JPH059268B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH059268B2 JPH059268B2 JP8824388A JP8824388A JPH059268B2 JP H059268 B2 JPH059268 B2 JP H059268B2 JP 8824388 A JP8824388 A JP 8824388A JP 8824388 A JP8824388 A JP 8824388A JP H059268 B2 JPH059268 B2 JP H059268B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- laminates
- pulp
- dimensional stability
- base paper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 65
- 238000005452 bending Methods 0.000 claims description 24
- 238000010009 beating Methods 0.000 claims description 11
- 238000004080 punching Methods 0.000 claims description 9
- 238000011282 treatment Methods 0.000 claims description 9
- 229920005989 resin Polymers 0.000 claims description 6
- 239000011347 resin Substances 0.000 claims description 6
- 238000003475 lamination Methods 0.000 claims description 3
- 238000000465 moulding Methods 0.000 claims description 3
- 229920000875 Dissolving pulp Polymers 0.000 description 7
- 238000000034 method Methods 0.000 description 7
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 7
- 239000011888 foil Substances 0.000 description 5
- UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N Hydrogen Chemical compound [H][H] UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 229920001131 Pulp (paper) Polymers 0.000 description 4
- QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-L Sulfate Chemical compound [O-]S([O-])(=O)=O QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 4
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 4
- 230000000704 physical effect Effects 0.000 description 4
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 4
- 229920003043 Cellulose fiber Polymers 0.000 description 3
- OKKJLVBELUTLKV-UHFFFAOYSA-N Methanol Chemical compound OC OKKJLVBELUTLKV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 239000011121 hardwood Substances 0.000 description 3
- 239000000463 material Substances 0.000 description 3
- 239000005011 phenolic resin Substances 0.000 description 3
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 3
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 3
- 239000003063 flame retardant Substances 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- 229920001568 phenolic resin Polymers 0.000 description 2
