JPH0593502U - 溶存空気の分離除去装置 - Google Patents

溶存空気の分離除去装置

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JPH0593502U
JPH0593502U JP3416192U JP3416192U JPH0593502U JP H0593502 U JPH0593502 U JP H0593502U JP 3416192 U JP3416192 U JP 3416192U JP 3416192 U JP3416192 U JP 3416192U JP H0593502 U JPH0593502 U JP H0593502U
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JP
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hot water
air
water
nozzle
bowl
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耕次 須田
俊夫 野口
武美 村中
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】温水中の空気分離効率と装置の運転効率を向上
させ、空気障害の問題を確実に解消することである。 【構成】温水の入口28と出口29を有する分離除去装
置の本体27内に、空気層の空気室48と温水が満たさ
れる温水室49を設ける。入口28から温水が供給され
る垂直管30の上端に放射状の噴出口31aを有するノ
ズル31を設け、その上方に略半球状の椀状部材37を
配置してノズル31から温水を噴出させる。ノズル31
と椀状部材37は空気室48の空気層に位置しており、
自動空気抜き弁47の取付口47aは本体側面のノズル
31と椀状部材37下側に開口し、温水の水面wは取付
口の上端付近に位置する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ビル等における給湯設備の配管中に溶存する空気等を分離除去する ための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、マンション等のビルにおいて、温水を利用する集中給湯方式による暖房 や給湯設備が普及してきているが、その一方でこのような給湯設備の配管中に存 在する空気による障害、例えば循環ポンプの焼損や配管の腐食等の発生が増加し てきている。
【0003】 このような空気による障害のうち循環ポンプの焼損は、温水中の微細気泡や溶 存空気が温水から分離して凝集し、それが大きな気泡になって配管中を移動して 循環ポンプに流入することに起因している。また、配管腐食は、温水中に含まれ る溶存酸素が温水から分離して配管内面に付着することにより、所謂、酸素濃淡 電池が形成されることがその主な原因であると言われている。特に配管腐食の場 合、温水温度が50〜60°Cになると、溶存酸素の影響が著しく大きくなる。 そのため、このような温度の温水が使用される温水設備では、温水中の溶存酸素 も含めて溶存空気を除去する(以下、脱気という)ための手段が種々講じられて いる。
【0004】 その一例として、透過膜を利用した脱気手段について、ビルの集中給湯システ ムの場合で説明すると、先ず集中給湯システムの概略構成を示している図4にお いて、1はマンション等のビル、2はビル1に設けられた受水槽、3は受水槽2 から給水を行うための給水ポンプ、4は給水ポンプ3に接続される給水管、5は 給水管4の他端に接続される貯湯タンク、6は貯湯タンク5の自動空気抜き弁、 7は貯湯タンク5から後述の熱源に温水を供給するための温水循環ポンプ、8は 温水行き管、9は温水行き管8に接続される電気もしくはガス等を加熱エネルギ ー源とする熱源手段(以下、単に熱源という)、10は熱源9から貯湯タンク5 に温水が戻される温水戻り管、11は貯湯タンク5から温水を循環させる給湯循 環ポンプ、12はその給湯行き管、13はカラン、14は温水を貯湯タンク5に 戻すための給湯戻り管であり、これらが給湯システムの基本構成となっている。
