JPH0592942A - 芳香族アミンのアルキル化方法 - Google Patents

芳香族アミンのアルキル化方法

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JPH0592942A
JPH0592942A JP3278611A JP27861191A JPH0592942A JP H0592942 A JPH0592942 A JP H0592942A JP 3278611 A JP3278611 A JP 3278611A JP 27861191 A JP27861191 A JP 27861191A JP H0592942 A JPH0592942 A JP H0592942A
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 芳香族アミンをハロゲン化アルキルによって
アルキル化するに際し、反応溶液の溶媒としてエーテル
系溶媒を使用するとともに、反応溶液中に固体状態のア
ルカリ化合物及び固体−液相間相間移動触媒を添加す
る。 【効果】 芳香族アミンとハロゲン化アルキルを高い反
応性で反応させることができ、たとえば芳香族アミンに
電子吸引基が存在する場合でも、あるいはアルキル化剤
として高級ハロゲン化アルキルを使用した場合でも、短
い反応時間,高収率で芳香族アミンアルキル鎖誘導体を
得るできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族アミン化合物の
アルキル化方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキル化は、有機化合物の水素原子を
アルキル基で置換する反応であり、該有機化合物の疎水
性,親水性を調節したり、電子構造に影響を与えて光学
的性質を変化させる等の上で重要な反応である。たとえ
ば有機材料機能膜をラングミュア・ブロジェット法で形
成しようとする場合には、膜材料となる有機化合物の疎
水性,親水性の微妙なバランスがその累積性,特性に大
きく影響してくるため、アルキル化反応によってアルキ
ル鎖の炭素数を調節して膜材料に所望の疎水性,親水性
を持たせ、良好な特性を有する有機材料機能膜を得るよ
うになされている。また、芳香族アミンである2−メチ
ル−4−ニトロアニリン(MNA)のアルキル化によっ
て合成されるMNAアルキル鎖誘導体は、非線形光学特
性を有し、波動変換素子等の材料として期待を集めてい
る。このようなアルキル化において、アルキル基を与え
るために使用されるアルキル化剤としては、ハロゲン化
アルキル,硫酸ジアルキルが主なものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、MNA等の
ベンゼン環、複素芳香環にアミノ基のついた芳香族アミ
ンのアルキル化は、アルキル化剤としてハロゲン化アル
キルを使用して行われる。ここで、芳香族アミンは、反
応性に富む低級アルキルハロゲン化物とは、単に混合放
置あるいは、若干の加熱で良く反応する事が知られてい
る。しかしながら、高級アルキルハロゲン化物と芳香族
アミンとは、反応性が低く、直接反応させるためには高
温を要し、かつ混合物を生成しやすい。このため、銅−
青銅触媒などを添加し、反応を活性化する等の工夫がな
されているが、この場合でも十分な収率は得られない。
特に、ベンゼン環にアミノ基の塩基性を減少させるよう
な基(電子吸引基)が存在する場合には、反応性が著し
く低下し、実用的な収率を得るためには、反応時間を数
日と極めて長く設定しなければならない。
【0004】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、芳香族アミンと高級ハロ
ゲン化アルキルを高い反応性で反応させることができ、
芳香族アミンアルキル鎖誘導体が高い収率で得られる芳
香族アミンのアルキル化方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の芳香族アミンのアルキル化方法は、芳香
族アミンをハロゲン化アルキルと反応させてアルキル化
するに際し、反応溶液の溶媒としてエーテル系溶媒を使
用するとともに、反応溶液中に固体状態のアルカリ化合
物および固体−液相間相間移動触媒を添加することを特
徴とする。
【0006】本発明のアルキル化方法においては、反応
触媒としてアルカリ化合物を反応触媒として使用すると
