JPH0593373A - 人工皮革用組成物および人工皮革用原料組成物 - Google Patents

人工皮革用組成物および人工皮革用原料組成物

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JPH0593373A
JPH0593373A JP24734391A JP24734391A JPH0593373A JP H0593373 A JPH0593373 A JP H0593373A JP 24734391 A JP24734391 A JP 24734391A JP 24734391 A JP24734391 A JP 24734391A JP H0593373 A JPH0593373 A JP H0593373A
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木 貞 文 八
Junichi Sugawara
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Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の人工皮革用組成物は、熱可塑性エラ
ストマーと絹粉末とを含んでなり、また、人工皮革用原
料組成物は、上記熱可塑性エラストマー用の原料モノマ
ーと、絹粉末とを含んでなることを特徴とする。その好
ましい態様では、上記熱可塑性エラストマー100重量
部に対して、絹粉末は0.3〜50重量部の量で含んで
なり、また、前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ウ
レタンであることが望ましい。また、本発明の人工皮革
は、上記の組成物からなる。 【効果】 基材がなくても強度に優れるとともに、耐久
性、耐摩耗性に優れ、しかも天然皮革に近い風合い、感
触を有し、高級感のある人工皮革形成用の組成物が提供
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、人工皮革用組成物および
人工皮革用原料組成物に関し、さらに詳しくはファッシ
ョンウェア、バック、シート、スイッチカバーなどの材
料に使用される耐久性、耐摩耗性、ソフトな風合いを有
する人工皮革用組成物および人工皮革用原料組成物に関
する。
【0002】
【発明の技術的背景】人工皮革としては、ポリウレタ
ン、軟質塩化ビニルなどを材料として肌触り、風合いな
どのよいものが知られている。
【0003】また、さらに天然の皮革に近い感触あるい
は高級感を人工皮革に付与するために、コラーゲン繊維
あるいは天然皮革などの微粉末を、溶剤と共にプラスチ
ックやゴム中に配合して得られる微粉末含有液を基材の
表面に塗布してなる人工皮革も知られている。
【0004】しかしながら、コラーゲン繊維などが配合
されていない、前者のポリウレタン、軟質塩化ビニルの
みからなる人工皮革は、本物の感触が乏しい。また、後
者のコラーゲン繊維どが配合された人工皮革は、コラー
ゲン繊維含有溶液が塗布されるベース基材が存在しない
と、強度が小さく使用に耐えない。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような問題点を解決し
ようとするものであって、基材がなくても強度に優れる
とともに、耐久性、耐摩耗性に優れ、しかも天然皮革に
近い風合い、感触を有し、高級感のある人工皮革を形成
しうるような人工皮革用組成物および人工皮革用原料組
成物を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る人工皮革用組成物は、熱可
塑性エラストマーと絹粉末とを含んでなることを特徴と
している。
【0007】本発明に係る人工皮革用原料組成物は、熱
可塑性エラストマー用の原料モノマーと、絹粉末とを含
んでなることを特徴としている。また、本発明の好まし
い態様においては、上記熱可塑性エラストマー100重
量部に対して、絹粉末は、0.3〜50重量部の量で含
まれていることが好ましく、また、上記熱可塑性エラス
トマーは、熱可塑性ウレタンであることが好ましい。ま
た、本発明の人工皮革は、上記の人工皮革用(原料)組
成物から形成される。
【0008】本発明によれば、基材がなくても強度に優
れるとともに、耐久性、耐摩耗性に優れ、しかも本物の
皮革に近い風合い、感触を有し、高級感のある人工皮革
用(原料)組成物が提供される。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る人工皮革用組
成物および人工皮革用原料組成物について具体的に説明
するが、まず始めに人工皮革用組成物について説明す
る。
【0010】本発明に係る人工皮革用組成物には、熱可
塑性エラストマーと絹粉末とが含まれている。熱可塑性エラストマー 本発明では、熱可塑性エラストマーとして、従来公知の
ものが用いられ、この熱可塑性エラストマーは、常温で
は加硫ゴムと同様に弾性を有し、通常、分子鎖中にゴム
弾性を示すソフトセグメントと、塑性変形を抑制する性
質を示すハードセグメントとの両ユニットを有する。