【0005】 さらに、かかる給湯基本システムに対して以下の脱気システムが付加される。 即ち図中、15は受水槽2から水を送りだす脱気送水ポンプ、16はフィルタ、 17はフィルタ16の更に下流側に設けられた減圧弁、18は流量計、19は流 量設定弁、20は透過膜、21は脱気筒、22はエゼクタ、23は脱気用水槽そ して24は脱気用ポンプである。 このように構成された従来の脱気システムによれば、ビル1の屋上等に設置さ れた熱源9の手前において、受水槽2からの給水を透過膜20を通過させること によって、給水の脱気が行われる。 ところで、透過膜20は一般に中空糸と呼ばれる高分子のプラスチック材料に より形成されており、空気を通過させるが水を通過させないようにした多数の超 微小の穴を有している。従ってこの透過膜20は専ら水から空気を取り除くため のエレメントとしての機能を備えているだけであるから、脱気システムとしては その他に上述したような脱気送水ポンプ15,フィルタ16及び脱気筒21等の 多くの付帯設備が必要になる。
【0006】 なお、この種の透過膜を利用する脱気方法には、上述の図4に示した例の他に 、例えば、特公平1−299612号公報や特公平1−215312号公報によ り開示された技術が既に知られている。
【0007】 一方、特公昭63−93311号公報には、超音波を利用した気泡分離除去装 置が開示されている。この気泡分離除去装置では、容器内を通過する温水に超音 波を照射して気泡を粗大化せしめ、この粗大化した気泡を除去する手段を用いて 空気を排除しようとするものである。 さらに、パラジウム触媒を利用する脱気方法もあるが、これは例えば、特公平 2−265604号公報に記載された水中の溶存酸素除去装置のように、前述し た透過膜等の物理的手段とパラジウム触媒による化学的反応とを組合わせること により、溶存酸素のみを効率よく除去しようとするものである。
【0008】 しかしながら、上述した従来の脱気手段において、先ず透過膜を利用する脱気 方法の場合、前述した透過膜20それ自体が、所謂ハイテク部品であるために高 価である上に、脱気送水ポンプ15,フィルタ16及び脱気筒21等多くの付帯 設備を別途必要とするから、設備全体は複雑且つ高価なものにならざるを得なか った。しかも、透過膜20は実使用において微細なゴミやスケールによってしば しば目詰まりを来し、空気の分離効率を低下させていることから、透過膜20は 定期的な洗浄または交換を余儀なくされていた。そして更に、透過膜20は高温 度における強度上の信頼性が十分でなく、高温度下での使用に際してはその補強 が必要になる等の不都合がある。このため常温(20°C以下)の給水側で用い るのが限界であり、これより高温である温度50〜60°Cの温水給湯設備に対 しては実質上採用することができないという、種々の欠点がある。
【0009】 また、超音波を利用する脱気方法の場合、超音波発生手段とは別に透過膜を利 用する方法と同様なポンプ設備等で空気を除去するための大がかりな手段が必要 になるばかりか、超音波発生手段自体でも例えば電気により振動部品を作動させ るための構成が必要になる等、実際上かなり面倒であり、そのために実際には、 ビル等の給湯設備においても脱気手段として殆ど活用されていない。
【0010】 さらに、パラジウム触媒を利用する脱気方法の場合、パラジウム触媒の他に透 過膜等の物理的手段を組み合わせなければ、十分な効果を奏し得ないばかりか、 装置全体が複雑で高価であることから、半導体製造分野における超純水生成装置 や特別なボイラプラントにおける給水装置にしか実際上利用することができない 。つまり、ビルの給湯システム等の比較的中小規模の設備には殆ど用いられてい ないのが実情である。
