JPH059351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はシールド工事などで排出された残土
を運搬排出処理するために使用される土砂用ホツ
パーに関するものである。

［従来技術］ 従来、現場においてシールド工事などにおける
残土の排出処理に際して一般に土砂用ホツパーが
使用されているが、この土砂用ホツパーとして
は、ホツパーの下部に設けられた排出口を両開き
状の閉塞部材で単に閉塞しうるようにした土砂用
ホツパーが一般に知られている。

しかし、前記従来の土砂用ホツパーでは、含水
率の高い残土の排出の場合には、前記排出口から
の漏水が激しく、これによりホツパーの設置面が
汚され、ひいては作業場周辺地域の作業環境を損
なわせてしまうとの問題があった。

さらに、前記ホツパーの設置面を常に清潔にし
ておく必要があるために絶えず掃除をしておかな
ければならず、そのため作業手間になつてしまう
との問題があつた。

これらの問題に対処するため、ホツパー下部の
排出口に油圧駆動のスクリユーゲートを取り付
け、該スクリユーの回転により強制的にホツパー
内の残土を外部に排出する構造の土砂ホツパーが
提案されるに至つた。

しかして、この油圧駆動によるスクリユーゲー
トを取り付けた土砂ホツパーでは、含水率の高い
残土の場合でも止水構造に関してほぼ完全な構造
とされており、前記ホツパーの排出口から漏水す
ることはない。

しかし、該スクリユーゲートを取り付けた土砂
用ホツパーにおいては、その設置上のコスト、作
業場での維持管理費及び転用の際に要する経費等
が高価になつてしまうという問題があつた。

［考案の目的］ かくして、この考案は、前記従来の問題点に対
処すべく創案されたものであり、その目的は、含
水率の高い残土の場合でも排水口からの漏水を完
全に防止でき、さらに、その設置上のコスト、作
業場での維持管理費及び転用の際に要する経費等
を安価に出来、含水率の高い残土の場合でも含水
率の低い残土の場合でも兼用して使用できる土砂
用ホツパーを提供することにある。

［考案の構成］ 本考案による土砂用ホツパーは、 土砂を収納する土砂収納部３と、 土砂収納部３の下方に設けられるホツパーゲー
ト４と、 略円筒状の可撓性部材で形成され、ホツパーゲ
ート４下端の排出口に着脱自在に取り付けられる
排出通過路１１と、 一対の側壁６，６と、両側壁６，６の先端側周
縁を連結する複数のローラ部材８とから形成さ
れ、基端側がホツパーゲート４下方の左右にそれ
ぞれ軸支される開閉部材ユニツト５ａ，５ｂと、 開閉部材ユニツト５ａ，５ｂを駆動する駆動機
構１０と、 ホツパーゲート４下端の排出口の両側にそれぞ
れ取り付けられる被覆シート１５，１５と、 を有して構成されている。

そして、開閉部材ユニツト５ａ，５ｂ閉塞時に
は、各被覆シート１５が複数のローラ部材８で支
持され、各被覆シート１５の先端側および排出通
過路１１が左右の開閉部材ユニツト５ａ，５ｂの
対向するローラ部材８，８で挟持される。

［実施例］ 以下、本考案を図面に示す一実施例に基づいて
説明する。

図面において、符号１は土砂用ホツパー２を支
持しうる支持部材であり、この支持部材１の略上
方に土砂用ホツパー２が取り付けられている。

土砂用ホツパー２は、土砂を収納する土砂収納
部３と、この土砂収納部３の下方に設けられたホ
ツパーゲート４と、このホツパーゲート４を閉塞
しうる両開き状開閉部材５とを備えて構成されて
いる。

ここで、前記両開き状の開閉部材５の構成につ
いて説明すると、 該両開き状の開閉部材５は、図面に示すように
左右側に分かれて配された開閉部材ユニツト５
ａ，５ｂを有しており、これら開閉部材ユニツト
５ａ，５ｂは略扇状をなす一対の側壁６，６と、
この側壁６，６の先端側周縁７，７を連結して天
端面を構成する複数のローラ部材８…とを有して
形成されている。

そして、開閉部材ユニツト５ａ，５ｂの基端側
は、ホツパーゲート４近傍の土砂収納部３に回動
可能に軸支されており、この軸支部９，９を支点
として、前記開閉部材ユニツト５ａ，５ｂは、略
両開き状に開閉しうるよう構成されている。

