、帯電したフイラメント群がターゲツト電極
に接触しなくても、ある距離に達した時、フイラ
メント群の持つ帯電電荷のためにフイラメント群
とターゲツト電極の間で生ずる電界により放電が
起こり、フイラメント群の帯電電荷の一部が失わ
れる現象も生じる。特にフイラメント群の帯電電
荷量が多い時放電距離も長くなつて放電による帯
電電荷の逃散が生じ易くなる。従つて、フイラメ
ント群とターゲツト電極の接触を防ぎ、更には、
フイラメント群とターゲツト電極の距離を隔てて
保ち、フイラメント群の帯電電荷の逃散を防止す
るために、ターゲツト電極に沿つてエアーカーテ
ン流が形成されていることは重要である。このエ
アーカーテン流の別の効果として、フイラメント
群の開繊をより効果的に行うとか、フイラメント
群を更に広げるために、帯電したフイラメント群
を衝突板等に衝突させるとき、フイラメント群の
衝突板への衝突力が増し、開繊及びフイラメント
群の拡幅がより効果的に成されるようになる。驚
くべきことに、このような場合、フイラメント群
の帯電量が更に増加することが判り、フイラメン
ト群の開繊は、更に効果的となる。 エアーカーテン流は空気噴射ノズルによつて形
成される。空気噴射ノズルの形状はスリツト状、
円形状等任意であるが、ターゲツト電極の形状に
応じて必要とするエアーカーテン流を得るために
選ばれる。例えば、ターゲツト電極が平板状電極
である場合、その全面を覆うスリツト状ノズルか
ら噴射されるエアーカーテン流が好ましい。又、
エアーカーテン流は、ターゲツト電極に沿つてい
ることが好ましい。例えば、フイラメント群に対
し垂直、あるいはフイラメント群をターゲツト電
極から遠ざける方向へのエアーカーテン流でも、
その流速、及び流量が小さい場合ある程度の効果
はあるものの、これはコロナ放電電界中でのフイ
ラメント群の走行状態を不安定にし、コロナ放電
による帯電の不安定さを招き、強いてはフイラメ
ント群の開繊状態を不安定にするため好ましくな
い。 エアーカーテン流は通常、圧縮空気を供給して
形成させるが、その圧力、エアーカーテン流の流
速、流量等は良好な開繊を得るために任意にとら
れてよい。 本発明において、コロナ電圧を任意に調整でき
る複数のコロナ放電ユニツト(以下、単にユニツ
ト略す)を用い、かつ、各上記ユニツトの上記コ
ロナ放電電極と上記ターゲツト電極の間隔がフイ
ラメント群の走行方向にゆくにしたがい順次増加
し、しかも最終のユニツトの上記ターゲツト電極
に沿つてエアーカーテン流を形成して、上記フイ
ラメント群と上記ターゲツト電極との接触を防
ぎ、そして帯電電荷の逃散を防止する方法は、特
にフイラメント群を構成するフイラメントの数、
及びフイラメント群の横断面方向の空間配列密度
が増した時に効果を発揮する。 複数のユニツトは、フイラメント群のフイラメ
ント数の増加、およびフイラメント群のコロナ放
電電界中の通過速度の増加に伴つてフイラメント
群への帯電量が減少し、1対のユニツトのみでは
フイラメント群に対し良好な開繊状態を得るに必
要な帯電量の付与ができなくなつてくる場合には
特に好ましい。 又、各ユニツトのコロナ放電電極とターゲツト
電極の間隔がユニツト毎にフイラメント群の走行
方向にゆくにしたがつて順次増加していること
は、フイラメント群が各ユニツトを通過し、帯電
されるに従い、各フイラメントの静電気的反発に
よる広がりは大きくなり、更にコロナ放電電極か
ら発生する電荷とフイラメント群の帯電電荷の符
号が一致するための静電気的反発も、各ユニツト
を通過する度に帯電量が増して大きくなり、フイ
ラメント群とターゲツト電極が接触しやすくな
り、その接触を防ぎ、フイラメント群の帯電電荷
の逃散を防止し、更にフイラメント群へコロナ放