【0011】 このように従来の脱気手段にはそれぞれ問題がある。 ところで、このような脱気手段を設けないでこの種の給湯システムを構成した 例もあるが、その場合でも以下に述べる問題があった。 温水に対する気体の溶解量はブンゼン(Bunsen)の吸収係数及びヘンリ ーの法則(Henry’s law)に従って変化することが知られている。例 えばその気体が酸素の場合、図5に示したように酸素が温水に溶解する割合は温 水温度の上昇に従って少なくなり、また温水圧力の低下に従って少なくなる。そ してかかる傾向は酸素に限らず窒素又は微量ガスを含む空気の場合においても同 様である。 尚、図5の溶解曲線は実験室などで温水の流れていない状態で測定した所謂理 論値(データ)であって、実際に設置されて使用されている給湯設備での温水の 溶解量がこの理論値と一致しているときの状態を飽和という。 そして通常、ビルの給湯設備の給水は、貯水池や図4に示された受水槽2等で 長時間大気と接触しているため、そのときの大気圧及び給水温度における飽和値 にほぼ近い値で空気が溶解している。
【0012】 さて、図4に示したビルの集中給湯システムにおいて、脱気手段を設けない場 合の給湯基本システム(ここでは、受水槽2乃至給湯戻り管14までの一連の部 材によって構成されるものとする)を考えると、先ず、飽和状態にある給水は受 水槽2から給水ポンプ3によって給送されることにより、その圧力が上昇する。 このため、図5から明らかなように、かかる給水に対する空気の溶解量は増加し 、熱源9に対してむしろ分離しにくい状態で給水が流入する。
【0013】 そして熱源9では温水が50〜60°Cに加熱されて溶解量が少なくなるが、 その一方で圧力が高くなっているため、図5の溶解曲線から判断する限り例えば 水温10°C,大気圧で飽和した水は1kgf/cm2 以上で、理論上では空気 が殆ど分離し得ない状態になる。ところが、実際には水温50〜60°Cまでの の加熱により水のエネルギは相当程度高まって活性化しており、又、このときに は空気もかなり膨張していて微細化して温水から分離し易い状態になっている。 このような状態の温水が熱源9から温水戻り管10を介して貯湯タンク5へ戻 る場合、該熱源9から離れるに従って温度低下を来し、そして貯湯タンク5内に 流入したことにより流速が若干減少すると共に、貯湯タンク5内に長時間滞留し ていることにより上記のように一旦活性化して微細化した空気は再び温水中に溶 解してしまう。
【0014】 このため、貯湯タンク5からカラン13までの間の給湯行き管12におけるエ ルボやバルブ等の配置部分で局部的な減圧が生じ、このため空気は再び微細化・ 凝集して大きな気泡になり、従って前述したのと同様な空気障害が発生する結果 となる。 このように脱気手段を設けないで給湯システムを構成すると、その構成自体は 極めて簡素化するものの、空気障害の問題は依然、解決され得ない。
【0015】 このような従来の脱気設備に対して、極めて簡単な構成で、温水中の溶存空気 によって生じる上述の空気障害の問題を確実に解消するようにした分離除去装置 として、本出願人が実願平3−54272号出願を以て提案したものがある。 次に、この分離除去装置について、図6乃至図8に基づいて以下に説明する。 尚、この分離除去装置は、図4に示された給湯基本システム、即ち受水槽2乃 至給湯戻り管14までの一連の部材によって構成されるシステムにおいて適用さ れるものとする。即ち、図6に示される分離除去装置26は、図7に示すように 、温水戻り管10の途中に、つまり温水戻り管10を構成する第1戻り管10a と第2戻り管10bとの間に接続されるようになっている。
【0016】 さて、分離除去装置26を示した図6において、27は内部に温水が満たされ る分離除去装置26の本体、28は給湯設備の熱源9の出口管側である第1戻り 管10aに接続された入口、29は第2戻り管10bに接続された出口、30は 本体27の底部27aから鉛直方向に立設されていてその下端部30aは入口2 8に接続されている垂直管、31は垂直管30の上端部30bに取り付けられて いて放射状に配列された複数の噴出口31aを有するノズルである。
