JPH0593929U - 車両用空調装置の脱着式フィルタ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルタの取付作業を容易にし且つフィルタ
からの異音発生を防止した車両用空調装置の脱着式フィ
ルタ構造の提供。 【構成】 脱着式フィルタ１０は、蛇腹状に折り曲げら
れて伸縮自在のフィルタ部１と、このフィルタ部の上端
及び下端にそれぞれ固定された上側及び下側フレーム部
２、３と、両フレーム部の各一端側２ａ、３ａ及び各他
端側２ｂ、３ｂをそれぞれ接続する、弾性変形可能な湾
曲した前後の支持部４、５とを備える。フィルタ挿入口
２１ｃからエバポレータケース２１内に挿入された状態
で、両支持部４、５の弾性力によりフィルタ部１が伸び
て両フレーム部２、３がケース２１の上面２１ｆ及び下
面２１ｇにそれぞれ当接するように構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空調装置のダクト内に配置されるフィルタで、車室に開口したダク トのフィルタ挿入口からダクト内に挿入される車両用空調装置の脱着式フィルタ 構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、このような車両用空調装置の脱着式フィルタ構造としては、例えば、空 気取入口から取り入れられた空気を空気吹出口へ案内するダクトと、同ダクトに 介挿されたブロワファンと、上記ダクト内を案内される空気の温度調整を行なう 温度調整ユニットとをそなえるとともに、上記ダクト内にエアフィルタが配設さ れて、同エアフィルタを上記ダクトに着脱可能に取り付けるべく、上記ダクトの 側壁部に、上記エアフィルタを挿入しうるように形成された開口と、同開口に上 記エアフィルタが挿入された状態において上記開口を閉鎖させる開口閉鎖部材と が設けられたことを特徴とする、脱着式エアフィルタ付き空調装置が知られてい る（例えば、実開昭６３ー１３３２０号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来技術では、矩形のエアフィルタが枠体に保持されて成 るフィルタ部材をそのままの形状でダクトの側壁部に形成された開口に挿入する ことにより、フィルタ部材をダクトに装着する構成であるため、前記開口の高さ 方向の寸法をフィルタ部材の高さ方向の寸法より若干大きくしておく必要があり 、このような高さ寸法の大きい開口を、フィルタ部材の取付作業スペースとなる 車室内前部にあるグローブボックス下部の空間、すなわち助手席乗員の足元付近 の非常に狭い空間に臨ませることは実際上難しいと共に、このような狭い取付作 業スペース内で前記フィルタ部材をそのままの形状でダクトの前記開口に挿入す る作業を行なうのは難しいという問題点があった。

【０００４】 また、上記従来技術では、フィルタ部材をそのままの形状でダクトの前記開口 に挿入することにより、フィルタ部材をダクトに装着する構成であるため、ダク トに装着された状態でフィルタ部材に製造誤差等に起因するガタが生じやすく、 車両走行中にフィルタ部材から異音が発生するおそれがあるという問題点があっ た。

【０００５】 本考案は、このような従来の問題点に着目して為されたもので、狭い作業スペ ースでもフィルタの取付作業を容易に行なうことができ、且つフィルタからの異 音発生を防止した車両用空調装置の脱着式フィルタ構造を提供することを目的と している。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、空調装置のダクト内に配置されるフィ ルタで、車室に開口したダクトのフィルタ挿入口からダクト内に挿入される車両 用空調装置の脱着式フィルタ構造において、蛇腹状に折り曲げられて伸縮自在の フィルタ部と、このフィルタ部の上端及び下端にそれぞれ固定された上側及び下 側フレーム部と、両フレーム部の各一端側及び各他端側をそれぞれ接続する、弾 性変形可能な湾曲した前後の支持部とを備え、前記フィルタ挿入口から前記ダク ト内に挿入された状態で、前記両支持部の弾性力により前記フィルタ部が伸びて 前記上側及び下側フレーム部がダクトの上面及び下面にそれぞれ当接するように 構成されているものである。

