JP2005169841A - 表面層および化粧板、ならびに化粧板の製造方法 - Google Patents

表面層および化粧板、ならびに化粧板の製造方法 Download PDF

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高広 中田
Yasuhide Sawada
泰秀 澤田
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幹雄 伊藤
Michio Sugiyama
道雄 杉山
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、寸法安定性に優れ、曲面加工を容易に実施できる化粧板を提供することである。
【解決手段】 本発明は、基材と硬化性樹脂とで構成される第1の層と、前記第1の層の片面に設けられた化粧紙で構成される第2の層とを有する化粧板の表面層であって、前記第1の層の基材は、横方向の引張り強度が縦方向の引張り強度に対して15〜50%であることを特徴とする表面層である。また、前記第1の層の基材は、実質的にパルプからなり、該パルプの針葉樹比率が10〜70%である表面層である。さらに、本発明は、上記の表面層と、この表面層の片面に設けられたコア層とが積層されたことを特徴とする化粧板およびその製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面層およびこれを用いた化粧板、ならびに化粧板の製造方法に関する。
従来から内装材料として、メラミン樹脂化粧板、ポリエステル樹脂化粧板、塩化ビニル樹脂化粧シート等の化粧板が使用されている。これらの中でもメラミン樹脂化粧板は、表面硬度が高く、耐汚染性に優れる等の良好な表面性能を有している点、および化粧紙に豊富な色柄が選択でき意匠性にも優れている点等により広く使用されている。しかし、メラミン樹脂化粧板は、比較的反りが大きく、寸法安定性に劣るといった問題点を有していた。
近年、収納、洗面流し、キッチン等の扉や家具、さらに車両用途等の内装デザインの指向変化から、大きい曲率で曲面加工可能な化粧板が要求されている。これに対して、メラミン樹脂化粧板は、上述したように高い表面硬度を有するために、曲面加工を行うのは比較的困難であった。
メラミン樹脂化粧板の曲げ加工性を向上させるためには、主として化粧板に可とう性を付与することが検討されてきた。例えば、可とう性を有するメラミン樹脂を使用する方法(例えば、特許文献1参照)やコア層に可とう性のフィルムを使用する方法(例えば、特許文献2参照)等がある。
特開平10−120970号公報 特開平9−11407号公報
本発明の目的は、寸法安定性に優れ、曲面加工を容易に実施できる化粧板を提供することである。
このような目的は、下記(1)〜(13)に記載の本発明により達成される。
(1) 基材と硬化性樹脂とで構成される第1の層と、前記第1の層の片面に設けられた化粧紙で構成される第2の層とを有する化粧板の表面層であって、
前記第1の層の基材は、横方向の引張り強度が縦方向の引張り強度に対して15〜50%であることを特徴とする表面層。
(2) 前記表面層の引張り伸び率が0.5〜5.0%である前記(1)に記載の表面層。
(3) 前記第1の層の基材は、実質的にパルプからなり、該パルプの針葉樹比率が10〜70%である前記(1)または(2)に記載の表面層。
(4) 前記表面層の厚さは、30〜500μmである前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の表面層。
(5) 前記基材の含有率は、前記第1の層全体の10〜40重量%である前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の表面層。
(6) 前記基材の坪量は、10〜90g/mである前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の表面層。
(7) 前記基材は、クレープ紙である前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の表面層。
(8) 前記クレープ紙のクレープ率は、2〜40%である前記(7)に記載の表面層。
(9) 前記第2の層は、その厚さ方向に、実質的に硬化性樹脂が未含浸である部分を有するものである前記(1)ないし(8)のいずれかに記載の表面層。