【0017】 32はガスケット33を介して本体27の上部に螺着された蓋体、34は蓋体 32の下端32aへボルト35により固定された支持板であり、支持板34はボ ルト35の挿通用孔34aが穿設されていると共に、気泡通過用の複数の開口3 4bと他の挿通用孔34cとを有している。 さらに、37は前述の挿通用孔34cに挿通されるボルト38により支持板3 4に固定されていてノズル31に対して所定間隔離れて上側から覆うように略半 球状に形成された椀状部材である。 39は蓋体32に取り付けられていて排出管40を備えた自動空気抜き弁など の空気排気手段(以下、自動空気抜き弁という)である。尚、図中、41はガス ケット、42はOリングである。 又、上述の分離除去装置において、椀状部材37の下端縁から流出する大きな 粒状の空気は、それ自身の浮力によって上昇し得るが、本体27内の温水の流れ に従って下方に位置する出口29へ移動することはできないようにするための流 速(例えば、約0.3m/s以下)が形成されるように、本体27及び椀状部材 37間の隙間並びに本体27及び垂直管30間の隙間が、選定されている。
【0018】 このように構成された溶存空気の分離除去装置を駆動させると、先ず、熱源9 において加熱されその運動エネルギが高まって活性化した温水と微細化して分離 しやすくなっている気泡とが、混合状態で第1戻り管10aから入口28を介し て垂直管30へ流入する。そして垂直管30内を上昇した温水はノズル31から 噴出されるが、ノズル31が所謂シャワーヘッド状に形成されているため、温水 は椀状部材37内で、後述するように形成されている空気層44へシャワー状に 噴出し、椀状部材37の内面に衝突する。 ここで、温水がノズル31の噴出口31aから椀状部材37へ到達するまでの 間の圧力は、図8で実線で示したように噴出口31aの圧力損失、噴出口31a からの噴出直後の縮流による流速の増大等のために局部的に著しく低下する。そ してこの圧力の局部的な低下により温水中の空気の許容溶解量が少なくなり、温 水から分離寸前の状態にある微細気泡は次々と温水から分離する。温水は、この ようにして局部的に低下した圧力に対する空気の飽和状態になり、次いで、本体 27内の圧力にまでその圧力を回復しながら椀状部材37の内面に衝突する。
【0019】 椀状部材37に衝突した温水は、そのときの衝撃や方向変化による反動によっ て微小な運動エネルギの変化が生じており、しかもこのとき温水が活性化状態に あるため、さらに微細気泡が分離され続けると共に、衝突の際に一部の温水が小 滴となって飛び散り、これにより一層気泡分離は助長される。 この結果、椀状部材37の内側上部には次第に分離した空気が溜まって空気層 44が形成され、保有される。椀状部材37内に充満した空気が増大して椀状部 材37の内部に収容しきれなくなると、かかる空気は大きな粒状になって椀状部 材37の下端縁から流出し、それ自身の浮力によって椀状部材37の外側を上昇 する。 そして上昇した空気は支持板34の開口34bを通過して自動空気抜き弁39 に到達し、更にその排出管40を介して大気中に排出せしめられる。
【0020】 なお、当初椀状部材37の内部に温水が充満している場合、ノズル31の噴出 口31aから噴出する温水は、充満している温水から受ける流体抵抗のためにそ の流速が減速する。そのために図8で破線で示すように、局所的な縮流による減 圧効果は小さくなり、それにより空気分離効果も小さくなるが、これは一時的な ものでやがて椀状部材37内には気泡が溜まって、前述のように空気層44が形 成される。 このように本装置では、椀状部材37内の空気層44に温水を噴出させるよう にしたことにより、局所的な減圧効果を一層高め、空気分離効果を増大すること ができる。 一方、椀状部材37内へ噴出した温水の溶存空気量は、上述のようにかなりの 量の溶存空気を分離することができた結果、噴出された温水は、給水条件におけ る空気溶解量の飽和値よりもかなり小さい状態となって、椀状部材37の下端か ら本体27の底部27aへ移動して出口29から第2戻り管10bを経て貯湯タ ンク5へ戻される。
【0021】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述のような分離除去装置26においては、本体27内が温水で満 たされているために、椀状部材37内で一端分離された空気は、椀状部材37内 の空気層44から溢れでると直ぐに温水中に入ることになり、分離した空気の一 部が再度温水中に溶解することになって、空気分離効率を悪化させるという問題 があった。 