JPH0721201Y2 - 溶存空気の分離除去装置 - Google Patents

溶存空気の分離除去装置

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JPH0721201Y2
JPH0721201Y2 JP1991054272U JP5427291U JPH0721201Y2 JP H0721201 Y2 JPH0721201 Y2 JP H0721201Y2 JP 1991054272 U JP1991054272 U JP 1991054272U JP 5427291 U JP5427291 U JP 5427291U JP H0721201 Y2 JPH0721201 Y2 JP H0721201Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ビル等における給湯設
備の配管中に溶存する空気等を分離除去するための装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、マンション等のビルにおいて温水
を利用する集中給湯方式による暖房や給湯設備が普及し
ているが、その一方でかかる給湯設備の配管中に存在す
る空気による障害、例えば循環ポンプの焼損や配管の腐
食等の発生が増加してきている。
【0003】上記空気による障害のうち循環ポンプの焼
損は、温水中の微細気泡や溶存空気が温水から分離して
凝集し、それが大きな気泡になって配管中を移動して循
環ポンプに流入することに起因している。また、配管腐
食は、温水中に含まれる溶存酸素が温水から分離して配
管内面に付着することにより、所謂、酸素濃淡電池が形
成されることがその主な原因であると言われている。そ
して特に配管腐食の場合、温水温度が50〜60°Cに
なると、溶存酸素の影響が著しく大きくなり、このため
かかる温度範囲で使用される温水設備では温水中の溶存
酸素も含めて溶存空気を除去する(以下、脱気という)
ための手段が種々講じられている。
【0004】例えば透過膜を利用した脱気手段の適用例
を、ビルの集中給湯システムの場合で説明すると、先ず
集中給湯システムの概略構成を示している図5におい
て、20はマンション等のビル、21は受水槽、22は
給水ポンプ、23は給水管、24は貯湯タンク、25は
自動空気抜き弁、26は温水循環ポンプ、27は温水行
き管、28は電気もしくはガス等を加熱エネルギー源と
する熱源手段(以下、単に熱源という)、29は温水戻
り管、30は給湯循環ポンプ、31は給湯行き管、32
はカランそして33は給湯戻り管であり、これらが給湯
システムの基本構成となっている。
【0005】さらに、かかる給湯基本システムに対して
以下の脱気システムが付加される。即ち図中、34は脱
気送水ポンプ、35はフィルタ、36は減圧弁、37は
流量計、38は流量設定弁、39は透過膜、40は脱気
筒、41はエゼクタ、42は脱気用水槽そして43は脱
気用ポンプである。そしてこのように構成された従来の
脱気システムによれば、ビル20の屋上等に設置された
熱源28の手前において、受水槽21の給水を上記透過
膜39を通過させることにより、給水の脱気が行われ
る。ところで、上記透過膜39は一般に中空糸と呼ばれ
る高分子のプラスチック材料により形成されており、空
気を通過させるが水を通過させないようにした多数の超
微小の穴を有している。従ってこの透過膜39は専ら水
から空気を取り除くためのエレメントとしての機能を備
えているだけであるから、脱気システムとしてはその他
に上記脱気送水ポンプ34,フィルタ35及び脱気筒4
0等の多くの付帯設備が必要になる。
【0006】なお、この種の透過膜を利用する脱気方法
には、上記図5に示した例の他に例えば、特公平1−2
99612号公報又は特公平1−215312号公報に
より開示された技術が既に知られている。
【0007】一方、特公昭63−93311号公報に
は、超音波を利用した気泡分離除去装置が開示されてい
る。この気泡分離除去装置では、容器内を通過する温水
に超音波を照射して気泡を粗大化せしめ、この粗大化し
た気泡を除去する手段を用いて空気を排除しようとする
ものである。さらに、パラジウム触媒を利用する脱気方