ともに、固体−液相間相間移動触媒を添加して固体であ
るアルカリ化合物と、液体である芳香族アミンおよびハ
ロゲン化アルキルとの接触性を向上させることにより、
アルカリ化合物の触媒作用を有効に発揮させ、反応時間
の短縮化、収率の向上を図ることとする。
【0007】ここで反応溶液の溶媒としては、エーテル
系溶媒が使用される。エーテル系溶媒としては、たとえ
ば直鎖状エーテルあるいはジオキサン等の環状エーテル
等、通常、使用されているエーテル系溶媒であればいず
れでも良く、反応温度を考慮して選択すれば良い。
【0008】また、アルカリ化合物についても、添加時
に固体状態で存在できるアルカリ化合物であれば特に制
限はないが、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の水
酸化アルカリ金属塩を使用することが好ましい。
【0009】固体−液体相間相間移動触媒としては、臭
化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の4級アンモニウ
ム塩の他、クラウンエーテル等も使用できる。
【0010】なお、アルキル化反応の際の温度条件は、
反応させる芳香族アミン、ハロゲン化アルキルの沸点等
を考慮して設定することが好ましい。また、反応時間に
ついては、上述の溶媒、触媒を使用すれば極めて高い反
応性が得られるので、2時間程度とすれば十分であり、
これにより高収率で目的物が得られる。
【0011】
【作用】本発明においては、芳香族アミンをハロゲン化
アルキルと反応させてアルキル化するに際し、反応溶液
の溶媒としてエーテル系溶媒を使用するとともに、反応
溶液中に固体状態のアルカリ化合物と、固体−液相間相
間移動触媒を添加する。アルカリ化合物は反応触媒とな
るものであり、固体状態で添加することにより、良好な
触媒作用を示す。また、固体−液相間相間移動触媒は、
固体であるアルカリ化合物と、液体である芳香族アミン
およびハロゲン化アルキルとの接触性を向上させるもの
であり、これにより、上記アルカリ化合物の触媒作用が
有効に発揮され、高い反応性でアルキル化反応が進行す
ることとなる。
【0012】
【実施例】本発明の好適な実施例について実験結果に基
づいて説明する。
【0013】実施例1 本実施例は2−メチル−4−ニトロアニリンを臭化ドコ
シルによってアルキル化した例である。
【0014】2−メチル−4−ニトロアニリン1g
(0.065モル)および臭化ドコシル2.5g(0.
064モル)をジオキサン10mlに溶解し、加熱還流
する。この溶液中に水酸化ナトリウム(固体)1g、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.1gを添加
する。ここで、添加と同時に、2−メチル−4−ニトロ
アニリンのアニオンの生成に伴う赤着色が始まる。この
まま、2時間加熱還流する。化1にここで起こる反応の
化学反応式を示す。
【0015】
【化1】
【0016】還流後、水を加えて反応を停止させた後、
溶媒を蒸発させて除き、水洗して水酸化ナトリウム、テ
トラn−ブチルアンモニウムブロミドを除く。そして、
アセトンを使用して再結晶させることにより、合成物
(N−ドコシル−2−メチル−4−ニトロアニリン)を
得た。
【0017】このとき、合成物の収量は2.7gであ
り、収率は2−メチル−4−ニトロアニリンに対して9
0%であった。また、融点は93〜95℃、元素分析値
はC29522 2 として、実測(計算%)C75.4
7(75.60),H11.28(11.37),N
6.14(6.08)であった。
【0018】図1に合成物のNMRスペクトルを示す。
NMRスペクトルのピークは、0.8ppm:メチル基
(3H),1.2〜1.8ppm:メチレン基(40
H),2.2ppm:ベンゼン環に結合したメチル基
(3H),3.2ppm:アミノ基に結合したメチレン
基(2H),4.2ppm:アミノ基,6.5ppmお
よび8ppm:ベンゼン環のそれぞれの水素に帰属され
る。
【0019】実施例2 本実施例は、2−アミノ−4−ニトロピリジン1gを臭
化ドコシルでアルキル化した例である。
【0020】2−アミノ−4−ニトロピリジン1gを4
00mlのジオキサンに溶解し、水酸化ナトリウム0.
5g及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.