電による電荷付与を行うために必要である。 これに加えて各ユニツトのコロナ電圧が独立に
任意に調整できることは、各ユニツトのコロナ電
流値の調整ができることであり、フイラメント群
の構成本数、総デニール、横断面での空間密度が
変化すると最高レベルの帯電量を得るための各ユ
ニツトの設定コロナ電流値も変化することから、
フイラメント群へ高レベルの帯電量を付与するた
めにコロナ電圧を任意に調整できる独立したユニ
ツトから成つていることが必要である。 各ユニツトの電圧、即ちコロナ電流値、及び独
立したユニツトの数はフイラメント群の構成本
数、総デニール、横断面方向での空間密度、フイ
ラメント群のコロナ放電電界中の通過速度、フイ
ラメント群を搬送する空気流の流速、流量等々に
応じて高い帯電量を得るために任意に設定されて
よい。 コロナ放電電界を形成する各ユニツトのコロナ
放電電極とターゲツト電極の間隔は、ユニツト毎
にフイラメント群の走行方向にゆくにしたがつて
順次増加しているが、増加のしかたとして、各ユ
ニツトのコロナ放電電極とターゲツト電極がそれ
ぞれ共通の平面上に配置され、フイラメント群の
走行方向にその配置平面間の距離が連続的に増加
しているもの、各ユニツトのコロナ放電電極が共
通の平面上に配置されターゲツト電極がユニツト
毎に段階的にフイラメント群の走行方向に増加し
ているものなどが挙げられるが、コロナ放電電界
を形成する各ユニツトのコロナ放電電極がフイラ
メント群のコロナ放電電界中に侵入する際の走行
軸に対し平行な共通平面上に配置され、ターゲツ
ト電極が独立したユニツト毎に段階的にフイラメ
ント群の走行方向にゆくにしたがい順次増加して
いるものが好ましい。 又、この段差は2〜20mmが好ましく、更に好ま
しくは2〜10mmであるがこれに限定されるもので
はない。独立した複数のユニツトのコロナ電圧の
調整は、それぞれユニツト毎に別々の高電圧発生
装置に接続させて行うとか、高電圧発生装置と各
ユニツトのコロナ放電電極の間に可変抵抗器を設
けて行うなど任意に選ばれてよい。 本発明に用いられるコロナ放電方法は、従来公
知の任意の方法がとられてよく、例えば特公昭44
−21817号公報や、特公昭54−28508号公報に開示
される如く、針状電極と平面状や曲面状電極とか
らなるコロナ放電方法が一般的で、適当な間隔を
有する両極間に通常10〜60KVの電圧を印加し、
コロナ放電流が発生する状態をつくり、その両電
極の間隔にフイラメント群を通過させる。 この場合、針状電極の配列、平板状電極の形
状、そして両極間の距離や電圧によつて各種の電
界を形成することが可能であり、任意に採られて
よい。コロナ放電の電極としては、このような針
状電極と平板状電極との組み合わせの他、針状電
極と針状電極、平面状電極と平面状電極、棒状電
極と棒状電極との組み合わせが採られてよいが、
各ユニツトのコロナ放電電極が針状電極であり、
ターゲツト電極が平板状電極であるのが好まし
い。又、各ユニツトの針状電極はフイラメント群
の帯電を有利に行うために複数本の針から構成さ
れるのが好ましく、構成本数、針配列等は任意に
とられてよい。 本発明において、フイラメント群を、空気流と
共にコロナ放電電界中を通過させて帯電させ開繊
させるが、この開繊されたフイラメント群を堆積
して広幅の不織ウエブとするための方法は、その
まま堆積させてもよいし、コロナ放電処理後、衝
突板に衝突させて更にフイラメント群を広げて堆
積させてもよい。或いは装置の流れを横切る方向
(CD方向)への揺動を付与して広げて堆積させ積
層するなど任意の方法がとられてよい。特に、コ
ロナ放電処理後、衝突板に衝突させて更にフイラ
メント群を広げる時、本発明の効果は更に発揮さ
れる。即ち、フイラメント群の帯電量が増加し、