【０００７】

【作用】

そして、上記フィルタ構造では、前後の支持部を弾性変形させてフィルタ部を 縮めた状態にできるので、ダクトのフィルタ挿入口を高さ方向の寸法が小さいも のにしても、フィルタをフィルタ挿入口からダクト内に容易に挿入できる。また 、フィルタがダクト内に挿入された状態で、前後の支持部の弾性力によりフィル タ部が伸びて上側及び下側フレーム部がダクトの上面及び下面にそれぞれ当接す るので、フィルタがダクト内でガタつかない。

【０００８】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の各実施例を説明する。

【０００９】 なお、各実施例の説明において同様の部位には同一の符号を付して重複した説 明を省略する。

【００１０】 図１は本考案の第１実施例に係る車両用空調装置の脱着式フィルタ構造を示す 斜視図である。

【００１１】 図１に示す脱着式フィルタ１０は、図２に示す車両用空調装置２０のクーリン グユニットのダクトを構成するエバポレータケース２１内に、図３及び図４に示 すように配置されるものである。

【００１２】 エバポレータケース２１には、図３に示すように、不図示のブロワユニットと の接合部２１ａと、このブロワユニットからの空気が流入する空気入口２１ｂと 、フィルタ挿入口２１ｃとが設けられている。前記フィルタ１０は、図３に示す ように、エバポレータケース２１内で空気入口２１ｂの直後に配置され、この空 気入口２１ｂから流入した空気内のほこり等をカットするようになっている。

【００１３】 エバポレータケース２１は、図２に示すように、フィルタ挿入口２１ｃが形成 されている側壁２１ｄの面を自動車２２の車室に向けて且つこのフィルタ挿入口 ２１ｃが車室内前部左側にあるグローブボックス２２ａ下部の空間、すなわち助 手席乗員の足元付近の空間２２ｂに臨むように配置されている。

【００１４】 前記フィルタ１０は、図１に示すように、蛇腹状に折り曲げられた不織布でで きた伸縮自在のフィルタ部１と、このフィルタ部１の上端及び下端にそれぞれ固 定された上側フレーム部２及び下側フレーム部３と、両フレーム部２、３の各一 端側２ａ、３ａ及び各他端側２ｂ、３ｂをそれぞれ接続する、弾性変形可能な湾 曲した前後の支持部４及び５とを備えている。さらに、このフィルタ１０には、 その取付作業時及び取外し作業時に作業者が握持する握持部６と、この握持部６ と前記上側フレーム部５とを接続する接続部７とが設けられている。

【００１５】 図１及び図４に示すように、前記支持部４、５は、それぞれ前記フィルタ部１ の両側に一対設けられている。前記接続部７は、フィルタ１０がエバポレータケ ース（ダクト）２１内に装着された状態で前記側壁２１ｄの内面に沿って垂直に 延びる垂直部７ａと、この垂直部７ａに連続し、前記フィルタ挿入口２１ｃ内を 水平に延びる水平部７ｂとから成る。そして、前記握持部６の内側には、シール 部材１１が固着されている。

【００１６】 さらに、前記握持部６の上端部には止めねじ１２が取り付けられており（図３ 及び図４を参照）、フィルタ１０をエバポレータケース２１内に装着した後、止 めねじ１２を前記側壁２１ｄのねじ孔２１ｅに螺合させて締め付けることにより 、前記シール部材１１によりフィルタ挿入口２１ｃが閉塞された状態で、握持部 ６が前記側壁２１ｄに締結されるようになっている。

【００１７】 前記上側フレーム部２、下側フレーム部３、一対の支持部４、一対の支持部５ 、握持部６、及び接続部７は、例えばアクリル系樹脂で一体成型されている。特 に、各支持部４、５は、図１及び図４に示す伸びた状態と図５（ｃ）に示す縮ん だ状態との間で弾性変形できるように湾曲している。