法があるが、これは例えば、特公平2−265604号
公報に記載された水中の溶存酸素除去装置のように、前
述した透過膜等の物理的手段とパラジウム触媒による化
学的反応とを組合わせることにより、溶存酸素のみを効
率よく除去しようとするものである。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の脱気手段において、先ず透過膜を利用する脱気
方法の場合、前記透過膜39それ自体が所謂、ハイテク
部品であるため高価である上に、脱気送水ポンプ34,
フィルタ35及び脱気筒40等多くの付帯設備を別途必
要とするから、設備全体は複雑且つ高価なものにならざ
るを得なかった。しかも、上記透過膜39は実使用にお
いて微細なゴミやスケールによってしばしば目詰まりを
来し、空気の分離効率を低下させていることから、かか
る透過膜39は定期的な洗浄または交換を余儀なくされ
た。そして更に、透過膜39は高温度における強度上の
信頼性が十分でなく、高温度下での使用に際してはその
補強が必要になる等の不都合がある。このため常温(2
0°C以下)の給水側で用いるのが限度であり、温度5
0〜60°Cの温水に対しては実質上適用することがで
きない。
【0009】また、前記超音波を利用する脱気方法の場
合、超音波発生手段とは別に空気を除去するための手段
が必要になるばかりか、上記超音波発生手段自体でも例
えば電気により振動部品を作動させるための構成が必要
になる等、実際上かなり面倒であり、またそのために事
実、ビル等の給湯設備においても脱気方法として殆ど活
用されていない。
【0010】さらに、パラジウム触媒を利用する脱気方
法の場合、パラジウム触媒の他に物理的手段を組み合わ
せなければ、十分な効果を奏し得ないばかりか、装置全
体が複雑で高価であることから半導体工業における超水
粋生成装置や特別なボイラプラントにおける給水装置に
しか実際上利用することができない。つまり、ビルの給
湯システム等の比較的中小規模の設備には殆ど用いられ
ていないのが実情である。
【0011】このように従来の脱気手段にはそれぞれ問
題があり、そこでむしろそのような脱気手段を設けない
でこの種の給湯システムを構成した例があるが、その場
合でも以下に述べる問題があった。ここで先ず、温水に
対する気体の溶解量はブンゼン(Bunsen)の吸収
係数及びヘンリーの法則(Henry’s law)に
従って変化することが知られている。例えば酸素の場
合、図6に示したように酸素が温水に溶解する割合は温
水温度の上昇に従って少なくなり、また温水圧力の低下
に従って少なくなる。そしてかかる傾向は酸素に限らず
窒素又は微量ガスを含む空気の場合においても同様であ
る。なお、図6の溶解曲線は実験室などで温水の流れて
いない状態で測定した所謂、理論値(データ)であっ
て、実際の場所の温水の溶解量がこの理論値と一致して
いるときの状態を飽和という。そして通常、ビルの給湯
設備の給水は、貯水池や前記受水槽21(図5参照)で
長時間大気と接触しているため、そのときの大気圧及び
給水温度における飽和値にほぼ近い値で空気が溶解して
いる。
【0012】さて、図5に示したビルの集中給湯システ
ムにおいて脱気手段を設けない場合の給湯基本システム
(ここでは、前記受水槽21乃至給湯戻り管33までの
一連の部材によって構成されるものとする)を考える
と、先ず、飽和状態にある給水は受水槽21から給水ポ
ンプ22によって給送されることにより、その圧力が上
昇する。このため、図6から明らかなように、かかる給
水に対する空気の溶解量は増加し、熱源28に対してむ
しろ分離しにくい状態で給水が流入する。
【0013】そして熱源28では50〜60°Cの加熱
により溶解量が少なくなるが、その一方で圧力が高くな
っているため、図6の溶解曲線から判断する限り例えば
10°C,大気圧で飽和した水は1kgf/cm2 以上
で、理論上では空気が殆ど分離し得ない状態になる。と
ころが、実際には50〜60°Cの加熱により水のエネ
ルギは相当程度高まって活性化しており、又、このとき
には空気もかなり膨張していて微細化して温水から分離
し易い状態になっている。このような状態の温水が熱源
28から温水戻り管29を介して貯湯タンク24へ戻る