【0011】このような熱可塑性エラストマーとして
は、ウレタン系(TPU)、塩ビ系(TPVC)、スチ
レン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、1,2ポ
リブタジエン系(RB)、ポリエステル系(TPF
E)、の他ポリアミド系(TPAE)、アイオノマー
系、フッ素系などが挙げられ、さらに詳細には下記のよ
うなエラストマーがある。
【0012】ウレタン系エラストマー(TPU);ウレ
タン系エラストマーは、通常、長鎖ジオールをソフトセ
グメントに用い、短鎖ジオールとジイソシアネートをハ
ードセグメントとした線状構造のものであるが、長鎖ジ
オールとしては、各種短鎖ジオールのアジペート類、ポ
リカプロラクトン、各種グリコールの炭酸エステル類な
どのポリエステルジオール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコールのようなポリエーテルジオールが用いら
れ、短鎖ジオールとしては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ヘキサンジオールなどが用いられ、ジイソシアネ
ートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’-
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジ
イソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,6ーヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネートなどが用いられる。このようなウ
レタン系エラストマーが配合された人工皮革用組成物を
用いると、強度、耐摩耗性に優れた人工皮革用を得るこ
とができる。
【0013】塩ビ系エラストマー(TPVC);TPV
Cとしては、疑似架橋PVC/可塑剤ブレンドタイプ、
高重合度ストレートPVC/可塑剤ブレンドタイプ、P
VCコポリマーやアクリロニトリル−ブタジエン共重合
ゴム(NBR)などと可塑剤とのブレンドタイプの他、
変性PVCとカルボキシ変性NBRをブレンドし、金属
架橋させてなるアイオノマータイプなどを挙げることが
できる。
【0014】特に塩ビ系エラストマーが配合された人工
皮革用組成物を用いると、耐候性、耐油性等に優れた人
工皮革を低コストで製造することができる。特にアイオ
ノマータイプのエラストマーが含まれた組成物を用いる
と、耐熱変形性、弾性に優れた人工皮革を得ることがで
きる。
【0015】スチレン系エラストマー(SBC);SB
Cでは、中間のソフトセグメントとして、ポリブタジエ
ン(B)、ポリイソプレン(I)、およびポリオレフィ
ン(エチレン)・ブチレン(EB)があり、ハードセグ
メントとしてはポリスチレン(S)があり、これらの配
列状態によりSBS/SBSB、SIS、SEBSの3
つのタイプがある。 オレフィン系エラストマー(TPO);TPOでは、ハ
ードセグメントがポリプロピレン(PP)、ポリエチレ
ン(PE)などであり、ソフトセグメントがEP(D)
Mであるような単純ブレンドタイプ、部分架橋タイプの
他に、完全架橋タイプがある。またソフトセグメント
が、上記EP(D)Mの他にNBR系のものもある。い
ずれにしても、架橋度が増すにつれ、得られる人工皮革
の永久変形は小さくなり、機械的物性や耐油性が増す傾
向がある。
【0016】1,2-ポリブタジエン系エラストマー(R
B);RBは低結晶性シンジオタクチック1,2-ポリブタ
ジエンであって、1,2ー結合と、1,4-結合の2態様のうち
1,2ー結合を90%以上含み、分子量が数十万であり、結
晶化度が15〜35%程度であり、融点が75〜110
℃程度である。人工皮革用組成物にこのようなエラスト
マーが含まれると、加工性に優れた人工皮革が得られ
る。また、このエラストマーは、側鎖に反応性の基をも
つため、容易に加硫できる。
【0017】ポリエステル系エラストマー(TPE
E);TPEEは、ハードセグメントとして高融点か
つ、高結晶性の芳香族ポリエステル、例えばポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)を有し、ソフトセグメント
としてガラス転移点が−70℃以下の非結晶性ポリエー
テル、例えばポリテトラメチレングリコール(PTM
G)またはポリカプロラクトンを有するマルチセグメン
トタイプの熱可塑性エラストマーである。
【0018】このようなエラストマーが含まれた組成物
を用いると、耐熱性、機械的性質、耐油性、耐寒性、耐
屈曲性に優れた人工皮革が得られる。 ポリアミド系エラストマー(TPEA);TPEAは、
ラクタム、ジカルボン酸、ポリエーテルジオールを原料
とし、エステル交換および重縮合反応により合成され、
ハードセグメントとして主にナイロン6またはナイロン
12を有し、ソフトセグメントとしてポリオール(PT
MGなど)を有するブロックコポリマー挙げられる。
【0019】このようなエラストマーが含まれた組成物