開繊性が更に良好になることを伴う。 次に図面によつて本発明を説明する。 第1図は本発明に係るフイラメント群の開繊方
法の例を示す模式図であり、紡口1より吐出され
たフイラメント群2はエアーサツカー3によつて
引き取られ、噴出されたフイラメント群を第3図
に例示する如き、直流高電圧電源6に接続された
針状電極4と平板状電極5から成るコロナ放電電
界中を通過させ帯電させた後、更に直流高電圧電
源9に接続された針状電極7と平板状電極8から
成り、平板状電極8に沿つたエアーカーテン流1
0を形成したコロナ放電電界中を通過させ帯電さ
せ、開繊させてネツトコンベア11の上に堆積さ
せて不織ウエブ12を形成するものである。 なお、針状電極4と平板状電極5から成るコロ
ナ放電電界は、特にフイラメント群の本数が増
え、針状電極7と平板状電極8のコロナ放電によ
る帯電のみでは、開繊に必要な静電気付与ができ
ない場合、効果を発揮するもので必要がなけれ
ば、作動させなくてよい。 第2図は本発明の他の実施態様を示すものであ
り、高速回転ロール13,13′で引き取られた、
あるいは延伸されたフイラメント群をエアーサツ
カー3′で針状電極4′と平板状電極5′及び針状
電極7′と平板状電極8′、更に平板状電極8′に
沿つたエアーカーテン流10′が形成されたコロ
ナ放電電界中に導いて通過させ、帯電させて開繊
した不織ウエブを形成するものである。 本発明は、フイラメント群をコロナ放電を生じ
ている電界中に導き帯電させ、フイラメント群を
良好に開繊させる方法に関するものであり、本発
明の実施により極めて高い静電気がフイラメント
群に付与でき、その結果、良好に開繊された高品
質な不織ウエブが極めて容易に、かつ安定して得
られる。 以下の実施例に示す如く従来技術において解決
されなかつた多フイラメントから成るフイラメン
ト群の帯電量の低さからくる開繊性の悪さや不安
定さは本発明によつて解決される。本発明の実施
により、生産性を高めることができ本発明は工業
的見地からも極めて有用なものである。なお、本
発明は、このような開繊された不織ウエブの製法
として用いられる他、混繊、その他を目的とする
各種の開繊に用いられてよい。 以下、実施例によつて本発明をさらに詳細に説
明するが、それらに限定されるものではない。 なお、実施例中の電荷量は電荷量計(KQ−
431B型、春日電気製)にて測定した。 又、開繊状態の評価は、第1図、及び第2図に
示すネツトコンベア11を速度10m/分で動か
し、補集された不織ウエブ12について長さ1m
間に、フイラメント同士の束が存在するかどうか
で評価し、全く束が存在せず、フイラメントが単
糸状にばらけているのを極めて良好、1〜2ケ存
在するのを良好とした。 実施例 1 静電気を利用して、フイラメント群を良好に開
繊する為には、いかに多くの静電気をフイラメン
トに与えるかであるが、本実施例1はエアーカー
テン流を形成することにより、フイラメント群に
与える静電気の量を増加させるという効果がある
ことを示す。 第1図に示す方法にて、ポリエチレンテレフタ
レートを孔数120を有する紡口より吐出し、紡口
下約1.0mの位置に配置したエアーサツカー(圧
気 4.0Kg/cm2G、流量35Nm3/hr、出口断面積
1.13cm2)に導き、単糸が1.5dのフイラメント群を
得た。この時のフイラメント群の糸速は4800m/
分と換算された。 エアーサツカーの下方5mmの位置に第3図に示
す如き2段のコロナ放電装置のユニツトをセツト
した。針状電極4及び7はそれぞれ7本の針を有
し、フイラメント群の侵入する軸に平行な共通平
面にあり、それぞれ独立した直流高電圧発生装置
に接続されている。SUS製平板状電極5は針状
電極4から17mmの距離を隔てて置かれ、SUS製