【００１８】 さらに、前記フィルタ１０は、図４に示すように、前記フィルタ挿入口２１ｃ からエバポレータケース２１内に挿入された状態で、前記両支持部４、５の弾性 力によりフィルタ部１が伸びて前記上側フレーム部２及び下側フレーム部３がエ バポレータケース２１の上面２１ｆ及び下面２１ｇにそれぞれ当接するように構 成されている。

【００１９】 また、前記フィルタ１０は、その各支持部４、５を図５（ｃ）に示すように弾 性変形させてフィルタ部１を縮めた状態になり得るので、前記フィルタ挿入口２ １の高さ方向の寸法は、前記側壁２１ｄの高さ方向の寸法の半分程度の小さな大 きさでよい。

【００２０】 次に、上記構成を有する第１実施例に係る脱着式フィルタ１０をエバポレータ ケース２１内に取り付ける手順及びこのケース２１内から取り外す手順を説明す る。

【００２１】 脱着式フィルタ１０をエバポレータケース２１内に取り付けるには、図５（ａ ）に示すように両支持部４、５の弾性力によりフィルタ部１が伸びた状態にある フィルタ１の握持部６を握持し、両フレーム部２、３の一端２ａ、３ａ側がエバ ポレータケース２１のフィルタ挿入口２１ｃ内に入るように握持部６に力を加え て支持部４側を大きく弾性変形させ（図５（ｂ）を参照）、図２及び図５（ｃ） に示すように一端２ａ、３ａ側がフィルタ挿入口２１ｃ内に入ったところで握持 部６に同図の左方向への力を加えてフィルタ部１全体をエバポレータケース２１ 内に入れ（図６（ａ）を参照）、図６（ａ）の状態から握持部６を斜め上方へ押 してシール部材１１の端面をフィルタ挿入口２１ｃの端面に当接させ、この状態 で止めねじ１２を側壁２１ｄのねじ孔２１ｅに螺合させて締め付けることにより 、握持部６を側壁２１ｄに締結する（図６（ｂ）を参照）。これによって、フィ ルタ１０のエバポレータケース（ダクト）２１内への取付が完了する。

【００２２】 この取付完了状態において、フィルタ部１が両支持部４、５の弾性力により伸 びて上側フレーム２及び下側フレーム３がそれぞれエバポレータケース２１の上 面２１ｆ及び下面２１ｇに当接する。

【００２３】 脱着式フィルタ１０を一定期間使用した後、フィルタ１０をエバポレータケー ス２１内から取り外すには、図７（ａ）に示す状態で、止めねじ１２を緩め、握 持部６を握持し、この握持部６を図７（ｂ）に示すように斜め下方に引っ張って 両フレーム部２、３の他端２ｂ、３ｂ側をフィルタ挿入口２１ｃから外に出し、 この状態で図７（ｃ）に示すように握持部６に同図の右方向に引っ張ってフィル タ部１全体をエバポレータケース２１の外に出す。これによって、フィルタ１０ のエバポレータケース２１からの取外しが完了する。

【００２４】 このように、上記第１実施例によれば、フィルタ１０には、その取付作業時及 び取外し作業時に作業者が握持する握持部６が接続部７を介して上側フレーム部 ５に接続されて設けられている構成により、フィルタの取付及び取外し作業時に 前後の支持部４、５を弾性変形させてフィルタ部１を縮めた状態にできるので、 エバポレータケース（ダクト）２１のフィルタ挿入口２１Ｃを高さ方向の寸法が 小さいものにしても、フィルタ１０の取付作業及び取外し作業を容易に行なうこ とができる。すなわち、助手席乗員の足元付近の空間２２ｂのような非常に狭い 作業スペースでもフィルタ１０の取付及び取外し作業を容易に行なうことができ る。