- 239000011122 softwood Substances 0.000 description 2
- RNFJDJUURJAICM-UHFFFAOYSA-N 2,2,4,4,6,6-hexaphenoxy-1,3,5-triaza-2$l^{5},4$l^{5},6$l^{5}-triphosphacyclohexa-1,3,5-triene Chemical compound N=1P(OC=2C=CC=CC=2)(OC=2C=CC=CC=2)=NP(OC=2C=CC=CC=2)(OC=2C=CC=CC=2)=NP=1(OC=1C=CC=CC=1)OC1=CC=CC=C1 RNFJDJUURJAICM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- KXGFMDJXCMQABM-UHFFFAOYSA-N 2-methoxy-6-methylphenol Chemical compound [CH]OC1=CC=CC([CH])=C1O KXGFMDJXCMQABM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- YCKRFDGAMUMZLT-UHFFFAOYSA-N Fluorine atom Chemical compound [F] YCKRFDGAMUMZLT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229920000877 Melamine resin Polymers 0.000 description 1
- 239000000654 additive Substances 0.000 description 1
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 1
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 1
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 1
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000011889 copper foil Substances 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 239000000975 dye Substances 0.000 description 1
- 239000003822 epoxy resin Substances 0.000 description 1
- 239000000945 filler Substances 0.000 description 1
- 229910052731 fluorine Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011737 fluorine Substances 0.000 description 1
- LNEPOXFFQSENCJ-UHFFFAOYSA-N haloperidol Chemical compound C1CC(O)(C=2C=CC(Cl)=CC=2)CCN1CCCC(=O)C1=CC=C(F)C=C1 LNEPOXFFQSENCJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 238000005470 impregnation Methods 0.000 description 1
- 239000013054 paper strength agent Substances 0.000 description 1
- 230000035699 permeability Effects 0.000 description 1
- 239000000049 pigment Substances 0.000 description 1
- 229920006122 polyamide resin Polymers 0.000 description 1
- 229920000647 polyepoxide Polymers 0.000 description 1
- 229920001225 polyester resin Polymers 0.000 description 1
- 239000004645 polyester resin Substances 0.000 description 1
- 238000007670 refining Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 1
- 230000008961 swelling Effects 0.000 description 1
- 229920005992 thermoplastic resin Polymers 0.000 description 1
- 229920001187 thermosetting polymer Polymers 0.000 description 1
