JPH0593024A - プロピレン−エチレン/ブテン系ブロツク共重合体及びその製造方法 - Google Patents

プロピレン−エチレン/ブテン系ブロツク共重合体及びその製造方法

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JPH0593024A
JPH0593024A JP27796191A JP27796191A JPH0593024A JP H0593024 A JPH0593024 A JP H0593024A JP 27796191 A JP27796191 A JP 27796191A JP 27796191 A JP27796191 A JP 27796191A JP H0593024 A JPH0593024 A JP H0593024A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリブテン成分とプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体成分又はポリプロピレン成分及びプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体成分とがそれぞれブロッ
ク共重合してなり、ポリブテン成分が0.1〜10wt
%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分とポリ
プロピレン成分との合計が99.9〜90wt%及びポ
リプロピレン成分が0〜30wt%含まれており、該プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体成分はエチレンに
基づく単量体単位を15〜80モル%、プロピレンに基
づく単量体単位を85〜20モル%含むランダム共重合
体で構成されてなり且つ該ブロック共重合体は分子量1
万以下の成分の割合が1.0重量%以下であり、かつ高
分子量の粉状体であることを特徴とするプロピレン−エ
チレン/ブテン系ブロック共重合体。 【効果】 本発明のプロピレン−エチレン/ブテン系ブ
ロック共重合体は成形機のホッパー内で棚吊りを生ずる
ことなく、また成形機のスクリューにも容易に喰い込
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性と透明性に優
れ、ベタツキのないプロピレン−エチレン/ブテン系ブ
ロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエチレン−プロピレンゴム(以下
「EPR」と略称する。)からなる成形品には、ベトツ
キ感があるという問題があった。また、エチレンとプロ
ピレンの重合によって得られるEPRは塊状体であり、
取り扱いにくい欠陥があった。上記の問題を解決するた
めに、EPRの分子量を高めることが提案されている。
ところが、この高分子量のEPRからなる成形品には、
耐熱性、成形性及び機械的強度が十分ではないという問
題がある。
【0003】そこで、上記の問題を解決するために、E
PRにポリプロピレンをブレンドすることが知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EPR
とポリプロピレンの混合物からなる成形品は、白色又は
乳白色であり、同等の柔軟性を有する他の樹脂、例えば
線状の低密度ポリエチレン、軟質ポリ塩化ビニルに比べ
て透明性に劣る。このため、前記のEPRとポリプロピ
レンの混合物は、透明性が要求される容器、シート、フ
ィルム等の成形品の材料として使用することができなか
った。
【0005】従って、EPRとポリプロピレンの混合物
が有している良好な性状を備え、かつ透明性が優れた材
料の開発が課題となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決することを目的として鋭意研究を重ねた結果、
プロピレン−エチレン共重合体成分とポリブテン成分を
含んでなるプロピレン−エチレン/ブテン系ブロック共
重合体が該目的を達成することのできる材料であること
を見いだし、本発明を完成するに到った。
【0007】即ち、本発明は、ポリブテン成分とプロピ
レン−エチレンランダム共重合体成分又はポリプロピレ
ン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分
とがそれぞれブロック共重合してなり、ポリブテン成分
が0.1〜10wt%,プロピレン−エチレンランダム
共重合体成分とポリプロピレン成分との合計が99.9
〜90wt%及びポリプロピレン成分が0〜30wt%
含まれており、該プロピレン−エチレンランダム共重合
体成分はエチレンに基づく単量体単位を15〜80モル
%,プロピレンに基づく単量体単位を85〜20モル%
含むランダム共重合体で構成されてなり且つ該ブロック
共重合体は分子量1万以下の成分の割合が1.0重量%
以下であり、かつ高分子量の粉状体であることを特徴と
するプロピレン−エチレン/ブテン系ブロック共重合体
である。
【0008】本発明のプロピレン−エチレン/ブテン系
ブロック共重合体(以下「P−E/Bブロック共重合
体」と略称する。)は本質的にプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体成分とポリブテン成分とよりなり、プロ
ピレン−エチレンランダム共重合体成分をX、ポリブテ
ン成分をYとすると、本発明のP−E/Bブロック共重
合体は、X−Yで示される。
【0009】上記X−Yで示されるP−E/Bブロック
共重合体はその性状例えば粒子の流動性,加工品の引張
強度,耐熱性等を更に改良するためにポリプロピレン成
分(Z)を更にブロック重合によって結合させることが
出来る。即ち該ポリプロピレン成分をブロック結合で含
有されたX−Z−Yで示される構成とすることも出来
る。
【0010】本発明のP−E/Bブロック共重合体は本
質的にプロピレン−エチレンランダム共重合体成分とポ
リブテン成分とから成っていることで十分に良好な物性
のものとなりうるか該ポリブテン成分がポリプロピレン
成分又はポリエチレン成分で代ると成形品の物性例えば
透明性が不十分となり本発明の目的物とはなり得ない。
【0011】本発明のP−E/Bブロック共重合体にお
けるポリブテン成分、プロピレン−エチレンランダム共
重合体成分及びポリプロピレン成分のそれぞれ成分割合
は、ポリブテン成分が0.1〜10重量%,プロピレン
−エチレンランダム共重合体成分とポリプロピレン成分
との合計が99.9〜90重量%,ポリプロピレン成分
が0〜30重量%である。ポリブテン成分が10重量%
をこえる場合、P−E/Bブロック共重合体の嵩比重が
低下し好ましくない。一方、ポリブテン成分が0.1重
量%未満である場合、P−E/B系ブロック共重合体か
らなる成形品の透明性が失われ好ましくない。またポリ
プロピレン成分が含まれると、本発明の粉状体であるP
−E/B系ブロック共重合体の流動性がより良好とな
り、また該P−E/Bブロック系共重合体からなる成形
品の引張強度及び耐熱性が向上する。しかしながら、ポ
リプロピレン成分の割合が30重量%をこえると、成形
品の柔軟性が低下し、また透明性が悪くなるため、所期
の目的のP−E/Bブロック共重合体を得ることができ
ない。
【0012】本発明のP−E/Bブロック共重合体に
は、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分、ポリ
ブテン成分又はポリプロピレン成分中に、本発明のP−
E/Bブロック共重合体の物性を阻害しない限り、他の
α−オレフィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共
重合されて含まれていてもよい。
【0013】前記のプロピレン−エチレンランダム共重
合体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロ
ピレンに基づく単量体単位のそれぞれ含有割合は、エチ