場合、該熱源28から離れるに従って温度低下を来し、
そして貯湯タンク24内に流入したことにより流速が若
干減少すると共に、貯湯タンク24内に長時間滞留して
いることにより上記のように一旦活性化して微細化した
空気は再び温水中に溶解してしまう。
【0014】このため、貯湯タンク24からカラン32
までの間の給湯行き管31におけるエルボやバルブ等の
配置部分で局部的な減圧が生じ、このため空気は再び微
細化・凝集して大きな気泡になり、従って前述したのと
同様な空気障害が発生する結果となる。このように脱気
手段を設けないで給湯システムを構成すると、その構成
自体は極めて簡素化するものの、空気障害の問題は依
然、解決され得ない。
【0015】本考案は、かかる実情に鑑み、この種の給
湯システムにおいて極めて簡単な脱気設備で済むと共
に、空気障害の問題を確実に解消し得るようにした溶存
空気の分離除去装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本考案による溶存空気の
分離除去装置は、給湯設備の熱源の出口管側に設置され
るようになっていて温水の入口と出口とを有する本体
と、該本体内でその底部から立設していて下端が上記入
口と接続すると共に上端にノズルが設けられている垂直
管と、上記本体上部の蓋体に取り付けられた空気排気手
段と、上記ノズルを覆い空気層を形成するように支持
を介して上記本体に固定された椀状部材と、を備えてい
る。
【0017】
【作用】本考案によれば、給湯設備の熱源から出た直後
の活性化した温水中で微細化している気泡に対して、上
記ノズルを介して空気層内に温水を噴出せしめることに
よる減圧効果並びに該ノズルから噴出した温水を空気層
内で上記椀状部材に衝突せしめることによる効果で、微
細気泡の分離効果を更に高めることができる。
【0018】
【実施例】以下、図1乃至図4に基づき、従来例と同一
部材には同一符号を用いて本考案の溶存空気の分離除去
装置の一実施例を説明する。先ずここで、本実施例は前
記従来例の場合に説明した給湯基本システム、即ち図5
に示される前記受水槽21乃至給湯戻り管33までの一
連の部材によって構成されるシステムにおいて適用する
ものとする。即ち、図1に示される本案分離除去装置1
は、図3を参照して温水戻り管29の途中に、つまり該
温水戻り管29を構成する第1戻り管29aと第2戻り
管29bとの間に接続されるようになっている。
【0019】さて、上記分離除去装置1を示した図1に
おいて、2は上記分離除去装置1の本体、3は給湯設備
の熱源28の出口管側、即ち第1戻り管29aと接続さ
れた入口、4は第2戻り管29bと接続された出口、5
は上記本体2の底部2aから鉛直方向に立設されていて
その下端部5aが上記入口3、即ち第1戻り管29aと
接続されている垂直管、6は上記垂直管5の上端部5b
に取り付けられていて放射状をなすように形成された複
数の噴出口6aを有するノズルである。
【0020】7はガスケット8を介して上記本体2の上
部に螺着された蓋体、9は上記蓋体7の下端7aへボル
ト10により固定された支持板である。ここで上記支持
板9は図2に示したように、上記ボルト10の挿通用孔
9aが穿設されていると共に、気泡通過用の複数の開口
9b(この例では4個)を有している。さらに、11は
上記支持板9に形成された挿通用孔9cに挿通されるボ
ルト12により上記ノズル6を上側から覆うように該支
持板9へ固定された椀状部材である。上記蓋体7には、
排出管13を備えた自動空気抜き弁などの空気排気手段
(以下、自動空気抜き弁という)14が取り付けられて
いる。なお、図中、15はガスケット、16はOリング
である。
【0021】上記の場合、本体2及び椀状部材11間の
隙間並びに本体2及び垂直管5間の隙間は、椀状部材1
1の下端縁から流出すべき大きな粒状の空気がそれ自身
の浮力によって上昇し得るが、本体2内の温水に従って
出口4へと移動し得なくするための流速(例えば、約
0.3m/s以下)が形成されるように選定される。そ
してかかる温水の流れを実現すべく本実施例において具
体的に設定された数値例によれば、椀状部材11の内径
約43mm,本体2の内径約60mm,ノズル6の噴出
口6aの数及び穴径それぞれ13個及び1.6mm,垂