- 229920006337 unsaturated polyester resin Polymers 0.000 description 1
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K1/00—Printed circuits
- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
- H05K1/0313—Organic insulating material
- H05K1/0353—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
- H05K1/0366—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は打抜き加工性、耐熱性のほかに寸法安
定性に優れた積層板を製造するために利用される
積層板用原紙及び該原紙を使用した積層板に関す
るものである。 (従来の技術) 積層板用原紙は、例えばフエノール樹脂のよう
な合成樹脂を含浸させた後、積層板に成形加工さ
れ産業用、民生用電子機器の広範な分野に用いら
れる。 現在広く用いられている木材パルプを原料とし
た積層板用原紙は硫酸塩パルプが多く使われてい
る。 また、使用量は少ないが木材パルプ以外を用い
た積層板用原紙としてはコツトンリンター紙があ
る。 (発明が解決しようとする問題点) 近年の電子工業の著しい発達に伴ないプリント
配線板の使用条件が苛酷となり、積層板基材に要
求される物性は高度化する傾向が強まつている。
とりわけ、高密度配線化に対応するために寸法精
度の優れた積層板が要求されている。 また、寸法精度の要求と併せて打抜き加工性、
耐熱性等についても兼ね備えた基材が望まれてい
る。 現在、積層板用原紙として広く使われている硫
酸塩パルプ紙は、比較的良好な寸法安定性を有し
ているが打抜き加工性、耐熱性がリンター紙に較
べて劣る。 一方、リンター紙は比較的良好な打抜き加工
性、耐熱性を有しているが寸法安定性が硫酸塩パ
ルプ紙に較べ劣つている。 また、特開昭60−79952に示されるα−セルロ
ース含量87.0%以上の木材パルプを用いた積層板
用原紙を用いた場、リンター紙並の打抜き加工性
と、良好な耐熱性が得られるがリンター紙同様寸
法安定性で十分に満足いく特性が得られていな
い。 このうちリンター紙及び高α−セルロース含量
の木材パルプを用いた積層板用原紙から成る積層
板の寸法安定性が劣る大きな要因の一つとしては
繊維形態の影響があげられる。 (問題点を解決するための手段) 積層板の寸法安定性について、例えばリンター
紙やα−セルロース高含量(87.0%以上)パルプ
紙を用いた場合の寸法安定性が劣ることは、得ら
れる繊維の形態が未叩解状態において全般に屈曲
しているためシートとしたときストレートな繊維
の集合体と較べ熱履歴に対して変化しやすいとい
える。 そこで本発明者らは積層板用原紙に用いるセル
ロース系繊維パルプの繊維形態に着目し、繊維形
態を定量化させて目標とする積層板の寸法安定性
を得るための管理に用い、未叩解状態のパルプが
屈曲した状態のものについては繊維形態を、例え
ば叩解機を利用した機械的処理等によつて形態を
ストレート化の方向へ矯正させることにより寸法
安定性の向上を計り得ることを見い出した。 この時の繊維形態の矯正度合いを、繊維屈曲度
によつて定量的に数値化させ管理するものとす
る。 繊維屈曲度とは一本の繊維の実長と繊維長軸の
両端を結んだ最短距離(直線距離)との比で表わ
し、下記の計算式で算出する。 繊維屈曲度=Lt−Ls/Ls×100 この時 Lt;繊維実長 Ls;繊維長軸の両端を結んだ直線距離 即ち、完全にストレートな繊維はLt=Lsとな
り繊維屈曲度は0(零)となる。また、繊維両端
が限りなく近接する位屈曲している場合繊維屈曲
度は無限に大きくなる。 繊維屈曲度を測定する手法には特に制限はない
が、一例としてはランダムに採取した繊維を拡大
投影し、写し(映し)だされた全ての繊維につい
て[繊維総数として500本以上]測定し、全体を
代表する数値を求める。 各種セルロース系繊維パルプの未叩解原料の繊
維屈曲度は材種、パルプ製造法により各々大巾に
異なるが本特許に該当する積層板用原紙に用いら
れるリンター及び硫酸塩溶解パルプ、亜硫酸溶解
パルプは精製処理によつて未叩解パルプの繊維形
態は大巾に屈曲しているため繊維屈曲度は50〜80
と高い。 従つて積層板にした場合の寸法安定性の点では
不利である。 積層板の寸法安定性の向上及び繊維形態の定量
的管理において繊維屈曲度の低減はその手法に制
限はないが、他の打抜き加工性、電気特性等の積
層板特性を低下させることなく繊維形態を矯正さ
せることが必要である。 その手法としては、例えば機械的処理の一つと
して叩解機を利用することができる。 但し、寸法安定性を向上させるための叩解処理
は屈曲した繊維形態を矯正させるための処理であ
つて、叩解度だけでコントロールすることは不適
当であり、繊維屈曲度による管理も併せて行なう
ことが重要である。 同一叩解度のパルプでも繊維屈曲度が異なると
得られる積層板の寸法安定性は大きく異なる。 繊維形態を矯正させるための叩解処理は切断を