1gを添加し10分間加熱還流する。還流後、臭化ドコ
シル1.7gを加え、4時間反応を行う。化2に、ここ
で起こる反応の反応式を示す。
【0021】
【化2】
【0022】反応液に水を加えて反応を停止させた後、
溶媒を蒸発させて除き、水洗して水酸化ナトリウム、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムブロミドを除く。そし
て、ヘキサン−クロロホルムを使用して再結晶を行うこ
とにより、合成物(N−ドコシルアミノ−4−ニトロピ
リジン)を得た。
【0023】なお、合成物の収量は1.2g、収率は臭
化ドコシルに対して83%であった。また、融点は8
6.5〜87.5℃であった。図2に合成物のNMRを
示す。なお、NMRスペクトルの各ピークの帰属は実施
例1に示す通りである。
【0024】実施例3 4−ニトロアニリンを臭化ドコシルによってアルキル化
した例である。
【0025】4−ニトロアニリン1gおよび臭化ドコシ
ル2.8gをジオキサン10mlに溶解し、加熱還流す
る。この溶液に水酸化ナトリウム(固体)1g、テトラ
−n−ブチルアンモニウムブロミド0.1gを添加し、
2時間加熱還流して反応を行う。化3にここで起こる反
応の反応式を示す。
【0026】
【化3】
【0027】2時間還流後、水を加えて反応を停止させ
た後、溶媒を蒸発させて除き、水洗して水酸化ナトリウ
ム、テトラn−ブチルアンモニウムブロミドを除く。そ
して、アセトンを使用して再結晶することにより、合成
物(N−ドコシル−4−ニトロアニリン)を得た。
【0028】なお、合成物の収量は2.7g、収率は4
−ニトロアニリンに対して85%であった。また合成物
の融点は88〜89℃であった。
【0029】このように実施例1〜実施例3において
は、いずれの場合でも数時間程度の短い反応時間で、8
0〜90%の高い収率で芳香族アミンアルキル鎖誘導体
が合成されている。したがって、これらの結果から、本
発明によれば、芳香族アミンにニトロ基等の電子吸引基
が存在したり、アルキル化剤が高級ハロゲン化アルキル
である場合でも、容易に芳香族アミンをアルキル化する
ことができ、芳香族アミンの分子構造の多様性を向上さ
せることが可能となることがわかった。
【0030】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の芳香族アミンのアルキル化方法は、芳香族アミンを
ハロゲン化アルキルによってアルキル化するに際し、反
応溶液の溶媒としてエーテル系溶媒を使用するととも
に、反応溶液中に固体状態のアルカリ化合物および固体
−液相間相間移動触媒を添加するので、芳香族アミンと
ハロゲン化アルキルを高い反応性で反応させることがで
きる。したがって、芳香族アミンに電子吸引基が存在す
る場合でもあるいはアルキル化剤として高級ハロゲン化
アルキルを使用した場合でも、短い反応時間で高い収率
の芳香族アミンアルキル鎖誘導体を得ることが可能とな
るので、芳香族アミンの疎水性,親水性の調節が容易な
ものとなる。また、分子構造の多様化を図ることが可能
となり、非線形光学特性等、優れた特性を芳香族アミン
に持たせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−ドコシル−2−メチル−3─ニトロアニリ
ンの 1H−NMRスペクトルである。
【図2】N−ドコシル−2−アミノ−4─ニトロピリジ
ンの 1H−NMRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族アミンをハロゲン化アルキルと反
    応させてアルキル化するに際し、反応溶液の溶媒として
    エーテル系溶媒を使用するとともに、反応溶液中に固体
    状態のアルカリ化合物および固体−液相間相間移動触媒
    を添加することを特徴とする芳香族アミンのアルキル化
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100334064C (zh) * 2005-02-23 2007-08-29 大连绿源药业有限责任公司 N-烷基苯胺衍生物的制备
JP2008143855A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Shin Etsu Chem Co Ltd アミノアルキルシラン化合物の製造方法

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CN100334064C (zh) * 2005-02-23 2007-08-29 大连绿源药业有限责任公司 N-烷基苯胺衍生物的制备
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