レンに基づく単量体単位15〜80モル%、好ましくは
15〜60モル%、より好ましくは20〜50モル%,
プロピレンに基づく単量体単位85〜20モル%、好ま
しくは85〜40モル%、より好ましくは80〜50モ
ル%である。エチレンに基づく単量体単位の含有割合が
15モル%未満であり、プロピレンに基づく単量体単位
の含有割合が85モル%をこえる場合、成形品の柔軟性
及び耐衝撃性が十分でなくなり好ましくない。一方、エ
チレンに基づく単量体単位の含有割合が80モル%をこ
え、プロピレンに基づく単量体単位の含有割合が20モ
ル%未満である場合、成形品の引張強度及び耐熱性が十
分でなくなり好ましくない。
【0014】本発明のP−E/Bブロック共重合体は、
粉状体である。この粉状という形状により、粒子同士が
粘着しにくくなり、粉状体の流動性が良好となる。一
方、粒子の形状が塊状であると、粒子同士が粘着し、塊
状体の流動性が悪いために好ましくない。
【0015】粉状体のP−E/Bブロック共重合体を得
るためには、低分子量の成分量を少なくする必要があ
る。本発明のP−E/Bブロック共重合体は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」と略
称する。)で測定した溶出曲線において、分子量1万以
下の成分の割合を通常1.0重量%以下、好ましくは
0.5重量%以下とすることで該粉状体を保持しうる。
そして、P−E/Bブロック共重合体の低分子量の成分
を少なくする方法の1つは、相対的に重量平均分子量を
高めることによって達成しうる。本発明のP−E/Bブ
ロック共重合体の重量平均分子量は、少なくとも60万
以上、通常80万以上、好ましくは100万以上、より
好ましくは150〜700万、最も好ましくは150〜
300万である。重量平均分子量が前記の範囲内にある
と、P−E/Bブロック共重合体の形状が粉状となりや
すい。尚、本発明における重量平均分子量は、GPCに
より測定された値である。
【0016】本発明のP−E/Bブロック共重合体は粉
状体であればよく、その平均粒径(D50)は、特に限定
されないが、通常100〜1000μm 、好ましくは1
00〜800μm の範囲のものが好ましい。また、本発
明のP−E/Bブロック共重合体の粒度分布は、特に限
定されないが、通常比較的狭く、具体的には、粒径が1
00μm 以下の粉状体の割合が1重量%以下であり、且
つ粒径が8000μm以上、好ましくは粒径が1000
μm 以上の粉状体の割合が1重量%以下であると好適で
ある。
【0017】本発明のP−E/Bブロック共重合体の嵩
比重は、通常0.35g/cm3 以上であり、好ましく
は0.35〜0.50g/cm3 の範囲のものが好まし
い。また本発明のP−E/Bブロック共重合体は特に限
定されるものではないがその安息角が通常40°以下の
ものが好適である。
【0018】本発明のP−E/Bブロック共重合体は一
旦溶融してペレットにされた場合、該ペレットの溶融物
の流動性が著しく低下するために、該ペレットの成形は
困難である。この挙動は、従来のEPR、即ち分子量が
20〜30万程度であるEPRには見られない。また、
溶剤に対する可溶性についても、重合槽より単離された
P−E/Bブロック共重合体は、沸騰デカン100ml
に1g溶解させた場合、通常は全粉状体のうち80重量
%以上、さらには90重量%以上、特に後述する実施例
では100重量%が溶解する。しかし、P−E/Bブロ
ック共重合体のデカン溶液から、デカンの蒸発又は溶液
の冷却により回収される粉状体は、再び沸騰デカン10
0mlに1gを溶解させようとしても、全粉状体の高々
40重量%しか溶解しない。また、前記した溶液の冷却
により回収されるP−E/Bブロック共重合体の粉状体
は、前記のペレットと同様に、溶融時の流動性が著しく
低い。
【0019】本発明のP−E/Bブロック共重合体が上
記の挙動を示す原因はまだ解明されていないが、本発明
者らは次のように推測している。即ち、本発明のP−E
/Bブロック共重合体を、一旦加熱により溶融し、又は
溶剤に溶解した後に、該溶融物を凝固又は該溶液からの
析出により現れる粉状体においては、P−E/Bブロッ
ク共重合体の分子鎖同士が絡まり合い、あたかも架橋し
ているかのような構造をとっていると推測される。この
ために、上記の粉状体について、再度の加熱による溶融
又は溶剤への溶解を行うことが困難であると考えられ
る。
【0020】本発明のP−E/Bブロック共重合体を確
認する方法が、例えば次の通りである。
【0021】本発明のP−E/Bブロック共重合体の13
C−核磁気共鳴(以下「NMR」という。)スペクトル
を測定すると、11ppm付近、35ppm付近、4
0.5ppm付近にピークが観測される。前記11pp
m付近のピークは、下記(i)
【0022】
【化1】
【0023】のブテン単量体単位のC1 の炭素に由来す
るものである。また、前記35ppm付近のピークは、
上記式(i)のC2 の炭素に由来するものである。さら
に、40.5ppm付近のピークは、上記式(i)のC
3 の炭素に由来するものである。
【0024】13C−NMRスペクトルを測定すると、上
記のピーク以外に、45.5〜47.5ppm付近、3
7〜39ppm付近、33〜34ppm付近、24.5
〜25.5ppm付近にピークが観測される。前記4
5.5〜47.5ppm付近のピークは、下記式(ii)
【0025】
【化2】
【0026】のプロピレン−エチレンランダム共重合体
部のC1 の炭素に由来するものである。また、37〜3
9ppm付近のピークは、上記式(ii)のC2 の炭素に
由来するものである。さらに、33〜34ppm付近の
ピークは、上記式(ii)のC3 の炭素に由来するもので
ある。このピークは、エチレンに基づく単量体単位
(E)とプロピレン単量体単位(P)がEPEとなるよ
うに連結してなる場合に現れるピークである。またさら
に、24.5〜25.5ppm付近のピークは、上記式
(ii)のC4 の炭素に由来するものである。このピーク
は、EとPがPEPとなるように連結してなる場合に現
れるピークである。従って、前記の33〜34ppm付
近のピーク及び24.5〜25.5ppm付近のピーク
が共に観測されることによって、エチレンとプロピレン
がランダム共重合していることが確認される。
【0027】本発明のP−E/Bブロック共重合体の13
C−NMRスペクトルからは、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体成分及びポリブテン成分のそれぞれ割
合、及び該プロピレン−エチレンランダム共重合体成分
におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに
基づく単量体単位のそれぞれ割合が算出される。
【0028】次に、本発明のP−E/Bブロック共重合
体にポリプロピレン成分が含まれている場合、該P−E
/Bブロック共重合体について示差走査熱分析(以下
「DSC」と略称する。)を行うと、ピークが155〜
165℃の範囲内で現れる。このピークが現れるときの
温度は、該P−E/Bブロック共重合体中のポリプロピ
レン成分に基づく融点(Tm (℃))である。そして、
該融点における融解熱の大きさは、該P−E/Bブロッ
ク共重合体中のポリプロピレン成分の含有割合により決
まり、該ポリプロピレン成分が30重量%以下で含まれ
ている場合、該融解熱は30mJ/mg以下の範囲で測
定される。
【0029】本発明のP−E/Bブロック共重合体は、
いかなる方法によって得てもよい。特に好適に採用され
る方法を例示すれば次ぎの方法である。
【0030】即ち、下記成分A及びB、又はA及びB並
びにC若しくはD A.チタン化合物 B.有機アルミニウム化合物 C.一般式〔I〕 Rn Si(OR′)4-n 〔I〕 (但し、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基,炭素原子
数2〜7のアルケニル基,フェニル基,シクロヘキシル
基、又はノルボルネン基であり、R′は炭素原子数1〜