優先するような強い作用を極力抑え、変形を与え
るような小さな作用で繊維の内部構造を緩め繊維
屈曲部が柔軟化されることで繊維形態を矯正させ
るような叩解処理が望ましい。 また、叩解処理では積層板用原紙において合成
樹脂の浸透性を良好にするために、パルプの水
度については400mlcsF以上であることが望まし
い。 リンター及び未叩解硫酸塩溶解パルプ、未叩解
亜硫酸溶解パルプの高い繊維屈曲度を先に示した
機械的処理によつて繊維形態を矯正させること
で、繊維屈曲度を50未満まで低減させたパルプを
用いた積層板用原紙から成る積層板は優れた打抜
き加工性、耐熱性に加えて大巾に寸法安定性を改
善することができた。 本発明において積層板用原紙の坪量、密度につ
いて特に制限はないが、積層板に加工する時の作
業性、生産性等を考慮すると坪量80〜300g/m2、
密度0.4〜0.6g/cm3程度が好ましい。 本発明の積層板用原紙には、必要に応じて充填
剤、顔料、染料、紙力増強剤、難燃助剤、難燃剤
等を配合または付与することができる。また、そ
の方法には特に制限はなく、紙料への内部添加お
よび/またはサイズプレス使用など、適宜選択す
ることが可能である。 かくして得られる繊維屈曲度を低減させたリン
ターや溶解パルプを用いた積層板用原紙はつぎに
合成樹脂を含浸させ、積層成形し積層板とする。 積層板用樹脂としてはフエノール樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
等の熱硬化性樹脂やフツ素樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が使用でき
る。 積層板用原紙にこれらの樹脂を含浸させてプリ
プレグとし、これを加熱下で積層成形して積層板
を得るが、その際の含浸及び加熱積層成形には公
知の方法を利用することができる。樹脂の含浸量
は原紙に対し40〜65重量%の範囲が好適である。 尚、上記プリプレグを積層した積層体の表面に
金属箔をのせて加熱積層成形すれば金属箔貼り積
層板を得ることができる。 金属箔としては銅箔、アルミニウム箔を用いる
ことができ、特に限定するものではない。また、
必要に応じて金属箔裏面には接着剤を予め塗布し
ておいてもよい。 (作用) 本発明はセルロース系繊維の形態に着目し、繊
維屈曲度を低減させたリンターや溶解パルプを用
いることにより積層板の打抜き加工性、耐熱性を
低下させずに寸法安定性を向上させることを見い
出したものである。 繊維屈曲度低減の作用の詳細については不明な
点が多いが、水による繊維の膨潤に加えて、機械
力で繊維の内部構造が緩められることにより、繊
維屈曲部並びに繊維全体が柔軟化され繊維形態が
矯正させるものと考えられる。 このようにして得た繊維屈曲度のひくいリンタ
ー、溶解パルプを積層板用原紙の原料として用い
た場合、積層板の寸法安定性が向上すると考え
る。 (実施例) 繊維形態を繊維屈曲度により定量化を行ない、
更に繊維屈曲度を低減させることで寸法安定性の
優れた積層板用原紙及び積層板の得られることに
ついて実施例により具体的に説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。 尚、実施例及び比較例において「%」は断わり
のない限り「重量%」の意である。 実施例 1 繊維屈曲度62の広葉樹材未叩解硫酸塩溶解パル
プを叩解することによつて繊維屈曲度を25まで低
減させた。この時のパルプ水度は550mlcsFで
ある。この原料を用い、添加剤を配合することな
く抄紙された原紙の坪量は125g/m2、密度0.5
g/cm3であつた。 この積層板用原紙にメタノールで固形分が50%
になるように調製したフエノール樹脂を含浸さ
せ、乾燥して樹脂付着量が50%のプリプレグをつ
くり、このプリプレグを8枚重ね、160℃100Kg/
cm2で60分間加熱、加圧成形して厚さ1.6mmの積層
板を得た。 得られた積層板の物性は第1表に示すように寸
法安定性に優れ、他の特性も良好な積層板が得ら
れた。 実施例 2 繊維屈曲度74の針葉樹材未叩解亜硫酸溶解パル
プを叩解することによつて、繊維屈曲度を30まで
低減させた。この時のパルプ水度は600mlcsF
であつた。以下、実施例1と同様にして厚さ1.6
mmの積層板を得た。 得られた積層板の物性は第1表に示すように寸
法安定性及び他の特性も良好な積層板を得た。 比較例 1 繊維屈曲度62の広葉樹材未叩解硫酸塩溶解パル
プをパルプ水度で560mlcsFまで叩解させた。
この時の繊維屈曲度は52であつた。以下、実施例
1と同様にして厚さ1.6mmの積層板を得た。 得られた積層板の物性を第1表に併記するが、
寸法安定性が実施例1に較べ劣つていた。 比較例 2 繊維屈曲度74の針葉樹材未叩解亜硫酸溶解パル
プをパルプ水度で605mlcsFまで叩解させた。
この時の繊維屈曲度は55であつた。以下、実施例
2と同様にして厚さ1.6mmの積層板を得た。 得られた積層板の物性を第1表に示したが、寸
法安定性が実施例2に較べ劣つていた。 比較例 3 繊維屈曲度18、水度580mlcsFの広葉樹材未
叩解硫酸塩パルプを未叩解のまま使用し、実施例
1と同様にして厚さ1.6mmの積層板を得た。 得られた積層板の物性は第1表に示すように寸