直管5の外径27.5mmそして分離除去装置1の高さ
約300mmである。
【0022】本考案による溶存空気の分離除去装置は上
記のように構成されており、次にその作用を説明する。
先ず、熱源28において加熱されその運動エネルギが高
まって活性化した温水と微細化して分離しやすくなって
いる気泡とが、混合状態で第1戻り管29aから入口3
を介して垂直管5へ流入する。そして垂直管5内を上昇
した温水はノズル6から噴出するが、該ノズル6が所
謂、シャワーヘッド状に形成されおり、温水は椀状部材
11内で後述するように形成されている空気層17へシ
ャワー状に噴出し該椀状部材11の内面に衝突する。
【0023】ここで、温水がノズル6の噴出口6aから
椀状部材11へ噴出するまでの間の圧力変化は、図4に
示したように噴出口6aの圧力損失、噴出口6aからの
噴出直後の縮流による流速の増大等のために局部的に著
しく低下する。そしてこの局部的な低下により空気の溶
解量が少なくなり、温水から分離寸前の状態にある微細
気泡は次々と温水から分離する。温水は、このように局
部的に低下した圧力に対する空気の飽和状態になり、次
いで、本体2内の圧力にまでその圧力を回復しながら椀
状部材11の内面に衝突する。
【0024】椀状部材11に衝突した温水は、そのとき
の衝撃や方向変化による反動によって微小な運動エネル
ギの変化が生じており、しかもこのとき温水が活性化状
態にあるため、さらに微細気泡が分離され続けると共
に、衝突の際に一部の温水が小滴となって飛び散り、こ
れにより一層気泡分離は助長される。この結果、椀状部
材11の内部には次第に分離した空気が溜まって空気層
17を形成し、維持する。椀状部材11内に充満した空
気が椀状部材11の内部に収容しきれなくなると、かか
る空気は大きな粒状になって椀状部材11の下端縁から
流出し、それ自身の浮力によって上昇する。そして上昇
した空気は支持板9の開口9bを通過して自動空気抜き
弁14に到達し、更にその排出管13を介して大気中に
排出せしめられる。
【0025】なお、当初上記椀状部材11の内部に温水
が充満している場合、ノズル6の噴出口6aから噴出す
る温水は、充満している温水から受ける流体抵抗のため
にその流速が減速し、そのために前記図4に示した局所
的な縮流による減圧効果は小さくなり、それにより空気
分離効果も小さくなるが、これは一時的なものでやがて
椀上部材11内には空気が溜まって、前記のように空気
層17が形成される。このように本考案では椀状部材1
1内の空気層17に温水を噴出させるようにしたことに
より、局所的な減圧効果を一層高め、空気分離効果を増
大することがてきる。
【0026】一方、椀状部材11内へ噴出した温水の溶
存空気量は、上記のようにかなりの量の溶存空気を分離
することができた結果、給水条件における空気溶解量の
飽和値よりもかなり小さい状態となって、椀状部材11
の下端から本体2の底部2aへ移動して出口4から第2
戻り管29bを経て貯湯タンク24へ戻る。
【0027】次に、本案分離除去装置1を実際の給湯シ
ステムに設置して行った具体的な実験例を説明する。こ
の実験では上記本体2等を透明アクリル製の材料により
製作し、分離除去装置1の内部を観察し得るようにして
行ったが、さらにシステムの作動条件を次のように設定
した。即ち、熱源28からの出湯量3リットル/分,温
水圧力1.6kgf/cm2 ,温水温度51°C(一
定)である。なお、椀状部材11の内径等は前記具体的
数値例となるように設定されている。
【0028】実験に際して、温水温度は最初、常温(1
7°C,溶解酸素量10.2ppm)にしておき、椀状
部材11内には空気層17は全く形成されていない状態
で開始した。そして温水の温度が約50°Cになると徐
々に微細気泡が分離し始め、米粒大のものから小豆粒大
のものが次第に増加し、やがて椀状部材11内に充満し
て大きな気泡が椀状部材11の下端縁から流出してそれ
自身の浮力によって上昇していく現象が確認された。こ
の実験例から明らかなように、本案分離除去装置1によ
れば、当初、椀状部材11内に空気層17を形成してお
かなくとも、その自給作用により空気層17が自然形成
される。上記実験結果によれば、1時間当たり約350
ccの空気が分離され、それは自動空気抜き弁14によ