【００２５】 さらに、フィルタ１０がエバポレータケース２１内に挿入された状態で、前後 の支持部４、５の弾性力によりフィルタ部１が伸びて上側フレーム部２及び下側 フレーム部３がエバポレータケース２１の上面２１ｆ及び下面２１ｇにそれぞれ 当接するので、フィルタ１０がエバポレータケース２１内でガタつかない。従っ て、車両の走行中にフィルタ１０からの異音が発生しない。

【００２６】 図８は本考案の第２実施例に係る脱着式フィルタ構造を示している。

【００２７】 この第２実施例のフィルタ１０は、上記第１実施例における前記支持部４、５ の代わりに、ばね材でできた針金４０、５０を用いたもので、その他の構成は上 記第１実施例と同じである。

【００２８】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案によれば、空調装置のダクト内に配置されるフィ ルタで、車室に開口したダクトのフィルタ挿入口からダクト内に挿入される車両 用空調装置の脱着式フィルタ構造において、蛇腹状に折り曲げられて伸縮自在の フィルタ部と、このフィルタ部の上端及び下端にそれぞれ固定された上側及び下 側フレーム部と、両フレーム部の各一端側及び各他端側をそれぞれ接続する、弾 性変形可能な湾曲した前後の支持部とを備え、前記フィルタ挿入口から前記ダク ト内に挿入された状態で、前記両支持部の弾性力により前記フィルタ部が伸びて 前記上側及び下側フレーム部がダクトの上面及び下面にそれぞれ当接するように 構成されてことにより、前後の支持部を弾性変形させてフィルタ部を縮めた状態 にできるので、ダクトのフィルタ挿入口を高さ方向の寸法が小さいものにしても 、フィルタをフィルタ挿入口からダクト内に容易に挿入できる。また、フィルタ がダクト内に挿入された状態で、前後の支持部の弾性力によりフィルタ部が伸び て上側及び下側フレーム部がダクトの上面及び下面にそれぞれ当接するので、フ ィルタがダクト内でガタつかない。従って、狭い作業スペースでもフィルタの取 付作業を容易に行なうことができ、且つフィルタからの異音の発生を防止するこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係る車両用空調装置の脱
着式フィルタ構造を示す斜視図である。

【図２】図１のフィルタが取り付けられるエバポレータ
ケースの車両への取付位置を示す説明図である。

【図３】図１のフィルタが取り付けられたエバポレータ
ケースを示す斜視図である。

【図４】図１のフィルタが取り付けられたエバポレータ
ケースを示す断面図である。

【図５】（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）はフィルタの取付作
業を説明するための説明図である。

【図６】（ａ）及び（ｂ）はフィルタの取付作業を説明
するための説明図である。

【図７】（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）はフィルタの取外し
作業を説明するための説明図である。

【図８】本考案の第２実施例に係る車両用空調装置の脱
着式フィルタ構造を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ フィルタ部 ２ 上側フレーム部 ３ 下側フレーム部 ２ａ、３ａ 一端 ２ｂ、３ｂ 他端 ４、５ 支持部 １０ フィルタ ２０ 空調装置 ２１ エバポレータケース（ダクト） ２１ｃ フィルタ挿入口 ２１ｆ 上面 ２１ｇ 下面 ４０、５０ 支持部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空調装置のダクト内に配置されるフィル
   タで、車室に開口したダクトのフィルタ挿入口からダク
   ト内に挿入される車両用空調装置の脱着式フィルタ構造
   において、蛇腹状に折り曲げられて伸縮自在のフィルタ
   部と、このフィルタ部の上端及び下端にそれぞれ固定さ
   れた上側及び下側フレーム部と、両フレーム部の各一端
   側及び各他端側をそれぞれ接続する、弾性変形可能な湾
   曲した前後の支持部とを備え、前記フィルタ挿入口から
   前記ダクト内に挿入された状態で、前記両支持部の弾性
   力により前記フィルタ部が伸びて前記上側及び下側フレ
   ーム部がダクトの上面及び下面にそれぞれ当接するよう
   に構成されていることを特徴とする車両用空調装置の脱
   着式フィルタ構造。