しかして、両開き状の開閉操作は、土砂用ホツ
パー２の両側に取り付けられた油圧シリンダーな
どの駆動機構１０，１０により行う。

次に、符号１１は、略円筒状に形成された排出
通過路を示す。この排出通過路１１は、一端に外
側に張り出すフランジ１２を有する円筒状の基部
１３と、この基部１３の他端に嵌まり込み、合成
樹脂あるいはゴム材などの可撓性部材で形成され
た長筒状の通過部１４とから構成されている。

そして、この排出通過路１１は着脱自在に取り
付けられるようになつており、土砂用ホツパー２
のホツパーゲート４の端部に形成されたフランジ
１２に排出通過路１１のフランジ１２を添接し、
取付ボルトで両フランジ１２，１２を締結するこ
とにより土砂用ホツパー２に排出通過路１１を簡
単に取り付けられるように構成されている。

また、符号１５は土砂用ホツパー２の側面にそ
の一端が取り付けられた被覆シートであり、前述
した両開き状開閉部材５が閉塞するとき、該被覆
シート１５，１５が複数のローラ部材８…に添接
し、ホツパー２内の土砂がローラ部材８，８間の
隙間からこぼれないようにしてある。

次に、本考案による土砂用ホツパーの使用状態
について説明する。

図面第１図は、両開き状開閉部材５を開いた状
態を示したもので、この状態でホツパー２内の含
水率の高い土砂は排出通過路１１を通過し、外部
に排出される。

次に、両開き状開閉部材５の閉塞は第２図のよ
うになされる。

すなわち、油圧シリンダなどで形成された駆動
機構１０で左右の開閉部材ユニツト５ａ，５ｂを
中央側に回動し、可撓性部材で形成された排出通
過路１１を挟み込む。

すると、排出通過路１１および各被覆シート１
５の先端側は、開閉部材ユニツト５ａ，５ｂの端
部のローラ部材８，８で押し付けられて完全に密
閉、遮断される。

よつて、含水率の高い土砂を収納した場合であ
つても前記排出通過路１１から漏水することはな
い。

なお、本考案による土砂用ホツパー２は比較的
含水率の低い土砂の排出にも対応できるように、
前記排出通過路１１を簡単に離脱できるような構
造にしてある。

すなわち、両フランジ１２，１２を締結してあ
る取付ボルトを外すことにより、ホツパーゲート
４から排出通過路１１のみを簡単に離脱できるよ
うに構成されている。

よつて、排出通過路１１を取り外し、排出口を
広くすることにより、含水率が低く堅い土砂であ
つてもスムーズに外部に排出することができる。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、開閉部材
ユニツト閉塞時に、各被覆シートが複数のローラ
部材で支持され、各被覆シートの先端側および排
出通過路が左右の開閉部材ユニツトの対向するロ
ーラ部材で挟持されるので、含水率の高い土砂を
収納した場合でも排出口から漏水することはな
い。

また、排出通過路は着脱自在であるので、これ
を取り外せば、含水率の低い土砂をも収納でき
る。

さらに、従来型のホツパーをほとんどそのまま
の形で転用できるので、製作コストを低く抑える
ことができる。またシンプルな構造であるので、
故障が生じにくく、維持管理費も安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案による土砂用ホツパー
の使用状態を示す概略図である。 １……支持部材、２……土砂用ホツパー、３…
…土砂収納部、４……ホツパーゲート、５……両
開き状開閉部材、６……側壁、７……先端側周
縁、８……ローラ部材、９……軸支部、１０……
駆動機構、１１……排出通過路、１２……フラン
ジ、１３……基部、１４……通過部、１５……被
覆シート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 土砂を収納する土砂収納部３と、 土砂収納部３の下方に設けられるホツパーゲー
   ト４と、 略円筒状の可撓性部材で形成され、ホツパーゲ
   ート４下端の排出口に着脱自在に取り付けられる
   排出通過路１１と、 一対の側壁６，６と、両側壁６，６の先端側周
   縁を連結する複数のローラ部材８とから形成さ
   れ、基端側がホツパーゲート４下方の左右にそれ
   ぞれ軸支される開閉部材ユニツト５ａ，５ｂと、 開閉部材ユニツト５ａ，５ｂを駆動する駆動機
   構１０と、 ホツパーゲート４下端の排出口の両側にそれぞ
   れ取り付けられる被覆シート１５，１５と、 を有し、 開閉部材ユニツト５ａ，５ｂ閉塞時には、各被
   覆シート１５が複数のローラ部材８で支持され、
   各被覆シート１５の先端側および排出通過路１１
   が左右の開閉部材ユニツト５ａ，５ｂの対向する
   ローラ部材８，８で挟持される、ことを特徴とす
   る土砂用ホツパー。