6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。)で
示される有機ケイ素化合物 D.一般式〔II〕 R″−I 〔II〕 (但し、R″はヨウ素原子又は炭素原子数1〜7のアル
キル基又はフェニル基である。)で示されるヨウ素化合
物の存在下にプロピレン又は1−ブテンを0.1〜50
0gポリマー/g・Ticompoundの範囲となる
ように予備重合を行い触媒含有予備重合体を得て、次い
で該触媒含有予備重合体の存在下に1−ブテンの重合及
び必要に応じてプロピレンの重合を経て、プロピレンと
エチレンとの混合物のランダム共重合を順次行ない高分
子量の粉状物を得る方法が好適である。
【0031】上記製造方法の特徴は特定の触媒の存在下
に予備重合を行い、引き続き1−ブテンの重合と必要に
応じてプロピレンの重合を経て、プロピレン−エチレン
ランダム共重合を順次実施することである。該予備重合
を実施しないときは本発明の目的とするP−E/Bブロ
ック共重合体は得られ難く、また1−ブテンの重合とプ
ロピレン−エチレンランダム共重合との順序を逆にして
も粉状体の目的物が得られ難い。この点は後述する本発
明の各実施例と比較例とを対比すれば明らかに理解され
るところである。
【0032】まてP−E/Bブロック共重合体を高透明
性,高嵩比重且つ粉状物として得るためにはP−E/B
ブロック共重合体中の低分子量重合体例えば分子量が1
万以下の重合体の割合が1.0重量%以下となるように
制御することは重要な要件の1つである。そのためにP
−E/Bブロック共重合体は、一般に製造される分子量
20〜30万のエチレン−プロピレンゴム、分子量10
〜50万の結晶性ポリプロピレン等に比べると著しく分
子量を大きくすることが好ましく、通常は重量平均分子
量が少なくとも60万以上、通常80万以上、好ましく
は100万以上、より好ましくは150〜700万、最
も好ましく150〜300万のものとすることが好まし
い態様である。
【0033】かかる目的物を得るためには予備重合及び
本重合の条件、使用触媒の組合せ,重合順序等を下記の
説明の如く好ましくは選定する必要がある。
【0034】上記P−E/Bブロック共重合体の製造方
法における予備重合で用いられるチタン化合物〔A〕
は、オレフィンの重合に使用されることが公知のチタン
化合物が何ら制限なく採用される。特に、チタン,マグ
ネシウム及びハロゲンを成分とする触媒活性の高いチタ
ン化合物が好適である。このような触媒活性の高いチタ
ン化合物は、ハロゲン化チタン、特に四塩化チタンを種
々のマグネシウム化合物に担持させたものとなってい
る。この触媒の製法は、公知の方法が何ら制限なく採用
される。例えば、特開昭56−155206号公報,同
56−136806,同57−34103,同58−8
706,同58−83006,同58−138708,
同58−183709,同59−206408,同59
−219311,同60−81208,同60−812
09,同60−186508,同60−192708,
同61−211309,同61−271304,同62
−15209,同62−11706,同62−7270
2,同62−104810等に示されている方法が採用
される。具体的には、例えば、四塩化チタンを塩化マグ
ネシウムのようなマグネシウム化合物と共粉砕する方
法、アルコール,エーテル,エステルケトン又はアルデ
ヒド等の電子供与体の存在下にハロゲン化チタンとマグ
ネシウム化合物とを共粉砕する方法、又は、溶媒中でハ
ロゲン化チタン,マグネシウム化合物及び電子供与体を
接触させる方法が挙げられる。
【0035】また該チタン化合物は上記担持型触媒の他
に公知のα,β,γ、又はδ−三塩化チタンも好適に用
いられる。これらのチタン化合物の調製方法は、例え
ば、特開昭47−34478号公報,同50−1265
90,同50−114394,同50−93888,同
50−123091,同50−74594,同50−1
04191,同50−98489,同51−13662
5,同52−30888,同52−35283等に示さ
れている方法が採用される。
【0036】チタン化合物として、前記担持型触媒を使
用するときは一般に後述する有機アルミニウム化合物及
び有機ケイ素化合物必要に応じてヨウ素化合物と組合せ
て使用すればよく、上記α,β,γ又はδ−三塩化チタ
ンを使用するときは有機アルミニウム必要に応じて電子
供与体とを組合せて使用すればよい。
【0037】次に有機アルミニウム化合物〔B〕も、オ
レフィンの重合に使用されることが公知の化合物が何ら
制限なく採用される。例えば、トリメチルアルミニウ
ム,トリエチルアルミニウム,トリ−nプロピルアルミ
ニウム,トリ−nブチルアルミニウム,トリ−iブチル
アルミニウム,トリ−nヘキシルアルミニウム,トリ−
nオクチルアルミニウム,トリ−nデシルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム類:ジエチルアルミニウ
ムモノクロライド,ジエチルアルミニウムブロマイド等
のジエチルアルミニウムモノハライド類:メチルアルミ
ニウムセスキクロライド,エチルアルミニウムセスキク
ロライド,エチルアルミニウムジクロライド等のアルキ
ルアルミニウムハライド類などが挙げられる。他のモノ
エトキシジエチルアルミニウム,ジエトキシモノエチル
アルミニウム等のアルコキシアルミニウム類を用いるこ
とができる。中でもトリエチルアルミニウムが最も好ま
しい。
【0038】さらに、有機ケイ素化合物〔C〕は、前記
一般式〔I〕で示される化合物が何ら制限なく採用され
る。一般式〔I〕中のRはメチル基,エチル基,プロピ
ル基,ブチル基,ヘプチル基,ヘキシル基等のC1 〜C
6のアルキル基;ビニル基,アリル基,ブチレン基,ペ
ンテン基,ヘキセン基等のC2 〜C7 のアルケニル基;
フェニル基;シクロヘキシル基;又はノルボルネン基が
好適に使用される。またR′は上記と同じC1 〜C6
アルキル基が使用される。これらの基は置換されていて
もよく、例えばアルキル基で置換されたものが好適に使
用出来る。特に上記アルキル基としては炭素原子数1〜
4のアルキル基が好適である。本発明においては好適に
用いられる有機ケイ素化合物を例示すると、次のとおり
である。例えば、トリメチルメトキシシラン,トリメチ
ルエトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジメチ
ルジエトキシシラン,ジフェニルジメトキシシラン,メ
チルフェニルジメトキシシラン,ジフェニルジエトキシ
シラン,エチルトリメトキシシラン,メチルトリメトキ
シシラン,ビニルトリメトキシシラン,フェニルトリメ
トキシシラン,メチルトリエトキシシラン,エチルトリ
エトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,アリルト
リエトキシシラン,ブチルトリエトキシシラン,フェニ
ルトリエトキシシラン,シクロヘキシルトリエトキシシ
ラン,6−トリエトキシシリル2−ノルボルネンなどで
ある。
【0039】本発明においては、上記したチタン化合物
〔A〕,有機アルミニウム化合物〔B〕及び有機ケイ素
化合物〔C〕に加えて、下記一般式〔II〕 R″−I 〔II〕 〔但し、R″はヨウ素原子,炭素原子数1〜6のアルキ
ル基又はフェニル基である。〕で示されるヨウ素化合物
〔D〕を用いると、得られるP−E/Bブロック共重合
体の粒子の嵩比重が大きくなり低分子重合体例えば分子
量1万以下の重合体の量が著しく少なくなってP−E/
Bブロック共重合体に高流動性を付与出来るメリットが
あるためしばしば好適である。
【0040】前記一般式〔II〕中、R″のアルキル基は
前記一般式〔I〕のRに例示したと同じアルキル基が使
用出来、フェニル基は置換基があってもよい。特にアル
キル基置換のフェニル基は好適である。本発明で好適に
使用し得るヨウ素化合物を具体的に示すと次のとおりで
ある。例えば、ヨウ素,ヨウ化メチル,ヨウ化エルチ,
ヨウ化プロピル,ヨウ化ブチル,ヨードベンゼン,p−