を用いると、ナイロン6あるいは12の強靱な性質を有
し、柔軟性、低温特性に優れた人工皮革が得られる。上
記のような熱可塑性エラストマーの内では、ウレタン系
エラストマー、塩ビ系エラストマーが好ましく用いら
れ、特にウレタン系エラストマーが強度、吸湿性、風合
いに優れるため好ましく用いられる。
【0020】本発明に係る人工皮革用組成物には、ベー
スとして上記のような熱可塑性エラストマー(TPE)
が含まれているので、射出成形または押出成形が可能で
あり、適度の軟質性、柔軟性を有する人工皮革が得られ
る。絹粉末 本発明に係る人工皮革用組成物には、絹粉末が含まれて
いるが、この絹粉末用原料としては、生糸、絹糸など、
繭に含まれるセリシンを除いたものが使用され、かかる
原料を用いてなる絹粉末の平均粒径は、200μm以
下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは30〜
80μmである。
【0021】このような絹粉末は、例えば以下のように
して調製することができる。まずはじめに、繭または絹
を塩化カルシウムの水溶液に入れて絹溶液とし、これを
沸騰水中で処理し、透析膜を通して絹の濃縮を行う(絹
溶液のゲル化)。
【0022】次いで、これを冷凍し、再度常温に戻し、
次いで水を分離除去して得られた絹を凍結乾燥して絹粉
末を得る。また、その他の絹粉末の調製方法としては、
従来公知の種々の方法が採用され得るが、たとえば、繭
または絹を炭酸カルシウムの水溶液に入れ、攪拌後、析
出した凝固物を水に懸濁させ、塩酸を加えて二酸化炭素
を発生させ、その後絹の粉末を得る方法もある(特開昭
61-276825 号公報)。さらに、酸、アルカリなどに一定
時間繭または絹を浸漬したのち、機械的に磨砕して、粉
末化する方法である。
【0023】また、金属塩水溶液に絹を溶解させたの
ち、脱塩、乾燥し、ついで粉末化する方法などを採用す
ることもできる。本発明に係る人工皮革用組成物には、
上記した熱可塑性エラストマー100重量部に対して、
絹粉末は、通常、0.3〜50重量部の量で、好ましく
は5〜30重量部の量で含まれていることが望ましい。
絹粉末が0.3重量部未満の量では、風合いや吸湿性が
低下する傾向があり、また、50重量部を超えるような
量で含まれていると、射出成形、または押出成形にて人
工皮革を製造することが困難となり、強度の小さい人工
皮革が得られる傾向がある。
【0024】本発明においては、このようにして得られ
た絹粉末と、前述した熱可塑性エラストマーとを、例え
ば混合して、本発明に係る人工皮革用組成物を調製する
に先立ち、絹粉末に次のような前処理を施してもよい。
【0025】第1の前処理手段としては、ホルマール化
処理がある。絹の粉末にホルマール化処理すると、乾強
度及び湿潤強度の増大、耐アルカリ製の向上、耐膨潤性
並びに耐摩耗性の改善を図ることができる。
【0026】絹のホルマール化処理は、たとえば次のよ
うにして行う。すなわち、ヘキサメチレンテトラミン水
溶液に酢酸を加え、その溶液に絹粉末を所定割合で浸漬
し、その溶液を所定温度に加熱する。加熱を終えたとこ
ろで、その溶液を吸引濾過し、処理粉末を取り出して、
所定温度でキュアリングを行う。そして、それを硫酸ナ
トリウム溶液などで洗浄し、さらに十分水洗して、脱
水、乾燥し、ホルマール化処理された絹粉末を得る。
【0027】第2の前処理手段としては、ウレタン化処
理がある。絹の粉末にウレタン化処理すると、機械的性
質を向上させることができる。絹のウレタン化処理は、
絹にイソシアネート類を反応させることにより行い、具
体的には、たとえば以下のようにして行う。
【0028】すなわち、たとえば熱反応型水溶液性ウレ
タン樹脂を濃度に応じて水と混合し攪拌する。次に、こ
の溶液に絹粉末を浸漬し、同時にウレタン化触媒を加
え、所定時間後に濾過、水洗、乾燥を順次行い、ウレタ
ン化処理された絹の粉末を得る。
【0029】なお、絹の前処理手段としては、前述した
例に限定されるものではなく、種々の手段を採用するこ
とができる。上記のような熱可塑性エラストマーと絹粉
末とを用いて、本発明の人工皮革用組成物を調製するに
は、例えば、ミキサーを用いて、熱可塑性エラストマー
と絹粉末とを均一に混合すればよい。次いで、このよう
にして得られた人工皮革用原料組成物を、射出成形また
は押出成形等の方法にて必要によりペレット状に一旦成
形加工し、ついでこのペレット状物を原料として用いて
射出成形または押出成形することにより、例えばシート
状など所望形状に成形された人工皮革を得る。
【0030】また、本発明の人工皮革用原料組成物に
は、上記熱可塑性エラストマー調製用の原料モノマー
と、上記絹粉末とが含まれている。この熱可塑性エラス
トマー調製用の原料モノマーと絹粉末とは、原料モノマ
ーを反応させてなる熱可塑性エラストマーと、絹粉末と
の重量比が前記人工皮革用組成物の場合と同様となるよ
うな量で用いられ、熱可塑性エラストマー調製用原料モ
ノマー100重量部に対して、絹粉末は、0.3〜50
重量部の量で含まれている。
【0031】このような人工皮革用原料組成物を調製す