(10) 前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の表面層と、前記表面層の片面に設けられたコア層とが積層されてなることを特徴とする化粧板。
(11) 前記コア層は、フェノール樹脂含浸紙で構成される層である前記(10)に記載の化粧板。
(12) 前記(10)に記載の化粧板の製造方法であって、加熱、加圧前の前記第2の層を構成する化粧紙は、実質的に硬化性樹脂が未含浸であることを特徴とする化粧板の製造方法。
(13) 前記(12)に記載の化粧板の製造方法であって、加熱、加圧により硬化性樹脂が第2の層を構成する化粧紙の厚さ方向の少なくとも一部に含浸することを特徴とする化粧板の製造方法。
本発明によれば、化粧板の寸法安定性に優れ、縦、横方向の関係なく曲面加工性が向上した化粧板を提供できる表面層およびそれを用いた化粧板を得ることができる。
また、実質的に硬化性樹脂が未含浸である化粧紙を用いた場合、特に化粧板の曲面加工性を向上することができるとともに、特に生産性に優れる化粧板の製造方法を提供できる。
以下、本発明の表面層、化粧板、および化粧板の製造方法について詳細に説明する。
本発明の表面層は、基材と硬化性樹脂とで構成される第1の層と、前記第1の層の片面
に設けられた化粧紙で構成される第2の層とを有する化粧板の表面層であって、前記第1の層の基材は、横方向の引張り強度が縦方向の引張り強度に対して15〜50%であることを特徴とするものである。
本発明の化粧板は、上記の表面層と、該表面層の片面側に設けられたコア層とが積層されたことを特徴とするものである。
本発明の化粧板の製造方法は、加熱、加圧前の前記第2の層を構成する化粧紙は、実質的に硬化性樹脂が未含浸であることを特徴とするものである。
本発明の表面層および化粧板について、好適な実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の表面層およびこの表面層を用いた化粧板の一例を模式的に示す断面図である。
化粧板1は、表面層2と、表面層2の片面側(図1においては下側)に設けられたコア層3とで構成される。なお、コア層3の他面側には、図示されないがバック層を設けても構わない。
表面層2は、化粧板の最表面を構成する第1の層21と、第1の層21の片面(図1においては下側)に設けられた第2層22とで構成される。コア層3は、パーチクルボード、ファイバーボード、合板等の基板に化粧板を接着する時の接着性を付与する機能、基板の凹凸が化粧板の表面に現れないようにする機能、化粧板の強度および寸法安定性を保持する機能等を有している。
表面層2において、第1の層21は、化粧板の表面に傷等が生じるのを保護する機能を有している。第2の層22は、化粧紙の選択によって化粧板に種々の意匠性を付与する機能を有している。
コア層3は、例えば樹脂を繊維基材に含浸して得られる。
前記樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の硬化性樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でもフェノール樹脂が好ましい。これにより、合板等の基材との接着性を向上する
ことができる。
前記繊維基材としては、例えば、クラフト紙等の紙基材、ガラス繊維等の無機繊維基材、ポリエステル、アラミド繊維等の合成繊維基材が挙げられる。これらの中で、汎用性、低コストなどの点から、通常紙基材が用いられる。
繊維基材に樹脂を含浸する方法としては、例えば、繊維基材に樹脂のワニスを含浸させる方法、繊維基材に硬化性樹脂の粉末を塗布する方法等が挙げられる。これらの中でも繊維基材に樹脂ワニスを含浸する方法が好ましい。これにより、繊維基材中に樹脂を均一に含浸することができる。
前記コア層3の樹脂の含有量は、特に限定されないが、コア層の樹脂含浸繊維基材の重量に対して10〜50重量%が好ましく、特に20〜40重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると化粧板全体の成形性が低下するため表面外観が低下する場合があり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
また、コア層3は、上述の樹脂を繊維基材に含浸して得られるもののみではなく、アルミニウム、鉄等の金属板と前記繊維基材に樹脂を含浸して得られるものとの複合物を用いることもできる。