ヨウ化トルエン等である。特にヨウ化メチル,ヨウ化エ
チルは好適である。
【0041】前〔A〕及び〔B〕必要に応じて使用され
る〔C〕及び〔D〕の各成分の使用量は触媒の種類,予
備重合の条件,1−ブテンの重合条件,プロピレン−エ
チレンランダム共重合の条件等に応じて異なるため、こ
れらの各条件に応じて最適の使用量を予め決定すればよ
い。一般的に好適に使用される範囲を例示すれば下記の
通りである。
【0042】一般に後述するように前記予備重合は必ら
ずしも1回だけが実施されるのではなく複数回の予備重
合を行うケースがしばしば有効である。下記の配合割合
は1回の予備重合に使用される各触媒成分の使用割合の
好適な基準として例示した。即ち、有機アルミニウム化
合物〔B〕の使用割合はチタン化合物〔A〕に対してA
l/Ti(モル比)で1〜100好ましくは2〜20の
範囲が、また必要に応じて使用される有機ケイ素化合物
〔C〕の使用割合はチタン化合物〔A〕に対してSi/
Ti(モル比)で0.1〜100好ましくは0.5〜1
0の範囲がそれぞれ好適である。
【0043】また必要に応じて使用されるヨウ素化合物
〔D〕の使用割合はチタン化合物〔A〕に対してI/T
i(モル比)で0.1〜100好ましくは0.5〜50
の範囲が好適である。
【0044】本発明に於ける前記予備重合は得られるP
−E/Bブロック共重合体の形状及び物性を制御する意
味で重要な要因となる。しかも流動性がよく、透明性に
すぐれた粉状のP−E/Bブロック共重合体を得るため
該予備重合を複数回例えば2〜5回に分けて実施するこ
とはしばしば好ましい結果が期待される。該予備重合を
複数回実施する場合は、各予備重合において前記各成分
の配合割合に相当する化合物を添加して予備重合を実施
してもよく、1回目の予備重合時に予め必要量の各成分
を配合しておいて2回目以降には触媒成分を配合しない
で実施することも或いは2回目以降も触媒成分を添加す
るものと添加しないものを適宜組合せて実施することも
出来る。但し前記触媒成分のうち有機ケイ素化合物
〔C〕については、その理由及び作用は現在なお明らか
ではないが、複数回の予備重合を実施する場合、各予備
重合で使用する種類を違えて使用するのが、得られるP
−E/Bブロック共重合体中の低分子量重合体の生成を
制御出来る点で好適な影響を与える。そして特に有機ケ
イ素化合物としては、前記一般式〔I〕中のR及びR′
の少くとも一方が嵩高い炭化水素基、例えばフェニル
基,シクロヘキシル基又はノルボルニル基等である化合
物を用いることが、低分子量成分の少ないP−E/Bブ
ロック共重合体が得られるために好ましい。しかし各予
備重合段階で用いられる有機ケイ素化合物の使用順序は
特に制限されない。
【0045】前記触媒成分の存在下にプロピレン又は1
−ブテンを重合する予備重合で得られる重合体は予備重
合の実施回数,予備重合条件等によって異なるが、一般
に0.1〜500g/g・Ti compound、好
ましくは1〜100g/g・Ti compoundの
範囲から選べば十分であり、1回当りの予備重合でTi
compound 1g当り0.1〜100g好まし
くは2〜50gの範囲を基準とすれば好ましい。また予
備重合で使用するプロピレン又は1−ブテンはプロピレ
ン又は1−ブテンそれぞれ単独のモノマーを使用するの
が得られるP−E/Bブロック共重合体の物性の制御面
で好適であるが、該ブロック共重合体の物性に悪影響を
及ぼさない範囲で例えば5モル%以下の他のα−オレフ
ィン例えばエチレン,プロピレン,1−ブテン,1−ペ
ンテン,1−ヘキセン,4−メチルペンテン−1等を混
合することは許容されうる。また各予備重合の段階で水
素を共存させることも可能である。
【0046】該予備重合は通常スラリー重合を適用させ
るのが好ましく、溶媒として、ヘキサン,ヘプタン,シ
クロヘキサン,ベンゼン,トルエンなどの飽和脂肪族炭
化水素若しくは芳香族炭化水素を単独で、又はこれらの
混合溶媒を用いることができる。該予備重合温度は、−
20〜100℃、特に0〜60℃の温度が好ましく、複
数回に分けて予備重合を行うときは各段階は夫々異なる
温度の条件下で行ってもよい。予備重合時間は、予備重
合温度及び予備重合での重合量に応じ適宜決定すれば良
く、予備重合における圧力は、限定されるものではない
が、スラリー重合の場合は、一般に大気圧〜5kg/c
2 G程度である。該予備重合は、回分,半回分,;連
続のいずれの方法で行ってもよい。
【0047】予備重合終了後はそのまま後述する1−ブ
テンの重合に供することも出来るが、一般には前記溶媒
で洗浄した後1−ブテンの重合に供するとよい。
【0048】前記予備重合に次いで本重合が実施され
る。本重合は前記予備重合で得られた触媒含有予備重合
体の存在下に先ず1−ブテンの重合が必要に応じてプロ
ピレンの重合を経て、プロピレン−エチレンのランダム
共重合がそれぞれ実施される。本発明における本重合で
使用する触媒は前記予備重合で使用したのと同じ触媒成
分及びその組合せを使用するとよい。また各触媒成分は
予備重合時に予め配合しておくことも出来るが一般には
チタン化合物以外は本重合時に新たに配合して調節する
のが好ましい。
【0049】本重合で用いられる有機アルミニウム化合
物は、前述の予備重合に用いたものが使用でき、最も好
ましくはトリエチルアルミニウムである。有機アルミニ
ウム化合物の使用量は触媒含有予備重合体中のチタン原
子に対し、Al/Ti(モル比)で、10〜1000、
好ましくは50〜500である。
【0050】さらに、有機ケイ素化合物もまた前記一般
式〔I〕で示される化合物が何ら制限なく採用される。
本重合で用いる有機ケイ素化合物の使用量は触媒含有予
備重合体中のTi原子に対しSi/Ti(モル比)で
0.1〜1000、好ましくは0.5〜500である。
【0051】更にまた必要に応じて使用されるヨウ素化
合物は触媒含有予備重合体中のチタン原子に対してI/
Ti(モル比)で0.1〜100好ましくは0.5〜5
0である。
【0052】本発明の本重合はまず1−ブテンが上記触
媒含有予備重合体,有機アルミニウム化合物,有機ケイ
素化合物必要に応じてヨウ素化合物の触媒成分の存在下
に重合される。1−ブテンの重合は気相重合で実施して
もよいが一般に前記溶媒中でスラリー重合を実施すると
よい。該重合温度は−20〜100℃特に0〜60℃の
温度が好ましい。重合時間は、温度及び重合量により適
宜決定すればよいが一般には15分〜3時間の範囲から
選べばよい。重合圧力は特に限定されるものでなく、ス
ラリー重合の場合、一般に大気圧〜5kg/cm2 G程
度である。
【0053】前記重合条件は得られるP−E/Bブロッ
ク共重合体中にポリブテン成分が0.1〜10重量%の
範囲となるように予め決定するとよい。
【0054】本発明で得られるP−E/Bブロック共重
合体は粉状体で嵩比重が大きいものとなるが、そのため
に該1−ブテンは単独重合体となる態様が最も好まし
い。しかしながら、該形状が悪影響をうけない範囲で1
−ブテン以外のα−オレフィン例えばエチレン,プロピ
レン,3−メチルブテン,4−メチル−1−ペンテン,
1−ヘキセン等を混合した状態で共重合することは許容
される。該許容量は種々の重合条件によって異なるが一
般には他のα−オレフィンが5モル%以下の混合割合と
なるように選ぶのが好適である。また該1−ブテンの重
合に際しては必要に応じて分子量調節剤として水素を共
存させて実施することが出来る。
【0055】上記1−ブテンの重合に次いで、必要に応
じてプロピレンの重合を経てプロピレン−エチレンのラ
ンダム共重合が実施される。該ランダム重合は1−ブテ
ンの重合が終った後、又は更にプロピレンの重合が終っ
た後未反応の1−ブテンをパージし、代ってプロピレン
とエチレンとの混合物を供給して実施すればよい。また
該プロピレン−エチレンのランダム共重合に際しては触
媒成分として必要に応じてエーテル化合物,アミド化合
物,エステル化合物,含イオン化合物,含リン化合物,
酸無水物等の電子供与体を新たに添加して実施すること
はしばしば好適な態様となる。
【0056】上記プロピレン−エチレンランダム共重合