るには、例えば、熱可塑性エラストマー用の原料モノマ
ーと絹粉末とを混合すればよい。次いで、この人工皮革
用原料組成物中の熱可塑性エラストマー用原料モノマー
を反応させると熱可塑性エラストマーとなり、熱可塑性
エラストマーと絹粉末とが含まれた塊状物、すなわち前
記人工皮革用組成物が得られる。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る人工皮革用組成物には熱可
塑性エラストマーと絹粉末とが含まれ、また人工皮革用
原料組成物には熱可塑性エラストマー用の原料モノマー
と絹粉末とが含まれているので、これら組成物を用いる
ことにより、基材がなくても強度に優れるとともに、耐
久性、耐摩耗性に優れ、しかも優れた吸放湿性、風合
い、および高級感を有し、天然物にはないしっとりとし
たウェットタッチ、あるいは、さらっとしたドライタッ
チの感触を有する人工皮革を得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら制
約されるものではない。なお、以下の実施例等において
「部」とは、重量部の意味である。
【0034】
【実施例1】(TPU系エラストマーと絹粉末とが含ま
れた人工皮革用組成物) 温度計および攪拌機をつけた反応器に、カプロラクトン
系ポリオール100部およびシルクパウダー16部を入
れ、110℃で減圧脱水を2時間行った。その混合物に
50℃の1,4-ブタンジオール12部を投入攪拌し、さら
に30℃のジフェニルメタン-4,4-ジイソシアネートを
50部投入してウレタン反応を行った。重合物の温度が
90℃になった段階でパットに流し込み、固化させた。
なお、この固化された人工皮革用組成物(塊状物)に
は、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーは100重量
部、絹粉末は10重量部の量で含まれている。
【0035】得られた塊状物を50℃の電気炉で24時
間熟成させた。この塊状物を粉砕し、粉砕物を押出成形
機を用いペレットに加工した。得られたペレットを射出
成形機を用いシート状に成形した。得られたシート状物
について硬度、引張強さ、伸び、100%引張モジュラ
ス、引裂き強さなどの物性を測定した。
【0036】結果を表1に示す。
【0037】
【実施例2】(TPU系エラストマーと絹粉末が含まれ
た人工皮革用組成物) カプロラクトン系熱可塑性ポリウレタン樹脂100部と
シルクパウダー10部をミキサーを用いて混合した。こ
れを押出成形機を用いペレットに加工した。以下は、実
施例1と同じ方法で成形および測定を行った。
【0038】結果を表1に示す。なお、この人工皮革用
組成物には、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーは1
00重量部、絹粉末は10重量部の量で含まれている。
【0039】
【実施例3】(塩ビ系エラストマーと絹粉末が含まれた
人工皮革用組成物) 塩化ビニルレジン60部、DOP(ジオクチルフタレー
ト)40部、ステアリン酸0.5部に絹粉末40部を混
入してペレット状に成形し、これを押出機にてシート状
に成形した。
【0040】得られたシート状物について実施例1と同
様に物性を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
【比較例1】実施例1においてシルクパウダー16部を
用いなかった以外は実施例1と同様にして試料を作製
し、物性測定を行った。
【0042】結果を表1に示す。
【0043】
【比較例2】実施例3において絹粉末40部を用いなか
った以外は実施例3と同様にして試料を作成し、物性測
定を行った。
【0044】結果を表1に示す。 1)常態物性試験方法および結果 実施例1、2、3および比較例1、2の常態物性を表1
に示す。試験方法は、JIS K 7311によった。
【0045】
【表1】 表 1 常態物性 ──────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 ──────────────────────────────────── 硬度(ショアA) 91 91 90 88 85 引張り強さ(Kgf/cm2) 320 300 162 510 127 伸び(%) 530 520 150 510 340 100%モジュラス(Kgf/cm2) 85 85 70 引裂き強さ (Kgf/cm) 127 120 113 ──────────────────────────────────── 表1より明かなように、実施例1および実施例2では物
性に実質上異差が認められず、以下の試験は実施例1と
比較例1について行った。 2)性能試験 試験項目 (1)耐汚染性試験(JIS K 6902) 汚染試料・・・醤油、ソース、コーヒー、紅茶、水性イ
ンク、菜種油 (2)耐水性試験(JIS K 7311) 条件・・・温水70℃×168時間 (3)吸放湿試験 105℃で、2時間、試験片[20cm(縦)×50c
m(横)×0.2cm(高さ)]を放置し、その重量を
測定した。次にこの試験片を相対湿度(R.H.)80