って大気中に排出せしめられた。
【0029】上記実施例において、空気分離効果は、椀
状部材11の各寸法を大きくしたり、または温水が該椀
状部材11の内面に衝突する力を大きくする等の方法を
講じることにより、さらに一層高められる。その場合、
かかる衝突力を大きくするためには、ノズル6の噴出口
6aの圧力損失の大きさ(該噴出口6aの入口側及び出
口側の差圧にほぼ一致する)に対して、温水循環ポンプ
26の吐出圧力(揚程)を高めれば良く、通常この揚程
は1kgf/cm2 で十分である。なお、それ以上の揚
程のものでは、大型になってしまい、動力費としても高
価になる。本考案の場合には高々0.03〜0.05k
gf/cm2 程度の圧力損失で済むため、従来の循環ポ
ンプをそのまま使用することができる。また、本案分離
除去装置1の設置位置は上記実施例のように、熱源28
の出口管側直後に設ける場合に、最も高い空気分離効果
を得ることができるが、これ以外の位置において温水温
度が約50°C以下の場合であってもノズル6及び椀状
部材11等の形状・寸法を適宜選択することにより高い
空気分離効果を得るようにすることができる。
【0030】
【考案の効果】上述したように本考案によれば、溶存空
気の分離除去装置において、本体の内部にノズル及び椀
状部材を収容し、該ノズルの噴出口から椀状部材に対し
て空気層を通過させて温水を噴射せしめる構造にしたこ
とにより、透過膜や超音波発生手段等の特別な装置を必
要でなくすることができ、また、脱気送水ポンプ,フィ
ルタまたは減圧弁等の設備を特別必要としないで従来の
給湯設備に容易に取り付けることができる。 さらに、
本案分離除去装置によれば、熱源付近の温水の溶存空気
を給水条件における空気溶解量の飽和値よりもかなり小
さくすることができるので、かかる温水が貯湯タンクを
経てカランから吐出するまで間に、バルブやエルボ等に
よって気泡が再分離した場合でも、かかる再分離した気
泡が直ちに再び温水に溶解するため、気泡が大きな空気
の塊りに成長して循環ポンプを焼損したり、または配管
を腐食せしめたりする等の危険が全くなくなる。このよ
うに従来の脱気設備に比べて極めて簡単な構造であり、
しかもコストが安価であることに加え、透過膜のように
使用上、温度の制約を受けることがなく、また定期的な
部品交換等が必要でなくなる等、実用上極めて優れた利
点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による溶存空気の分離除去装置の一実施
例の縦断面図である。
【図2】本考案による溶存空気の分離除去装置に用いる
支持板の平面図である。
【図3】本考案による溶存空気の分離除去装置の配設位
置回りの温水給湯システム構成を示す図である。
【図4】本考案による溶存空気の分離除去装置における
ノズル及び椀状部材の領域の温水の圧力変化の様子を示
すグラフである。
【図5】従来の脱気手段を備えたビルの集中給湯システ
ムの概略構成を示す図である。
【図6】温水に対する酸素の溶解量を温水温度との関係
で示す図である。
【符号の説明】
1 分離除去装置 2 本体 3 入口 4 出口 5 垂直管 6 ノズル 7 蓋体 8 ガスケット 9 支持板 10 ボルト 11 椀状部材 12 ボルト 13 排出管 14 自動空気抜き弁

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給湯設備の熱源の出口管側に設置される
    ようになっていて温水の入口と出口とを有する本体と、
    該本体内でその底部から立設していて下端が上記入口と
    接続すると共に上端にノズルが設けられている垂直管
    と、上記本体上部の蓋体に取り付けられた空気排気手段
    と、上記ノズルを覆い空気層を形成するように支持板を
    介して上記本体に固定された椀状部材と、を備えている
    溶存空気の分離除去装置。
JP1991054272U 1991-07-12 1991-07-12 溶存空気の分離除去装置 Expired - Lifetime JPH0721201Y2 (ja)

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