コア層3の厚さは、特に限定されないが、100〜1400μmが好ましく、特に200〜800μmが好ましい。厚さが前記下限値未満であると化粧板の割れや欠けが発生して使用が困難となる場合があり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
表面層2は、横方向の引張り強度が縦方向の引張り強度に対して15〜50%である基材と硬化性樹脂とで構成される第1の層21と、第1の層21の片面側に設けられた化粧紙で構成される第2の層22とが積層されたものであり、好ましくは、第1層21の基材は、実質的にパルプからなり、該パルプの針葉樹比率が10〜70%のものである。また、好ましくは、表面層2の引張り伸び率が0.5〜5.0%である。これにより、表面層の引張り特性を向上することができる。
従来、化粧板の曲面加工性を向上させるためには、コア層と表面層間にフィルムや熱可塑性樹脂を挿入する技術が主に用いられてきた。これに対して、本発明は、上述の構成を有する表面層を用いることにより、表面層の引張り特性を改善し、それによって化粧板の縦方向のみならず、横方向の曲面加工性を向上したものである。
表面層2における第1の層21に用いる基材は、横方向の引張り強度が縦方向の引張り強度に対して15〜50%のものである。引張り強度の割合が前記下限値未満であると基材の切れが発生して生産が困難となることがあり、更には寸法安定性が低下する場合ある。前記上限値を越えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
また、表面層2は、好ましくは引張り伸び率が0.5〜5.0%であり、特に好ましくは0.6〜3.0%である。引張り伸び率が前記下限値未満であると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を越えると寸法安定性が低下する場合がある。前記引張り伸び率は、例えばJIS K 6902に準じて測定することができる。なお、引張り伸び率を測定する場合、前記基材に硬化性樹脂を含浸して第1の層を形成し、この第1の層と、化粧紙とを加熱、加圧して表面層のみを作成して得られたサンプルを用いることができる。
表面層2の厚さは、特に限定されないが、30〜500μmが好ましく、特に50〜350μmが好ましい。厚さが前記下限値未満であると、化粧板全体に対して、表面層を構成する樹脂量が少なくなるため耐熱性が低下する場合があり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
表面層2の厚さとコア層3との厚さの比は、特に限定されないが、1:1〜1:10が好ましく、特に1:1〜1:6が好ましい。厚さの比が前記範囲内であると、特に化粧板の曲面加工性を向上することができる。
第1の層21は、表面層の最表面を構成し、化粧板に耐傷付き性および耐汚染性を付与するものである。第1の層21は、前記引張り強度を有する基材に硬化性樹脂を含浸して得られる。前記引張り強度を有する基材としては、実質的にパルプからなり、該パルプの針葉樹比率が10〜70%であるものが好ましい。一般的に紙は広葉樹と針葉樹のパルプで作られている。針葉樹は、長い繊維で抄紙の時に繊維が縦方向に並ぶ特性がある。このため針葉樹を含むパルプで作られた紙は、繊維の配向により縦を強く、横を弱くする調整が可能である。針葉樹の比率が前記下限値未満であると目標とする引張り強度の調整が十分に得られず、化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。一方、前記上限値を越えると抄紙が困難となる。
一方、一般的に化粧板に用いられる印刷化粧紙は広葉樹100%がほとんどである。針葉樹が含まれると平滑性が損なわれ印刷が困難となる。このため、従来、縦横の強度比を調整することは困難であった。そこで、発明者らは鋭意検討した結果、印刷化粧紙の表面にオーバーレイ層(第1の層21)を構成し、そのオーバーレイ層基材の縦・横の強度比を調整することにより、化粧板の横方向の曲面加工性が良好な化粧板の開発に至った。
前記引張り強度比を有する基材としては、丸網方式で作られた紙等がある。特に伸縮性を有するクレープ紙が好ましい。これにより、第1の層に要求される透明性を損なうこと無く、表面層の引張り特性を向上することができる。