平板状電極8は針状電極7から21mmの距離を隔て
て置かれている。又、平板状電極8の上部には、
エアーカーテン流を形成させる為の空気噴射用の
スリツトノズル(1.5mm×60mm)が設けられてい
る。フイラメント群をこのコロナ放電装置を通過
させて、第1段目のユニツトの電圧−32KV、第
2段目のユニツトの電圧−41KVで、スリツトノ
ズルへの供給空気圧、即ち、エアーカーテン流を
種々変更して帯電させネツトコンベア11に堆積
させた。結果を表−1に記載するが、いづれも
20μc/g以上の帯電量を有し堆積した不織ウエ
ブはフイラメント同士の束がなく、各フイラメン
トが単糸状になるように良好に開繊された不織ウ
エブであつた。表1に示すように、エアーカーテ
ン流を形成させることによりフイラメント群を開
繊させる為に必要とされる静電気の量は、増加し
た。
【表】 比較例 1 実施例1の操作を、10本の針状電極とSUS製
平板状電極より成り、電極間隔が17mmにセツトさ
れた1段のみのユニツトで種々の電圧で実施した
ところ、いづれも不織ウエブ中にフイラメントの
束が随所に存在する品位の劣つた不織ウエブとな
つた。この時のフイラメントの最高帯電量は
10μc/gであつた。 実施例 2 第2図に示し方法にて、ポリエチレンテレフタ
レートを孔数180の紡口より吐出し、1対の高速
ロールにより糸速5000m/分で引き取り、エアー
サツカー(圧気4.0Kgc/cm2G、流量35Nm3/hr、
出口断面積1.13cm2)に導き、単糸が2.0dのフイラ
メント群を得た。 このエアーサツカーの下方5mmの位置に実施例
1と同型の2段のユニツトをセツトし、エアーカ
ーテン流を形成させるための供給空気の圧力を2
Kg/cm2Gとして、各ユニツトのコロナ電流値を変
化させてフイラメント群に帯電させた。この結果
を第4図に示す。最高帯電量として、第1段目
(上段)のユニツトの電流値が0.30mA、第2段目
(下段)のユニツトの電流値が0.30mAの時、
26μc/gを示した。第1段目(上段)のユニツ
トがコロナ放電を行わなくても16μc/gを示し、
この時フイラメントの帯電量が14μc/gを越え
るものは極めて良好な開繊をした不織ウエブとな
つた。 比較例 2 実施例2の操作を、実施例1で用いたと同様の
ユニツトで針状電極4と7が同一電源に接続さ
れ、かつ、平板状電極5と8が同一平面にあつ
て、針状電極4と7、平板状電極5と8の電極間
隔か17mmの等しい距離で対向し、ターゲツト電極
に沿つたエアーカーテン流のないユニツトを用い
て実施した。この結果を第4に示すが、最高帯電
量として、12μc/g程度しか得られず、得られ
る不織ウエブも、フイラメントの束が随所に存在
する品位の劣つた不織ウエブとなつた。 実施例 3〜7 実施例2の操作を単糸2.0dのフイラメント群の
フイラメント数を変化させて行つた。得られた最
高帯電量と、その時の開繊状態を表2に示す。 表2から第2図に示す方法によると、コロナ放
電電界中に入る直前のフイラメント群の横断面で
のフイラメントの空間密度が300本/cm2を越える
フイラメント群が極めて良好に開繊される事がで
きることがわかる。
【表】 実施例 8 第2図に示す方法にて、ポリプロピレン(チツ
ソ社製S5056)を用い、孔数96の紡口より吐出
し、1対の高速ロールにより、糸速5000m/分で
引き取り、単糸2dのフイラメント群を得た。こ
のフイラメント群をエアーサツカー(圧気4.0
Kg/cm2G、流量35Nm3/hr、出口断面積1.13cm2
に導き、このエアーサツカー下方5mmの位置に実
施例1と同型の2段のユニツトをセツトし、フイ
ラメント群を通過させて、第1段目のユニツト電
圧−32KV、第2段目のユニツトの電圧−43KV、