はプロピレンに基づく単量体単位が40〜85モル%好
ましくは40〜80モル%及びエチレンに基づく単量体
単位が15〜60モル%好ましくは20〜60モル%の
範囲となるようにプロピレンとエチレンとを混合して用
いればよい。そのためにプロピレンとエチレンとの混合
割合がガス状態でのエチレン濃度で7〜50モル%好ま
しくは10〜40モル%となるように選べば好適であ
る。
【0057】上記プロピレン−エチレンランダム重合に
おける重合温度は、P−E/Bブロック共重合体の嵩比
重を大きくするためになるべく低温で行なうのが好まし
く、例えば80℃以下、さらに20〜70℃の範囲から
採用することが好適である。また必要に応じて分子量調
整剤として水素を共存させることもできる。更にまた、
重合はプロピレン及びエチレン自身を溶媒とするスラリ
ー重合,気相重合,溶液重合等のいずれの方法でもよ
い。重合形式は、回分式,半回分式,連続式の何れの方
法でもよく、更に重合を条件の異なる2段以上に分けて
行うこともできる。上記プロピレン−エチレンランダム
共重合は、目的物が粉状で得られる限り適宜その条件を
選んで実施すればよいが、一般には高分子量、例えば重
量平均分子量が少なくとも60万以上、通常80万以
上、好ましくは100万以上、より好ましくは150〜
700万、最も好ましくは150〜300万となり、且
つ低分子量の重合体例えば分子量1万以下の重合体が
1.0wt%以下となるように各条件を選定すると好ま
しい。
【0058】本重合の終了後には、重合系からモノマー
を蒸発させ粒子状ポリマーを得ることができる。この粒
子状ポリマーは、炭素数7以下の炭化水素溶媒を用いて
公知の洗浄又は向流洗を行うと更に高嵩比重となる。
【0059】前記必要に応じて採用されるプロピレンの
重合は、前記本重合の1−ブテンの重合に次いで実施す
るのが好ましい。該プロピレンの重合条件は前記プロピ
レン−エチレンランダム共重合における原料モノマーを
プロピレン又は5モル%までの他のα−オレフィンの混
合が許容されるモノマー混合物とする以外は全て同じ条
件で実施することが出来る。一般に好適に採用される重
合条件を例示すると、0〜80℃好ましくは20〜70
℃の重合温度下に必要に応じて分子量調節剤として水素
を存在させてプロピレン自身を溶媒とするスラリー重
合,気相重合又は溶媒を使用する溶媒重合等の重合方法
が好適である。
【0060】前記1−ブテンの重合とプロピレン−エチ
レンランダム共重合との間に上記プロピレンの重合を実
施する利点は前記の如く得られる粉状P−E/Bブロッ
ク共重合体の流動性を更に改良出来、しかも得られるP
−E/Bブロック共重合体の加工品の引張強度,耐熱性
をアップ出来ることである。
【0061】従って、上記プロピレンの重合はP−E/
Bブロック共重合体に要求される物性に応じてしばしば
採用される態様である。
【0062】しかしながら含有ポリプロピレン成分が多
くなると、得られるブロック共重合体の柔軟性が悪くな
り、また加工物の透明性が悪くなるため、該ポリプロピ
レン成分の含有割合は最高30wt%にとどめるのが好
ましい。また該ポリプロピレン成分は予備重合において
1−ブテンを用い且つ本重合において上記プロピレンの
重合を実施しない場合は実質的にP−E/Bブロック共
重合体中に含有されないし、前記予備重合でのみプロピ
レンの重合を行うときは極くわずか例えばP−E/Bブ
ロック共重合体に0.001〜1.0wt%程度の含有
量となる。該P−E/Bブロック共重合体中に含まれる
ポリプロピレン成分は予備重合で生成したものと本重合
で生成したものの区別が出来ないが上記含有量の多少に
よってそのいずれに基づくものか推定は可能である。
【0063】本発明のP−E/Bブロック共重合体は、
射出成形,押出成形,プレス成形など各種の成形法によ
り種々の形状を有する成形品にすることができる。
【0064】成形に際し、本発明のP−E/Bブロック
共重合体に、従来のポリオレフィンに用いられている各
種の添加剤及び成形助剤を添加することはしばしば好適
な態様となる。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0066】以下の実施例において用いた測定方法につ
いて説明する。
【0067】1)重量平均分子量、分子量1万以下の割
合GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー)
法により測定した。ウオーターズ社製GPC−150C
によりo−ジクロルベンゼンを溶媒とし、135℃で行
った。用いたカラムは、東ソー製TSK gel GM
H6−HT,ゲルサイズ10〜15μである。較正曲線
は標準試料として重量平均分子量が950,2900,
1万,5万,49.8万,270万,675万のポリス
チレンを用いて作成した。
【0068】2)プロピレン−エチレンランダム共重合
体成分,ポリブテン成分及びポリプロピレン成分のそれ
ぞれ割合、並びに該プロピレン−エチレンランダム共重
合体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロ
ピレンに基づく単量体単位のそれぞれ割合の測定方法13 C−NMRスペクトルのチャートを用いて算出した。
即ち、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分にお
けるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれ割合は、まずポリマー(Pol
ymer)第29巻(1988年)1848頁に記載さ
れた方法により、ピークの帰属を決定し、次にマクロモ
レキュールズ(Macromolecules)第10
巻(1977年)773頁に記載された方法により、エ
チレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づく単量
体単位のそれぞれ割合を算出した。
【0069】次いで、プロピレン−エチレンランダム共
重合体成分におけるプロピレンに基づく単量体単位の重
量とポリブテン成分の重量との割合を、前記の13C−N
MRスペクトルのチャートを用いて算出した。即ち、プ
ロピレンに基づく単量体単位中のメチル炭素に起因する
ピークと、ポリブテン成分中のメチル炭素に起因するピ
ークとの積分強度比から、プロピレンに基づく単量体単
位の重量とポリブテン成分の重量との割合を算出した。
【0070】上記の算出された各割合を用いて、P−E
/Bブロック共重合体について、プロピレン−エチレン
ランダム共重合体成分及びポリブテン成分のそれぞれ割
合、並びに該プロピレン−エチレンランダム共重合体成
分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレン
に基づく単量体単位のそれぞれ割合を算出した。
【0071】3)嵩比重 JIS K6721(1977年)に準じて行った。
【0072】4)安息角 「粉体物性測定法」(早川宗八郎著)97頁によった。
即ち、底部中央に直径10mmの出口を有する内径68
mm,高さ48mmの円筒容器内に、該円筒容器上に5
0mmの高さに設けたロートよりポリマーを落とし、該
円筒容器を充填した後、出口を開放して静止状態のポリ
マーを流出させ、容器内に残留した粉体層の斜面の傾斜
を安息角として測定した。
【0073】5)ショアーA硬度 JIS K6301に準じて試験片を作成し、A形試験
機を用いて行った。
【0074】6)引張破断点強度,伸び JIS K6301に準じて、3号ダンベルを用いて試
験片を作り、200mm/分の速度で測定した。
【0075】7)軟化温度 セイコー電子社製TNAにより、昇温速度20℃/分,
49g荷重,0.1mm針入り時の温度を測定した。
【0076】8)曲げ弾性率 日本製鋼所 J120SAII型射出成形機により12.
7mm×12.7mm×3.1mmの試験片を作成しA
STM:G−790に準じて行った。
【0077】9)アイゾット衝撃値 日本製鋼所 J120SAII型射出成形機により63.