前記クレープ紙とは、例えば湿紙をプレスロールまたはヤンキードライヤーなどの上で、送りスピードと巻取りスピードに差をつけるとともに、ドクターを用いてしわを付けた紙をいう。
前記クレープ紙のクレープ率は、特に限定されないが、2〜40%が好ましく、特に15〜35%が好ましい。クレープ率が前記下限値未満であると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を越えると第1の層を形成することが困難となる場合がある。前記クレープ率は、例えば100mm×100mmの試験片を常温で水に浮かべて、3分後の長さの変化を測定して求める方法で評価することができる。
前記クレープ紙の湿潤後の伸び率は、特に限定されないが、2〜50%が好ましく、特に15〜40%が好ましい。湿潤後の伸び率が前記下限値未満であると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を越えるクレープ紙を作ることが困難な場合がある。前記湿潤後の伸び率は、例えばJIS S3104の方法で評価することができる。
前記クレープ紙等、第1の層の基材は、特に限定されないが、樹脂含浸した第1の層全体の10〜40重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると、このような多量の樹脂を含浸させることは困難であり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工を向上する効果が低下する場合がある。
また、前記クレープ紙の湿潤後の伸び率は、特に限定されないが、樹脂含浸時にクレープ紙が伸びる量よりよりも大きいことが好ましい。これにより、化粧板の曲面加工性を特に向上することができる。すなわち、樹脂含浸時にクレープ紙の伸び量が最大となってしまうと、化粧板を曲面加工する際にクレープ紙が伸びる余地が無くなり、その結果として化粧板の曲面加工性が低下するからである。
前記第1の層の基材(特に、クレープ紙)の坪量は、特に限定されないが、10〜90g/m が好ましく、特に15〜60g/mが好ましい。秤量が前記下限値未満であ
ると基材の湿潤強度が低く硬化性樹脂を含浸するのが困難となる場合があり、前記上限値を越えると表面層の透明性が低下する場合がある。
前記基材に含浸する硬化性樹脂は、通常熱硬化性樹脂であり、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。これらの中でもメラミン樹脂が好ましい。これにより、化粧板の耐傷付き性を特に向上することができる。
第1の層21における硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、第1の層全体に対して50〜90重量%が好ましく、特に65〜85重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると表面層とコア層との接着性が低下する場合があり、前記上限値を越えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
第1の層21の厚さは、特に限定されないが、20〜750μmが好ましく、特に30〜500μmが好ましい。厚さが前記下限値未満であると化粧板の成形性が低下する場合があり、前記上限値を超えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
第2の層22を構成する化粧紙は、化粧紙の選択によって化粧板に種々の意匠性を付与する機能を有している。
前記化粧紙としては、例えば、予め硬化性樹脂で含浸された化粧紙または未含浸の化粧紙が挙げられる。これらの中でも硬化性樹脂が未含浸の化粧紙を用いることが好ましい。具体的には、例えばチタン紙、リンター紙、クラフト紙、晒紙、未晒紙等が挙げられる。
なお、化粧紙は、第1の層の基材と同様に、実質的にパルプからなり、該パルプの針葉樹比率が10〜70%であるものが好ましい。この場合、曲げ加工性が更に改良される。
第2の層22を構成する化粧紙は、特に限定されないが、その厚さ方向に、実質的に樹脂が未含浸である部分を有することが好ましい。これにより、化粧板の曲面加工性を特に向上することができる。