エアーカーテン流を形成させるための供給空気の
圧力を2Kg/cm2Gとして帯電させネツトコンベア
上に堆積させた。このフイラメントは26μc/g
の帯電量を示し、堆積したウエブは良好に単糸状
に開繊した不織ウエブであつた。 実施例 9 実施例1と同様にしてフイラメント群にコロナ
放電処理した後、ユニツトの下方、約50mmの位置
に約45゜の角度で絶縁した銅製の平板を設け、こ
れに帯電したフイラメント群を衝突させてフイラ
メント群を広げて堆積して不織ウエブを形成させ
たところ、エアーカーテン流を形成させるための
供給空気の圧力の増加に伴い、ウエブ幅も増加し
た。又、帯電量もエアーカーテン流を形成する供
給空気の圧力の増加に伴い増加した。その結果を
表−3に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明に係る実施態様の
例を示す模式図である。第3図は、本発明のコロ
ナ放電装置の具体例の断面図。第4図は、実施例
2、比較例2における下段(第1段目)のユニツ
トのコロナ電流値と帯電量の結果を示す。 1…紡口、2…フイラメント群、3,3′…エ
アーサツカー、4,4′…針状電極、5,5′…平
板状電極、6,6′…直流高電圧電源、7,7′…
針状電極、8,8′…平板状電極、9,9′…直流
高電圧電源、10,10′…平板状電極に沿つた
エアーカーテン流、11…ネツトコンベア、12
…不織ウエブ、13,13′…回転ロール。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フイラメント群を、コロナ放電電極とターゲ
    ツト電極とから成るコロナ放電ユニツトで形成さ
    れたコロナ放電電界中に空気流と共に通過させて
    静電気を与えて開繊する方法において、上記コロ
    ナ放電ユニツトを複数用い、かつ、最終の上記コ
    ロナ放電ユニツトの上記ターゲツト電極に沿つて
    エアーカーテン流を形成し、フイラメント群の帯
    電電荷の逃散を防止することを特徴とするフイラ
    メント群の開繊方法。 2 コロナ放電電界を形成するコロナ放電電極が
    針状電極であり、ターゲツト電極が平板状電極で
    ある特許請求の範囲第1項記載のフイラメント群
    の開繊方法。 3 フイラメント群を、コロナ放電電極とターゲ
    ツト電極とから成るコロナ放電ユニツトで形成さ
    れたコロナ放電電界中に空気流と共に通過させて
    静電気を与えて開繊する方法において、コロナ電
    圧を任意に調整できる複数のコロナ放電ユニツト
    を用い、かつ、各上記コロナ放電ユニツトの上記
    コロナ放電電極と上記ターゲツト電極との間隔が
    フイラメント群の走行方向にゆくにしたがい、順
    次増加し、しかも最終の上記コロナ放電ユニツト
    の上記ターゲツト電極に沿つてエアーカーテン流
    を形成し、かつ、帯電電荷の逃散を防止すること
    を特徴とするフイラメント群の開繊方法。 4 コロナ放電電界を形成する各コロナ放電ユニ
    ツトのコロナ放電電極が針状電極であり、ターゲ
    ツト電極が平板状電極である特許請求の範囲第3
    項記載のフイラメント群の開繊方法。 5 平板状電極がフイラメント群の走行方向にゆ
    くにしたがい、順次段階的になつており、最終の
    平板状電極とその前の平板状電極の段差部から最
    終の平板状電極面に沿つてエアーカーテン流を形
    成し、そして帯電電荷の逃散を防止する特許請求
    の範囲第3項記載のフイラメント群の開繊方法。
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