%雰囲気中に放置し、1時間,2時間,3時間および2
4時間経過後の試験片重量を測定し、続いて、相対湿度
(R.H.)30%雰囲気中に放置し1時間,2時間,
3時間および24時間経過後の試験片重量を測定した。
【0046】これらの結果から1m2当りの吸湿重量を
算出した。 (4)感触試験 [1] 材料として実施例1、比較例1で得られた試験
片、塩化ビニル、NBRおよびEPDMの5点を選んだ。各々の
硬度はショアA90度とした。
【0047】試料形状は20cm(縦)×50cm
(横)×2cm(高さ)とし、紙やすり(400#)を
用いて、試料の両表面を一定に荒した。これらの試料を
布袋に入れ、感触試験用の試料入り布袋を用意した。こ
の布袋に各被験者の手を入れてもらい一番感触がよいも
の(気持ちいい、手触りがいいなど)を30秒以内に1
種類選んでもらった。なお、被験者数は男性40人、女
性40人の計80人とした。 [2] 次に上記と同じ方法で感触試験を行い、感触の
良い試料入り布袋2種類を被験者に選んでもらった。な
お、被験者数は男性20人、女性20人の計40人とし
た。(なお、この試験[2]は、試験[1]の被験者と
なった男女以外の者を対象に行った。) 3)機能試験結果 (1)耐汚染性試験 実施例1、比較例1の試料については異差は認められな
かった。 (2)耐水性試験 表2に示す通り、体積変化率については実施例1の試料
が比較例1の試料より大きな値を示しているが、引張り
強さ変化率は実施例1の試料の方が良好な値を示してい
る。
【0048】
【表2】 表 2 耐水性試験 ──────────────────────────────────── 硬度変化 引張り強さ変化率(%) 伸び変化率(%) 体積変化率(%) ──────────────────────────────────── 実施例1 +3 −5 +8 +4.2 比較例1 +3 −12 +4 +1.5 ──────────────────────────────────── (3)吸放湿性試験 表3からわかるように、実施例1は多くの水分を吸収し
ながらなおかつ水分を放出する特性が顕著に現われてい
る。
【0049】
【表3】 表 3 吸放湿試験 ──────────────────┬───────────────── 湿度(R.H.) 80% │ 30% 時間 0 1 2 3 24 │ 1 2 3 24 ──────────────────┼───────────────── 実施例1 0 1.21 1.65 2.02 3.00│ 1.91 1.47 1.47 0.58 比較例1 0 0.95 1.18 1.29 1.41│ 0.51 0.31 0.22 0.07 ──────────────────┴───────────────── 註:数値は1m2当りの吸湿重量(g) (4)感触試験 表4より、[1]の試験では半数の人が、[2]の試験
では8割の人が実施例1の試料の感触がよいと判断して
いることが解る。
【0050】
【表4】 (5) 上記のことから明らかなように、熱可塑性ポリ
ウレタンにシルクパウダーを添加することによって得ら
れる試料では、水分の吸放湿性が向上したことが認めら
れる。またかかる試料では多くの人(被験者)が感触良
好と認識していることが解る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマーと絹粉末とを含ん
    でなることを特徴とする人工皮革用組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーと絹粉末とを、熱
    可塑性エラストマー100重量部に対して、絹粉末0.
    3〜50重量部の量で含んでなることを特徴とする請求
    項1に記載の人工皮革用組成物。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性エラストマーが、熱可塑性
    ウレタンであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の人工皮革用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項記載の人工
    皮革用組成物を成形してなる人工皮革。
  5. 【請求項5】 熱可塑性エラストマー用の原料モノマー
    と、絹粉末とを含んでなることを特徴とする人工皮革用
    原料組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性エラストマー用の原料モノマー
    と、絹粉末とを、熱可塑性エラストマー用の原料モノマ
    ー100重量部に対して、絹粉末0.3〜50重量部の
    量で含んでなることを特徴とする請求項5に記載の人工
    皮革用原料組成物。
  7. 【請求項7】 前記原料モノマーが、熱可塑性ウレタン
    用の原料モノマーであることを特徴とする請求項5また
    は6に記載の人工皮革用原料組成物。
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