従来の化粧紙は、化粧紙にメラミン樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂が含浸された樹脂含浸化粧紙であった。これに対して、本発明の好ましい実施態様では、化粧紙として樹脂が実質的に未含浸であるものを用いて化粧板の表面層を形成することにより、従来の化粧板と比較して曲面加工性を向上させることができるものである。すなわち、第2の層22がその厚さ方向に、実質的に硬化性樹脂が未含浸である部分を有することで、化粧板の曲面加工性を向上させることができるものである。
前記化粧紙の坪量は、特に限定されないが、10〜300g/m が好ましく、特に
30〜250g/mが好ましい。坪量が前記下限値未満であると化粧紙の強度が低下するため作業性が低下する場合があり、前記上限値を越えると耐熱性が低下する場合がある。
前記化粧紙の厚さは、特に限定されないが、8〜250μmが好ましくと、特に25〜210μmが好ましい。厚さが前記下限値未満であると化粧紙によるコア層3の色を遮蔽性する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると化粧板の曲面加工性を向上する効果が低下する場合がある。
前記硬化性樹脂と所定の引張り強度比を有する基材とで第1の層21を形成する方法としては、例えば前記基材に硬化性樹脂のワニスを含浸させる方法、前記基材に硬化性樹脂の粉末を塗布する方法等が挙げられる。これらの中でも前記基材に硬化性樹脂のワニスを含浸する方法が好ましい。これにより、基材内部までに硬化性樹脂が均一に含浸して表面
層の透明性を向上することができる。
次に、本発明の化粧板の製造方法について説明する。
図2は、本発明の化粧板の製造方法を模式的に示したものである。
本発明の化粧板の製造方法は、図2に示されるように、上記の引張り強度比を有する基材、好ましくはクレープ紙211に硬化性樹脂212を含浸して得られる未硬化の第1の層21aと、第2の層を構成する化粧紙22aと、未硬化のコア層3aとを重ねて加熱加圧することを特徴とするものである。
前記加熱温度は、特に限定されないが、110〜160℃が好ましく、特に120〜150℃が好ましい。加熱温度が前記範囲内であると、特に化粧板の曲面加工性が良好となり、かつ表面硬度を向上することができる。
前記加圧する圧力は、特に限定されないが、10〜120kg/cmが好ましく、
特に60〜110kg/cmが好ましい。圧力が前記範囲内であると、特に化粧板の
外観を向上することができる。
なお、上記の化粧板の製造方法では、上記の未硬化の第1の層21a、化粧紙22aおよび未硬化のコア層3aを同時に重ねて、加熱加圧することにより化粧板を得たが、本発明はこれに限定されない。例えば、未硬化の第1の層21aと化粧紙22aとを重ねて、加熱加圧することにより、予め表面層2を成形し、得られた表面層2と未硬化のコア層3aとを重ねて、加熱加圧することにより化粧板を得ることもできる。
また、化粧紙22aと未硬化のコア層3aとを重ねて、加熱加圧することにより予め形成し、それと未硬化の第1の層21aとを重ね、加熱加圧することにより化粧板を得ることもできる。
本発明の化粧板の製造方法では、特に限定されないが、加熱加圧前において、化粧紙22aは、実質的に硬化性樹脂が未含浸であるものを用いることが好ましい。これにより、化粧板の曲面加工性を特に向上することができる。また、化粧紙に予め硬化性樹脂を含浸する必要がないので作業工数を低減することができる。更には、作業工数を低減できることにより、化粧板の製造コストも低減することができる。
図3は、実質的に硬化性樹脂が未含浸である化粧紙22を用いて得られる化粧板の模式図である。
図3に示すように、基材211と硬化性樹脂212とで構成される未硬化の第1の層21aと、実質的に硬化性樹脂が未含浸である化粧紙22aと、未硬化のコア層3aとを加熱加圧成形すると、第1層21aに含まれていた硬化性樹脂212およびコア層3aに含まれていた硬化性樹脂が部分的に化粧紙22aに含浸されることになる。従って、成形された化粧板は、硬化した第1の層21と化粧紙から構成される第2の層22と硬化したコア層3とかななり、第2の層(化粧紙)22には、一部硬化性樹脂が未含浸ないしは含浸量の小さい部分が残ることになる。これにより、表面層の引張り特性を特に向上することができる。その結果、化粧板の曲面加工性を特に向上することができる。