6mm×12.7mm×3.1mmノッチ付の試験片を
作成し、ASTM G−256に準じて23℃で測定を
行った。
【0078】10)沸騰デカン可溶分量 ポリマー1gを室温のn−デカン100mlに加えたス
ラリー溶液を攪拌しながら昇温し、約30分を要し沸騰
させた。この状態で更に30分攪拌を続け、この温度で
すばやくゲル状物をろ別した。ろ別されたn−デカン溶
液を完全に濃縮することで可溶分量を求めた。
【0079】11)粒度分布 目開き75,125,250,355,500,71
0,1180μm のふるいに、ポリマー約5gを装填し
ふるい振とう機に10分間かけ分級した。
【0080】12)透明性(ヘイズ値) 日本製鋼所 J120SAII型射出成形機により樹脂温
度230℃で80.0mm×50.0mm×1.0mm
の板に成形した後48時間後にJIS K6714に従
い測定した。
【0081】13)ポリプロピレン成分の割合の測定方
法 Differential Scanning Cal
orimetry(DSC)により測定した。即ち、該
DSCにより、155〜165℃の範囲内で観測される
ピークの温度における融解熱を測定し、予め作成された
ポリプロピレン成分の含有割合と融解熱との関係を示す
グラフに基いて、ポリプロピレン成分の含有割合を得
た。
【0082】14)落下秒数 底部中央に10mmの出口を有し、高さ175mm,上
部円筒部の内径が68mm,円筒部の高さが60mmの
形状を有する金属製ロートにパウダー100mlを入
れ、横方向に2mm巾の振動を与えながら、パウダーを
排出させ、全量が排出するのに要する時間を測定した。
【0083】実施例 1 〔チタン化合物の調製〕無水塩化マグネシウム0.95
g(10mmol),デカン10ml,および2−エチ
ルヘキシルアルコール4.7ml(30mmol)を1
25℃で2時間加熱攪拌した後、この溶液中に無水フタ
ル酸0.55g(3.75mmol)を添加し、125
℃にてさらに1時間攪拌混合を行い、均一溶液とした。
室温まで冷却した後、120℃に保持された四塩化チタ
ン40ml(0.36mmol)中に1時間にわたって
全量滴下装入した。装入終了後、この混合液の温度を2
時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところ
でジイソフタレート0.54ml(2.5mmol)を
添加し、これより2時間同温度にて攪拌下保持した。2
時間の反応終了後熱濾過にて固体部を採取し、この固体
部を200mmのTiCl4 にて再懸濁させた後、再び
110℃で2時間、加熱反応を行なった。反応終了後、
再び熱濾過にて固体部を採取し、デカン及びヘキサンに
て、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるま
で充分洗浄した。以上の製造方法にて調製された固体T
i触媒成分は、ヘプタンスラリーとして保存した。固体
Ti触媒成分の組成はチタン2.1重量%,塩素57重
量%,マグネシウム18.0重量%,及びジイソブチル
フタレート21.9重量%であった。
【0084】〔予備重合〕N2 置換を施した1リットル
オートクレーブ中に精製ヘプタン200ml,トリエチ
ルアルミニウム50mmol,ジフェニルジメトキシシ
ラン10mmol,ヨウ化エチル50mmol及び固体
Ti触媒成分をTi原子換算で5mmol装入した後、
プロピレンを固体Ti触媒成分1gに対し5gとなるよ
うに1時間連続的に反応器に導入し予備重合1回目を施
した。なお、この間の温度は15℃に保持した。1時間
後プロピレンの導入を停止し、反応器内をN2 で充分に
置換した。得られたスラリーの固体部分を精製ヘプタン
で6回洗浄した。
【0085】更にこの固体成分をN2 置換を施した1リ
ットル−オートクレーブ中に装入し、精製ヘプタン20
0ml,トリエチルアルミニウム50mmol,6−ト
リエトキシシリル2−ノルボルネン10mmol,ヨウ
化エチル10mmolを加えた後、プロピレンを更に固
体Ti触媒成分1gに対し、5gとなるように1時間、
連続的に反応器に導入し、予備重合2回目を施した。な
おこの間の温度は15℃に保持した。得られたスラリー
の固体部分を精製ヘプタンで6回洗浄し、チタン含有ポ
リプロピレンを得た。
【0086】〔1−ブテンの重合〕N2 置換を施こした
2リットル−オートクレーブに精製ヘプタン1000m
l,トリエチルアルミニウム50mmol,ジフェニル
ジメトキシシラン50mmol,及び予備重合で得られ
たチタン含有ポリプロピレンをTi原子換算で1.0m
mol装入した後、1−ブテンをチタン含有ポリプロピ
レン1gに対し200gとなるように1時間連続的に反
応器に導入し、1−ブテンの重合を行った。なお、この
間の温度は20℃に保持した。得られた重合体(以下チ
タン含有ポリブテンと云う)は、N2 雰囲気下精製ヘプ
タンで5回洗浄した。このときの1−ブテンの重合量は
チタン含有ポリプロピレン1gに対し203gであっ
た。
【0087】〔プロピレンエチレン共重合〕N2 置換を
施こした400リットルのオートクレーブにプロピレン
200リットルを装入し、トリエチルアルミニウム12
5mmol,ジフェニルジメトキシシラン125mmo
l及びエチレンガス濃度が18mol%となる様にエチ
レンを供給し、オートクレーブの内温を50℃に昇温
し、チタン含有ポリブテンをチタン原子換算で0.5m
mol装入した。続いてオートクレーブの内温を55℃
まで昇温し、1時間のプロピレンエチレン共重合を行っ
た。重合圧力は26kg/cm2 であり、この間の温度
を55℃に保持した。エチレン濃度はガスクロマトグラ
フで確認しながら18molを保持した。1時間後、白
色顆粒状の重合体を得た。重合槽内及び攪拌羽根へのポ
リマーの付着は全く認められなかった。収量は15kg
であり、この時の重合活性は13157g−ポリマー/
g・Ticompound/hrであった。
【0088】この結果、得られたP−E/Bブロック共
重合体の13C−NMRスペクトルのチャートを図1に示
した。
【0089】また得られたP−E/Bブロック共重合体
について測定した性状及び物性は表1及び表2に示す通
りであった。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】実施例2,3 実施例1の1−ブテンの重合に於いて、1−ブテンの重
合量をチタン含有ポリプロピレン1g当り、100g及
び500gとした以外は実施例1と同様の操作を行っ
た。その結果、それぞれ1−ブテンが101g及び52
0gが重合されていた。結果を表1及び表2に示した。
【0096】実施例4,5 実施例1のプロピレン−エチレン共重合に於いて、エチ
レンガス濃度を26mol%及び12mol%とした以
外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1及び表
2に示した。
【0097】実施例6,7 実施例1のプロピレン−エチレン共重合に於いて、水素
ガスをガス濃度で0.01mol%(実施例6),0.
02mol%(実施例7)となる様に装入した以外は実
施例1と同様の操作を行った。結果を表1及び表2に示
した。
【0098】実施例8〜10 実施例1の予備重合に於いて、予備重合2回目の有機ケ
イ素化合物を6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネ
ンのかわりにフェニルトリエトキシシラン(実施例
8),メチルフェニルジエトキシシラン(実施例9),
ブチルトリエトキシシラン(実施例10)を用いた以外
は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1,表2に
示した。
【0099】実施例11 〔チタン化合物の調製〕三塩化アルミニウム(無水)1
00gと水酸化マグネシウム29gを振動ミルで250
℃にて3時間粉砕させながら反応させた。加熱終了後、
窒素気流下で冷却し、固体生成物(SP−1)を得た。
【0100】ガラスフラスコ中において、精製デカン1
5ml,固体生成物(SP−1)2.5g,オルトチタ
ン酸n−ブチル8.5g,2−エチル−1−ヘキサノー
ル9.8gを混合し、攪拌しながら130℃にて1.5
時間加熱して溶解させ均一な溶液とした。その溶液を7
0℃とし、p−トルイル酸エチル1.8を加え1時間反
応させた後、攪拌しながら四塩化ケイ素26gを2時間
かけて滴下し固体を析出させ、更に70℃,1時間攪拌
した。固体を溶液から分離し精製ヘキサンにより洗浄し
固体生成物(SP−II)を得た。
【0101】その固体生成物(SP−II)全量に1.2
−ジクロルエタン30mlおよび四塩化チタン30ml
とともにフタル酸ジイソブチル1.5gを加え、攪拌し
ながら100℃に2時間反応させた後、同温度にてデカ
ンテーションにより液相部を除き、再び1,2−ジクロ
ルエタン30ml,四塩化チタン30ml,フタル酸ジ
イソブチル1.5gを加え、攪拌しながら100℃に2
時間反応させた後、熱濾過にて固体部を採取して精製ヘ
キサンで洗浄し、25℃減圧下で1時間乾燥して固体生
成物(SP−III)を得た。
【0102】固体生成物(SP−III)は球形であり、平
均粒径は15μm で、その粒径分布は極めて狭いもので
あった。この固体生成物(SP−III)を固体Ti触媒成
分とした。
【0103】なお、該固体Ti触媒成分の組成分析結果
は、Ti3.0重量%(以後%と記す),Cl 56.