法安定性は非常に良好であるが打抜き加工性が劣
つていた。
定性に優れた積層板を製造するために利用される
積層板用原紙及び該原紙を使用した積層板に関す
るものである。 (従来の技術) 積層板用原紙は、例えばフエノール樹脂のよう
な合成樹脂を含浸させた後、積層板に成形加工さ
れ産業用、民生用電子機器の広範な分野に用いら
れる。 現在広く用いられている木材パルプを原料とし
た積層板用原紙は硫酸塩パルプが多く使われてい
る。 また、使用量は少ないが木材パルプ以外を用い
た積層板用原紙としてはコツトンリンター紙があ
る。 (発明が解決しようとする問題点) 近年の電子工業の著しい発達に伴ないプリント
配線板の使用条件が苛酷となり、積層板基材に要
求される物性は高度化する傾向が強まつている。
とりわけ、高密度配線化に対応するために寸法精
度の優れた積層板が要求されている。 また、寸法精度の要求と併せて打抜き加工性、
耐熱性等についても兼ね備えた基材が望まれてい
る。 現在、積層板用原紙として広く使われている硫
酸塩パルプ紙は、比較的良好な寸法安定性を有し
ているが打抜き加工性、耐熱性がリンター紙に較
べて劣る。 一方、リンター紙は比較的良好な打抜き加工
性、耐熱性を有しているが寸法安定性が硫酸塩パ
ルプ紙に較べ劣つている。 また、特開昭60−79952に示されるα−セルロ
ース含量87.0%以上の木材パルプを用いた積層板
用原紙を用いた場、リンター紙並の打抜き加工性
と、良好な耐熱性が得られるがリンター紙同様寸
法安定性で十分に満足いく特性が得られていな
い。 このうちリンター紙及び高α−セルロース含量
の木材パルプを用いた積層板用原紙から成る積層
板の寸法安定性が劣る大きな要因の一つとしては
繊維形態の影響があげられる。 (問題点を解決するための手段) 積層板の寸法安定性について、例えばリンター
紙やα−セルロース高含量(87.0%以上)パルプ
紙を用いた場合の寸法安定性が劣ることは、得ら
れる繊維の形態が未叩解状態において全般に屈曲
しているためシートとしたときストレートな繊維
の集合体と較べ熱履歴に対して変化しやすいとい
える。 そこで本発明者らは積層板用原紙に用いるセル
ロース系繊維パルプの繊維形態に着目し、繊維形
態を定量化させて目標とする積層板の寸法安定性
を得るための管理に用い、未叩解状態のパルプが
屈曲した状態のものについては繊維形態を、例え
ば叩解機を利用した機械的処理等によつて形態を
ストレート化の方向へ矯正させることにより寸法
安定性の向上を計り得ることを見い出した。 この時の繊維形態の矯正度合いを、繊維屈曲度
によつて定量的に数値化させ管理するものとす
る。 繊維屈曲度とは一本の繊維の実長と繊維長軸の
両端を結んだ最短距離(直線距離)との比で表わ
し、下記の計算式で算出する。 繊維屈曲度=Lt−Ls/Ls×100 この時 Lt;繊維実長 Ls;繊維長軸の両端を結んだ直線距離 即ち、完全にストレートな繊維はLt=Lsとな
り繊維屈曲度は0(零)となる。また、繊維両端
が限りなく近接する位屈曲している場合繊維屈曲
度は無限に大きくなる。 繊維屈曲度を測定する手法には特に制限はない
が、一例としてはランダムに採取した繊維を拡大
投影し、写し(映し)だされた全ての繊維につい
て[繊維総数として500本以上]測定し、全体を
代表する数値を求める。 各種セルロース系繊維パルプの未叩解原料の繊
維屈曲度は材種、パルプ製造法により各々大巾に
異なるが本特許に該当する積層板用原紙に用いら
れるリンター及び硫酸塩溶解パルプ、亜硫酸溶解
パルプは精製処理によつて未叩解パルプの繊維形
態は大巾に屈曲しているため繊維屈曲度は50〜80
と高い。 従つて積層板にした場合の寸法安定性の点では
不利である。 積層板の寸法安定性の向上及び繊維形態の定量
的管理において繊維屈曲度の低減はその手法に制
限はないが、他の打抜き加工性、電気特性等の積
層板特性を低下させることなく繊維形態を矯正さ
せることが必要である。 その手法としては、例えば機械的処理の一つと
して叩解機を利用することができる。 但し、寸法安定性を向上させるための叩解処理
は屈曲した繊維形態を矯正させるための処理であ
つて、叩解度だけでコントロールすることは不適
当であり、繊維屈曲度による管理も併せて行なう
ことが重要である。 同一叩解度のパルプでも繊維屈曲度が異なると
得られる積層板の寸法安定性は大きく異なる。 繊維形態を矯正させるための叩解処理は切断を
優先するような強い作用を極力抑え、変形を与え
るような小さな作用で繊維の内部構造を緩め繊維
屈曲部が柔軟化されることで繊維形態を矯正させ
るような叩解処理が望ましい。 また、叩解処理では積層板用原紙において合成
樹脂の浸透性を良好にするために、パルプの水
度については400mlcsF以上であることが望まし
い。 リンター及び未叩解硫酸塩溶解パルプ、未叩解
亜硫酸溶解パルプの高い繊維屈曲度を先に示した
機械的処理によつて繊維形態を矯正させること
で、繊維屈曲度を50未満まで低減させたパルプを
用いた積層板用原紙から成る積層板は優れた打抜
き加工性、耐熱性に加えて大巾に寸法安定性を改
善することができた。 本発明において積層板用原紙の坪量、密度につ
いて特に制限はないが、積層板に加工する時の作