すなわち、本発明の化粧板の製造方法においては、従来のメラミン樹脂等の硬化性樹脂を含浸した化粧紙を使用する方法と異なり、化粧板を積層成形する際に加える熱と圧力とを利用して、第1の層およびコア層を構成する硬化性樹脂を未含浸の化粧紙中に含浸することにより、化粧紙が本来有する柔軟性や曲げ性を保持した化粧板を得ることができると考えられる。
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)第1の層の製造
メラミンとホルムアルデヒドを、ホルムアルデヒド/メラミンのモル比1.4として配合し、反応温度を95℃とし、水混和度12ml/5mlとなるまで反応させてメラミン樹脂ワニスを得た。
次に、基材として針葉樹50%と広葉樹50%のパルプからなり、原紙坪率30g/m、引張り強度が縦方向2400g/25mm、横方向360g/25mm(横/縦の引
張り強度比15%)になるように抄紙して得られた、クレープ率23%、湿潤後の伸び率25%であるクレープ紙(ハビックス(株)製)に上記メラミン樹脂ワニスを含浸乾燥し、重量100g/m、揮発分を9%に調製した第1の層を得た。
(2)コア層を形成するフェノール樹脂含浸紙の製造
フェノールとホルムアルデヒドを、ホルムアルデヒド/フェノールのモル比1.5にして配合し、95℃で210分間反応してフェノール樹脂ワニスを得た。このワニスを坪量180g/mのクラフト紙に含浸乾燥し、重量280g/m、揮発分を5〜7%に調整してフェノール樹脂含浸紙を得た。
(3)化粧板の製造
上述の第1の層と、化粧紙として樹脂が未含浸である印刷原紙(凸版印刷社製 PPP−20042、坪量80g/m)と、コア層として上記のフェノール樹脂含浸紙を3枚重ねて、160℃、100kg/cm で、60分間加熱加圧成形して厚さ0.8mm
のメラミン樹脂化粧板を得た。なお、表面層の厚さは、0.25mm(第1の層0.15mmと、第2の層0.1mm)であった。また、得られた化粧板を分析したところ、化粧紙は厚さ方向に樹脂が一部未含浸であった。
(4)表面層の引張り伸び率の評価
なお、表面層の引張り伸び率を測定するために、上記第1の層と化粧紙のみを予め上記の化粧板を製造したときと同様の条件で加熱加圧成形を行い、表面層のみを作製した。得られた表面層の引張り伸び率を測定した結果、引張伸び率が常温で縦方向(伸縮性基材の長手方向)0.8%、125℃加熱時で縦方向3.0%であった。
(実施例2)
伸縮性を有する基材として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
クレープ紙として、針葉樹10%と広葉樹90%のパルプからなり、原紙坪率30g/m、引張り強度が縦方向2000g/25mm、横方向1000g/25mm(横/縦
の引張り強度比50%)になるように抄紙して得られた、クレープ率23%、湿潤後の伸び率25%であるクレープ紙(ハビックス(株)製)を用いた。
得られた化粧板の表面層の厚さは、0.25mm(第1の層0.15mmと、第2の層0.1mm)であった。また、得られた化粧板を分析したところ、化粧紙は厚さ方向に樹脂が一部未含浸であった。
実施例1と同様にして、表面層のみを作製し、その引張り伸び率の評価を行ったところ、常温で縦方向(伸縮性基材の長手方向)0.8%、125℃加熱時で縦方向1.0%であった。
(実施例3)
化粧紙として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
化粧紙として、メラミン樹脂を含浸した樹脂含浸化粧紙(凸版印刷社製 PPP−20042、坪量80g/m)を用いた。
得られた化粧板の表面層の厚さは、0.25mm(第1の層0.15mmと、第2の層0.1mm)であった。また、実施例1と同様にして、表面層のみを作製し、その引張り伸び率の評価を行ったところ、常温で縦方向0.3%、125℃加熱時で縦方向0.5%であった。
(比較例1)
第1の層の基材として、以下のオーバーレイ紙を用いた以外は、実施例1と同様にした。
クレープ紙の代わりに、広葉樹100%のパルプからなる原紙坪率30g/m、引張り強度が縦方向700g/25mm、横方向630g/25mm(横/縦の引張り強度比
90%)になるように抄紙して得られた、湿潤後の伸び率1%以下であるのオーバーレイ紙を用いた。
得られた化粧板の表面層の厚さは、0.25mm(第1の層0.15mmと、第2の層0.1mm)であった。また、得られた化粧板を分析したところ、化粧紙は厚さ方向に樹脂が一部未含浸であった。また、実施例1と同様にして、表面層のみを作製し、その引張り伸び率の評価を行ったところ、常温で縦方向0.3%、125℃加熱時で縦方向0.5%であった。
各実施例および比較例で得られた化粧板について、以下の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(1)曲面加工性(外曲げ)
化粧板の曲面加工性の評価は、縦方向および横方向について、それぞれ常温および132℃加熱の条件下にて、クラックや割れが何R(mm)まで発生しないかを評価した。
(2)寸法変化率
寸法変化率は、JIS K 6902に準じて行った。
(3)煮沸耐熱性
煮沸耐熱性の評価は、JIS K 6902に準じて行い、煮沸前後の吸水による重量変化率を求めた。また、化粧板の外観を、100℃の水で煮沸2時間処理後の変色、フクレの有無で評価した。各符号は、以下の通りである。
○:外観の変化無し、 △:外観の変色有り、 ×:フクレが発生
Figure 2005169841
表から明らかなように、実施例1〜3で得られた化粧板は、比較例と比べて、寸法変化率が小さく、曲面加工性に優れていた。そのなかでも、実施例1〜2で得られた化粧板は曲面加工性に特に優れていた。また、実施例1〜3で得られた化粧板は、煮沸処理後の重量変化が小さく、煮沸処理後の外観にも優れていた。
本発明によれば、化粧板の寸法安定性に優れ、縦、横の方向に関係なく曲面加工性が向上した化粧板を提供できる表面層、およびそれを用いた化粧板を得ることができる。また、実質的に硬化性樹脂が未含浸である化粧紙を用いた場合、特に化粧板の曲面加工性を向上することができる。
本発明の化粧板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の化粧板製造方法の工程を示す模式図である。 本発明の化粧板において、硬化性樹脂が実質的に未含浸である化粧紙を用いて得られる化粧板の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 化粧板
2 表面層
21 第1の層
22 第2の層
3 コア層
21a 未硬化の第1の層
211 針葉樹を10〜70%含み伸縮性を有する基材
212 硬化性樹脂
22a 第2の層を構成する化粧紙
3a 未硬化のコア層

Claims (13)

  1. 基材と硬化性樹脂とで構成される第1の層と、前記第1の層の片面に設けられた化粧紙で構成される第2の層とを有する化粧板の表面層であって、
    前記第1の層の基材は、横方向の引張り強度が縦方向の引張り強度に対して15〜50%であることを特徴とする表面層。
  2. 前記表面層の引張り伸び率が0.5〜5.0%である請求項1に記載の表面層。
  3. 前記第1の層の基材は、実質的にパルプからなり、該パルプの針葉樹比率が10〜70%である請求項1または2に記載の表面層。
  4. 前記表面層の厚さは、30〜500μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の表面層。
  5. 前記基材の含有率は、前記第1の層全体の10〜40重量%である請求項1ないし4のいずれかに記載の表面層。
  6. 前記基材の坪量は、10〜90g/mである請求項1ないし5のいずれかに記載の表面層。
  7. 前記基材は、クレープ紙である請求項1ないし6のいずれかに記載の表面層。
  8. 前記クレープ紙のクレープ率は、2〜40%である請求項7に記載の表面層。
  9. 前記第2の層は、その厚さ方向に、実質的に硬化性樹脂が未含浸である部分を有するものである請求項1ないし8のいずれかに記載の表面層。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の表面層と、前記表面層の片面に設けられたコア層とが積層されてなることを特徴とする化粧板。
  11. 前記コア層は、フェノール樹脂含浸紙で構成される層である請求項10に記載の化粧板。
  12. 請求項10に記載の化粧板の製造方法であって、加熱、加圧前の前記第2の層を構成する化粧紙は、実質的に硬化性樹脂が未含浸であることを特徴とする化粧板の製造方法。
  13. 請求項12に記載の化粧板の製造方法であって、加熱、加圧により硬化性樹脂が第2の層を構成する化粧紙の厚さ方向の少なくとも一部に含浸することを特徴とする化粧板の製造方法。
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