2%,Mg17.6%,Al 1.7%,フタル酸ジイ
ソブチル20.1%,ブトキシ基1.1%,2−エチル
ヘキノキシ基0.2%,p−トルイル酸エチル0.1%
であった。以下、予備重合及び重合は実施例1と同様に
行った。結果を表1、2に示した。
【0104】実施例12 〔チタン化合物の調製〕窒素置換した500ml内容積
のガラス製三ツ口フラスコ(温度計,攪拌機付き)に、
50mlの精製ヘプタン,50mlのチタンテトラブト
キシド,7.0gの無水塩化マグネシウムを加える。そ
の後、フラスコを90℃に昇温し、2時間かけて塩化マ
グネシウムを完全に溶解させた。次にフラスコを40℃
まで冷却し、メチルハイドロジエンポリシロキサン10
mlを添加することにより、塩化マグネシウム,チタン
テトラブトキシド錯体を析出させた。これを精製ヘプタ
ンで洗浄して、灰白色の固体を得た。
【0105】窒素置換した300ml内容積のガラス製
三ツ口フラスコ(温度計,攪拌機付き)に、上記で得た
析出固体10gを含むヘプタンスラリー50mlを導入
した。次いで、四塩化ケイ素5.8mlを含むヘプタン
溶液20mlを室温で30分かけて加えて、さらに30
℃で45分間反応させた。さらに90℃で1.5時間反
応させ、反応終了後、精製ヘプタンで洗浄した。次い
で、フタル酸ジヘプチル1.5mlを含むヘプタン溶液
50mlを加えて50℃で2時間反応させ、この後、精
製ヘプタンで洗浄し、さらに四塩化チタン25mlを加
えて90℃で2時間反応させた。これを精製ヘプタンで
洗浄して、固体Ti触媒成分を得た。固体Ti触媒成分
中のチタン含量は、30.4重量%であった。以下予備
重合及び重合は実施例1と同様に行った。結果を表1,
表2に示した。
【0106】実施例13 実施例8において、フェニルトリエトキシシランに代え
てビニルトリエトキシシランを使用した以外は実施例8
と同様の操作を行った。結果を表1及び表2に示した。
【0107】実施例14 実施例8において、フェニルトリエトキシシランに代え
てシクロヘキシルトリエトキシシランを使用した以外は
実施例8と同様の操作を行った。結果を表1及び表2に
示した。
【0108】実施例15 実施例1の予備重合において、予備重合1回目及び予備
重合2回目で用いたヨウ化メチルの代わりにヨウ素を用
いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表
1及び表2に示した。
【0109】実施例16 実施例1において、エチレンガス濃度を33mol%と
した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表
1及び表2に示した。
【0110】比較例1〜3 実施例1において1−ブテンの重合を行なわない(比較
例1)、1−ブテンを予備重合で得られたチタン含有ポ
リプロピレン1g当り5g重合した(比較例2)、チタ
ン含有ポリプロピレン1g当り2000g重合した(比
較例3)こと以外は実施例1と同様の操作を行った。そ
の結果、チタン含有ポリプロピレン1g当たり1−ブテ
ン5.0g(比較例2)及び2400g(比較例3)が
重合されていた。結果を表3及び表4に示した。
【0111】
【表6】
【0112】
【表7】
【0113】
【表8】
【0114】
【表9】
【0115】
【表10】
【0116】比較例4,5 実施例1のプロピレン−エチレン共重合に於いて水素ガ
スをガス濃度で0.08mol%,0.12mol%と
なる様に装入した以外は実施例1と同様の操作を行っ
た。その結果、得られた重合体は粉状物とはならなかっ
た。結果を表3及び表4に示した。
【0117】比較例6〜8 実施例1の1−ブテンの重合の代わりに、予備重合で得
られたチタン含有ポリプロピレン1g当りプロピレンを
200g(比較例6)、同500g(比較例7)、エチ
レン200g(比較例8)を重合した以外は実施例1と
同様の操作を行った。その結果、チタン含有ポリプロピ
レン1g当りプロピレンが203g(比較例6)、52
0g(比較例7)、エチレンが203g(比較例8)重
合されていた。結果を表3及び表4に示した。
【0118】比較例9 実施例1のプロピレン−エチレン共重合におけるエチレ
ンガス濃度が5モル%となるようにエチレンを供給した
以外は実施例1と同様に実施した。この結果得られた重
合体は含有されるエチレン含有量が少なく、その物性も
十分に満足出来るものではなかった。結果は表3及び表
4に示した。
【0119】比較例10 実施例1における1−ブテンの重合とプロピレン−エチ
レンの共重合との順序を逆に実施した。即ち予備重合後
に先ずプロピレン−エチレンのランダム共重合を行い次
いで1−ブテンの重合を行った。得られた重合体の物性
は表3及び表4に示した。
【0120】比較例11〜13 比較例1で得られたプロピレン−エチレンランダム共重
合体100重量部にポリブテン−1(三井石油化学社製
M8010)を0.5重量部、1重量部、5重量部混合
して物性を評価した。結果を表5に示した。
【0121】
【表11】
【0122】実施例17,18 実施例1の本重合における1−ブテンの重合とプロピレ
ン/エチレンランダム共重合との間に下記操作によりポ
リプロピレンの重合を実施した以外は実施例1と同様に
実施した。
【0123】即ち、実施例1の1−ブテンの重合を終了
した後、N2 置換を施こした400リットルのオートク
レーブにプロピレンを200リットル,トリエチルアル
ミニウム125mmol,ジフェニルジメトキシシラン
125mmolを装入し、オートクレーブの内温を70
℃に昇温し、チタン含有ポリブテンをチタン原子換算で
0.5mmol装入した。70℃で20分間(実施例1
7),45分間(実施例18)のプロピレンの重合を行
った。その後、オートクレーブの内温を急激に55℃ま
で降温すると同時にエチレンをガス濃度で20mol%
となる様に供給し、60分間のプロピレン/エチレンの
ランダム共重合を行った。この間、温度は55℃に保持
し、エチレンガス濃度は、ガスクロマトグラフで確認し
ながら24mol%を保持した。
【0124】重合終了後、未反応モノマーをパージし、
白色顆粒状の重合体を得た。重合槽内及び攪拌羽根への
ポリマーの付着は全く認められなかった。
【0125】収量は、それぞれ16.3kg(実施例1
7)及び18.1kg(実施例18)で、重合活性は1
4300g−ポリマー/g−cat(実施例17)及び
15880g−ポリマー/g−cat(実施例18)で
ある。
【0126】また別に、上記のプロピレンの重合だけを
行ったところ、上記70℃,20分間では、チタン化合
物1g当り1100g−ポリマー/g−cat及び70
℃,45分間では2600g−ポリマー/g−catで
あった。従って得られたブロック共重合体中のポリプロ
ピレン成分量は、それぞれ7.7wt%(実施例17)
及び16.4wt%(実施例18)であることが判る。
【0127】結果を表6及び表7に示した。また実施例
17で得られたP−E/Bブロック共重合体を用いたD
SCチャートは図2に示した。
【0128】
【表12】
【0129】
【表13】
【0130】
【表14】
【0131】
【表15】
【0132】
【表16】
【0133】実施例19 実施例18のプロピレンエチレンランダム共重合に於い
て、水素ガス濃度を0.06mol%供給し、重合を行
った以外は実施例18と同様の操作を行った。その結果
収量は、19.8kgであり、重合活性は、17400
g−ポリマー/g−catであった。この結果、ブロッ
ク共重合体中のポリプロピレン成分は、14.9wt%
であることが判る。
【0134】結果を表6及び表7に示した。
【0135】実施例20 (予備重合)攪はん機を備えた内容積1リットルのガラ
ス製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した
後、ヘプタン400mlを挿入した。反応器内温度を2
0℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロライド14.5