業性、生産性等を考慮すると坪量80〜300g/m2、
密度0.4〜0.6g/cm3程度が好ましい。 本発明の積層板用原紙には、必要に応じて充填
剤、顔料、染料、紙力増強剤、難燃助剤、難燃剤
等を配合または付与することができる。また、そ
の方法には特に制限はなく、紙料への内部添加お
よび/またはサイズプレス使用など、適宜選択す
ることが可能である。 かくして得られる繊維屈曲度を低減させたリン
ターや溶解パルプを用いた積層板用原紙はつぎに
合成樹脂を含浸させ、積層成形し積層板とする。 積層板用樹脂としてはフエノール樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
等の熱硬化性樹脂やフツ素樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が使用でき
る。 積層板用原紙にこれらの樹脂を含浸させてプリ
プレグとし、これを加熱下で積層成形して積層板
を得るが、その際の含浸及び加熱積層成形には公
知の方法を利用することができる。樹脂の含浸量
は原紙に対し40〜65重量%の範囲が好適である。 尚、上記プリプレグを積層した積層体の表面に
金属箔をのせて加熱積層成形すれば金属箔貼り積
層板を得ることができる。 金属箔としては銅箔、アルミニウム箔を用いる
ことができ、特に限定するものではない。また、
必要に応じて金属箔裏面には接着剤を予め塗布し
ておいてもよい。 (作用) 本発明はセルロース系繊維の形態に着目し、繊
維屈曲度を低減させたリンターや溶解パルプを用
いることにより積層板の打抜き加工性、耐熱性を
低下させずに寸法安定性を向上させることを見い
出したものである。 繊維屈曲度低減の作用の詳細については不明な
点が多いが、水による繊維の膨潤に加えて、機械
力で繊維の内部構造が緩められることにより、繊
維屈曲部並びに繊維全体が柔軟化され繊維形態が
矯正させるものと考えられる。 このようにして得た繊維屈曲度のひくいリンタ
ー、溶解パルプを積層板用原紙の原料として用い
た場合、積層板の寸法安定性が向上すると考え
る。 (実施例) 繊維形態を繊維屈曲度により定量化を行ない、
更に繊維屈曲度を低減させることで寸法安定性の
優れた積層板用原紙及び積層板の得られることに
ついて実施例により具体的に説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。 尚、実施例及び比較例において「%」は断わり
のない限り「重量%」の意である。 実施例 1 繊維屈曲度62の広葉樹材未叩解硫酸塩溶解パル
プを叩解することによつて繊維屈曲度を25まで低
減させた。この時のパルプ水度は550mlcsFで
ある。この原料を用い、添加剤を配合することな
く抄紙された原紙の坪量は125g/m2、密度0.5
g/cm3であつた。 この積層板用原紙にメタノールで固形分が50%
になるように調製したフエノール樹脂を含浸さ
せ、乾燥して樹脂付着量が50%のプリプレグをつ
くり、このプリプレグを8枚重ね、160℃100Kg/
cm2で60分間加熱、加圧成形して厚さ1.6mmの積層
板を得た。 得られた積層板の物性は第1表に示すように寸
法安定性に優れ、他の特性も良好な積層板が得ら
れた。 実施例 2 繊維屈曲度74の針葉樹材未叩解亜硫酸溶解パル
プを叩解することによつて、繊維屈曲度を30まで
低減させた。この時のパルプ水度は600mlcsF
であつた。以下、実施例1と同様にして厚さ1.6
mmの積層板を得た。 得られた積層板の物性は第1表に示すように寸
法安定性及び他の特性も良好な積層板を得た。 比較例 1 繊維屈曲度62の広葉樹材未叩解硫酸塩溶解パル
プをパルプ水度で560mlcsFまで叩解させた。
この時の繊維屈曲度は52であつた。以下、実施例
1と同様にして厚さ1.6mmの積層板を得た。 得られた積層板の物性を第1表に併記するが、
寸法安定性が実施例1に較べ劣つていた。 比較例 2 繊維屈曲度74の針葉樹材未叩解亜硫酸溶解パル
プをパルプ水度で605mlcsFまで叩解させた。
この時の繊維屈曲度は55であつた。以下、実施例
2と同様にして厚さ1.6mmの積層板を得た。 得られた積層板の物性を第1表に示したが、寸
法安定性が実施例2に較べ劣つていた。 比較例 3 繊維屈曲度18、水度580mlcsFの広葉樹材未
叩解硫酸塩パルプを未叩解のまま使用し、実施例
1と同様にして厚さ1.6mmの積層板を得た。 得られた積層板の物性は第1表に示すように寸
法安定性は非常に良好であるが打抜き加工性が劣
つていた。
【表】
(発明の効果)
積層板の寸法安定性を向上させるために積層板
用原紙に用いるセルロース系繊維の繊維形態に着
目し、繊維形態を繊維屈曲度で管理することによ
つて積層板の寸法安定性との対応が容易となり、
また硫酸塩溶解パルプ、亜硫酸溶解パルプ及びリ
ンターのような高α−セルロース含量パルプの未
叩解状態での屈曲した繊維形態をストレートの方
向へ矯正させることによつて繊維屈曲度を50未満
に低減させることにより寸法安定性の優れた積層
板用原紙及び積層板を製造することが可能となつ
た。
用原紙に用いるセルロース系繊維の繊維形態に着
目し、繊維形態を繊維屈曲度で管理することによ