しかも、空気層44で分離された空気が椀状部材37の下部端面から溢れ出る とき、椀状部材37に衝突した温水もその勢いによって内面に沿って落下するた め、一旦分離した気泡が温水の流れに巻き込まれ、細径に砕かれる等して温水の 流速によって椀状部材37下端に面する温水内に持ち去られ、再び温水中に溶解 する現象が起こり、この点からも空気分離効率が低下するという欠点があった。 又、ノズル31からの温水を空気層に噴出させるために、ノズル31の外周に 略半球形状の椀状部材37を形成する必要があるが、その形状が比較的複雑であ るために製造コストを上昇させるものであった。 又、微細気泡の分離効率を上昇させるためには、ノズル31の噴出口31aの 穴径を小さくして噴出速度を増大させた方がよいが、そうすると今度は温水が椀 状部材37を伝わってその下側に落ちる速度も上昇するため、空気層がこれに巻 き込まれて消滅し、再び水中に溶解することがある。これを防止するためには、 椀状部材37を大型化しなければならず、そうすると装置の大型化と製造コスト の一層の上昇を招くものであった。 その上、運転初期において、水温が常温の場合、水中の許容溶解空気量が大き いために空気層44が一時的に消滅することがあり、その後再び空気層が形成さ れるまで数時間かかり、運転効率が良くなかった。
【0022】 本考案は、このような問題点に鑑み、小型で比較的低廉な装置によって、温水 中の空気の分離効率を一層向上させ、運転効率を向上させた溶存空気の分離除去 装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本考案による溶存空気の分離除去装置は、給湯設備の熱源の出口管側に接続さ れていて温水の入口及び出口を有する本体と、一端が入口に接続された温水導入 管の本体内の他端に設けられたノズルと、このノズルの上方に位置してノズルか ら噴射される温水が衝突する衝突部材と、排気用の取付口が本体内の衝突部材及 びノズルより下側に開口する空気排気手段とが備えられていて、衝突部材及びノ ズルが本体内の空気層中に位置するようにしたことを特徴とするものである。
【0024】
【作用】
給湯設備の熱源から出た直後の活性化した温水中には微細化した気泡が溶存し ており、この温水が本体入口から温水導入管に給送され、ノズルによって噴出さ れると、圧力変化等によって微細気泡の空気が水から分離されて空気層中に滞留 し、一方衝突した水は本体内の水面に落下する際に水面までの落差によって水面 をたたき、活性化状態の微細気泡が更に分離析出されることになり、空気層中に 分離生成された空気は空気排気手段を通して排出される。
【0025】
【実施例】
以下、本考案の好適な一実施例を図1により説明するが、上述の図6乃至図8 で説明した先行技術と同様の部分又は部材には同一の符号を用いてその説明を省 略する。 図1に示す分離除去装置46において、排出管40が接続された自動空気抜き 弁47は、その空気排気用の取付口47aが、蓋体32に代えて、本体27側面 の椀状部材37及びノズル31より下側に開口するよう取り付けられている。又 、本体27内はその上部と下部が、椀状部材37及びノズル31の領域を含んだ 空気層が形成されるように空気が満たされている空気室48と、入口28及び出 口29が温水で満たされる温水室49とに分かれており、その境界である水面w は取付口47a上端付近に位置するように構成されている。 又、水面wと椀状部材37の下端との距離はhに設定されている。 ここで、仮に、水面wが取付口47aの上端より低い位置にあったとしても、 自動空気抜き弁47内には図示しないフロートが設けられており、空気室48が この自動空気抜き弁47内に直接連通する状態ではフロートは開弁状態にあり、 空気室48内の空気が自動空気抜き弁47を通って排出され、空気層が減少して ついには温水が取付口47aを通って自動空気抜き弁47内に押し上げられ、本 体27の水面wが上昇する。そのため、結局取付口47aの上端付近まで水面w が上昇して、取付口47aがほぼ温水で覆われる。そして、その状態で温水の水 圧でフロートが閉弁状態に切り換えられることになる。 尚、椀状部材37を支持する支持板49は例えば長方形の板状を呈しており、 雄ねじ35,38挿入用の穴49a,49bのみが穿設されている(上述の先行 技術と同様の形状でもよい)。
【0026】 本実施例は上述のように構成されているから、熱源9で加熱され、その運動エ ネルギーが高められて活性化して温水と微細化して分離し易くなった気泡とが、 混合状態で第1戻り管10aから分離除去装置46内の入口28を介して垂直管 30へ流入する。そして、垂直管30を上昇した温水は、シャワーヘッド状のノ ズル31の噴出口31aから放射状に噴出され、椀状部材37の内面に衝突する 。 ここで、温水がノズル31の噴出口31aから椀状部材37へ到達するまでの 圧力変化は、上述の先行技術と同様に図8で実線で示すようになり、噴出口31 aの圧力損失、噴出直後の縮流による流速の増大等のために、噴射直後の温水圧 力は一時的に著しく低下する。そのため、温水内の空気は低下する圧力に対して 過飽和状態になるから、温水から分離寸前の状態にあった微細気泡は次々に温水 から分離する。次いで、本体27内の圧力にまで温水圧力が回復されつつ椀状部 材37の内面に衝突することになる。 椀状部材37に衝突した温水は、そのときの衝撃や方向変化による反動によっ て微少な運動エネルギーの変化が生じており、しかも温水は活性化状態にあるた め、更に微細気泡が分離され続けると共に、衝撃の際に一部の温水が小滴となっ て飛び散るため、気泡の分離は一層助長される。
【0027】 このようにして分離された空気は空気室48内の空気層に滞留することになり 、椀状部材37に衝突した温水によって水面下に巻き込まれる割合は小さい。又 、分離直後に再度温水中に混入させられることもないので、一端分離した空気が 再び温水に溶解する量は少なくなる。そのため、分離効率が向上する。 一方、椀状部材37に衝突した温水は水面wまでだらだらと落下することにな り、しかも椀状部材37の下端から水面wまで落差hが存在するため、空気層中 に滞留する分離空気を水面下に巻き込む割合は小さく、その上、落下する温水が 水面wを叩くために、活性化状態の微細気泡を更に温水から分離析出させること になる。
【0028】 そして、分離された空気が或る量を越えると、その圧力によって空気室48か ら水面w付近の取付口47a内の温水中に比較的大きな気泡として混入し、連通 管を通過して自動空気抜き弁47に自身の浮力によって送られ、フロートを開弁 させて、排出管40から外部に排出される。 この時、取付口47aから温水中に進入する気泡は比較的大きなかたまり(例 えば直径1mm以上)に形成されているから、この段階で再び温水中に溶解する 割合は小さい。
【0029】 次に、上述の実施例について、図6に示す従来技術と比較して、分離除去装置 の内部を観察しながら行った具体的な実験について説明する。 この実験についてのシステムの作動条件は次の通りである。 熱源9からの出湯量は3リットル/分、温水圧力は0.7kgf/cm2 、温 水温度は58°C(一定)とし、衝突部材として夫々椀状部材37(本実施例と 従来例とで共通)を用いた。 上述の条件のもとで、5回以上実験を行い、夫々次のような範囲の空気分離量 が得られた。 本実施例 1時間当たり約550〜700cc(平均で約600cc) 従来例 1時間当たり約300〜500cc(平均で約400cc) この実験結果により、従来の分離除去装置と比較して、本実施例による分離除 去装置46の方が、単位時間当たりの空気分離量が大きいことを確認できた。
【0030】 上述のように、本実施例では、温水を椀状部材37に噴出させて分離された空 気は一旦空気層中に滞留されるから、その後再び温水に溶解する量が減少して空 気の分離効率を向上させることができる。又、椀状部材37に衝突した温水が落 下する際に水面wを叩くので、温水中の微細気泡を更に分離析出させることがで きる。 又、本体内の温水衝突領域(ノズル31及び椀状部材37)に空気層が常時確 保されているから、装置の運転初期において水温が常温であったとしても、熱源 9の運転開始と同時に空気分離が可能になり、運転効率を大きく向上させること ができる。
【0031】 次に、本考案の第二実施例を図2に基づいて説明する。 図2は分離除去装置46の概略の構成を示すものであり、上述の第一実施例と 同様の部分又は部材には同一の符号が用いられている。 図2において、自動空気抜き弁47は蓋体32の上方に位置し、連通管47b が蓋体32を貫通して本体27内に進入させられ、その先端の取付口47aは温 水室49の水面w付近に位置している。 又、本体27内において、ノズル31の上方には、椀状部材37に代えて、蓋 体32及び本体27内壁に沿って断面略U字形に形成された衝突部材51が配設 され、蓋体32に固定されている。この衝突部材51は、ノズル31の上面方向 部分が蓋体32に沿う平板状に形成されている。ノズル31と温水が導入される 入口28とは、垂直管30に代えて略L字型の導入管52によって接続されてお り、入口28部分が水平配管取付可能になっている。 本実施例の場合、衝突部材51を断面略U字形状にしたので、ノズル31から 噴出される温水が衝突部材51に衝突するまでの距離は、噴出口31aの角度に よって異なる。又、空気室48内に空気層が常に確保されているので、空気分離 量は、衝突部材として椀状部材37を用いた場合と比較して、大差はない。
【0032】 次に、図3は本考案の第三実施例を示すものである。 本実施例においては、衝突部材54はノズル31の上方に平板状に形成されて いる。又、温水の出口29も略L字形の水平配管55に接続されている。 本実施例においても、空気室48内に空気層が常に確保されているので、空気 分離量は、衝突部材として椀状部材37を用いた場合と比較して、大差はない。 しかも、本実施例の場合、衝突部材54が平板状であるから、その製作が容易 であり、衝突部材54の小型化及びコストダウンを図ることができる。
【0033】 尚、垂直管30,導入管52は温水導入管を構成する。
【0034】
【考案の効果】
上述のように、本考案による溶存空気の分離除去装置は、本体に接続される空 気排気手段の取付口がノズル及び衝突部材より下側に位置し、ノズル及び衝突部 材が空気層内に位置するようにしたから、従来のこの種装置と比較して空気分離 量を増加させることができると共に、運転初期において水温が常温であっても熱 源の運転開始と同時に温水からの空気分離が可能になり、運転効率を大きく向上 できるという利点を有する。又、衝突部材の形状は椀状部材に限定されないから 、例えば平板状にする等して衝突部材の小型化及びコストダウンを図ることがで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による溶存空気の分離除去装置の第一実
施例の縦断面図である。
【図2】本考案による分離除去装置の第二実施例を示す
概略構成図である。
【図3】本考案による分離除去装置の第三実施例を示す
概略構成図である。
【図4】従来の脱気手段を備えたビルの集中給湯システ
ムの概略構成を示す図である。
【図5】温水に対する酸素の溶解量を温水温度と圧力と
の関係で示す図である。
【図6】先行技術による分離除去装置の概略縦断面図で
ある。
【図7】分離除去装置の配設位置回りの温水給湯システ
ムの概略構成を示す図である。
【図8】図6に示す分離除去装置におけるノズル及び椀
状部材の領域の温水の圧力変化の様子を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
27……本体、28……入口、29……出口、31……
ノズル、37……椀状部材、46……分離除去装置、4
7……自動空気抜き弁、47a……取付口、51,54
……衝突部材。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】給湯設備の熱源の出口管側に接続されてい
    て温水の入口及び出口を有する本体と、一端が前記入口
    に接続された温水導入管の本体内の他端に設けられたノ
    ズルと、該ノズルの上方に位置してノズルから噴射され
    る温水が衝突する衝突部材と、排気用の取付口が前記本
    体内の衝突部材及びノズルより下側に開口する空気排気
    手段とが備えられていて、前記衝突部材及びノズルが本
    体内の空気層中に位置するようにした溶存空気の分離除
    去装置。
JP3416192U 1992-05-22 1992-05-22 溶存空気の分離除去装置 Pending JPH0593502U (ja)

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