mmol、及び三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社製
「TOS−17」)18.1mmolを加えた後、プロ
ピレンを触媒1g当たり3gとなるように1時間連続的
に反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保
持した。プロピレンの供給を停止した後、反応器内を窒
素ガスで十分に置換し、得られたチタン含有ポリプロピ
レンを精製ヘプタンで4回洗浄した。分析の結果、触媒
1g当たり2.9gのプロピレンが重合されていた。
【0136】(本重合) 工程1:1−ブテンの重合 攪はん機を備えた内容積2リットルのステンレス製オー
トクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプ
タン1000mlを挿入した。反応器内温度を20℃に
保ち、ジエチルアルミニウムクロライド0.70mmo
l、予備重合で得られたチタン含有ポリプロピレンを三
塩化チタンとして0.087mmolを加えた後、1−
ブテンを触媒1g当たり30gとなるように2時間連続
的に反応器に導入した。なおこの間の温度は20℃に保
持した。1−ブテンの供給を停止した後、反応器内を窒
素ガスで置換し、チタン含有ポリ1−ブテン重合体を得
た。得られたポリ1−ブテンは、窒素雰囲気下精製ヘプ
タンで2回洗浄した。分析の結果、チタン化合物1g当
たり28gの1−ブテンが重合されていた。
【0137】工程2:プロピレンの重合及びプロピレン
エチレンの共重合 N2 置換を施こした2リットルのオートクレーブにプロ
ピレンを1リットル、ジエチルアルミニウムクロライド
0.70mmolを加え、オートクレーブの内温を70
℃に昇温した。チタン含有ポリ1−ブテンを三塩化チタ
ンとして0.087mmol加え、70℃で30分間の
プロピレンの重合を行った。次いでオートクレーブの内
温を急激に55℃に降温すると同時に、エチルアルミニ
ウムジエトキシド0.35mmolを加えた後、エチレ
ンを供給し、エチレンガス濃度が7mol%となるよう
にし、55℃で90分間のプロピレンとエチレンの共重
合を行った。この間エチレンガス濃度は、ガスクロマト
グラフで確認しながら10mol%を保持した。重合終
了後、未反応モノマーをパージし、白色顆粒上の重合体
を得た。
【0138】重合槽内及び攪拌羽根への付着は全く認め
られなかった。収量は110gであり、全重合体の重合
倍率は5730g−ポリマー/g−catであった。
【0139】また別に、上記のプロピレンだけの重合を
行った結果、上記70℃,30分間でチタン化合物1g
当り、340gのプロピレンが重合されていた。この結
果、ブロック共重合体中のポリプロピレン成分は、5.
9wt%であることが判る。結果を表6及び表7に示し
た。
【0140】比較例14 実施例17のプロピレンの重合及びプロピレンエチレン
の共重合に於いて、プロピレンの重合を70℃で60分
間、プロピレンエチレンの共重合を55℃で30分間行
った以外は実施例(その2)と同様の操作を行った。
【0141】収量は、9.2kgであり重合活性は、8
100g−ポリマー/g−catであった。別の実験よ
り上記70℃,60分間のプロピレンの重合では、チタ
ン化合物1g当り3200g−ポリマー/g−catが
重合されたことより、ブロック共重合体中のポリプロピ
レン成分は、39.5%であることが判った。このブロ
ック共重合体は、柔軟性に劣るものであった。
【0142】結果を表6及び表7に示した。
【0143】
【発明の効果】本発明のP−E/Bブロック共重合体
は、エチレン組成が高いにもかかわらず、高い嵩比重を
有するポリマー粒子となる。また、本発明のP−E/B
ブロック共重合体は、粉体の状態で高い流動性を有して
いる。このため、本発明のP−E/Bブロック重合体は
成形機のホッパー内で棚吊りを生ずることなく、また、
成形機のスクリューにも容易に喰込む。従って、本発明
のP−E/Bブロック共重合体は通常の熱可塑性樹脂の
成形に採用されている射出成形や押出成形によって容易
に成形可能となる。
【0144】更に、本発明のP−E/Bブロック共重合
体は、成形品にベタツキがなく、加えて高い透明性を有
することから、従来の熱可塑性エラストマーが用いられ
ている種々の分野に好適に用いることが出来る。
【0145】例えば、射出成形分野では自動車部品に於
けるバンパー,マットガード,ランプパッキン類、ま
た、家電部品に於いては、各種パッキン類、及びスキー
シューズ、グリップ、ローラースケート類が挙げられ
る。一方、押出成形分野では、各種自動車内装材、家電
・電線材として各種絶縁シート、コード、ケーブル類の
被覆材及び土木建材分野における防水シート、止水材、
目地材等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明のP−E/Bブロッ
ク共重合体の13C−NMRスペクトルのチャートであ
る。
【図2】実施例17で得られた本発明のP−E/Bブロ
ック共重合体のDSCのチャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリブテン成分とプロピレン−エチレン
    ランダム共重合体成分又はポリプロピレン成分及びプロ
    ピレン−エチレンランダム共重合体成分とがそれぞれブ
    ロック共重合してなり、ポリブテン成分が0.1〜10
    wt%,プロピレン−エチレンランダム共重合体成分と
    ポリプロピレン成分との合計が99.9〜90wt%及
    びポリプロピレン成分が0〜30wt%含まれており、
    該プロピレン−エチレンランダム共重合体成分はエチレ
    ンに基づく単量体単位を15〜80モル%,プロピレン
    に基づく単量体単位を85〜20モル%含むランダム共
    重合体で構成されてなり且つ該ブロック共重合体は分子
    量1万以下の成分の割合が1.0重量%以下であり、か
    つ高分子量の粉状体であることを特徴とするプロピレン
    −エチレン/ブテン系ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 下記成分A及びB、又はA及びB並びに
    C若しくはD A.チタン化合物 B.有機アルミニウム化合物 C.一般式〔I〕 Rn Si(OR′)4-n 〔I〕 (但し、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基,炭素原子
    数2〜7のアルケニル基,フェニル基,シクロヘキシル
    基又はノルボルネン基であり、R′は炭素原子数1〜6
    のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。)で示
    される有機ケイ素化合物 D.一般式〔II〕 R″−I 〔II〕 (但し、R″はヨウ素原子,炭素原子数1〜7のアルキ
    ル基又はフェニル基である。)で示されるヨウ素化合物 の存在下にプロピレン又は1−ブテンを0.1〜500
    gポリマー/g・Ticompoundの範囲となるよ
    うに予備重合を行い触媒含有予備重合体を得て、次いで
    該触媒含有予備重合体の存在下に1−ブテンの重合、必
    要に応じてプロピレンの重合及びプロピレンとエチレン
    との混合物のランダム共重合を順次行ない高分子量の粉
    状物を得ることを特徴とするプロピレン−エチレン/ブ
    テン系ブロック共重合体の製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0975444A (ja) * 1995-09-19 1997-03-25 Terumo Corp 医療用基材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59120605A (ja) * 1982-12-28 1984-07-12 Showa Denko Kk 超高分子量ポリエチレン系樹脂の製造方法

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