つて積層板の寸法安定性との対応が容易となり、
また硫酸塩溶解パルプ、亜硫酸溶解パルプ及びリ
ンターのような高α−セルロース含量パルプの未
叩解状態での屈曲した繊維形態をストレートの方
向へ矯正させることによつて繊維屈曲度を50未満
に低減させることにより寸法安定性の優れた積層
板用原紙及び積層板を製造することが可能となつ
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 繊維屈曲度を50未満にしたリンターまたは硫
酸塩溶解パルプ、亜硫酸溶解パルプを用いた寸法
安定性の良好な積層板用原紙。 2 繊維屈曲度の低下を叩解処理によつて行なう
請求項1記載の積層板用原紙。 3 請求項1または2記載の積層板用原紙に積層
板用樹脂を含浸し加熱積層成形した打抜き加工
性、耐熱性に優れ寸法安定性の良好な積層板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8824388A JPH01259937A (ja) | 1988-04-12 | 1988-04-12 | 寸法安定性の良好な積層板用原紙及びこれを用いた積層板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8824388A JPH01259937A (ja) | 1988-04-12 | 1988-04-12 | 寸法安定性の良好な積層板用原紙及びこれを用いた積層板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01259937A JPH01259937A (ja) | 1989-10-17 |
JPH059268B2 true JPH059268B2 (ja) | 1993-02-04 |
Family
ID=13937418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8824388A Granted JPH01259937A (ja) | 1988-04-12 | 1988-04-12 | 寸法安定性の良好な積層板用原紙及びこれを用いた積層板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01259937A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6208417B2 (ja) * | 2012-09-12 | 2017-10-04 | 日本製紙株式会社 | 溶解パルプ |
-
1988
- 1988-04-12 JP JP8824388A patent/JPH01259937A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01259937A (ja) | 1989-10-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4652324A (en) | Process for the production of laminated sheet | |
JPH059268B2 (ja) | ||
JP2959392B2 (ja) | 積層板 | |
JPH10102392A (ja) | 積層板原紙及び積層板 | |
JPS5971332A (ja) | 樹脂含浸紙積層板の製造方法 | |
JPH03112643A (ja) | 銅張積層板及びその製造方法 | |
JPS63235592A (ja) | 電気絶縁積層板用原紙 | |
JPS59184643A (ja) | 不飽和ポリエステル樹脂積層板 | |
JPS60248740A (ja) | 積層板の製造法 | |
JPS59201855A (ja) | 銅張り積層板用原紙 | |
JP2943892B2 (ja) | 電気絶縁積層板原紙 | |
JPS6230127A (ja) | 紙フエノ−ル樹脂積層板の製造法 | |
JPH10168784A (ja) | 電気絶縁積層板原紙 | |
JPS58163653A (ja) | 積層品の製造法 | |
JPH06128895A (ja) | 積層板原紙 | |
JP2002160317A (ja) | 金属箔張り積層板の製造方法及び金属箔張り積層板 | |
JPH05263399A (ja) | 積層板用原紙及びその製造法 | |
JP2005169841A (ja) | 表面層および化粧板、ならびに化粧板の製造方法 | |
JPS63211400A (ja) | 積層板用紙基材 | |
JPH06328603A (ja) | アディティブ法プリント配線板用積層板 | |
JPH01221438A (ja) | 積層板および積層板用シート状基材 | |
JPH04142338A (ja) | 積層板の製造方法 | |
JPS63159594A (ja) | 電気絶縁積層板用一次処理紙の製造方法 | |
JPH0227472B2 (ja) | ||
JPH10212689A (ja) | 電気絶縁積層板原紙および電気絶縁積層板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |